説明

圧着装置、及び圧着方法

【課題】高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続すること、圧着接続後に圧着ヘッドと被圧着部材とが離反する際の接続精度の低下を防止すること。
【解決手段】圧着装置1は、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを直接又は間接的に圧着接続する圧着装置1であって、ステージ2と圧着ヘッド3の一方又は両方を相対移動させる可動装置4と、ステージ2及び圧着ヘッド3の一方又は両方を駆動して第1及び第2の被圧着部材81,82に圧力を加える加圧装置5と、第1及び第2の被圧着部材81,82を加圧装置5により加圧して圧着接続した後、第1及び第2の被圧着部材81,82それぞれを略平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2と圧着ヘッド3とを離反する方向に駆動する制御を行う制御回路7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着装置、及び圧着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルや有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル等の表示パネルにおいて、COG(Chip On Glass)等の実装形態が知られている。この実装形態では、基板上に形成された電極と、駆動回路等が形成されたチップを異方導電性部材(ACF:Anisotropic Conductive Film)を介して接続する方法が一般的に行われている。この際に、電圧駆動型の液晶パネル等では、接続される電極間で、導電が確保されればよいので比較的高い接続精度は要求されない。一方、有機ELパネル等の電流駆動型の表示パネルでは、接続状態にばらつきがあると、表示ライン毎の接触抵抗の違いによって輝度ムラや表示不良等の不具合が生じる場合がある。このため、電流駆動型の表示パネルでは、高い接続精度が要求される。また、近年の表示パネルの高精細化傾向によって、配線及び配線間隔が微細化することになるので、このような電流駆動型の表示パネルではより高い接続精度が要求されている。
【0003】
例えば特許文献1には、第1被圧着部材及び第2被圧着部材を圧着接続する圧着装置が開示されている。この圧着装置では、圧着するときに圧着ヘッドの下降速度を制御することにより、圧着時の不具合や接続精度の低下を防止している。
【0004】
【特許文献1】特開平6−61311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一般的な圧着装置において、圧着ヘッドにより被圧着部材を加圧して圧着接続した後、単純に圧着ヘッドを被圧着部材から離間させると、異方導電性部材(ACF)内に含まれる樹脂の復元力が大きく作用し、接続界面などに剥離が発生して接続不良が生じる場合がある。また、単純に圧着ヘッドを被圧着部材から離間させると、圧着装置の機械的なあそび等の要因により圧着ヘッドが加圧方向と直交する方向にずれて、被圧着部材間の接続精度が低下する場合がある。また、第1及び第2の被圧着部材が平行でない状態で上記離間を行うと、電極毎に接触抵抗のばらつきが生じて輝度ムラや表示不良等の不具合が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続すること、圧着接続後に圧着ヘッドと被圧着部材とが離反する際の接続精度の低下を防止すること、電極毎の接触抵抗のばらつきを低減すること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
【0008】
請求項1に記載の発明は、第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着装置であって、前記第1及び第2の被圧着部材を加圧して前記圧着接続を行う加圧圧着手段と、前記加圧圧着手段による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、前記第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と前記加圧圧着手段とを離間させるように前記加圧圧着手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着方法であって、加圧圧着手段により前記第1及び第2の被圧着部材を加圧して前記圧着接続を行う第1の工程と、前記第1の工程による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、前記第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と前記加圧圧着手段とを離間させる第2の工程とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項10に記載の発明は、第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着方法であって、ステージ及び圧着ヘッドの間に前記第1及び第2の被圧着部材を配置し、前記ステージ及び圧着ヘッドの一方又は両方を加圧して前記圧着接続を行う第1の工程と、前記第1の工程による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面を略平行に保持した状態で、前記ステージと前記圧着ヘッドの一方又は両方を離反する方向に駆動する第2の工程とを有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る圧着装置は、第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着装置であって、第1及び第2の被圧着部材を加圧して圧着接続を行う加圧圧着手段と、加圧圧着手段による圧着接続後に、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させるように加圧圧着手段を制御する制御手段とを有する。
【0012】
上記構成の圧着装置において、制御手段は、加圧圧着手段による圧着接続後に、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させるように加圧圧着手段を制御するので、高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続することができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る圧着方法は、第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着方法であって、加圧圧着手段により第1及び第2の被圧着部材を加圧して圧着接続を行う第1の工程と、第1の工程による圧着接続後に、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させる第2の工程とを有する。
【0014】
また、第2の工程において、第1及び第2の被圧着部材を略平行に保持した状態で、加圧圧着手段による第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止し、当該抑止の後、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させることが好ましい。
【0015】
上述したように、第2の工程において、第1の工程による圧着接続後に、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、第1及び第2の被圧着部材と加圧圧着手段とを離間させるので、例えば第1及び第2の被圧着部材に形成された配線間隔が狭い場合であっても、第1及び第2の被圧着部材を高精度に圧着接続することができる。
【0016】
また、第2の工程において、第1及び第2の被圧着部材を略平行に保持した状態で、加圧圧着手段による第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止し、当該抑止の後、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させるので、圧着接続後に圧着ヘッドと被圧着部材とが離反する際の接続不良を低減することができる。また、接続不良等による製品不良を低減することができる。
【0017】
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る圧着装置を説明するための図である。図2(a),(b)は図1に示した圧着装置1により圧着される被圧着部材を説明するための図である。図2(a)は被圧着部材としてのボトムエミッション型有機ELパネル100の正面側の斜視図、図2(b)は有機ELパネル100の裏面側の斜視図である。図3は図1に示した圧着装置1により圧着される被圧着部材を説明するための断面図である。図4は圧着接続後の被圧着部材を説明するための断面図である。
【0019】
本実施形態に係る圧着装置1は、例えば図1に示すように、ステージ2、圧着ヘッド(ヘッド)3、可動装置4、加圧装置5、撮像装置6、及び制御回路7を有する。ステージ2及びヘッド3それぞれは、本発明に係るステージ及び圧着ヘッドの一実施形態に相当する。可動装置4は本発明に係る可動手段の一実施形態に相当する。加圧装置5は本発明に係る圧力駆動手段の一実施形態に相当する。可動装置4及び加圧装置5は本発明に係る加圧圧着手段の一実施形態に相当する。制御回路7は本発明に係る制御手段の一実施形態に相当する。
【0020】
本実施形態に係る圧着装置1は、例えば図2(a),(b)に示すように、有機ELパネル100に、駆動回路等の電子回路が形成されたチップ101やフレキシブル基板等の配線基板102を直接又は間接的に圧着接続する。詳細には、有機ELパネル100は、例えばボトムエミッション型であり、透明基板103上に、複数の自発光素子104がマトリクス状に形成された表示部105を備え、また基板103上に表示部105から引き出された配線(電極)106を備えている。チップ101は、基板103と対向する面にバンプ等の電極101A(図3に記載)が形成されている。この電極106が形成された基板103は、本発明に係る第1の被圧着部材81の一実施形態に相当し、チップ101は本発明に係る第2の被圧着部材82に相当する。また第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82をまとめて被圧着部材8という。
【0021】
また圧着装置1は、電極が形成されたフレキシブル配線基板等の配線基板102と、電極106が形成された基板103とを圧着してもよい。この場合、配線基板102は本発明に係る第2の被圧着部材82の一実施形態に相当する。
【0022】
第1及び第2の被圧着部材81,82は、ステージ2とヘッド3の間に配設される。また第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82の間には、図3に示すようにACF83が配設される。ACF83は、例えば図3に示すように、金属粒子や金属コートプラスチック粒子等の導電性粒子831が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成ゴム等の樹脂832に略均一に分散したテープ形状の接着剤である。このACF83は、例えば図4に示すように、被圧着部材間で加圧や加熱されることにより、面方向に絶縁性を示し厚み方向に導電性を示す異方導電性を有する。
【0023】
ステージ2は、例えば第1及び第2の被圧着部材81,82等の被圧着部材8を保持する。ステージ2は、例えば図1に示すように、保持ステージ21、回転ステージ22、及びXYステージ23を有する。保持ステージ21は被圧着部材8を保持するステージである。回転ステージ22は、制御回路7の制御により、保持ステージ21をヘッド3に対して回転軸を中心に回転可能なステージである。XYステージ23は、制御回路7の制御により、保持ステージ21をヘッド3に対して規定方向(x軸方向)及び規定方向に直交する方向(y軸方向)に移動可能なステージである。つまり制御回路7は、ステージ2を駆動することにより被圧着部材8の位置決めを行うことができる。また、例えば制御回路7の制御により、ステージ2の水平度を調整可能である。
【0024】
ヘッド3は、ステージ2に対向して配設され、押圧面3Aと保持ステージ21の対向面が平行となるように設定されており、被圧着部材8を押圧面3Aにて押圧する。本実施形態に係るヘッド3は、例えば図1に示すように可動装置4と加圧装置5により、上下方向(図1に示すz軸方向)に沿って移動可能である。またヘッド3は、電熱線等により構成された発熱部31を有する。この発熱部31は、制御回路7により発熱制御され、ヘッド3を規定温度に設定可能である。
【0025】
可動装置4は、例えば制御回路7の制御により、ヘッド3を上下方向(z軸方向)に沿って移動させる。つまり、可動装置4はヘッド3をステージ2に対して近接又は離間させる方向に移動させることができる。可動装置4は、例えば図1に示すように、支持部41、及びアクチュエータ42を有する。支持部41は、棒形状に形成されておりヘッド3を支持する。また支持部41は、長手方向がz軸方向に沿って配置されており、ヘッド3の端部に押圧面3Aに直交して設けられている。本実施形態に係る支持部41は、例えば図1に示すように、2つの支持部411,412を有する。アクチュエータ42は、支持部41をz軸方向に沿って移動駆動可能に支持する。アクチュエータ42は、例えば駆動モータや油圧モータ等の駆動装置と、駆動装置からの駆動力を支持部41に伝達して支持部41を移動制御する駆動機構とにより構成され、例えば制御回路7の制御により支持部41を介してヘッド3を移動駆動する。また本実施形態に係るアクチュエータ42は、図1に示すように、支持部411,412それぞれを独立に移動駆動可能な第1及び第2アクチュエータ421,422を有する。制御回路7は、第1及び第2アクチュエータ421,422を駆動制御することによりヘッド3の平行度を調整可能である。
【0026】
加圧装置5は、例えば制御回路7の制御により、ステージ2及びヘッド3の一方又は両方を加圧駆動して、第1及び第2の被圧着部材81,82に加える圧力を制御する。加圧装置5は、例えば油圧装置や機械式モータ等により構成される。本実施形態に係る加圧装置5は、例えば油圧装置を採用し、図1に示すようにロッド51、シリンダ52、不図示の油圧ポンプ(アクチュエータ)等により構成されている。制御回路7は、油圧ポンプを駆動することにより、シリンダ52内の油圧や油量、流量方向等を制御して、ロッド51をz軸方向に沿って加圧駆動可能である。また図1に示すように、ロッド51は、ヘッド3の押圧面3Aの裏面側を押圧することにより、ヘッド3を介して被圧着部材8に加圧可能である。また、加圧装置5は、アクチュエータ(可動手段)53により、上下方向(z軸方向)に沿って移動可能に形成されていてもよい。
【0027】
撮像装置6は、例えばヘッド3、被圧着部材8、ステージ2、加圧装置5等を撮像可能であり、撮像結果を示す信号を制御回路7に出力する。制御回路7は、例えば撮像装置6から出力された信号に基づいて各構成要素を制御する。例えば制御回路7は、撮像装置6からの信号に基づいて可動装置4を制御して、ヘッド3の押圧面3Aの平行度を制御してもよい。
【0028】
制御回路7は、圧着装置1全体を統括的に制御可能である。制御回路7は、例えば不図示のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、圧着装置1の各構成要素を駆動して本発明に係る機能を実現する。例えば制御回路7は、圧着時に、可動装置4を駆動してヘッド3をz軸に沿って下方向に移動させ、被圧着部材8に接する位置まで移動させ、加圧装置5を駆動してヘッド3を介して第1及び第2の被圧着部材81,82に加圧する。
【0029】
また、制御回路7は、第1及び第2の被圧着部材81,82を略平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動する制御を行う。詳細には、第1及び第2の被圧着部材81,82それぞれの対向する面を略平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動する制御を行う。
【0030】
また、制御回路7は、第1及び第2の被圧着部材81,82を加圧装置5により加圧して圧着接続した後、第1及び第2の被圧着部材81,82を略平行に支持した状態で、第1及び第2の被圧着部材81,82への加圧を抑止し、当該抑止の後、ステージ2とヘッド3を離反する方向に駆動するように可動装置4を制御する。制御回路7の詳細な動作については後述する。
【0031】
図5は、図1に示した圧着装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図6は、図1に示した圧着装置1の動作を説明するためのタイムチャートである。図6(a)は、ヘッド3による被圧着部材への圧力の時間変化を説明するための図である。図6(a)において縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。図6(b)は、透明基板103とヘッド3間の距離、及び透明基板103とロッド51間の距離の時間変化を説明するための図である。図6(b)において横軸は時間を示す。図1〜6を参照しながら本実施形態に係る圧着装置1の動作を、制御回路7の動作を中心に説明する。
【0032】
ステップS1において、初期時には、圧着装置1のステージ2とヘッド3とが所定間隔にて所定位置に保持されている。先ず、ステージ2の表面2Aを基準とした場合、圧着時のヘッド3の押圧面3Aの傾きが0度になるように、ステージ2とヘッド3の平行度を調整する(平行となるように調整)。具体的には、例えばステージ2とヘッド3の間に感圧紙を配置し、可動装置4を駆動してヘッド3にて感圧紙を押圧して、感圧紙が加圧により面内で均一に発色するように、ステージ2とヘッド3との平行度を調整する。平行度の調整は、この形態に限られるものではない。例えばステージ2とヘッド3間に圧力センサを配置し、この圧力センサを加圧することにより、圧着時のステージ2とヘッド3の平行度を調整してもよいし、各種公知の方法により調整を行ってよい。平行度を調整した後、ステージ2とヘッド3とを上記所定位置に保持する。
【0033】
次に、第1の被圧着部材81及び第2の被圧着部材82をステージ2とヘッド3の間に配置する。詳細には、ステップS2において、ステージ2上の予め規定された位置に、第1の被圧着部材81(電極106が形成された透明基板103)を配置し、図3に示すように、第1の被圧着部材81上に形成されている電極106の上にACF83を配設する。
【0034】
ステップS3において、図2(b)及び図3に示すように、ACF83上に、第2の被圧着部材82としてのチップ101を配設する。この際、図3に示すように、チップ101の被圧着面側に形成された電極101Aと、透明基板103上に形成された電極106とが対向する位置となるように、位置調整を行う。
【0035】
ステップS4において、ステップS3による位置調整後、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを仮圧着して、所定位置に配置されていることを確認する。その後、仮圧着した第1の被圧着部材81をステージ2上の規定位置に吸着するなどして固定する。
【0036】
ステップS5において、ヘッド3を駆動して、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを圧着接続する。詳細には、図6(b)に示すように、制御回路7は、可動装置4及びアクチュエータ53を制御して、ヘッド3及び加圧装置5のロッド51を被圧着部材82に近接する方向に移動させ(時間t0)、ヘッド3の押圧面3Aが、透明基板103と距離D2から距離D0(当接状態)となるまでヘッド3を下降させる(時間t1)。この際、制御回路7は、時間t1の直前(時間ta)に、加圧装置5を駆動してロッド51によるヘッド3を介した加圧を開始する。こうすることにより加圧工程に要する時間を短縮することができる。
【0037】
制御回路7は、ヘッド3が第2の被圧着部材82に接触した状態で(時間t1)、さらに加圧装置5を駆動し、ロッド51によりヘッド3を介して第2の被圧着部材82を予め規定された圧力P2となるように加圧して、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを圧着接続する(時間t2)。ここで距離D1〜D0は、ヘッド3の厚みに相当する。また、このとき制御回路7は、ヘッド3に設けられた発熱部31を発熱制御することにより、第2の被圧着部材82やACF83を加熱してもよい。また制御回路7は、製造時間短縮のために発熱部31を常時発熱させてもよい。この際図4に示すように、ACF83の樹脂832が変形し、ACF83中の導電性粒子831が、第1の被圧着部材81の電極101Aと、透明基板103上に形成された電極106との間に介在することで導電性を示すようになる。
【0038】
ステップS6において、加圧圧着後、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持する。詳細には、制御回路7は、第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面を略平行に保持するように、可動装置4を駆動制御する。この際、例えば制御回路7は、撮像装置6からの信号や、不図示の圧力センサ等からの信号に基づいて上記駆動制御を行ってもよい。
【0039】
ステップS7において、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、加圧装置5による第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止する。詳細には、制御回路7は、予め規定した時間後(時間t2〜t3)、加圧装置5による第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止するように駆動制御を行う。具体的には制御回路7は、加圧装置5によるヘッド3への圧力を略ゼロに設定する(時間t3〜t4)。この際、図6(a)に示すように、第1及び第2の被圧着部材81,82にかかる圧力は、圧力P2から圧力P1に減圧する。この圧力P1はヘッド3の自重等に起因する圧力である。
【0040】
制御回路7は、図6(b)に示すように、例えば油圧ポンプやアクチュエータ53を駆動して加圧装置5のロッド51を、z軸方向に沿ってヘッド3と離反する方向に駆動し、ヘッド3の押圧面3Aとパネル100間の距離Dを距離D3に設定する(時間t5)。
【0041】
ステップS8において、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と加圧圧着手段とを離間させる。詳細には、図6(a),(b)に示すように所定時間後(時間t6)、制御回路7は、図3に示すように第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面81A,82Aを平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動制御して、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方とヘッド3とを離間し(時間6t〜t8)、ヘッド3を所定位置に移動させる。
【0042】
ステップS9において、圧着装置1から圧着接続された第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82を取り出す。
【0043】
以上説明したように、制御回路7は、第1及び第2の被圧着部材81,82を加圧装置5により加圧して圧着接続した後、第1及び第2の被圧着部材81,82それぞれを略平行に保持した状態で、加圧装置5による第1及び第2の被圧着部材81,82への加圧を抑止し、当該抑止の後、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動し、第1及び第2の被圧着部材81,82の一方又は両方とヘッド3とを離間させるので、高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続することができる。
【0044】
詳細には、圧着接続後、第1及び第2の被圧着部材81,82を平行に保持した状態で加圧を抑止し、その後、第1及び第2の被圧着部材81,82を平行に保持した状態で、ヘッド3を被圧着部材から離間するので、ヘッド3が被圧着部材から離間する際に、例えばACF83内に含まれる樹脂の復元力を最小限に留めることができ、接続部界面の剥離を防止することができる。また、離間する際に、圧着装置1の機械的なあそび等の要因によりヘッド3が加圧方向と直交する方向にずれることがなくなり、高精度に第1及び第2の被圧着部材81,82を圧着接続することができる。また、圧着接続後に圧着ヘッド3と被圧着部材とが離反する際の接続精度の低下を防止することができる。また、第1の被圧着部材81,第2の被圧着部材82の電極毎の接触抵抗のばらつきを低減することができる。また、本発明に係る圧着装置1により有機ELパネル等の発光パネルを製造すると、圧着不良や圧着精度の低下等による製品不良を防止することができる。また、発光パネルの生産コストを低減することができる。
【0045】
また、制御回路7は、加圧装置5を駆動して、第1及び第2の被圧着部材81,82に第1の圧力P2にて圧着接続を行い、当該圧着接続後、加圧装置5の加圧を抑止する制御を行い、第1の圧力P2より小さい第2の圧力P1(ヘッド3の自重に相当する圧力)に減圧して、離間を行うように制御するので、簡単な制御により、高精度に第1及び第2の被圧着部材81,82を圧着接続することができる。
【0046】
[第2実施形態]
図7,8は本発明の第2実施形態に係る圧着装置の動作を説明するための図である。図7(a)は圧着接続前の動作を説明するための図であり、図7(b)は圧着接続時の動作を説明するための図である。図8(a)は加圧抑止時の圧着装置の動作を説明するための図であり、図8(b)は被圧着部材とヘッド3とを離間させる動作を説明するための図である。本実施形態に係る圧着装置1は、図7,8に示すように、第1の被圧着部材81としての透明基板103と、第2の被圧着部材82としてフレキシブル配線基板等の配線基板102とを圧着接続する。本実施形態に係る圧着装置1の動作を簡単に説明する。
【0047】
図7(a)に示すように、初期時には、圧着装置1のステージ2とヘッド3とが所定間隔にて所定位置に保持されており、ステージ2とヘッド3の平行度を調整する。次に、第1の被圧着部材81及び第2の被圧着部材82をステージ2とヘッド3の間に配置する。詳細には、ステージ2上の予め規定された位置に、電極106が形成された透明基板103を配置し、第1の被圧着部材81上に形成されている電極106の上にACF83を配設し、ACF83上に第2の被圧着部材82としてフレキシブル配線基板102を配設する。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、ヘッド3を駆動して、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを圧着接続する。詳細には、制御回路7は、可動装置4及びアクチュエータ53を制御して、ヘッド3及び加圧装置5のロッド51を被圧着部材82に近接する方向に移動させ、加圧装置5を駆動してロッド51によりヘッド3を介して第1及び第2の被圧着部材81,82を加圧する。
【0049】
加圧圧着後、図8(a)に示すように、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持する。第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、加圧装置5による第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止する。
【0050】
次に、図8(b)に示すように、第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動制御して、第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方とヘッド3とを離間し(時間6t〜8)、ヘッド3を所定位置に移動させ、圧着装置1から圧着接続された第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82を取り出す。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る圧着装置1は、第1の被圧着部材81としての透明基板103と、第2の被圧着部材82としてフレキシブル配線基板等の配線基板102とを、高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続することができる。
【0052】
また、圧着装置1による被圧着対象の第1及び第2の被圧着部材81,82は、上述した実施形態に限られるものではない。圧着装置1は、各種被圧着部材を圧着接続してよい。また、上述した第1及び第2の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
【0053】
[比較実験]
本願発明者は、本発明に係る圧着装置1の圧着性能を確認するために、一般的な圧着装置により単純に圧着接続した場合の圧着精度と、本発明に係る圧着装置1により圧着接続した場合の圧着精度とを実験により比較した。以下、図面を参照しながら計測結果を説明する。
【0054】
図9は、第1及び第2の被圧着部材81,82の圧着接続を説明するための上面図である。図4は、図9に示したA−A’線に沿った断面図に相当する。本比較実験では、図4,図9に示すように、第1の被圧着部材81として、ストライプ状に電極106が形成されている透明基板103を用い、第2の被圧着部材82としてストライプ状に電極101Aが形成されたチップ101を用い、それぞれを一般的な圧着装置と、本発明に係る圧着装置1にて圧着して圧着精度の比較実験を行った。
【0055】
本比較実験では、図4,図9に示すように、電極106の電極間のギャップが、2つの異なるギャップ幅GX1,GX2に設定されている。このギャップ幅GX1は17μmに設定され、ギャップ幅GX2は25μmに設定されている。電極101Aの電極間のギャップも同様に2つの異なるギャップ幅GX1,GX2に設定されている。
【0056】
図10は、第1の被圧着部材に形成された電極106Aと、第2の被圧着部材82に形成された電極101Aとの圧着精度を説明するための図である。図10(a)は良好な圧着状態の場合を説明するための図であり、図10(b)は圧着不良な状態を説明するための図である。第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とが高精度に圧着接続した場合には、例えば図10(a)に示すように、圧着接続後の電極間のギャップ幅GXAは、各電極間のギャップ幅GXと略等しくなる。一方、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82との圧着精度が低い場合には、例えば図10(b)に示すように、電極101Aと電極106Aが接続面の面内方向にずれが生じ、圧着接続時の電極間のギャップ幅GXBは、圧着接続前の各電極間のギャップ幅GXよりも小さくなる。
【0057】
上述したように本比較実験では、図10(a)、(b)に示すように、圧着接続後のギャップ幅GXBを計測することにより、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82との圧着精度を評価した。詳細には図9に示すように、圧着接続後のチップ101の左端部101Lにおけるギャップ幅GX1L,GX2Lと、右端部101Rにおけるギャップ幅GX1R,GX2Rを、光学顕微鏡により測長した。
【0058】
[一般的な圧着装置]
先ず、電極106Aが形成された透明基板103上にACF83を配置し、ACF83上に第2の被圧着部材82に配置して位置調整をした後、一般的な圧着装置により、単純に圧着接続した場合、詳細には加圧により圧着接続した後、平行度を制御することなく加圧した状態で、加圧ヘッドを上昇させた場合の計測結果を説明する。表1に示すように、各計測ポイントにて5回ずつ計測を行い、それぞれの平均値を算出した。
【0059】
【表1】

【0060】
一般的な圧着装置では、表1に示すように、圧着前の電極間のギャップ幅GX1と比べて、圧着接続後のギャップ幅GX1L,GX1Rが狭くなっており、特にギャップ幅GX1Lが狭くなっている。また、圧着前の電極間のギャップ幅GX2と比べて、圧着接続後のギャップ幅GX2L,GX2Rが狭くなっており、特にギャップ幅GX2Lが狭くなっている。
【0061】
上記計測結果により、一般的な圧着装置では、特に左端部101Lにおいて圧着精度が低いことを示している。
【0062】
[本発明に係る圧着装置1]
次に、本発明に係る圧着装置1により、圧着接続後、上述したように第1及び第2の被圧着部材それぞれを平行に保持した状態で、加圧装置5による加圧を抑止し、当該抑止の後、可動装置4よりステージ2と圧着ヘッド3とを離反する方向に駆動して、第2の被圧着部材82からヘッド3を離間させた場合の計測結果を説明する。表2に示すように、各計測ポイントにて5回ずつ計測を行い、それぞれの平均値を算出した。
【0063】
【表2】

【0064】
本発明に係る圧着装置1では、表2に示すように、圧着前の電極間のギャップ幅GX1と比べて、圧着接続後のギャップ幅GX1L,GX1Rが狭くなっているが、一般的な圧着装置による計測結果と比較してギャップ幅GX1L,GX1Rが大きい。また、左端部101Lでのギャップ幅GX1Lと右端部101Rでのギャップ幅GX1Rが略等しい値を示している。同様に、圧着前の電極間のギャップ幅GX2と比べて、圧着接続後のギャップ幅GX2L,GX2Rが狭くなっているが、一般的な圧着装置による計測結果と比較してギャップ幅GX2Lが大きい。また、左端部101Lでのギャップ幅GX2Lと右端部101Rでのギャップ幅GX2Rが略等しい値を示している。
【0065】
上記計測結果により、本発明に係る圧着装置1では、一般的な圧着装置と比べて、圧着精度が高いことを示している。特に、左端部101Lでのギャップ幅GX2Lと右端部101Rでのギャップ幅GX2Rが略等しい値なので、高精度に平行度が保持された状態で、圧着接続していることを確認できた。また、高精度に平行度が保持された状態で圧着接続しているので、電極毎の接触抵抗のばらつきが低減している。
【0066】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。上述した実施形態それぞれを組み合わせてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、可動装置4は、圧着ヘッド3を、ステージ2に対してz軸方向に沿って相対移動させたが、この形態に限られるものではない。例えば、ステージと圧着ヘッドの一方又は両方を相対移動させてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では有機ELパネル100を説明したが、この形態に限られるものではない。本発明に係る圧着装置や圧着方法を、例えば液晶表示パネルや自発光パネル、各種被圧着部材等に適用してもよい。
【0069】
図11は、本発明の他の実施形態に係る圧着装置1’を説明するための図である。圧着装置1’は、例えば図11に示すように、加圧装置5’のロッド51の端部にヘッド3’を設け、加圧装置5’をステージ2に対して離反させる方向及び近接する方向に移動させる可動装置4’を有していてもよい。上記構成の圧着装置1’は、図1に示した圧着装置1と比べて簡単な構成により本発明を実現することができる。
【0070】
以上説明したように、本発明に係る圧着装置1は、第1の被圧着部材81と第2の被圧着部材82とを直接又は間接的に圧着接続する圧着装置1であって、ステージ2と圧着ヘッド3の一方又は両方を相対移動させる可動装置4と、ステージ2及び圧着ヘッド3の一方又は両方を駆動して第1及び第2の被圧着部材81,82に圧力を加える加圧装置5と、第1及び第2の被圧着部材81,82を加圧装置5により加圧して圧着接続した後、第1及び第2の被圧着部材81,82それぞれを略平行に保持した状態で、可動装置4によりステージ2とヘッド3とを離反する方向に駆動する制御を行う制御回路7とを有するので、高精度に第1及び第2の被圧着部材を圧着接続することができる。また、圧着接続後に圧着ヘッドと被圧着部材とが離反する際の接続精度の低下を防止することができる。また、接続精度の低下による製品不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧着装置を説明するための図である。
【図2】図1に示した圧着装置1により圧着される被圧着部材を説明するための図である。(a)は被圧着部材としてのボトムエミッション型有機ELパネル100の正面側の斜視図、(b)は有機ELパネル100の裏面側の斜視図である。
【図3】図1に示した圧着装置1により圧着される被圧着部材を説明するための断面図である。
【図4】圧着接続後の被圧着部材を説明するための断面図である。
【図5】図1に示した圧着装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示した圧着装置1の動作を説明するためのタイムチャートである。(a)はヘッド3による被圧着部材への圧力の時間変化を説明するための図である。(b)は透明基板103とヘッド3間の距離、及び透明基板103とロッド51間の距離の時間変化を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る圧着装置の動作を説明するための図である。(a)は圧着接続前の動作を説明するための図であり、(b)は圧着接続時の動作を説明するための図である。
【図8】(a)は加圧抑止時の圧着装置の動作を説明するための図であり、(b)は被圧着部材とヘッド3とを離間させる動作を説明するための図である。
【図9】第1及び第2の被圧着部材81,82の圧着接続を説明するための上面図である。
【図10】第1の被圧着部材に形成された電極106Aと、第2の被圧着部材82に形成された電極101Aとの圧着精度を説明するための図である。(a)は良好な圧着状態の場合を説明するための図であり、(b)は圧着不良な状態を説明するための図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る圧着装置1’を説明するための図である。
【符号の説明】
【0072】
1 圧着装置
2 ステージ
3 ヘッド(圧着ヘッド)
4 可動装置
5 加圧装置
6 撮像装置
7 制御回路
8 被圧着部材
31 発熱部
41 支持部
42 アクチュエータ
51 ロッド
52 シリンダ
53 アクチュエータ(可動手段)
81 第1の被圧着部材
82 第2の被圧着部材
100 有機ELパネル
101 チップ(電子回路)
101A 電極
102 配線基板(フレキシブル配線基板)
103 基板(透明基板)
104 自発光素子
105 表示部
106 配線(電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着装置であって、
前記第1及び第2の被圧着部材を加圧して前記圧着接続を行う加圧圧着手段と、
前記加圧圧着手段による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、前記第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と前記加圧圧着手段とを離間させるように前記加圧圧着手段を制御する制御手段と
を有することを特徴とする圧着装置。
【請求項2】
前記加圧圧着手段は、
ステージと圧着ヘッドの一方又は両方を相対移動させる可動手段と、
前記ステージ及び前記圧着ヘッドの一方又は両方を駆動して前記第1及び第2の被圧着部材に圧力を加える圧力駆動手段とを含み、
前記制御手段は、前記第1及び第2の被圧着部材を前記圧力駆動手段により加圧して圧着接続した後、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、前記可動手段により前記ステージと前記圧着ヘッドとを離反する方向に駆動する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧着装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1及び第2の被圧着部材を略平行に保持した状態で、前記圧力駆動手段による前記第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止し、当該抑止の後、前記可動手段により前記ステージと前記圧着ヘッドとを離反する方向に駆動する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の圧着装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面を略平行に保持した状態で、前記可動手段により前記ステージと前記圧着ヘッドとを離反する方向に駆動する制御を行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の圧着装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記圧力駆動手段を駆動して、前記第1及び第2の被圧着部材に第1の圧力にて圧着接続を行い、当該圧着接続後、前記第1の圧力より小さい第2の圧力に減圧して、前記離間を行うように制御することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一に記載の圧着装置。
【請求項6】
第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着方法であって、
加圧圧着手段により前記第1及び第2の被圧着部材を加圧して前記圧着接続を行う第1の工程と、
前記第1の工程による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれを略平行に保持した状態で、前記第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と前記加圧圧着手段とを離間させる第2の工程と
を有することを特徴とする圧着方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記第1及び第2の被圧着部材を略平行に保持した状態で、前記加圧圧着手段による前記第1及び第2の被圧着部材への加圧を抑止し、当該抑止の後、前記第1及び第2の被圧着部材の一方又は両方と前記加圧圧着手段とを離間させることを特徴とする請求項6に記載の圧着方法。
【請求項8】
前記第2の工程において、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面を略平行に保持した状態で、前記離間を行うことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の圧着方法。
【請求項9】
前記第1の工程において、前記加圧圧着手段が前記第1及び第2の被圧着部材に第1の圧力にて前記圧着接続を行い、
前記第2の工程において、前記第1の工程による圧着接続後、前記加圧圧着手段が前記第1の圧力より小さい第2の圧力に減圧した後、前記離間を行うことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一に記載の圧着方法。
【請求項10】
第1の被圧着部材と第2の被圧着部材とを直接又は間接的に圧着接続する圧着方法であって、
ステージ及び圧着ヘッドの間に前記第1及び第2の被圧着部材を配置し、前記ステージ及び圧着ヘッドの一方又は両方を加圧して前記圧着接続を行う第1の工程と、
前記第1の工程による前記圧着接続後に、前記第1及び第2の被圧着部材それぞれの対向する面を略平行に保持した状態で、前記ステージと前記圧着ヘッドの一方又は両方を離反する方向に駆動する第2の工程と
を有することを特徴とする圧着方法。
【請求項11】
前記第1の被圧着部材は、自発光素子及び当該時発光素子に電気的に接続する電極が基板上に形成された自発光パネルであり、
前記第2の被圧着部材は、前記時発光パネルの前記基板上に実装される電子回路又は配線基板であり、
前記第1の工程において、前記第1及び第2の被圧着部材の間に、異方導電性部材を介して前記圧着接続を行う
ことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一に記載の圧着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−109721(P2007−109721A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−296589(P2005−296589)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】