説明

圧縮シート

本発明は、少なくとも1枚の織布または不織布を含む圧縮シートであって、その布が高分子繊維を含み、そのシートが、ASTM D790−07に準拠して測定したとき、少なくとも二方向で少なくとも15GPaの曲げ弾性率を有し、かつこれらの方向の1つは、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向であることを特徴とする圧縮シートに関する。本発明はまた、そのような圧縮シートの製造方法およびそれを含む物品に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1枚の織布または不織布を含む圧縮シートに関する。ただし、この布は、高分子繊維を含む。本発明はさらに、その製造方法およびこの圧縮シートを含む種々の物品に関する。
【0002】
圧縮シートは、たとえば、英国特許第2,253,420号明細書から公知である。この公報には、圧縮高分子モノリス、特定的には、接触圧力下で高分子繊維の集成体を繊維の一部が選択的に溶融される温度に加熱してからさらに高い圧力で集成体を圧縮することにより製造可能な平面状シートが開示されている。英国特許第2,253,420号明細書にはまた、溶融紡糸高弾性率ポリエチレン繊維の織成マットを圧縮することによりまたは一軸配向ポリエチレン繊維を含有する一方向シートを圧縮することにより製造される圧縮平面状シートが開示されている。
【0003】
英国特許第2,253,420号明細書に記載のプロセスを用いて得られる圧縮シートの機械的性質は、さらに改良可能であることが観測された。英国特許第2,253,420号明細書に記載の圧縮一方向シートは、一方向たとえば長手方向では良好な機械的性質を有するが第2の方向たとえばその横方向では不十分な機械的性質を有することが研究者らにより示された。
【0004】
シート中の一軸配向繊維が隣接シート中の繊維の走行(または配向)方向に対して角度(通常は90°)をなして走行する一方向シートのスタックを圧縮一体化することにより、英国特許第2,253,420号明細書に記載のシートの横方向の性質を改良する試みがなされた。しかしながら、この場合、長手方向の機械的性質および横方向の機械的性質は両方とも、許容されないより低いレベルに低下することが観測された。
【0005】
織成マットを圧縮することにより、この横方向の性質を改良するさらなる試みがなされた。しかしながら、得られるシートは、長手方向でも横方向でも不満足な機械的性質を有することが観測された。さらにまた、英国特許第2,253,420号明細書に記載の圧縮シートだけでなく他の公知の圧縮シートもすべて、比較的低い曲げ力に付された時でさえも大きい曲げ撓みを呈することが観測された。
【0006】
公知の圧縮シートの有用性、特定的には、建設材料としてのその有用性を多様化するために、このシートの機械的性質は、さらに改良されなければならず、特定的には、このシートは、二方向以上で改良された性質を呈することが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、たとえば、好適な機械的性質を有する、特定的には、少なくとも二方向で好適な曲げ弾性率を有する圧縮シートを提供することでありうる。本発明のさらなる目的は、曲げおよび/または座屈に対して増大された耐性を有しかつ自立性建設材料として使用するのに好適である圧縮シートを提供することでありうる。
【0008】
本発明は、少なくとも1枚の織布または不織布を含む圧縮シートを提供する。ただし、この布は、高分子繊維を含み、このシートは、ASTM D790−07に準拠して測定したとき、少なくとも二方向で少なくとも15GPaの曲げ弾性率を有し、かつこれらの方向の1つは、この少なくとも1枚の織布または不織布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るシートは、改良された機械的性質を有することが観測され、特定的には、発明者らの知るかぎりではこれまで達成されなかった二方向以上で増大された曲げ弾性率を有することが観測された。本発明に係るシートはまた、驚くべきことに、軽量でありしかもかなり容易に取扱い可能であった。簡潔にするためにとくに明記される場合を除き、少なくとも二方向で測定される曲げ弾性率は、これ以降では、2D曲げ弾性率として参照される。
【0010】
さらに驚くべきことに、本発明に係るシート(本発明のシートとしても参照される)は、シートの両端に定置された2つの支持手段上に水平方向位置で配置した場合、それらの間の部分を支持しない状態にしても、実質的な曲げおよび/または座屈を起こすことなく自重を支持可能であることが観測された。曲げおよび/または座屈に対するそのような増大された耐性はまた、驚くべきことに、大きなサイズの本発明に係るシート、すなわち1メートル超の長さ(L)および幅(W)のシートでも達成された。
【0011】
好ましくは、本発明のシートは、平面状シートである。すなわち、シートの長さLおよび幅Wにより規定される平面内にまたはシートがディスク形状を有する場合にはディスクの平面内にシート全体が含まれる。そのようなシートでは、2D曲げ弾性率が測定される方向は、シートの平面内に含まれる。
【0012】
本発明のシートはまた、1つ以上の方向に湾曲させることも可能である。湾曲シートでは、2D曲げ弾性率は、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向に向かって接してもいる第1の方向に沿って測定される。第2の方向は、好ましくは、この布に含有される第2の主要量の繊維の配向方向に向かって接する方向である。
【0013】
本発明のシートはまた、周囲領域に対して隆起または陥没している局所領域、たとえば、こぶまたは窪みを含有しうる。こうした局所領域を含有するシートの2D曲げ弾性率は、平面状であるシート上の位置を選択してその平面位置で少なくとも二方向で曲げ弾性率を測定することにより測定される。
【0014】
好ましくは、本発明に係るシートの2D曲げ弾性率は、ASTM D790−07に準拠して測定したとき、少なくとも20GPa、より好ましくは少なくとも30GPa、さらにより好ましくは少なくとも35GPa、最も好ましくは少なくとも40GPaである。本発明に係るシートをカットすることにより切り出されたサンプルを用いて、2D曲げ弾性率の測定を行った。ただし、サンプルの平滑縁を確保するために高圧ウォータージェットを用いてカットを行い、このサンプルは、好ましくは、約24の長さ(l)対厚さ(d)比(l/d)を有する。サンプルの厚さは、好ましくは、1.75〜1.95である。切り出されたサンプルの長さ(l)は、測定方向に沿ってカットされたものである。当業者であれば、これ以降で詳述されるプロセスに従ってそのような高い2D曲げ弾性率を有するシートを製造することが可能である。
【0015】
本発明に係るシートは、24の長さ(l)対厚さ(d)比(l/d)を有するサンプルでASTM D790−07により測定したとき、好ましくは少なくとも50MPa、より好ましくは少なくとも80MPa、最も好ましくは少なくとも100MPaの2D曲げ強度(すなわち、二方向で測定された曲げ強度)を有する。サンプルの厚さは、好ましくは、1.75〜1.95である。
【0016】
本発明によれば、2D曲げ弾性率は、少なくとも二方向で測定され、そのうちの一方向は、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向に沿っている。主要量の繊維の配向方向とは、本明細書中では、布に含有される繊維の好ましくは少なくとも10質量%、より好ましくは少なくとも30質量%、最も好ましくは少なくとも50質量%に共通した配向方向であるとみなされるものである。質量%とは、本明細書中では、共通の方向に配向した繊維のパーセントであるとみなされるものである。このパーセントは、すべての可能な方向に配向されて布に含有される繊維の全質量から計算される。この配向方向は、たとえば、繊維の目視検査によりまたは顕微鏡を用いて決定可能である。織布および不織布のいずれの場合でも、当業者であれば、この方向をいかに決定するかはわかる。
【0017】
織布は、一般的には、交絡して互いに角度をなして配置された少なくとも2組の糸を含有する。織布は、ほとんどの場合、製造後の長さLおよび幅Wにより特徴付け可能である。この場合、「製造後」という用語は、本明細書中では、布がその製造直後の状態、たとえば裁断前またはトリミング前またはその製造後の他の処理前の状態にあることを意味する。そのような場合、布の長さLに沿って走行する繊維は、経糸として知られて、一方、布の幅Wに沿ってまたはそれと角度をなして走行する繊維は、緯糸として知られる。織布の場合、この布に含有される第1の主要量の繊維は、経糸を含む主要量の繊維であり、一方、たとえば、第2の主要量の繊維は、緯糸を含む主要量の繊維でありうると、当業者であれば即座に決定可能である。経糸または緯糸の配向方向もまた、当業者であれば即座に決定可能であり、そしてたとえば、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向の1つとしてこれらの方向のいずれかを使用することが可能である。
【0018】
好ましい織布の実施形態としては、平(タビー)織り、バスケット織り、綾織り、千鳥綾織り、および朱子織りが挙げられるが、三軸織りなどのより精緻な織りを使用することも可能である。好ましくは、織布は、バスケット織り、平織り、または綾織りである。
【0019】
本発明の一実施形態では、織布の製造に使用される繊維は、丸形断面を有し、この断面は、多くとも4:1、より好ましくは多くとも2:1のアスペクト比を有し、かつこの布は、少なくとも1.5、より好ましくは少なくとも2、最も好ましくは少なくとも3のカバーファクターを有する。好ましくは、このカバーファクターは、多くとも10、より好ましくは多くとも8、最も好ましくは多くとも6である。より小さいカバーファクターを有する織布を用いることにより2D曲げ弾性率を改良可能であることが観測された、また、そのような布から製造されるシートは、増大された均一性を有しうることが観測された。しかしながら、あまりにも小さいカバーファクターを有する布では、布が繊維の移動を起こしやすくなり、したがって、最終製品の機械的性質の局所変動を起こしやすくなるので、そのままでは取扱いが困難になる。
【0020】
本発明の他の実施形態では、本発明のシートに含有される織布は、三次元(3D)織布である。そのような布をいかに製造するかは、たとえば、欧州特許第0.548.517号明細書、米国特許第6,627,562号明細書、および国際公開第02/07961号パンフレットから、当該技術分野で公知である。好ましい実施形態では、3D織布は、少なくとも2層、より好ましくは少なくとも3層を含む層状布である。そのような布を含有するシートは、2D曲げ弾性率の増加に加えて、曲げ力に付された時に離層を起こしにくくなりうることが観測された。
【0021】
発明の意図する範囲内の不織布は、たとえば、固有の繊維間摩擦(絡合い)による手段、機械的手段、化学的手段、熱的手段、または溶媒による手段およびそれらの組合せにより達成される繊維の結合および/または相互係止により製造された布である。発明の意図する範囲内の不織布という用語は、織成、編成、またはタフト加工された布を包含しない。
【0022】
不織布の好ましい実施形態は、実質的に平行な配列、各層が実質的に平行な繊維を有しかつ隣接配列が互いに非平行である層状配列をはじめとする繊維の種々の拘束配置または非拘束配置を含む。不織布はまた、ランダム配向のステープル繊維または連続繊維を含有する1層以上の層を含む布でありうる。布が実質的に平行な配列を含有する場合、いずれの配列の繊維方向をも、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向の1つとして使用可能である。布がランダム配向繊維を含有する場合、いずれの方向をも、この布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向の1つとして選択可能である。
【0023】
本発明に係るシートに含有される布の面密度(AD)は、広範囲にわたりうる。好ましくは、この布のADは、少なくとも100g/mである。この布の他の好適なADは、少なくとも300g/m、さらには少なくとも500g/mでありうる。このADの上限は、実用上の理由により規定されるにすぎず、製造される本発明のシートの意図される適用に関連して当業者により選択される。しかしながら、この布は、より低いADを有することが好ましい。なぜなら、好適な2D曲げ弾性率をも有する本発明に係るより軽いシートが得られるからである。
【0024】
布が織布である場合、織布の面密度は、好ましくは100〜2000g/mである。そのような織布の他の好ましいADは、200〜1000g/m、さらには300〜800のg/mでありうる。そのような面密度では、織布を含有する本発明のシートは、増大された2D曲げ弾性率を有するとともに軽量でもあることが観測された。
【0025】
好ましくは、本発明に係るシートは、少なくとも2枚の布、より好ましくは少なくとも4枚の布、最も好ましくは少なくとも6枚の布を含有し、これらの布は、好ましくは、実質的にそれらの全表面領域にわたり重なるように積重される。他の選択肢として、本発明のシートは、少なくとも2回、より好ましくは少なくとも4回、最も好ましくは少なくとも6回それ自体に折り重ねられたシングルピースの布を含有可能であり、折り重ねられたものはすべて、好ましくは同一の長さ(L)および幅(W)を有する。増大された枚数の布を含有するシートは、さらに改良された2D曲げ弾性率を示すとともに、種々の高速移動物体(たとえば、榴散弾もしくは銃弾)または低速移動物体(たとえば、フォークリフトのフォーク)の衝撃に対して増大された耐性を示すことが観測された。
【0026】
少なくとも2枚の布を用いて本発明のシートを製造する場合、布中の第1の主要量の繊維の配向方向が隣接布中の第1の主要量の繊維の配向方向に対して0〜90°の角度下にあるように布を配置することが可能であり、この角度は、より好ましくは30〜90°、最も好ましくは45〜90°である。本発明のシートの作製に使用される布が織布である場合、布中の経糸繊維の配向方向は、隣接布中の経糸繊維の配向方向に対して、好ましくは30〜90°、最も好ましくは45〜90°の角度をなす。本発明のシートの作製に使用される布が不織布である場合、この不織布は、好ましくは、少なくとも1つの層を含む層状布であり、この層は、2つの単層を含み、これらの単層は、一方向配向繊維を含み、かつこれらの単層は、互いに、15〜90°、より好ましくは30〜90°、最も好ましくは45〜90°の角度をなして配向される。そのような層状不織繊維の製造方法は、たとえば、国際公開第02/057527号パンフレット、欧州特許第0,768,167号明細書、独国特許第197,07,125号明細書、独国特許出願公開第23,20,133号明細書に開示されている。本発明のシート中の隣接布が互いに回転されている実施形態では、複数の方向で高い2D曲げ弾性率を示すシートを得ることが可能であり、さらに、このシートの座屈および/または曲げ、特定的には、指向性の座屈および/または曲げに対する耐性をさらに改良することが可能であることが観測された。さらなる利点は、そのような本発明のシートが、改良された耐衝撃エネルギー性、特定的には、衝撃時の低減された変形を示すことでありうる。
【0027】
布とくに不織布はまた、マトリックスとしても知られるバインダーをも含有しうる。これは、通常、布の構造が取扱い時に保持されるように布内の高分子繊維を安定化させるために局所適用される。このバインダーはまた、3枚以上の布を用いて本発明のシートを作製する場合に布間の接着を促進するためにも使用可能である。
【0028】
好適なバインダーは、たとえば、欧州特許第0,191,306号明細書、欧州特許第1,170,925号明細書、欧州特許第0,683,374号明細書、国際公開第2009/008922号パンフレット、および欧州特許第1,144,740号明細書に記載されており、その例としは、ポリエチレン−P0440 1、ポリエチレン−P04605 10、ポリエチレン−D0 184B、ポリウレタン−D0 187H、およびポリエチレン−D0188Q(いずれも、Spunfab,Ltd. of Cayahoga Falls,Ohioから入手可能)、Kraton D1 161P(Kraton Polymers U.S.,LLC of Houston,Texasから入手可能)、Macromelt 6900(Henkel Adhesives of Elgin,Illinoisから入手可能)、およびNoveon−Estane 5703(Lubrizol Advanced Materials,Inc.of Cleveland,Ohioから入手可能)が挙げられる。バインダーの量は、好ましくは多くとも20wt%、より好ましくは多くとも10wt%、最も好ましくは多くとも5wt%である。
【0029】
本発明のシートの製造に使用される布が織布である好ましい実施形態では、この織布は、バインダーやマトリックスを含まない。バインダーやマトリックスを含まない織布を圧縮することにより製造されるバインダーやマトリックスを含まないシートは、増大された2D曲げ弾性率を有しうることが観測された。そのような布から製造されるそのようなシートはまた、その機械的性質とくにその2D曲げ弾性率の増大された均一性を有しうることが観測された。また、とくにバスケット織り織布を使用した場合、離層が減少されうることが観測された。そのようなシートの表面上の異なる位置で測定したときの2D曲げ弾性率の変動は、低減されうることがさらに観測された。
【0030】
好ましくは、本発明のシートは、長さ(L)および幅(W)を有するシートであり、Lおよび/またはWは、少なくとも0.5m、より好ましくは少なくとも1m、最も好ましくは少なくとも1.5mである。より好ましくは、LおよびWは両方とも、少なくとも0.5m、より好ましくは少なくとも1mである。LおよびWの上限は、本発明のシートの意図される用途により決定される。好ましくは、本発明のシートの長さLおよび/または幅Wは、多くとも5メートル、より好ましくは多くとも4メートル、最も好ましくは多くとも3メートルである。そのような大きなサイズのシート(パネルとしても知られる)は、より容易にかつより迅速に設置可能であり、さらには、より効率的に製造されるので、建設材料としてより有利である。したがって、本発明はまた、パネルすなわち大きなサイズの本発明のシートに関する。本発明に係るパネルの利点は、これらのパネルが曲げおよび/または座屈に対する良好な耐性を有することでありうる。
【0031】
シートはまた、このシートの種々の特性をさらに向上させるために種々の従来の添加剤および強化剤を含みうる。たとえば、シートは、顔料、酸化防止剤、UV安定剤、および艶消剤などの添加剤を、本発明に係るシートの全質量を基準にして好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜5質量%の量でさらに含有しうる。
【0032】
本発明に係るシートの厚さは、広範囲にわたりうる。また、この厚さは、初期厚さ、すなわち、このシートに含有される布の圧縮前の厚さにより、および/またはこの布の枚数により、および/または圧力や時間などの加工条件により決定される。
【0033】
高分子繊維の例としては、ポリアミドおよびポリアラミド、たとえば、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(Kevlar(登録商標)として知られる)など、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ{2,6−ジイミダゾ−[4,5b−4,5’e]ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン}(M5として知られる)、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(PBO)(Zylon(登録商標)として知られる)、ポリ(ヘキサメチレンアジプアミド)(ナイロン6,6として知られる)、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン6として知られる)、ポリエステル、たとえば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)など、ポリビニルアルコール、たとえば、米国特許第4,384,016号明細書から公知のサーモトロピック液晶ポリマー(LCP)、さらには、ポリオレフィン、たとえば、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーなどから製造される繊維が挙げられるが、これらに限定されるものではない。以上で参照されたポリマーから製造される繊維の組合せもまた、本発明のシートに含有される布を製造するために使用可能である。好ましい繊維は、ポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、およびLCP繊維である。
【0034】
繊維とは、本明細書中では、長さ寸法がその横方向の幅および厚さの寸法よりもかなり大きい細長形状体とみなされるものである。繊維という用語はまた、種々の実施形態、たとえば、規則的もしくは不規則的な断面を有するフィラメント、リボン、ストリップ、バンド、テープなどを包含する。繊維は、連続長さを有しうるか(フィラメントとして当該技術分野で公知である)または不連続長さを有しうる(ステープル繊維として当該技術分野で公知である)。ステープル繊維は、一般的には、フィラメントを切断または牽切することにより得られる。本発明の目的に合った糸は、多数の繊維を含有する細長形状体である。
【0035】
非常に良好な結果は、高分子繊維がポリオレフィン繊維、より好ましくはポリエチレン繊維である場合に得られた。好ましいポリエチレン繊維は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維である。このポリエチレン繊維は、当該技術分野で公知の任意の技術により、好ましくは溶融紡糸プロセスまたはゲル紡糸プロセスにより製造可能である。最も好ましい繊維は、ゲル紡糸UHMWPE繊維、たとえば、Dyneema(登録商標)という名称でDSM Dyneemaにより販売されているものである。溶融紡糸プロセスを用いる場合、その製造に使用されるポリエチレン出発材料は、好ましくは20,000〜600,000、より好ましくは60,000〜200,000の重量平均分子量を有する。溶融紡糸プロセスの例は、欧州特許第1,350,868号明細書(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に開示されている。ゲル紡糸プロセスを用いてこの繊維を製造する場合、好ましくはUHMWPEは、好ましくは少なくとも3dl/g、より好ましくは少なくとも4dl/g、最も好ましくは少なくとも5lL/gの固有粘度(IV)を有するものが使用される。好ましくは、IVは、多くとも40dl/g、より好ましくは多くとも25dl/g、より好ましくは多くとも15dl/gである。好ましくは、UHMWPEは、C原子100個あたり1個未満の側鎖、より好ましくはC原子300個あたり1個未満の側鎖を有する。好ましくは、UHMWPE繊維は、欧州特許出願公開第0205960号明細書、欧州特許出願公開第0213208A1号明細書、米国特許第4413110号明細書、英国特許出願公開第2042414号明細書、英国特許出願公開第2051667号明細書、欧州特許第0200547B1号明細書、欧州特許第0472114B1号明細書、国際公開第01/73173A1号パンフレット、欧州特許第1,699,954号明細書、および”Advanced Fibre Spinning Technology”,Ed.T.Nakajima,Woodhead Publ.Ltd(1994),ISBN 185573 182 7をはじめとする多くの出版物に記載のゲル紡糸プロセスに従って製造される。
【0036】
好ましい実施形態では、本発明のシートの製造に使用される1枚もしくは複数枚の布中の少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、最も好ましくは100質量%の繊維は、ポリエチレン繊維、より好ましくはUHMWPE繊維である。ポリエチレン繊維を含有する布を用いて本発明のシートを製造することにより、このシートは、好適な2D曲げ弾性率に加えて、太陽光およびUVによる劣化に対する良好な耐性を示しうることが観測された。
【0037】
本発明のとくに好ましい実施形態では、繊維は、その幅および厚さよりもかなり長い長さならびにその厚さよりも長い幅を有する。すなわち、この繊維はテープである。テープは、好ましくはポリオレフィン製、より好ましくはUHMWPE製である。本発明の目的に合ったテープ(またはフラットテープ)は、少なくとも5:1、より好ましくは少なくとも20:1、さらにより好ましくは少なくとも100:1、そのうえさらにより好ましくは少なくとも1000:1の断面アスペクト比を有する繊維である。断面アスペクト比とは、本明細書中では、テープの断面の外周上の2点間の最大距離(これ以降ではテープの幅として参照される)と平均垂直距離(これ以降ではテープの厚さとして参照される)との比とみなされるものである。テープの厚さとは、本明細書中では、断面の外周上の対向する2点間の距離とみなされるものであり、この対向する2点は、それらの間の距離がこのテープの幅に垂直になるように選択される。テープの幅および厚さは両方とも、たとえば、光学顕微鏡または電子顕微鏡で撮影された写真から測定可能である。フラットテープの幅は、好ましくは1mm〜600mm、より好ましくは1.5mm〜400mm、さらにより好ましくは2mm〜300mm、そのうえさらにより好ましくは5mm〜200mm、最も好ましくは10mm〜180mmである。フラットテープの厚さは、好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは15μm〜100μmである。
【0038】
そのようなテープの好ましい形成プロセスは、一組のエンドレスベルト間に高分子粉末を供給することと、高分子粉末をその融点未満の温度で圧縮成形することと、得られた圧縮成形ポリマーを圧延し続いて延伸することと、を含む。そのようなプロセスは、たとえば、欧州特許出願公開第0733460A2号明細書(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。所望により、ポリマー粉末の供給および圧縮成形を行う前に、ポリマー粉末をこのポリマーの融点よりも高い沸点を有する好適な液体有機化合物と混合してもよい。圧縮成形はまた、ポリマー粉末をその搬送中にエンドレスベルト間に一時的に保持することにより行うことも可能である。これは、たとえば、エンドレスベルトに連結してプレスプラテンおよび/またはローラーを提供することにより行うことが可能である。好ましくは、このプロセスでは固体状態の延伸性UHMWPEを使用する。市販の固体状態の延伸性UHMWPEの例としては、Ticona製のGUR 4150(TM)、GUR 4120(TM)、GUR 2122TM、GUR 2126TM、Mitsui製のMipelon XM 220TMおよびMipelon XM 221 UTM、ならびにMontell製の1900TM、HB312CMTM、HB320CMTMが挙げられる。
【0039】
ASTM D2256に準拠して測定したときの繊維の引張り強度は、好ましくは少なくとも1.2GPa、より好ましくは少なくとも2.5GPa、最も好ましくは少なくとも3.5GPaである。ASTM D2256に準拠して測定したときの繊維の引張り弾性率は、好ましくは少なくとも30GPa、より好ましくは少なくとも50GPa、最も好ましくは少なくとも60GPaである。2D曲げ弾性率に関する最良の結果は、繊維が少なくとも2GPa、より好ましくは少なくとも3GPaの引張り強度および少なくとも40GPa、より好ましくは少なくとも60GPa、最も好ましくは少なくとも80GPaの引張り弾性率を有するUHMWPE繊維である場合に得られた。
【0040】
本発明はまた、以下の工程、すなわち、
a) 少なくとも1枚の織布または不織布を含む少なくとも1枚のシートを提供する工程と、ただし、この布は高分子繊維を含む、
b) 圧縮手段を用いてこのシートに60bar〜500barの接触圧力を加える工程と、
c) この接触圧力を加えながら3°/分〜200°/分の加熱速度でシートを高温(T)に加熱する工程と、ただし、この高温はこの繊維のピーク融解温度(T)未満であり、このTは拘束条件下でDSCにより決定される、
d) 5〜300分間にわたりシートを接触圧力下かつ高温に保持する工程と、
e) 続いて、接触圧力および高温を保持しながら3°/分〜200°/分の冷却速度でシートを冷却する工程と、
f) シートが50℃〜90℃の温度に達した時点以後に圧縮手段を解除する工程と、
を含む、本発明に係る圧縮シートの製造方法に関する。
【0041】
本発明に係るプロセスは、従来の圧縮手段、たとえば、少なくとも500barの圧縮圧力に達することが可能でありかつ少なくとも400℃の設定温度まで加熱するのに好適である任意のプレスを用いて行うことが可能である。そのような手段は、当該技術分野で周知であり、かつ市販品として入手可能であり、その例としては、Burkle、Fontijne、またはSiempelkampにより販売されているプレスが挙げられる。1barは、0.1MPaにほぼ等しい。
【0042】
好ましい実施形態では、本発明のシートは、本発明のプロセスの実施後に所望の厚さを有する圧縮シートが得られるような初期厚さを有する単一の折り畳まれていない布を含有する。好ましくは、布は織布である。当業者であれば、圧縮シートの所望の厚さを得るのに必要とされる布の初期厚さを通常の実験により決定することが可能である。驚くべきことに、本発明のプロセスを用いて、軽量であると同時に座屈および/または曲げに対する高い耐性を有する圧縮シートを得ることが可能であり、このシートが単一の布を含有するにすぎない場合でさえもそれが可能であることを見いだした。さらには、そのような圧縮シートは、大きい曲げ変形および/または座屈変形に付された時に実質的に離層を起こさないことが観測された。
【0043】
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程b)で加えられる接触圧力は、80〜450bar、より好ましくは100〜400bar、さらにより好ましくは150〜350bar、最も好ましくは250〜350barである。そのような高い接触圧力では、本発明に係るシートは、増大された2D曲げ弾性率さらには高い曲げ強度を示すことが観測された。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明のプロセスの工程b)は、60〜130℃、より好ましくは80〜120℃、最も好ましくは85〜110℃の予備加熱温度で予備加熱されたプレスを用いて行われる。好ましくは、シートは、接触圧力を加える前に2〜50分間、より好ましくは5〜30分間、最も好ましくは10〜20分間にわたり予備加熱温度で予備加熱プレス内に保持される。予備加熱能力を有するプレス装置は、当該技術分野ではかなり前から知られており、例としては、以上で列挙されたものが挙げられる。この実施形態では、本発明のシートは、特定的には、その機械的性質とくにその2D曲げ弾性率の増大された均一性(すなわち、測定が行われたシートの表面上の場所に関係しない)を呈しうることが観測された。
【0045】
さらなる好ましい実施形態では、接触圧力を加える前のシートの温度は、30〜100℃、より好ましくは50〜90℃、さらにより好ましくは70〜85℃である。シートは、たとえば、従来型のオーブン内でまたは赤外(IR)ランプを用いることにより加熱してからただちにプレス装置に移してもよい。この実施形態では、この均一性をさらに改良することが可能であるだけでなく、高い2D曲げ弾性率を達成するのに必要とされる本発明のプロセスの工程e)の圧縮時間を削減することも可能であることが観測された。
【0046】
本発明に係るプロセスによれば、シートは、本発明に係るプロセスの工程c)でその接触圧力を加えながら高温に加熱される。シートは、通常、プレスのプラテンなどの圧縮手段を加熱することにより(その結果としてこのシートが加熱される)、加熱される。いくつかの圧縮手段では、この手段に設定された高温とシートが到達する高温との間に差を生じることがある。この差は、この手段とシートとの間の不十分な熱伝達に起因する。シートの温度は、たとえば、本発明のシートの作製に使用される布の上またはその間に配置された熱電対により測定可能である。そのような差を生じた場合、この手段の温度は、本発明のプロセスの工程c)に必要とされる高温でシートが加熱されるように通常の方法で調整可能である。
【0047】
本発明に係るプロセスによれば、シートは、この繊維のピーク融解温度(T)未満の高温(T)まで接触圧力下で工程c)で加熱される。ただし、Tは、拘束条件下でDSCにより決定される。繊維が拘束条件下にある場合、たとえば、繊維が布の形態に構築され、かつ布が本発明に係るプロセスの工程c)のように接触圧力に付される場合、繊維のTは増加しうることが観測された。好ましくは、高温Tは、次の条件、すなわち、T−30℃<T<T、より好ましくはT−20℃<T<T−3℃、最も好ましくはT−10℃<T<T−3℃を満たす。DSCによりこのピーク融解温度(T)の精密な決定が行えない高分子繊維の場合、このTは、標準引張り強度の2%に等しい荷重下に置かれたときに繊維が破壊する温度とみなされる。この標準引張り強度は、ASTM D2256に準拠して室温(20℃)で測定される強度である。
【0048】
高温(T)および接触圧力さらには本発明のプロセスの他のパラメーターを注意深く選択することにより高分子鎖の二次再結晶に起因する低融解温度の第2の高分子相の出現を回避しうることが観測された。そのような第2の相の有無は、たとえば、DSC測定により、特定的には、英国特許第2,253,420号明細書に詳述されるように、容易に調べることが可能である。本発明者らは、本発明のシートの機械的性質の改良を少なくとも部分的にはこの第2の高分子相の不在に基づくものと考えた。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明に係るシートの少なくとも1枚の布に含有される繊維は、ポリエチレン繊維、より好ましくはUHMWPE繊維を含有する。より好ましくは、シートは、ポリエチレン繊維のみ、さらにより好ましくはUHMWPE繊維のみを含む布を含有する。好ましくは、この繊維は、幅、厚さ、断面アスペクト比などの以上に詳述された特性を有するテープである。好ましくは、そのような布を含有するシートは、80〜400bar、より好ましくは100〜350bar、最も好ましくは250〜350barの接触圧力下で、125〜158℃、より好ましくは125〜157℃、最も好ましくは130〜156℃の高温に、本発明に係るプロセスで加熱される。さらにより好ましくは、シートは、250〜350barの接触圧力下で151〜156℃の温度に加熱される。最も好ましくは、シートは、250〜350barの接触圧力下で154〜156℃の温度に加熱される。本発明者らは、実験研究時、たとえプレス温度のわずかな変動であっても特定の条件下では本発明に係るシートの最終的な機械的性質に影響を及ぼす可能性があることを観測した。以上に挙げたプロセス条件下では、本発明に係るシートの2D曲げ弾性率はさらに増大されることが観測された。また、高分子鎖の二次再結晶に起因する低融解温度の第2の高分子相の出現は回避されることが観測された。
【0050】
好ましくは、本発明に係るプロセスの工程c)およびe)の加熱速度および冷却速度は、それぞれ、5°/分〜100°/分、より好ましくは5°/分〜50°/分である。そのようなランプ速度を選択することにより、特定的には増大された2D曲げ弾性率だけでなくこの弾性率の増大された均一性をも有するシートを得ることが可能であることが観測された。
【0051】
好ましくは、シートは、10〜200分間、より好ましくは15〜100分間、より好ましくは20〜50分間にわたり接触圧力下に保持される。所要の時間は、本発明のプロセスの工程a)で使用される布の厚さまたは布の枚数の増加に伴って増加するであろう。この時間であれば本発明のシートの厚さ変動は低減されうることが観測された。
【0052】
良好な結果は、本発明のプロセスの工程a)のシートを20〜50分間にわたり150〜350barの接触圧力下で高温に保持した場合に得られた。好ましくは、シートは、UHMWPE繊維を含む少なくとも1枚の布を含有していた。より好ましくは、このシートに含有される1枚もしくは複数枚の布は、実質的に全部がUHMWPE繊維から製造される。
【0053】
本発明のプロセスの好ましい実施形態では、シートは、5〜300分間にわたり接触圧力下に保持され、その間、高温Tは、好ましくはT−30℃<T<T、より好ましくはT−20℃<T<T−3℃、最も好ましくはT−10℃<T<T−3℃の範囲内の段階的昇温プロファイルで上昇する。好ましくは、このプロファイルは、少なくとも1回の昇温工程、より好ましくは少なくとも2回の昇温工程を含む。このプロファイルは、さらには少なくとも3回の昇温工程を含みうる。好ましくは、高温は、昇温工程ごとに、1工程あたり多くとも10%、より好ましくは1工程あたり多くとも5%、最も好ましくは1工程あたり多くとも3%上昇される。設定された高温(T)を超えたり過度に超過したりすることは低減され、温度上昇がより制御された形でこの高温(T)に達するので、この実施形態に係るプロセスにより得られるシートの2D曲げ弾性率は、さらに増大されうることが観測された。さらには、本発明のシートは、その機械的性質の増大された均一性を示した。また、接着ラベルは、この実施形態に係るプロセスを用いて得られる本発明のシートに、より強力に接着可能であることが観測された。
【0054】
さらなる好ましい実施形態では、本発明に係るシートの少なくとも1枚の布に含有される繊維は、ポリエチレン繊維、より好ましくはUHMWPE繊維であり、さらにより好ましくは、このUHMWPE繊維はUHMWPEテープであり、かつ布は、本発明のプロセスの工程c)で、好ましくは133〜158℃、より好ましくは135〜157℃、さらにより好ましくは137〜146℃、最も好ましくは153〜156℃の高温Tに加熱され、かつ本発明のプロセスの工程d)で、シートは、5〜300分間にわたり接触圧力下に保持され、かつこの間、高温Tは、好ましくは、段階的プロファイルで上昇した。好ましくは、この工程d)では、この時間は30〜70分間であった。好ましくは、高温Tは、少なくとも1回の工程で1工程あたり少なくとも10%、より好ましくは少なくとも2回の工程で1工程あたりの多くとも3%上昇した。これらのプロセス条件下では、さらには、本発明に係るシートの2D曲げ弾性率はさらに増大されうることが観測された。
【0055】
接触圧力は、本発明のプロセスの工程e)で、シートが50℃〜90℃、好ましくは60℃〜85℃、より好ましくは70℃〜80℃に冷却された時以後に解除される。この温度で接触圧力を解除することにより、複数の方向で改良された機械的性質を有するシートを得ることが可能であることが観測された。
【0056】
本発明のプロセスはさらに、本発明に係る複数のシートが積層一体化されるさらなる積層工程を含みうる。本発明のプロセスはまた、本発明のシートに少なくとも1つ曲率が付与されるかまたは周囲領域に対して隆起もしくは陥没した局所領域が付与される成形工程を含みうる。そのような成形工程は、従来の成形装置を用いて実施可能であり、その際、本発明のシートは、2つの表面間で圧縮され、少なくとも一方の表面は、このシートに転写されることが望まれる特徴、たとえば、局所領域、少なくとも1つの方向の曲率などを含有する。他の選択肢として、本発明のプロセスの圧縮工程b)は、そのような従来の成形装置で実施可能である。
【0057】
本発明のシートは、建設材料として使用するのに、特定的には、界壁、ライナー、パネル、ハリケーン級の強風に対する保護パネル、コンテナー、レドーム、ボックス、キット、屋根、ダンプカー、トロリー、カート、および床などの物品を作製するのに好適であることが判明された。したがって、本発明は、本発明に係るシートを含むそのような建設材料および挙げられた物品に関する。
【0058】
本発明はまた、自動車などの後ろから牽引するように適合化されるトレーラー、特定的には、たとえば、米国特許第7,258,390号明細書に開示されるようなキャンピングトレーラーに関する。このトレーラーは、本発明に係るシートおよび/またはパネルを含む。本発明はまた、たとえば米国特許第7,300,086号明細書に開示されるようなモーターホームに関する。このモーターホームは、本発明に係るシートおよび/またはパネルを含む。そのようなトレーラーまたはモーターホームは、良好な機械的安定性および耐衝撃性を有すると同時に軽量であるので、それらの輸送に必要とされた燃料の量が低減されることが観測された。
【0059】
特定的には、本発明は、本発明のシートを含むコンテナーに関する。本発明に係るコンテナーは、改良された寸法安定性および増大された耐損傷性を示すことが観測された。特定的には、このコンテナーの壁は、貯蔵品がコンテナー内で移動してこの壁に内部から押力を加える場合に座屈または膨出を起こしにくいことが観測された。また、このコンテナーを屋外環境で貯蔵した場合、コンテナーの頂部に蓄積した堆積物は、その頂部の過度の垂下を引き起こすことはなかった。したがって、本発明のコンテナーは、その利用方法や貯蔵方法に実質的に依存せずに一定の貯蔵容積を保持する。
【0060】
驚くべきことに、一時接着ラベル、たとえば、所有者の名前を表すべく物流会社により通常使用されるものなどは、本発明のシート上つまりコンテナー上で改良された接着性を示し、それを剥離するには増大された力を必要とすることが観測された。結果として、本発明に係るコンテナーは、そのようなラベルの再接着を必要とすることなく貯蔵可能である。
【0061】
また、驚くべきことに、本発明に係るコンテナーは、フォークリフトによる衝撃に対する優れた耐穿孔性さらには直射日光を受ける空地で貯蔵した場合に良好な耐UV劣化性を示すことが判明した。
【0062】
本発明に係るコンテナーは、このコンテナーを形成するために連結一体化されるいくつかのパネルから作製可能である。パネルは、接着剤または締結具たとえばリベットもしくはナット/ボルト集成体などにより連結一体化可能である。
【0063】
コンテナーの壁は、曲面状または平面状でありうる。好ましくは、壁は、平面状である。したがって、コンテナーは、さまざまな形状を有しうる。好適な例としては、米国特許第6,991,124号明細書、米国特許第5,312,182号明細書、米国特許第5,180,190号明細書、米国特許第4,889,258号明細書、および米国特許第3,786,956号明細書(それらの開示内容はすべて参照により本明細書に組み入れられるものとする)に開示されるものが挙げられる。
【0064】
特定の実施形態では、本発明に係るコンテナーは、航空機による輸送時に旅行鞄および他の積荷を運ぶためのコンテナー(通常、ユニットロードデバイス(ULD)と呼ばれる)である。航空業界内では、ULDに分けることにより積荷をコンパートメント化することが標準的な慣行である。ULDは、航空機の胴体にULDが整合しうるように適切に傾斜した表面を含みうるボックスとして造形される。
【0065】
ULDの作製に本発明のシートを用いることにより、増大された寸法安定性を有しかつ軽量であるより大きいサイズのULDを製造することが可能であることが観測された。さらには、このULDは、それに付着した微生物に対する増大された耐性を有するので、食品などの輸送に好適であることが観測された。
【0066】
好ましくは、本発明のコンテナーは、平面状の本発明のパネルをフレームに結合することにより作製される。このフレームは、好ましくは、軽量材料から作製され、縁プロファイルを有して造形される。フレームは、好ましくは、ガラス繊維または炭素繊維で強化された軽量複合材から作製される。より好ましくは、このフレームは、アルミニウムもしくはマグネシウムまたは他の軽金属から作製される。そのような構造体は、高い機械的安定性および耐衝撃性を有するだけでなく軽量であることが判明した。
【0067】
通常は税関を通過し走査の必要な製品、たとえば、ボックス、コンテナーなどが抱える共通した問題は、これらの製品が、走査放射線(通常はX線)をかなりの程度まで吸収し、したがって、得られる内部の画像のコントラストが弱くなるので、通常は開放が必要であることである。しかしながら、そのような製品は、本発明のシートまたはパネルを含有する場合、たとえばX線照射がより容易であることが観測された。なぜなら、それらは、そのような放射線に対してきわめて不透過性のアルミニウムシートを含有する製品と比較したときに放射線をほとんど吸収しないからである。したがって、たとえば、安全性が大きな関心事である航空貨物用コンテナーでは、そのような放射線透過性は、武器、爆発物、および内部に保存された他の禁制材料をより良好に検出するうえで利点となる。
【0068】
本発明はさらに、ハリケーン級の強風に対して建築物を保護するためのシステムに関する。このシステムは、本発明に係るシートを含有する衝突面を含有するパネルを含み、このシステムはまた、保護対象の建築物の少なくとも一部分の前方にこのシステムを取り付けるための手段、たとえば、フック、ボルト、ロープなどを含有する。衝突面とは、本明細書中では、風により運ばれる細片による衝撃を最初に受けるパネルの面とみなされるものである。好ましくは、この衝突面は、本発明に係るシートよりなる。
【0069】
本発明はさらに、本発明に係るシートと、このシートを上に取り付けるように適合化された構造フレームと、を含むドームに関する。より特定的には、本発明は、本発明に係るシートと、このシートを上に取り付けるように適合化されたフレームと、レドーム内に取り付けられたアンテナ素子と、を含むレドーム、より特定的にはジオデシックレドームに関する。レドームは、たとえば、米国特許第5,182,155号明細書から当該技術分野で公知である。公知のレドームは、ガラス繊維などで強化された重い複合壁構造体を有する。本発明に係るレドーム、特定的にはジオデシックレドームは、本発明に係る軽量シートがその作製に使用されるので、公知のレドームよりも作製および維持がより容易であることが観測された。さらには、本発明に係るレドームは、その上に堆積する風、霰(hale)、および雪に耐える良好な構造安定性を有する。
【0070】
[測定方法]
カバーファクター: 織布の場合、経方向および緯方向の1センチメートルあたりの個別の織り糸の平均数と個別の織り糸の線密度(tex単位)の平方根とを掛け算してから10で割り算することにより計算される。個別の織り糸は、作製されたままの状態の単糸を含有しうるか、または製織プロセスの前に個別の織り糸に集合された作製されたままの状態の複数の糸を含有しうる。後者の場合、個別の織り糸の線密度は、作製されたままの状態の糸の線密度の合計である。したがって、カバーファクター(CF)は、式:
【数1】


に従って計算可能である。式中、mは、1センチメートルあたりの個別の織り糸の平均数であり、pは、織り糸に集合された作製されたままの状態の糸の本数であり、tは、作製されたままの状態の糸の線密度(tex単位)であり、かつTは、個別の織り糸の線密度(tex単位)である。
【0071】
AD: 好ましくは0.4m×0.4mのサンプルの重量を0.1gの誤差で測定することにより決定した。
【0072】
固有粘度(IV): ポリエチレンの場合、方法PTC−179(Hercules Inc.Rev.Apr.29,1982)に準拠して、135℃で、デカリン中で、16時間の溶解時間で、酸化防止剤として所定量の2g/l溶液のDBPCを用いて、さまざまな濃度で測定された粘度を濃度ゼロに外挿することにより、決定される。
【0073】
: 使用した代表的サンプルは、5mmの直径および2mmの高さを有する円筒状アルミニウムスプール上に巻回された10mgの繊維よりなるものであった。繊維の末端は、結んで固定した。巻回時に約0.05N/texの応力を加えた。インジウムおよびスズで校正された入力補償PerkinElmer DSC−7装置を用いて、10℃/分の加熱速度で、拘束条件下の繊維のピーク融解温度をDSCにより決定した。DSC−7装置の校正(2点温度校正)を行うために、約5mgのインジウムおよび約5mgのスズを使用し、両方とも少なくとも小数第2位まで秤量した。インジウムは、温度および熱流量の両方の校正に使用され、スズは、温度の校正だけに使用される。安定したベースラインおよび良好なサンプル温度安定性が得られるように、4℃の温度を有する水でDSC−7の炉ブロックを冷却し、一定のブロック温度を提供するようにする。炉ブロックの温度は、最初の分析の開始前、少なくとも1時間安定でなければならない。代表的サンプルをアルミニウムDSCサンプル皿(50μl)中に入れ、アルミニウム蓋(丸形面を上に向けて)でカバーしてからシールする。サンプル皿中(または蓋中)には、圧力上昇を回避するために小孔が穿孔されていなければならない(皿が変形するので熱的接触が悪くなる)。サンプル皿は、校正されたDSC−7装置中に入れられ、この装置はまた、参照炉中に、繊維のないアルミニウムスプールを含有するサンプル皿(同様に有孔蓋でカバーしてからシールする)をも含有する。分析対象の繊維に応じて標準的DSC温度プログラムを使用する。UHMWPE繊維の場合、以下の温度プログラムが実行される。
【0074】
1. サンプルを40℃で5分間保持する(安定化時間)。
2. 10℃/分で温度を40℃から200℃まで上昇させる(第1の加熱曲線)。
3. サンプルを200℃で5分間保持する。
4. 温度を200℃から40℃まで低下させる(冷却曲線)。
5. サンプルを40℃で5分間保持する。
6. 場合により、第2の加熱曲線を得るために10℃/分で温度を40℃から200℃まで上昇させる。
DSC炉のサンプル側で空のスプール具を含有する皿を用いて同一の温度プログラムを実行する(空の皿の測定)。当該技術分野で公知のように第1の加熱曲線の分析を行い、分析される繊維のピーク融解温度を決定する。さらには、当該技術分野で広く知られているように、ピーク面積を積分することにより融解熱ΔHを得ることが可能である。さらには、純粋UHMWPE高分子結晶の融解熱であるΔH293J/gで割り算することにより、UHMWPE繊維の結晶化度を計算することが可能である。ベースラインの湾曲を補正するために、サンプル曲線から空の皿の測定結果を引き算する。ピークの前後のフラット部分(UHMWPEの場合、60℃および190℃)でベースラインを整合させることにより、サンプル曲線の傾きの補正を行う。ピーク高さは、ベースラインからピークの頂点までの距離である。
【0075】
剥離力: サンプルの表面に対して90°の角度でその長さ方向に沿ってそれを牽引することにより、シートの表面に接着されたステッカーを引き剥がすのに必要とされる力(グラム単位)である。使用したステッカーは、5×16cmサイズのステッカー「Avery Graphics 400 Permanent」であり、このステッカーの表面全体を約5Kgの力で均一に約1分間プレスすることにより、シートの表面上に配置した。
【0076】
撓み: ISO178規格に準拠した3点曲げ試験を用いて測定し、試験サンプルで20mmの撓みを誘導するのに必要な力として定量化した。試験速度は1mm/分であり、サンプルの幅は25±0.5mmであり、厚さ対幅の比は約70であり、荷重縁の半径は5mmであり、かつ支持体の半径は2mmであった。
【0077】
衝撃エネルギー: 5mmの半径および4.93kgの質量(m)を有する半球形ダートをさまざまな高さ(h)から落下させることにより、以下の式
衝撃エネルギー=m・g・h
に従って測定した。gは、重力加速度であり、9.81m/secに等しい。各サンプルに5回の衝撃を加え、結果を平均した。サンプル中へのダートの貫通が達成されるまで、高さを増加させた。貫通が達成された高さを終了落下高さと呼んだ。衝撃エネルギーとは、衝撃回数の50%でサンプルの貫通を誘導するために必要とされるエネルギーのことである。
【0078】
[実施例および比較実験]
[実施例1]
UHMWPE繊維から作製された平織布の2層からシートを集成した。この繊維は、Dyneema(登録商標)SK 75という名称でDSM Dyneemaにより販売されており、1760dtexの繊度を有する。各層は、約650g/mの面密度、約9.6のカバーファクター、および約0.9mmの圧縮前厚さを有していた。バインダーやマトリックスは使用しなかった。
【0079】
スチーム加熱式Fontijneプレスを用いて90barの接触圧力で層を圧縮し、その後、プレスの温度を約10℃/分の加熱速度で130℃の第1の温度に上昇させた。この第1の温度でシートを4分間にわたり圧縮下に保持し、その後、プレスの温度を155℃の第2の温度に再び上昇させた。層間に配置された標準熱電対により測定したときのプレスのこの第2の温度におけるシートの温度は、約152℃であった。シートを第2の温度に30分間保持した。
【0080】
続いて、約20℃/分の冷却速度でシートを20℃まで冷却し、約20℃の温度でプレスを解除した。
【0081】
経糸および緯糸の配向方向で2D曲げ弾性率を測定した。
【0082】
[実施例2]
平織布の2層の代わりにバスケット織り布の3層を用いた以外は、実施例1を反復した。バスケット織り布の各層は、約347g/mの面密度、約5.9のカバーファクター、および約0.5mmの圧縮前厚さを有していた。
【0083】
[実施例3]
接触圧力が300barであった例外は、実施例1を反復した。
【0084】
[実施例4]
布の層を交差積層単層から作製した例外は、実施例2を反復した。各単層は、ポリウレタンバインダーにより保持一体化された一方向配向Dyneema(登録商標)SK 75を含有していた。単層中のバインダーの量は、20wt%であった。布の面密度は、800g/mであった。
【0085】
単層中の繊維の配向方向およびその垂直方向で2D曲げ弾性率を測定した。
【0086】
[実施例5]
布の層を作製するためにDyneema(登録商標)SK 75を使用する代わりにテープを使用したこと以外は、実施例1を反復した。このテープは、UHMWPEから製造され、50mmの幅、45μmの厚さ、1.6GPaの強度、および100GPaの弾性率を有していた。布の層の緯糸を形成するテープは、ほとんど重なることなく(すなわち2mm未満の重なりで)互いに当接していた。同じことは、経糸を形成するテープにもあてはまる。層の面密度は、約90g/mであった。接触圧力は、300barであった。
【0087】
[実施例6]
UHMWPE繊維から作製された557綾織り布(5/1綾)の7層からシートを集成した。この繊維は、Dyneema(登録商標)SK 75という名称でDSM Dyneemaにより販売されている。各層は、約263g/mの面密度、約9.92のカバーファクター、および約0.9mmの圧縮前厚さを有していた。バインダーやマトリックスは使用しなかった。
【0088】
層を80℃の温度に10分間予備加熱し、その後、300barの接触圧力でスチーム加熱式Fontijneプレスを用いて圧縮し、その後、プレスの温度を約10℃/分の加熱速度で154℃まで上昇させた。この第1の温度でシートを圧縮下に50分間保持した。層間に配置された標準熱電対により測定したときのプレスのこの第2の温度におけるシートの温度は、約152℃であった。
【0089】
続いて、約20℃/分の冷却速度でシートを20℃まで冷却し、約20℃の温度でプレスを解除した。
【0090】
経糸および緯糸の配向方向で2D曲げ弾性率を測定した。
【0091】
[実施例7]
プレス温度が158℃であったこと以外は、実施例6を反復した。
【0092】
[比較例実験A]
90barの圧力かつ161℃の温度(布の層間に配置された熱電対で測定したとき)でシートを圧縮したこと以外は、実施例2を反復した。
【0093】
[比較例実験B]
25barの圧力かつ161℃の温度(布の層間に配置された熱電対で測定したとき)でシートを圧縮したこと以外は、実施例2を反復した。
【0094】
結果は、以下の表に提示される。
【0095】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚の織布または不織布を含む圧縮シートであって、前記布が高分子繊維を含み、前記シートが、ASTM D790−07に準拠して測定したとき、少なくとも二方向で少なくとも15GPaの曲げ弾性率を有し、かつ前記方向の1つが、前記少なくとも1枚の織布または不織布に含有される第1の主要量の繊維の配向方向であることを特徴とする、シート。
【請求項2】
前記シートが平面状であり、かつ前記曲げ弾性率の測定される方向が前記シートの平面内に含まれる、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記シートが1枚の布、好ましくは1枚の織布を含有する、請求項1または2のいずれか1項に記載のシート。
【請求項4】
前記第1の主要量の繊維の配向方向が、前記繊維が前記布に含有される場合、少なくとも10質量%に共通した配向方向である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート。
【請求項5】
前記布が実質的にマトリックスを含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
前記シートの長さLおよび/または幅Wが少なくとも0.5メートルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
前記布が、ゲル紡糸超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維を含有する織布である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
少なくとも10GPaの曲げ剛性を有する圧縮シートの製造方法であって、このプロセスが、以下の工程、すなわち、
a. 少なくとも1枚の織布または不織布を含む少なくとも1枚のシートを提供する工程と、ただし、前記布は高分子繊維を含む、
b. 圧縮手段を用いて前記シートに60bar(6MPa)〜500bar(50MPa)の接触圧力を加える工程と、
c. 前記接触圧力を加えながら3°/分〜200°/分の加熱速度で前記シートを高温(T)に加熱する工程と、ただし、前記高温は、拘束条件下でDSCにより決定したときに前記繊維のピーク融解温度(T)未満である、
d. 5〜300分間にわたり前記シートを前記接触圧力下かつ前記高温に保持する工程と、
e. 続いて、前記接触圧力および前記高温を保持しながら3°/分〜200°/分の冷却速度で前記シートを冷却する工程と、
f. 前記シートが50℃〜90℃の温度に達した時点以後に前記圧縮手段を解除する工程と、
を含む、方法。
【請求項9】
工程bで前記シートが150MPa〜350MPaの圧力で圧縮される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記シートが、5〜300分間にわたり前記接触圧力下に保持され、その間、前記高温Tが、T−30℃<T<Tの範囲の段階的昇温プロファイルで上昇する、請求項8または9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維がUHMWPE繊維であり、かつ前記シートが150〜350barの接触圧力下で145〜148℃の高温に加熱される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートを含む物品であって、界壁、ライナー、レドーム、ジオデシックレドーム、パネル、コンテナー、ボックス、キット、屋根、ダンプカー、トロリー、カート、および床からなる群から選択される、物品。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートを含むトレーラー、好ましくはキャンピングトレーラー。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートを含むコンテナー、特定的にはユニットロードデバイス。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートと、前記シートを上に取り付けるように適合化されたフレームと、レドーム内に取り付けられたアンテナ素子と、を含むレドーム、特定的にはジオデシックレドーム。

【公表番号】特表2012−524678(P2012−524678A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506498(P2012−506498)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055337
【国際公開番号】WO2010/122099
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】