圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法
【課題】硬化した接着剤又はニスが印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子を提供する。
【解決手段】圧着冊子は、複数枚の所定の寸法の紙と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、綴じ側において隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、各紙上において接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、各面が圧着されている。
【解決手段】圧着冊子は、複数枚の所定の寸法の紙と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、綴じ側において隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、各紙上において接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、各面が圧着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイレクトメール(DM)広告が非常な勢いで増加しており、その中でも情報が印刷された紙面同士が圧着されたシークレット葉書(圧着ハガキ)を用いた広告が多くを占める。圧着はがきが採用される理由は、シートを2枚、3枚というように重ねて中央から折り曲げて圧着する構成により、情報エリアを広く取れ、情報の機密性に優れ、配送先での開封率が高く、また、配送コスト面で官製ハガキや定形郵便と等価である点等にある。
【0003】
また、DM発送者は、より多くの情報量を提供できることを望んでいるため、例えば、定形の封筒型の圧着DMの場合には、4枚重ねや5枚重ねというように、シートを増加することによって紙面数を増加させたり、情報領域を広げるために定形外の例えばA4サイズの封筒型の圧着DMを活用したりしている。
【0004】
圧着ハガキや定形又は定形外の封筒サイズの圧着DM(以下、総称して「圧着冊子」という)では、最近は、情報紙面の貼り合わせに、生産性に優れ、フィルム並みの光沢が得られ、環境にも優しいという観点から、紫外線硬化型ニス(UV圧着ニス)が使用されている。
【0005】
なお、本出願書類では、「紙面」はDMの印刷可能な面をいい、「紙面枚数」は印刷可能な面の枚数をいう。「シート」はDMを構成する用紙をいい、「シート枚数」は用紙自体の枚数をいう。言い換えると、通常「シート」の両面に「紙面」があるので、「シート枚数」の2倍が「紙面枚数」になる。
【0006】
本発明者等は、以下に説明するような種々の形式の圧着ハガキ及びその製造方法を記載した先行技術文献の存在を知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、UV圧着ニスとして比較的吸湿性の高いものが使用されていた。例えば、互応化学工業株式会社(京都府宇治市伊勢田町井尻58番地所在)のOP−5221の型番のものが相当する。比較的吸湿性が高いニスを用いると、図7Aに示すように、2シートが連続する紙22を重ねて接着するための接着剤72が、印刷層24を覆うように塗布されたUV圧着ニス層76の上に付着しても、吸湿性のあるUV圧着ニス層76は、溢れた接着剤72dを吸収するため、UV圧着ニス層76の下の印刷層24の見え方に影響を与えない。ただし、圧着冊子が雨に濡れたような場合に、圧着した印刷面同士を剥離するのが困難になることがある。一方、図7Bに示すように、接着剤72の量を減らして接着剤が紙22の上のみに載るようにすると、シート同士の接着強度が弱くなる場合がある。
【0008】
このような状況から、そのようなニスに代えてはっ水性のあるUV圧着ニスが用いられるようになった。例えば、上掲の互応化学工業株式会社製のOP−5220の型番のUV圧着ニスが相当する。このニスは、比較的粘度が高く、ガラス転移点が比較的低く、架橋密度が比較的低いという傾向を有する。はっ水性のあるニスを用いると、圧着冊子が雨に濡れた場合であっても、圧着した印刷面同士を容易に剥離することができる。しかし、図7Aに示す状況においては、UV圧着ニス層76の上に塗布された接着剤72はUV圧着ニス層76に浸透しないため、余分なものが白い筋として残ってしまうことがある。図7Bのように接着剤の量を減らすとシート同士の接着強度が弱くなるという点では上記のニスを用いた場合と同じである。
【0009】
また、UV圧着ニスを印刷面の上に塗布するためにローラを用いている。ローラの塗布面には、断面矩形の溝が形成されていて、圧着冊子のシート同士を固定するための接着剤塗布面にニスを塗布しないようにしている。しかし、そのようなローラを用いて圧着冊子にニスを塗布すると、塗布したニスの面の中で溝の縁に対応する部分のニスが盛り上がるためその部分が溝の縁に沿った白い線として圧着冊子上に残ってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬化した接着剤が印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、硬化した接着剤が不透明な状態でUV圧着ニス層上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、UV圧着ニスが印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、UV圧着ニスが不透明な状態で印刷面上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
そこで、本発明に係る圧着冊子は、複数枚の所定の寸法の紙と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、該各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、各面が圧着されていることを特徴とする。
【0015】
その圧着冊子において、前記隣り合う2つの印刷層間の距離が3mmでもよい。
【0016】
その圧着冊子において、該圧着冊子が、定形封筒、往復ハガキ、定形外往復ハガキ、定形外封筒又はハガキのいずれでもよい。
【0017】
その圧着冊子において、前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離は、5mm、7mm又は8mmのいずれでもよい。
【0018】
その圧着冊子において、前記印刷層上に塗布された前記UV圧着ニス層の対向する側の端部の厚さが徐々に薄くなっている。
【0019】
また、本発明に係る圧着冊子の製造方法は、複数枚の所定の寸法の紙を作成する工程と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する工程と、該各印刷層上にUV圧着ニス層を形成する工程と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する工程とを有し、各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、さらに、各面を圧着する圧着工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る圧着冊子の製造装置は、複数枚の所定の寸法の各紙上に、綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する印刷装置と、各印刷層上にUV圧着ニス層を形成するUV圧着ニス塗布装置と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、前記UV圧着ニス塗布装置がUV圧着ニス塗布ローラを備えており、該UV圧着ニス塗布ローラが、前記接着剤塗布個所に接着剤を塗布しないようにするための溝を有しており、該溝の幅が、前記印刷装置によって形成される隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、前記紙を所定方向に折る紙折り装置と、該折られた紙を所定の寸法に断裁する断裁装置と、該断裁後で折られた紙の各紙面を圧着する圧着装置とを備えることを特徴とする。
【0021】
その圧着冊子の製造装置において、前記UV圧着ニス塗布ローラの溝の長手方向の縁の角が丸められてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、硬化した接着剤が印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0023】
本発明によると、硬化した接着剤が不透明な状態でUV圧着ニス層上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0024】
本発明によると、UV圧着ニスが印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0025】
さらに、本発明によると、UV圧着ニスが不透明な状態で印刷面上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る8シートの圧着冊子を説明するための簡略化した構成の圧着冊子の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る圧着冊子を作成する工程を説明するためのフローである。
【図3A】図3Aは、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの紙の裏側を示す図であって、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【図3C】図3Cは、図1の圧着冊子を作成するために図3A及び図3Bに示す紙を折り線に沿った折り畳んだ状態を説明するための図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に係る圧着冊子を作成する際のUV圧着ニスを印刷面上に塗布する工程を説明するための簡略化した斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの工程で使用するローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の一例を説明するための拡大簡略断面図である。
【図5】図5は、図1の圧着冊子の2シート連続する第1紙から第4紙までを積層した状態での接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【図6A】図6Aの(a)から(c)は、図4Aに示すローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の一例の機能を説明するための拡大簡略断面図である。
【図6B】図6Bの(a)から(c)は、図4Aに示すローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の改良例の機能を説明するための拡大簡略断面図である。
【図7A】図7Aは、従来の圧着冊子において、積層したシートを接着剤によって接着する際の接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【図7B】図7Bは、従来の圧着冊子において、積層したシートを接着剤によって接着する際の接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法の一実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して重複する説明を省略する。また、各添付図において、各部材の厚さ、長さ、形状、部材同士の間隔等は、理解の容易のために、適宜、拡大・縮小・変形・簡略化等を行っている。
【0028】
[圧着冊子の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る圧着冊子1の斜視図である。圧着冊子1は、8枚のシート及び16紙面から成る小冊子形式のDMである。表紙を紙面番号(1)とし、裏表紙を(16)とする。図1において、表紙(1)と同じ表向きの紙面を、順次、紙面番号(3)、(5)、(7)、(9)、(11)、(13)、(15)とし、裏表紙である紙面番号(16)と同じ裏向きの紙面を、順次、紙面番号(2)、(4)、(6)、(8)、(10)、(12)、(14)とする。即ち、紙面番号は、表紙である紙面番号(1)から裏表紙である紙面番号(16)まで連続する。図1は、各紙面を圧着する前の状態又は圧着後に各紙面を剥離した後の状態の圧着冊子1を示しており、各紙面は接着されてなく離れている。
【0029】
詳しくは後述の通り、圧着冊子1は、2シートが連続する紙を4枚重ねて2シートの境界である中央部分から折り畳み、折り畳んだ部分を綴じ側にして接着剤で接着したもので、各紙面を構成する8枚のシートからなる冊子形状に構成されている。
【0030】
各紙面には、詳しくは後述する通り、写真や文字等の情報が印刷されており、その印刷面の上にUV圧着ニスが塗布されている。閉じた状態で各紙面を圧着すると紙面上のニスがくっついて一体となって一枚の郵送可能なプレート状のものになる。受け取った者は、各紙面を引き剥がすように剥離すると冊子となり中の情報を見ることができる。
【0031】
[圧着冊子の作成方法]
図2は、図1に示すような圧着冊子の作成工程を説明するためのフローである。図3A、図3B及び図3Cは、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【0032】
ステップS01では、各シート上の各紙面上に写真や文字等の情報を印刷して印刷層を形成する。図3Aに示す圧着冊子1の表面側及び図3Bに示す裏面側の全ての紙面(1)〜(16)が印刷可能な情報面である。
【0033】
ステップS02では、その印刷層の上に、UV圧着ニスを塗布する。この塗布の方法は、図4A及び図4Bに基づいて後述するように、例えば、ローラの周面に塗布したUV圧着ニス26を印刷層24上に写すことによって行なう。図3A及び図3Bにおいて、表紙(1)及び裏表紙(16)を除いた、圧着される紙面(2)〜(15)の印刷面上にUV圧着ニスが塗布される。
【0034】
ステップS03では、塗布したUV圧着ニスをUVニス乾燥機の紫外線によって乾燥させる。紫外線発生器の代表例は、高圧水銀ランプである。
【0035】
ステップS04では、綴じ側の接着箇所に接着剤が塗布される。図3Aに示す表面側では、接着剤塗布箇所4及び6に対して接着剤が塗布され、図3Bに示す裏面側では、接着剤塗布箇所8に対して接着剤が塗布される。接着剤は、各接着剤塗布個所において、ライン形状に塗布してもよく、又は、連続する点(ドット)状に塗布してもよい。
【0036】
ステップS05では、図3A及び図3Bに示すように紙を紙送り方向に送りながら、図3Aにおいては第1谷折り線、第2山折り線、第3谷折り線の順に、紙送り方向に対し直交方向に紙折りをする。なお、図3Bでは、図3Aに示す紙を裏側から見ているため、同じ紙折り線を、「谷折り」は「山折り」とし、「山折り」は「谷折り」と称している。
【0037】
ステップS06では、紙の長手方向に沿った位置で、つまり、図3A及び3Bに示す第4折り線に沿って、紙折りがされる。図3Cは、ステップS05及びS06の紙折り工程後の圧着冊子1の状態を示している。
【0038】
ステップS07では、ステップS06後の折り畳まれた圧着冊子の紙面間の空気の追出しを行う。具体的には、圧着冊子を、押し付けられながら回転する2本のローラ(図示せず)の間を通して加圧して、UV圧着ニスを塗布したシート間同士を押し付ける。つまり、図1に示す矢印の方向(圧着冊子の綴じ側を先頭にする方向)に、圧着冊子を圧着ローラ間に送って加圧して圧着面から空気を追出し、シート間のエアボイドの発生を回避する。同時に、ステップS05及びS06の工程による紙折り部分を加圧して、ステップS04での接着剤塗布部の接着を完全なものとする。
【0039】
ステップS08は断裁加工の工程であり、折り畳まれた圧着冊子の不要な折り線の部分、例えば、第1から第3の山折り線又は谷折り線の部分を断裁し、さらに所定のサイズ、例えばA4サイズやハガキサイズに断裁加工する。
【0040】
ステップS09では、マグネトロンを利用したUV圧着ニスの加熱処理が行われる。UVニスの加熱処理には、次の4種類の方法がある。
【0041】
(1)マグネトロンを利用したマイクロ波加熱
これに代えて、ヒータを利用した加熱処理を併用してもよい。
【0042】
(2)圧着冊子1を加湿し、その後、上記のマイクロ波加熱を行う。
【0043】
(3)圧着冊子1をセラミックス敷き板上に載置した状態で、上記(1)のマイクロ波加熱を行う。
【0044】
(4)圧着冊子1を加湿し、その後、セラミックス敷き板に載置した状態で、上記(1)のマイクロ波加熱を行う。上記(2)と(3)の併用である。
【0045】
いずれの方法を採用するかは、圧着冊子1の用紙の厚さ、紙質、頁数等に依って相違するので、何回かの試行を繰り返して決定する必要がある。
【0046】
ステップS10では、圧着冊子1を圧着する。紙折り前の展開した状態のDMをUVニス乾燥工程(ステップS03)で加熱し、直後に圧着(ステップS10)するので、圧着直前に更に加熱工程を設ける必要がない。
【0047】
[UV圧着ニス塗布工程について]
図4A及び図4Bは、それぞれ、図2の圧着冊子の作成フローのステップS02のUV圧着ニスの塗布工程を実施するための一実施形態に係る構成を示す斜視図及び一部拡大断面図である。この実施形態では、UV圧着ニスの塗布工程を実施するためにローラ50を用いる。ローラ50の周面には、樹脂板から形成された塗布板52が巻きつけられて取り付けられており、塗布板52の塗布面には溝54が形成されている。UV圧着ニスがこの溝54の部分を除く部分に塗られた後に、そのUV圧着ニスは印刷層24の上に写される。溝54の幅54vの大きさは、圧着冊子上の隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvに相当する。詳しくは後述するが、この距離Dvは、圧着冊子の紙面の枚数やシートの厚さによって異なり、約5mmから8mm程度が好ましい。
【0048】
図4A及び図4Bに基づいて塗布工程の概要を説明する。印刷工程S02の後、紙22が図4Aにおいて白抜きの矢印の方向に搬送される。それとともに、図4Bに示すように、周面にUV圧着ニス26が塗られたローラ50が、矢印方向に回転しながら紙22の印刷層24の上にUV圧着ニス26を写す。この場合、ローラ50の溝54に相当する印刷層24の上にはUV圧着ニス26は塗られない。このため、図4Aに示すように、紙22の上の印刷層24の上には、距離Dvだけ間をあけてUV圧着ニス層26が形成される。
【0049】
図7A及び図7Bに示すように、従来の圧着冊子では、UV圧着ニス層76は、その下の印刷層24を覆うように形成されている。すなわち、綴じ側において、隣り合う印刷層24の間の距離Dpと隣り合うUV圧着ニス層76の間の距離Dvとは等しく、各シート上の綴じ側のUV圧着ニス層76の端部の位置が、その下の印刷層24の端部の位置と一致する。
【0050】
それに対し、図4A及び図4Bに示す本発明に係る一実施形態では、隣り合う印刷層24の端部間の距離Dpは約3mmであるが、隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvは、約5mmから8mmであり、距離Dvは距離Dpよりも大きい。
【0051】
このように、距離Dvを距離Dpよりも大にしたのは、図7A及び図7Bに示す従来の圧着冊子では、図7Aのように、接着剤72を綴じ側の紙22の上に塗布した場合に、接着の強度を保つため接着剤72の一部がUV圧着ニス層76の上に塗布されることになる。このとき、接着剤72を塗布した部分がすべて紙の接着に活用されるのであれば、その接着剤72の塗布の部分はシート同士の間に挟まれるため、印刷層24の見え方には何ら影響を与えない。しかし、接着剤72dが余分にはみ出したりすることがあり、また、UV圧着ニス層76がはっすい性を有するため、はみ出した接着剤が硬化後白色化して白い筋等として残ることがある。その白い筋等はそれ自体が美観を損ねるというだけでなく、印刷層の一部の情報を読めなくする。このため、距離Dvを距離Dpよりも大にすることによって、接着剤72の接着剤72がUV圧着ニス層76の上に塗布されないようにした。
【0052】
一方、距離Dvを大きくしすぎると、印刷層24の接着される範囲が大きくなりすぎて提供できる情報量が減少してしまう。また、UV圧着ニス層76の端部が綴じ側から離れすぎると、綴じ側の圧着が行えなくなる。このため、本実施例では、上記の通り、距離Dpは約3mmであるが、隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvは、約5mmから8mmとする。
【0053】
図5は、図1の圧着冊子1の接着剤塗布の個所を説明するために簡略化した拡大側面図である。図5においては、2シート連続する第1紙から第4紙までを広げた状態で積層している。その積層した第1紙22−1から第4紙22−4までを、第4折り線を中心に、図5に向かった状態でV字形状になるように折り曲げると、図1の冊子形状が形成される。
【0054】
詳説すると、図5において、例えば(1)とあるのは、紙面番号(1)を意味する。上下に紙面番号が付されたものが1シートであり、例えば、紙面番号(1)と紙面番号(2)とが付されたシートが相当する。ただし、例えば、紙面番号(1)と紙面番号(2)とが付されたシートと、紙面番号(16)と紙面番号(15)とが付されたシートとは連続する1枚の紙からなるが、第4折り線において他のシートと接着されて綴じ側となるため、第4折り線を境にそれらを別々のシートと取り扱う。
【0055】
各シートの各紙面上には、写真や文字等の情報を表す印刷層24が形成されており、その印刷層24の上には、UV接着ニス層26が形成されている。印刷層24の形成は上記の圧着冊子の作成工程のステップS01で行われ、UV接着ニス層26の形成は、上記の圧着冊子の作成工程のステップS02で行われる。図5に示すように、同じ紙の上の隣り合う印刷層24間の距離はDpであり、また、隣り合うUV接着ニス層26間の距離はDvであり、DvがDpよりも大である。このため、上記の圧着冊子の作成工程のステップS04おいて接着剤72が各紙22−1から22−3上に塗布される際には、接着剤72は、綴じ側にある隣り合うUV接着ニス層26間に塗布される。このため、接着剤72は、隣り合う印刷層24の間に露出した各紙22−1から22−3上と、隣り合うUV接着ニス層26間に露出した印刷層24の上に塗布されることになり、UV接着ニス層26の上には塗布されない。すなわち、接着剤72がライン状に塗布された場合には、そのライン状の接着材層の幅は、隣り合うUV接着ニス層26間からはみ出ることがなく、また、接着剤72が連続するドット状に塗布された場合には、各ドット状の接着材の直径は、隣り合うUV接着ニス層26間の距離よりも大になることはない。
【0056】
[Dv及びDpの例]
ここで、本発明に係る圧着冊子1の他の実施形態におけるDv及びDpの望ましい関係を以下に示す。
<定形封筒形状の場合>
紙面数:8頁又は12頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<往復ハガキの形状の場合>
紙面数:8頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<定形外の往復ハガキの形状の場合>
紙面数:8頁
Dp:3mm
Dv:7mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)。
<A4サイズの封筒形状の場合>
紙面数:8頁又は12頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<ハガキの形状の場合>
紙面数:6頁
Dp:3mm
Dv:7mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
次に、図6A及び図6Bに基づいて、図4Aに示すローラ50の溝54の形状について説明する。
【0057】
図6A(a)は、図4において、ローラ50の周面に巻き付けて取り付けられている塗布板52の内、紙22に面する位置の断面図である。塗布板52には、図6A(a)及び図6A(b)に示すように、断面矩形の溝54が形成されている。図示していないが、塗布板52の下側にシート22が位置する。
【0058】
図6A(b)は、塗布板52上にUV圧着ニス26を一定厚さ付着させた状態を示す。ただし、溝54の部分にはUV圧着ニス26は付着されていない。
【0059】
次に、図4Aに示すように、UV圧着ニス26を付着させた塗布板52のローラ50を紙22上の印刷層24に接触させて矢印方向に回転させるとともに紙22を白抜きの矢印方向に搬送する。これにより、塗布板52上のUV圧着ニス26が紙22上の印刷層24上に転写される。
【0060】
図6A(c)は、紙22の印刷層24上に、一定厚さのUV圧着ニス層26が形成された状態を示す。この図に示すように、UV圧着ニス層26の端部26eはやや太くなっている。この理由は次の通りである。
【0061】
紙22上のUV圧着ニス層26の端部26eは、図6A(b)の状態では、塗布板52の溝54の出口の角54c(図6A(a))の上にあった。UV圧着ニス層26の端部26eは、溝54の出口の角54cのような縁の部分においては、だまの状態になる性質があるからである。
【0062】
この理由により、紙22上のUV圧着ニス層26の端部26eはやや太くなってしまう。この太い端部26eが白い筋となってしまって、下の印刷層24を遮ったり、目障りだったりすることがある。
【0063】
図6Bは、そのような問題を改善する観点から製作された塗布板52−1の断面図である。この図に示すように、溝54rを形成する溝の出口の角54rcに丸みが形成されている。
【0064】
図6B(b)に示すように、角54rcを持つ溝54rが形成された塗布板52−1に、UV圧着ニス26を一定厚さ付着させると、図6A(b)のものと同様に、溝54rの部分にはUV圧着ニス26は塗布されないが、図6B(b)では、溝54rの角54rcにおいては、UV圧着ニス26の端部26eはだま形状になっていない。端部26eは、角54rcの丸みに応じてだんだんと薄くなっていっている。
【0065】
図6B(c)に示すように、塗布板52−1からUV圧着ニス26を紙22上に転写すると、UV圧着ニス26の端部26eはだんだんと薄くなっていっている。この状態では、端部26eは筋として残ることもなくその下の印刷層24の視界を妨げることはない。
【0066】
[代替例その他]
以上、本発明に係る圧着冊子並びにその製造方法及び製造装置のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態に関して、当業者が容易になしえる追加・削除・変更・改良は、本発明に含まれる。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・圧着冊子
2,22・・・紙
4,6,8・・・接着剤塗布箇所
22−1から22−4・・・第1紙から第4紙
24・・・印刷層
26・・・UV圧着ニス層
26e・・・端部
50・・・ローラ
52,52−1・・・塗布板
54,54r・・・溝
54v・・・溝幅
54rc・・・角
72・・・接着剤
Dp・・・印刷層間距離
Dv・・・UV圧着ニス間距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイレクトメール(DM)広告が非常な勢いで増加しており、その中でも情報が印刷された紙面同士が圧着されたシークレット葉書(圧着ハガキ)を用いた広告が多くを占める。圧着はがきが採用される理由は、シートを2枚、3枚というように重ねて中央から折り曲げて圧着する構成により、情報エリアを広く取れ、情報の機密性に優れ、配送先での開封率が高く、また、配送コスト面で官製ハガキや定形郵便と等価である点等にある。
【0003】
また、DM発送者は、より多くの情報量を提供できることを望んでいるため、例えば、定形の封筒型の圧着DMの場合には、4枚重ねや5枚重ねというように、シートを増加することによって紙面数を増加させたり、情報領域を広げるために定形外の例えばA4サイズの封筒型の圧着DMを活用したりしている。
【0004】
圧着ハガキや定形又は定形外の封筒サイズの圧着DM(以下、総称して「圧着冊子」という)では、最近は、情報紙面の貼り合わせに、生産性に優れ、フィルム並みの光沢が得られ、環境にも優しいという観点から、紫外線硬化型ニス(UV圧着ニス)が使用されている。
【0005】
なお、本出願書類では、「紙面」はDMの印刷可能な面をいい、「紙面枚数」は印刷可能な面の枚数をいう。「シート」はDMを構成する用紙をいい、「シート枚数」は用紙自体の枚数をいう。言い換えると、通常「シート」の両面に「紙面」があるので、「シート枚数」の2倍が「紙面枚数」になる。
【0006】
本発明者等は、以下に説明するような種々の形式の圧着ハガキ及びその製造方法を記載した先行技術文献の存在を知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、UV圧着ニスとして比較的吸湿性の高いものが使用されていた。例えば、互応化学工業株式会社(京都府宇治市伊勢田町井尻58番地所在)のOP−5221の型番のものが相当する。比較的吸湿性が高いニスを用いると、図7Aに示すように、2シートが連続する紙22を重ねて接着するための接着剤72が、印刷層24を覆うように塗布されたUV圧着ニス層76の上に付着しても、吸湿性のあるUV圧着ニス層76は、溢れた接着剤72dを吸収するため、UV圧着ニス層76の下の印刷層24の見え方に影響を与えない。ただし、圧着冊子が雨に濡れたような場合に、圧着した印刷面同士を剥離するのが困難になることがある。一方、図7Bに示すように、接着剤72の量を減らして接着剤が紙22の上のみに載るようにすると、シート同士の接着強度が弱くなる場合がある。
【0008】
このような状況から、そのようなニスに代えてはっ水性のあるUV圧着ニスが用いられるようになった。例えば、上掲の互応化学工業株式会社製のOP−5220の型番のUV圧着ニスが相当する。このニスは、比較的粘度が高く、ガラス転移点が比較的低く、架橋密度が比較的低いという傾向を有する。はっ水性のあるニスを用いると、圧着冊子が雨に濡れた場合であっても、圧着した印刷面同士を容易に剥離することができる。しかし、図7Aに示す状況においては、UV圧着ニス層76の上に塗布された接着剤72はUV圧着ニス層76に浸透しないため、余分なものが白い筋として残ってしまうことがある。図7Bのように接着剤の量を減らすとシート同士の接着強度が弱くなるという点では上記のニスを用いた場合と同じである。
【0009】
また、UV圧着ニスを印刷面の上に塗布するためにローラを用いている。ローラの塗布面には、断面矩形の溝が形成されていて、圧着冊子のシート同士を固定するための接着剤塗布面にニスを塗布しないようにしている。しかし、そのようなローラを用いて圧着冊子にニスを塗布すると、塗布したニスの面の中で溝の縁に対応する部分のニスが盛り上がるためその部分が溝の縁に沿った白い線として圧着冊子上に残ってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬化した接着剤が印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、硬化した接着剤が不透明な状態でUV圧着ニス層上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、UV圧着ニスが印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、UV圧着ニスが不透明な状態で印刷面上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
そこで、本発明に係る圧着冊子は、複数枚の所定の寸法の紙と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、該各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、各面が圧着されていることを特徴とする。
【0015】
その圧着冊子において、前記隣り合う2つの印刷層間の距離が3mmでもよい。
【0016】
その圧着冊子において、該圧着冊子が、定形封筒、往復ハガキ、定形外往復ハガキ、定形外封筒又はハガキのいずれでもよい。
【0017】
その圧着冊子において、前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離は、5mm、7mm又は8mmのいずれでもよい。
【0018】
その圧着冊子において、前記印刷層上に塗布された前記UV圧着ニス層の対向する側の端部の厚さが徐々に薄くなっている。
【0019】
また、本発明に係る圧着冊子の製造方法は、複数枚の所定の寸法の紙を作成する工程と、各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する工程と、該各印刷層上にUV圧着ニス層を形成する工程と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する工程とを有し、各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、さらに、各面を圧着する圧着工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る圧着冊子の製造装置は、複数枚の所定の寸法の各紙上に、綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する印刷装置と、各印刷層上にUV圧着ニス層を形成するUV圧着ニス塗布装置と、前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、前記UV圧着ニス塗布装置がUV圧着ニス塗布ローラを備えており、該UV圧着ニス塗布ローラが、前記接着剤塗布個所に接着剤を塗布しないようにするための溝を有しており、該溝の幅が、前記印刷装置によって形成される隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、前記紙を所定方向に折る紙折り装置と、該折られた紙を所定の寸法に断裁する断裁装置と、該断裁後で折られた紙の各紙面を圧着する圧着装置とを備えることを特徴とする。
【0021】
その圧着冊子の製造装置において、前記UV圧着ニス塗布ローラの溝の長手方向の縁の角が丸められてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、硬化した接着剤が印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0023】
本発明によると、硬化した接着剤が不透明な状態でUV圧着ニス層上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0024】
本発明によると、UV圧着ニスが印刷面を視覚的に遮ることのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【0025】
さらに、本発明によると、UV圧着ニスが不透明な状態で印刷面上に存在することのない圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る8シートの圧着冊子を説明するための簡略化した構成の圧着冊子の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る圧着冊子を作成する工程を説明するためのフローである。
【図3A】図3Aは、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの紙の裏側を示す図であって、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【図3C】図3Cは、図1の圧着冊子を作成するために図3A及び図3Bに示す紙を折り線に沿った折り畳んだ状態を説明するための図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に係る圧着冊子を作成する際のUV圧着ニスを印刷面上に塗布する工程を説明するための簡略化した斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの工程で使用するローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の一例を説明するための拡大簡略断面図である。
【図5】図5は、図1の圧着冊子の2シート連続する第1紙から第4紙までを積層した状態での接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【図6A】図6Aの(a)から(c)は、図4Aに示すローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の一例の機能を説明するための拡大簡略断面図である。
【図6B】図6Bの(a)から(c)は、図4Aに示すローラの周面の塗布面を構成する樹脂板の改良例の機能を説明するための拡大簡略断面図である。
【図7A】図7Aは、従来の圧着冊子において、積層したシートを接着剤によって接着する際の接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【図7B】図7Bは、従来の圧着冊子において、積層したシートを接着剤によって接着する際の接着剤塗布の個所を説明するための簡略化した拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る圧着冊子並びにその製造装置及び製造方法の一実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して重複する説明を省略する。また、各添付図において、各部材の厚さ、長さ、形状、部材同士の間隔等は、理解の容易のために、適宜、拡大・縮小・変形・簡略化等を行っている。
【0028】
[圧着冊子の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る圧着冊子1の斜視図である。圧着冊子1は、8枚のシート及び16紙面から成る小冊子形式のDMである。表紙を紙面番号(1)とし、裏表紙を(16)とする。図1において、表紙(1)と同じ表向きの紙面を、順次、紙面番号(3)、(5)、(7)、(9)、(11)、(13)、(15)とし、裏表紙である紙面番号(16)と同じ裏向きの紙面を、順次、紙面番号(2)、(4)、(6)、(8)、(10)、(12)、(14)とする。即ち、紙面番号は、表紙である紙面番号(1)から裏表紙である紙面番号(16)まで連続する。図1は、各紙面を圧着する前の状態又は圧着後に各紙面を剥離した後の状態の圧着冊子1を示しており、各紙面は接着されてなく離れている。
【0029】
詳しくは後述の通り、圧着冊子1は、2シートが連続する紙を4枚重ねて2シートの境界である中央部分から折り畳み、折り畳んだ部分を綴じ側にして接着剤で接着したもので、各紙面を構成する8枚のシートからなる冊子形状に構成されている。
【0030】
各紙面には、詳しくは後述する通り、写真や文字等の情報が印刷されており、その印刷面の上にUV圧着ニスが塗布されている。閉じた状態で各紙面を圧着すると紙面上のニスがくっついて一体となって一枚の郵送可能なプレート状のものになる。受け取った者は、各紙面を引き剥がすように剥離すると冊子となり中の情報を見ることができる。
【0031】
[圧着冊子の作成方法]
図2は、図1に示すような圧着冊子の作成工程を説明するためのフローである。図3A、図3B及び図3Cは、図1の圧着冊子を作成する際の折り線及び接着剤塗布の個所を説明するための図である。
【0032】
ステップS01では、各シート上の各紙面上に写真や文字等の情報を印刷して印刷層を形成する。図3Aに示す圧着冊子1の表面側及び図3Bに示す裏面側の全ての紙面(1)〜(16)が印刷可能な情報面である。
【0033】
ステップS02では、その印刷層の上に、UV圧着ニスを塗布する。この塗布の方法は、図4A及び図4Bに基づいて後述するように、例えば、ローラの周面に塗布したUV圧着ニス26を印刷層24上に写すことによって行なう。図3A及び図3Bにおいて、表紙(1)及び裏表紙(16)を除いた、圧着される紙面(2)〜(15)の印刷面上にUV圧着ニスが塗布される。
【0034】
ステップS03では、塗布したUV圧着ニスをUVニス乾燥機の紫外線によって乾燥させる。紫外線発生器の代表例は、高圧水銀ランプである。
【0035】
ステップS04では、綴じ側の接着箇所に接着剤が塗布される。図3Aに示す表面側では、接着剤塗布箇所4及び6に対して接着剤が塗布され、図3Bに示す裏面側では、接着剤塗布箇所8に対して接着剤が塗布される。接着剤は、各接着剤塗布個所において、ライン形状に塗布してもよく、又は、連続する点(ドット)状に塗布してもよい。
【0036】
ステップS05では、図3A及び図3Bに示すように紙を紙送り方向に送りながら、図3Aにおいては第1谷折り線、第2山折り線、第3谷折り線の順に、紙送り方向に対し直交方向に紙折りをする。なお、図3Bでは、図3Aに示す紙を裏側から見ているため、同じ紙折り線を、「谷折り」は「山折り」とし、「山折り」は「谷折り」と称している。
【0037】
ステップS06では、紙の長手方向に沿った位置で、つまり、図3A及び3Bに示す第4折り線に沿って、紙折りがされる。図3Cは、ステップS05及びS06の紙折り工程後の圧着冊子1の状態を示している。
【0038】
ステップS07では、ステップS06後の折り畳まれた圧着冊子の紙面間の空気の追出しを行う。具体的には、圧着冊子を、押し付けられながら回転する2本のローラ(図示せず)の間を通して加圧して、UV圧着ニスを塗布したシート間同士を押し付ける。つまり、図1に示す矢印の方向(圧着冊子の綴じ側を先頭にする方向)に、圧着冊子を圧着ローラ間に送って加圧して圧着面から空気を追出し、シート間のエアボイドの発生を回避する。同時に、ステップS05及びS06の工程による紙折り部分を加圧して、ステップS04での接着剤塗布部の接着を完全なものとする。
【0039】
ステップS08は断裁加工の工程であり、折り畳まれた圧着冊子の不要な折り線の部分、例えば、第1から第3の山折り線又は谷折り線の部分を断裁し、さらに所定のサイズ、例えばA4サイズやハガキサイズに断裁加工する。
【0040】
ステップS09では、マグネトロンを利用したUV圧着ニスの加熱処理が行われる。UVニスの加熱処理には、次の4種類の方法がある。
【0041】
(1)マグネトロンを利用したマイクロ波加熱
これに代えて、ヒータを利用した加熱処理を併用してもよい。
【0042】
(2)圧着冊子1を加湿し、その後、上記のマイクロ波加熱を行う。
【0043】
(3)圧着冊子1をセラミックス敷き板上に載置した状態で、上記(1)のマイクロ波加熱を行う。
【0044】
(4)圧着冊子1を加湿し、その後、セラミックス敷き板に載置した状態で、上記(1)のマイクロ波加熱を行う。上記(2)と(3)の併用である。
【0045】
いずれの方法を採用するかは、圧着冊子1の用紙の厚さ、紙質、頁数等に依って相違するので、何回かの試行を繰り返して決定する必要がある。
【0046】
ステップS10では、圧着冊子1を圧着する。紙折り前の展開した状態のDMをUVニス乾燥工程(ステップS03)で加熱し、直後に圧着(ステップS10)するので、圧着直前に更に加熱工程を設ける必要がない。
【0047】
[UV圧着ニス塗布工程について]
図4A及び図4Bは、それぞれ、図2の圧着冊子の作成フローのステップS02のUV圧着ニスの塗布工程を実施するための一実施形態に係る構成を示す斜視図及び一部拡大断面図である。この実施形態では、UV圧着ニスの塗布工程を実施するためにローラ50を用いる。ローラ50の周面には、樹脂板から形成された塗布板52が巻きつけられて取り付けられており、塗布板52の塗布面には溝54が形成されている。UV圧着ニスがこの溝54の部分を除く部分に塗られた後に、そのUV圧着ニスは印刷層24の上に写される。溝54の幅54vの大きさは、圧着冊子上の隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvに相当する。詳しくは後述するが、この距離Dvは、圧着冊子の紙面の枚数やシートの厚さによって異なり、約5mmから8mm程度が好ましい。
【0048】
図4A及び図4Bに基づいて塗布工程の概要を説明する。印刷工程S02の後、紙22が図4Aにおいて白抜きの矢印の方向に搬送される。それとともに、図4Bに示すように、周面にUV圧着ニス26が塗られたローラ50が、矢印方向に回転しながら紙22の印刷層24の上にUV圧着ニス26を写す。この場合、ローラ50の溝54に相当する印刷層24の上にはUV圧着ニス26は塗られない。このため、図4Aに示すように、紙22の上の印刷層24の上には、距離Dvだけ間をあけてUV圧着ニス層26が形成される。
【0049】
図7A及び図7Bに示すように、従来の圧着冊子では、UV圧着ニス層76は、その下の印刷層24を覆うように形成されている。すなわち、綴じ側において、隣り合う印刷層24の間の距離Dpと隣り合うUV圧着ニス層76の間の距離Dvとは等しく、各シート上の綴じ側のUV圧着ニス層76の端部の位置が、その下の印刷層24の端部の位置と一致する。
【0050】
それに対し、図4A及び図4Bに示す本発明に係る一実施形態では、隣り合う印刷層24の端部間の距離Dpは約3mmであるが、隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvは、約5mmから8mmであり、距離Dvは距離Dpよりも大きい。
【0051】
このように、距離Dvを距離Dpよりも大にしたのは、図7A及び図7Bに示す従来の圧着冊子では、図7Aのように、接着剤72を綴じ側の紙22の上に塗布した場合に、接着の強度を保つため接着剤72の一部がUV圧着ニス層76の上に塗布されることになる。このとき、接着剤72を塗布した部分がすべて紙の接着に活用されるのであれば、その接着剤72の塗布の部分はシート同士の間に挟まれるため、印刷層24の見え方には何ら影響を与えない。しかし、接着剤72dが余分にはみ出したりすることがあり、また、UV圧着ニス層76がはっすい性を有するため、はみ出した接着剤が硬化後白色化して白い筋等として残ることがある。その白い筋等はそれ自体が美観を損ねるというだけでなく、印刷層の一部の情報を読めなくする。このため、距離Dvを距離Dpよりも大にすることによって、接着剤72の接着剤72がUV圧着ニス層76の上に塗布されないようにした。
【0052】
一方、距離Dvを大きくしすぎると、印刷層24の接着される範囲が大きくなりすぎて提供できる情報量が減少してしまう。また、UV圧着ニス層76の端部が綴じ側から離れすぎると、綴じ側の圧着が行えなくなる。このため、本実施例では、上記の通り、距離Dpは約3mmであるが、隣り合うUV圧着ニス層26の間の距離Dvは、約5mmから8mmとする。
【0053】
図5は、図1の圧着冊子1の接着剤塗布の個所を説明するために簡略化した拡大側面図である。図5においては、2シート連続する第1紙から第4紙までを広げた状態で積層している。その積層した第1紙22−1から第4紙22−4までを、第4折り線を中心に、図5に向かった状態でV字形状になるように折り曲げると、図1の冊子形状が形成される。
【0054】
詳説すると、図5において、例えば(1)とあるのは、紙面番号(1)を意味する。上下に紙面番号が付されたものが1シートであり、例えば、紙面番号(1)と紙面番号(2)とが付されたシートが相当する。ただし、例えば、紙面番号(1)と紙面番号(2)とが付されたシートと、紙面番号(16)と紙面番号(15)とが付されたシートとは連続する1枚の紙からなるが、第4折り線において他のシートと接着されて綴じ側となるため、第4折り線を境にそれらを別々のシートと取り扱う。
【0055】
各シートの各紙面上には、写真や文字等の情報を表す印刷層24が形成されており、その印刷層24の上には、UV接着ニス層26が形成されている。印刷層24の形成は上記の圧着冊子の作成工程のステップS01で行われ、UV接着ニス層26の形成は、上記の圧着冊子の作成工程のステップS02で行われる。図5に示すように、同じ紙の上の隣り合う印刷層24間の距離はDpであり、また、隣り合うUV接着ニス層26間の距離はDvであり、DvがDpよりも大である。このため、上記の圧着冊子の作成工程のステップS04おいて接着剤72が各紙22−1から22−3上に塗布される際には、接着剤72は、綴じ側にある隣り合うUV接着ニス層26間に塗布される。このため、接着剤72は、隣り合う印刷層24の間に露出した各紙22−1から22−3上と、隣り合うUV接着ニス層26間に露出した印刷層24の上に塗布されることになり、UV接着ニス層26の上には塗布されない。すなわち、接着剤72がライン状に塗布された場合には、そのライン状の接着材層の幅は、隣り合うUV接着ニス層26間からはみ出ることがなく、また、接着剤72が連続するドット状に塗布された場合には、各ドット状の接着材の直径は、隣り合うUV接着ニス層26間の距離よりも大になることはない。
【0056】
[Dv及びDpの例]
ここで、本発明に係る圧着冊子1の他の実施形態におけるDv及びDpの望ましい関係を以下に示す。
<定形封筒形状の場合>
紙面数:8頁又は12頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<往復ハガキの形状の場合>
紙面数:8頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<定形外の往復ハガキの形状の場合>
紙面数:8頁
Dp:3mm
Dv:7mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)。
<A4サイズの封筒形状の場合>
紙面数:8頁又は12頁
Dp:3mm
Dv:8mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
<ハガキの形状の場合>
紙面数:6頁
Dp:3mm
Dv:7mm(紙の厚さが110kg/1000枚の場合)
:5mm(紙の厚さが90kg以下/1000枚の場合)。
次に、図6A及び図6Bに基づいて、図4Aに示すローラ50の溝54の形状について説明する。
【0057】
図6A(a)は、図4において、ローラ50の周面に巻き付けて取り付けられている塗布板52の内、紙22に面する位置の断面図である。塗布板52には、図6A(a)及び図6A(b)に示すように、断面矩形の溝54が形成されている。図示していないが、塗布板52の下側にシート22が位置する。
【0058】
図6A(b)は、塗布板52上にUV圧着ニス26を一定厚さ付着させた状態を示す。ただし、溝54の部分にはUV圧着ニス26は付着されていない。
【0059】
次に、図4Aに示すように、UV圧着ニス26を付着させた塗布板52のローラ50を紙22上の印刷層24に接触させて矢印方向に回転させるとともに紙22を白抜きの矢印方向に搬送する。これにより、塗布板52上のUV圧着ニス26が紙22上の印刷層24上に転写される。
【0060】
図6A(c)は、紙22の印刷層24上に、一定厚さのUV圧着ニス層26が形成された状態を示す。この図に示すように、UV圧着ニス層26の端部26eはやや太くなっている。この理由は次の通りである。
【0061】
紙22上のUV圧着ニス層26の端部26eは、図6A(b)の状態では、塗布板52の溝54の出口の角54c(図6A(a))の上にあった。UV圧着ニス層26の端部26eは、溝54の出口の角54cのような縁の部分においては、だまの状態になる性質があるからである。
【0062】
この理由により、紙22上のUV圧着ニス層26の端部26eはやや太くなってしまう。この太い端部26eが白い筋となってしまって、下の印刷層24を遮ったり、目障りだったりすることがある。
【0063】
図6Bは、そのような問題を改善する観点から製作された塗布板52−1の断面図である。この図に示すように、溝54rを形成する溝の出口の角54rcに丸みが形成されている。
【0064】
図6B(b)に示すように、角54rcを持つ溝54rが形成された塗布板52−1に、UV圧着ニス26を一定厚さ付着させると、図6A(b)のものと同様に、溝54rの部分にはUV圧着ニス26は塗布されないが、図6B(b)では、溝54rの角54rcにおいては、UV圧着ニス26の端部26eはだま形状になっていない。端部26eは、角54rcの丸みに応じてだんだんと薄くなっていっている。
【0065】
図6B(c)に示すように、塗布板52−1からUV圧着ニス26を紙22上に転写すると、UV圧着ニス26の端部26eはだんだんと薄くなっていっている。この状態では、端部26eは筋として残ることもなくその下の印刷層24の視界を妨げることはない。
【0066】
[代替例その他]
以上、本発明に係る圧着冊子並びにその製造方法及び製造装置のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態に関して、当業者が容易になしえる追加・削除・変更・改良は、本発明に含まれる。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・圧着冊子
2,22・・・紙
4,6,8・・・接着剤塗布箇所
22−1から22−4・・・第1紙から第4紙
24・・・印刷層
26・・・UV圧着ニス層
26e・・・端部
50・・・ローラ
52,52−1・・・塗布板
54,54r・・・溝
54v・・・溝幅
54rc・・・角
72・・・接着剤
Dp・・・印刷層間距離
Dv・・・UV圧着ニス間距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の所定の寸法の紙と、
各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、
該各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、
各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
各面が圧着されている、圧着冊子。
【請求項2】
請求項1の圧着冊子において、
前記隣り合う2つの印刷層間の距離が3mmである、圧着冊子。
【請求項3】
請求項1又は2の圧着冊子において、
該圧着冊子が、定形封筒、往復ハガキ、定形外往復ハガキ、定形外封筒又はハガキである、圧着冊子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの圧着冊子において、
前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離は、5mm、7mm又は8mmのいずれかである、圧着冊子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの圧着冊子において、
前記印刷層上に塗布された前記UV圧着ニス層の対向する側の端部の厚さが徐々に薄くなっている、圧着冊子。
【請求項6】
複数枚の所定の寸法の紙を作成する工程と、
各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する工程と、
該各印刷層上にUV圧着ニス層を形成する工程と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する工程とを有し、
各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
さらに、各面を圧着する圧着工程とを備える、圧着冊子の製造方法。
【請求項7】
複数枚の所定の寸法の各紙上に、綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する印刷装置と、
各印刷層上にUV圧着ニス層を形成するUV圧着ニス塗布装置と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、
前記UV圧着ニス塗布装置がUV圧着ニス塗布ローラを備えており、
該UV圧着ニス塗布ローラが、前記接着剤塗布個所に接着剤を塗布しないようにするための溝を有しており、
該溝の幅が、前記印刷装置によって形成される隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
前記紙を所定方向に折る紙折り装置と、
該折られた紙を所定の寸法に断裁する断裁装置と、
該断裁後で折られた紙の各紙面を圧着する圧着装置とを備える、圧着冊子の製造装置。
【請求項8】
請求項7の圧着冊子の製造装置において、
前記UV圧着ニス塗布ローラの溝の長手方向の縁の角が丸められている、圧着冊子の製造装置。
【請求項1】
複数枚の所定の寸法の紙と、
各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層と、
該各印刷層上に形成されたUV圧着ニス層と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に塗布された接着剤とを有し、
各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
各面が圧着されている、圧着冊子。
【請求項2】
請求項1の圧着冊子において、
前記隣り合う2つの印刷層間の距離が3mmである、圧着冊子。
【請求項3】
請求項1又は2の圧着冊子において、
該圧着冊子が、定形封筒、往復ハガキ、定形外往復ハガキ、定形外封筒又はハガキである、圧着冊子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの圧着冊子において、
前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離は、5mm、7mm又は8mmのいずれかである、圧着冊子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの圧着冊子において、
前記印刷層上に塗布された前記UV圧着ニス層の対向する側の端部の厚さが徐々に薄くなっている、圧着冊子。
【請求項6】
複数枚の所定の寸法の紙を作成する工程と、
各紙上において綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する工程と、
該各印刷層上にUV圧着ニス層を形成する工程と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する工程とを有し、
各紙上において前記接着剤塗布個所を挟む隣り合う2つのUV圧着ニス層間の距離が、前記隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
さらに、各面を圧着する圧着工程とを備える、圧着冊子の製造方法。
【請求項7】
複数枚の所定の寸法の各紙上に、綴じ側を挟む隣り合う2つの印刷層を形成する印刷装置と、
各印刷層上にUV圧着ニス層を形成するUV圧着ニス塗布装置と、
前記綴じ側において前記隣り合う2つのUV圧着ニス層間の接着剤塗布個所に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを有し、
前記UV圧着ニス塗布装置がUV圧着ニス塗布ローラを備えており、
該UV圧着ニス塗布ローラが、前記接着剤塗布個所に接着剤を塗布しないようにするための溝を有しており、
該溝の幅が、前記印刷装置によって形成される隣り合う2つの印刷層間の距離よりも大であり、
前記紙を所定方向に折る紙折り装置と、
該折られた紙を所定の寸法に断裁する断裁装置と、
該断裁後で折られた紙の各紙面を圧着する圧着装置とを備える、圧着冊子の製造装置。
【請求項8】
請求項7の圧着冊子の製造装置において、
前記UV圧着ニス塗布ローラの溝の長手方向の縁の角が丸められている、圧着冊子の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2013−86346(P2013−86346A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228555(P2011−228555)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(506308286)山陽アーチ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(506308286)山陽アーチ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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