圧力調理器用の蓋
本発明は、圧力調理器の機能に必要である可動操作要素を有する技術モジュールと、技術モジュールを覆うマスキング・モジュールとを有する、特に蓋ステム・ハンドルである取り外し可能な蓋ハンドルを有する、圧力調理器用の蓋に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力調理器用の蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧力調理器は、特に差込み留め具を介して調理器の下部に接続される、蓋を有する。それと同時に、蓋は、特に蓋ステム・ハンドルである、取扱いのためのハンドルを有し、それにより、様々な調理レベルを選択するための調節デバイス、および調理器内の圧力範囲のための表示器が、大抵のハンドルに前もって設けられている。そのような蓋はまた、前述の圧力表示デバイス、動作弁、安全弁、前述の調理レベルを選択するためのデバイスなど、圧力調理器の機能のためのある種の操作要素を有する。それと同時に、既知の蓋における操作要素は、内側から調理器蓋内に固定され、かつ/またはハンドルの恒久的な部品とされる。しかし、このことは、ある蓋に対して蓋ハンドルのデザインが指定され、また、異なるデザインまたは様々な変形形態が望まれる際に、ユニット一式を交換および再設計しなければならないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このことを開始点として、本発明の目的は、圧力調理器用の蓋を提供することであり、それにより、蓋は、製造費用の節約が可能になりかつ対応する様々なデザインが得られるように、そのデザインを簡易かつ経済的に、特に様々なシリーズのために交換することができる蓋ハンドルを有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を用いて、本発明によって解決される。
【0005】
本発明によれば、特に蓋ステム・ハンドルとして形成された蓋ハンドルは、圧力調理器の機能に必要である可動操作要素を有する技術モジュールを有する。このことは、これらの可動操作要素が、技術モジュール内に組み入れられ、かつ保持される一方で、マスキング・モジュールが、技術モジュールだけを外側に対して覆い、圧力調理器の機能に必要である操作要素を全く有さないことを意味する。マスキング・モジュールが、マスキング要素としての機能のみ有し、また簡易な方法で交換することができるので、蓋ハンドルのモジュール設計は、多種多様の変形を可能にする。例えば、技術モジュールを様々な圧力調理器の変形に使用することができ、それにより対応するマスキング・モジュールだけを選択するという事実により、様々な圧力調理器の変形の製造が、より大幅に経済的かつ簡易になる。マスキング・モジュールを技術モジュールから取り外すことができる場合、事後にマスキング・モジュールを交換することが顧客にも可能になり、それにより、新たなマスキング・モジュールが、例えば異なる形状および/または異なる色を有する。
【0006】
蓋ハンドルを圧力調理器から取り外すことができるという事実により、技術モジュール内の操作要素を、簡易な方法で清掃および点検することができる。
【0007】
技術モジュールは、以下の群、すなわち、圧力表示デバイス、蓋ロック、動作弁の可動密閉要素、調節可能な圧縮圧力で可動密閉要素に作用する、特にねじり棒ばねである圧縮ばね、および密閉要素上のばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイスから少なくとも1つの操作要素を有する。
【0008】
これらの要素が、取り外し可能な蓋ハンドル内に位置する場合、例えば、蓋ハンドルを外し、さらに残りの金属製の蓋を、洗浄する目的で食器洗浄機に入れることができ、そのことが取扱いおよび衛生状態を大幅に向上させる。このことはまた、金属製の蓋の製造費用を大幅に削減する。
【0009】
技術モジュールは、蓋ハンドルを蓋に固定するための固定デバイスを有する。このことは、技術モジュールが、一方では操作部品を保持し、他方ではハンドルの機械的支持部品でもあることを意味する。このことは、たとえマスキング・モジュールが設けられていなくとも、蓋が技術モジュールと一緒に機能することを意味する。
【0010】
この目的のために、技術モジュールは、好ましくは支持板であるL字状の支持要素から、基本的に形成される。そのようなL字状の支持要素は、製造するのに簡易かつ経済的であり、金属製の蓋の側面および上方に安定して配置することができ、したがって、例えば、動作弁または圧力表示器などの、金属製の蓋の上側に配置すべき操作要素を支持することができるが、例えば、蓋ロックなどの、金属製の蓋要素の側面からその機能を果たす操作要素も支持することできる。
【0011】
技術モジュールが動作弁の可動密閉要素を有する場合、弁座が、別個の、または一体に成形された弁座部として、蓋内に形成される。このことは、部品すなわち動作弁の可動操作部品は、熟練を要する方法で技術モジュール内に組み入れられるが、弁座は蓋内に形成されることを意味する。そのような構成は、経済的に製造することができ、さらにまた、蓋ハンドルを外したときに露出される動作弁の、非常に良好な清掃を可能にする。
【0012】
弁座および/または密閉要素は、例えば、樹脂、例えばPEEKなどのサーモプラスト(thermoplast)、またはデュロプラスト(duroplast)などの固体から形成される。PEEKは、高い引っ張り・曲げ強度、衝撃強度、および0℃から220℃まで常に良好な電気特性、ならびに好適な滑り・摩耗特性、および難燃性を特徴とする、強い結晶性の、加工が容易なサーモプラストである。
【0013】
弁座および/または密閉要素は、有利には金属から形成される。弁座は特に円錐形状を有して形成される。密閉要素が球状の密閉面を有すること、すなわち、密閉要素が、弁座の円錐面部分上に位置する対応する球状の面を有する少なくとも1つの部分を有することは、非常に有利である。弁座が球状の密閉面を有し、密閉要素が円錐状の密閉面を有することも可能である。
【0014】
そのような弁は、動作弁の応答特性の向上を可能にする。ここでは、<+/−20kPa(<+/−0.2バール)の公差を確実に維持することが可能である。このことは、起動圧力と安定圧力との間には、わずかな圧力差のみ必要とされることを意味する。
【0015】
マスキング・モジュールは、有利には、例えば圧力表示デバイスおよびばねの圧縮圧力を替えるための調節デバイスのための少なくとも2つの開口部をその上側に有する、プラスチック部品である。このようにして、マスキング・モジュールは、射出成形部品として非常に経済的に製造することができる。マスキング・モジュールはさらに、固定要素を有し、それを用いて例えば技術モジュールにクリップ留めする、またはそれを用いて技術モジュール内の所定の位置に嵌めることができる。接続は、有利にはキー/ロック・システムによって実施される。
【0016】
好ましい実施形態によれば、密閉要素上の圧縮圧力を変えるための調節デバイスは、回転機構を含むように形成され、それにより、特に、回転運動すなわち回転機構の位置に応じて、ねじり棒ばねの一端部が、ある一定の力が他端部から直接または間接的に密閉要素に作用するように、所定の力によって作用を受ける。
【0017】
回転ノブが、回転機構に有利には取り付けられる。回転ノブはまた、マスキング・モジュールが技術モジュールに既に接続された後でのみ、回転機構に上方から取り付けることができる。このようにして、圧力設定すなわち調理レベル(例えば、調理レベルIまたはII)の選択を、自由に移動および固定される回転ノブを介して行うことができる。優れた外見に加えて、そのような回転ノブはまた、簡易な取扱いを可能にする。回転ノブを様々な調理レベル(例えば、調理レベルIまたはII)に対応する位置に、または同様に蒸気を抜くおよび/または調理器を開ける位置に回転することができるという事実により、操作者は、個々の位置を確実に選択することができる。
【0018】
全ての操作要素が技術モジュールに組み入れられることが好ましいが、さらなる実施形態によれば、自己反転式圧力逃がし弁の形式で、安全弁を、調理器の蓋すなわち金属製の蓋要素に直接設けることができる。安全弁が蓋要素に直接設けられた場合、高水準の安全性が保証される。
【0019】
好ましい実施形態によれば、密閉要素は、圧力逃がし弁の周辺部の周りに設けられ、それにより、この密閉要素は、技術モジュール、特にL字状の支持要素に対して蓋の上側を密閉し、かつ、それを用いることにより圧力逃がし弁から漏出した蒸気を横方向および/または前方に消散させることができる開口部を有する。このようにして、圧力逃がし弁から漏出する蒸気が、制御されない形で上方に例えば技術モジュールの方向に漏出すること、または制御されない形で後方にすなわち使用者の手の方向に漏出することがないことを、確実にすることができる。このことが、使用者が火傷する危険性を防ぐことを可能にする。ここで「前方に」という用語は、ハンドルが固定されている側から離れる方向に、または蓋の中央に向けられた方向に、ということを意味する。
【0020】
様々な調理器の変形のためのシステムにおいて、それぞれに対して同一の技術モジュールを設けることができ、それにより、対応するマスキング・モジュールだけが、様々な変形に対して異なり、かつ異なる形状および/または色を有する。
【0021】
以下、本発明について、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による蓋の上面図である。
【図2】図1に示す蓋の側面図である。
【図3】図1の線I〜Iに沿った断面図である。
【図4】マスキング・モジュールの斜視図である。
【図5】回転ノブが取り付けられた技術モジュールの斜視図である。
【図6】回転ノブおよび圧力表示キャップが取り外された技術モジュールの斜視図である。
【図7】本発明による蓋ステム・ハンドルの部分拡大図である。
【図8】蓋要素に組み入れられた技術モジュールの斜視図である。
【図9】図1の線II〜IIに沿った断面図である。
【図10】回転ノブが取り付けられた技術モジュールの部分斜視図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態による蓋ステム・ハンドルの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による蓋1の上面図を示し、図2は、この蓋の側面図を示す。圧力調理器(図示せず)用の蓋1は、ここでは蓋ステム・ハンドル2の形式である、取り外し可能な蓋ハンドル2を有する。たとえ本発明が、例として蓋ステム・ハンドルに関連して以下で説明されるとしても、一方で本発明はまた、スタブ・ハンドルやU字状のハンドルなどの、他の型式のハンドルにも同様に適する。ここでは蓋ステム・ハンドル2は、蓋要素8の表面の特定の部分およびそこに隣接した側面領域を取り囲むように配置されている。閉じた状態では、蓋ステム・ハンドル2は、調理器に接続されたステム・ハンドル9の上に位置し、したがって、調理器は、閉じたときに、ステム・ハンドル9および2の位置で握ることができる。この目的のために、蓋ステム・ハンドル2は、蓋要素8を越え、調理器の外部形状を越えて横方向外方に突出する。蓋、すなわち蓋要素8は、一般に知られているように、差込み留め具によって調理器に接続することができる。図4から図6から詳細に分かるように、蓋ステム・ハンドルは、技術モジュール3、および技術モジュール3を覆うマスキング・モジュール4を有し、それによりマスキング・モジュール4は、技術モジュール上に取り付けるまたはクリップ留めすることができ、特にキー/ロック・システムによって接続される。
【0024】
技術モジュール3は、圧力調理器の機能に必要である可動操作要素を含む。このことは、これらの可動操作要素は、技術モジュール3内に組み入れられかつ固定されるが、マスキング・モジュール4は、技術モジュール3だけを覆い、圧力調理器の機能に必要である操作要素を有さないことを意味する。このことは、圧力調理器はマスキング・モジュール4が取り付けられていなくても機能することを意味する。この実施形態において、また後でより詳細に説明するように、技術モジュール3は、以下の操作要素、すなわち、全体として10で識別され、調理器内の圧力を表示する、圧力表示デバイスと、圧力調理器内の様々な圧力レベルを調節するための、全体として12で識別される動作弁の可動密閉要素11と、調節可能な圧縮圧力で可動密閉要素11に作用する、特にねじり棒ばね13である圧縮ばねと、動作弁12の密閉要素11上のばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイス14とを含む。技術モジュール3はまた、蓋ロック17(図3、図7および図8)を有することもできる。
【0025】
技術モジュールは、図3、図5、図6および図7から詳細に分かるように、好ましくは金属から形成され特に支持板から形成された、L字状の支持要素15を含み、支持要素15は、図5および図7から詳細に分かるように、圧力表示デバイス10および動作弁12のための少なくとも2つの貫通穴16a、16bを、その上側に有する。技術モジュール3またはL字状の支持要素15は、一方では前述の操作要素を保持し、他方では蓋ハンドルの機械的支持部品でもある。そのようなL字状の支持要素は、製造するのに簡易かつ経済的であり、しっかりと、また取り外しを可能にする形で、金属製の蓋要素8の側面および上方に固定することができる。L字状のため、例えば動作弁12、調節デバイス14、または圧力表示デバイス10などの金属製の蓋要素8の上部に配置されるべき操作要素、および、例えば蓋ロック17などの金属製の蓋要素8の側面からその機能を果たす操作要素を、配置することが可能である(図3、図7または図8参照)。個々の操作要素を保持することができるプラスチック・ホルダを用いて、特に射出成形部品の形状である少なくとも1つのプラスチック・ホルダ20が、支持要素15または支持板に固定(例えば、クリップ留め)される。
【0026】
技術モジュール3は、固定デバイス18(図5および図6)を有し、固定デバイス18は、ここではL字状の支持要素15の前方端部に形成され、ここでは特に、蓋要素8の表面で突出部19またはフックと係合するように作ることができる開口部として形成される。さらに、蓋ステム・ハンドル2は、技術モジュール3から延長して蓋要素8の側面領域を貫通する蓋ロック17を介して、蓋要素8に固定することができる(図3)。したがって、L字状の支持要素15またはL字状の板は、蓋要素8の上側に掛合し、次いで蓋要素8の側面領域の開口部内に導入されたロック17を介して固定することができる。しかし、この固定デバイスは、単に技術モジュールを蓋の表面に配置するための一例にすぎない。しかし、いかなる場合においても、蓋ステム・ハンドル2は、取り外すことができるような方法で固定される。
【0027】
蓋要素8はまた、様々な操作要素の、蓋の内側への突出を可能にするために、対応する開口部を有する。
【0028】
可動操作要素のうちの1つは、動作弁12の可動密閉要素11である。
【0029】
図3、図8および図10から詳細に分かるように、動作弁12の可動密閉要素11は、開口部16aを通じて技術モジュール内で上下動することができるような方法で、技術モジュール3のホルダ20を介して配置される。密閉要素11は、ここでは球状の密閉面を有する。すなわち、少なくとも1つの球状の密閉部分が、弁座21(図3)上に位置する。ねじり棒ばね13は、ばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイス14に応じて、密閉要素11に圧縮圧力で作用することができる。ここではばね13は、密閉要素11の上側上の溝内に配置されている。後で詳細に説明するように、前述の調節デバイスにより、調理レベルに対応する特定の圧縮圧力を選択することができる。したがって、例えば、調理レベルIおよび高速レベルIIに対応する、調理器内の異なる圧力範囲を選択することができる。したがって、動作弁12は、圧力制限機能を有する。ある調理レベルの圧力を超えると、動作弁が開いて調理器から蒸気が漏出できるように、密閉要素11が上方に押される。調理レベルIは、例えば、0.4バール(40kPa)の圧力に対応し、調理レベルIIは、例えば、0.8バール(80kPa)の圧力に対応する。動作弁12の弁座21は、別個の、または一体に成形された弁座部21として、蓋1内または蓋要素8内に形成される。したがって、弁座部は、例えば、対応する開口部1を通して蓋要素8の内側から誘導され、圧着される。しかし、密閉要素を利用して蓋要素の開口部内に嵌合する別個の、弁座部を設けることも可能である。密閉要素は、例えば、この目的のために円周輪溝を有し、その中に蓋要素の開口部の縁が位置することになる。
【0030】
弁座は、有利には金属で形成され、また特に円錐状に形成される。円錐状に形成された密閉面の先細りになっている箇所の角度は、好ましくは30°から40°になり、さらに好ましくは33°から37°、また特に35°になる。
【0031】
そのような弁により、動作弁12の応答特性の向上を実現することが可能になる。ここでは、<+/−20kPa(<+/−0.2バール)の公差を確実に維持することが可能になる。このことは、起動圧力と安定圧力との間には、わずかな圧力差のみ必要とされることを意味する。
【0032】
図7および図3から詳細に分かるように、密閉カラー108が動作弁の領域内に設けられ、それにより、密閉カラーは、ここではL字状の支持要素上にある技術モジュール3の底部に配置される。密閉カラー108は、密閉カラーの開口部を通して可動密閉要素11を送り込むことができるような方法で、動作弁12の周囲の領域内に配置され、したがってこの実施形態では、密閉要素11の輪状の溝が、密閉カラーの開口部内に位置することになる。密閉カラー108は、ハンドル、すなわちここでは技術モジュール3または支持要素15に対して、動作弁周辺の蓋の上側を密閉する。密閉カラーは、有向の開口部を有し、それにより、動作弁から漏出する蒸気を前方に選択的に消散させることができる。開口部はまた、選択的にまたは追加的に、横に向けることができる。このようにして、蒸気は、上方に、例えば技術モジュールの中に、または操作者の手の方に向かって後方に、制御されていない形で漏出するのを防止される。次いで蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋との間で前方に向けて選択的に消散させることができる。
【0033】
密閉要素11上に位置するねじり棒ばね13は、図6および図9から詳細に分かるように、鋭く曲がり、L字状の支持要素15に沿って調節デバイス14に至るまで伸びており、調節デバイス14は、ばね13が密閉要素11を押すことによる圧縮圧力を変えることができる。この実施形態では、ねじり棒ばねが使用される。ここではねじり棒ばね13の反対側端部は、図9から詳細に分かるように、ある力によって作用を受ける。ここでは調節デバイス14は回転機構22を含み、この回転機構22は、ねじり棒ばねの一端部によってある一定の力が密閉要素11に与えられるように、特に回転運動に応じて、所定の力でねじり棒ばね13の他端部に作用し、それによりこの力は、調理器内のある所望の圧力に対応する。回転機構22を回転することにより、対応する力が、上下動する加圧要素24を介し、ばね23のばね力に逆らって、ねじり棒ばね13に与えられる。回転機構22を作動させるために、上端部にある開口部内に回転ノブ5が固定され、それによりこの回転ノブ5が、回転機構22に回転運動を伝達する。したがって現段階では、圧力調節は、部品22の湾曲部70を通じてねじり棒ばね13にあらかじめ張力をかける加圧要素24のため、自由に移動および固定される回転ノブ5を介して行われる。加圧要素24、または湾曲部に伸びる加圧要素24の突出部は、結果的に、湾曲部内に形成された追加的な凹部内の所定の位置にはめ込むことができる。しかし、回転運動はまた、連続的な形で行うことができる。回転ノブは、マスキング・モジュール4が技術モジュール3上に既に設置された後で、回転機構22に取り付けられる。しかし、技術モジュール3の全ての機能は、マスキング・モジュール4がなくとも保証されるであろう。
【0034】
たとえ回転ノブ5が取り外された状態で調節デバイス14または回転機構22を示す図6に明確に記載されていなくとも、回転ノブは、その上側に、「開」、「0」、「1」、および「2」などの、様々な調節可能性を有することができる。「開」は、蓋がロックされずに開けることができる設定に対応する。「0」は、高めるべき過剰圧力がなく、また弁12が開かれるように、密閉要素11に作用する力が調節される設定に対応する。位置「1」および「2」は、前述の調理レベルIおよびII、ならびに前もって規定された圧力範囲に対応する。
【0035】
ここでは回転ノブは、キャップを含む。キャップは、例えば、クロムめっきすることができる。回転ノブは、回転機構22に接続される。
【0036】
図3から詳細に分かるように、調理器内の圧力を表示する圧力表示デバイス10が、動作弁12と調節デバイス14との間に位置している。図3から詳細に分かるように、圧力表示デバイス10の下端部に保護膜25が設けられ、それによりこの保護膜は、開口部16b内で調理器蓋1の内側から密閉するような形で固定される。圧力表示軸7が、それが部品27内で上下動することができるような方法で、支持要素15上のホルダ20内に保持される(図6)。圧力表示キャップ6が、圧力表示軸7の上部に固定される。ばね33が、軸7の周りに配置され、ある一定のばね力で軸に下方に作用する。閉じられた圧力調理器内の圧力が上昇すると、圧力表示軸7が制限止め(limit stop)まで上方に移動し、それにより、ハンドルから突出する圧力表示キャップの高さが、調理器内の圧力の尺度になる。
【0037】
操作者は、ハンドル2から突出する圧力表示キャップ6の高さに基づいて、調理器内の圧力がどの程度高いかをおおよそ知ることができる。圧力が高すぎて動作弁12が開くと、操作者には、調理器内を所望の圧力範囲に達せさせるために温度を下げなければならないことを示す落ち着いた歯擦音が聞こえる。圧力レベルを識別するために、キャップ6は、例えば、2つのリングを有する。
【0038】
追加的な操作要素として述べられるものは、図3および図8から詳細に分かるように、ロック17である。ここではロッキング・プレート17の形状である蓋ロックは、開口部を通じて蓋1または蓋要素8内に突出し、またばね28によって内方へあらかじめ張力をかけられている。ロッキング要素17はまた、L字状の支持要素15に取り付けられた対応するホルダ20内で、技術モジュール3内に保持される。
【0039】
ハンドル−蓋ラッチ機構は、詳細には以下のように機能する。すなわち、技術モジュール3が、支持要素15を介してタブ19に掛けられる。静止位置まで旋回されることにより、ロック17が、ばね28に押しつけられて、蓋要素8内にロックされる(図3および図8)。蓋1が差込み留め具を介して調理器の下部(図示せず)上に設置されると、ロック17を、蓋8からハンドルを取り外せなくなるように回転ノブを回すことにより、ロッキング・ブリッジによって固定することができる。この機構は、蓋が置かれたときにロック部品100がばね101に逆らって動かされるような方法で、実施することができる。2つのハンドル2、9が重ねられている場合、回転ノブ5を回すことにより、ロッキング・ブリッジ102が下方に移動され(図3および図6)、結果としてロック17が同時に固定される。ハンドル2は、蓋1から取り外すことができない。
【0040】
領域105を利用して、その上にロック解除ボタン(図示せず)を取り付けることができ、調理器を開くときに、ロック要素17を、ばね28のばね力に逆らって蓋から後方に引き寄せることができる。
【0041】
好ましくは全ての操作要素が技術モジュールに組み入れられるが、図3および図8から詳細に分かるように、自己反転式圧力逃がし弁29の形態をなす安全弁29が、調理器蓋内に設けられることが好ましい。蓋要素8は、この目的のために対応する開口部を有する。自己反転式圧力逃がし弁29は、過剰圧力に対する保護機能、自動通気機能、および真空を回避する機能を有する。弁は、貫通穴を有する弁ハウジングを有する。弁ハウジングは、金属、特に研磨されたステンレス鋼で作られることが好ましい。圧力逃がし弁は、ばね30によって加圧される玉31を有する。弁ハウジングの貫通穴は、弁座として円錐面を有する。密閉するために、玉が円錐面上に位置し、それにより、やはり動作弁と同様に、玉は円錐面上に位置する。ここでは、先細りになっている弁座の円錐面の角度は、好ましくは30°から40°になり、特に33°から37°、さらに好ましくは35°になる。圧力逃がし弁29は、蓋8の開口部に滑り込み、また上部領域に圧着端部を有し、それによって蓋上に位置する。圧力逃がし弁は、さらに密閉リング30aを有する。圧力逃がし弁は、調理器蓋内の開口部内で上下に動かすことができる。開口部31aが、圧力逃がし弁のハウジング内に設けられており、それを通じて加熱中に調理器から空気を漏出させることができる。過剰圧力が上昇し続けると、圧力逃がし弁が上方に動き、その結果、シール30が調理器蓋を密閉する。過剰圧力が例えば>1.5バールに達して初めて、玉31がばね力に逆らって上方に動いて、弁を開くことになる。
【0042】
図7、図3、および図8から詳細に分かるように、ここでは密閉要素107は、技術モジュール3のL字状の支持要素15に設けられており、それにより、圧力逃がし弁29の周辺部において、この密閉要素は、ハンドル2に対し、すなわちこの場合では技術モジュール3に対し、蓋の上側を密閉する。ここで密閉要素107は、圧力逃がし弁から漏出する蒸気を通して次いで選択的に特に側方へ消散させることができる開口部を有する。このようにして、蒸気は、技術モジュールに向かって上方に、または操作者の手に向かって後方に、制御されない形で漏出するのを防止される。次いで蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋1との間で選択的に漏出させることができる。
【0043】
図6および図8から分かるように、残留圧力ストップは部品27aを含み、部品27aは、部品22による回転ノブ5の開口運動をロックするように、圧力表示(軸7)によりそれに沿って持ち上げられる。
【0044】
図11は、図1から図10に関連して説明した第1の実施形態に対応する、本発明のさらなる実施形態を示す。この実施形態は、密閉要素107の形成によってのみ異なる。前述の実施形態の場合、密閉要素107は、蒸気が側方へ消散されるように形成される。ここでは密閉要素107は同様に、技術モジュール3の下側、ここではL字状の支持要素15に固定される。ここでは密閉要素107はまた、蓋の上側と技術モジュール、すなわちここでは支持要素15との間の、圧力逃がし弁29の周辺部を密閉する。それを通して蒸気が消散される開口部は、側方だけでなく前方にも延長しており、したがって、蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋1との間のハンドル2の前方端部で、選択的に消散させることができる。図11から分かるように、ここでは密閉要素は、蒸気をハンドル2の前方3分の1の領域で消散させることができるほどに長い胴を有する。組み立てられた状態では、密閉要素107の胴は、ここでは密閉カラー108を取り囲み、したがって、動作弁および圧力逃がし弁の両方からの蒸気を前方に向けて消散させることができる。既に説明したように、マスキング・モジュール4がマスキング要素の機能のみ有し、また簡易な方法で取り替えることができるため、蓋ステム・ハンドル2のモジュール設計は、様々な変形を可能にする。例えば、技術モジュール3を様々な圧力調理器の変形に使用することができるという事実により、様々な圧力調理器の変形の生産が、より経済的かつより簡易にされる。
【0045】
詳細には、本発明はまた、同一の技術モジュール3を使用することができる一方で、マスキング・モジュール4に対して形状および/または色が異なる様々な変形が用意される、様々な圧力調理器の変形のためのシステムに関する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力調理器用の蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧力調理器は、特に差込み留め具を介して調理器の下部に接続される、蓋を有する。それと同時に、蓋は、特に蓋ステム・ハンドルである、取扱いのためのハンドルを有し、それにより、様々な調理レベルを選択するための調節デバイス、および調理器内の圧力範囲のための表示器が、大抵のハンドルに前もって設けられている。そのような蓋はまた、前述の圧力表示デバイス、動作弁、安全弁、前述の調理レベルを選択するためのデバイスなど、圧力調理器の機能のためのある種の操作要素を有する。それと同時に、既知の蓋における操作要素は、内側から調理器蓋内に固定され、かつ/またはハンドルの恒久的な部品とされる。しかし、このことは、ある蓋に対して蓋ハンドルのデザインが指定され、また、異なるデザインまたは様々な変形形態が望まれる際に、ユニット一式を交換および再設計しなければならないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このことを開始点として、本発明の目的は、圧力調理器用の蓋を提供することであり、それにより、蓋は、製造費用の節約が可能になりかつ対応する様々なデザインが得られるように、そのデザインを簡易かつ経済的に、特に様々なシリーズのために交換することができる蓋ハンドルを有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を用いて、本発明によって解決される。
【0005】
本発明によれば、特に蓋ステム・ハンドルとして形成された蓋ハンドルは、圧力調理器の機能に必要である可動操作要素を有する技術モジュールを有する。このことは、これらの可動操作要素が、技術モジュール内に組み入れられ、かつ保持される一方で、マスキング・モジュールが、技術モジュールだけを外側に対して覆い、圧力調理器の機能に必要である操作要素を全く有さないことを意味する。マスキング・モジュールが、マスキング要素としての機能のみ有し、また簡易な方法で交換することができるので、蓋ハンドルのモジュール設計は、多種多様の変形を可能にする。例えば、技術モジュールを様々な圧力調理器の変形に使用することができ、それにより対応するマスキング・モジュールだけを選択するという事実により、様々な圧力調理器の変形の製造が、より大幅に経済的かつ簡易になる。マスキング・モジュールを技術モジュールから取り外すことができる場合、事後にマスキング・モジュールを交換することが顧客にも可能になり、それにより、新たなマスキング・モジュールが、例えば異なる形状および/または異なる色を有する。
【0006】
蓋ハンドルを圧力調理器から取り外すことができるという事実により、技術モジュール内の操作要素を、簡易な方法で清掃および点検することができる。
【0007】
技術モジュールは、以下の群、すなわち、圧力表示デバイス、蓋ロック、動作弁の可動密閉要素、調節可能な圧縮圧力で可動密閉要素に作用する、特にねじり棒ばねである圧縮ばね、および密閉要素上のばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイスから少なくとも1つの操作要素を有する。
【0008】
これらの要素が、取り外し可能な蓋ハンドル内に位置する場合、例えば、蓋ハンドルを外し、さらに残りの金属製の蓋を、洗浄する目的で食器洗浄機に入れることができ、そのことが取扱いおよび衛生状態を大幅に向上させる。このことはまた、金属製の蓋の製造費用を大幅に削減する。
【0009】
技術モジュールは、蓋ハンドルを蓋に固定するための固定デバイスを有する。このことは、技術モジュールが、一方では操作部品を保持し、他方ではハンドルの機械的支持部品でもあることを意味する。このことは、たとえマスキング・モジュールが設けられていなくとも、蓋が技術モジュールと一緒に機能することを意味する。
【0010】
この目的のために、技術モジュールは、好ましくは支持板であるL字状の支持要素から、基本的に形成される。そのようなL字状の支持要素は、製造するのに簡易かつ経済的であり、金属製の蓋の側面および上方に安定して配置することができ、したがって、例えば、動作弁または圧力表示器などの、金属製の蓋の上側に配置すべき操作要素を支持することができるが、例えば、蓋ロックなどの、金属製の蓋要素の側面からその機能を果たす操作要素も支持することできる。
【0011】
技術モジュールが動作弁の可動密閉要素を有する場合、弁座が、別個の、または一体に成形された弁座部として、蓋内に形成される。このことは、部品すなわち動作弁の可動操作部品は、熟練を要する方法で技術モジュール内に組み入れられるが、弁座は蓋内に形成されることを意味する。そのような構成は、経済的に製造することができ、さらにまた、蓋ハンドルを外したときに露出される動作弁の、非常に良好な清掃を可能にする。
【0012】
弁座および/または密閉要素は、例えば、樹脂、例えばPEEKなどのサーモプラスト(thermoplast)、またはデュロプラスト(duroplast)などの固体から形成される。PEEKは、高い引っ張り・曲げ強度、衝撃強度、および0℃から220℃まで常に良好な電気特性、ならびに好適な滑り・摩耗特性、および難燃性を特徴とする、強い結晶性の、加工が容易なサーモプラストである。
【0013】
弁座および/または密閉要素は、有利には金属から形成される。弁座は特に円錐形状を有して形成される。密閉要素が球状の密閉面を有すること、すなわち、密閉要素が、弁座の円錐面部分上に位置する対応する球状の面を有する少なくとも1つの部分を有することは、非常に有利である。弁座が球状の密閉面を有し、密閉要素が円錐状の密閉面を有することも可能である。
【0014】
そのような弁は、動作弁の応答特性の向上を可能にする。ここでは、<+/−20kPa(<+/−0.2バール)の公差を確実に維持することが可能である。このことは、起動圧力と安定圧力との間には、わずかな圧力差のみ必要とされることを意味する。
【0015】
マスキング・モジュールは、有利には、例えば圧力表示デバイスおよびばねの圧縮圧力を替えるための調節デバイスのための少なくとも2つの開口部をその上側に有する、プラスチック部品である。このようにして、マスキング・モジュールは、射出成形部品として非常に経済的に製造することができる。マスキング・モジュールはさらに、固定要素を有し、それを用いて例えば技術モジュールにクリップ留めする、またはそれを用いて技術モジュール内の所定の位置に嵌めることができる。接続は、有利にはキー/ロック・システムによって実施される。
【0016】
好ましい実施形態によれば、密閉要素上の圧縮圧力を変えるための調節デバイスは、回転機構を含むように形成され、それにより、特に、回転運動すなわち回転機構の位置に応じて、ねじり棒ばねの一端部が、ある一定の力が他端部から直接または間接的に密閉要素に作用するように、所定の力によって作用を受ける。
【0017】
回転ノブが、回転機構に有利には取り付けられる。回転ノブはまた、マスキング・モジュールが技術モジュールに既に接続された後でのみ、回転機構に上方から取り付けることができる。このようにして、圧力設定すなわち調理レベル(例えば、調理レベルIまたはII)の選択を、自由に移動および固定される回転ノブを介して行うことができる。優れた外見に加えて、そのような回転ノブはまた、簡易な取扱いを可能にする。回転ノブを様々な調理レベル(例えば、調理レベルIまたはII)に対応する位置に、または同様に蒸気を抜くおよび/または調理器を開ける位置に回転することができるという事実により、操作者は、個々の位置を確実に選択することができる。
【0018】
全ての操作要素が技術モジュールに組み入れられることが好ましいが、さらなる実施形態によれば、自己反転式圧力逃がし弁の形式で、安全弁を、調理器の蓋すなわち金属製の蓋要素に直接設けることができる。安全弁が蓋要素に直接設けられた場合、高水準の安全性が保証される。
【0019】
好ましい実施形態によれば、密閉要素は、圧力逃がし弁の周辺部の周りに設けられ、それにより、この密閉要素は、技術モジュール、特にL字状の支持要素に対して蓋の上側を密閉し、かつ、それを用いることにより圧力逃がし弁から漏出した蒸気を横方向および/または前方に消散させることができる開口部を有する。このようにして、圧力逃がし弁から漏出する蒸気が、制御されない形で上方に例えば技術モジュールの方向に漏出すること、または制御されない形で後方にすなわち使用者の手の方向に漏出することがないことを、確実にすることができる。このことが、使用者が火傷する危険性を防ぐことを可能にする。ここで「前方に」という用語は、ハンドルが固定されている側から離れる方向に、または蓋の中央に向けられた方向に、ということを意味する。
【0020】
様々な調理器の変形のためのシステムにおいて、それぞれに対して同一の技術モジュールを設けることができ、それにより、対応するマスキング・モジュールだけが、様々な変形に対して異なり、かつ異なる形状および/または色を有する。
【0021】
以下、本発明について、添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による蓋の上面図である。
【図2】図1に示す蓋の側面図である。
【図3】図1の線I〜Iに沿った断面図である。
【図4】マスキング・モジュールの斜視図である。
【図5】回転ノブが取り付けられた技術モジュールの斜視図である。
【図6】回転ノブおよび圧力表示キャップが取り外された技術モジュールの斜視図である。
【図7】本発明による蓋ステム・ハンドルの部分拡大図である。
【図8】蓋要素に組み入れられた技術モジュールの斜視図である。
【図9】図1の線II〜IIに沿った断面図である。
【図10】回転ノブが取り付けられた技術モジュールの部分斜視図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態による蓋ステム・ハンドルの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による蓋1の上面図を示し、図2は、この蓋の側面図を示す。圧力調理器(図示せず)用の蓋1は、ここでは蓋ステム・ハンドル2の形式である、取り外し可能な蓋ハンドル2を有する。たとえ本発明が、例として蓋ステム・ハンドルに関連して以下で説明されるとしても、一方で本発明はまた、スタブ・ハンドルやU字状のハンドルなどの、他の型式のハンドルにも同様に適する。ここでは蓋ステム・ハンドル2は、蓋要素8の表面の特定の部分およびそこに隣接した側面領域を取り囲むように配置されている。閉じた状態では、蓋ステム・ハンドル2は、調理器に接続されたステム・ハンドル9の上に位置し、したがって、調理器は、閉じたときに、ステム・ハンドル9および2の位置で握ることができる。この目的のために、蓋ステム・ハンドル2は、蓋要素8を越え、調理器の外部形状を越えて横方向外方に突出する。蓋、すなわち蓋要素8は、一般に知られているように、差込み留め具によって調理器に接続することができる。図4から図6から詳細に分かるように、蓋ステム・ハンドルは、技術モジュール3、および技術モジュール3を覆うマスキング・モジュール4を有し、それによりマスキング・モジュール4は、技術モジュール上に取り付けるまたはクリップ留めすることができ、特にキー/ロック・システムによって接続される。
【0024】
技術モジュール3は、圧力調理器の機能に必要である可動操作要素を含む。このことは、これらの可動操作要素は、技術モジュール3内に組み入れられかつ固定されるが、マスキング・モジュール4は、技術モジュール3だけを覆い、圧力調理器の機能に必要である操作要素を有さないことを意味する。このことは、圧力調理器はマスキング・モジュール4が取り付けられていなくても機能することを意味する。この実施形態において、また後でより詳細に説明するように、技術モジュール3は、以下の操作要素、すなわち、全体として10で識別され、調理器内の圧力を表示する、圧力表示デバイスと、圧力調理器内の様々な圧力レベルを調節するための、全体として12で識別される動作弁の可動密閉要素11と、調節可能な圧縮圧力で可動密閉要素11に作用する、特にねじり棒ばね13である圧縮ばねと、動作弁12の密閉要素11上のばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイス14とを含む。技術モジュール3はまた、蓋ロック17(図3、図7および図8)を有することもできる。
【0025】
技術モジュールは、図3、図5、図6および図7から詳細に分かるように、好ましくは金属から形成され特に支持板から形成された、L字状の支持要素15を含み、支持要素15は、図5および図7から詳細に分かるように、圧力表示デバイス10および動作弁12のための少なくとも2つの貫通穴16a、16bを、その上側に有する。技術モジュール3またはL字状の支持要素15は、一方では前述の操作要素を保持し、他方では蓋ハンドルの機械的支持部品でもある。そのようなL字状の支持要素は、製造するのに簡易かつ経済的であり、しっかりと、また取り外しを可能にする形で、金属製の蓋要素8の側面および上方に固定することができる。L字状のため、例えば動作弁12、調節デバイス14、または圧力表示デバイス10などの金属製の蓋要素8の上部に配置されるべき操作要素、および、例えば蓋ロック17などの金属製の蓋要素8の側面からその機能を果たす操作要素を、配置することが可能である(図3、図7または図8参照)。個々の操作要素を保持することができるプラスチック・ホルダを用いて、特に射出成形部品の形状である少なくとも1つのプラスチック・ホルダ20が、支持要素15または支持板に固定(例えば、クリップ留め)される。
【0026】
技術モジュール3は、固定デバイス18(図5および図6)を有し、固定デバイス18は、ここではL字状の支持要素15の前方端部に形成され、ここでは特に、蓋要素8の表面で突出部19またはフックと係合するように作ることができる開口部として形成される。さらに、蓋ステム・ハンドル2は、技術モジュール3から延長して蓋要素8の側面領域を貫通する蓋ロック17を介して、蓋要素8に固定することができる(図3)。したがって、L字状の支持要素15またはL字状の板は、蓋要素8の上側に掛合し、次いで蓋要素8の側面領域の開口部内に導入されたロック17を介して固定することができる。しかし、この固定デバイスは、単に技術モジュールを蓋の表面に配置するための一例にすぎない。しかし、いかなる場合においても、蓋ステム・ハンドル2は、取り外すことができるような方法で固定される。
【0027】
蓋要素8はまた、様々な操作要素の、蓋の内側への突出を可能にするために、対応する開口部を有する。
【0028】
可動操作要素のうちの1つは、動作弁12の可動密閉要素11である。
【0029】
図3、図8および図10から詳細に分かるように、動作弁12の可動密閉要素11は、開口部16aを通じて技術モジュール内で上下動することができるような方法で、技術モジュール3のホルダ20を介して配置される。密閉要素11は、ここでは球状の密閉面を有する。すなわち、少なくとも1つの球状の密閉部分が、弁座21(図3)上に位置する。ねじり棒ばね13は、ばねの圧縮圧力を変えるための調節デバイス14に応じて、密閉要素11に圧縮圧力で作用することができる。ここではばね13は、密閉要素11の上側上の溝内に配置されている。後で詳細に説明するように、前述の調節デバイスにより、調理レベルに対応する特定の圧縮圧力を選択することができる。したがって、例えば、調理レベルIおよび高速レベルIIに対応する、調理器内の異なる圧力範囲を選択することができる。したがって、動作弁12は、圧力制限機能を有する。ある調理レベルの圧力を超えると、動作弁が開いて調理器から蒸気が漏出できるように、密閉要素11が上方に押される。調理レベルIは、例えば、0.4バール(40kPa)の圧力に対応し、調理レベルIIは、例えば、0.8バール(80kPa)の圧力に対応する。動作弁12の弁座21は、別個の、または一体に成形された弁座部21として、蓋1内または蓋要素8内に形成される。したがって、弁座部は、例えば、対応する開口部1を通して蓋要素8の内側から誘導され、圧着される。しかし、密閉要素を利用して蓋要素の開口部内に嵌合する別個の、弁座部を設けることも可能である。密閉要素は、例えば、この目的のために円周輪溝を有し、その中に蓋要素の開口部の縁が位置することになる。
【0030】
弁座は、有利には金属で形成され、また特に円錐状に形成される。円錐状に形成された密閉面の先細りになっている箇所の角度は、好ましくは30°から40°になり、さらに好ましくは33°から37°、また特に35°になる。
【0031】
そのような弁により、動作弁12の応答特性の向上を実現することが可能になる。ここでは、<+/−20kPa(<+/−0.2バール)の公差を確実に維持することが可能になる。このことは、起動圧力と安定圧力との間には、わずかな圧力差のみ必要とされることを意味する。
【0032】
図7および図3から詳細に分かるように、密閉カラー108が動作弁の領域内に設けられ、それにより、密閉カラーは、ここではL字状の支持要素上にある技術モジュール3の底部に配置される。密閉カラー108は、密閉カラーの開口部を通して可動密閉要素11を送り込むことができるような方法で、動作弁12の周囲の領域内に配置され、したがってこの実施形態では、密閉要素11の輪状の溝が、密閉カラーの開口部内に位置することになる。密閉カラー108は、ハンドル、すなわちここでは技術モジュール3または支持要素15に対して、動作弁周辺の蓋の上側を密閉する。密閉カラーは、有向の開口部を有し、それにより、動作弁から漏出する蒸気を前方に選択的に消散させることができる。開口部はまた、選択的にまたは追加的に、横に向けることができる。このようにして、蒸気は、上方に、例えば技術モジュールの中に、または操作者の手の方に向かって後方に、制御されていない形で漏出するのを防止される。次いで蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋との間で前方に向けて選択的に消散させることができる。
【0033】
密閉要素11上に位置するねじり棒ばね13は、図6および図9から詳細に分かるように、鋭く曲がり、L字状の支持要素15に沿って調節デバイス14に至るまで伸びており、調節デバイス14は、ばね13が密閉要素11を押すことによる圧縮圧力を変えることができる。この実施形態では、ねじり棒ばねが使用される。ここではねじり棒ばね13の反対側端部は、図9から詳細に分かるように、ある力によって作用を受ける。ここでは調節デバイス14は回転機構22を含み、この回転機構22は、ねじり棒ばねの一端部によってある一定の力が密閉要素11に与えられるように、特に回転運動に応じて、所定の力でねじり棒ばね13の他端部に作用し、それによりこの力は、調理器内のある所望の圧力に対応する。回転機構22を回転することにより、対応する力が、上下動する加圧要素24を介し、ばね23のばね力に逆らって、ねじり棒ばね13に与えられる。回転機構22を作動させるために、上端部にある開口部内に回転ノブ5が固定され、それによりこの回転ノブ5が、回転機構22に回転運動を伝達する。したがって現段階では、圧力調節は、部品22の湾曲部70を通じてねじり棒ばね13にあらかじめ張力をかける加圧要素24のため、自由に移動および固定される回転ノブ5を介して行われる。加圧要素24、または湾曲部に伸びる加圧要素24の突出部は、結果的に、湾曲部内に形成された追加的な凹部内の所定の位置にはめ込むことができる。しかし、回転運動はまた、連続的な形で行うことができる。回転ノブは、マスキング・モジュール4が技術モジュール3上に既に設置された後で、回転機構22に取り付けられる。しかし、技術モジュール3の全ての機能は、マスキング・モジュール4がなくとも保証されるであろう。
【0034】
たとえ回転ノブ5が取り外された状態で調節デバイス14または回転機構22を示す図6に明確に記載されていなくとも、回転ノブは、その上側に、「開」、「0」、「1」、および「2」などの、様々な調節可能性を有することができる。「開」は、蓋がロックされずに開けることができる設定に対応する。「0」は、高めるべき過剰圧力がなく、また弁12が開かれるように、密閉要素11に作用する力が調節される設定に対応する。位置「1」および「2」は、前述の調理レベルIおよびII、ならびに前もって規定された圧力範囲に対応する。
【0035】
ここでは回転ノブは、キャップを含む。キャップは、例えば、クロムめっきすることができる。回転ノブは、回転機構22に接続される。
【0036】
図3から詳細に分かるように、調理器内の圧力を表示する圧力表示デバイス10が、動作弁12と調節デバイス14との間に位置している。図3から詳細に分かるように、圧力表示デバイス10の下端部に保護膜25が設けられ、それによりこの保護膜は、開口部16b内で調理器蓋1の内側から密閉するような形で固定される。圧力表示軸7が、それが部品27内で上下動することができるような方法で、支持要素15上のホルダ20内に保持される(図6)。圧力表示キャップ6が、圧力表示軸7の上部に固定される。ばね33が、軸7の周りに配置され、ある一定のばね力で軸に下方に作用する。閉じられた圧力調理器内の圧力が上昇すると、圧力表示軸7が制限止め(limit stop)まで上方に移動し、それにより、ハンドルから突出する圧力表示キャップの高さが、調理器内の圧力の尺度になる。
【0037】
操作者は、ハンドル2から突出する圧力表示キャップ6の高さに基づいて、調理器内の圧力がどの程度高いかをおおよそ知ることができる。圧力が高すぎて動作弁12が開くと、操作者には、調理器内を所望の圧力範囲に達せさせるために温度を下げなければならないことを示す落ち着いた歯擦音が聞こえる。圧力レベルを識別するために、キャップ6は、例えば、2つのリングを有する。
【0038】
追加的な操作要素として述べられるものは、図3および図8から詳細に分かるように、ロック17である。ここではロッキング・プレート17の形状である蓋ロックは、開口部を通じて蓋1または蓋要素8内に突出し、またばね28によって内方へあらかじめ張力をかけられている。ロッキング要素17はまた、L字状の支持要素15に取り付けられた対応するホルダ20内で、技術モジュール3内に保持される。
【0039】
ハンドル−蓋ラッチ機構は、詳細には以下のように機能する。すなわち、技術モジュール3が、支持要素15を介してタブ19に掛けられる。静止位置まで旋回されることにより、ロック17が、ばね28に押しつけられて、蓋要素8内にロックされる(図3および図8)。蓋1が差込み留め具を介して調理器の下部(図示せず)上に設置されると、ロック17を、蓋8からハンドルを取り外せなくなるように回転ノブを回すことにより、ロッキング・ブリッジによって固定することができる。この機構は、蓋が置かれたときにロック部品100がばね101に逆らって動かされるような方法で、実施することができる。2つのハンドル2、9が重ねられている場合、回転ノブ5を回すことにより、ロッキング・ブリッジ102が下方に移動され(図3および図6)、結果としてロック17が同時に固定される。ハンドル2は、蓋1から取り外すことができない。
【0040】
領域105を利用して、その上にロック解除ボタン(図示せず)を取り付けることができ、調理器を開くときに、ロック要素17を、ばね28のばね力に逆らって蓋から後方に引き寄せることができる。
【0041】
好ましくは全ての操作要素が技術モジュールに組み入れられるが、図3および図8から詳細に分かるように、自己反転式圧力逃がし弁29の形態をなす安全弁29が、調理器蓋内に設けられることが好ましい。蓋要素8は、この目的のために対応する開口部を有する。自己反転式圧力逃がし弁29は、過剰圧力に対する保護機能、自動通気機能、および真空を回避する機能を有する。弁は、貫通穴を有する弁ハウジングを有する。弁ハウジングは、金属、特に研磨されたステンレス鋼で作られることが好ましい。圧力逃がし弁は、ばね30によって加圧される玉31を有する。弁ハウジングの貫通穴は、弁座として円錐面を有する。密閉するために、玉が円錐面上に位置し、それにより、やはり動作弁と同様に、玉は円錐面上に位置する。ここでは、先細りになっている弁座の円錐面の角度は、好ましくは30°から40°になり、特に33°から37°、さらに好ましくは35°になる。圧力逃がし弁29は、蓋8の開口部に滑り込み、また上部領域に圧着端部を有し、それによって蓋上に位置する。圧力逃がし弁は、さらに密閉リング30aを有する。圧力逃がし弁は、調理器蓋内の開口部内で上下に動かすことができる。開口部31aが、圧力逃がし弁のハウジング内に設けられており、それを通じて加熱中に調理器から空気を漏出させることができる。過剰圧力が上昇し続けると、圧力逃がし弁が上方に動き、その結果、シール30が調理器蓋を密閉する。過剰圧力が例えば>1.5バールに達して初めて、玉31がばね力に逆らって上方に動いて、弁を開くことになる。
【0042】
図7、図3、および図8から詳細に分かるように、ここでは密閉要素107は、技術モジュール3のL字状の支持要素15に設けられており、それにより、圧力逃がし弁29の周辺部において、この密閉要素は、ハンドル2に対し、すなわちこの場合では技術モジュール3に対し、蓋の上側を密閉する。ここで密閉要素107は、圧力逃がし弁から漏出する蒸気を通して次いで選択的に特に側方へ消散させることができる開口部を有する。このようにして、蒸気は、技術モジュールに向かって上方に、または操作者の手に向かって後方に、制御されない形で漏出するのを防止される。次いで蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋1との間で選択的に漏出させることができる。
【0043】
図6および図8から分かるように、残留圧力ストップは部品27aを含み、部品27aは、部品22による回転ノブ5の開口運動をロックするように、圧力表示(軸7)によりそれに沿って持ち上げられる。
【0044】
図11は、図1から図10に関連して説明した第1の実施形態に対応する、本発明のさらなる実施形態を示す。この実施形態は、密閉要素107の形成によってのみ異なる。前述の実施形態の場合、密閉要素107は、蒸気が側方へ消散されるように形成される。ここでは密閉要素107は同様に、技術モジュール3の下側、ここではL字状の支持要素15に固定される。ここでは密閉要素107はまた、蓋の上側と技術モジュール、すなわちここでは支持要素15との間の、圧力逃がし弁29の周辺部を密閉する。それを通して蒸気が消散される開口部は、側方だけでなく前方にも延長しており、したがって、蒸気は、マスキング・モジュール4と蓋1との間のハンドル2の前方端部で、選択的に消散させることができる。図11から分かるように、ここでは密閉要素は、蒸気をハンドル2の前方3分の1の領域で消散させることができるほどに長い胴を有する。組み立てられた状態では、密閉要素107の胴は、ここでは密閉カラー108を取り囲み、したがって、動作弁および圧力逃がし弁の両方からの蒸気を前方に向けて消散させることができる。既に説明したように、マスキング・モジュール4がマスキング要素の機能のみ有し、また簡易な方法で取り替えることができるため、蓋ステム・ハンドル2のモジュール設計は、様々な変形を可能にする。例えば、技術モジュール3を様々な圧力調理器の変形に使用することができるという事実により、様々な圧力調理器の変形の生産が、より経済的かつより簡易にされる。
【0045】
詳細には、本発明はまた、同一の技術モジュール3を使用することができる一方で、マスキング・モジュール4に対して形状および/または色が異なる様々な変形が用意される、様々な圧力調理器の変形のためのシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な蓋ハンドル、特に蓋ステム・ハンドル(2)を有する圧力調理器用の蓋(1)であって、
前記圧力調理器の機能に必要である可動操作要素(10、11、12、13、14、17)を有する技術モジュール(3)と、
前記技術モジュール(3)を覆うマスキング・モジュール(4)と、
を有する蓋(1)。
【請求項2】
前記技術モジュールが、
圧力表示デバイス(10)、蓋ロック(17)、前記圧力調理器内の様々な圧力レベルを選択するための動作弁(12)の可動密閉要素(11)、調節可能な圧縮圧力で前記可動密閉要素(11)に作用する、特にねじり棒ばねである圧縮ばね(13)、および前記密閉要素(11)上の前記ばね(13)の圧縮圧力を変えるための調節デバイス(14)の群の操作要素のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の蓋(1)。
【請求項3】
前記技術モジュール(3)が、前記蓋ハンドルを前記蓋(1)に固定するための固定デバイス(18)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の蓋(1)。
【請求項4】
前記技術モジュール(3)が、好ましくは支持板であるL字状の支持要素(15)から基本的に形成されることを特徴とする、請求項1から3のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項5】
前記技術モジュール(3)が、前記動作弁(12)の可動密閉要素(11)を有し、弁座(21)が、別個の、または一体に成形された弁座部として前記蓋(1)内に形成されることを特徴とする、請求項2から4のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項6】
前記弁座(21)および/または前記密閉要素(11)が、固体、特にデュロプラスト、サーモプラスト、樹脂、または金属から形成され、特に前記弁座(21)または前記密閉要素(11)が、円錐状の密閉面を有することを特徴とする、請求項5に記載の蓋(1)。
【請求項7】
前記密閉要素(11)または前記弁座(21)が、球状の密閉面を有することを特徴とする、請求項5または6に記載の蓋(1)。
【請求項8】
前記マスキング・モジュール(4)が、前記圧力表示デバイス(10)および前記圧縮圧力を変えるための前記調節デバイス(14)のための少なくとも2つの開口部を上側に有するプラスチック部品から形成されることを特徴とする、請求項1から7のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項9】
前記密閉要素上の前記圧縮圧力を変えるための前記調節デバイス(14)が、回転機構(22)を含み、また、特に回転運動に応じて、前記ねじり棒ばね(13)の一端部が、前記ねじり棒ばね(13)の他端部により前記密閉要素上にある一定の力が与えられるように、所定の力で作用を受けることを特徴とする、請求項2に記載の蓋(1)。
【請求項10】
回転ノブ(5)を前記回転機構(22)上に設置することができることを特徴とする、請求項9に記載の蓋(1)。
【請求項11】
前記マスキング・モジュール(4)を、前記技術モジュール(3)に取り付ける、特にクリップ留めすることができることを特徴とする、請求項1から10のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項12】
自己反転式圧力逃がし弁(29)が、前記調理器蓋内に配置されることを特徴とする、請求項1から11のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項13】
密閉要素(107)が、前記圧力逃がし弁(29)の周辺部の周りに設けられ、この密閉要素が、技術モジュール(3)、特にL字状の支持要素に対して、前記蓋の上側を密閉し、また、前記圧力逃がし弁から漏出する蒸気を通して横方向および/または前方に消散させることができる開口部を有することを特徴とする、請求項1から12のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項14】
形状および/または色の異なる適切なマスキング・モジュール(4)が、特定の技術モジュール(3)のために用意されることを特徴とする、請求項1から13のうちの1項に記載の蓋を有する、システム。
【請求項1】
取り外し可能な蓋ハンドル、特に蓋ステム・ハンドル(2)を有する圧力調理器用の蓋(1)であって、
前記圧力調理器の機能に必要である可動操作要素(10、11、12、13、14、17)を有する技術モジュール(3)と、
前記技術モジュール(3)を覆うマスキング・モジュール(4)と、
を有する蓋(1)。
【請求項2】
前記技術モジュールが、
圧力表示デバイス(10)、蓋ロック(17)、前記圧力調理器内の様々な圧力レベルを選択するための動作弁(12)の可動密閉要素(11)、調節可能な圧縮圧力で前記可動密閉要素(11)に作用する、特にねじり棒ばねである圧縮ばね(13)、および前記密閉要素(11)上の前記ばね(13)の圧縮圧力を変えるための調節デバイス(14)の群の操作要素のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の蓋(1)。
【請求項3】
前記技術モジュール(3)が、前記蓋ハンドルを前記蓋(1)に固定するための固定デバイス(18)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の蓋(1)。
【請求項4】
前記技術モジュール(3)が、好ましくは支持板であるL字状の支持要素(15)から基本的に形成されることを特徴とする、請求項1から3のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項5】
前記技術モジュール(3)が、前記動作弁(12)の可動密閉要素(11)を有し、弁座(21)が、別個の、または一体に成形された弁座部として前記蓋(1)内に形成されることを特徴とする、請求項2から4のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項6】
前記弁座(21)および/または前記密閉要素(11)が、固体、特にデュロプラスト、サーモプラスト、樹脂、または金属から形成され、特に前記弁座(21)または前記密閉要素(11)が、円錐状の密閉面を有することを特徴とする、請求項5に記載の蓋(1)。
【請求項7】
前記密閉要素(11)または前記弁座(21)が、球状の密閉面を有することを特徴とする、請求項5または6に記載の蓋(1)。
【請求項8】
前記マスキング・モジュール(4)が、前記圧力表示デバイス(10)および前記圧縮圧力を変えるための前記調節デバイス(14)のための少なくとも2つの開口部を上側に有するプラスチック部品から形成されることを特徴とする、請求項1から7のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項9】
前記密閉要素上の前記圧縮圧力を変えるための前記調節デバイス(14)が、回転機構(22)を含み、また、特に回転運動に応じて、前記ねじり棒ばね(13)の一端部が、前記ねじり棒ばね(13)の他端部により前記密閉要素上にある一定の力が与えられるように、所定の力で作用を受けることを特徴とする、請求項2に記載の蓋(1)。
【請求項10】
回転ノブ(5)を前記回転機構(22)上に設置することができることを特徴とする、請求項9に記載の蓋(1)。
【請求項11】
前記マスキング・モジュール(4)を、前記技術モジュール(3)に取り付ける、特にクリップ留めすることができることを特徴とする、請求項1から10のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項12】
自己反転式圧力逃がし弁(29)が、前記調理器蓋内に配置されることを特徴とする、請求項1から11のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項13】
密閉要素(107)が、前記圧力逃がし弁(29)の周辺部の周りに設けられ、この密閉要素が、技術モジュール(3)、特にL字状の支持要素に対して、前記蓋の上側を密閉し、また、前記圧力逃がし弁から漏出する蒸気を通して横方向および/または前方に消散させることができる開口部を有することを特徴とする、請求項1から12のうちの1項に記載の蓋(1)。
【請求項14】
形状および/または色の異なる適切なマスキング・モジュール(4)が、特定の技術モジュール(3)のために用意されることを特徴とする、請求項1から13のうちの1項に記載の蓋を有する、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−513403(P2013−513403A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542395(P2012−542395)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007469
【国際公開番号】WO2011/069649
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(508112265)シリット‐ヴェルケ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007469
【国際公開番号】WO2011/069649
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(508112265)シリット‐ヴェルケ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (4)
【Fターム(参考)】
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