説明

圧延銅箔

【課題】屈曲性を安定して得られる圧延銅箔を提供する。
【解決手段】200℃0.5時間焼鈍後の (200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下である圧延銅箔である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフレキシブル配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)に使用され、銅張積層板に適した圧延銅箔に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル配線板(FPC)は樹脂層と銅箔を積層してなり、繰り返し屈曲部に好適に用いられる。このようなFPCに用いられる銅箔としては、屈曲性に優れた圧延銅箔が広く用いられている。圧延銅箔の屈曲性を向上させる方法として、再結晶焼鈍後の立方体集合組織を発達させる技術が報告されている(特許文献1)。又、再結晶焼鈍後の立方体集合組織を発達させる方法として、最終圧延加工度や圧延条件を規定することや(特許文献2)、圧延後に立方体方位を残すこと(特許文献3)が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3009383号公報
【特許文献2】特開2009-185376号公報
【特許文献3】特開2010-150597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の立方体集合組織を発達させる方法は、最終圧延加工度を調整するため、立方体集合組織が成長する最終圧延前焼鈍時の銅箔素材の厚みを最終製品の厚みに応じて変更したり、特殊な条件で圧延を行うなどの必要があり、生産性が低下するという問題がある。
また、立方体集合組織の発達度(銅箔表面の(200)方位のX線回折強度)が同程度であっても、屈曲性が異なる場合があり、(200)方位の制御だけでは屈曲性に優れる圧延銅箔を安定して得ることが難しい。
【0005】
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、屈曲性を安定して得られる圧延銅箔の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは種々検討した結果、銅箔の(200)方位だけでなく、(420)方位および(311)方位を持つ結晶粒が屈曲性に影響を与えることを見出した。(420)方位および(311)方位を持つ結晶粒は、屈曲時に応力印加方向とすべり方向が近いためにすべり変形を起こしにくく、そのために屈曲性を低下させやすい。
【0007】
すなわち本発明の圧延銅箔は、200℃0.5時間焼鈍後の (200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下である。
【0008】
又、本発明の圧延銅箔は、200℃0.5時間焼鈍後の (200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (420)面のX線回折ピークの積分強度I(420)との比I(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である。
【0009】
又、本発明の圧延銅箔は、200℃0.5時間焼鈍後の(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下であり、かつ200℃0.5時間焼鈍後の (200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (420)面のX線回折ピークの積分強度I(420)との比I(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である。
【0010】
請求項1又は3に記載の圧延銅箔は、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(311)bとの比I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下である銅箔素材を最終圧延してなることが好ましい。
【0011】
請求項4記載の圧延銅箔において、最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3であることが好ましい。
請求項4又は5に記載の圧延銅箔において、I(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下であることが好ましい。
請求項2又は3に記載の圧延銅箔において、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(420)bとの比I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下である銅箔素材を最終圧延してなることが好ましい。
請求項7記載の圧延銅箔において、最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3であることが好ましい。
【0012】
請求項7又は8に記載の圧延銅箔において、最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、I(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下であることが好ましい。
請求項3記載の圧延銅箔は、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(311)bとの比I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下であり、かつ、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(420)bとの比I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下である銅箔素材を最終圧延してなることが好ましい。
【0013】
請求項10に記載の圧延銅箔において、最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3であることが好ましい。
請求項10又は11に記載の圧延銅箔において、最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、I(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下であり、かつ、I(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、屈曲性に優れる圧延銅箔を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】屈曲試験装置により屈曲疲労寿命の測定を行う方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る圧延銅箔について説明する。
【0017】
<成分組成>
銅箔の成分組成としては、JIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)又はJIS−H3100(C1020)無酸素銅(OFC)を好適に用いることができる。又、添加元素としてSnを10〜500質量ppm含有し、及び/又はAgを10〜500質量ppm含有し、残部をタフピッチ銅又は無酸素銅としてもよい。
又、添加元素としてAg、Sn、In、Ti、Zn、Zr、Fe、P、Ni、Si、Te、Cr、Nb、Vからなる元素の一種以上を合計で20〜500質量ppm含有し、残部をタフピッチ銅又は無酸素銅としてもよい。
なお、FPCに用いられる圧延銅箔は屈曲性を要求されることから、圧延銅箔の厚みは20μm以下が好ましい。
【0018】
<第1の態様に係る圧延銅箔>
本発明の第1の態様に係る圧延銅箔は、200℃で0.5時間焼鈍後に(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、(311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下である。圧延銅箔に200℃で0.5時間の焼鈍を行うと再結晶組織が生じ、立方体集合組織が発達して圧延銅箔の屈曲性を向上させる。一方、再結晶後に(420)方位および(311)方位を持つ結晶粒は、屈曲時に応力印加方向とすべり方向が近いためにすべり変形を起こしにくく、そのために屈曲性を低下させやすい。
【0019】
このようなことから、(200)方位に比べて(311)方位の割合が少ないと屈曲性を向上させるので、比I(311)/I(200)を0.01以下とする。比I(311)/I(200)が0.01を超えると(311)方位の割合が多くなって屈曲性を低下させる。比I(311)/I(200)は低いほど屈曲性が高く好ましいが、実用上は0.001以上の値となる。
【0020】
又、第1の態様に係る圧延銅箔は、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後の比I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下である銅箔素材を、η=2.3以上の加工度で最終圧延して製造することができる。
ここで、銅箔を再結晶焼鈍した後の(420)方位および(311)方位は、再結晶焼鈍前の圧延組織中に存在する(420)方位および(311)方位を持った結晶粒を起点として発達すると考えられる。また圧延組織中の(420)方位および(311)方位は、圧延前の組織に由来するものと考えられる。つまり、最終圧延前でかつ再結晶焼鈍後において、(420)方位および(311)方位の発達程度を制御することで、最終圧延後の箔を再結晶焼鈍した後の(420)方位および(311)方位を制御できる。
このようなことから、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後の比I(311)b/I(200)bが0.02を超えると、最終圧延後も(311)方位をもつ結晶粒が多く残留し、(311)方位をもつ結晶粒の割合が増えるので、充分な屈曲性が得られない場合がある。一方、比I(311)b/I(200)bが0.01未満の場合、焼鈍によって結晶粒が粗大化してしまうため、最終圧延で充分なひずみを加えることができず、最終圧延後の箔を再結晶焼鈍した後に充分な屈曲性が得られない場合がある。
最終圧延加工度がη=2.3未満である場合には、最終圧延で充分なひずみを加えることができず、最終圧延後の箔を再結晶焼鈍した後に充分な屈曲性を得られないことがある。
【0021】
第1の態様に係る圧延銅箔において、I(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下であることが好ましい。また、I(311)b/I(200)b/ ηが0.1以上0.5以下であることがより好ましい。
一般に銅箔の製造工程においては最終圧延加工の加工度が高いため、最終圧延前の組織を制御しても、その影響が圧延後まで充分に残りにくい傾向にある。そこで、最終圧延前の組織と最終圧延の加工度とを共に管理することで、さらに充分な屈曲性が得られる。
I(311)b/I(200)b/ηが0.5を超えると、最終圧延後も(311)方位をもつ結晶粒が多く残留し、(311)方位をもつ結晶粒の割合が増えるので、充分な屈曲性が得られない場合がある。比I(311)b/I(200)b/ ηは低いほど屈曲性が高く好ましいが、実用上は0.05以上の値となる。
【0022】
<第2の態様に係る圧延銅箔>
本発明の第2の態様に係る圧延銅箔は、200℃で0.5時間焼鈍後に(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、(420)面のX線回折ピークの積分強度I(420)との比I(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である。
上記したように、再結晶後に(420)方位および(311)方位を持つ結晶粒は、屈曲時に応力印加方向とすべり方向が近いためにすべり変形を起こしにくく、そのために屈曲性を低下させやすい。つまり、(200)方位に比べて(420)方位の割合が少ないと屈曲性を向上させるので、比I(420)/I(200)を0.02以下とする。比I(420)/I(200)が0.02を超えると(420)方位の割合が多くなって屈曲性を低下させる。但し、比I(420)/I(200)が0.005未満であると、(200)方位の割合が多くなり過ぎ、充分な屈曲性は得られるが、銅箔が軟らかすぎるためにハンドリング性が低下する。
【0023】
又、第2の態様に係る圧延銅箔は、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後の比I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下である銅箔素材を、好ましくはη=2.3以上の加工度で最終圧延して製造することができる。
最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後の比I(420)b/I(200)bが0.04を超えると、最終圧延後も (420)方位をもつ結晶粒が多く残留し、 (420)方位をもつ結晶粒の割合が増えるので、充分な屈曲性が得られない場合がある。一方、比I(420)b/I(200)bが0.02未満の場合、焼鈍によって結晶粒が粗大化してしまうため、最終圧延で充分なひずみを加えることができず、最終圧延後の箔を再結晶焼鈍した後に充分な屈曲性が得られない場合がある。
【0024】
第2の態様に係る圧延銅箔において、I(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下であることが好ましい。また、I(420)b/I(200)b/ ηが0.5以上1.0以下であることがさらに好ましい。
ここで、再結晶組織である(420)方位をもつ結晶粒は圧延加工によって回転し、別の方位を持った結晶粒になる。そのため、圧延加工度が高い場合には(420)面の割合は減少し、I(420)は低下する。一方で加工度が低い場合には(420)方位をもつ結晶粒が残存しやすく、I(420)は高くなりやすい。
このようなことから、I(420)b/I(200)b/ηが1.0を超えると、最終圧延後も (420)方位をもつ結晶粒が多く残留し、(420)方位をもつ結晶粒の割合が増えるので、充分な屈曲性が得られない場合がある。また、I(420)b/I(200)b/ηが0.5未満であると、充分な屈曲性は得られるが、銅箔が軟らかすぎるためにハンドリング性が低下する場合がある。
【0025】
<圧延銅箔の製造>
第1及び第2の態様に係る圧延銅箔は、いずれもインゴットを熱間圧延後、焼鈍前圧延、再結晶焼鈍、及び最終圧延して製造することができる。ここで、再結晶方位の安定度は、(200)>(311)>(420)の順であり、再結晶焼鈍の際の昇温速度が高いほど、不安定な(420)方位及び(311)方位が増える傾向にある。従って、再結晶焼鈍の際の昇温速度を5〜50℃/sとして従来よりも速度を遅くすると好ましい。
又、焼鈍前圧延のη=1.6以上の加工度とし、かつ再結晶焼鈍後で最終圧延前の結晶粒径を10μm以上30μm以下とすると好ましい。最終圧延前の結晶粒径が10μm以下となるような焼鈍条件の場合、未再結晶組織が残留する可能性が高くなる。又、最終圧延前の結晶粒径が30μmを超える場合には最終圧延で充分なひずみを加えることができず、最終圧延後の箔を再結晶焼鈍した後に充分な屈曲性が得られないことがある。
又、上記したように、η=2.3以上の加工度で最終圧延するとよい。
なお、結晶粒径は、JIS H0501の切断法により測定する。
【実施例】
【0026】
まず、表1に記載の組成の銅インゴットを製造し、厚み10mmまで熱間圧延を行った。その後、焼鈍と圧延を繰り返し、所定の厚みまで圧延した後に750℃の連続焼鈍炉に通板し再結晶焼鈍した。さらに、表1に示す加工度で最終冷間圧延し、表1に示す厚みの銅箔を得た。なお、再結晶焼鈍の際の昇温速度を表1に示す。
【0027】
<配向度>
最終圧延して得られた銅箔を200℃で0.5時間焼鈍して再結晶させた後、圧延面のX線回折で求めた(200)面、(311)面、(420)面の強度の積分値(I)をそれぞれ求めた。
又、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後の(200)面、(311)面、(420)面のX線回折ピークの積分強度をそれぞれ求めた。この値については、I(200)bのように添え字「b」で表した。
【0028】
<屈曲性>
最終圧延して得られた銅箔試料を200℃で30分間加熱して再結晶させた後、図1に示す屈曲試験装置により、屈曲疲労寿命の測定を行った。この装置は、発振駆動体4に振動伝達部材3を結合した構造になっており、被試験銅箔1は、矢印で示したねじ2の部分と3の先端部の計4点で装置に固定される。振動部3が上下に駆動すると、銅箔1の中間部は、所定の曲率半径rでヘアピン状に屈曲される。本試験では、以下の条件下で屈曲を繰り返した時の破断までの回数を求めた。
なお、試験条件は次の通りである:試験片幅:12.7mm、試験片長さ:200mm、試験片採取方向:試験片の長さ方向が圧延方向と平行になるように採取、曲率半径r:1.5mm、振動ストローク:20mm、振動速度:1000回/分。
又、以下の基準で、屈曲性を評価した。評価が◎、○、又は△であれば屈曲性が良好である。
◎:屈曲回数が20万回以上、屈曲性が最も良好である
○:屈曲回数が10万回以上20万回未満、屈曲性が良好である
△:屈曲回数が5万回以上10万回未満、屈曲性に優れる
×:屈曲回数が5万回未満、屈曲性が劣る
【0029】
得られた結果を表1、表2に示す。
ここで、表1中の組成欄の「TPC」はJIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)を表し、「OFC」はJIS−H3100(C1020)に規格する無酸素銅(OFC)を表す。従って、例えば、表1中の組成欄の「190ppmAg−TPC」はJIS−H3100(C1100)に規格するタフピッチ銅(TPC)に190質量ppmのAgを添加した組成であることを意味する。また、表1中の組成欄の「100ppmSn−OFC」はJIS−H3100(C1020)に規格する無酸素銅(OFC)に100質量ppmのSnを添加した組成であることを意味する。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
表1から明らかなように、I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下、又は(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である各実施例の場合、屈曲性が優れたものとなった。特に、I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下で、かつI(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である実施例1〜12、15〜21の場合、実施例13、14に比べて屈曲性がさらに優れたものとなった。
【0033】
一方、I(311)/I(200)が0.01を超え、かつI(420)/I(200)が0.02を超えた比較例1〜3の場合、屈曲性が劣った。
【0034】
なお、表2から明らかなように、各実施例の場合、I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下で、又はI(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下となった。又、各実施例の場合、I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下、又はI(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下となった。特に、実施例1〜12、15〜21の場合、I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下かつI(420)/I(200)が0.005以上0.02以下であり、特に屈曲性に優れた。
一方、比較例1〜3の場合、I(311)b/I(200)bが0.02を超え、かつI(311)b/I(200)b/ηが0.7を超えた。同様に、比較例1〜3の場合、I(420)b/I(200)bが0.04を超え、かつI(420)b/I(200)b/ηが1.2を超えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
200℃0.5時間焼鈍後の(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下である圧延銅箔。
【請求項2】
200℃0.5時間焼鈍後の(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (420)面のX線回折ピークの積分強度I(420)との比I(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である圧延銅箔。
【請求項3】
200℃0.5時間焼鈍後の(200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (311)面のX線回折ピークの積分強度I(311)との比I(311)/I(200)が0.001以上0.01以下であり、かつ200℃0.5時間焼鈍後の (200)面のX線回折ピークの積分強度I(200)と、 (420)面のX線回折ピークの積分強度I(420)との比I(420)/I(200)が0.005以上0.02以下である圧延銅箔。
【請求項4】
最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(311)bとの比I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下である銅箔素材を最終圧延してなる請求項1又は3に記載の圧延銅箔。
【請求項5】
最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3である請求項4記載の圧延銅箔。
【請求項6】
I(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下である請求項4又は5に記載の圧延銅箔。
【請求項7】
最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(420)bとの比I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下である銅箔素材を最終圧延してなる請求項2又は3に記載の圧延銅箔。
【請求項8】
最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3である請求項7記載の圧延銅箔。
【請求項9】
最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、
I(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下である請求項7又は請求項8に記載の圧延銅箔。
【請求項10】
最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(311)bとの比I(311)b/I(200)bが0.01以上0.02以下であり、かつ、最終圧延前で、かつ再結晶焼鈍後のX線回折ピークの積分強度であるI(200)bとI(420)bとの比I(420)b/I(200)bが0.02以上0.04以下である銅箔素材を最終圧延してなる請求項3に記載の圧延銅箔。
【請求項11】
最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、η≧2.3である請求項10に記載の圧延銅箔。
【請求項12】
最終圧延加工度をηとし、η=Ln{(最終圧延前の厚み)/(最終圧延後の厚み)}で表したとき、
I(311)b/I(200)b/ηが0.1以上0.7以下であり、かつ、I(420)b/I(200)b/ηが0.5以上1.2以下である請求項10又は11に記載の圧延銅箔。

【図1】
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【公開番号】特開2013−60651(P2013−60651A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201838(P2011−201838)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】