説明

圧縮機用モータおよびそれを用いた電動圧縮機

【課題】モータリード線を短くできるとともに、モータハウジングをコンパクトにし、電動圧縮機を小型軽量化することができる圧縮機用モータおよびそれを用いた電動圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】モータ10のステータコイルエンドカバー38またはボビン37Aの外周部位に、モータ10のステータコイルエンドとモータリード線を介して接続されているクラスタブロック39を、その端子接続口を外周側に向けて設置し、モータ10側に設けられたクラスタブロック39と対向するモータハウジング4の外周部位に、ハーメチック端子8を挿入設置する開口34および設置座面35を設け、ハーメチック端子8をモータハウジング4の外周側から開口34および設置座面35に挿入設置することによって、その端子をクラスタブロック39の端子接続口に直接接続可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング内のモータに対して、ハーメチック端子を介して外部から電力が印加される圧縮機用モータおよびそれを用いた電動圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動圧縮機において、圧縮機構を駆動するための圧縮機用モータは、圧縮機構と共に密閉構造とされたハウジング内に内蔵されている。この圧縮機用モータには、ハウジングを貫通するように設置されているハーメチック端子を介して、外部からインバータを経て電力が供給されるようになっている。つまり、ハウジングを貫通するハーメチック端子を設置し、このハーメチック端子にモータコイルエンドから導出されているリード線のファストン端子を接続することによって、外部電源と密閉構造とされたハウジングに内蔵されている圧縮機用モータとを電気的に結線し、電力を供給するようにしている。
【0003】
この場合、非常に狭いスペースで、UVWの3本のリード線に設けられているファストン端子をハーメチック端子に嵌合固定して接続しなければならず、組み立て時の作業性が悪い上に、余分な作業スペースを確保しなければならないことから、ハウジング、ひいては電動圧縮機の外形が大型化してしまうという問題があった。このようなファストン端子によるモータリード線の接続性の問題を改善するため、UVW端子を樹脂製ケースにより一体化したクラスタブロックを用い、ハーメチック端子とモータハーネス(リード線)とを電気的に接続するようにしたものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−59809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されたものは、モータステータの外周部位に固定設置されたクラスタブロックに対し、モータのステータコイルエンドの圧縮機構側でステータコイルから導出されたモータハーネスを配線接続するとともに、ステータコイルエンドの反対側でハウジング底部に貫通設置されているハーメチック端子を差し込み接続する構成を採用している。このため、モータを収容しているハウジングの外周に、クラスタブロックおよびモータハーネスを配設するスペースを、モータステータの全長に亘って形成しなければならず、必ずしもハウジングを小型軽量化することができないとともに、モータハーネスの長さが長くなってしまう等の課題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、モータリード線を短くできるとともに、モータハウジングをコンパクトにし、電動圧縮機を小型軽量化することができる圧縮機用モータおよびそれを用いた電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の圧縮機用モータおよびそれを用いた電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる圧縮機用モータは、モータハウジング内に設置されているモータに対し、ハーメチック端子を介して外部から電力が印加される圧縮機用モータにおいて、前記モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、前記モータのステータコイルエンドとモータリード線を介して接続されているクラスタブロックを、その端子接続口を外周側に向けて設置し、前記モータ側に設けられた前記クラスタブロックと対向する前記モータハウジングの外周部位に、前記ハーメチック端子を挿入設置する開口および設置座面を設け、前記ハーメチック端子を前記モータハウジングの外周側から前記開口および設置座面に挿入設置することにより、その端子を前記クラスタブロックの前記端子接続口に直接接続可能としたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、モータのステータコイルエンドとモータリード線を介して接続されているクラスタブロックを、その端子接続口を外周側に向けて設置し、このクラスタブロックと対向するモータハウジングの外周部位に設けられている開口および設置座面に、ハーメチック端子をモータハウジングの外周側から挿入設置することにより、その端子をクラスタブロックの端子接続口に直接接続可能としているため、ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位にモータリード線と接続されたクラスタブロックが設置されているモータを、モータハウジングの所定位置に挿入設置した状態で、該モータハウジングの外周側から開口を通してハーメチック端子をクラスタブロックの端子接続口に直接挿し込み接続し、ハーメチック端子をモータハウジングの設置座面に固定設置することにより、モータハウジング内のモータに対してハウジングの外部側から電気的結線を行うことができる。従って、モータハウジング内の狭小空間でモータリード線とハーメチック端子とを結線する必要がなく、モータの組み立てを容易化することができるとともに、モータのリード線長を短くすることができる。また、モータのステータコイルエンド側にモータリード線の結線用スペースを確保したり、モータハウジングの全長に亘りクラスタブロックやモータリード線等の配設空間を確保したりする必要のない圧縮機用モータとすることができ、ひいてはハウジングおよび電動圧縮機を小型軽量化することができる。
【0009】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上記の圧縮機用モータにおいて、前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンに対して、周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、クラスタブロックが、ステータコイルエンドカバーまたはボビンに対して、周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置されているため、このクラスタブロックの微小変位によって、ハーメチック端子の組み付け時の公差を吸収することができる。従って、ハーメチック端子をモータハウジングの外部側からクラスタブロックに対して容易に挿し込み接続することができ、モータの組み立てを容易化することができる。
【0011】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上述のいずれかの圧縮機用モータにおいて、前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位から立設された複数の爪部に対して、周方向および/または軸方向に微小隙間をもって嵌合される取付け孔を介して微小変位可能に係止めされていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、クラスタブロックが、ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位から立設された複数の爪部に対して、周方向および/または軸方向に微小隙間をもって嵌合される取付け孔を介して微小変位可能に係止めされているため、クラスタブロックをステータコイルエンドカバーまたはボビンに立設されている複数の爪部に対し、隙間を有する取付け孔を介して嵌合することにより、クラスタブロックを簡単に微小変位可能に係止めすることができる。従って、クラスタブロックのモータに対する組み付けおよびモータの組み立てを容易化することができる。
【0013】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上述のいずれかの圧縮機用モータにおいて、前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位と接する内周面が、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、クラスタブロックのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に接する内周面が、ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされているため、クラスタブロックの内周面をステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿わせて設置することにより、クラスタブロックをステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に安定的に設置することができる。従って、クラスタブロックに対するハーメチック端子の挿し込み接続を容易化することができる。
【0015】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上記の圧縮機用モータにおいて、前記クラスタブロックは、UVW端子の中央部に配置される端子がその両側部に配置される端子よりも上方に配置された段付き構造とされ、その内周面側が前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、クラスタブロックが、UVW端子の中央部に配置される端子がその両側部に配置される端子よりも上方に配置された段付き構造とされ、その内周面側がステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされているため、段付き構造とされたクラスタブロックの内周面側をステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿わせて設置することにより、クラスタブロックを安定的に設置することができ、従って、クラスタブロックに対するハーメチック端子の挿し込み接続を容易化することができる。また、クラスタブロックの外周面側も段付き形状とされ、モータハウジングの内周面に沿った形状とされることによって、ハウジング径をも小径化し、その小型化を図ることができる。
【0017】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上述のいずれかの圧縮機用モータにおいて、前記クラスタブロックには、前記モータリード線をガイドするガイド部が一体に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、クラスタブロックにモータリード線をガイドするガイド部が一体に設けられているため、クラスタブロックに一体に設けられているガイド部を介して、モータリード線をクラスタブロックに接続することができ、これによりモータリード線の飛び出しや他部品への接触を抑えることができる。従って、モータリード線の飛び出しや他部品への接触によるトラブルを防止し、圧縮機用モータの信頼性を向上することができる。
【0019】
さらに、本発明の圧縮機用モータは、上述のいずれかの圧縮機用モータにおいて、前記モータハウジングには、前記ハーメチック端子が設置されている位置の外周部位にインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部に設置されたインバータにより制御された電力が前記ハーメチック端子を介して前記モータに印加されるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、モータハウジングのハーメチック端子が設置されている位置の外周部位にインバータ収容部が設けられ、ここに設置されたインバータにより制御された電力がハーメチック端子を介してモータに印加されるように構成されているため、インバータ収容部に設けられたインバータ側のUVW端子とハーメチック端子とを電気的に接続することにより、ハーメチック端子を介してモータハウジングに組み込まれているインバータで制御された電力をモータに印加し、該モータを駆動することができる。従って、モータハウジングの内外に設けられているモータとインバータ間の結線を簡素化、容易化し、インバータ駆動の圧縮機用モータの組み立てを容易化することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかる電動圧縮機は、ハウジング内に、圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する圧縮機用モータとが内蔵されている電動圧縮機において、前記モータハウジングに対して、前記圧縮機構を内蔵した圧縮機ハウジングが一体に結合され、前記圧縮機構が前記モータハウジング内に内蔵されている上述のいずれかの圧縮機用モータと連結され、該圧縮機用モータを介して駆動可能とされていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、ハウジング内に、圧縮機構および圧縮機用モータが内蔵されている電動圧縮機において、モータハウジングに対して、圧縮機構を内蔵した圧縮機ハウジングが一体に結合され、圧縮機構がモータハウジング内に内蔵されている上述のいずれかの圧縮機用モータと連結され、該圧縮機用モータを介して駆動可能とされているため、上述のいずれかの圧縮機用モータを介して、該圧縮機用モータに連結されている圧縮機構を駆動することができる。従って、電動圧縮機の組み立てを容易化し、生産性を高めることができるとともに、電動圧縮機を小型化し、低コスト化と搭載性の向上を図ることができる。
【0023】
さらに、本発明の電動圧縮機は、上記の電動圧縮機において、前記圧縮機構は、前記モータの前記クラスタブロックが設置されている前記ステータコイルエンド側で前記モータのロータに結合されている回転軸と連結されていることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、圧縮機構が、モータのクラスタブロックが設置されているステータコイルエンド側でモータのロータに結合されている回転軸と連結されているため、モータのステータコイルエンド側にモータリード線をハーメチック端子と結線するためのスペースを確保する必要がなく、その分だけモータと圧縮機構とを互いに接近して連結することが可能となる。従って、電動圧縮機の軸方向寸法を小さくし、電動圧縮機を小型コンパクト化することができる。
【0025】
さらに、本発明の電動圧縮機は、上述のいずれかの電動圧縮機において、前記圧縮機構の構成部品の一部が、前記モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、前記圧縮機構側に一部が突出されて設置されている前記クラスタブロックの内径側に配置され、軸方向において互いに重なり合うように配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、圧縮機構の構成部品の一部が、モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、圧縮機構側に一部が突出されて設置されているクラスタブロックの内径側に配置され、軸方向において互いに重なり合うように配置されているため、モータステータへのクラスタブロックの設置にかかわらず、圧縮機構の一部とクラスタブロックとのオーバーラップ配置により圧縮機構とモータとを互いに接近させて連結することができる。従って、電動圧縮機の軸方向寸法を小さくし、コンパクト化を実現することができる。
【0027】
さらに、本発明の電動圧縮機は、上述のいずれかの電動圧縮機において、前記モータハウジングの外周部位に設けられているンバータ収容部に前記インバータが設置され、前記圧縮機用モータを駆動制御する前記インバータが前記モータハウジングの外周部に組み込まれて一体化されていることを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、モータハウジングの外周部位に設けられているンバータ収容部にインバータが設置され、圧縮機用モータを駆動制御するインバータがモータハウジングの外周部に組み込まれて一体化されているため、インバータがモータハウジングの外周部に組み込まれたインバータ一体型の電動圧縮機を一層小型コンパクト化することができる。従って、電動圧縮機の空調装置等への搭載性を向上し、その商品価値を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の圧縮機用モータによると、ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位にモータリード線と接続されたクラスタブロックが設置されているモータを、モータハウジングの所定位置に挿入設置した状態で、該モータハウジングの外周側から開口を通してハーメチック端子をクラスタブロックの端子接続口に直接挿し込み接続し、ハーメチック端子をモータハウジングの設置座面に固定設置することによって、モータハウジング内のモータに対してハウジングの外部側から電気的結線を行うことができるため、モータハウジング内の狭小空間でモータリード線とハーメチック端子とを結線する必要がなく、モータの組み立てを容易化することができるとともに、モータのリード線長を短くすることができる。また、モータのステータコイルエンド側にモータリード線の結線用スペースを確保したり、モータハウジングの全長に亘りクラスタブロックやモータリード線等の配設空間を確保したりする必要のない圧縮機用モータとすることができ、ひいてはハウジングおよび電動圧縮機を小型軽量化することができる。
【0030】
本発明の電動圧縮機によると、上述のいずれかの圧縮機用モータを介して、該圧縮機用モータに連結されている圧縮機構を駆動することができるため、電動圧縮機の組み立てを容易化し、生産性を高めることができるとともに、電動圧縮機を小型化し、低コスト化と搭載性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動圧縮機のインバータ部を省略した縦断面図である。
【図2】図1に示す電動圧縮機の圧縮機用モータ側の平面図である。
【図3】図1に示す電動圧縮機の圧縮機用モータ側を圧縮機構側から見た正面図である。
【図4】図1に示す電動圧縮機の圧縮機用モータ側のステータの縦断面図である。
【図5】図1に示す電動圧縮機に適用する圧縮機用モータのステータ単体の正面図である。
【図6】図5に示す圧縮機用モータのステータの側面図である。
【図7】図5に示す圧縮機用モータのステータコイルエンドカバーおよびそれに組み付けられるクラスタブロックの分解斜視図である。
【図8】図7に示すステータコイルエンドカバーとクラスタブロックとの組み付け部の拡大断面図(A)とその変形例の拡大断面図(B)およびクラスタブロックの斜視図(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図8を用いて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る電動圧縮機のインバータ部を省略した縦断面図が示され、図2には、その圧縮機用モータ側の平面図、図3には、圧縮機用モータ側を圧縮機構側から見た正面図、図4には、圧縮機用モータ側の縦断面図が示されている。
本実施形態においては、電動圧縮機1として、スクロール型の電動圧縮機1が例示されている。電動圧縮機1は、外殻を構成する筒状のハウジング2を備えている。ハウジング2は、有底の筒状をなすアルミダイカスト製の圧縮機ハウジング3と、モータハウジング4とから構成されており、各々に一体成形されているフランジ部3A,4A同士を、Oリング6を介してボルト5で締結することにより一体化された構成とされている。
【0033】
モータハウジング4の外周には、インバータ収容部7が一体に設けられている。このインバータ収容部7には、図示省略の電源ユニットから供給される直流電力を三相交流電力に変換し、モータハウジング4内に設置されている圧縮機用モータ(以下、単にモータと称する場合もある)10に対して、ハーメチック端子8を介して印加するインバータ(図示省略)が組み込まれるようになっている。なお、インバータは、公知のものでよく、詳細説明は省略する。
【0034】
モータハウジング4内に内蔵されている圧縮機用モータ10は、ステータ11とロータ12とを備えており、ステータ11は、モータハウジング4の内周面に圧入される等により固定されている。ステータ11とモータハウジング4との間には、円周方向の複数箇所に軸方向に貫通する図示省略のガス通路が設けられている。このガス通路を介して、モータハウジング4の後端側に設けられている吸入口(図示省略)から、モータハウジング4の底面と電動モータ10の端面との間の空間13に吸入された低圧の冷媒ガスを、前方側に流通させることができるようになっている。
【0035】
ロータ12には、回転軸(クランク軸)14が一体に結合されている。この回転軸14の後端部は、モータハウジング4の底面部に設けられている軸受15により回転自在に支持され、その前端部は、軸受部材16に設けられている主軸受17によって回転自在に支持されている。回転軸14の前端部には、回転軸中心から所定寸法だけ偏心されたクランクピン14Aが設けられている。なお、軸受部材16は、モータハウジング4の開口端側にボルト18を介して固定支持されている。
【0036】
一方、圧縮機ハウジング3内には、スクロール圧縮機構20が設けられている。このスクロール圧縮機構20は、一対の固定スクロール21と旋回スクロール22とを噛み合わせて構成される公知の圧縮機構であり、両スクロール21,22間に形成される一対の圧縮室23が、旋回スクロール22の公転旋回運動により外周位置から中心側へと容積を減少しながら移動されることにより低圧の冷媒ガスを圧縮するものである。
【0037】
固定スクロール21は、圧縮機ハウジング3の底面側にボルト24により固定設置されており、その端板背面と圧縮機ハウジング3の底面との間に吐出チャンバ25が形成されている。この吐出チャンバ25には、一対の圧縮室23が中央部で合流されて形成される中央圧縮室から吐出ポート26および吐出弁27を介して高圧ガスが吐出され、該高圧ガスは、吐出チャンバ25から吐出口28に接続されている吐出配管を経て外部へと吐出されるように構成されている。
【0038】
旋回スクロール22は、その端板背面が上記軸受部材16のスラスト面により支持されている。また、旋回スクロール22は、端板背面に設けられているボス部29にニードルベアリング30、ドライブブッシュ31を介して回転軸14のクランクピン14Aが連結され、回転軸14の回転により固定スクロール21に対して公転旋回駆動されるように構成されている。この旋回スクロール22は、端板背面と軸受部材16との間に介装されているオルダムリング32を介して自転が阻止されるようになっている。なお、ドライブブッシュ31には、旋回スクロール22の公転旋回駆動に伴うアンバランス荷重を調整するためのバランスウェイト33が一体に設けられている。
【0039】
さらに、上記スクロール型電動圧縮機1において、インバータ収容部7に収容設置されているインバータにより制御された電力を、ハーメチック端子8を介して圧縮機用モータ10に印加するため、以下の構成が採用されている。
ハーメチック端子8は、図2に示されるように、モータハウジング4に設けられたインバータ収容部7内において、モータハウジング4内に内蔵されているモータ10のステータコイルエンドに対応した軸方向位置に設置されるようになっている。このハーメチック端子8は、モータハウジング4を貫通する開口34に挿入され、該開口34周りに設けられている設置座面35にボルト36を介して締め付け固定されるようになっている。
【0040】
一方、モータハウジング4内に内蔵されている圧縮機用モータ10側においては、図4ないし図6に示されるように、ステータ11の両端部(コイルエンド)に固定子巻線を巻付けるための一対の樹脂製ボビン37A,37Bが設けられ、そのスクロール圧縮機構20側のボビン37Aに、ステータコイルエンドカバー38が装着されている。このステータコイルエンドカバー38の外周上の上記開口34と対向する部位には、クラスタブロック39が設置されている。
【0041】
このクラスタブロック39は、図4に示されるように、前端部(スクロール圧縮機構20側の端部)がステータコイルエンドカバー38の端面からスクロール圧縮機構20側に突出するようにオーバーハングした状態で設置されており、その内径側にスクロール圧縮機構20の構成部品である軸受部材16の一部が配置され、図1に示されるように、クラスタブロック39と軸受部材16との一部が、軸方向において互いに重なり合うように配置された構成とされている。
【0042】
また、クラスタブロック39は、図7および図8に示されるように、UVW端子が樹脂製ケース内に一体的に設けられたブロック体とされており、その前端部には、モータ10のステータコイルエンドから導出されたUVW相の3本のモータリード線40が接続される3個のリード線接続部39Aが設けられ、後端部の外周には、ハーメチック端子8の端子が接続される端子接続口39Bが外周上に3個併設された構成とされている。このクラスタブロック39の前端部には、モータリード線40をガイドする前方に突出されたガイド部39Cが一体に設けられている。
【0043】
さらに、クラスタブロック39は、樹脂製ケース内に設けられているUVW端子の中央部に配置される端子がその両側部に配置される端子よりも寸法T(図8(A)参照)だけ上方に配置された段付き構造とされることにより、その外形形状も両側の端子部に対して中央の端子部が上方に配置された段付き構造とされている。これによって、クラスタブロック39におけるステータコイルエンドカバー38やボビン37Aの外周と接する内周面39Eは、全体としてステータコイルエンドカバー38やボビン37Aの外周面に沿った形状、すなわち湾曲形状とされている。
【0044】
ステータコイルエンドカバー38は、樹脂製の一体成形品で、ボビン37Aの外周に嵌合されるように設置されるものであり、図7に示されるように、外周のクラスタブロック39の設置位置に対応して、所定の間隔をおいて半径方向に突出された2本の爪部38Aが一体に成形されている。この爪部38Aには、クラスタブロック39の中央部に設けられている2個の取付け孔39Dが嵌合され、クラスタブロック39が係止めされるようになっている。
【0045】
爪部38Aと取付け孔39Dとは、図8に示されるように、周方向および/または軸方向に微小隙間Sをもって嵌合されるように構成されており、この微小隙間Sによりクラスタブロック39がステータコイルエンドカバー38に対して、周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置されている。こうして、ステータコイルエンドカバー38の外周部位に、周方向および/または軸方向に微小変位可能に係止めされたクラスタブロック39に対して、その外周面上の端子接続口39Bにモータハウジング4の外部側からハーメチック端子8の3本の端子が直接差し込み接続できるように構成されている。
【0046】
なお、爪部38Aおよび取付け孔39Dは、図8(A)に示す例では、爪部38Aの先端が、取付け孔39Dを貫通してクラスタブロック39の外周面より突出し、外周面に係止めされるように構成されているが、図8(B)に示すように、クラスタブロック39の取付け孔39D内に爪部38Aの先端が納まるように、取付け孔39Dを段付き孔としてもよい。この場合、爪部38Aをクラスタブロック39の内部を納め、外周面から爪部38Aが突出しない構成とすることができる。
【0047】
上記のスクロール型電動圧縮機1は、以下のように動作する。
インバータ収容部7に設置されているインバータを介して圧縮機用モータ10に電力が印加され、該モータ10が回転駆動されると、モータハウジング4に設けられている吸入口を介して空間13内に低圧の冷媒ガスが吸入される。この低圧ガスは、ステータ11とモータハウジング4間のガス通路を通り、モータハウジング4の壁面を介してインバータ収容部7内のインバータを冷却した後、軸受部材16側の空間に流通され、そこから圧縮機ハウジング3側に設けられているスクロール圧縮機構20の一対の圧縮室23内に吸入される。
【0048】
一対の圧縮室23に吸入された低圧ガスは、旋回スクロール22の公転旋回運動に伴って両圧縮室23が容積を減少しながら中心側へと移動されることにより圧縮される。そして、両圧縮室23が中心部において合流され、該中央圧縮室が固定スクロール21の中心部に設けられている吐出ポート26と連通されることにより、圧縮された高圧のガスが吐出弁27を押し開いて吐出チャンバ25内に吐き出される。この高圧ガスは、吐出口28を経て冷凍サイクル側へと送出され、冷凍サイクル内を循環した後、再び吸入口からスクロール圧縮機1内に吸い込まれることになる。
【0049】
この間、外部電源からインバータ収容部7内に組み込まれているインバータに供給された直流電力は、インバータで上位の制御装置からインバータに指令された周波数の三相交流電力に変換され、インバータ側のUVW端子からハーメチック端子8、該ハーメチック端子8が接続されているクラスタブロック39およびモータリード線40を介してモータ10のステータ11に印加される。これによって、モータ10が所要の回転数で回転駆動されることになる。
【0050】
また、上記モータ10およびインバータから該モータ10までの電気系統は、以下により組み立てられる。
モータ10は、ステータ11の圧縮機構20側の端部に設けられているステータコイルエンドカバー38の外周部位に、図5および図6に示されるように、モータリード線40と接続されたクラスタブロック39が組み付けられた状態でアッセンブリされる。このステータ11は、図4に示されるように、モータハウジング4内に圧入等により挿入設置される。この際、ステータ11は、外周に組み付けられているクラスタブロック39が、モータハウジング4側の開口34と対向する位置に位置決めされるように設置される。
【0051】
上記のように、ステータ11と共にモータハウジング4内に挿入設置されたクラスタブロック39に対して、モータハウジング4の外部側から、開口34を通してハーメチック端子8を挿入し、その3本の端子をクラスタブロック39の端子接続口39Bに挿し込むことにより、ハーメチック端子8とモータリード線40との間を、クラスタブロック39を介して電気的に結線することができる。ハーメチック端子8は、クラスタブロック39に接続後、設置座面35にボルト36を介して締め付け固定される。
【0052】
一方、インバータは、適宜の時期にモジュール化された状態でインバータ収容部7内に組み付けられ、そのUVW端子と上記のハーメチック端子8とを溶接等で接合することにより、インバータからモータ10までの間を電気的に結線することができる。なお、モータ10のロータ12や回転軸14、軸受部材16、スクロール圧縮機構20、圧縮機ハウジング3等は、所定の順序で順次組み立てられ、モータハウジング4と一体化されてスクロール型電動圧縮機1が組み立てられる。
【0053】
斯くして、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
圧縮機用モータ10のステータコイルエンドカバー38の外周部位に、モータ10のステータコイルエンドとモータリード線40を介して接続されているクラスタブロック39を、その端子接続口39Bを外周側に向けて設置し、このクラスタブロック39と対向するモータハウジング4の外周部位に設けられている開口34および設置座面35に、ハーメチック端子8を挿入設置することにより、その端子をクラスタブロック39の端子接続口39Bに直接差し込み接続できるようにしている。
【0054】
このため、ステータコイルエンドカバー38の外周部位にモータリード線40と接続されたクラスタブロック39が設置されているモータ10を、モータハウジング4の所定位置に挿入設置した状態で、モータハウジング4の外周側から開口34を通してハーメチック端子8の端子をクラスタブロック39の端子接続口39Bに直接挿し込み接続し、ハーメチック端子8をモータハウジング4の設置座面35に固定設置することによって、モータハウジング4内のモータ10に対するハウジング外部からの電気的結線を行うことができる。
【0055】
これによって、モータハウジング4内の狭小スペースでモータリード線40とハーメチック端子8とを結線する必要がなく、モータ10の組み立てを容易化することができるとともに、モータリード線40の長さを短くすることができる。また、モータ10のステータコイルエンド側にモータリード線40の結線用スペースを確保したり、モータハウジング4の全長に亘りクラスタブロック39やモータリード線40等の配設空間を確保したりする必要のない圧縮機用モータとすることができ、ひいてはハウジング2および電動圧縮機1を小型軽量化することができる。
【0056】
また、クラスタブロック39は、ステータコイルエンドカバー38に対して、周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置されている。このため、クラスタブロック39の微小変位によって、ハーメチック端子8の組み付け時の公差を吸収することができる。従って、ハーメチック端子8をモータハウジング4の外部側からクラスタブロック39に対して容易に挿し込み接続することができ、モータ10の組み立てを一層容易化することができる。
【0057】
また、クラスタブロック39は、ステータコイルエンドカバー38の外周部位から立設された複数の爪部38Aに対して、周方向および/または軸方向に微小隙間Sをもって嵌合される取付け孔39Dを介して微小変位可能に係止めされているため、クラスタブロック39をステータコイルエンドカバー38に立設された複数の爪部38Aに対し、隙間Sを有する取付け孔39Dを介して嵌合することにより、クラスタブロック39を簡単に微小変位可能に係止めすることができ、従って、クラスタブロック39のモータ10に対する組み付けおよびモータ10の組み立てを容易化することができる。
【0058】
また、クラスタブロック39にモータリード線40をガイドするガイド部39Cを一体に設けた構成としているため、クラスタブロック39に一体に設けられたガイド部39Cを介して、モータリード線40をクラスタブロック39に接続することができ、これによりモータリード線40の飛び出しや他部品への接触を抑えることができる。従って、モータリード線40の飛び出しや他部品への接触によるトラブルを防止し、圧縮機用モータ10の信頼性を向上することができる。
【0059】
また、クラスタブロック39のステータコイルエンドカバー38およびボビン37Aの外周部位に接する内周面39Eを、ステータコイルエンドカバー38およびボビン37Aの外周面に沿った湾曲形状としているため、クラスタブロック39の内周面39Eをステータコイルエンドカバー38およびボビン37Aの外周面に沿わせて設置することによって、クラスタブロック39をステータコイルエンドカバー38およびボビン37Aの外周部位に安定的に設置することができる。これにより、クラスタブロック39に対するハーメチック端子8の挿し込み接続を更に容易化することができる。
【0060】
特に、クラスタブロック39のUVW端子を中央部の端子を寸法Tだけ上方に配置した段付き構造としているため、クラスタブロック39の内周面側をステータコイルエンドカバー38またはボビン37Aの外周面に沿わせて安定的に設置することができ、これによって、クラスタブロック38に対するハーメチック端子8の挿し込み接続を容易化することができる。それのみならず、クラスタブロック39の外周面側も段付き形状とされ、モータハウジング4の内周面に沿った形状とされることから、モータハウジング4の径をも小径化し、その小型化を図ることができる。
【0061】
さらに、モータハウジング4のハーメチック端子8が設置されている位置の外周部位にインバータ収容部7が設けられ、ここに設置されたインバータにより制御された電力がハーメチック端子8を介して圧縮機用モータ10に印加される構成とされているため、インバータ収容部7に設けられたインバータ側のUVW端子とハーメチック端子8とを電気的に接続することにより、ハーメチック端子8を介してモータハウジング4に組み込まれているインバータで制御された電力をモータ10に印加し、該モータ10を駆動することができる。従って、モータハウジング4の内外に設けられているモータ10とインバータ間の結線を簡素化、容易化し、インバータ駆動の圧縮機用モータ10の組み立てを容易化することができる。
【0062】
また、上記圧縮機用モータ10を内蔵したモータハウジング4にスクロール圧縮機構20を内蔵した圧縮機ハウジング3を一体に結合し、該圧縮機用モータ10によりスクロール圧縮機構20を駆動可能な構成としている。このため、電動圧縮機1自体の組み立てを容易化し、生産性を高めることができるとともに、電動圧縮機1を小型化し、低コスト化と搭載性の向上を図ることができる。特に、圧縮機構20が結合されるモータ10のステータコイルエンド側に、モータリード線40をハーメチック端子8に結線するためのスペースを確保する必要がなく、その分だけモータ20と圧縮機構10とを接近して設置することが可能となり、電動圧縮機1の軸方向寸法を小さくし、電動圧縮機1を小型コンパクト化することができる。
【0063】
また、スクロール圧縮機構20の構成部品である軸受部材16の一部が、モータ10のステータコイルエンドカバー38の外周部位に、圧縮機構20側に一部が突出するようにオーバーハングして設置されているクラスタブロック39の内径側に配置され、軸方向において互いに重なり合うように配置されている。このため、モータステータ11へのクラスタブロック39の設置にかかわらず、軸受部材16の一部とクラスタブロック39とのオーバーラップ配置により、スクロール圧縮機構20とモータ10とを互いに接近させて連結することができ、従って、電動圧縮機1の軸方向寸法を小さくし、コンパクト化を実現することができる。
【0064】
さらに、モータハウジング4の外周部位に設けられているンバータ収容部7にインバータが組み込まれて一体化されているため、インバータがモータハウジング4の外周部に組み込まれて構成されるインバータ一体型の電動圧縮機1を一層小型コンパクト化することができ、従って、電動圧縮機1の空調装置等への搭載性を向上し、その商品価値を高めることができる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、クラスタブロック39をステータ11のコイルエンドのボビン37Aに設置している点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
つまり、本実施形態は、モータ10のステータ11のコイルエンドに設けられている一対のボビン37A,37Bの中の圧縮機構20側のボビン37Aの外周部位に、第1実施形態と同様の設置構造により、あるいはボビン37Aとステータコイルエンドカバー38との間に挟み込むことにより、クラスタブロック39を設置したものである。
【0066】
ボビン37Aは、前述の通り絶縁性の樹脂材製とされており、これに爪部等を一体成形することによっても、クラスタブロック39を係止めすることができ、クラスタブロック39を周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置することができる。また、このボビン37Aは、軸方向位置もステータコイルエンドカバー38と同位置にあり、ハーメチック端子8と対向する位置にクラスタブロック39を設置することができる。
従って、本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、ステータコイルエンドカバー38が設けられていない圧縮機用モータ10に対しても同様に適用することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、スクロール型の電動圧縮機1の例について説明したが、圧縮機構20の型式は、これに限られるものではなく、様々な型式の圧縮機にも同様に適用できることは云うまでもない。また、ハウジング2についても、モータハウジング4と圧縮機ハウジング3とを結合して一体化した例について説明したが、両ハウジングを一体化し、端部をカバーで密閉した構造のハウジングとする等、種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 電動圧縮機
2 ハウジング
3 圧縮機ハウジング
4 モータハウジング
7 インバータ収容部
8 ハーメチック端子
10 圧縮機用モータ(モータ)
11 ステータ
12 ロータ
14 回転軸
20 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
34 開口
35 設置座面
37A,37B ボビン
38 ステータコイルエンドカバー
38A 爪部
39 クラスタブロック
39A リード線接続口
39B 端子接続口
39C ガイド部
39D 取付け孔
39E 内周面
40 モータリード線
S 隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータハウジング内に設置されているモータに対し、ハーメチック端子を介して外部から電力が印加される圧縮機用モータにおいて、
前記モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、前記モータのステータコイルエンドとモータリード線を介して接続されているクラスタブロックを、その端子接続口を外周側に向けて設置し、
前記モータ側に設けられた前記クラスタブロックと対向する前記モータハウジングの外周部位に、前記ハーメチック端子を挿入設置する開口および設置座面を設け、
前記ハーメチック端子を前記モータハウジングの外周側から前記開口および設置座面に挿入設置することにより、その端子を前記クラスタブロックの前記端子接続口に直接接続可能としたことを特徴とする圧縮機用モータ。
【請求項2】
前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンに対して、周方向および/または軸方向に微小変位可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用モータ。
【請求項3】
前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位から立設された複数の爪部に対して、周方向および/または軸方向に微小隙間をもって嵌合される取付け孔を介して微小変位可能に係止めされていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機用モータ。
【請求項4】
前記クラスタブロックは、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位と接する内周面が、前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮機用モータ。
【請求項5】
前記クラスタブロックは、UVW端子の中央部に配置される端子がその両側部に配置される端子よりも上方に配置された段付き構造とされ、その内周面側が前記ステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周面に沿った形状とされていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機用モータ。
【請求項6】
前記クラスタブロックには、前記モータリード線をガイドするガイド部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の圧縮機用モータ。
【請求項7】
前記モータハウジングには、前記ハーメチック端子が設置されている位置の外周部位にインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部に設置されたインバータにより制御された電力が前記ハーメチック端子を介して前記モータに印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の圧縮機用モータ。
【請求項8】
ハウジング内に、圧縮機構と、該圧縮機構を駆動する圧縮機用モータとが内蔵されている電動圧縮機において、
前記モータハウジングに対して、前記圧縮機構を内蔵した圧縮機ハウジングが一体に結合され、前記圧縮機構が前記モータハウジング内に内蔵されている請求項1ないし6のいずれかに記載の圧縮機用モータと連結され、該圧縮機用モータを介して駆動可能とされていることを特徴とする電動圧縮機。
【請求項9】
前記圧縮機構は、前記モータの前記クラスタブロックが設置されている前記ステータコイルエンド側で前記モータのロータに結合されている回転軸と連結されていることを特徴とする請求項8に記載の電動圧縮機。
【請求項10】
前記圧縮機構の構成部品の一部が、前記モータのステータコイルエンドカバーまたはボビンの外周部位に、前記圧縮機構側に一部が突出されて設置されている前記クラスタブロックの内径側に配置され、軸方向において互いに重なり合うように配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電動圧縮機。
【請求項11】
前記モータハウジングの外周部位に設けられているインバータ収容部に前記インバータが設置され、前記圧縮機用モータを駆動制御する前記インバータが前記モータハウジングの外周部に組み込まれて一体化されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の電動圧縮機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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