説明

圧縮永久歪みが改善されたフルオロポリマー

【課題】圧縮永久歪みが改善されたフルオロポリマーを提供すること。
【解決手段】本発明は、i)CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C8パーフルオロアルキルである)、ii)水素含有C2〜C9オレフィンであって、前記CF2=CFRfおよび前記オレフィンの全モルを基準にして少なくとも約10モル%のオレフィン、iii)フルオロポリマー鎖当たり1個以上の末端臭素原子を含む平均で2個以上の臭素原子、iv)任意にCX2=CX−R(式中、各Xは独立してH、FまたはClであり、Rはハロゲンまたは1個以上のエーテル連結を含んでもよいC1−C8アルキル基またはアルケニル基である)、v)任意に臭素含有キュアサイトモノマーから誘導されたインターポリマー化単位を含むフルオロポリマー、b)任意に過酸化物硬化剤およびc)任意に架橋性共薬剤を含む硬化性組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1個以上のヘテロ原子を含んでもよいC2〜C10フッ素化オレフィンと水素
含有C2〜C9オレフィンのインターポリマー化単位を有する過酸化物硬化性フルオロポリ
マー組成物であって、臭素化塩の存在下で製造してもよい組成物に関する。本発明は、こ
うしたフルオロポリマー組成物を製造する方法および硬化済み組成物から製造された物品
にも関連する。
【背景技術】
【0002】
高分子鎖の末端で1個までのヨウ素原子または臭素原子を有し、鎖中の臭素含有率が0
.05〜2重量%(wt%)であるフルオロエラストマーは(特許文献1)に記載されて
いる。これらのフルオロエラストマーは、特に射出成形プロセスにおける改善された加工
性、離型および熱安定性を有すると言われている。こうしたフルオロエラストマーは、フ
ッ化ビニリデンおよび/またはテトラフルオロエチレンおよび任意にヘキサフルオロプロ
ピレンおよび/またはパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルのフッ素化モノ
マー単位から製造される。これらのフッ素化コポリマーは、エチレン、プロピレン、ブテ
ンおよび/またはイソブチレンから誘導された40モル%(mol%)までの量のモノマ
ー単位と組み合わせることが可能である。
【0003】
テトラフルオロエチレンとプロピレンのコポリマーは調製され、過酸化物により硬化さ
れてきた。こうしたポリマーの硬化後の物理的特性は、好ましくないほどに高い圧縮永久
歪み値を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,173,553号明細書
【特許文献2】米国特許第4,000,356号明細書
【特許文献3】国際公開第99/48939号パンフレット
【特許文献4】EP第0661304A1号明細書
【特許文献5】EP第0784064A1号明細書
【特許文献6】EP第0769521A1号明細書
【特許文献7】米国特許第5,585,449号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約すると、本発明は、a)i)CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C
8パーフルオロアルキルである)、ii)水素含有C2〜C9オレフィンであって、前記C
2=CFRfおよび前記オレフィンの全モルを基準にして少なくとも約10モル%のオレ
フィン、iii)フルオロポリマー鎖当たり1個以上の末端臭素原子を含む平均で2個以
上の臭素原子、iv)任意にCX2=CX−R(式中、各Xは独立してH、FまたはCl
であり、Rはハロゲンまたは1個以上のエーテル連結を含んでもよいC1−C8アルキル基
またはアルケニル基である)、v)任意に臭素含有キュアサイトモノマーから誘導された
インターポリマー化単位を含むフルオロポリマー、b)任意に過酸化物硬化剤およびc)
任意に架橋共薬剤を含む硬化性組成物を提供する。硬化性組成物中のフルオロポリマーは
、好ましくは臭素塩の存在下で重合される。
【0006】
もう一つの態様において、本発明は、a)ポリマー鎖当たり1個以上の末端臭素原子を
含む平均で2個以上の臭素原子を有する、テトラフルオロエチレンとプロピレンを含むコ
ポリマー、b)過酸化物硬化剤およびc)任意に架橋共薬剤の反応生成物を含む硬化済み
フルオロエラストマー組成物であって、類似コモノマー比を有するとともに鎖当たり平均
で2個未満の臭素原子を有する比較コポリマーより低い圧縮永久歪み値を有する組成物を
提供する。この比較コポリマーは、モノマーの比が約5モル%以内か、またはそれより接
近してさえいる点で本発明フルオロポリマーと似ているが、比較材料がポリマー鎖当たり
2個未満の臭素原子を含む、および/または本発明のフルオロポリマーの1個以上より少
ない末端臭素原子を有するように比較材料は、より少ない量の臭素を有する。
【0007】
なおもう一つの態様において、本発明は、フルオロポリマー組成物を調製する方法であ
って、a)CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C8パーフルオロアルキル
である)と、水素含有C2〜C9オレフィンであって、前記CF2=CFRfおよび前記オレ
フィンの全モルを基準にして少なくとも約10モル%のオレフィン、臭素化塩、任意にC
2=CX−R(式中、各Xは独立してH、FまたはClであり、Rはハロゲンまたは1
個以上のエーテル連結を含んでもよいC1−C8アルキル基またはアルケニル基である)お
よび任意に臭素含有キュアサイトモノマーとを開始剤と合わせて組み合わせる工程、およ
び前記組み合わせを重合させる工程を含む方法を提供する。
【0008】
なおもう一つの態様において、本発明は硬化済み組成物を含むフルオロポリマー物品を
提供する。
【0009】
本発明は、ラジカル開始剤および臭素塩の存在下で製造されるフッ素化エラストマー(
例えば、テトラフルオロエチレン−プロピレン、すなわち「TFE−P」)を提供する。
驚くべきことに、本発明の開始剤系は、キュアサイトモノマーがフルオロポリマーに存在
しない場合でさえ物理的特性が優れている、TFE−Pなどの硬化性フルオロポリマーを
提供する。これらのフルオロエラストマーは物理的特性の改善を示す。本発明のもう一つ
の利点は、本発明のフルオロエラストマーが既知のTFE−Pエラストマーと比べて硬化
後に大幅に低下した圧縮永久歪みを示すことである。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明および特許請求の範囲から
明らかであろう。開示の原理の上述した概要は、本開示の各例示的実施形態またはあらゆ
る実施を記載することを意図していない。以下の詳細な説明は、本明細書で開示された原
理を用いる特定の好ましい実施形態をより特に例証している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のフルオロエラストマー組成物は、水素原子の半分未満がフッ素で置換されてお
り、より好ましくは水素原子の4分の1未満がフッ素で置換されており、そして他の実施
形態においてフッ素化されていない水素含有C2〜C9オレフィンに加えて、式CF2=C
F−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C8パーフルオロアルキルである)を有するフッ
素化モノマーのインターポリマー化単位から誘導される。
【0012】
本ポリマーは、ブロモトリフルオロエチレン(BTFE)、ブロモジフルオロエチレン
(BDFE)、ブロモテトラフルオロブテン(BTFB)などの1種以上の臭素含有キュ
アサイトモノマー、臭素原子で置換された1個または2個のフッ素原子を有するパーフル
オロビニルエーテルおよびヨウ素含有キュアサイトモノマーなどを任意に含んでもよい。
フルオロポリマー中の臭素含有キュアサイトモノマーの量は約5モル%(mol%)まで
である。臭素含有キュアサイトモノマーを含める時、その量は、全フルオロポリマー組成
物を基準にして好ましくは約0.01〜約4モル%、より好ましくは約0.05〜約2モ
ル%である。フルオロポリマーが臭素含有キュアサイトモノマーを含む場合、水素含有C
2〜C9オレフィンの量は全フルオロポリマー組成物を基準にして少なくとも10モル%で
ある。プロピレンは一種の好ましいC2〜C9オレフィンである。
【0013】
本硬化性組成物はフルオロポリマー鎖当たり平均で2個以上の臭素原子を有する。これ
らの臭素原子は、典型的にはポリマー鎖末端で見られる、すなわち、末端臭素原子である
。臭素原子は、例えば、臭素化パーフルオロビニルエーテルキュアサイトモノマーまたは
ブロモテトラフルオロブテン(BTFB)キュアサイトモノマーを用いて直鎖ポリマーが
重合される時のようにポリマー主鎖に沿って置換されて見られてもよい。これらのフルオ
ロポリマーは少なくとも1個の末端臭素原子を有する。
【0014】
本発明のもう一つの実施形態において、臭素含有キュアサイトモノマーは、本発明フル
オロエラストマー組成物の架橋を可能にするために必須ではない。この態様において、本
硬化性組成物はフルオロポリマー鎖当たり平均で2個以上の末端臭素原子を有する。こう
した末端臭素原子は主鎖および/または鎖分岐上に存在する。
【0015】
本発明組成物中のフルオロポリマー鎖は、直鎖、分岐またはそれらの組み合わせであっ
てもよい。本硬化性組成物は、臭素含有キュアサイトモノマーが含まれるか否かを問わず
低い圧縮永久歪みを含む優れた物理的特性を有するフルオロエラストマーをもたらす。そ
れに反して、鎖当たり1個未満の臭素原子を有する以外あらゆる点で似ている比較材料は
望ましい特性を提供するように硬化しない。同様に、それに反して、本発明フルオロポリ
マーに似た臭素含有キュアサイトモノマーのレベルを有するが、ポリマー鎖末端で追加臭
素原子をもたない比較材料は遙かにより高い圧縮永久歪みレベルを有する。
【0016】
フルオロポリマーがキュアサイトモノマーを含まない時、水素含有C2〜C9オレフィン
の量は、少なくとも約10モル%、より好ましくは少なくとも約15モル%または20モ
ル%からでさえある範囲である。他の実施形態において、水素含有C2〜C9オレフィン含
有率は、少なくとも約25モル%、より好ましくは少なくとも約30モル%または少なく
とも約40モル%からでさえある範囲である。これらの水素含有オレフィンの量は、約9
0モル%未満、より好ましくは約80モル%未満の範囲である。好ましい幾つかの実施形
態において、これらのフルオロポリマーは約0.5〜約20モル%の量でフッ化ビニリデ
ンを含む。
【0017】
本発明において有用なオレフィンは、次式
CX2=CX−R
(式中、各Xは独立して水素、フッ素または塩素であり、Rは水素、フッ素またはC1
12、好ましくはC1−C3アルキルである)のオレフィンを含む。好ましいオレフィンに
は、部分フッ素化モノマー(例えば、フッ化ビニリデン)またはα−オレフィン(例えば
、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンおよびヘキセンなど)を含むオレフィンなど
の水素含有モノマーが挙げられる。上述した材料の組み合わせも有用である。
【0018】
過フッ素化ビニルエーテルも本発明におけるコモノマーとして適する。こうしたパーフ
ルオロビニルエーテルには、例えば、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF2
CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2CF3、CF2
=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3およびCF2=CFOCF2CF(CF3
OCF2CF(CF3)OCF2CF2CF3が挙げられる。
【0019】
本発明のフルオロエラストマー組成物は、既知のいかなる方法によっても調製される。
一つの本発明方法は、臭素含有塩の存在下で水性エマルジョン中で行われるラジカル重合
法である。臭素含有塩には、重合媒体および重合条件において臭素イオンを提供できる化
合物が挙げられる。これらには、例えば、KBr、NH4Br、他のHBr塩、例えば、
Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Cu、Ag、Zn、Cd
などの周期律表の第I族A、第1族Bおよび第II族Aおよび第II族Bに属する金属な
らびに例えば、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ptなどの遷移金属、または例え
ば、Al、Ga、Sn、Pbなどの周期律表の第III族Bおよび第IV族Bに属する遷
移金属の臭化物が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の臭化
物が用いられる。本発明のプロセスにおいて用いるべき臭化物イオンを提供できるこうし
た化合物の量は、所望の圧縮永久歪み抵抗レベルなどの望ましい結果をもたらすために有
効な量である。開始剤と比べた臭化物塩のモル比は、好ましくは約1:0.1〜1:10
の間、より好ましくは約1:0.5〜1:5の間である。上述した臭素含有塩に加えて、
NR4+Br-およびHN(R)3+Br(式中、RはC1〜C9アルキルである)などのアル
キルアンモニウム塩を用いることが可能である。臭素含有化合物のなおもう1種の有用な
クラスは、N−ブロモスクシンイミドなどのイミドである。好ましい臭素塩には、KBr
、FeBr2、CuBr、およびNH4Brなどの第四塩が挙げられる。
【0020】
本発明の硬化性フルオロポリマーは、フルオロポリマー鎖当たり平均で2個以上の臭素
原子(それらの内、1個以上の臭素原子は末端である)を含む。フルオロポリマー鎖当た
り1個未満の臭素原子を用いる時、これらの原子の量は、低い圧縮永久歪みなどの所望の
物理的特性を有する網目にフルオロエラストマーを架橋するために少なすぎる。
【0021】
任意にラジカル重合プロセス中に、1個または2個の臭素原子を含むとともに望ましく
ない副反応が所望の重合条件下で進行しないほどに十分に安定である臭素化化合物などの
臭素含有連鎖移動剤(CTA)を用いることが可能である。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態において、望ましくない有機残留物をもたらすとともに重合
の速度を低下させる材料のような連鎖移動剤(CTA)を用いない。こうした実施形態に
おいて、得られたフルオロポリマーは連鎖移動剤からの残留物を実質的に含まない。すな
わち、フルオロポリマーは、約0.1重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、より
好ましくは0重量%のCTAからの残留物しか含まない。こうした連鎖移動剤は技術上、
例えば、ウェイスガーバー(Weisgerber)らによる(特許文献2)で知られて
いる。この特許は本明細書に引用して援用する。
【0023】
本発明の好ましいAPS/KBr系は、重合速度の改善、望ましくない有機残留物を残
さない、重合の効率を高める、および低い圧縮永久歪みの特徴を有するフルオロポリマー
の提供を含む1つ以上の利点を提供する。こうしたポリマーは無機臭素塩からの残留物を
含んでもよく、この残留物は既知法を介して除去することが可能である。
【0024】
本発明の組成物はエラストマーまたは熱可塑性樹脂であることが可能である。
【0025】
有用なフルオロポリマーの一つの例は、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のオ
レフィンの主モノマー単位から本質的になる。この実施形態において、共重合されたオレ
フィン単位は、コポリマー中に存在する全モノマー単位の少なくとも約10〜約70モル
%(より好ましくは35〜60モル%)を構成する。
【0026】
驚くべきことに、臭素含有材料と合わせて製造されたポリマーは、これらの材料のない
プロセスを介して製造された比較ポリマーより低い圧縮永久歪みなどの遙かにより良好な
特性を有する。
【0027】
本発明のフルオロエラストマー組成物は、驚くべきことに、キュアサイトモノマーの存
在しない状態でさえも、任意に1種以上の架橋剤に加えて1種以上の既知の硬化剤、好ま
しくは過酸化物化合物を用いて硬化させることが可能である。適する過酸化物硬化剤は、
一般に、技術上、例えば(特許文献3)に記載された硬化剤などの硬化温度でラジカルを
発生させる硬化剤である。この特許の開示は本明細書に引用して援用する。各々が50℃
より高い温度で分解するジアルキル過酸化物およびビス(ジアルキル過酸化物)であって
、アルキル基が1〜12個の炭素原子(より好ましくは1〜6個の炭素原子)を有すると
ともに直鎖または分岐であってもよいジアルキル過酸化物およびビス(ジアルキル過酸化
物)は特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素原子に結合された第三炭素原子を有す
るジ−ターシャリーブチルペルオキシドを用いることが好ましい。この種の好ましい過酸
化物の中に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘクス−
3−エンおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキシ)−ヘキ
サンがある。有用な過酸化物の追加の例には、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、タ
ーシャリーブチルパーベンゾエート、a,a’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプ
ロピルベンゼン)およびジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル
]カーボネートなどの化合物が挙げられる。パーフルオロエラストマー100部当たり約
1〜3部の過酸化物が一般に用いられる。
【0028】
フルオロエラストマー組成物は、硬化性フルオロエラストマー配合物中で一般に用いら
れる補助剤のいずれも含むことが可能である。任意に、1種以上の架橋性共薬剤を過酸化
物硬化剤と組み合わせてもよい。例えば、硬化剤系の一部としてフルオロエラストマー組
成物とブレンドされることが多い1種の材料は、有用な硬化を提供するために過酸化物硬
化剤と協働できるポリ不飽和化合物から構成された共薬剤(時には共硬化剤とも呼ばれる
)である。これらの共薬剤は過酸化物硬化剤と組み合わせると特に有用である。共薬剤は
、フルオロポリマー100部当たり一般には0.1〜10部(phr)の間、好ましくは
1〜5phrの間の共薬剤に等しい量で添加することが可能である。本発明の過酸化物硬
化剤化合物と合わせて有用な共薬剤の例には、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、トリ(メチルアリル)イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s
−トリアジン、トリアリルホスフィット、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリ
ルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,
N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、1,3,5−ト
リビニル−トリメチルシクロトリシロキサンおよびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレ
ン)シアヌレートが挙げられる。トリアリルイソシアヌレートは特に有用である。有用な
他の共薬剤には、(特許文献4)、(特許文献5)、(特許文献6)および(特許文献7
)で開示されたビスオレフィンが挙げられる。
【0029】
キュアサイトモノマーを含まないフルオロポリマーは、共薬剤と合わせた上述した過酸
化物硬化系を用いることによるか、またはビスフェノール/オニウム系を用いる架橋反応
などの既知の架橋反応を通して硬化させることが可能である。混合硬化系(過酸化物/ビ
スフェノール)も用いることが可能である。これらの場合、ポリマーは導入された特定量
のVDFを有することが多い。
【0030】
カーボンブラック、安定剤、可塑剤、潤滑剤、充填剤およびフルオロエラストマーのコ
ンパウンディング(compounding)に際して典型的に用いられる加工助剤などの添加剤は
、意図した使用条件のために適切な安定性を有する限り組成物に導入することが可能であ
る。
【0031】
1種以上の既知の酸受容体も本発明の組成物に添加することが可能である。しかし、抽
出性金属化合物の存在が(半導体用途のためのように)望ましくない場合、無機酸受容体
の使用は最少化されるべきであり、好ましくは全く避けるべきである。有用な酸受容体に
は、例えば、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙
げられる。
【0032】
硬化性フルオロエラストマー組成物は、1種以上のフルオロエラストマー、過酸化物硬
化剤、選択されたいずれかの添加剤または2種以上の添加剤、いずれかの追加硬化剤(必
要ならば)、および他のいずれかの補助剤(必要ならば)を従来のゴム加工装置内で混合
することにより調製することが可能である。所望の量のコンパウンディング原料および他
の従来の補助剤または原料は、未加硫フルオロカーボンゴム原料に添加することが可能で
あり、密閉式ミキサー(例えば、バンバリーミキサー)、ロールミルまたは従来の他のい
ずれかの混合装置などの普通のゴム混合装置のいずれかを用いることにより、未加硫フル
オロカーボンゴム原料と密に混合するか、またはコンパウンディングすることが可能であ
る。混合プロセス中の混合物の温度は典型的には約120℃より高く上がるべきではない
。混合中に、効果的な硬化のためにゴム全体を通して成分および補助剤を均一に分配する
ことが好ましい。
【0033】
その後、混合物は、押出(例えば、チューブまたはホースライニングの形状に)または
成形(例えば、O−リングの形に)などによって加工し造形される。その後、造形品を加
熱して、ゴム組成物を硬化させ、硬化した物品を形成させることが可能である。
【0034】
コンパウンディングされた混合物の成形またはプレス硬化は、通常、適する圧力下で所
望の時間的期間後に混合物を硬化させるのに十分な温度で行われる。これは、約1分〜約
15時間、典型的には5分〜30分の時間にわたる、一般には約95℃〜約230℃の間
、好ましくは約150℃〜約205℃の間である。約700kPa〜約20,600kP
aの間の圧力は、型内のコンパウンディングされた混合物に通常加えられる。型は最初に
離型剤で被覆してもよく、そして前もって焼き付けてもよい。
【0035】
その後、成形された混合物またはプレス硬化された物品は、硬化を完了させるのに十分
な温度で硬化を完了させるのに十分な時間にわたり、通常は約2時間〜50時間以上の時
間にわたる約150℃〜約300℃の間、典型的には約230℃で通常は後硬化(オーブ
ン内で)される。一般に時間は物品の断面厚さとともに長くなる。厚い区画については、
後硬化中の温度は、通常、範囲の下限から所望の最高温度まで徐々に上げられる。用いら
れる最高温度は、好ましくは約300℃であり、この値は約4時間以上にわたり保持され
る。この後硬化工程は、一般に架橋を完了させ、硬化した組成物から残留揮発分を放出さ
せることも可能である。適する後硬化サイクルの一例は、窒素下で16時間にわたり23
0℃で成形品を熱に供することを含む。オーブンの熱を遮断するなどにより、成形品(p
arts)は室温に戻される。
【0036】
フルオロポリマー組成物は、O−リング、ガスケット、チュービングおよびシールなど
の物品の製造に際して有用である。こうした物品は既知の方法により製造される。こうし
た一つの方法は、例えば、種々の添加剤を有するフルオロエラストマー組成物のコンパウ
ンディングされた配合物を圧力下で成形し、物品を硬化させ、その後、物品を後硬化サイ
クルに供することを含む。本発明のフルオロエラストマーは、硬化後既知のエラストマー
と比べて大幅に低下した圧縮永久歪みを示す。この改善はTFE−Pエラストマーで最も
顕著である一方で、70重量%フッ素ターポリマーまたは66%フッ素コポリマーのエラ
ストマーなどの他のポリマーは、この利点をTFE−Pエラストマーで見られる程には示
さない場合がある。
【0037】
本発明の目的および利点を以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例にお
いて挙げられた特定の材料および材料の量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を不
当に限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0038】
フルオロポリマーの調製に関して以下で用いられた百分率は、投入されたモノマーおよ
び塩の合計を基準にした重量%(wt%)である。フルオロポリマーのコンパウンディン
グに関して以下で用いられた部は、フルオロエラストマーゴム100重量部に対する添加
剤の重量部(phr)に基づいている。用いた材料は、特に注記がない限り、ウィスコン
シン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケム(Aldrich Chem.Co.(Mi
lwaukee,WI))から入手した。
【0039】
試験方法
以下の実施例において、特に指示がない限り指示された結果は以下の試験方法を用いて
得た。
【0040】
サンプルの混合
3phrのCa(OH)2(イリノイ州ブラドフォードのCP・ケミカル(CP Ch
emical(Bradford,IL))から入手できる)、30phrのN990カ
ーボンブラック(ジョージア州アトランタのコロンビア・ケミカル(Columbia
Chemical(Atlanta,GA))から入手できる)、2phrの過酸化物(
コネチカット州ノーウォークのR.T.バンデルビルト(R.T.Vanderbilt
Co.(Norwalk,CT))から「バロックス(Varox)」(登録商標)D
BPH50として入手できる2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオ
キシ)−ヘキサン)および3.5phrの72重量%トリアリルイソシアヌレート(TA
IC)共薬剤(デラウェア州ウィルミントンのデュポン(DuPont(Wilming
ton,DE))から入手できる)と合わせて各フルオロエラストマーゴム100部を混
合するために二本ロール機を用いた。
【0041】
後硬化
プレス硬化されたサンプルを調製するために特に注記がない限り177℃で10分にわ
たり約6.9メガパスカル(MPa)でプレスすることにより、150×150×2.0
mmの寸法のサンプルシートを物理的特性決定のために調製した。その後、プレス硬化さ
れたシートを窒素下で16時間にわたり230℃で熱に供した。試験前にサンプルを室温
(約23℃)に戻した。
【0042】
物理的特性
ASTM Die Dで後硬化シートから切断されたサンプルでASTM D412−
92を用いて破断点引張強度および破断点伸びを決定した。単位をメガパスカル(MPa
)で報告する。
【0043】
圧縮永久歪み
ASTM 395−89方法Bを用いてO−リングサンプルを測定した。O−リングは
0.139インチ(3.5mm)の断面厚さを有していた。結果を原変形の百分率として
報告する。
【0044】
フルオロポリマーの調製:実施例1〜4および比較例CE1〜3
技術上知られている標準技術を用いてラジカル乳化重合によってテトラフルオロエチレ
ン(TFE)、プロピレン(P)および任意にキュアサイトモノマー(CSM)のコポリ
マーを重合させた。典型的な実験において、全体積195Lの高圧ステンレススチール重
合缶に105kgの水、635gのアンモニウムパーフルオロオクタノエート(ミネソタ
州セントポールのスリーエム(3M Co.(St.Paul,MN))(3M)製の3
M(商標)FC−143)および緩衝剤としての260gのK2HPO4を投入した。缶を
密封し、窒素/真空サイクルで3回フラッシュ(flush)して、無酸素環境を確保した。
缶を73℃に加熱し、93.5:4.0:2.5の重量%のモノマーTFE、PおよびC
SM(4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン(BTFB))のプレチャー
ジ気体混合物を缶に投入することにより絶対圧17バールに加圧した。缶の圧力および温
度が一旦安定化すると、水中の10%過硫酸アンモニウム(NH42SO8(APS)開
始剤溶液を注入することにより反応を開始させた。反応の開始を缶圧の低下によって認め
、その時間後に、TFE78.7、P20.7、CSM2.6の重量比でコンピュータ制
御モノマーフィードシステムがモノマーを缶にフィードした。合計で23.4kgのモノ
マー混合物を6.5時間にわたりフィードし、その時間後に、200gのプロピレンの迅
速な添加によって重合を終了させた。過剰のモノマーをベントし、固形物19.3%のラ
テックス129gを得た。
【0045】
ポリマーラテックスをMgCl2による塩凝集によって凝集させた。ポリマーを高温水
で5回洗浄し、単離し、130℃で16時間にわたり乾燥させた。ポリマー組成を決定す
るために、XRF分光分析法を含む1H/19F NMR交差積分(cross inte
gration)法を用いた。組成はTFE75.4重量%、P22重量%、CSM2.
6重量%を含むことが判明した。
【0046】
他のポリマーを同じ方式で製造した。APS/KBr開始系により行われる重合におい
て、KBrをプレチャージ工程において缶に投入した。以下の表は、本研究において用い
られた他の実施例および比較ポリマーの重合条件を示している。結果としての材料を調製
し、「試験方法」節で記載されたように試験した。データは以下の表2で見られる。
【0047】
比較例CE4およびCE5
これらの実施例において、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピ
レン(HFP)およびフッ化ビニリデン(VDF)のターポリマーを標準ラジカル乳化重
合によって重合させた。全体積195Lのステンレススチール缶に115kgの水、93
0gのFX−1006(アンモニウムパーフルオロオクタノエート、水中の固形物30%
)、200gの水酸化アンモニウム(水中の25%活性NH3)を投入した。上の実施例
に記載されたように缶を窒素でパージし、15.5バール絶対の内部缶圧力および78℃
の温度に達するまで、TFE7重量%、HFP77重量%、VDF15.6重量%および
4−ブロモ3,3,4,4−テトラフルオロブテン0.4重量%からなるモノマー混合物
で同時に加圧した。一旦平衡になると、水中のAPSの10重量%溶液を迅速に注入する
ことにより重合を開始させた。反応を内部圧力低下によって認め、その時間において、T
FE、HFPおよびVDFのモノマー混合物を缶にフィードして、一定実験圧力を維持し
た。モノマー混合物の組成を表1に示している。この重合から得られたラテックスをMg
Cl2の使用によって凝集させ、高温水で5回洗浄し、130℃で乾燥させた。ポリマー
組成を1H/19F交差積分NMRによって決定した。そのデータも表1に示している。結
果としての材料を調製し、「試験方法」節で記載されたように試験した。データは以下の
表2で見られる。
【0048】
比較例6および7(CE6およびCE7)
これらの実施例において、ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンのコポリマー
を標準ラジカル乳化重合によって重合させた。方法はCE4〜5のために記載された方法
と同じであった。しかし、VDFとHFPのコポリマー組成のみを用いた。全体積4.7
Lのステンレススチール缶に2.8kgの水、12gのFX−1006(アンモニウムパ
ーフルオロオクタノエート、水中の固形物30%、3M製)を投入した。缶を上の実施例
に記載されたように窒素でパージし、内部缶圧力が14バール絶対に達し、80℃に達す
るまで、HFP66重量%、VDF33重量%および4−ブロモ3,3,4,4−テトラ
フルオロブテン1重量%からなるモノマー混合物で同時に加圧した。一旦平衡になると、
APSの10重量%溶液を迅速に注入することにより重合を開始させた。反応を内部圧力
低下によって認め、その時間において、HFPとVDFのモノマー混合物を缶にフィード
して、一定実験圧力を維持した。モノマー混合物の組成を表1に示している。この重合か
ら得られたラテックスを凝集させ、洗浄し、乾燥させ、CE4のように分析した。そのデ
ータも表1に示している。結果としての材料を調製し、「試験方法」節で記載されたよう
に試験した。データは以下の表2で見られる。
【0049】
本発明の種々の修正ならびに変更は本発明の範囲および原理から逸脱せずに当業者に対
して明らかになるであろう。本発明が上で記載された例証的実施形態に不当に限定されな
いことは理解されるべきである。すべての刊行物および特許は、個々の各刊行物または各
特許が引用して援用されるべく具体的に且つ個々に指示されるかのように、同じ程度に本
明細書で引用して援用する。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)
i)CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C8パーフルオロアルキルで
ある)、
ii)水素含有C2〜C9オレフィンであって、前記CF2=CFRfおよび前記オレフ
ィンの全モルを基準にして少なくとも約10モル%のオレフィン、
iii)フルオロポリマー鎖当たり1個以上の末端臭素原子を含む平均で2個以上の
臭素原子、
iv)任意にCX2=CX−R(式中、各Xは独立してH、FまたはClであり、R
はハロゲンまたは1個以上のエーテル連結を含んでもよいC1−C8アルキル基またはアル
ケニル基である)、
v)任意に臭素含有キュアサイトモノマー
から誘導されたインターポリマー化単位を含むフルオロポリマー、
b)任意に過酸化物硬化剤および
c)任意に架橋共薬剤
を含む硬化性組成物。
【請求項2】
前記フッ素化オレフィンまたは非フッ素化オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセンおよびそれらの組み合わせから任意に選択されたα−オレフィン
から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
CX2=CX−Rは、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシ
ビニルエーテルおよびそれらの組み合わせから任意に選択されたパーフルオロビニルエー
テルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記パーフルオロビニルエーテルは、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオ
ロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、CF2=CFOCF2
CF2CF2OCF3、CF2=CFO(CF23OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF
3およびそれらの組み合わせから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記フルオロポリマーは連鎖移動剤からの残留物を実質的に含まない、請求項1に記載
の組成物。
【請求項6】
前記フルオロポリマーはフルオロポリマー鎖当たり平均で2個以上の末端臭素原子を有
する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ブロモトリフルオロエチレン(BTFE)、ブロモジフルオロエチレン(BDFE)、
ブロモテトラフルオロブテン(BTFB)およびそれらの組み合わせから任意に選択され
た臭素含有キュアサイトモノマーを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記過酸化物硬化剤は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオキ
シ)ヘクス−3−エンおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルペルオ
キシ)−ヘキサン、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、ターシャリーブチルパーベン
ゾエート、a,a’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)およびジ
[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートおよびそれ
らの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記共薬剤は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチル
アリル)イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホ
スフィット、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,
N’,N’−テトラアルキルテトラフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマ
ロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロ
トリシロキサンおよびトリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートおよびそれ
らの組み合わせから選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記フルオロポリマーはエラストマーおよび熱可塑性樹脂から選択される、請求項1に
記載の組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の硬化済み組成物を含む物品。
【請求項12】
fはフッ素であり、前記フルオロポリマーは約90〜約60モル%のテトラフルオロ
エチレンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
fはフッ素であり、前記フルオロポリマーは、任意にポリプロピレンである約15〜
約30モル%の水素含有C2〜C9オレフィンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
a)ポリマー鎖当たり1個以上の末端臭素原子を含む平均で2個以上の臭素原子を有す
る、テトラフルオロエチレンとプロピレンを含むコポリマー、
b)過酸化物硬化剤および
c)任意に架橋共薬剤
の反応生成物を含む硬化済みフルオロエラストマー組成物であって、
類似コモノマー比を有するとともにポリマー鎖当たり平均で2個未満の臭素原子を有する
比較コポリマーより低い圧縮永久歪み値を有する組成物。
【請求項15】
フルオロポリマー組成物を調製する方法であって、
a)
i)CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素またはC1〜C8パーフルオロアルキルであ
る)、
ii)水素含有C2〜C9オレフィンであって、前記CF2=CFRfおよび前記オレフィ
ンの全モルを基準にして少なくとも約10モル%のオレフィン、
iii)臭素化塩、
iv)任意にCX2=CX−R(式中、各Xは独立してH、FまたはClであり、Rは
ハロゲンまたは1個以上のエーテル連結を含んでもよいC1−C8アルキル基またはアルケ
ニル基である)および
v)任意に臭素含有キュアサイトモノマーを組み合わせる工程と
b)過硫酸アンモニウムから任意に選択された開始剤と
c)前記組み合わせを重合させる工程とを
含む方法。
【請求項16】
前記臭素化塩は、KBr、FeBr2、CuBr、NH4Brおよびそれらの組み合わせ
から任意に選択された第I族金属塩または第II族金属塩あるいはそれらの組み合わせか
ら選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
過酸化物硬化剤および任意に架橋性共薬剤を得られたポリマーとブレンドすることを更
に含み、任意に前記ポリマーを硬化させて造形品を形成させることを更に含む、請求項1
5に記載の方法。

【公開番号】特開2010−242105(P2010−242105A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173523(P2010−173523)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【分割の表示】特願2004−522960(P2004−522960)の分割
【原出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】