説明

圧延ロールネックの軸受部の、ロール胴側の封隙のための装置

【解決手段】 本発明は、圧延ロールネック2の軸受部の、ロール胴側の封隙のための装置1であって、この装置が、この圧延ロールネック2の上に装着されたロールネックスリーブ3を有し、このロールネックスリーブにスリーブリング5が設けられており、チョック6内において軸支持された軸受スリーブ7を有し、このチョック6に保持部11を介して設けられた、スリーブリング5と協働する、半径方向舌状部13、13′を備える半径方向軸封隙材を有し、および、圧延ロール4のロール胴に対して、この半径方向軸封隙材に設けられた封隙機能部16を有する様式の上記装置に関する。この目的で、保持部11、半径方向舌状部13、13′、および封隙機能部16の封隙舌状部15、15′が1つのユニットを形成し、このユニットが、解離可能に、チョック6と封隙された状態で結合されていることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延ロールネックの軸受部の、ロール胴側の封隙のための装置であって、
この装置が、
この圧延ロールネックの上に装着されたロールネックスリーブを有し、このロールネックスリーブにスリーブリングが所属して設けられており、
チョック内において軸受けされた軸受スリーブを有し、
このチョックに保持部を介して所属して設けられた、スリーブリングと協働する、半径方向舌状部を備える半径方向軸封隙材を有し、および、
圧延ロールのロール胴に対して、この半径方向軸封隙材に設けられた封隙機能部を有する様式の上記装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延機ロールのロールネックの軸受部を封隙するために、基本的に、2つの異なるコンセプトが公知である。第1のコンセプトは、ロールネック軸封隙材を使い、このロールネック軸封隙材がこのロールと共に回転し、且つこのロールネック軸封隙材の複数の封隙舌状部が、異なる回転数における遠心力に起因して異なる強度で相手方走行面に押し付けられる。その際に増大された熱発生という事態となる可能性があり、この熱発生が、ロールネック封隙材のゴム材料に、このゴム材料の可撓性、容積、およびこのゴム材料の硬度において不利な影響を及ぼし、従って、これら封隙材は、ただ小さな作動範囲のためだけに最適に構成されている。
【0003】
第2のコンセプトは、固定状態の半径方向軸封隙材を使い、この半径方向軸封隙材の場合、如何なる遠心力による問題も生じない。圧延ロールネックの軸受部の、ロール胴側の封隙のための、このような装置は、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第101 13 593号明細書(特許文献1)から見て取ることが可能である。この封隙装置は、比較的に多数の個別部材から成り、その際、特に2つの半径方向軸封隙材も組み込まれている。これら半径方向軸封隙材のそれぞれの半径方向軸封隙材が、第1のコンセプトに従うロールネック封隙材とほぼ同じくらい費用がかさむので、圧延ロールネックの軸受部の、ロール胴側の封隙のためのこの装置は、非常に高価である。更に加えて、この封隙材のこれら多数の部材が、手間暇をかけて組み立てられねばならず、従って、このことによって、手数のかかる取扱いが、この封隙装置の組み立ておよびメンテナンスの際に必要であり、この取扱いは、それに加えてこの装置を更に高価にする。それに加えて、これら半径方向軸封隙材に、ロール胴に向かってただ1つのラビリンスだけが前方に設けられており、このラビリンスは、これら半径方向軸封隙材を、常に高い信頼性でもって、ロールに由来するスケールのような汚染物から保護しない。
【0004】
ドイツ連邦共和国実用新案第296 20 018号明細書(特許文献2)は、冒頭に記載した様式の装置を開示しており。この装置が、しかしながら同様に、多数に個別の要素から1つのユニットへと組み立てられている。従って、ここでも、封隙装置の交換は手間暇がかかり、且つ、このロール胴側の封隙のための装置の組み立てはコスト高である。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第101 13 593号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国実用新案第296 20 018号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載した様式の装置を、この装置が、安いコストで製造され且つ作動され得、ただ僅かな部材だけから成り、且つ比較的に良好な封隙作用を誘起するように改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的で、保持部、半径方向舌状部、および封隙機能部が1つのユニットを形成し、このユニットが、解離可能に、チョックと封隙された状態で結合されていることが提案される。
【発明の効果】
【0007】
その際、封隙機能部は、従来技術によってとは異なり、ラビリンスであるだけでなく、付加的に封隙舌状部でもあり、この封隙舌状部が、半径方向舌状部および保持部と共に、1つのユニットを形成している。このことによって、多部材から成る保持部、および2つの部材から成る半径方向軸封隙材の代わりに、ただ1つのユニットだけが必要とされ、このユニットは、それに加えて更に、封隙機能部として、これら半径方向舌状部をロール表面に由来する汚染物から保護する更に別の封隙舌状部を有している。
【0008】
保持部、半径方向舌状部、および封隙機能部が、1つの部材から成るように形成されていることは、有用であることが実証された。従って、実際上、保持部および封隙材の役目を果たすただ1つのユニットだけが、チョックと結合されるべきであることは保証されている。
【0009】
保持部および半径方向舌状部が、1つの部材から成るように、封隙要素として形成されていること、および、封隙機能部の封隙舌状部が、解離可能に、この封隙要素と結合可能であることは、しかしながら同様に可能である。
【0010】
特に、封隙機能部の封隙舌状部と、封隙要素の半径方向舌状部との間の異なる磨耗が生ずる場合、ここで、スケールといっそう多く接触するこの封隙機能部の封隙舌状部を、封隙要素から解離すること、および、新しい封隙舌状部と交換することは可能である。従って、他方また更に別の部材が、圧延ロールネックの軸受部のロール胴側の封隙のための装置のために必要となることは確かに甘受されねばならないが、従来技術による装置に比して、これら両方の部材は、しかしながら著しくより僅かの数の部材である。
【0011】
保持部および半径方向舌状部、及び/または封隙機能部の封隙舌状部が異なる材料から成ることは注目すべきである。このことは、適当な製造形状へのこの封隙装置の製造の際に、保持部の役目を果たす領域内において、この半径方向舌状部の領域内においてとは異なる材料が挿入され、および場合によっては、同様に他の材料もこの封隙機能部の封隙舌状部の領域内において使用され、これら全てが、例えば加硫によって互いに結合されており、従って、本発明による装置が、それぞれの領域内において直面する要求に対して特別に形成されていることが可能であることによって達せられる。
【0012】
保持部のための材料として、例えば、鋼材、アルミニウム、合成物質、並びに硬質ゴムが該当し、これに対して、半径方向舌状部、及び/または封隙機能部の封隙舌状部が、アクリルニトリロ・ブタジエン共重合ゴム、水素添加されたアクリルニトリロ・ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、並びに、ポリウレタンであることは可能である。
【0013】
合目的に、封隙要素は、保持部において延長部を有しており、この延長部の端部に、スリーブリングと封隙結合状態にある、少なくとも1つの半径方向舌状部が設けられている。その際、1つの半径方向舌状部が使用されることも可能である。しかしながら、有利には、2つの半径方向舌状部が設けられており、これら半径方向舌状部は、相互に離間するように、または同一に整向されて形成されている。従って、1つの延長部に、2つの封隙舌状部が構成される。もはや2つの異なる半径方向軸封隙材は必要とされない。
【0014】
保持部、及び/または半径方向舌状部、及び/または封隙舌状部が、補強材を有することは重要である。その際、封隙要素の保持部が、全要素の補強のために補強材を有しており、これに対して、半径方向舌状部は、剛性のばね、または所定の長さを備える丸形鋼材要素を有しており、従って、一定の押圧力が、この封隙要素の耐用期間にわたって保証されている。封隙機能部の封隙舌状部は、例えば、強化ファイバーによって補強されている。
【0015】
保持部および延長部が第1の接続部を有しており、この接続部を介して、軸受部と反対側の封隙舌状部の、最低限の量の潤滑(Minimalmengenschmierung)の目的のための僅かの量の油が、この軸受部の領域内における油捕捉ポケットから、半径方向舌状部の間の領域内へと案内可能であること、および、
少なくともこの延長部が、第2の接続部を有しており、この接続部を介して、過剰の油が、これら封隙舌状部の間の領域から導出可能であることは、模範とする価値がある。
【0016】
軸受部側の半径方向舌状部は、通常、この軸受部から流出する油によって、十分に潤滑される。この背後に位置しているロール側の半径方向舌状部は、これに対して通常、潤滑されない。この半径方向舌状部は、焼けてしまうかもしれない。この理由から、同様に例えばただ時間当り少量の油だけが必要である場合、この油は、第1の接続部を介して、ロール側の半径方向舌状部に供給される。過多の油がこの第1の接続部を介してこれら両方の半径方向舌状部の間の領域内へと到達し、従って、これら半径方向舌状部が場合によっては浮かび上がる可能性があり、且つその場合にもはや正確に封隙しなくなることが生じる場合、更に別の接続部が設けられており、この接続部を介して、過剰の油がこれら半径方向舌状部の間の領域から導出可能である。
【0017】
合目的に、組み込まれた状態の封隙要素において、第1の接続部は、半径方向舌状部のそれぞれの上側の領域内における、ほぼ時計の12時において、および、第2の接続部が、それぞれの下側の領域内における、時計の6時ちょっと手前またはちょっと過ぎにおいて配設されている。このことによって、油滴がこれら半径方向舌状部の上側の領域内において供給され、且つ、しかしながら重力によって下方へと到達することは達せられる。さらに加えて、スリーブリングがこれら半径方向舌状部の上で回転し、且つその際この油は分散可能である
【0018】
過剰の油は、半径方向舌状部の下側の領域から導出される。これら導出領域は、しかしながら時計の6時においてではなく、即ち最も下側の領域内において配設されているのではなく、むしろ、時計の6時ちょっと手前またはちょっと過ぎにおいて配設されており、従って常に比較的に小さな油溜まりが存在し、この油溜まりが、これら半径方向舌状部が浮かび上がらず、しかも最低限の量の潤滑が保証されているように寸法を設定されている。
【0019】
油捕捉ポケットの開口部の大きさを介して、捕捉される油微粒子の量が調節可能であること、および、この油捕捉ポケットの傾斜状態および深さによって、この油捕捉ポケット内において貯蔵可能な油の量が確定可能であることは好適である。この構成、および特に第1の接続部の直径の選択によって、封隙要素の半径方向舌状部へと到達する油の量は、調節可能である。
【0020】
封隙機能部が、圧延ロールの端側面に沿って組み付けられているL字形の輪郭体と協働することは好適である。この封隙機能部の封隙舌状部は、この圧延ロールと共に回転するL字形の輪郭体に当接することは可能である。この封隙機能部の封隙舌状部は、その際、交換可能にこの圧延ロールと結合されているこのL字形の輪郭体を、せいぜい摩擦力によって荷重可能である。この圧延ロールは、その際に荷重されない。
【0021】
更に、
L字形の輪郭体の脚部と封隙要素との間で、ラビリンスが形成されていることは有利である。このことによって、封隙機能部の封隙舌状部に加えて、ラビリンスの様式における、従来技術から公知であるような封隙機能部が形成される。この封隙要素の半径方向舌状部は、その際、2重に保護される。
【0022】
封隙要素が、圧延の際に生じるオフセットが補償されているように、チョックに沿って調節可能である場合に有利である。このオフセットは、圧延力によって圧延工程の際に生じる。圧延ロールネックは、その際に、軸受スリーブ内において中心に装着されていない。この封隙要素の調節可能性によって、この封隙要素は、この封隙要素が圧延ロールのロールネックと同様に軸受スリーブに対して偏心的に配設されており、従ってこの封隙要素が、この圧延ロールネックに対して、これに伴って中心に配置されているように、調節され得る。
【0023】
本発明は、ただ滑り軸受だけに適応可能ではない。同様に他の軸受、例えば、ころ軸受も、本発明による装置によって封隙されることは可能である。
【0024】
次に、図に基づいて本発明を詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、圧延ロールネック2の軸受部の、ロール胴側の封隙のための装置1を示している。圧延ロール4の圧延ロールネック2の上にロールネックスリーブ3が装着されている。このロールネックスリーブ3とスリーブリング5が結合、ここではねじ止めされている。このスリーブリング5は、しかしながら同様に、圧延ロール4と結合されていることも可能である。この圧延ロール4は、軸受スリーブ7を備えられているチョック6内において支持されている。
【0026】
チョック6に、封隙要素8が、ねじ9を用いて解離可能に結合されている。同様にこの封隙要素8の構成要素でもあるリングシール10は、軸受スリーブ7とロールネックスリーブ3との間で流出する油が、この封隙要素8とチョック6との間の間隙を通して圧延ロール4へと到達可能でないための働きをする。この封隙要素8は、保持部11、延長部12から、および、この延長部12の端部における、2つの相互に離間する半径方向舌状部13、13′から成っている。これら半径方向舌状部13、13′は、スリーブリング5の封隙面14に当接している。
【0027】
封隙要素8は、1つの部材から成るように、保持部11と結合された封隙舌状部15を有しており、この封隙舌状部が封隙機能部16に所属している。この封隙機能部16は、更に、L字形の輪郭体17を備えており、このL字形の輪郭体が、圧延ロール4の端側面18とねじ止めされている。この封隙舌状部15は、その際に、このL字形の第1の輪郭体17の脚部に封隙状態で当接している。このL字形の輪郭体17の第2の脚部は、この封隙要素8の1つの領域と共に、ラビリンス19を形成している。このラビリンス19および封隙舌状部15が、この封隙機能部16を形成している。
【0028】
保持部11および延長部12内において、接続部20が設けられており、この接続部を介して、油が、軸受スリーブ7とロールネックスリーブ3との間の軸受部から、半径方向舌状部13、13′の間の領域内へと到達可能である。この目的で、この保持部11内において、油捕捉ポケット21が形成されている。この接続部20および油捕捉ポケット21は、封隙要素8の上側の領域内における、ほぼ時計の12時の方向において配設されている。この油捕捉ポケット21は、側方で保持部11内へと、下方へと傾斜して指向する盲状穿孔として配設されている。この盲状穿孔開口部の下側の縁部22は、同時に、溢流口の役目を果たし、従って、この盲状穿孔の傾斜、およびこの盲状穿孔の底部へのこの下側の縁部22の高さによって、この油捕捉ポケット21内における油レベルが規定される。この油捕捉ポケット21は、その際に円形または長円形の盲状穿孔として形成されており、その際、この下側の縁部22は、本当はその場合に可能な限り、直線的な接線方向に延在する縁部として、形成されているべきである。
【0029】
油捕捉ポケット21内において捕捉された油は、接続部20を通って半径方向舌状部13、13′の間の領域内へと到達可能である。ここで、この油は、半径方向舌状部13の潤滑の役目を果たす。この半径方向舌状部13′は、直接的に軸受部からの油によって潤滑される。
【0030】
図2は、封隙要素8の下側の端部において更に別の接続部25が設けられており、この接続部を通って過剰の油が半径方向舌状部13、13′と封隙面14との間の領域から流出することを示している。その際、この更に別の接続部25は、小さな油溜まり26が、これら半径方向舌状部13、13′とこの封隙面14との間の領域内において保持されるように設けられている。
【0031】
図3は、封隙要素8および封隙舌状部15が確かに同様になお1つの部材から成るように形成されてはいるが、しかしながら、封隙要素8として他の材料(異なるハッチングによって図示されている)から成っていることを示している。
【0032】
図4は、
封隙要素8が、単に保持部11、延長部12、および半径方向舌状部13、13′だけから成っていることを示している。封隙舌状部15′は、ねじ23を介して、この封隙要素8の保持部11と結合されている。従って、一般的に半径方向舌状部13、13′よりも大きな摩耗の影響下にあるこの封隙舌状部15′は、別個に交換可能である。
【0033】
保持部11が補強材を有することが可能であること、半径方向舌状部13、13′が補強のために被覆を有すること、または、同様にこれら封隙舌状部15、15′が強化ファイバーでもって織り込まれていることは図示されていない。
【0034】
半径方向舌状部13、13′は、剛性のばね24、または丸形鋼材要素を介して、形状において、常に封隙面14と半径方向舌状部13、13′との間の最適な封隙作用が保証されているような様式で保持されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】1つの部材から成るように形成された保持部、半径方向舌状部、および封隙機能部の封隙舌状部を有する、本発明による装置の図である。
【図2】第2の接続部の図示を有する、半径方向舌状部の下側の部分の図である。
【図3】1つの部材から成るような、しかしながら他の材料の封隙舌状部を有する、図1に従う装置の図である。
【図4】1つの部材から成るように形成された保持部および半径方向舌状部を有し、しかしながら解離可能な封隙機能部の封隙舌状部を有する、本発明による装置の図である。
【符号の説明】
【0036】
1 装置
2 圧延ロールネック
3 ロールネックスリーブ
4 圧延ロール
5 スリーブリング
6 チョック
7 軸受スリーブ
8 封隙要素
9 ねじ
10 リングシール
11 保持部
12 延長部
13 半径方向舌状部
14 封隙面
15 封隙舌状部
16 封隙機能部
17 L字形の輪郭体
18 端側面
19 ラビリンス
20 接続部
21 油捕捉ポケット
22 縁部
23 ねじ
24 ばね
25 接続部
26 油溜まり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延ロールネック(2)の軸受部の、ロール胴側の封隙のための装置(1)であって、
この装置が、
この圧延ロールネック(2)の上に装着されたロールネックスリーブ(3)を有し、このロールネックスリーブにスリーブリング(5)が設けられており、
チョック(6)内において軸支持された軸受スリーブ(7)を有し、
このチョック(6)に保持部(11)を介して設けられた、スリーブリング(5)と協働する、半径方向舌状部(13、13′)を備える半径方向軸封隙材を有し、および、
圧延ロール(4)のロール胴に対して、この半径方向軸封隙材に設けられた封隙機能部(16)を有する様式の上記装置において、
保持部(11)、および半径方向舌状部(13、13′)が1つの部材から成るように、封隙要素(8)として構成されており、且つ封隙機能部(16)の封隙舌状部(15、15′)と共に1つのユニットを形成し、このユニットが、解離可能にチョックと封隙された状態で結合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
封隙要素(8)、および、封隙機能部(16)の封隙舌状部(15)は、1つの部材から成るように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
封隙機能部(16)の封隙舌状部(15′)は、解離可能に、封隙要素(8)と結合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
保持部(11)、及び/または半径方向舌状部(13、13′)、及び/または封隙機能部(16)の封隙舌状部(15、15′)は、異なる材料から成る ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
保持部(11)が延長部(12)を有しており、この延長部の端部に、スリーブリング(5)と封隙結合状態にある、少なくとも1つの半径方向舌状部(13、13′)が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
保持部(11)、及び/または半径方向舌状部(13、13′)、及び/または封隙舌状部(15、15′)は芯金を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
保持部(11)および延長部(12)は、第1の接続部(20)を有しており、この接続部を介して、軸受部と反対側の半径方向舌状部(13)の、最低限の量の潤滑の目的のための僅かの量の油が、この軸受部の領域内における油捕捉ポケット(21)から、半径方向舌状部(13、13′)の間の領域内へと案内可能であること、および、
少なくともこの延長部(12)が、第2の接続部(25)を有しており、この接続部を介して、過剰の油が、これら半径方向舌状部(13、13′)の間の領域から導出可能であるように構成されていること、
を特徴とする請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
組み込まれた状態の封隙要素(8)において、第1の接続部(20)は、半径方向舌状部(13、13′)のそれぞれの上側の領域内における、ほぼ時計の12時において配設されていること、および、
第2の接続部(25)が、半径方向舌状部(13、13′)のそれぞれの下側の領域内における、時計の6時ちょっと手前またはちょっと過ぎにおいて配設されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
油捕捉ポケット(21)の開口部の大きさを介して、捕捉される油微粒子の量が調節可能であること、および、この油捕捉ポケット(21)の傾斜状態および深さによって、この油捕捉ポケット(21)内において貯蔵可能な油の量が確定可能であることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
封隙機能部(16)は、圧延ロール(4)の端側面(18)に沿って組み付けられているL字形の輪郭体(17)を有していること、
このL字形の輪郭体(17)の脚部と封隙要素(8)との間で、ラビリンス(19)が形成されていること、および、
封隙舌状部(15、15′)がこのL字形の輪郭体(17)の脚部に封隙状態で当接していること、
を特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
封隙要素(8)は、オフセット補償の目的で、チョックに沿って調節可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の装置。
【請求項12】
封隙要素(8)は、チョック(6)内において、一定の分量だけ偏心的に配設されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
ロールネックスリーブ、および滑り軸受の軸受スリーブの代わりに、ころ軸受装置が使用されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−518573(P2007−518573A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550008(P2006−550008)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000427
【国際公開番号】WO2005/071278
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】