説明

圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置

【課題】画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、フリッカーの発生を最小化するとともに動画ぼやけを低減できる圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る圧縮画像データ処理装置は、動画のぼやけが生じやすいのが画像のエッジ部分であることに着目して、エッジと判断された画素には、モード情報と量子化した画素情報を付与し、符号化に多くのビット数を割り当ててオーバードライブ処理を行う一方、平坦部分に対してはオーバードライブ処理を行わず、最小限の1ビットのモード情報のみを付与することで符号量を削減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置に関し、特に、液晶パネルの表示応答速度を改善するためのオーバードライブ回路を備えた圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルは、表示画像の変化に対する応答速度が遅く、動画を表示する際に、画像にぼやけを発生させ易いという欠点がある。この課題を解決するため、特許文献1(特開平6−189232)は、現画像データと1画面前の画像データを比較して、等しい場合は現画像データに対応する駆動電圧を液晶パネルに供給し、大きい場合は該現画像データよりも高い駆動電圧を液晶パネルに供給し、小さい場合は該現画像データよりも低い駆動電圧を液晶パネルに供給することを提案している。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、表示用デジタル画像データを1フレーム分記憶する画像メモリと、前記デジタル画像データと前記画像メモリから1フレーム遅れて読出される画像データとをレベル比較することを特徴とする。しかし、近年の液晶パネルの大型化及び高精細化による表示画素数の増加に伴い、フレームメモリの容量も大きくする必要がある。フレームメモリの容量の増大は、表示装置のコスト上昇、消費電力及び配線数の増大という問題を生じさせる。
【0004】
前記の問題の解決策として、特許文献2(特開2006−184448)は、1フレームの画像データ量を半分以下に圧縮し、オーバードライブ処理に必要となるフレームメモリのメモリ容量を大幅に削減することが可能となる技術を提案している。しかし、画像データの圧縮を非可逆に行った場合、復号された画像データは、圧縮されていない元のデータに対して誤差を持つことになる。
【0005】
この影響を避けるため、特許文献3(特開2005−316369)及び特許文献4(特開2008−129208)は、過去フレームと現フレームを比較して静止画判定を行い、動態画像のときにのみオーバードライブを起動する方法を提案している。
【0006】
近年、液晶パネルの解像度は高くなり、オーバードライブ回路において、より一層の画像圧縮率が求められている。しかし、JPEG等に代表される非可逆の圧縮方式では、一般的に圧縮率を高くするほど復号データの画像品質は低下する。傾向としては、周波数が低く、平均値に近い画素データに近づく。このような場合、例えば、図12のように2×2のブロック単位で画像圧縮するケースにおいて、動画/静止画判定回路を持つ方式でも、フリッカーが発生するという問題がある。
【0007】
図12は、従来の技術を用いて、画素値0の上にある画素値100の四角形状の画素群が左方向に1画素ずつスクロールし、2×2の画素ブロックを圧縮の単位として高圧縮をした場合の一例を示す。時刻t(n)における復号化データD(n−1)と、現在の復号化処理の対象となるフレーム(「現フレーム」と略す。)の復号化データE(n)、時刻t(n+1)における復号化データD(n)と、現フレームの復号化データE(n+1)とを比較すると分かるように、2×2の画素の境界部分で復号データが大きく変化している。このように、2×2の画素を圧縮の単位としている場合、復号データが異なる状態が連続して発生し、フリッカーの要因となる。
【0008】
例えば、RGBの各要素の明度に8ビットが割り当てられ、24ビットまでの情報が一つのピクセルに使用されている場合、各ピクセルが有する情報を1/12に圧縮すると、一ピクセル当たり2ビットしか持てないことになる。このため、例えば、2×2画素等のブロック単位で周波数変換を行うことによってデータの偏りを持たせて量子化する等の手法が採られる。しかし、この手法では、前記ブロックと画像との境界が変化すると、圧縮の復号誤差が周期的に変化するため、フリッカーが発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−189232号公報
【特許文献2】特開2006−184448号公報
【特許文献3】特開2005−316369号公報
【特許文献4】特開2008−129208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前述の従来技術の問題点を解決し、画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、フリッカーの発生を最小化するとともに動画ぼやけを低減できる圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置を提供することである。すなわち、より少ないフレームメモリ容量で、より精度の高いオーバードライブ処理が可能な圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る圧縮画像データ処理装置は、入力された画像信号を1ライン分の画像データ毎に、判別エッジ閾値Th−i(iは、自然数)に基づいて該判別エッジ閾値Th−i毎にエッジ情報を検出し、前記判別エッジ閾値Th−i毎に検出されたエッジ情報に基づいて、画像情報を定義する可変長テーブルを用いて、前記の1ライン分の画像データについて量子化を行い、使用するビット数を計算するビットレート制御部と、前記の1ライン分の画像データを、前記の判別エッジ閾値Th−i毎にCase情報として保持するモードバッファ部と、前記の判別エッジ閾値Th−i毎のCase情報のうち、1ライン当たりの許容データサイズの範囲内で最大のエッジ情報を有し、且つ量子化情報が相対的に大きいものを最適のCase情報として選択する、モード選択部と、少なくとも1ライン分の画像データを格納し、モード選択部において最適のCase情報が選択されている画像データより前の1ライン分の画像データを出力するラインメモリ部と、前記ラインメモリから出力された画像データに基づき、前記モード選択部によって選択された最適の量子化情報を符号化処理するエンコーダと、を備えることを特徴としている。
【0012】
前記の圧縮画像データ処理装置によれば、画像のエッジ部分に対してオーバードライブ処理を行う一方、平坦部分に対してはオーバードライブ処理を行わないため、画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、フリッカーの発生を最小化するとともに動画ぼやけを低減できる。
【0013】
また、本発明に係る圧縮画像データ処理装置は、前記の構成において、前記の判別エッジ閾値Th−iは、外部などからの設定値で、周辺画素の差分から算出した変化量が、判別エッジ閾値Th−i以上である画素位置をエッジ部と判定することを特徴としている。
【0014】
前記の圧縮画像データ処理装置によれば、動画のぼやけが生じやすいのが画像のエッジ部分であることに着目しており、前記のエッジ部分の画像位置にのみ、最大限の画素データを割り当てている。そのため、画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、動画ぼやけを低減できる。
【0015】
すなわち、前記の圧縮画像データ処理装置によれば、周辺の画素情報を用いて、画素値の差分が所定閾値以上の画素を選択してその選択された部分にのみ、最大限の画素データを割り当てている。そのため、動きの激しい動画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、動画ぼやけを低減できる。
【0016】
また、本発明に係る圧縮画像データ処理装置は、前記構成において、前記可変長テーブルは、可変長テーブル1及び可変長テーブル2のうち、いずれか1つから選択され、前記可変長テーブル1は、平坦と判断された画素に1ビットの可変長情報を付与するモードと、エッジと判断された画素に可変長情報と画素の量子化情報を付与するモードと、着目した画素と当該画素から2画素左の画素の差が一定の範囲内であり、且つ前記の着目した当該画素から1画素左の画素と1画素右の画素の差が一定の範囲内にある場合に、当該着目された画素に2ビットの可変長情報を付与するモードと、からなり、前記可変長テーブル2は、平坦と判断された画素に1ビットの可変長情報を付与するモードと、エッジと判断された画素に可変長情報と画素の量子化情報を付与するモードと、着目した画素と当該画素から2画素左の画素の差が一定の範囲内であり、且つ前記の着目した当該画素から1画素左の画素と1画素右の画素の差が一定の範囲内にあり、且つ前記の着目した当該画素と1画素左の画素との差が一定の範囲内である場合に、当該着目された画素に2ビットの可変長情報を付与するモードと、からなることを特徴としている。
【0017】
前記の圧縮画像データ処理装置によれば、エッジと判断された画素には、モード情報と量子化した画素情報を付与し、符号化に多くのビット数を割り当てる。一方、平坦と判断された画素には、最小限の1ビットのモード情報のみを付与することで符号量を削減する。言い換えると、エッジと判断された画素のみを集中的にオーバードライブ処理することができる。そのため、画像データを高圧縮率で圧縮した場合であっても、フリッカーの発生を最小化するとともに動画ぼやけを低減できる。
【0018】
また、本発明に係る圧縮画像データ処理装置は、前記構成において、例えば横線のように、エッジと判断される画素が少ない場合、可変長テーブル2を用いて符号化を行い、例えばチェッカーフラグのように、エッジと判断される画素が多い場合、可変長テーブル1を用いて符号化を行うことを特徴としている。
【0019】
また、前記の圧縮画像データ処理装置によれば、画像が変化する方向によって割り当てる符号量を削減できる。すなわち、着目している画素の周辺画素が、予め定義された繰り返しパターンである場合には、少ない符号量を付与するモードを持つ。
【0020】
また、本発明に係る画像表示装置は、前記構成の圧縮画像データ処理装置のうち、いずれか記載の圧縮画像データ処理装置を用いて構成され、その圧縮画像データ処理装置から出力された圧縮画像データを復号化する復号化処理部と、該復号化処理部によって復号化された画像データをオーバードライブ処理するオーバードライブ処理装置と、を備えたことを特徴としている。
【0021】
前記の画像表示装置によれば、少ないフレームメモリ容量で、表示応答速度が改善された液晶パネルを提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の圧縮画像データ処理装置によれば、エッジ部分に対してオーバードライブ処理を行い、平坦部分はオーバードライブ処理を行わないため、高圧縮率時にも、フリッカーの発生を最小化し、かつ動画ぼやけを低減できるようになる。すなわち、より少ないフレームメモリ容量で、より精度の高いオーバードライブ処理が可能になる。
【0023】
また、本発明の圧縮画像データ処理装置によれば、画像のライン中にエッジが少ない場合、量子化に割り当てるビット数を少なくする必要がない、すなわち、高い圧縮率を全ての画素に対して適用する必要が無く、エッジ部分にのみ集中的に符号量を割り当てることができるため、復号誤差の低減も可能である。
【0024】
また、符号化される画素データは、RGB形式の画素情報であっても、YUV形式の画素情報であっても、同様の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る圧縮画像データ処理部1を有する液晶駆動装置100の構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】(a)は判別エッジ閾値Th−i(i=1乃至3)にそれぞれ対応する横ピクセルの1ライン分の画素のデータのエッジ情報を説明するための図であり、(b)は隣接する画素間のエッジ情報を判定するための判別エッジ閾値Th−i(i=1乃至3)を説明するための図である。
【図3】本発明に係る圧縮画像データ処理装置において、隣接する画素間におけるエッジの存在の有無を検出する方法を説明するための図である。
【図4】(a)は可変長テーブルを用いて各画素のデータのエッジ情報及びRGBデータに分けるための方法を説明する図であり、(b)は符号化された1ライン分の総ビット数の算出の方法を説明する図である。
【図5】(a)は1ラインの画素データのエッジ情報を定義する可変長テーブルであり、(b)は(a)と異なるエッジ状態を定義するテーブルである。
【図6】図1に示す圧縮画像データ処理装置1の機能を説明するためのフローチャートである。
【図7】画素のエッジ情報を量子化するとともに、赤、緑及び青の三つの原色からなる色情報を量子化し、復号化(逆量子化)するまでの過程を説明するための図である。
【図8】(a)は1つの画像について図5(a)の可変長テーブル1を用いて符号化、復号化し、オーバードライブ処理後の画像を示す図であり、(b)は1つの画像について図5(b)の可変長テーブル2を用いて符号化、復号化し、オーバードライブ処理後の画像を示す図である。
【図9】画素のエッジ情報を量子化するとともに、赤、緑及び青の三つの原色からなる色情報を量子化し、復号化(逆量子化)するまでの過程を説明するための図である。
【図10】1ライン分の画素のビットストリームを符号化し、復号化する過程を説明するための図である。
【図11】画素値0の中に、画素値100の2×2の模様が、左方向に1画素ずつスクロールした場合において、本実施形態の圧縮画像データ処理装置を用いた動作例を示す図である。
【図12】画素値0の中に、画素値100の2×2の模様が、左方向に1画素ずつスクロールした場合において、従来の技術を用いた動作例を示す図である。
【図13】従来のオーバードライブ駆動を行う液晶駆動装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0026】
本発明に係る圧縮画像データ処理装置及び画像表示装置を、以下の実施形態に基づいて具体的に説明するが、以下に示す実施形態は本発明の一例であって、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0027】
(圧縮画像データ処理装置)
図1は、本発明の実施形態による圧縮画像データ処理装置1と液晶駆動装置100を示す。この圧縮画像データ処理装置1は、ビットレート制御部(Bit Rate Control)101と、モードバッファ部(mode buffer)102と、ケース選択部(selector)103と、ラインメモリ部(Line memory)104と、エンコーダ部(Encode)105とを有する。
【0028】
ビットレート制御部101は、後述するように、入力された画像信号F(N)を1ライン分の画像データ毎に、判別エッジ閾値Th−i(iは、自然数)に基づいて該判別エッジ閾値Th−i毎にエッジ情報を検出し、前記判別エッジ閾値Th−i毎に検出されたエッジ情報に基づいて、画像情報を定義する可変長テーブルを用いて、前記の1ライン分の画像データについて、使用するビット数を計算する。各画素のエッジ情報はモードバッファ部102に、1ライン分の計算結果はケース選択部103に出力される。
【0029】
モードバッファ部102は、前記の1ライン分のエッジ情報を、前記の判別エッジ閾値Th−i毎に保持し、前記のエッジ情報をケース選択部103に出力する。
【0030】
ケース選択部103は、前記の判別エッジ閾値Th−i毎のエッジ情報のうち、1ライン当たりのデータサイズの範囲内で最大のエッジ情報を有し、且つ量子化情報が相対的に大きいものを最適のエッジ情報として選択し、前記最適のエッジ情報をエンコーダ部105に出力する。
【0031】
ラインメモリ部104は、少なくとも1ライン分の画像データを格納し、モード選択部において最適のエッジ情報が選択されているラインと同一ラインの画像データをエンコーダ部105に出力する。
【0032】
エンコーダ部105は、前記ラインメモリ104から出力された画像データに基づき、前記ケース選択部103によって選択された最適のエッジ情報を符号化処理し、図1の“Bit Stream”を出力する。前記の符号化処理された最適のエッジ情報は、画像信号F(N)の前フレームに相当する画像信号F(N−1)の圧縮されたデータとして、フレームメモリ部(Frame memory)106に出力される。
【0033】
前記フレームメモリ部106は、前記の画像信号F(N−1)の符号化されたデータを順次保存して、前記の画像信号F(N−1)の符号化されたデータのうち1ライン分毎にバッファメモリ107に出力する。復号回路部(Decode)108は、前記の画像信号F(N−1)の符号化されたデータを1ライン分毎に復号化し、減算器109aに復号化された画像データを出力する。一方、前記のエンコーダ部105内部に設けられた復号回路部105aは、前記のエンコーダ部105によって符号化された前記画像信号F(N)の圧縮されたデータを復号化して、前記の減算器109aに出力する。
【0034】
動静判定器109bは、エンコーダ部105内部に設けられた復号回路部105aの出力画像データと、復号回路部108の出力画像データとの差分を減算器109aから得て、差分がある閾値以上であれば動、閾値未満であれば静などと1画素ごとに動静判定を行い、セレクター110に出力する。セレクター110は、動静判定器109bの結果が静の場合、ラインメモリ部104から送信された画像データを選択し、動静判定器109bの結果が動の場合、復号回路部108の復号結果を選択し、オーバードライブ回路120に出力する。
【0035】
前記のオーバードライブ回路120は、前記のセレクター110から出力された前記の画像信号S(N−1)の画素データを参照して、ラインメモリ部104から送信された画像信号F(N)の画素データをオーバードライブ処理する。前記のオーバードライブ処理された画像データは、液晶ディスプレイ等の画像表示装置に出力される。
【0036】
尚、前記のエンコーダ部105、フレームメモリ部106、バッファメモリ107、復号回路部108、減算器109a、動静判定器109b、セレクター110及びオーバードライブ回路120は、図13に示した従来のオーバードライブ駆動を行う液晶駆動装置と同様に構成することができる。したがって、前記のエンコーダ部105やフレームメモリ部106等の機能或いは動作についての詳細な説明は省略し、本発明の実施形態による圧縮画像データ処理装置1の構成及び機能を中心に説明する。
【0037】
ビットレート制御部101は、1ライン当たりの総ビット数の算出を目的とする。図6のフローチャートにも示すように、まずエッジ検出によりエッジ数を制御し、次に、そのエッジに持たせる情報量を量子化のビット数で制御し、複数のCaseの場合に関して、各Caseにおける1ライン当たりのビット数をそれぞれ算出する。
【0038】
エッジ検出の最も簡単な方法は、隣接画素間の差分値から算出する方法である。
【0039】
例えば、着目した1ラインのn番目の画素のRGB情報をR(n)、G(n)及びB(n)、n+1番目の画素のRGB情報をR(n+1)、G(n+1)及びB(n+1)とした場合、以下の式(1)或いは式(2)などで、閾値以上であれば、n番目の画素とn+1番目の画素間にエッジが存在すると判定することができる。

式(1) : (R(n)-R(n+1))+ (G(n)-G(n+1))+ (B(n)-B(n+1))≧ Threshold(閾値)
式(2) : |R(n)-R(n+1)| + |G(n)-G(n+1)| + |B(n)-B(n+1)| ≧ Threshold(閾値)

【0040】
図2(b)のように、閾値を複数準備することにより、エッジ数を制御する。Th−1のように、閾値を大きくする場合、エッジ数は減り、Th−3のように、閾値を小さくする場合、エッジ数は多くなる。図2(a)のCase−1は、Th−1でエッジ判定した例だが、エッジを3、エッジ以外を0とした場合、左から00033300となり、エッジ数は8画素中3画素になる。一方、Case−3は、Th−3でエッジ判定した例だが、左から03333333となり、エッジ数は8画素中7画素になる。Case−2も同様にエッジ数は8画素中5画素になる。このようにして、閾値を複数準備することにより、エッジ数を制御できる。
【0041】
次に、ビットレート制御部101は、エッジに持たせるビット数を量子化により制御する。例えば、図4(b)に示されたQ1=2bitのように、RGBデータを各2ビットに量子化する場合、量子化後のRGBデータは合計6ビットになる。この量子化後のRGBデータは、エッジ部分だけに必要な情報なため、図4(a)に示されるように、エッジ部分という情報(モード3、バイナリで11の2ビット)が付加された合計8ビットになる。同様に、図4(b)に示されたQ2=3bitのようにRGBデータを各3ビットに量子化する場合、モード情報が付加された1画素あたりのエッジの情報量は合計11ビットになり、図4(b)に示されたQ3=4bitでは14ビットになる。
【0042】
一方、エッジでない平坦部分はモード0(バイナリで0)とし、1ビットという最少単位を割り当てる。図4(b)に示されたQ1=2bitの9画素の合計ビット数を例にとると、1ラインごとに付加するヘッダー情報量を3ビットとした場合、使用ビット数(Use bit)は、3+1+1+1+8+8+8+1+1+1と加算した合計33ビットとなる。前記例では9画素を例にしたが、この加算処理を1ライン継続する。しかし、ここで、図5(a)の右側の画素データのように白黒白黒と交互に変わる等、画素値の変化が大きい場合、エッジが繰り返されることになり使用ビット数が多くなってしまう。このため、繰り返し専用のモード(モード2、バイナリ10を割り当て、2画素あたり2ビット)を持っている。すなわち、エッジと判定されたモード3(バイナリで11の2ビット)の白と黒のペアが続く場合、モード3であれば、モード情報を含め、2画素で16ビット必要になるのに対し(RGBデータを各2ビットに量子化する場合)、モード2を持つことにより、必要ビット数は2画素で2ビットだけになる。
【0043】
図5(a)において、平坦部分には1ビットを与える符号mode(0)、エッジ部分には2ビットを与える符号mode(11)、1ライン当たりのエッジ数及び検出したエッジが過去の状態の繰り返しであることを示す符号mode(10)を可変長テーブル1に定義する。例えば、2画素左のエッジ情報が、現在の画素データとほぼ同一であり且つ1画素左のエッジ情報が1画素右の画素データとほぼ同一の場合、繰り返し状態であると判定して、現在の画素データを符号mode(10)で符号化するように定義できる。可変長テーブル1をこのように定義することによって、前記の1ラインの画素データを図4(a)(b)のようにそれぞれ符号化し、1ライン分の使用ビット数を算出することができる。
【0044】
図5(b)の右に図示した画素データのように、白から黒に変わった後もしばらく黒が続く場合、図5(a)の可変長テーブル1を用いると、白から黒、黒から白のエッジ以外はモード0となり、モードは000300000030000となる。例えば、斜めにスクロールしている映像などで、前フレームの画像データが全部白だった場合、黒線の両エッジ部分(モード3部分)は白から黒、黒から白への変化が表現できるためオーバードライブされるが、エッジ以外のモード0部分は、平坦と判定されているため、オーバードライブされなくなってしまう。すなわち、実際にはオーバードライブが必要な部分(黒線の両端部以外)にオーバードライブされない状態が発生してしまう。そこで、エッジから右側の2画素を強制的にモード3にし、モード3の黒黒が繰り返されるという状態を作る。これにより、黒の連続部分を表現できるようになる(図5(b)可変等テーブル2)。繰り返し状態の判定方法は、前記同様、2画素左のエッジ情報が、現在の画素データとほぼ同一であり且つ1画素左のエッジ情報が1画素右の画素データとほぼ同一の場合、繰り返し状態であると判定して、現在の画素データを符号mode(10)で符号化するように定義している。尚、復号回路部108での復号時、可変長テーブル1と2のどちらを使用して符号化しているかの情報が必要になるが、これは、図4(b)のように、ライン毎の先頭に挿入するヘッダー情報で伝達する。
【0045】
図5(a)(b)に示す可変長テーブル1と2は、着目した画素と当該画素から2画素左の画素のエッジ情報との差が一定の範囲内であり且つ前記の着目した画素の1画素右の画素データと1画素左の画素データとの差が一定の範囲内にある場合に、過去2画素のエッジ部分(モード3部分)を繰り返すという符号データを有する。言い換えると、図5(a)に示す可変長テーブル1は、検出したエッジの部分に画像のエッジ情報と量子化した画像データを埋め込み、それ以外の平坦部分と繰り返し部分は画像のモード情報のみ埋め込むことを特徴としている。
【0046】
図8に、1つの画像について可変長テーブル1と2を用いて符号化、復号化し、オーバードライブ処理後の画像データ(図1のオーバードライブ回路120の出力)を比較した例を示す。顔と頭周辺の濃い色部分など、周囲と比較し濃く色のついている部分が、オーバードライブがかかる部分である。特に、楕円で囲まれる領域において、可変長テーブル1を用いた場合は隙間が発生してしまっている。これはオーバードライブのかかる部分とかからない部分が混在していることを示し、顔と頭が動いている場合には、櫛のように糸を引くようなぼやけた状態が発生してしまう。これに対し、可変長テーブル2を用いた場合は、理想状態に近い結果が得られる。
【0047】
このように、チェッカーフラグが繰り返されているような画像では、図5(a)に示す可変長テーブル1を用いて表すのが好ましく、横線のように、横方向画素間の相関が高い場合には、図5(b)に示す可変長テーブル2を用いるのが好ましい。
【0048】
画像情報を定義する可変長テーブルとして、符号化、すなわち圧縮化される対象となる画像のエッジ数に応じて、前記の可変長テーブル1以外に種々のものも利用することができる。例えば、前記の可変長テーブル1の代わりに、図5(b)に示す可変長テーブル2を利用することができる。
【0049】
また、白白黒黒などと2画素ずつ繰り返すような状態に対応した可変長テーブルを付加してもよい。
【0050】
前記したように、ビットレート制御部101は、1ライン当たりの総ビット数の算出を目的とする。図6のフローチャートにも示すように、まずエッジ検出によりエッジ数を制御し、次に、そのエッジに持たせる情報量を量子化のビット数で制御し、1ライン当たりのビット数を複数のCaseの場合における1ライン当たりのビット数をそれぞれ算出する。この複数算出するCaseは、閾値Th−i(iは自然数)、量子化ビット数、可変長テーブルを組み合わせた分存在することになる。ここで、復号回路部108は、どのCaseで符号化されたのかが分からないと復号処理できないため、符号化側で1ライン毎に固定長のラインヘッダー(Line Header)を付与する。すなわち、復号回路部108は107より供給される符号化情報中からラインヘッダーを検出し、どのCaseで復号処理するかを知ることができる。ここで、ラインヘッダーとして3ビット付与すれば、8個のCaseまで対応可能であり、4ビット付与すれば、16個のCaseまで対応可能である。また、1ライン当たりの符号化後のビット数にラインヘッダーのビット数を加算したものが、各Caseの1ライン当たりの符号化情報の総ビット数になる。
【0051】
前記では、このラインヘッダーの情報を符号化情報に含める例を示したが、ラインヘッダーバッファ101aのように、Line Header buffer(SRAMなど)を準備してもよい。この場合、復号回路部108は、107から供給される符号化情報からラインヘッダーを検出する代わりに、ラインヘッダーバッファ101aでラインヘッダー情報を知ることが可能である。この場合、ラインヘッダーの情報が符号化情報に含まれなくなるため、ラインヘッダーのビット数分、符号化情報を少なくできるという効果が得られる。
【0052】
ビットレート制御部101は、図6に示すS1及びS2の処理を行うことによって各Caseの1ライン当たりの総ビット数を算出できる。この後、図6に示すS3の処理を行うことによって最良なCaseを判定する。例えば、1ライン1368画素を12分の1に圧縮する場合、許容されるビット数は、1368画素×24ビット×(1/12)で2736ビットになるため、この許容ビット数内に収まっているCaseが候補となる。この許容ビット数内で、できるだけ多くの画素をエッジと判定し、できるだけ多くの量子化ビットを割り当てているものが最良の結果となる。すなわち、エッジ閾値が小さく、量子化後のビット数が大きいCaseが最良の結果となる。尚、S3の処理は、ビットレート制御部101に行わせることができるが、ビットレート制御部101の外部に設けられたデバイスによって行わせても良い。図1に示す実施形態の場合、ビットレート制御部101内にケース判定部101bが設けられている。そのため、図1に示されたビットレート制御部101は、画像信号F(N)が入力されると、最良なCaseを判定してその結果をモードバッファ102及びセレクター110に送信する。
【0053】
例えば、図6に示すCase−1、2、3が、図2に示す閾値Th−1、Th−2及びTh−3の関係にあり、エッジに持たせるRGBデータのビット数、すなわち量子化ビット数が図4に示すQ1=2ビット、Q2=3ビット、Q3=4ビットであるとする。Case−1、2、3の1ライン当たりの総ビット数が、1500、2500、4000ビットだった場合、2736ビットという許容ビット数内で最大のCase−2が最良の結果ということになる。
【0054】
また、符号化テーブル2のCaseのエッジ閾値と量子化ビット数は、符号化テーブル1における最小のエッジ閾値と、最大の量子化後のビット数を使用するのが好ましい。前記例であれば、符号化テーブル2の閾値としてはTh−3、量子化ビットとしては4ビットが好ましい。
【0055】
モードバッファ102には、各Caseにおいて処理した画素毎のモード値(モード0、2、3)の情報が1ライン分格納される。1ライン分の処理終了後、モードバッファ102のモードデータを読み出し、ケース判定部101bの結果に従って、ケース選択部101bで選択されたモード値と、図1ラインメモリ104から読み出した画素データを用い、エンコーダ部105で符号化する。
【0056】
前記のように1ライン分の許容最大ビット数に着目して符号化するCaseを選択する方法以外に、ケース判定部101bは、1画面単位、すなわちフレーム単位の画像データに対して同一のCaseを用いても良い。或いは、着目した1ライン分の画像データ(Px)よりもm番目前(mは、自然数である。)のCase情報を用いて、前記の着目された1ライン分の画像データ(Px)を符号化しても良い。また、1ライン分の画像データ当たりに与えられる許容ビット数を変えることによって、低圧縮率から高圧縮率までの対応を容易に行うことができる。例えば、1ライン1368画素を6分の1に圧縮する場合、許容されるビット数は、1368画素×24ビット×(1/6)で5472ビットになり、この許容ビット数を変更するだけで、6分の1圧縮に変更することができる。
【0057】
前記したように、エンコーダ部105は、ラインメモリ104から読み出した画像データを、モードバッファ102から読み出したモードに従い、符号化処理することによって、1ライン分毎の符号化された画像データを出力する。図7及び図9に、RGBの各要素を2ビットに量子化する例を示す。
【0058】
図7に示す符号化の方法は、量子化テーブルと逆量子化テーブルを定義する方法である。例えば、Rが8ビットであり、R=20という値だった場合、量子化テーブルに従い、00(バイナリ)という値で符号化する。G、Bも同様に、G=100、B=200だった場合、Gは10(バイナリ)、Bは11(バイナリ)で符号化される。復号化時に逆量子化する場合は、逆量子化テーブルに従い8ビットに逆量子化する。前記のように、Rが00(バイナリ)、Gは10(バイナリ)、Bは11(バイナリ)で符号化されている場合は、R=12、G=112、B=208に逆量子化される。
【0059】
図9に示す符号化の方法は、1画素のRGBの各要素を単純に上位2ビットだけを符号化し、逆量子化側は上位2ビットには符号化情報内の量子化データを用い、下位6ビットには中間値(バイナリで100000)を付加する方法である。例えば、前記同様、R=20、G=100、B=200を量子化する場合、バイナリで表現すると、R=00010100、G=01100100、B=11001000となるため、上位2ビットで量子化した結果は、Rが00(バイナリ)、Gは01(バイナリ)、Bは11(バイナリ)となる。逆量子化の結果は、R=00100000(バイナリ)=32、G=01100000(バイナリ)=96、B=11100000(バイナリ)=224となる。
【0060】
図10は、エンコーダ部105の処理例で、5画素を符号化した符号化情報の例である。このビットストリーム、即ち、符号化情報の先頭の3ビット部分は「ラインヘッダー」と呼ばれる部分であって、ラインヘッダーテーブル(Line Header Table)によって定義されるCase情報が埋め込まれる。具体的には、ラインヘッダーには、「Case=0」のCase情報が埋め込まれ、1画素目から4画素目までが平坦部分のモード0、5画素目がエッジ部分のモード3で、前記の符号化情報、すなわち、ビットストリーム(bitstream)は、000000011000110となる。ただし、実際には、5画素でなく1ラインの画素数分継続される。
【0061】
このように、エンコーダ部105の機能は、ケース選択部103の結果のモード情報に従い、ラインバッファ104の画素を使用して符号化するにとどまる。
【0062】
また、ここまでは、RGBの形式で説明してきたが、YUV(輝度と色差)の形式を使用しても良いし、量子化するビット数を同一にしなくても良い。例えば、Yを4ビットに量子化し、U、Vを2ビットに量子化するCaseを準備しても良い。
【0063】
復号回路部108は、図10の符号化された情報を元の画像データに復元する際、前記のラインヘッダーを前記ラインヘッダーテーブルに照合して、どのような量子化などが行われたかを確認して、図10の符号化された情報を復号する。図10の符号化情報の場合、ラインヘッダーテーブルによれば、ラインヘッダーは、RGB形式の画素データがTable−1を用いて2ビットに符号化されていることを示している。そこで、復号回路部108は、前記のTable−1に対応する逆量子化テーブルを用いて5画素目の画素データをRGB形式の画素データに再現する。
【0064】
復号回路部108では、具体的には、まず、図10に示される“000000011000110”等のビットストリームから、ラインヘッダーを復号する。ラインヘッダーは先頭から3ビットの000(バイナリ)であり、すなわち、ラインヘッダーテーブルにより、2ビットに量子化されたRGB形式ということが分かる。次に、1画素目から4画素目がモード0(バイナリ)で1ビットずつの合計4ビット、5画素目がモード3で8ビットと復号できる。ここで、モード0は量子化された画素データはないため、ラインメモリ104の画素を使用する。モード3は、量子化された画素データがRGB2ビットずつを用い、逆量子化テーブルに従って逆量子化を行う。この例だと、R=00(バイナリ)、G=01(バイナリ)、B=10(バイナリ)なので、R=12、G=48、B=112という画素データを得られる。
【0065】
尚、オリジナルの画素データが輝度信号(Y)と、輝度信号と青色成分の差(U)、輝度信号と赤色成分の差(V)の3つの情報で色を表すYUV形式の画像データの場合も同様、他の量子化テーブル、逆量子化テーブルにより符号化、復号化することができる。
【0066】
図11は、画素値0の上にある画素値100の2×2サイズの四角模様の画素群が、左方向に1画素スクロールする時の前記した本実施形態の動作例である。
【0067】
時刻t(n)におけるフレームの元データF(n)は、1フレーム前の元データF(n−1)から時間的に継続しており、時刻t(n)から1フレームに相当する時間が経過した後の時刻t(n+1)においてF(n+1)に変化する。D(n−1)とD(n)は、時刻t(n)とt(n+1)における復号回路部108の出力で、E(n)とE(n+1)は、時刻t(n)とt(n+1)におけるエンコーダ部105内の復号回路部105aの出力で、S(n−1)とS(n)は、時刻t(n)とt(n+1)におけるセレクター110の出力である。時刻t(n)と時刻t(n+1)が同じCaseで処理されている場合、圧縮の誤差はもつが、2×2サイズの四角模様およびその周辺の画素値は、D(n−1)、D(n)、E(n)、E(n+1)で同一になる。前記したように、動静判定器109bは、E(n)とD(n−1)との差分、及びE(n+1)とD(n)との差分を算出して、前記差分がある閾値以上であれば動、閾値未満であれば静などと1画素ごとに動静判定を行い、セレクター110に出力する。図11の場合、前記の閾値が12に設定されているとき、画素値12以上の画素が「動」と判定されてオーバードライブ処理の対象となるが、S(n−1)とS(n)の2×2サイズの四角模様およびその周辺の画素値は変わらない。
【0068】
言い換えると、2×2サイズの四角模様およびその周辺がそのまま水平に移動していることが分かる。これに対して、図12に示す従来例では、D(n−1)とD(n)、またはE(n)とE(n+1)或いはS(n−1)とS(n)との対比に示されるように、圧縮単位の2×2サイズの境界が変わることによって圧縮誤差が周期的に変化してしまい、結果的にフリッカーが発生してしまうことが分かる。
【0069】
尚、前記の動静判定器109bの閾値は、外部から設定可能な閾値で、コンピュータのCPU等のプロセッサにより、前記の閾値を適宜変更してもよい。
【0070】
このように、本発明の圧縮画像データ処理装置によれば、エッジ部分に対してオーバードライブ処理を行い、平坦部分はオーバードライブ処理を行わないため、高圧縮率時にも、フリッカーの発生を最小化し、かつ動画ぼやけを低減できるようになる。すなわち、より少ないフレームメモリ容量で、より精度の高いオーバードライブ処理が可能になる。また、画像のライン中にエッジが少ない場合、量子化に割り当てるビット数を少なくする必要がない、すなわち、高い圧縮率を全ての画素に対して適用する必要が無く、エッジ部分にのみ集中的に符号量を割り当てることができるため、復号誤差の低減も可能である。また、符号化される画素データがRGBである場合を中心に説明してきたが、YUVであっても、同様に処理できることは明らかである。
【符号の説明】
【0071】
1 圧縮画像データ処理装置
100 液晶駆動装置
101 ビットレート制御部
101a ラインヘッダーバッファ
101b ケース判定部
102 モードバッファ部
103 ケース選択部
104 ラインメモリ部
105 エンコーダ部
105a エンコーダ部内の復号回路部
106 フレームメモリ部
107 バッファメモリ
108 復号回路部
109a 減算器
109b 動静判別器
110 セレクター
120 オーバードライブ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像信号を1ライン分の画像データ毎に、判別エッジ閾値Th−i(iは、自然数)に基づいて該判別エッジ閾値Th−i毎にエッジ情報を検出し、
前記判別エッジ閾値Th−i毎に検出されたエッジ情報に基づいて、画像情報を定義する可変長テーブルを用いて、前記の1ライン分の画像データについて符号化を行い、使用するビット数を計算するビットレート制御部と、
前記の1ライン分の画像データにおけるエッジ位置を、判別エッジ閾値Th−iと量子化情報量を組み合わせた複数のCaseを保持するモードバッファ部と、
前記の複数のCaseのうち、1ライン当たりのデータサイズが許容範囲内で最大のエッジ情報を有し、且つ量子化情報量が相対的に大きいものを最適な符号化Caseとして選択する、モード選択部と、
少なくとも1ライン分の画像データを格納し、モード選択部において出力されるエッジ位置と対象画素位置を一致させるためのラインメモリ部と、
前記ラインメモリから出力された画像データに基づき、前記モード選択部によって選択された最適なCaseのモード情報に従って符号化処理するエンコーダと、を備えることを特徴とする、圧縮画像データ処理装置。
【請求項2】
前記の判別エッジ閾値Th−iは、対象画素の周辺画素から算出した変化量と比較し、エッジであるか否かを判定するための閾値で、判別エッジ閾値Th−i以上の変化量を有する画素データをエッジ部と判定することを特徴とする、請求項1に記載に圧縮画像データ処理装置。
【請求項3】
前記の判別エッジ閾値Th−iに基づき、1ライン分の画像データ毎に、隣接する画素のビット数の差を算出し、算出されたビット数の差が判別エッジ閾値Th−i以上の場合、当該隣接する画素のうちの少なくとも一つをエッジ部と判定することを特徴とする、請求項1に記載に圧縮画像データ処理装置。
【請求項4】
前記可変長テーブルは、可変長テーブル1及び可変長テーブル2のうち、いずれか1つが選択され、
前記可変長テーブル1は、平坦と判断された画素に1ビットのモード情報を付与する符号データと、エッジと判断された画素に2ビットのモード情報と量子化情報を付与する符号データと、着目した画素と当該画素から2画素左の画素値の差が一定の範囲内であり、且つ前記の着目した画素から1画素左の画素値と1画素右の画素値の差が一定の範囲内にある場合に、当該着目された画素に2ビットの量子化情報を付与する符号データと、からなり、
前記前記可変長テーブル2は、平坦と判断された画素に1ビットのモード情報を付与する符号データと、エッジと判断された画素に2ビットのモード情報と量子化情報を付与する符号データと、着目した画素と当該画素から2画素左の画素値の差が一定の範囲内であり、且つ前記の着目した画素から1画素左の画素値と1画素右の画素値の差が一定の範囲内であり、且つ前記の着目した画素と当該画素の1画素左の画素値の差が一定の範囲内である場合に、当該着目された画素に2ビットの量子化情報を付与する符号データと、からなることを特徴とする、請求項1に記載に圧縮画像データ処理装置。
【請求項5】
前記のビットレート制御部は、エッジと判断される画素が少ない場合、可変長テーブル2を用いて符号化を行い、エッジと判断される画素が多い場合、可変長テーブル1を用いて符号化を行うことを特徴とする、請求項1に記載の圧縮画像データ処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の圧縮画像データ処理装置のうち、いずれか記載の圧縮画像データ処理装置から出力された圧縮画像データを復号化する復号化処理部と、
該復号化処理部によって復号化された画像データをオーバードライブ処理するオーバードライブ処理装置と、を備えたことを特徴とする、画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図3】
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【図5】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−109286(P2013−109286A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256187(P2011−256187)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】