説明

圧縮空気を使用するランセットの減勢システム

シリンダ、プランジャ、ピストン、ばねおよび作動装置を備える切開装置。シリンダは、空気が該シリンダの中へ流れるように適合される弁を含む。シリンダは、さらに開口を含む。プランジャ筐体は、その中にランセットを着座させるように適合される。ピストンは、シリンダ内で動くように適合される。ピストンは、シリンダ内にある空気の大部分がシリンダとピストンとの間に漏れるのを阻止するように適合される。ピストンは、プランジャ筐体に取り付けられる。ばねはシリンダ内に配置される。ばねは、プランジャ筐体の反対側でピストンに隣接して配置される。作動装置は、作動装置の内部軸が、シリンダ内に形成される開口を通ってシリンダ内に延在する内部軸を含む。内部軸は、プランジャ筐体の反対側でピストンに取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に診断用器具に関し、より詳細には圧縮空気を使用してランセットを減勢させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
体液中の検体の定量測定は、ある種の生理的異常の診断および管理において非常に重要である。例えば、乳酸塩、コレステロールおよびビリルビンは、特定の人で監視されなければならない。特に体液中のグルコースの測定は、自らの体液中のグルコース濃度を頻繁にチェックして、自らの食事におけるグルコース摂取量を管理しなければならない糖尿病の人には重要である。
【0003】
全血試料などの体液試料を得る1つの方法は、切開装置を使用することである。全血試料は、人のグルコースを監視するのに使用することができる。既存の切開装置は、ランセットを使用して皮膚の組織を突き刺し、血液試料が皮膚の表面に生じるようにする。次いで全血試料はテスト装置へ移される。全血試料は、効果的な血液供給を行うことができる毛細血管が高度に集中しているという理由から、グルコースの監視用に被験者の指先から採取されることが多い。しかし指先からの血液採取は、多くの人に痛みおよび不快感を与える神経終末が高度に集中しているという理由から、不都合である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
指先の突き刺しに付随する痛みおよび不快感に加えて、既存の切開装置は、初めに皮膚を突き刺した後ランセットを適切に減勢させないことによって、多くの人にさらなる痛みを与えることがある。これにより人の皮膚を複数回穿刺し、使用者の不快感を増大させることになる恐れがある。さらに既存の切開装置は、ランセットを人の皮膚の中へおよびそこから外へ適切に案内するのに失敗することがある。これにより穿刺が非線形となり、皮膚の裂傷を生じさせ、使用者の不快感を増大させる恐れがある。
【0005】
切開装置、およびこれらの問題に対処する切開装置を使用する方法を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による切開装置を開示する。切開装置は、作動装置、シリンダ、プランジャ筐体、ピストンおよびばねを含む。作動装置は頭部および内部軸を含み、この内部軸は一端で作動装置の頭部に取り付けられる。シリンダは一方向弁および開口を含む。一方向弁は、空気がシリンダの中へ流れるように適合される。プランジャ筐体は、その中にランセットを着座させるように適合される。ピストンはシリンダ内で摺動し、シリンダ内にある空気の大部分がシリンダとピストンとの間に漏れるのを防ぐように適合される。ピストンは、プランジャ筐体に付着するように適合される。ばねは、プランジャ筐体の反対側でピストンに隣接してシリンダ内に配置される。作動装置の内部軸は、開口、およびシリンダ内に配置されるばねを通ってシリンダ内へ延在する。内部軸は、作動装置の頭部の反対側でピストンに付着するように適合される。
【0007】
本発明の一実施形態によるランセットを減勢させる方法を開示する。この方法は、休止位置からばねを圧縮する動作を含む。ばねはピストンに取り付けられる。ばねおよびピストンは共にシリンダ内に配置される。ばねが圧縮される際、このばねはピストンに力を伝えてピストンを第1の方向に動かすように適合される。この方法は、ばねを解放する動作を含む。この解放によりばねが伸長する。伸長したばねは、ピストンを第2の方向に動かすように適合される。ばねはさらに、その休止位置に戻るように適合される。この方法はさらに、ピストンが第2の方向に動く際、シリンダ内に真空状態を形成する動作を含む。この方法はさらに、ピストンが第2の方向に動く際、シリンダに空気を進入させ、シリンダ内に形成された真空状態を緩和するように適合された弁を用意する動作を含む。この方法はさらに、ばねがその休止位置に戻る際、シリンダから空気が漏れるのを防ぐ動作を含む。この方法はさらに、第1の方向のピストンの動きを減速させるために、シリンダ内の空気を圧縮する動作を含む。
【0008】
上述の本発明の概要は、本発明の各実施形態またはすべての態様を表すことを意図するものではない。本発明のさらなる特徴および利益は、詳細な説明および以下に示す図から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、体液を皮膚から抜き出す際に使用するランセットを収容するように適合された切開装置を対象とする。体液は一般に、体液試料内でその濃度を測定するためにその後検査されることがある少なくとも1つの検体を含む。
【0010】
切開装置およびランセットは、被験者から血液または体液試料を採取するのに使用されてよい。この試料は次いで、検査する検体の濃度を測定するために、計測器および試験片または同様の装置で分析されてよい。切開装置で収集され得る検体のタイプの例は、グルコース、脂質形状(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDLおよびHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビンAlC、フルクトース、乳酸塩またはビリルビンを含む。
【0011】
ここで図面、また初めに図1a−bを参照して、本発明の一実施形態による切開装置10を示す。切開装置10は、作動装置12、シリンダ14およびプランジャ筐体16を含む。プランジャ筐体16は、被験者の皮膚を穿刺するためにその中にランセット31を着座させるように適合される。作動装置12は、内部軸20が中から延出する頭部18を含む。内部軸20は、シリンダ14に形成される開口23を通ってシリンダ14の中へ延在する。頭部18は、概ね環状として示されるが、他の形状が使用され得ることが企図される。さらにある実施形態によると、作動装置12は頭部18をまったく含まないが、その場合、内部軸20は、使用者が切開装置10を作動できるように適合される。
【0012】
シリンダ14は、そこから延在する延長部22を含む。一方向吸気弁24は、延長部22の一部分に含まれる。一方向弁24によって、空気が延長部22およびシリンダ14の中へ流れるようになる。シリンダ14はまた、少なくとも1つのシリンダポートを含む。示されるように、シリンダ14は、シリンダ14の両側に配置される2つのシリンダポート26a−bを含む。
【0013】
次に図2を参照して、本発明の一実施形態による休止位置での切開装置10を示す。図2に示されるように、内部軸20は、ばね28を通ってシリンダ14の中へ延在する。内部軸20は、頭部18の反対側でピストン30に取り付けられる。ピストン30は、頭部18の反対側でプランジャ筐体16に取り付けられる。したがって、作動装置12を動かすと、ピストン30およびプランジャ筐体16が共に動き出し、ならびにばね28が圧縮または伸長される。
【0014】
ばね28は、休止位置、作動可能位置および伸長位置の少なくとも3つの位置を有する。休止位置では、作動装置12およびピストン30がばね28と釣り合い状態にある(作動装置12が発射状態でロックされていない場合)。作動可能位置では、装置の発射に先立ち、ばね28が作動装置12によって圧縮されている。この位置は、ばね28を完全に圧縮する、および/または作動装置12が発射位置でロックするまで、ばね28を圧縮することによって実現することができる。伸長位置では、ばね28は圧縮されおよび解放された後、完全に伸長する。理解されるように、休止位置は作動可能位置と伸長位置との間にある。
【0015】
ピストン30は、シリンダ14および延長部22内にある空気の大部分がシリンダ14とピストン30との間に漏れるのを阻止するためにシリンダ14との十分な接触を維持しながら、シリンダ14内で動く(例えば、摺動する(slide)、滑動する(glide)、かすめる(skim)、滑る(slip)、横滑りする(skid)、滑らかに動く(flow)など)ように設計される。図2に示されるように、切開装置10がその休止位置にあるとき、ピストン30は、空気がシリンダポート26a−bのいずれかに進入する、またはそこから出て行くのを回避または阻止する。
【0016】
ピストン30およびシリンダ14は、概ね環状として示されるが、他の形状が使用され得ることが企図される。シリンダ14およびピストン30は、シリンダ14内でピストン30が前後に動くことが可能でありながらピストン30とシリンダ14との間に滑り嵌めを形成するように設計されるべきである。例えば、一実施形態によると、シリンダ14およびピストン30は概ね矩形の形状である。
【0017】
次に図3を参照して、本発明の一実施形態による作動可能位置の切開装置10を示す。示されるように、作動装置12の内部軸20は、切開装置10が作動可能位置にあるときシリンダ14からさらに延出する。切開装置10を休止位置から作動可能位置に動かすために、作動装置12はシリンダ14に対して図3の矢印Bの方向に動かされる。作動装置12が矢印Bの方向に動かされると、ピストン30およびプランジャ筐体16が同様にBの方向に動く。ピストン30がB方向へ動くことで、ばね28が圧縮することになる。ピストンがB方向にゆっくりと動く際、シリンダ14および延長部22内に閉じ込められた空気が、シリンダ14とピストン30との間ならびに内部軸20と開口23との間に漏れる。
【0018】
作動装置12がB方向に完全に動かされると、切開装置10は作動可能位置にある。この位置で、作動装置12は発射機構(図示せず)によって所定の位置に保持されてもよい。発射機構は、操作者が作動装置12から独立した発射ボタン21(図1a−b)を押下することにより、切開装置10を作動することができるように使用されてもよい。したがって、被験者は作動装置を作動可能位置へ動かすことができ、および作動装置12が所定の位置に保持されると、穿刺される箇所に切開装置10の位置を変えることができる。被験者は次いで、切開機構10を静止状態で保持し発射ボタン21を押下することで、適切に配置されたときにランセット31(図1a)を被験者の皮膚に突き刺すようにする切開装置10を作動させることができる。
【0019】
次に図4を参照して、切開装置10が作動された後、プランジャ筐体16およびシリンダ14が完全に伸長した切開装置10を示す。切開装置が作動されると、ばね28は、その圧縮状態(図3に示される)から図4に示されるように完全に伸長されるまで伸長することを始める。ばね28の伸長が、ピストン30を図4の矢印Aの方向にシリンダ14の外へ延出するように押し進め、これによりプランジャ筐体16が動いてシリンダ14から離れることになる。プランジャ筐体16が動いてシリンダ14から離れる際、プランジャ筐体16に着座するランセット31(図1a)が、被験者の皮膚を突き刺す。
【0020】
再び図3−4を参照し、切開装置10の減勢機構をより詳細に記載する。作動装置12が矢印Bの方向に引っ張られると、空気がゆっくりとシリンダ14から漏れ、ばね28が圧縮される。装置10が発射されるとばね28は伸長し、ピストン30をシリンダ14から延出するように押し進める。ピストン30が矢印Aの方向に動くと、シリンダ14および延長部22内に真空状態が形成される。この真空状態によって、空気が一方向弁24を通ってシリンダ14および延長部22へ進入して、この空間を満たすようになる。ピストン30がシリンダ14から延出する間、空気は弁24を通って進入し続ける。しかし、ピストン30がシリンダポート26a−bを通り越すと、ポート26a−bが空気をシリンダ14および延長部22の中に進入させる。この空気が進入可能になるので、シリンダ14内の真空状態が緩和され弁24が閉まり始める。
【0021】
ピストン30の推進力、およびB方向に作動装置12を伸長させることにより事前に付与されたばねの力によって、ばね28が、ばね28の休止位置および伸長位置付近を通過することになる。最終的には、ばね28の戻し力がピストン30が静止するようになるまでピストン30の伸長を減速させる。ばね28の戻し力は次いで、ピストン30をB方向に動かして戻し、さらにシリンダ14へと挿入する。ピストン30が戻り始めると、シリンダ14からの空気は、最初はシリンダポート26a−bから漏れるようになる。しかし、ピストン30がシリンダポート26a−bに達すると、空気はもはやこのシリンダポート26a−bから漏れることができず、シリンダ14および延長部22内で圧力が増大する。圧力が増大すると一方向弁24は閉まり、空気がシリンダ14または延長部22から漏れるのを防ぐ。したがって、空気はシリンダ14および延長部22内に閉じ込められる。
【0022】
ピストン30がシリンダ14の中へ動いて戻り続ける間、空気はさらにシリンダ14内で圧縮し、ピストン30を減速させる。これはピストン30が空気の圧縮によって停止されるまで続き、その時点で、ばね28はわずかに再圧縮される。ピストン30が停止すると、ばねの力が再び優勢になり、ピストン30をA方向にわずかに再伸長させる。ピストン30が再伸長すると、空気は一方向弁24を通ってシリンダ14および延長部22に進入することが可能になる。ピストン30が再びB方向に動き始めると弁24が閉じ、シリンダ14および延長部22内の空気が圧縮し、ピストン30をさらに減速させることになる。この過程は、ばね28がその休止(または釣り合い)地点に達するまで続き、切開装置10は図2に示されるその休止位置に達する。
【0023】
圧縮空気減勢システムを使用することによって、ピストン30がシリンダ14内に戻されるとき、ばね28が極度に過圧縮することから回避または阻止される。ばね28の再圧縮はわずかなので、被験者の皮膚を穿刺するほど十分にはピストン30を再伸長させない。したがって、圧縮空気減勢システムを使用することによって、被験者に対する複数回の穿刺およびそれに伴う痛みが回避または阻止される。
【0024】
記載したような圧縮空気の使用に関連する迅速な減勢により、ピストン30および切開装置10の設計はより大きな自由度を与えられる。本発明の減勢システムは、ピストン30を減速させるのに必要な距離が短縮されるので、延長したピストン30が使用されることが可能になる。延長したピストンを使用することにより、被験者の皮膚が穿刺される際、ピストンのより多くの部分がシリンダ内に残ることが可能になる。これにより、ピストン、付属のプランジャ筐体およびプランジャ筐体の中に挿入されたランセットの横方向の動きが軽減される。したがって、被験者の皮膚の裂傷を回避または阻止する助けとなる、より直線状の穿刺を実現することができる。
【0025】
本発明の一実施形態によると、切開装置10はシリンダポート26a−bを含まない。この実施形態では、ばね28が戻るとすぐに空気が圧縮し始めるので、ばね28がその伸長位置からその休止位置への戻るのにさらに一層遅延させられる。
【0026】
代替実施形態A
空気がシリンダの中へ流れるように適合された弁を含み、さらに開口を形成する前記シリンダと、
ランセットを中に着座させるように適合されたプランジャ筐体と、
前記シリンダ内で動くように適合されたピストンであって、前記シリンダ内にある前記空気の大部分が前記シリンダとピストンとの間に漏れるのを阻止するように適合され、前記プランジャ筐体に取り付けられるピストンと、
前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに隣接して配置され、前記シリンダ内に配置されるばねと、
内部軸を含む作動装置であって、前記作動装置の前記内部軸が、前記シリンダ内に形成される前記開口を通って前記シリンダ内に延在し、前記内部軸は前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに取り付けられる作動装置と
を備える切開装置。
【0027】
代替実施形態B
前記シリンダがそこから延在する延長部を含み、前記一方向吸気弁が前記延長部の一部分に配置される、実施形態Aに記載の切開装置。
【0028】
代替実施形態C
前記切開装置がさらに、被験者の皮膚を突き刺すように適合されたランセットを備える、実施形態Aに記載の切開装置。
【0029】
代替実施形態D
前記弁が一方向弁である、実施形態Aに記載の切開装置。
代替実施形態E
前記シリンダがさらに、少なくとも1つのシリンダポートを含み、前記少なくとも1つのシリンダポートが、空気が前記シリンダの中におよびそこから外へ流れることができるように適合される、実施形態Aに記載の切開装置。
【0030】
代替実施形態F
前記シリンダがさらに、第2のシリンダポートを含み、前記第2のシリンダポートが、空気が前記シリンダの中におよびそこから外へ流れることができるように適合される、実施形態Eに記載の切開装置。
【0031】
代替実施形態G
前記少なくとも1つのシリンダポートおよび前記第2のシリンダポートが、前記シリンダに対してお互いにほぼ向かい合って配置される、実施形態Fに記載の切開装置。
【0032】
代替実施形態H
前記作動装置が、前記ばねと反対の方向に力が加えられると、前記ばねを圧縮するように適合される、代替実施形態Aに記載の切開装置。
【0033】
代替過程I
切開装置を使用する方法であって、
(i)空気がシリンダの中へ流れるように適合された弁を含み、さらに開口を形成する前記シリンダと、
(ii)ランセットを中に着座させるように適合されたプランジャ筐体と、
(iii)前記シリンダ内で動くように適合され、前記プランジャ筐体に取り付けられるピストンと、
(iv)前記シリンダ内に配置され、前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに隣接して配置され、前記ピストンを第1の方向および第2の方向に動かすように適合され、少なくとも休止位置、作動可能位置および伸長位置を有し、前記休止位置が前記作動可能位置と前記伸長位置との間にあるばねと、
(v)内部軸を含む作動装置であって、前記作動装置の前記内部軸が前記シリンダ内に形成される前記開口を通って前記シリンダ内に延在し、前記内部軸は前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに取り付けられる作動装置と
を含む切開装置を用意する動作と、
前記ばねを前記休止位置から前記作動可能位置に圧縮する動作と、
前記ばねを解放する動作であって、前記解放によって前記ばねが伸長し、前記伸長したばねが、前記ばねの伸長位置に達するまで前記ピストンに対して前記第1の方向に発射力を伝え、前記ばねが、前記ばねの休止位置に達するまで前記ピストンに対して前記第2の方向に戻し力を伝える前記ばねを解放する動作と、
前記ピストンが前記第1の方向に動く際、前記シリンダ内に真空状態を形成する動作と、
空気が前記弁を通って前記シリンダに進入し、前記ピストンが前記第1の方向に動く際、前記シリンダ内に形成される前記真空状態を緩和することを可能にする動作と、
前記ばねがその休止位置に戻り前記ピストンが前記第2の方向に動く際、前記空気が前記シリンダから漏れるのを阻止する動作と、
前記ピストンの前記第2の方向の動きを減速させるために、前記シリンダ内の前記空気を圧縮する動作と
を備える方法。
【0034】
代替過程J
前記プランジャ筐体がランセットを含む、過程Iに記載の方法。
代替過程K
前記シリンダ内の前記空気を圧縮するのに先立ち、前記ランセットで被験者の皮膚を突き刺す動作をさらに含む、過程Jに記載の方法。
【0035】
代替過程L
前記シリンダが、少なくとも1つのシリンダポートを備え、前記シリンダポートが、前記シリンダ内の空気を圧縮するのに先立ち、前記シリンダに前記空気を進入させるように適合される、過程Iに記載の方法。
【0036】
代替過程M
前記シリンダに対する前記ピストンの横方向の動きを阻止するステップをさらに含む、過程Iに記載の方法。
【0037】
本発明は様々な変更形態および代替形態が可能であるが、特定の実施形態およびそれらの方法が、図面の中で例示の目的で示されており、本明細書中で詳細に記載される。しかし、本発明が開示される特定の形態または方法に限定する意図はなく、むしろ反対に、その意図は、冒頭の特許請求の範囲により明らかであるように、本発明の精神および範囲内にあるすべての変更形態、等価物および代替物を包含することであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1a】本発明の一実施形態による切開装置の斜視図である。
【図1b】本発明の一実施形態による図1aの切開装置の上部斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による、ランセットなしの図1aの切開装置のその休止位置での横断側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ランセットなしの図1aの切開装置のその作動可能位置での横断側面図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ランセットなしの図1aの切開装置のその伸長位置での横断側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気がシリンダの中へ流れるように適合された弁を含み、さらに開口を形成する前記シリンダと、
ランセットを中に着座させるように適合されたプランジャ筐体と、
前記シリンダ内で動くように適合されたピストンであって、前記シリンダ内にある前記空気の大部分が前記シリンダとピストンとの間に漏れるのを阻止するように適合され、前記プランジャ筐体に取り付けられるピストンと、
前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに隣接して配置され、前記シリンダ内に配置されるばねと、
内部軸を含む作動装置であって、前記作動装置の前記内部軸が、前記シリンダ内に形成される前記開口を通って前記シリンダ内に延在し、前記内部軸は前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに取り付けられる作動装置と
を備える切開装置。
【請求項2】
前記シリンダがそこから延在する延長部を含み、前記一方向吸気弁が、前記延長部の一部分に配置される、請求項1に記載の切開装置。
【請求項3】
前記切開装置がさらに、被験者の皮膚を突き刺すように適合されたランセットを備える、請求項1に記載の切開装置。
【請求項4】
前記弁が一方向弁である、実施形態Aに記載の切開装置。
【請求項5】
前記シリンダがさらに、少なくとも1つのシリンダポートを含み、前記少なくとも1つのシリンダポートが、空気が前記シリンダの中におよびそこから外へ流れることができるように適合される、請求項1に記載の切開装置。
【請求項6】
前記シリンダがさらに、第2のシリンダポートを含み、前記第2のシリンダポートが、空気が前記シリンダの中におよびそこから外へ流れることができるように適合される、請求項5に記載の切開装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのシリンダポートおよび前記第2のシリンダポートが、前記シリンダに対してお互いにほぼ向かい合って配置される、請求項6に記載の切開装置。
【請求項8】
前記作動装置が、前記ばねと反対の方向に力が加えられると、前記ばねを圧縮するように適合される、請求項1に記載の切開装置。
【請求項9】
切開装置を使用する方法であって、
(i)空気がシリンダの中へ流れるように適合された弁を含み、さらに開口を形成する前記シリンダと、
(ii)ランセットを中に着座させるように適合されたプランジャ筐体と、
(iii)前記シリンダ内で動くように適合され、前記プランジャ筐体に取り付けられるピストンと、
(iv)前記シリンダ内に配置され、前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに隣接して配置され、前記ピストンを第1の方向および第2の方向に動かすように適合され、少なくとも休止位置、作動可能位置および伸長位置を有し、前記休止位置が前記作動可能位置と前記伸長位置との間にあるばねと、
(v)内部軸を含む作動装置であって、前記作動装置の前記内部軸が前記シリンダ内に形成される前記開口を通って前記シリンダ内に延在し、前記内部軸は前記プランジャ筐体の反対側で前記ピストンに取り付けられる作動装置と
を含む切開装置を用意する動作と、
前記ばねを前記休止位置から前記作動可能位置に圧縮する動作と、
前記ばねを解放する動作であって、前記解放によって前記ばねが伸長し、前記伸長したばねが、前記ばねの伸長位置に達するまで前記ピストンに対して前記第1の方向に発射力を伝え、前記ばねが、前記ばねの休止位置に達するまで前記ピストンに対して前記第2の方向に戻し力を伝える前記ばねを解放する動作と、
前記ピストンが前記第1の方向に動く際、前記シリンダ内に真空状態を形成する動作と、
空気が前記弁を通って前記シリンダに進入し、前記ピストンが前記第1の方向に動く際、前記シリンダ内に形成される前記真空状態を緩和することを可能にする動作と、
前記ばねがその休止位置に戻り前記ピストンが前記第2の方向に動く際、前記空気が前記シリンダから漏れるのを阻止する動作と、
前記ピストンの前記第2の方向の動きを減速させるために、前記シリンダ内の前記空気を圧縮する動作と
を備える方法。
【請求項10】
前記プランジャ筐体がランセットを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シリンダ内の前記空気を圧縮するのに先立ち、前記ランセットで被験者の皮膚を突き刺す動作をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シリンダが、少なくとも1つのシリンダポートを備え、前記シリンダポートが、前記シリンダ内の空気を圧縮するのに先立ち、前記シリンダに前記空気を進入させるように適合される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記シリンダに対する前記ピストンの横方向の動きを阻止することをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−512206(P2008−512206A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531366(P2007−531366)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/032167
【国際公開番号】WO2006/029320
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】