説明

圧送排水用管継手装置

【課題】 一般配管用鋼管及び排水用塩化ビニルライニング鋼管を用いて施工可能であ
り、圧送排水用管継手として長時間の脈動水圧に耐え、耐振動性を持ち、必要十分な耐引き抜き力を発揮し、継手接続の信頼性を確保する。
【解決手段】 排水部から外部排出部に排水を圧送する管体を接続するための管継手装置について、管体11の外周面と継手リング15の内側斜面19との間に、複数個の剛体球25を配置したパッキング20を挿入し、継手リング15の締め付け時に内側斜面19の分力によって剛体球25を管体11の外周面に加圧する構成を有し、かつ継手リング15を締め付けるのとは独立に管体11の外周面を締め付ける、グリップ部30を継手部18とは別部品として有し、グリップ部30と継手リング15とを数箇所のボルト34によって共締めする構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水部から外部排出部に排水を圧送する管体を接続するための管継手装置に関するものであり、特に、建物の排水システムにおいて、排水槽からポンプを用いて外部排出路に圧送する圧送用排水管などの管継手装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧送用排水管を接続する継手装置としては、
1)接続する2本の管端部に、円周廻りに多数のボルト孔を設けたフランジを溶接し、両フランジ間に例えばゴムから成るパッキングを挟み、両フランジをボルト締めして耐圧接続するものと、
2)接続する2本の管端部の外周にネジを切り、シーリングテープで防水処理後、両端に雌ねじ嵌合部を持った圧送用継手装置で両管を回転挿入し、耐圧接続するものがあった。しかし近年、耐久性、防音性及び環境性能の向上のために、内周に防錆樹脂処理を行った排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(いわゆるDVLP)が多用されるようになり、管外層を加工する上記従来の方法を使用することができなくなってきた。
【0003】
即ちDVLP管にフランジ溶接すると加工時の熱上昇により、内壁樹脂層を破壊してしまうので、1)の方法を使用できないのである。また、DVLP管の管厚みは樹脂層(内層)と鋼管層(外層)との積層厚みで従来鋼管厚みと同等となっているため、外層鋼管部に所要のネジ溝を切れない、もしくは切れても鋼管肉厚は薄くなり加圧による破断の可能性が高くなり、2)の方法も実際には使用が困難である。
【0004】
管外層を加工しない継手装置としては、台形状の断面形を有する円環状ゴムパッキングを管上に挿入し、2個の継手金具を用いて当該ゴムパッキングを締め付けることによりゴムパッキングの摩擦力を増大し管の抜け出しを防止する可撓管継手装置がある(A継手と略称する)。その改良型として、ゴムパッキングに複数個の剛体球を配置し、継手の斜辺により剛体球を加圧して管表面に食い込みを生じさせ、その抵抗力により耐抜け出し力を向上させた実登第3099370号に係る装置がある(B継手と略称する)。
【0005】
B継手について加圧反復曲げ試験を行ない、管抜け出し原因を分析した結果を図7に示す。管内に印加した圧力は加速劣化試験のため、通常の0.1MPよりも0.75MPの高水圧に高めて行なったところ、図8Aに示すように、パッキングに配置した剛体球の食い込んだ痕跡が管端部に向かってほぼ直線状に掘られていることが分かる。図7、図8
中、長さの単位はmmである。試験により、剛体球がクリープ(滑動)を起こして抜落に到ることが分かる(図8)。
【0006】
ところで、圧送用排水管を接続する継手装置の場合、ポンプアップ時の脈動水圧に耐えることが必要となる。そこで上記の継手装置を用いて30cmの管材を接続し、水圧0.1MPa〜1.0MPaを繰り返し毎分21回の周期で印加する、一般的な脈動水圧試験法により試験を行ったところ、A継手では40回未満(2分未満)で脱落し、実用上使用に耐えないことが明らかになった。また剛体球を併用したB継手では長期限界試験の結果51万回(約17日間)程度で脱落した。これは実際の使用状態における使用期間として約1年弱から2年半の範囲に相当するので、このままでは使用できないと判断される。
【0007】
さらに、A継手を圧送排水用配管に使用するために、管継手装置と共締めして使用す
る、管抜け防止用の締め付け金具も提供されている。しかし、この締め付け金具は、パッキングを内包する継手金具とともに数箇所のボルトによって共締めする構造であり、肉厚が均一であるため、ボルトナットを締め付けても、締め付け金具の内径変位は僅かであ
り、管外周面に対する締め付け金具内面による全面接触は行われず、把持力の向上を望むことは殆んどできないと考えられる。前記と同様に30cmの管材を継手装置で接続し、引き抜き荷重を印加する試験を行ったところ、A継手は2KN〜20KNで抜け出したのに対して、締め付け金具付きの継手は20KN〜30KNと、ばらつきは減少するが、引き抜き耐荷重は1.5倍程度増加するに過ぎず、摩擦力のみによる把持の限界を示している。なお摩擦力による把持では、ボルトにゆるみがある場合には、著しく把持力が低下する。剛体球を有するB継手では40KN〜60KNという耐引き抜き荷重を有するが、クリープ現象を阻止することができないため、圧送排水用管継手として十分な性能を発揮するものとはいえない。
【0008】
また本発明者は、先に、グリップ部を継手部と一体構造のものとした圧送排水用管継手装置を開発した。しかし、その管継手装置の場合、長期限界試験において、グリップ部と継手部を一体構造としている連結部が金属疲労を起こし、破壊に到ることがあった。連結部が破壊しても、管継手が直ちに機能しなくなることはないが、管継手装置として不完全な状態となることは明らかであり、一体構造によって保証されていた性能を期待できないこととなる。
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3099370号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、一般配管用鋼管及び排水用塩化ビニルライニング鋼管を用いて施工可能であり、圧送排水用管継手として長期間の脈動水圧に耐え、耐振動性を持ち、必要十分な耐引き抜き力を発揮し、継手接続の信頼性を確保することである。また本発明の他の課題は、現場にて継手接続を容易に施工することができる圧送排水用管継手装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するため、本発明の圧送排水用管継手装置は、排水部から外部排出部に排水を圧送する管体を接続するための管継手装置について、管体の外周面と継手リングの内側斜面との間に、複数個の剛体球を配置したパッキングを挿入し、継手リングの締め付け時に内側斜面の分力によって剛体球を管体の外周面に加圧する構成を有し、かつ継手リングを締め付けるのとは独立に管体の外周面を締め付ける、グリップ部を継手部とは別部品として有し、グリップ部と継手リングとを数箇所のボルトによって共締めした構成を有している。
【0012】
本発明の管継手装置は、排水を圧力をかけて圧送する管体の接続部分に適用するもの
で、例えば、建物の排水システムにおいて、排水部である内部の排水槽からポンプ等を用いて、外部排出部である外部排出路に圧送するケースなどが該当する。本発明を適用する管体については種類を問うものではなく、前記したDVLP管と称される排水用の硬質塩化ビニルライニング鋼管にも、また従来から使用されて来た鋼管にも適用可能である。
【0013】
本発明は既に一部触れたように、自社技術の延長上に位置する改良発明に当たるものであり、管体の外周面と継手リングの内側斜面との間に、挿入したパッキングに複数個の剛体球を配置した構成を有しており、この構成は、前記した実用新案登録第3099370号の発明の構成と基本的に共通する。この構成では、継手リングの締め付け時に内側斜面の分力によって剛体球を管体の外周面に加圧し、食い込みを生じさせ、その抵抗力によ
り、耐抜け出し力を向上させることができる。継手リングの締め付けの際には管上に挿入されているパッキングも締め付けられて前記A継手、B継手の場合と同じように摩擦力を増大し、管の抜け出し防止に寄与する。
【0014】
このような継手装置には、管体の外周面を締め付けるグリップ部が設けられる。グリップ部は、管体に強固な把持力で固定されることを特徴とするもので、継手リングを締め付ける締続手段とは独立に締め付け、かつ継手部と一体構造のものは、既に一部触れたように自社において開発され、一体化部分は疲労により破壊を起こすことが分かっている。これに対し本発明ではグリップ部を継手とは別部品とし、独立して管体に強固に固定されるとともに、グリップ部と継手部とを数箇所のボルトによって共締めし、継手部とつながっていることにより継手装置をも構成するものである。
【0015】
グリップ部は様々な形状、構造を具備し得るので、その内でも主要な例を示すと、例えばグリップ部は、開閉可能な端部を有するC−クランプ型の正面形状を有するものとし、上記端部を閉じる方向にボルトナットにより締め付ける構成を取ることが可能である(図2又は図4参照)。C−クランプ型の例の場合、グリップ部は、挿入すべき管体の外径以下の内径を有しており、挿入時に端部を押し拡げて管体の外径以上の内径に拡大し、管体上への挿入後端部を押し拡げることを止めて、径差により管体の外周面を締め付け、密着性を向上する方法を取る。
【0016】
またグリップ部は弾性力によって把持力を発揮するものとし、開閉可能な端部から次第に厚みの増す構造として、弾力性を向上することができる(図4参照)。これによって、グリップ部に印加される各種の引き抜き力や様々な振動などの外力に対応可能な弾性力を得ることができる。この構成を有する場合、最大厚みの部分にて継手と一体化した構成とする。グリップ部は対称性を有する方が望ましいので、C−クランプ型の正面形状の中央部が最大厚み部分となり、かつその箇所で継手部と一体化した構成とする。
【0017】
またグリップ部は、1対のほぼ半円形状のグリップ部分から成る構成を取ることがで
き、この場合、各グリップ部分は各々の中央部にて2分されるため2部品となり、かつ予め離して設けられた端部を閉じる方向へボルトにより締め付ける構成を取る(図3参照)。各グリップ部分は、例えば円形を数等分し個々のグリップ部分がほぼ同形、同大のものとする。さらに、グリップ部は、管体外周面と接触可能な内周面に、管体の抜け方向力に対抗して摩擦抵抗力を高めるための摩擦増大部を有することが望ましい(図6参照)。摩擦増大部は、グリップ部の内周面に溝又は突部を形成すること、或いは摩擦抵抗力の大きいライニングなどを施すことによって得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、管種を選ぶことなく一般配管用鋼管や排水用ビニルライニング鋼管その他のあらゆる圧送用排水管の接続に適用可能であり、圧送排水用管継手として長期間の脈動水圧に耐え、耐振動性を持ち、必要十分な耐引き抜き力を発揮し、継手接続の信頼性を確保することができるという効果を奏する。また本発明のものは、接続すべき管体に対する加工の必要性が殆どないので、現場にて継手接続を容易に施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る圧送排水用管継手装置10を管体11に取り付けたものの例示である。
【0020】
図において、11は管体、12は継手管であり、継手管12は、管体内径とほぼ同径の中央部13を有し、かつ両端にボルト締め部14、14′を有しており、ボルト締め部14に継手リング15が組み合わされている。ボルト締め部14、14′及び継手リング15にはボルト孔が設けられており、締結手段であるボルト16を挿通しナット17を用いて緊締することができる。なお、ナット17は、継手リング15のボルト孔に雌ねじを設けて代用することも可能である。継手管12と継手リング15とは本発明における継手部18を構成する。継手部18の内周には、本発明の装置を構成するパッキング20を取り付けるパッキング配置部が設けられている。例示の場合、ボルト締め部14、14′の内周と継手リング15の内周に、継手部18の外方へ向かってテーパー状となる内側斜面19、19′、19″が設けられている。
【0021】
パッキング20は、管体11の外面に嵌合可能な環状部21と、環状部21の一端から管軸方向へ延びるテーパー状断面を有する一端部分22と、環状部21の他端から管軸方向へ延びる他端部分23及び係止端部24とを有し、これに、剛体球25等を設けて構成されている。剛体球25は、周方向に等間隔でパッキング20の一端部分22に取り付けられ接触点列26を形成しており、各剛体球25は、テーパー状断面を有する一端部分22の取り付け部肉厚よりも大径であるので、内面側、外面側ともに露出し、管体11の外面及び継手リング15の内側斜面19に接触可能になっている。なおパッキング20の圧縮じわの発生を防止し、管体11の位置変動に対する追従性能を向上するように一端部分22にスリットを形成することもできる。
【0022】
係止端部24は、パッキング20の他端部分に、管体11の端部を覆うように係止可能に設けられている。係止端部24は、環状部21の他端部分23の先端に位置しており、他端部分23は薄膜状であるので伸縮性が良好であり、環状部21及び係止端部24が夫々所期の位置に配置されることを妨げない。なお、パッキング20の環状部21は管体11と継手部18との間を埋めて水密性を発揮する肉厚のほぼ台形状の断面形状を有している(図1参照)。
【0023】
継手リング15は、文字通りリング状を有し、その内周が前記の内側斜面19となっている、その一方、外周には等間隔で3箇所、ボルト通し孔27を突出させているもので、ボルト通し孔27′、27″は継手管12のボルト締め部14、14′にも形成されており、全てが同一軸線上にある。このような継手リング15の外側に位置して、管体11の外周面を締め付けるグリップ部30が、継手リング15と別部品即ち別体構造のものとして設けられている。
【0024】
図1ないし図3に例示されているグリップ部30は、開閉可能な端部31、32を有するC−クランプ型の正面形状を有している。従って端部31、32を含むほぼ全周に及ぶ範囲でグリップ部30は可撓即ち撓み可能である。端部31、32にはボルト穴33が開いており、そこに締め付け手段であるボルト34を通し、ナット35で締め付ける構成となっている。なお、グリップ部30もリング状といって良く、その外周に等間隔でボルト通し孔28が突出状に設けられている。
【0025】
図3は、グリップ部30の把持力弾性の向上する例であり、この場合、グリップ部30は開閉可能な端部31、32から次第に厚み(幅)の増す構造を有する。グリップ部30には各種の外力が印加されるので、それらに対抗して十分な把持力を得るには弾性力が必要となるために有効となるものである。各部の厚みの代表値をt1、t2、t3とするとき、t3<t2<t1と厚み傾斜を付けることにより中央部から開口部36にかけてのベンディング幅が増加し弾性力が向上する。
【0026】
図4は、分割構造を有するグリップ部40の例を示す。この例は大口径用に適してお
り、リング状のものをほぼ2等分したグリップ部分41、42は、2個1対のほぼ半円形状のものである。従って開閉可能な端部は左右2箇所31、32、31′、32′とな
り、左右夫々の開口部36、36′が締め付け手段のボルト、ナット34、35、34′、35′によって締め付けられ、1対のグリップ部分41、42の弾性で管体11を確実に把持する。
【0027】
図5、図6は、グリップ部30、40などの内周面に、摩擦増大部45を設けることができる例を示している。図6Aの摩擦増大部45は、グリップ部30、40の内周面に鋸歯状の歯46を形成したものであり、グリップ部30、40を締め付けたとき、管体11の引き抜き力に対抗して鋸歯状の歯46が管体11の外周面に食い込み大きな摩擦力を発揮する。また図6Bの摩擦増大部45は、グリップ部30、40の内周面に円錐状の突起47を形成したもので、図6A同様に大きな摩擦力を発揮する。
【0028】
このような構成を有する本発明の装置10を使用して可撓管継手を施工するには、予め管体11に例えばグリップ部30、継手リング15を嵌め合わせる。次いでパッキング本体20を管体11に同様に嵌め合わせるが、その際、係止端部24が管体11の端部に確実に係止するように注意し、パッキング20の一端部分22が継手リング15の内側斜面19と管体外面との間に入り込むようにする。さらに、パッキング20の外側を覆うよう継手管12に嵌め合わせ、そのボルト締め部14と前記継手リング15及びグリップ部30のボルト孔にボルト16を差し込み、かつナット17を螺合して締結作業を行うとともに、管体上に挿入した状態にあるグリップ部30…の端部31、32…にボルト34を通しナット35を締め付けて、管体外周面を強固に把持した状態とする。
【0029】
ボルト16、ナット17の緊締により、継手リング15にパッキング20の一端部分22が押し込まれる結果、内側斜面19によって剛体球25が管体11の外面に加圧され食い込み、またグリップ部30においても可撓部の弾性変形の下で管体外周面に加圧され食い込んだ状態となる。このような締結状態になると、継手リング15とボルト締め部14に挟まれているパッキング20の環状部21も変形を生じ水密な継手を完成する。この継手装置10にも使用中圧送排水や外部入力による様々な力が加わり、それらは継手から管体11を抜け出させるように作用するが、本発明においては、剛体球25の管体外周面への食い込みにより前述のように40KN〜60KNという大きな耐引き抜き荷重が得られており、かつまたグリップ部30によって、本装置10は強固に管体外周面に固着しているので、外力によってグリップ部30が動くということはない。即ち、この発明の管継手装置10について、圧送排水や外部入力に基く外力は、管体11の抜け方向に対しては剛体球25が対抗し、繰り返し振動に対してはグリップ部30が不動的状態を保つので、クリープ現象を起こすには到らず、或いはクリープ現象が起きたとしても原位置を中心とする極く小規模な範囲に収まるので、管体11が抜け出してしまうという状況が起こることはない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る圧送排水用管継手装置の実施例を示す縦断面図。
【図2】グリップ部の正面図。
【図3】同じく他の例を示す端面図。
【図4】同じくグリップ部の第2の例を示す端面図。
【図5】摩擦増大部の例を示す断面図。
【図6】Aは鋸歯状、Bは突起状の摩擦増大部の説明図。
【図7】管体の抜け出しメカニズムを示す説明図。
【図8】Aは剛体球の痕跡を示す説明図。Bは同じく継手内部の動きを示す説明図。
【符号の説明】
【0031】
10 本発明の管継手装置
11 管体
12 継手管
14、14′ ボルト締め部
15 継手リング
16 ボルト
18 継手部
19、19′、19″ 内側斜面
20 パッキング
21 環状部
22 一端部分
23 他端部分
25 剛体球
30、40 グリップ部
31、32、31′、32′ 端部
33 ボルト穴
34、34′ ボルト
35、35′ ナット
36、36′ 開口部
41、42 グリップ部分
45 摩擦増大部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水部から外部排出部に排水を圧送する管体を接続するための管継手装置であって、管体の外周面と継手リングの内側斜面との間に、複数個の剛体球を配置したパッキングを挿入し、継手リングの締め付け時に内側斜面の分力によって剛体球を管体の外周面に加圧する構成を有し、かつ継手リングを締め付けるのとは独立に管体の外周面を締め付ける、グリップ部を継手部とは別部品として有し、グリップ部と継手リングとを数箇所のボルトによって共締めした構成を有することを特徴とする圧送排水用管継手装置。
【請求項2】
グリップ部は、開閉可能な端部を有するC−クランプ型の正面形状を有し、上記端部を閉じる方向へボルトにより締め付けるように構成されている請求項1記載の圧送排水用管継手装置。
【請求項3】
グリップ部は、挿入すべき管体の外径以下の内径を有しており、挿入時に端部を拡げて内径を管体の外径以上とし、挿入後、端部を拡げることを止めて径差により管体の外周面を締め付ける請求項1又は2記載の圧送排水用管継手装置。
【請求項4】
グリップ部は、弾性力によって把持力を発揮するもので、開閉可能な端部から次第に厚みの増す構造を有している請求項1又は2記載の圧送排水用管継手装置。
【請求項5】
グリップ部は、1対のほぼ半円形状のグリップ部分から成り、各グリップ部分は各端部を閉じる方向へボルトにより締め付けるように構成されている請求項1記載の圧送排水用管継手装置。
【請求項6】
グリップ部は、管体外周面と接触可能な内周面に管体の抜け方向力に対抗して摩擦抵抗を高めるための摩擦増大部を有している請求項1記載の圧送排水用管継手装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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