説明

圧力測定システム、圧力測定センサアセンブリ、および圧力を測定する方法

センサアセンブリ(13、113、213)と血管アダプタ(17、217)とを備える圧力測定システム(11、111、211)であって、センサアセンブリは、区室(19、119、219、220)を画定し、区室(19、119、219、220)は、測定ポート(29、129、229、230)と、測定ポートにわたる圧力伝達を可能にする、および不可能にするためのアクチュエータ(21、121、221、222)と、基準圧力に対して区室内の圧力を測定するための少なくとも1つの圧力センサ(23、123、223、224、225)とを備え、前記血管アダプタは、流体チャンバ(47、247、248)を画定し、前記チャンバは、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように区室と接続している圧力測定システム(11、111、211)において、区室と流体チャンバの間に、少なくとも1つのメンブレン(15、215)が位置され、メンブレン(15、215)は、区室内の媒体を流体チャンバ内の媒体から隔離することを特徴とする圧力測定システム(11、111、211)を記載する。圧力測定システムは、基準圧力に対して血管アダプタ内の媒体の圧力を測定するために使用される。さらなる実施形態では、圧力測定システムは、流量制限器を用いて、血管アダプタを通って流れる媒体の差圧を測定するように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力測定システム、圧力測定センサアセンブリ、血管アダプタ、人工呼吸器システム、血圧測定システム、および圧力を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集中治療用人工呼吸器および麻酔器において、肺内の空気の流量および圧力は重要なデータである。実際、今日では、これらのパラメータの監視は、関連の標準規格によって規定されている。気道開口で直接測定することが最良の測定法であることは、専門家の間で一致した意見である。しかし、気道配管内に水蒸気の凝結、粘液、血液、および場合によっては他の体液、ならびに感染病原体が存在することがあり、これらは、測定の高い信頼性および正確性ならびに患者の安全性に大きな悪影響を及ぼすおそれがある。このため、ほとんどの集中治療用人工呼吸器および麻酔器は、患者の気道開口ではなく、機械内で測定する。気道での感知は、いくつかの集中治療用人工呼吸器でしか利用可能でない。例えば、特許文献1に開示されているように、これらのデバイスは、検知管によって気道を内部センサに接続させ、それにより、気道圧と、例えば流量測定制限器にわたる差圧との「遠隔」感知を可能にする。検知管を使用する理由は2つある。第1に、圧力センサは、定期的にベースラインをリセットする必要があり、また、必要な弁は、気道に取り付けるには重すぎる。したがって、それらは、人工呼吸器または麻酔器の内部に位置される。第2に、比較的長い管が、気道とデバイスをある程度は隔離し、それにより、デバイス内部の圧力センサを水分および細菌やウイルスによる汚染から保護する。しかし、汚染からの保護は完全ではなく、水蒸気が拡散によって検知管内に容易に移動できてしまうこともある。このため、検知管の連続的または散発的なパージが必要である。現況の技術は有効であるが、いくつかの欠点がある。すなわち、検知管は、ねじれおよび切断が生じやすく、パージ流は、測定プロセスを妨害し、測定誤差をもたらし、したがって定期的なチェックを必要とし、検知管の切断は、人工呼吸器または摩擦機械によって監視するのが難しく、安全性の懸案事項となり、さらに、センサの汚染は、パージ流が止まった場合、例えば、配管が依然として取り付けられたままの状態で人工呼吸器または麻酔器が保管される場合には、完全には回避されない。最後に、人工呼吸器または麻酔器の応答時間は、長い検知管によって遅くなり、これは、例えば自動管補償において、患者の呼吸努力に対する迅速な応答を制限する。そのような制限は非常に強いことがあり、患者が非常に弱っている場合には自発的な呼吸が不可能になり、これはさらに、人工呼吸器の使用時間をより長くし、それに関連して感染、合併症、および死亡のリスクを伴う。
【0003】
特許文献2は、気道アダプタ(「呼吸気流計」)および圧力変換器からなる呼吸圧感知システムを開示する。変換器は、気道アダプタと結合されたときに呼吸試料を受け取るように設計される。このシステムは、2つのシステム構成要素間で長い管を用いずに、直接結合されるように構成される。変換器の圧力ポートは、気体が流れるように気道アダプタ管路と連絡している。それにより、圧力測定中、差圧センサは、気道管路内の呼吸気と直接接触する。微生物、水分、および他の汚染物質が結合ポートを通って、再使用可能な変換器の管路内に進むのを防止するために、例えばフェルトや粒子の形態での疎水性または抗菌性フィルタ材料などのフィルタを使用することが提案されている。しかし、上記の文献で提案されているフィルタは気体透過性であり、実際、採取された呼吸気が圧力ポートを通って流れるのを実質的に制限しないものである。したがって、汚染された患者からの空気は、依然として変換器部分に達して、変換器の再使用性を減少させることがある。したがって、圧力変換器または流量変換器のさらなる保護が望ましい。
【0004】
上述した理由から、より高い患者の安全性およびより高い測定の信頼性のあるセンサシステムが明らかに必要である。同時に、そのようなシステムのコストを低くすべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,083,245号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0261498A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、新規の改良された圧力測定システムを開発することである。さらなる目的は、新規の改良された圧力および流量測定システムを開発することである。新規のシステムは、より高い患者の安全性、より高い測定の信頼性、容易な較正、より高い可撓性を提供し、かつ汚染をなくすものである。そのようなシステムを使用するときの材料消費量およびコストは低くすべきである。さらなる目的は、気道での圧力測定、および差圧測定を改良することである。別のさらなる目的は、代替の血圧測定法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、本願請求項に記載される圧力測定システム、圧力測定センサアセンブリ、血管アダプタ、人工呼吸器システム、血圧測定システム、および圧力を測定するための本発明による方法によって解決される。
【0008】
本発明による圧力測定システムは、圧力を測定する媒体から圧力測定センサアセンブリを隔離することができるようにする媒体隔離メンブレンに基づく。
【0009】
第1の実施形態では、センサアセンブリおよび血管アダプタを備える本発明による圧力測定システムであって、センサアセンブリは区室を画定し、区室は、
−測定ポートと、
−測定ポートにわたる(すなわち測定ポートを通る)圧力伝達を可能にする、および不可能にするためのアクチュエータと、
−基準に対して区室内の圧力を測定するための少なくとも1つの圧力センサと
を備え、
血管アダプタは流体チャンバを画定し、前記チャンバは、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように区室と接続している圧力測定システムは、
−アクチュエータが機械的に動作可能である(すなわちアクチュエータが機械的なアクチュエータである)こと、および
−区室と流体チャンバの間に少なくとも1つのメンブレンが位置され、メンブレンは、区室内の媒体を流体チャンバ内の媒体から隔離すること
を特徴とする。
【0010】
有利には、取り付けたときのセンサアセンブリと血管アダプタの配置において、媒体隔離メンブレンは前記媒体を隔離する。したがって、測定ポートを通る媒体交換は、メンブレンによって防止される。したがって、メンブレンは、液体および/または気体、特に空気および/または血液に関するシーリング手段である。同時に、メンブレンはまた、固体粒子、および例えば細菌やウイルスなど微生物のためのバリアである。
【0011】
メンブレンは、媒体不透過性、特に気体および/または液体不透過性である。メンブレンは、接着剤または熱接合によって気道アダプタに取り付けられたポリエステル箔などの箔の形態でのプラスチック材料からなる。メンブレンは、厚さが好ましくは4〜50マイクロメートル、より好ましくは5〜30マイクロメートル、最も好ましくは10〜25マイクロメートルである。測定対向ポートの位置で、メンブレンは、好ましくは隆起部を形成する。これは、対向ポート開口を覆うのに必要なサイズを超える余剰の材料である。この余剰の材料を例えば隆出部、鼻部、突起部、または膨出部と表すこともある。メンブレン材料は、柔らかく可撓性があり、したがって隆起部は、(加圧気体または加圧液体で充填されない限り)柔軟性がある。したがって、取り付けられた不透過性の媒体隔離メンブレンは柔軟性があるので、柔軟性メンブレンと呼ぶ。好ましくは、柔軟性メンブレンの隆起部(本明細書では、隆出部、鼻部、突起部、または膨出部とも呼ぶ)は、測定ポートの開口の断面のサイズ(すなわち断面サイズ)よりも少なくとも10パーセント大きい表面積(すなわち表面サイズ)を有し、その一方で、前記隆起部、隆出部、鼻部、突起部、または膨出部の断面(例えば直径)は、測定ポートの断面(例えば直径)とほぼ同じサイズであることが好ましい。有利には、隆起部の表面(すなわち膨出表面または湾曲表面)のサイズは、測定ポートの開口領域の断面のサイズよりも少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも100パーセント、より好ましくは200パーセント、またはさらには500パーセント以上大きい。メンブレン、より特定的にはメンブレンの隆起部、隆出部、鼻部、突起部、または膨出部は、好ましくは実質的に伸張せずに撓むことができる。本発明による測定システムにおいてそのようなメンブレンを使用することによって、圧力伝播の損失が回避される。
【0012】
メンブレンは、媒体不透過性であるか、または測定処置にかかる短い時間にわたって媒体不透過性とみなすことができる。この要件は、測定の精度を保証し、血管アダプタ内の媒体中に含まれる細菌やウイルスなどの物質によるセンサアセンブリの汚染を防止する。具体的には、前記メンブレンは、空気、水、および血液に対して不透過性である。本発明においては、測定の時間枠内で気体または水が実質的に全く透過し得ない場合に、特定のメンブレンを不透過性とみなす。これは、圧力測定の時間枠内で、前記メンブレンに関して、有用な測定精度範囲内で気体または液体の浸透を検出し得ない場合に、特定のメンブレンを不透過性とみなすことを意味する。気体または液体の浸透に基づく圧力測定誤差は、1パーセント未満、好ましくは0.1パーセント未満、より好ましくは0.01パーセント未満、最も好ましくは0.001%未満であることが好ましい。
【0013】
例えば、特許文献2で開示されているフィルタなど、呼吸管路で典型的に採用されるフィルタは、水分、微生物、および他の汚染物質を保持する働きをする。しかし、これらのフィルタは、呼吸気の交換を防げない。実際、上記の文献で開示されている材料は、気道アダプタ管路と変換器管路の間での気体交換を可能にする。
【0014】
好ましくは、血管アダプタは、メンブレンで覆われた測定対向ポートを備える。有利には、メンブレンは、血管アダプタに固定される。血管アダプタと、そこに固定されたメンブレンとの組合せは、使い捨て製品として使用することができる。
【0015】
好ましくは、センサは、大気に対する圧力を測定するように適合される。
【0016】
有利には、センサアセンブリと血管アダプタは、互いに解放可能に固定するための固定手段、特に解放可能なクリップシステムを備える。使用中に汚染されないセンサアセンブリは再使用してもよい。解放可能な固定は、血管アダプタからのセンサアセンブリの容易な取外しを可能にする。
【0017】
好ましくは、アクチュエータは、隆起部を潰すように形成されて構成される。採用されるアクチュエータは、例えば、好ましくはピストン、レバー、またはスタンプの形態での機械的なアクチュエータであり、より好ましくは、チャンバから隆起部を押し出すと同時に測定ポートを閉じるためのシリンダ、円板、バルーン、または柔かいボールとして設計されたプッシャ端部を有するピストン、レバー、またはスタンプの形態での機械的なアクチュエータである。アクチュエータは、機械的に移動可能であり、したがって機械的に動作可能である。好ましくは、アクチュエータは、センサアセンブリの区室内に隆出するメンブレンを押し戻す、または潰すように設計される。有利には、アクチュエータは、隆起部のメンブレン材料に損傷を及ぼす、またはメンブレン材料を貫通することがないように設計され、したがって、例えば尖っていないまたは丸まったプッシャ端部を有する。
【0018】
好ましくは、区室内の測定ポートと、血管アダプタ内の測定対向ポートとは、真向いに位置合わせされる。あるいは、区室内の測定ポートと、血管アダプタ内の測定対向ポートとは、圧力伝達できるように接続を形成する接続管によって接続される。
【0019】
アクチュエータは、第1の位置では測定ポートを閉じ、すなわち測定ポートにわたる圧力伝達を不可能にし、第2の位置では測定ポートを開く、すなわち測定ポートにわたる圧力伝達を可能にするように構成される。その際、測定ポートは、不透過性であり、好ましくは柔軟性のメンブレンによって常に封止される。したがって、ポート開口からアクチュエータを引き戻すことによる測定ポートの開放、およびポート開口に対してアクチュエータを押すことによる測定ポートの閉止は、それぞれ、測定ポートにわたる圧力伝達を可能にすること、および不可能にすることと理解され、実際に媒体交換を可能にすることはなく、例えば気体または液体などの媒体を混合させることはない。
【0020】
好ましくは、アクチュエータは、センサアセンブリの区室の内部に位置される。特に、プッシャ端部は、区室の内部に位置される。
【0021】
有利には、区室は、解放ポートと、前記解放ポートを開閉するための弁手段とを備える。解放ポートは、区室を基準圧力、例えば大気圧に開く。前記解放ポートを弁機能と統合する有利な効果は、血管アダプタ内の圧力測定開始前に、チャンバ圧力を基準圧力条件にリセットすることができることにある。リセット操作の副次的な効果として、センサおよびアクチュエータの全般的な機能をチェックすることができる。測定ポートとは異なり、解放ポートは封止されていないことが好ましい。
【0022】
有利には、測定ポートと解放ポートは、同じ作動機構によって開閉することができる。好ましくは、弁手段は、第1の位置で解放ポートを閉じ、第2の位置で解放ポートを開くことができるようにアクチュエータの上に取り付けられる。使用時、測定ポートと解放ポートは、互いに独立して開閉する必要がある。この要件を満たすために、2つの個別のアクチュエータを区室内に配置することができ、各アクチュエータは、2つのポートの一方の開閉を行う。有利には、両方のポートの開閉を行うように適合された代替のアクチュエータ手段が区室内に配置される。両方の機能を備えるそのようなアクチュエータは、好ましくは、プッシャと弁手段を備える。ここで、プッシャは、測定ポートを閉じ、メンブレンを操作するように適合され、弁手段は、解放ポートを開閉するように適合される。有利には、共通のレバーにそれぞれ位置されるプッシャと閉止弁手段は、測定ポートおよび/または解放ポートを開閉するために、互いに独立して軸方向で可動的である。例えば、プッシャは、レバーの一端に位置され、例えば弁ヘッドの形態での閉止弁手段は、プッシャに対して軸方向で距離を取って、前記同じレバーに位置される。その際、弁手段とプッシャの相互距離は制御可能である。
【0023】
しかし、区室内部のいかなるタイプの作動機構にも共通の要件は、作動機構、特にプッシャのすべての位置で、作動機構またはプッシャが、区室内部で実質的に同じ体積を占めることである。したがって、これにより、測定中、区室内部の圧力変化の大部分が、柔軟性メンブレンの隆起部の撓みに起因するものになることが保証される。
【0024】
好ましい第2の実施形態では、圧力測定システムは、上述したのと同様に、センサアセンブリと、血管アダプタと、メンブレンとを備え、前記センサアセンブリ、血管アダプタ、およびメンブレンは、以下のことを特徴とする。
−センサアセンブリは、2つの区室、すなわち第1の区室と第2の区室を画定し、各区室は、測定ポートと、それぞれの測定ポートを開閉するためのアクチュエータ、すなわちそれぞれの測定ポートにわたる圧力伝達を可能にする、および不可能にするためのアクチュエータとを備え、その際、少なくとも1つの圧力センサが、前記2つの区室間の差圧を測定するように構成される。
−血管アダプタは、2つの流体チャンバ、すなわち第1のチャンバと第2のチャンバを画定し、各流体チャンバは、それぞれの測定ポートによって、圧力伝達できるようにそれぞれの区室と接続し、前記第1の流体チャンバと前記第2の流体チャンバは、流量制限器によって連絡する。
−少なくとも1つのメンブレンは、第1の区室と第1の流体チャンバの間、および第2の区室と第2の流体チャンバの間に位置され、第1の区室内の媒体および第2の区室内の媒体を、血管アダプタのそれぞれの流体チャンバ内の媒体から隔離する。
【0025】
第2の区室は、第2の測定ポートと、第2のアクチュエータと、任意選択で第2の解放ポートとを備え、本発明の上述した第1の実施形態に関して上述したのと同じ好ましい特徴および利点を示す。
【0026】
好ましくは、少なくとも1つのメンブレンは柔軟性があり、すなわち少なくとも1つの隆起部を形成し、その際、各隆起部の表面サイズは、測定ポートの開口の断面のサイズよりも少なくとも10パーセント大きく、好ましくは、それと同時に、各隆起部の断面(例えば直径)は測定ポートの断面(例えば直径)とほぼ同じサイズである。
【0027】
有利には、各隆起部の表面サイズは、測定ポートの開口の断面のサイズよりも少なくとも50パーセントから少なくとも100パーセント大きい。
【0028】
また、アクチュエータは、隆起部を潰すように形成されて構成される。
【0029】
前記圧力センサは、前記2つの区室間の差圧を測定するために、第1および第2の区室と接触する。有利には、少なくとも1つのさらなる圧力センサが、基準圧力、例えば大気圧に対する圧力を測定するために、区室の一方または両方の中に配置される。
【0030】
機械的なアクチュエータは、ピストン、レバー、またはスタンプの形態であり、また、シリンダ、円板、バルーン、または柔かいボールとして設計されたプッシャ端部を有するピストン、レバー、またはスタンプの形態である。好ましくは、前記測定ポートはそれぞれ、少なくとも1つのメンブレンで覆われる。区室内の測定ポートは、血管アダプタ内の測定対向ポートと真向いに位置合わせされる。アクチュエータは、第1の位置では測定ポートを閉じ、第2の位置では測定ポートを開く。また、各区室は、解放ポートと、前記解放ポートを開閉するための弁手段とを備える。
【0031】
センサアセンブリと血管アダプタは、互いに解放可能に固定するための固定手段、特に解放可能なクリップシステムを備える。
【0032】
区室を備える本発明による圧力測定センサアセンブリであって、区室は、少なくとも
−測定ポートと、
−測定ポートを開閉するためのアクチュエータと、
−基準圧力に対して区室内の圧力を測定するための圧力センサと
を備え、
前記区室は、流体チャンバを画定する血管アダプタの上に取り付けられるように適合され、流体チャンバは、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように区室と接続するように設計された圧力測定センサアセンブリは、アクチュエータが機械的に動作可能である(すなわちアクチュエータは、機械的なアクチュエータである)ことを特徴とする。
【0033】
アクチュエータは、ピストン、レバー、またはスタンプの形態であり、より好ましくは、シリンダ、円板、バルーン、または柔かいボールとして設計されたプッシャ端部を有するピストン、レバー、またはスタンプの形態である。
【0034】
アクチュエータは、第1の位置では測定ポートを閉じ、第2の位置では測定ポートを開くように適合される。
【0035】
任意選択で、区室は、解放ポートと、前記解放ポートを開閉するための弁手段とを備える。
【0036】
センサは、基準圧力に対して、好ましくは大気圧に対して圧力を測定するように構成される。
【0037】
さらなる一実施形態では、本発明による圧力測定センサアセンブリは2つの区室を備え、前記区室は、2つの流体チャンバを画定する血管アダプタに取り付けられるように適合され、流体チャンバは、測定ポートによって、圧力伝達できるように区室と接続するように設計され、少なくとも1つの圧力センサは、前記2つの区室間の差圧を測定するように構成される。
【0038】
前記少なくとも1つの圧力センサは、前記2つの区室間の差圧を測定するために第1および第2の区室と接触する。
【0039】
大気圧に対して圧力を測定するために、さらなる圧力センサが区室の一方または両方に配置される。
【0040】
機械的なアクチュエータは、ピストン、レバー、またはスタンプの形態であり、より好ましくは、シリンダ、円板、バルーン、または柔かいボールとして設計されたプッシャ端部を有するピストン、レバー、またはスタンプの形態である。
【0041】
アクチュエータは、第1の位置では測定ポートを閉じ、第2の位置では測定ポートを開くように適合される。
【0042】
任意選択で、各区室は、解放ポートと、前記解放ポートを開閉するための弁手段とを備える。
【0043】
任意選択で、センサアセンブリは、前記血管アダプタに解放可能に固定するための固定手段、特に解放可能なクリップシステムを備える。
【0044】
本発明による血管アダプタ、特に本発明による気道アダプタは、上で定義したようなセンサアセンブリを受け取るように適合された取付面を備える。
【0045】
血管アダプタは、メンブレンで覆われた少なくとも1つの測定対向ポートを備え、メンブレンは、血管アダプタ内部に媒体を保持し、センサに圧力を伝達するのに適している。
【0046】
メンブレンは柔軟性があり、すなわち隆起部を形成し、その際、隆起部の表面サイズは、測定ポートの開口の断面のサイズよりも少なくとも10パーセント大きく、好ましくは、それと同時に、隆起部の断面(例えば直径)は測定ポートの断面(例えば直径)とほぼ同じサイズである。
【0047】
隆起部の表面サイズは、測定ポートの開口の断面のサイズよりも少なくとも50パーセント、好ましくは少なくとも100パーセント大きい。
【0048】
本発明による人工呼吸器システムは、上で定義したような圧力測定システムを備える。
【0049】
血管アダプタ内の媒体の圧力を測定するための本発明による方法は、前記血管アダプタに取り付けられたセンサアセンブリを使用し、前記血管アダプタはチャンバを有し、前記センサアセンブリは区室を備え、区室は、少なくとも、圧力センサと、測定ポートと、機械的に動作するアクチュエータと、任意選択で解放ポートとを備え、前記区室は、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように前記チャンバと接続し、メンブレンは、前記区室と前記チャンバの間に挿間され、前記メンブレンは、隆起部を形成し、方法は、
a)任意選択で、区室内の圧力を大気圧に設定するために解放ポートを開くステップと、
b)アクチュエータを第1の位置に設定し、それにより隆起部を開始位置に押し、測定ポートを閉じるステップと、
c)任意選択で、ベースライン圧力データを測定するステップと、
d)開いている場合には、解放ポートを閉じるステップと、
e)アクチュエータを第2の位置に引き戻し、それにより隆起部を解放し、測定ポートを開いて、区室内の圧力を血管アダプタチャンバ内の圧力と平衡させるステップと、
f)圧力データを計算し、任意選択でベースライン圧力データと比較するステップと
を含む。
【0050】
ここで、測定ポートの開放は、チャンバと区室の圧力平衡を可能にするようにアクチュエータが引き戻されることを意味し、測定ポートの閉止は、測定ポートの開放とは逆に、チャンバと区室の圧力平衡を不可能にするようにアクチュエータが押されることを意味する。
【0051】
血管アダプタを通って流れる媒体の差圧を測定するための本発明による方法は、前記血管アダプタに取り付けられたセンサアセンブリを使用し、前記血管アダプタは、第1および第2の流体チャンバを画定し、前記チャンバは、流量制限器によって相互に接続され、前記センサアセンブリは、第1および第2の区室を備え、前記区室は、差圧センサによって隔離され、前記区室はそれぞれ、さらに、測定ポートと、機械的に動作するアクチュエータと、任意選択で解放ポートとを有し、前記区室はそれぞれ、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように1つのそれぞれのチャンバと接続し、メンブレンが、前記区室と前記それぞれのチャンバの間に挿間され、前記メンブレンは、少なくとも2つのそれぞれの隆起部を形成し、方法は、
a)任意選択で、区室内の圧力を大気圧に設定するために解放ポートを開くステップと、
b)アクチュエータを第1の位置に設定し、それにより隆起部を開始位置に押し、測定ポートを閉じるステップと、
c)任意選択で、ベースライン圧力データを測定するステップと、
d)開いている場合には、解放ポートを閉じるステップと、
e)アクチュエータを第2の位置に引き戻し、それにより隆起部を解放し、測定ポートを開いて、区室内の圧力をそれぞれの血管アダプタチャンバ内の圧力と平衡させるステップと、
f)圧力データを計算し、任意選択でベースライン圧力データと比較するステップと
を含む。
【0052】
測定ポートの開放は、チャンバとそれぞれの区室の圧力平衡を可能にするようにアクチュエータが引き戻されることを意味し、測定ポートの閉止は、測定ポートの開放とは逆に、チャンバと区室の圧力平衡を不可能にするようにアクチュエータが押されることを意味する。
【0053】
本発明によるシステムを用いて、基準圧力、例えば大気圧に対する血管アダプタ内部の圧力を求めることができる。また、本発明によるシステムを用いて、血管アダプタまたは流路、例えば気道アダプタ内部に位置される流量制限器にわたる圧力差を測定することができる。センサアセンブリを2つの異なる実施形態で説明する。第1に、基本アセンブリは、大気などの基準点に対する圧力の測定を可能にする。この第1のセンサアセンブリは、1つの区室からなる。第2に、より洗練されたアセンブリは、差圧の測定を可能にする。この第2のアセンブリは、2つの空気圧的に隔離された区室からなる。両方のアセンブリの実施形態に共通なのは、各区室が、測定ポートと、任意選択で解放ポートとを設けられていることである。解放ポートは、基準圧力、例えば大気に開き、測定ポートは、血管アダプタに接続するように開く。好ましくは、血管アダプタは、第1のセンサアセンブリ変形形態で使用されるときには1つの測定対向ポートを設けられ、第2のセンサアセンブリ変形形態で使用されるときには2つの測定対向ポートを設けられる。各測定ポートに対して、各区室内に少なくとも1つの機械的アクチュエータを設けることができる。このアクチュエータは、ピストン、レバー、またはスタンプでよい。機械的作動機構は、気道アダプタの柔軟性メンブレンの位置を操作するために、好ましくはシリンダ内部のピストンとして形成される。別の実施形態では、機械的な作動機構は、小さな穴を有する円板でよく、柔軟性メンブレンを所定位置に押し、同時に、センサアセンブリの封止部分の周りで圧力を平衡させることができるようにする。さらに別の実施形態では、機械的な作動機構は、外部ポンプまたは外部気体源によって膨張されるバルーンである。さらに別の実施形態では、機械的な作動機構は、柔軟性メンブレンを優しく所定位置に押す柔かいボールである。各解放ポートは、弁機構によって開閉することができる。好ましくは、弁機構は、大気圧への開放を閉じるシール、例えばレバーに固定された弁ヘッドを有する電動式のピストンである。気道圧を測定するための典型的なシーリング圧力は30hPaであるが、120hPaと高くてもよい。動脈圧を測定する目的では、これらのシーリング圧力は、300mmHgとかなり高い。弁機構とプッシャ機構は個別に制御可能である。
【0054】
好ましくは、血管アダプタは、柔軟性メンブレンで覆われた1つまたは2つの測定対向ポートを備える。センサアセンブリは、1つまたは複数の測定対向ポートに接続し、測定ポートからその測定対向ポートへの各経路を周囲から封止するためにOリングまたは他の手段を含む。2つの経路が形成される場合、2つの経路は互いから封止される。センサアセンブリが血管アダプタに接続された後、センサアセンブリ内部の弁および機械的アクチュエータは、以下の作用を行う。
a)任意選択で、各区室内部の弁は、それぞれの解放ポートを周囲圧力に対して開くように作動される。
b)各区室の機械的なアクチュエータは、血管アダプタのそれぞれの柔軟性メンブレンを開始位置に押し、それぞれの測定ポートを閉じるように作動される。
c)任意選択で、各区室内部の弁は、それぞれの解放ポートを閉じるように作動される。
d)各区室の機械的なアクチュエータは、それぞれの測定ポートを開くことによって、血管アダプタのそれぞれの柔軟性メンブレンを解放するように作動される。
【0055】
作用aおよびbの目的は、以下のようにして、高い信頼性で、機械的にベースラインのリセットを実現することである。
−ステップaは、各圧力センサを共通の基準点、すなわち周囲圧力に空気圧的に接続させるためのものである。
−ステップbは、柔軟性メンブレンを潰れた開始位置に機械的に位置決めすることによって、血管アダプタからの圧力の影響をなくすためのものである。
【0056】
ステップaおよびbが実行された後、すべての圧力センサのベースラインは、高い信頼性で測定することができ、後の測定で補正することができる。
【0057】
ステップcおよびdの目的は、センサアセンブリを血管アダプタと空気圧的に接続することであり、より正確には、血管アダプタ内部の圧力をセンサアセンブリ内部のセンサに伝達する、または各血管アダプタチャンバ内部の圧力をセンサアセンブリ内部の各センサに伝達することである。
−ステップcの実行後、各区室が閉じられて、加圧の準備が整う。
−ステップdの実行後、各区室が、血管アダプタチャンバの対応する圧力と平衡する。
【0058】
ステップcおよびdが行われた後、柔軟性メンブレンは、ある程度、しかし実質的に無理な力を加えることなく膨張され、区室内に隆出する。柔軟性メンブレンの両側での圧力は同一であり、したがって、センサアセンブリ内部の圧力センサが血管アダプタ内部の圧力を測定する、または適用可能であれば、センサアセンブリ内部の複数の圧力センサが血管アダプタの各チャンバ内部の圧力を測定する。
【0059】
センサアセンブリのすべての測定、読取り、および作用が、センサアセンブリ内部のマイクロプロセッサによって完全に、または一部制御される。結果は、ケーブルを介して、表示用の外部デバイスに伝達され、および/またはセンサアセンブリに取り付けられたディスプレイ上に表示される。任意選択で、センサアセンブリの測定、読取り、および作用は、センサアセンブリ外部のマイクロプロセッサによって完全に、または一部制御される。結果は、ケーブルを介して、表示用の外部デバイスに伝達される。さらに別の実施形態では、データは、例えば無線周波数または赤外光によってワイヤレスで伝送される。
【0060】
周囲圧力とは、大気圧、または周囲条件が設定される任意の他の基準圧力を意味する。
【0061】
以下、本発明を、具体的な図面および実施形態を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】センサアセンブリと、メンブレンで覆われた気道アダプタとを備える圧力測定システムであって、センサアセンブリは、アクチュエータと圧力センサとを有する区室を備える圧力測定システムを示す図である。
【図2】メンブレンで覆われた気道アダプタの上にクリップ留めされたセンサアセンブリを備える、取り付けられた圧力測定システムを示す図である。
【図3】図2の圧力測定システムをリセット位置で示す図である。
【図4】図2の圧力測定システムを中間位置で示す図である。
【図5】図2の圧力測定システムを測定位置で示す図である。
【図6】センサアセンブリと、メンブレンで覆われた気道アダプタとを備える圧力測定システムであって、センサアセンブリは、2つのアクチュエータと圧力センサとを有する区室を備える圧力測定システムを示す図である。
【図7】センサアセンブリと、メンブレンで覆われた気道アダプタとを備える圧力測定システムであって、センサアセンブリは2つの区室を形成し、2つの区室は、共通の圧力センサを設けられ、さらに各区室内にアクチュエータおよびさらなる圧力センサを設けられ、さらに位置センサを備える圧力測定システムを示す図である。
【図8】取り付けられた、リセット位置での図7の圧力測定システムを示す図である。
【図9】取り付けられた、中間位置での図7の圧力測定システムを示す図である。
【図10】取り付けられた、測定位置での図7の圧力測定システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
所与の周囲圧力に対する圧力の測定
図1乃至図5に、センサアセンブリ13と、メンブレン15で覆われた血管アダプタ17とを備える圧力測定システム11の第1の実施形態を示す。図1には、センサアセンブリ13と、メンブレン15で覆われた血管アダプタ17とを、接続していない配置で示す。センサアセンブリ13は、アクチュエータ21と圧力センサ23を有する区室19を備える。圧力センサ23は、区室の側壁27に配置されるか、または側壁27内に組み込まれることが好ましい。このようにすると、センサは、区室外部の所与の周囲圧力に対して区室19内の圧力を測定することができる。区室19は、好ましくは2つの開口、すなわち測定ポート29と解放ポート31を備える。アクチュエータ21は、プッシャ33と柄部35からなる。プッシャ33は、プッシャヘッド37を設けられる。柄部35は、弁手段39を設けられる。アクチュエータ21のプッシャ33と柄部35は、互いに可動的に接続される。プッシャ33と柄部35、したがってアクチュエータ21全体は、軸方向で可動的に取り付けられる。その際、プッシャ33と柄部35は、互いに独立して可動的である。プッシャ33、プッシャヘッド37、弁手段39、および柄部35は、区室19の内部に配置される。第1の位置では、プッシャヘッド37は、測定ポート29からわずかに離して位置決めされ、測定ポート29は開いている(図1、図2、および図5)。プッシャ33は、軸方向で伸縮可能である。プッシャヘッド37は、測定ポート29に向かって移動した後、第2の位置で測定ポート29を気密に閉じる(例えば図3または図4)。測定ポート29の周りで、区室19と血管アダプタ17の間にOリング45などのシールを提供して、区室19と血管アダプタ17、特に血管アダプタ17のチャンバ47との間の通路を封止する。弁手段39は、第1の位置では、解放ポート31を気密に閉じる(図1、図2、図4、および図5)。第2の位置では、区室19の中に再び位置決めされて、解放ポート31を開いた状態にする(図3参照)。アクチュエータ21は、本明細書で述べる運動を可能にするモータ(ここでは図示せず)を備え、適切な固定具(ここでは図示せず)によって区室壁27に固定される。
【0064】
血管アダプタ17は、測定対向ポート41を備える。このポート41は、メンブレン15で覆われている。メンブレン15と血管アダプタ17の間に支持体16を固定してもよい。メンブレン15は、柔軟性があり、隆起部43を成し、この隆起部43は、空気や血液など液体媒体または気体媒体によって容易に撓ませることができる。メンブレン15は、気密材料からなる。また、任意選択で、メンブレン15は、ある程度は伸張可能である。
【0065】
使用に際して、センサアセンブリ13は、センサアダプタ13の測定ポート29とアダプタ17の測定対向ポート41とが真向いの位置で位置合わせされるように血管アダプタ17上に取り付けられる(図2乃至図5参照)。Oリング45は、センサアセンブリ13と、メンブレン15で覆われた血管アダプタ17との間で押し潰され、2つのシステム部品の気密接触を成す。アダプタ17内部の媒体と区室19内部の媒体は、メンブレン15によって媒体どうし隔離されている。しかし、それと同時に、前記柔軟性メンブレン15を介する圧力の伝達は保証される。Oリング45を押し潰すのに必要な力はクリップ機構(ここでは図示せず)によって加えられ、クリップ機構は、センサアセンブリを血管アダプタ17に対して動かないように、かつ気密接触で保つ。
【0066】
センサアセンブリ13がアダプタ17上に取り付けられてクリップ留めされる前に、またはその後に、前記アダプタは、好ましくは圧力測定を行うパイプシステム内に組み込まれる。好ましい一例によれば、アダプタ17は、患者のための肺換気配管内に組み込まれる。別の例では、アダプタ17は、直接的な血圧測定のために、血管に通じるカテーテルに接続してもよい。2つの用途において、媒体体積は大きく異なる。したがって、アダプタ17およびセンサアセンブリ13のサイズおよび体積は、特定の用途に合わせて選択する必要がある。
【0067】
図2乃至図5を参照しながら、本発明による圧力測定システム11の動作を説明する。図2において、センサアセンブリ13は、血管アダプタ17上に取り付けられて固定されている(血管アダプタ17は、肺換気配管など検査対象の配管システム内に事前に既に組み込まれている)。メンブレン15は、血管アダプタ17とセンサアセンブリ13の間に圧入されている。メンブレン15の隆起部43の底面は、測定ポート29と測定対向ポート41の間の経路内に位置されている。
【0068】
図2に示されるように圧力測定システム11を設置した後、動作シーケンスを開始してもよい。
【0069】
図2および図3に示すように、プッシャヘッド37は、測定ポート29に突き当たるように移動されて、開口を気密に閉じる。プッシャヘッド37の移動は、プッシャ33のみ(プッシャ33と柄部35が結合されていないとき)または作動機構21全体(プッシャ33と柄部35が結合されているとき)を作動することによって実現される。プッシャヘッド37の移動により、隆起部43は押し潰される、または区室19から押し出される。同時に、またはその後、弁手段39を有する柄部35は、区室19内に下げられて、解放ポート31を開く。図3に示した位置では、プッシャヘッド37は測定ポート29を閉じており、弁手段39は解放ポート31から離れており、測定区室19内の圧力(Pc)は、周囲圧力、例えば大気圧(Pb)と平衡される。
【0070】
図4に示すように、解放ポート31は、解放ポート31に突き当たるように柄部35と弁手段39を軸方向で移動させることによって閉じられる。その際、柄部35および弁手段39は、プッシャ33およびプッシャヘッド37とは結合されていない。したがって、柄部35および弁手段39が移動される一方で、プッシャ33およびプッシャヘッド37は、それらの閉止位置のままである。図4に示した位置では、プッシャヘッド37は測定ポート29を閉じており、弁手段39は解放ポート31を閉じており、測定区室19内の圧力(Pc)は、周囲圧力、例えば大気圧(Pb)で維持される。
【0071】
図5において、解放ポート31は閉じたままにしながら、プッシャヘッド37を測定ポート29から引き戻して前記ポート29を開放することによって、実際の測定が行われる。測定ポート29が開くと、隆起部43は、血管アダプタ17内の圧力(Pv)に応じて、区室19内にある程度撓んで隆出することがある。メンブレン隆起部43は、血管アダプタ17内の過圧を区室19内に完全に伝えることができるように十分に大きなサイズに設計する必要がある。図5に示した位置では、プッシャヘッド37は測定ポート29から外されており、弁手段は解放ポート31を閉じており、測定区室19内の圧力(Pc)は、血管アダプタ内の圧力(Pv)と平衡される。圧力センサ23に接続されたデータ処理装置が、測定された圧力データを記憶する。
【0072】
測定ポート29に突き当たるようにプッシャヘッド37を移動させて、開口を再び閉じることによって、測定シーケンスを新たに開始してもよい。
【0073】
要約すると、測定動作は、少なくとも以下のステップを含む。
1.同時に、または順次に、測定ポート29を閉じ、解放ポート31を開くステップ。
2.解放ポート31を閉じるステップ。
3.測定ポート29を開くステップ。
4.センサ23の測定圧力データを読み取るステップ。
このシーケンスは、時間依存挙動を測定するために繰り返してもよい。
【0074】
説明したシステムによって、周囲に対する圧力値を求めてもよい。好ましくは、大気圧に対する圧力値が求められる。したがって、前記測定から、検査される媒体に関する絶対圧力値が得られる。
【0075】
使用時、血管アダプタ17は、パイプまたは配管システム内に組み込まれるか、または内圧を測定する容器と接触して連絡するように構成される。前記パイプ、配管システム、または容器は、気体媒体または液体媒体を搬送し得る。媒体には、懸濁物も含める。好ましい一例では、血管アダプタ17に血液を流す。血圧を測定するために、アダプタは、患者の血液循環系と連絡している配管システム内に組み込まれる。
【0076】
図6に、代替の圧力測定センサアセンブリ113を備える圧力測定システム111を示す。上述したのと同様に、このセンサアセンブリ113も、メンブレン15で覆われた血管アダプタ17上に取り付けることができる。上述したセンサアセンブリ13と同様に、このセンサアセンブリ113は、少なくとも1つの圧力センサ123を備え、この圧力センサ123は、区室119外部の所与の周囲圧力に対して区室119内の圧力を測定することができる。これに関し、圧力センサ123は、区室119の側壁127に配置されるか、または側壁127内に組み込まれることが好ましい。さらに、区室119は、好ましくは2つの開口、すなわち測定ポート129と解放ポート131を備える。各開口は、それぞれのアクチュエータによって開閉される。第1のアクチュエータ121は、測定ポート129を開閉するように構成される。このために、第1のアクチュエータ121は、第1のモータ159に接続されたプッシャ133からなる。第1のモータ159とプッシャ133は、第1の固定具161によってチャンバ119内部に配置されて固定される。第1のモータ159は、例えば作動ケーブル163を介して制御され、作動ケーブル163は、側壁127にあるケーブル用開口部165を通って区室119に入る。作動ケーブル163とケーブル用開口部165は気密シールを成し、その際、ケーブル163は開口部165に対して動かない。他の電気接触構成も考えられる。プッシャ133は、好ましくは、上述したのと同様に形成されたプッシャヘッド137を備え、前記測定ポート129を開閉するために軸方向で可動的に取り付けられる。これは、プッシャヘッドが、前記測定ポートにわたる圧力伝達を可能にする、および不可能にする機能を有することを意味する。第2のアクチュエータ122は、解放ポート131を開閉するように構成される。このために、第2のアクチュエータ122は、第2のモータ160に接続された弁部材139からなる。第2のモータ160と弁部材139は、第2の固定具162によってチャンバ119内部に配置されて固定される。第2のモータ160は、例えば作動ケーブル164を介して制御され、作動ケーブル164は、側壁127にあるケーブル用開口部166を通って区室119に入る。作動ケーブル164とケーブル用開口部166は気密シールを成し、その際、ケーブル164は開口部166に対して動かない。他の電気接触構成も考えられる。弁部材139は、柄部135の上に固定される。柄部135は、前記解放ポート131を開閉するために軸方向で可動的に取り付けられる。
【0077】
したがって、上で最初に述べたセンサアセンブリ13とは異なり、この代替のセンサアセンブリ113は、区室119の内部に2つのアクチュエータ、すなわち第1のアクチュエータ121と第2のアクチュエータ122を備える。上で最初に述べたアクチュエータ21は、測定ポート29の開閉と解放ポート31の開閉との2つの機能を兼ね備える(図1乃至図5)。代替のセンサアセンブリ113では、これら2つの機能が切り離され、第1の機能と第2の機能は、それぞれ第1のアクチュエータ121と第2のアクチュエータ122によって実行される(図6)。
【0078】
差圧測定
第2の実施形態に関し、図7乃至図10に、センサアセンブリ213と、メンブレン215で覆われた血管アダプタ217とを備える圧力測定システム211を示す。血管アダプタ217は、流量制限器218を備える。図7には、センサアセンブリ213と、メンブレン215で覆われた血管アダプタ217とを、接続していない配置で示す。センサアセンブリ213は、アクチュエータ、すなわち第1のアクチュエータ221および第2のアクチュエータ222をそれぞれ設けられた2つの区室、すなわち第1の区室219および第2の区室220と、2つの圧力センサ(好ましくはゲージ圧センサ)、すなわち少なくとも第1の圧力センサ223および任意選択で第2の圧力センサ224とを備える。圧力センサ223および224は、それぞれ、区室の側壁227および228内に組み込まれる。2つの区室219と220は、隔離壁226によって隔離される。第3の圧力センサ225が、隔離壁226内に組み込まれる。好ましくは側壁227および228に取り付けられたセンサ223および224は、区室外部の所与の周囲圧力に対して区室219および220内部の圧力を測定することができる。隔離壁に取り付けられた圧力センサ225は、2つの区室219と220の差圧を測定する。さらに、区室219と220はそれぞれ、好ましくは2つの開口、すなわち第1の測定ポート229と第1の解放ポート231、および第2の測定ポート230と第2の解放ポート232を備える。各アクチュエータ221および222はそれぞれ、好ましくは、プッシャ233および234と、柄部235および236とからなる。プッシャ233および234は、プッシャヘッド237および238を設けられる。柄部235および236は、弁手段239および240を設けられる。アクチュエータ221および222のプッシャ233および234と柄部235および236は、可動的に接続される。プッシャ233および234、柄部235および236、ならびに好ましくはアクチュエータ221および222全体は、軸方向で可動的に取り付けられる。その際、プッシャ233および234と、柄部235および236とは、互いに独立して可動的である。プッシャ233および234とプッシャヘッド237および238は、それぞれの区室219および220内に受け取られ、第1の位置では、プッシャヘッド237および238は、それぞれの測定ポート229および230(図10)から離して位置決めされる。したがって、測定ポート229および230は開いている。プッシャ233および234は軸方向で伸縮可能であり、それにより、プッシャヘッド237および238は、第2の位置では、それぞれの測定ポート229および230を気密に閉じる(例えば図7、図8、および図9)。弁手段239および240は、第1の位置では、解放ポート231および232を気密に閉じる(図9および図10)。第2の位置では、それぞれの区室219および220の中に再び位置決めされて、それぞれの解放ポート231および232を開放状態にする(図7および図8)。測定ポート229および230の周りに、2つのシーリング、例えばOリング245および246が位置される。アクチュエータ221および222は、本明細書で述べる運動を可能にするモータ(ここでは図示せず)を備え、固定具(ここでは図示せず)によって区室壁(227および/または228)に固定される。
【0079】
血管アダプタ217は、流量制限器218と、2つの測定対向ポート241および242とを備え、その際、流量制限器218は、2つのポート241と242の間に配置され、血管アダプタを2つのチャンバ247と248に分ける。流量制限器218は、好ましくは、可変オリフィス、特に蝶番式フラップ249を設けられる。測定対向ポート241および242は、メンブレン215で覆われる。メンブレン215と血管アダプタ217の間に支持体216を固定してもよい。メンブレン215は、柔軟性があり、隆起部243および244を成し、これらの隆起部243および244は、空気や血液など液体媒体または気体媒体によって容易に撓ませることができる。撓みは、何ら抵抗なく行われることが好ましい。メンブレン215は、気密材料からなる。また、任意選択で、メンブレン215は、ある程度は伸張可能である。
【0080】
使用に際して、センサアセンブリ213は、センサアダプタ213の第1および第2の測定ポート229および230と血管アダプタ217の第1および第2の測定対向ポート241および242とが真向いの位置で位置合わせされるように血管アダプタ217上に取り付けられる(図8乃至図10参照)。Oリング245は、センサアセンブリ213と、メンブレン215で覆われた血管アダプタ217との間で押し潰され、2つのシステム部品の気密接触を成す。Oリング245を押し潰すのに必要な力はクリップ機構(ここでは図示せず)によって加えられ、クリップ機構は、センサアセンブリを血管アダプタ217に対して動かないように、かつ気密接触で保つ。アダプタ217内部の媒体と区室219および220内部の媒体は、メンブレン215によって媒体どうし隔離されている。しかし、それと同時に、前記柔軟性メンブレン215を介する圧力の伝達は保証される。また、2つの区室219と220内部の媒体は、互いに隔離される。2つの区室の圧力の比較は、圧力センサ225によって実現される。
【0081】
センサアセンブリ213がアダプタ217上に取り付けられてクリップ留めされる前に、またはその後に、前記アダプタは、好ましくは圧力測定を行うパイプシステム内に組み込まれる。好ましい一例によれば、アダプタ217は、患者のための肺換気配管内に組み込まれる。
【0082】
図8乃至図10を参照しながら、本発明による圧力測定システム211の動作を説明する。図8において、センサアセンブリ213は、血管アダプタ217上に取り付けられて固定されている(血管アダプタ217は、肺換気配管など検査対象の配管システム内に事前に既に組み込まれている)。メンブレン215は、血管アダプタ217とセンサアセンブリ213の間に圧入されている。メンブレン215の隆起部243および244の底面は、測定ポート229および230とそれぞれの測定対向ポート241および242の間の経路内に位置される。
【0083】
図8に示されるように圧力測定システム211を設置した後、動作シーケンスを開始してもよい。
【0084】
図8に示されるように、プッシャヘッド237および238は、それぞれの測定ポート229および230に突き当たるように押圧されて、開口を気密に閉じる。同時に、プッシャヘッド237および238は、隆起部243および245をそれぞれの区室219から押し出す。同時に、弁手段239および240を有する柄部235および236は、解放ポート231および232からそれぞれの区室219および220内に下げられる。図8に示した位置では、プッシャヘッド237および238は測定ポート229および230を閉じており、弁手段239および240は解放ポート231および232から離れており、測定区室219および220内の圧力(Pc1およびPc2)は、周囲圧力、例えば大気圧(Pb)と平衡される。
【0085】
図9に示すように、解放ポート231および232は、それぞれの解放ポート231および232に突き当たるように柄部235および236と弁手段239および240を軸方向で移動させることによって閉じられる。その際、柄部235および236と弁手段239および240は、それぞれのプッシャ233および234とプッシャヘッド237および238とは結合されていない。したがって、柄部235および236と弁手段239および240が移動される一方で、プッシャ233および234とプッシャヘッド237および238は、それらの閉止位置のままである。図9に示した位置では、プッシャヘッド237および238は測定ポート229および230を閉じており、弁手段239および240は解放ポート231および232を閉じており、それぞれの第1および第2の測定区室219および220内の圧力(Pc1およびPc2)は、周囲圧力、例えば大気圧(Pb)で維持される。
【0086】
図10において、解放ポート231および232は閉じたままにしながら、プッシャヘッド237および238を測定ポート229および230から引き戻して前記ポート229および230を開放することによって、実際の測定が行われる。測定ポート229および230が開くと、隆起部243および244は、血管アダプタ217内の圧力(Pv)に応じて、区室219内にある程度撓んで隆出するか、または血管アダプタ217内に隆出することがある。メンブレン隆起部243および244は、血管アダプタ217のチャンバ247および248内の圧力をそれぞれの区室219および220内に完全に伝えることができるように十分に大きなサイズに設計する必要がある。図10に示した位置では、プッシャヘッド237および238は測定ポート229および230から離れており、弁手段239および240は解放ポート231および232を閉じており、測定区室219および220内の圧力(Pc1およびPc2)は、それぞれの血管アダプタ内の圧力(Pv1およびPv2)と平衡される。圧力センサ225に接続されたデータ処理装置が、測定された差圧データを記憶し、流量のさらなる計算を可能にする。任意選択で、ゲージ圧センサ223および224の読取値を比較して、差圧および流量を計算してもよい。この値を差圧センサ225の読取値と比較して、センサが適切に機能しているかチェックすることができる。
【0087】
測定ポート229および230に突き当たるようにプッシャヘッド237および238を移動させて、開口を再び閉じることによって、測定シーケンスを新たに開始してもよい。
【0088】
要約すると、測定動作は、以下のステップを含む。
1.同時に、または順次に、測定ポート229および230を閉じ、解放ポート231および232を開くステップ。
2.解放ポート231を閉じるステップ。
3.測定ポート229を開くステップ。
4.センサ225の測定圧力データを読み取るステップ。
このシーケンスは、時間依存挙動を測定するために繰り返してもよい。任意選択で、ステップ2およびステップ4で、センサ223および/または224の測定データを読み取り、同じセンサの以前の読取値と比較して、センサおよび作動機構が反応しているかどうか、すなわち機能しているかどうか判断してもよい。
【0089】
説明したシステムによって、差圧値を求めることができる。
【0090】
使用時、血管アダプタ217は、パイプまたは配管システム内に組み込まれる。求められる差圧は、流量に相関させてもよい。前記パイプまたは配管システムは、気体媒体または液体媒体を搬送する。媒体には、懸濁物も含める。好ましい一例では、血管アダプタ217は、気道アダプタである。気道アダプタは、換気管の空気の圧力を測定するために患者の換気配管内に組み込まれる。
【0091】
気道圧を測定するときの使用法の説明
典型的な用途は、集中治療用人工呼吸器または麻酔器での気道圧と気道内の気量の複合測定である。その目的は、患者への、および患者からの気量を監視および制御することである。この用途において、気道アダプタは、人工呼吸器または麻酔器を患者の気管内管と接続させる。気道アダプタは、典型的には、場合によっては透明なプラスチックからなる単一患者用デバイスである。加圧滅菌可能な材料から気道アダプタを作製することを想定することができる。以下に開示するように行われるどの測定の結果も、集中治療用人工呼吸器、麻酔器、または気道アダプタがある場所に表示される。
【0092】
この用途では、センサアセンブリ213は、2つの圧力測定ポート229および230を含み、各圧力測定ポート229および230は、それぞれの区室219および220に通じる(図7参照)。気道アダプタ217は、2つの圧力測定対向ポート241および242と、2つのポート241と242の間に配置された1つの流量制限器218とを含む(図7)。センサアセンブリの目的は、大気に対する圧力(気道圧)および流量制限器にわたる圧力降下を測定することである。流量制限器にわたる圧力降下を測定することで、気道内部の気量が測定されることになる。
【0093】
気道アダプタ217を患者に接続する前に、または接続した後に、センサアセンブリ213が、気道アダプタ217の上にクリップ留めされる。その後、弁開閉のシーケンスが上述したように実行され、ベースラインがリセットされ、測定を開始することができる。ベースラインのリセットは、手動で行う必要なく、また患者への、および患者からの気流に外乱を及ぼすことなく、定期的に繰り返すことができる。
【0094】
圧力センサは、気道開口241および242のすぐ傍で測定を行うので、人工呼吸器または麻酔器による気量および圧力のいかなる制御も、本発明を使用して非常に迅速に行うことができる。さらに、検知管、パージ流量、および管のねじれの監視は必要なくなり、代わりに電気的接続の単純なチェックを行えばよい。さらに、センサアセンブリ213の内部で、解放ポート231および232と、機械的なアクチュエータ221および222上の弁手段239および240とからなる弁機構を使用して、センサアセンブリ213の適切な動作を定期的にチェックすることができる。これは、解放ポート231および232を大気に開き、関連する圧力の変化を、説明した圧力センサ223および224で測定することによって行う。圧力変化がない場合、少なくとも1つのアクチュエータ221または222、あるいは少なくとも1つのそれぞれの圧力センサ223または224が機能していない可能性がある。そのような連続的な動作チェックは、集中治療用人工呼吸器および麻酔器の安全性を高め、偽陽性アラームを減少させる。
【0095】
別の用途では、本発明による圧力測定システムが、集中治療または救急用人工呼吸または麻酔器から独立して使用される。この場合、本発明による圧力測定システムは、ディスプレイユニットに接続され、ディスプレイユニットは、グラフ、波形、数値、またはそれらの組合せとして測定の結果を示す。あるいは、ディスプレイは、センサアセンブリ上に設けてもよい。さらに、ディスプレイユニットは、アラームしきい値を提供し、これらのしきい値の1つまたは複数を超えた場合に使用者に可聴および視覚信号で警告する。呼気の監視を行うことができないので現行の規定を遵守してはいないが、それでも使用されており適切に動作している多数の集中治療用人工呼吸器がある。そのような独立型ユニットの目的は、既に設置されている既存の人工呼吸器および麻酔器に、呼気流量および圧力を監視する機能を追加することである。
【0096】
センサアセンブリ213は、患者の粘液、血液、感染病原体などによる汚染から保護されるが、柔軟性メンブレン215上に水、血液、粘液、または唾液が溜まるのを防止するために気道アダプタ217の上に載置すべきである。柔軟性メンブレン215上に何らかの物質が存在すると、それにより測定帯域幅が減少することがある。そのような好ましくない位置を回避するために、好ましくは、センサアセンブリ213内に位置センサ251が組み込まれる。その際、位置センサ251は、好ましくは、センサアセンブリ213の中央隔離壁226内に組み込まれる(図7)。しかし、位置センサ251は、その存在によってセンサの機能が制約されない位置、特にアクチュエータが移動を制約されない位置であればどこに取り付けてもよく、またはどこに組み込んでもよい。位置は、取り付けられたマイクロプロセッサによって定期的に読み取られ、センサアセンブリが誤った位置にある場合には、医師に警告するためにユーザメッセージが生成される。
【0097】
測定の精度を高めるため、および気道アダプタ217の製造のばらつきをなくすために、気道アダプタ217は事前に較正することができ、較正定数を気道アダプタ217に刻印してもよい。この較正情報253は、センサアセンブリ213内部のリーダ255によって読み出すことができるように、気道アダプタの表面上に配置される。例えば、較正情報253は、気道アダプタの表面上に焼き付けられた2値コードからなることがある。別の実施形態では、無線周波数識別(RFID)チップを気道アダプタに接着することができ、センサアセンブリ内部のRFIDリーダによって読み取ってもよい。さらに別の実施形態では、各気道アダプタはバーコードを付けられ、バーコードリーダがセンサアセンブリ内に組み込まれる。
【0098】
以下、気道アダプタ、センサアセンブリ、ならびに、より特定的にはメンブレン、アクチュエータ、センサ、事前較正、およびマイクロプロセッサなど、具体的なシステム構成要素に関するさらなる例示的な詳細を提示する。
【0099】
好ましい一実施形態では、開示する方法は、2つの部分、すなわち気道アダプタとセンサアセンブリからなる。気道アダプタは、流量制限器、好ましくは可変オリフィス、例えばフラップと、2つの圧力測定対向ポートとを含み、ポートは、気体不透過性であり柔軟性があるメンブレンによって、周囲空気に対して封止され、かつ互いに対しても封止される。例えば、接着剤または熱接合によって気道アダプタに取り付けられたポリエステル箔を使用することができる。気道アダプタは、一方の側で気管内管または患者のマスクに接続し、他方の側で、人工呼吸器配管または麻酔器に接続する。直径に関する関連情報は、ISO規格に定められており、それに準拠する。
【0100】
センサアセンブリは、2つの気密封止された区室に分けられる。各区室は、好ましくは電気機械構成要素によって動作される機械的な作動機構またはレバーを有する。この機械的な作動機構またはレバーは、気道アダプタの柔軟性メンブレンの位置を操作するために使用される。機械的なレバーは、シリンダ内部のピストンでよい。別の実施形態では、機械的なレバーは、小さな穴を有する円板でよく、柔軟性メンブレンを所定位置に押し、同時に、センサアセンブリの封止部分の周りで圧力を平衡させることができるようにする。さらに別の実施形態では、機械的なレバーは、外部ポンプまたは外部気体源によって膨張されるバルーンである。さらに別の実施形態では、機械的なレバーは、柔軟性メンブレンを優しく所定位置に押す柔かいボールである。
【0101】
各区室は、周囲につながる1つの開口を有し、この開口は、弁で閉じることができる。好ましくは、弁は、周囲につながる開口を閉じるシールを備える単純な電動式のピストンである。気道圧を測定するための典型的なシーリング圧力は30hPaであるが、120hPaと高くてもよい。動脈圧を測定する目的では、これらのシーリング圧力は、300mmHgとかなり高い。弁は、アクチュエータの一構成要素でよい。
【0102】
2つの区室間の圧力差が、差圧変換器によって測定される。典型的な圧力範囲は、+/−3hPaである。周囲に対する少なくとも1つの区室の圧力差が、第2の差圧変換器によって測定される。別の実施形態では、両方の区室が、周囲に対する差圧センサを取り付けられ、一方が他方のためのバックアップとして働く。
【0103】
好ましい実施形態では、両方の区室の音響および空気圧インピーダンス(圧力ステップに対する過渡応答)が合致される。これは、主に、両方の区室の気体体積を合致させ、各区室の内部でさらに区分が生じるのを防止することによって行われる。
【0104】
センサアセンブリは、例えば患者の粘液、血液、感染病原体などによる汚染から保護されるが、柔軟性メンブレン上に水、血液、粘液、または唾液が溜まるのを防止するために血管アダプタの上に載置すべきである。柔軟性メンブレン上に何らかの物質が存在すると、それにより測定帯域幅が減少することがある。そのような好ましくない位置を回避するために、好ましくは、センサアセンブリ内に位置センサが組み込まれる。位置センサは、センサアセンブリの好都合な位置に組み込まれる。位置は、取り付けられたマイクロプロセッサによって定期的に読み取られ、センサアセンブリが誤った位置にある場合には、医師に警告するためにユーザメッセージが生成される。
【0105】
測定の精度を高めるため、および気道アダプタの製造のばらつきをなくすために、気道アダプタは事前に較正してもよい。
【0106】
本発明、特に第2の実施形態は、肺機能研究所における肺機能試験のための独立型の呼吸気流計として、または一般的な診療所におけるスクリーニングツールとして使用することができる。また、呼吸補助デバイス、集中治療用人工呼吸器、家庭治療用人工呼吸器、および救急用人工呼吸器において圧力および流量を測定するために使用することもできる。さらなる用途は、麻酔器におけるものである。さらに別の用途は、バイタルサインモニタにおいて、空気の流量、圧力、吸気体積、および呼気体積、ならびに他の呼吸パラメータを監視することである。さらなる別の用途は、呼吸気送達、圧力送達、または一般に呼吸送達を閉ループ制御するための人工呼吸器サポートデバイスにおけるものである。そのような用途は、限定はしないが、集中治療用人工呼吸器または救急用人工呼吸器、家庭治療用人工呼吸器、および麻酔器を含む。
【0107】
本発明をかなり詳細に、いくつかの好ましい形態を参照して説明してきたが、他の形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含まれる好ましい形態または実施形態の説明に限定すべきでない。指定された機能を実施する「ための手段(means for)」または指定された機能を実施する「ためのステップ(step for)」を明示的には記載していない特許請求の範囲内の任意の要素は、「手段」または「ステップ」の条項と解釈すべきではない。
【0108】
本明細書と同時に出願され、本明細書と共に公衆の縦覧に供されるすべての文献および文書にも注意を向けられたい。すべてのそのような書類および文書の内容を参照により本明細書に組み込む。明示的に特に断りのない限り、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)で開示するすべての特徴を、同一、均等、または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えてもよい。明示的に特に断りのない限り、開示する各特徴は、全般的な一連の均等な特徴または同様の特徴の一例にすぎない。
【符号の説明】
【0109】
11 圧力測定システム
13 センサアセンブリ
15 メンブレン
16 メンブレン支持体
17 血管アダプタ
19 区室
21 アクチュエータ
23 圧力センサ
27 側壁
29 測定ポート
31 解放ポート
33 プッシャ
35 柄部
37 プッシャヘッド
39 弁手段
41 測定対向ポート
43 隆起部
45 Oリング
47 チャンバ
111 圧力測定システム
113 センサアセンブリ
119 区室
121 第1のアクチュエータ
122 第2のアクチュエータ
123 圧力センサ
127 側壁
129 測定ポート
131 解放ポート
133 プッシャ
135 柄部
137 プッシャヘッド
139 弁手段
159 第1のモータ
160 第2のモータ
161 第1の固定具
162 第2の固定具
163 第1の作動ケーブル
164 第2の作動ケーブル
165 第1のケーブル用開口部
166 第2のケーブル用開口部
211 圧力測定システム
213 センサアセンブリ
215 メンブレン
216 メンブレン支持体
217 血管アダプタ
218 流量制限器
219 第1の区室
220 第2の区室
221 第1のアクチュエータ
222 第2のアクチュエータ
223 第1の圧力センサ
224 第2の圧力センサ
225 第3の圧力センサ、差圧センサ
226 隔離壁
227 第1の側壁
228 第2の側壁
229 第1の測定ポート
230 第2の測定ポート
231 第1の解放ポート
232 第2の解放ポート
233 第1のプッシャ
234 第2のプッシャ
235 第1の柄部
236 第2の柄部
237 第1のプッシャヘッド
238 第2のプッシャヘッド
239 第1の弁手段
240 第2の弁手段
241 第1の測定対向ポート
242 第2の測定対向ポート
243 第1の隆起部
244 第2の隆起部
245 第1のOリング
246 第2のOリング
247 第1のチャンバ
248 第2のチャンバ
249 フラップ
251 位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(13、113、213)と、血管アダプタ(17、217)とを備える圧力測定システム(11、111、211)であって、
前記センサアセンブリ(13、113、213)は、区室(19、119、219、220)を画定し、前記区室(19、119、219、220)は、
測定ポート(29、129、229、230)と、
前記測定ポートにわたる圧力伝達を可能にする、および不可能にするためのアクチュエータ(21、121、221、222)と、
基準圧力に対して前記区室内の圧力を測定するための少なくとも1つの圧力センサ(23、123、223、224、225)と
を備え、
前記血管アダプタは、流体チャンバ(47、247、248)を画定し、前記チャンバは、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように前記区室と接続している圧力測定システム(11、111、211)において、
アクチュエータは、機械的に操作可能であり、
前記区室内の媒体を前記流体チャンバ内の媒体から隔離する少なくとも1つのメンブレン(15、215)が、前記区室と前記流体チャンバの間に位置される、
ことを特徴とする、圧力測定システム(11、111、211)。
【請求項2】
前記隆起部の表面サイズは、前記測定ポート(29、129、229、230)の開口の断面のサイズよりも少なくとも10パーセント大きいことを特徴とし、それによって、膜(15、215)は、突出部(43,243、244)を形成する、請求項1に記載の圧力測定システム。
【請求項3】
突出部(43、243、244)の表層サイズは、測定ポート(29、129、229、230)の開口部の横断面のサイズを、最低でも50パーセント、好ましくは少なくとも100パーセント上回ることを特徴とする、請求項2に記載の圧力測定システム。
【請求項4】
アクチュエータ(21、121、221、222)は、突出部(43、243、244)から空気を抜くために形成され、配置されることを特徴とする、請求項1から3いずれかに記載の圧力測定システム。
【請求項5】
前記アクチュエータ(21、121、221、222)は、ピストン、レバー、またはスタンプの形態であり、より好ましくは、シリンダ、円板、バルーン、または柔かいボールとして設計されたプッシャ端部(37、137、237、238)を備えるピストン、レバー、またはスタンプの形態であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の圧力測定システム。
【請求項6】
前記血管アダプタ(17、217)は、前記メンブレン(15、215)で覆われた測定対向ポート(41、241、242)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項7】
区画(19、119、219、220)の測定ポート(29、129、229、230)および血管アダプタ(17、217)の測定カウンタ・ポート(41、241、242)は、対面して整列配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の圧力測定システム。
【請求項8】
前記アクチュエータ(21、121、221、222)は、第1の位置では、前記測定ポート(29、129、229、230)にわたる圧力伝達を不可能にし、第2の位置では、前記測定ポートにわたる圧力伝達を可能にするように適合されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項9】
前記区室は、解放ポート(31、131、231、232)と、前記解放ポートを開閉するための弁手段(39、139、239、240)とを備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項10】
前記センサ(23、123、223、224)は、大気に対する圧力を測定するように構成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項11】
前記センサアセンブリ(13、113、213)と、前記血管アダプタ(17、217)とは、互いに解放可能に固定するための固定手段、特に解放可能なクリップシステムを備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項12】
さらに、
前記センサアセンブリ(213)は、2つの区室、すなわち第1および第2の区室(219、229)を画定し、各区室は、
測定ポート(229、230)と、
前記それぞれの測定ポートにわたる圧力伝達を可能にする、および不可能にするための機械的アクチュエータ(221、222)と
を備え、
前記少なくとも1つの圧力センサ(225)は、前記2つの区室間の差圧を測定するように構成され、
前記血管アダプタ(217)は、2つの流体チャンバ、すなわち第1および第2のチャンバ(247、248)を画定し、各流体チャンバは、それぞれの測定ポート(229、230)によって、圧力伝達できるようにそれぞれの区室(219、220)と接続し、前記第1の流体チャンバと前記第2の流体チャンバは、流量制限器(218)によって連絡し、
前記少なくとも1つのメンブレン(215)は、前記第1の区室(219)と前記第1の流体チャンバ(247)の間に位置され、かつ前記第2の区室(220)と前記第2の流体チャンバ(248)の間に位置され、前記第1の区室内の媒体および前記第2の区室内の媒体を、前記血管アダプタのそれぞれの流体チャンバ内の媒体から隔離し、前記少なくとも1つのメンブレンは、少なくとも2つのそれぞれの隆起部を形成する
ことを特徴とする、請求項1に記載の、センサアセンブリ(213)と、血管アダプタ(217)と、メンブレン(215)とを備える圧力測定システム(211)。
【請求項13】
少なくとも一つの膜(215)は少なくとも一つの突出部(243、244)を形成し、それによって、各突出部の表層サイズは測定ポートの開口部の横断面のサイズを少なくとも10パーセント上回ることを特徴とする、請求項12に記載の圧力測定システム。
【請求項14】
各突出部(243、244)の表層サイズは、測定ポート(229、230)の開口部の横断面のサイズを、最低でも50パーセント、好ましくは少なくとも100パーセント上回ることを特徴とする、請求項13に記載の圧力測定システム。
【請求項15】
アクチュエータは、突出部(243、244)から空気を抜くために形成され、配列されたことを特徴とする、請求項12から14に記載の圧力測定システム。
【請求項16】
少なくとも前記少なくとも1つの圧力センサ(225)は、前記2つの区室間の差圧を測定するために、前記第1および第2の区室(219、220)と接触することを特徴とする、請求項12から15に記載の圧力測定システム。
【請求項17】
少なくとも一つの更なる圧力センサ(223、224)は、気圧と関連して圧力を測定するための区画(219、220)のいずれかに配置されることを特徴とする、請求項16に記載の圧力測定システム。
【請求項18】
アクチュエータ(221、222)は、ピストン、レバーまたはスタンプの形であり、推進器末端(237、238)を備えたピストン、レバーまたはスタンプの形で、シリンダ、ディスク、バルーンまたは柔らかいボールとして設計されることがさらに好ましいことを特徴とする、請求項12から17に記載の圧力測定システム。
【請求項19】
前記測定ポート(229、230)の各々は、少なくとも一つの膜(215)によって覆われることを特徴とする、請求項12から18に記載の圧力測定システム。
【請求項20】
区画の測定ポート(229、230)は、血管アダプタ(217)の測定カウンタ・ポート(241、242)と対面して整列配置されることを特徴とする、請求項12から19に記載の圧力測定システム。
【請求項21】
アクチュエータ(221、222)は、測定ポート(229、230)全体の第一位置圧伝送を中で抑制して、すぐに測定ポート全体のポジション圧伝送を可能にするために適応することを特徴とする、請求項12から20に記載の圧力測定システム。
【請求項22】
各区画(219、220)は、解放ポート(231、232)と、前記解放ポートを開閉するためのバルブ手段(229、230)から成ることを特徴とする、請求項12から21に記載の圧力測定システム。
【請求項23】
センサアセンブリ(213)および血管アダプタ(217)は、相互解放可能な固定、特に解放可能な切り抜きシステムのための固定手段から成ることを特徴とする、請求項12から22に記載の圧力測定システム。
【請求項24】
区画(19、119、219、220)を定める、圧力測定センサアセンブリ(13、113、213)は、
− 測定ポート(29、129、229、230)
− 測定ポートを開閉するためのアクチュエータ(21、121、221、222)そして、
− 参照と関連して区画の圧力を測定するための少なくとも一つの圧力センサ(23、123、223、224、225)
を具備し、
それによって前記区画は、流体室(47、247、248)を定めている血管アダプタに載置するために適応し、
前記測定ポートによって区画との圧力関係においてあることのために設計され、
アクチュエータが機械的に操作可能であるという点を特徴とする、圧力測定センサアセンブリ。
【請求項25】
アクチュエータ(21, 121, 221, 222))は、ピストン、レバーまたはスタンプの形であり、推進器末端(237、238)を備えたピストン、レバーまたはスタンプの形で、シリンダ、ディスク、バルーンまたは柔らかいボールとして設計されることがさらに好ましいことを特徴とする、請求項24に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項26】
アクチュエータ(21、121、221、222)は、第一位置測定ポート(29、129、229、230)において閉じ、第二位置測定ポートにおいて開くよう調整されていることを特徴とする、請求項24および25に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項27】
区画は、解放ポート(231、232)と、前記解放ポートを開閉するためのバルブ手段(229、230)から成ることを特徴とする、請求項24から26に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項28】
センサ(23、123、223、224、225)は、気圧と関連して圧力を測定するために配置されることを特徴とする、請求項24から27に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項29】
圧力測定センサアセンブリは、二つの区画から成り、前記区画が二つ流体室(247、248)を定めている血管アダプタ(217)に載置するために適応するという点を特徴とする、第一および第二の区画(219、220)を具備し、
それは、前記測定ポート(229、230)によって区画との圧力関係においてあることのために設計され、前記少なくとも一つの圧力センサ(225)は、前記二つ区画との間に差動の圧力を測定するために配置される、請求項24に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項30】
圧力センサ(223、224)は、気圧と関連して圧力を測定するための区画(219、220)のいずれかに配置されることを特徴とする、請求項29に記載の圧力測定システム。
【請求項31】
アクチュエータ(221, 222)は、ピストン、レバーまたはスタンプの形であり、推進器末端(237、238)を備えたピストン、レバーまたはスタンプの形で、シリンダ、ディスク、バルーンまたは柔らかいボールとして設計されることがさらに好ましいことを特徴とする、請求項29および30に記載の圧力測定システム。
【請求項32】
アクチュエータ(221、222)は、第一位置測定ポート(229、230)において閉じ、第二位置測定ポートにおいて開くよう調整されていることを特徴とする、請求項29から31に記載の圧力測定システム。
【請求項33】
各区画(219、220)は、解放ポート(231、232)と、前記解放ポートを開閉するためのバルブ手段(229、230)から成ることを特徴とする、請求項29から32に記載の圧力測定システム。
【請求項34】
センサアセンブリは、前記血管アダプタ(217)上の解除可能な固定、特に解除可能なクリップシステムから成ることを特徴とする、請求項29から33に記載の圧力測定センサアセンブリ。
【請求項35】
センサアセンブリ(13、113、213)を受けるために適応する取付面から成り、血管アダプタ(17、217)に、少なくとも突出部(43、243、244)を形成しているしみ通らない膜(15、215)によってカバーされる、少なくとも一つの測定カウンタ・ポート(41、141、241、242)が設けられている、請求項24から34に記載の血管アダプタ(17、217)、特に気道アダプタ。
【請求項36】
突出部の表層サイズは、少なくとも10パーセント測定ポートの開口部の横断面のサイズを上回ることを特徴とする、請求項35に記載の血管アダプタ。
【請求項37】
突出部(43、243、244)の表層サイズは、測定ポート(29、129、229、230)の開口部の横断面を最低でも50パーセント、好ましくは少なくとも100パーセント上回ることを特徴とする、請求項35から36に記載の血管アダプタ。
【請求項38】
請求項1から34のいずれか一項に記載の圧力測定システム(11、111、211)を備える人工呼吸器システム。
【請求項39】
請求項1から11のいずれか一項に記載の圧力測定システム(11、111、211)を備える血圧測定システム。
【請求項40】
基準圧力に対して血管アダプタ内の媒体の圧力を測定するための方法であって、
前記血管アダプタに取り付けられたセンサアセンブリを使用し、前記血管アダプタは、チャンバを備え、前記センサアセンブリは区室を備え、前記区室は、少なくとも、圧力センサと、測定ポートと、機械的アクチュエータと、任意選択で解放ポートとを有し、前記区室は、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように前記チャンバと接続され、メンブレンが、前記区室と前記チャンバの間に挿間され、前記メンブレンは隆起部を形成し、
a)任意選択で、前記区室内の圧力を大気圧に設定するために前記解放ポートを開くステップと、
b)前記アクチュエータを第1の位置に設定し、それにより前記隆起部を開始位置に押し、前記測定ポートにわたる圧力伝達を不可能にするステップと、
c)任意選択で、ベースライン圧力データを測定するステップと、
d)開いている場合に、前記解放ポートを閉じるステップと、
e)前記アクチュエータを第2の位置に引き戻し、それにより前記隆起部を解放し、前記測定ポートにわたる圧力伝達を可能にして、前記区室内の圧力を前記血管アダプタチャンバ内の圧力と平衡させるステップと、
f)圧力データを計算し、任意選択でベースライン圧力データと比較するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項41】
血管アダプタを通って流れる媒体の差圧を測定するための方法であって、
前記血管アダプタに取り付けられたセンサアセンブリを使用し、前記血管アダプタは、第1および第2の流体チャンバを備え、前記チャンバは、流量制限器を介して相互に接続され、前記センサアセンブリは、第1および第2の区室を備え、前記区室は、差圧センサによって隔離され、前記区室はそれぞれ、さらに、測定ポートと、機械的アクチュエータと、任意選択で解放ポートとを有し、前記区室はそれぞれ、前記測定ポートによって、圧力伝達できるように1つのそれぞれのチャンバと接続し、メンブレンが、前記区室と前記それぞれのチャンバの間に挿間され、前記メンブレンは、少なくとも2つのそれぞれの隆起部を形成する方法において、
a)任意選択で、前記区室内の圧力を大気圧に設定するために前記解放ポートを開くステップと、
b)前記アクチュエータを第1の位置に設定し、それにより前記隆起部を開始位置に押し、前記測定ポートにわたる圧力伝達を不可能にするステップと、
c)任意選択で、ベースライン圧力データを測定するステップと、
d)開いている場合に、前記解放ポートを閉じるステップと、
e)前記アクチュエータを第2の位置に引き戻し、それにより前記隆起部を解放し、前記測定ポートにわたる圧力伝達を可能にして、前記区室内の圧力を前記それぞれの血管アダプタチャンバ内の圧力と平衡させるステップと、
f)圧力データを計算し、任意選択でベースライン圧力データと比較するステップと
を含むことを特徴とする、測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−509977(P2013−509977A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538162(P2012−538162)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/CH2010/000269
【国際公開番号】WO2011/054117
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512120199)スイストム・アーゲー (1)
【Fターム(参考)】