説明

圧電デバイスの製造方法

【課題】良好な品質を確保し、高い生産性を兼ね備えた圧電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】キャビティー22形成同様にフォトリソグラフィーによって、前記貫通孔23および前記段差部24以外の部分にレジストを残すようにパターン化する。前記基板材質がシリコンの場合には、テーパー状にエッチングを行い、前記貫通孔23および段差部24を形成する。前記貫通孔23と段差部24は同工程で同時に形成することが可能であり、また、段差部24は前記キャビティー22の形成時に同時に形成することも可能である。この段差部24上にアライメントマーク32を電解メッキ手法等により形成する。このとき、圧電振動素子搭載パッド29や貫通電極34も同時に形成される。そして、アライメントマーク32を、圧電振動素子37の実装位置決め基準、蓋36の接合位置決め基準、個々の圧電デバイスに分割する際のダイシング位置基準として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用通信機器や電子機器などに数多く組み込まれている圧電デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用通信機器等の電子機器に組み込まれるタイミングデバイスとして圧電振動子などの圧電デバイスが使用されている。
【0003】
前記圧電デバイスは、電子機器への実装用のパッケージ内に、励振電極を形成した圧電振動素子を実装した上で、前記パッケージ上に蓋をしてパッケージ内部を気密封止する事で完成となる。前記パッケージにおいては、前記パッケージ内部に、前記圧電振動素子を実装するための導体パターン(実装端子)が形成されており、他表面に圧電デバイス本体を電子機器側の回路基板に実装するための導電パターン(外部端子)が形成され、それらが基板の内部を貫通する貫通電極によって互いに電気的に接続されるといった構成が採用されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【0004】
また、基板に実装された前記圧電振動素子を気密封止する手段としては、基板とは別体の蓋部材を基板に接合して外部から遮断された閉鎖空間を形成するといったことが行われる。この点に関し、その際に用いられる接合技術としては、接合面に所定の接合膜を介在させたうえで行う陽極接合や加熱溶融接合などが挙げられ、近年では技術の向上に伴い、シリコンとガラスなどの異種材料同士の接合も可能となってきている。
【0005】
図3は前記圧電デバイスの全体構造を示す上面図(a)と、(a)のA−A’断面図で、上面図(a)は、一部部材(蓋と圧電振動素子)を透視した図である。尚、ここでは、前記パッケージ材質がシリコンの場合において説明する。前記圧電デバイス41は、励振電極(不図示)を形成した圧電振動素子42を、圧電振動素子搭載パッド43に搭載し、貫通電極44を通じて前記外部端子45と電気的に接続している。前記圧電振動素子42を収納する前記圧電デバイスパッケージ46内に前記圧電振動素子42を搭載した後、前記圧電デバイスパッケージ46上部に蓋47を接合して圧電デバイスパッケージ内部48を気密封止している。
【0006】
前記貫通電極44は、前記圧電デバイスパッケージ46に貫通孔49を形成し、当該貫通孔49内面に絶縁膜50を形成して絶縁処理をした上、その内面に導電性部材53を充填して形成されるものである。ここで、前記圧電振動素子搭載パッド43と導電性部材53は、同一部材で一体的に形成できる。
【0007】
また、前記外部端子45と前記圧電デバイスパッケージ46との電気的接続を防ぐため、両者の間に絶縁膜51および有機絶縁膜52が形成されている。前記有機絶縁膜52を形成する目的は、前記圧電デバイスパッケージ46のパッケージ静電容量を低減させるためである。
【0008】
また、前記圧電デバイスの製造方法としては、複数の前記圧電デバイスパッケージの形成領域を有する大口径のウェハを準備し、ウェハレベルにて前記圧電デバイスパッケージを完成させ、ウェハレベルにて前記圧電デバイスパッケージ上部に接合膜54を介して蓋をして気密封止した上で、ダイシングにより個片化を行い、1枚の基板から複数の圧電デバイスを形成させている。
【0009】
図4−1、図4−2は従来技術によるウェハレベルで作製される圧電デバイスの製造方法を説明する図で、(a)〜(j)は、各工程におけるパッケージ形成の状態を示す断面図である。以下、図4−1、図4−2を参照して従来技術の圧電デバイスの製造方法を説明する。尚、ここでは、前記パッケージ材質がシリコンの場合において説明する。
【0010】
図4−1(a)は、基板の表面にキャビティー(凹部)を形成する工程を示しており、ここでは、シリコンウェハから成る基板61の表面にフォトレジストをスピンコート法やスプレーコート法等で塗布した後、フォトマスクを前記基板61上方に被せて紫外線露光を行い、感光領域のフォトレジストを現像液により除去することでレジストパターンを形成する。続いて、そのレジストパターンをエッチングマスクとして基板61を一定量エッチングし、キャビティー62を形成する。尚、使用後のレジストパターンは、アセトンなどの有機溶剤を用いて剥離する。また、フォトレジストは、ポジ型とネガ型の何れかを任意に選択可能であり、以降の類する工程においても同様である。
【0011】
図4−1(b)は、キャビティー内底面に貫通電極形成用の貫通孔を形成する工程を示しており、ここでは、前工程でキャビティー62を形成した手法に倣い、フォトリソグラフィーによって基板61の表面に貫通孔63の形成領域のみが開口されたレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをエッチングマスクとして基板61をエッチングして貫通させ、貫通孔63を形成する。尚、貫通孔63は、ドライエッチングとウェットエッチングを適宜利用することで、図に示すようなテーパー状に形成することが可能であり、このようなテーパー状の貫通孔63は、貫通孔63の外縁部に跨る配線(後の接続配線部69)に応力が集中して断線するのが防止されるなどの作用があるが、貫通孔63の形状はこれに限定されるものではない。
【0012】
図4−1(c)は、基板の表面に絶縁膜を形成する工程を示しており、ここでは、キャビティー62と貫通孔63が形成された基板61を石英管炉の中などに入れ、高温で加熱することによって基板61の表層をシリコン酸化膜(SiO)へと変質させ、絶縁膜64を形成する。
【0013】
図4−1(d)は、キャビティー内面と対向する面側の絶縁膜上に有機絶縁膜を形成する工程を示しており、ここでは、基板61の外底面側の絶縁膜64上にスピンコート法などを用いてポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を成膜し、それが感光性のものであれば貫通孔63直下の領域のみが開口されるようにフォトリソグラフィーによってパターニングし、その上でイミド化の熱処理を行って有機絶縁膜65を形成する。尚、有機絶縁膜65が非感光性ものである場合には、形成した有機絶縁膜65上にレジストパターンを形成し、それをマスクとしてアッシングにより不要領域の有機絶縁膜65を取り除くことで有機絶縁膜65をパターニングしても良い。
【0014】
図4−1(e)は、基板の表面に形成された絶縁膜の上に配線の基礎となる共通電極膜を形成する工程を示しており、ここでは、この時点で外部へ露呈されている絶縁膜64と有機絶縁膜65の表面全体にスパッタリング法や真空蒸着法などによって金(Au)や銅(Cu)などの金属材料を堆積させて共通電極膜66を形成する。
【0015】
図4−2(f)は、共通電極膜上に電解メッキ用のマスクパターンを形成する工程を示しており、ここでは、共通電極膜66の表面全体にスピンコーターやスプレーコーターを用いてフォトレジストを塗布し、フォトマスクを被せて紫外線露光を行った上で感光領域のフォトレジストを現像液によって除去し、電解メッキ膜を形成すべき所定の領域のみが開口された電解メッキ用のマスクパターン67を形成する。
【0016】
図4−2(g)は、共通電極膜上に電解メッキ膜を形成する工程を示しており、ここでは、基板61全体を電解メッキ液内に浸漬させて電解メッキを行い、マスクパターン67で覆われていない領域(圧電振動素子搭載パッド68、貫通孔63内部、接続配線69、外部端子70に対応する領域)に金(Au)や銅(Cu)などの導電性部材71を堆積させ、その後、マスクパターン67を剥離する。
【0017】
尚、電解メッキ膜を部分的に厚くしたい場合には、以上の工程の後に厚くしたい領域のみが開口されたマスクパターンを改めて形成した上で再度電解メッキを行えばよい。このようなことが要求される状況としては、後に前記圧電振動素子搭載パッド68上に搭載される圧電振動素子の振動領域を十分に確保する目的で圧電振動素子搭載パッド68を厚くしたり、貫通電極部におけるリークを防止する目的で貫通孔63内部の導電性部材71を増量したりする場合などが挙げられる。
【0018】
以上によって、貫通孔63内部が導電性部材71により充填されて貫通電極72となり、一方では前記圧電振動素子搭載パッド68が実質的に厚膜化される。尚、共通電極膜66を剥離するに当たっては、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した上でそれをエッチングマスクとして不要領域の共通電極膜66のみを除去する方法や、導電性部材(電解メッキ膜)71が形成された領域の膜厚が、電解メッキ膜の無い領域(共通電極膜のみの領域)の膜厚よりも十分に厚い事を利用して、電解メッキ膜と共通電極膜全体をそのまま一定量エッチングする方法などが採用される。
【0019】
図4−2(h)は、基板の上端部に接合膜を形成する工程を示しており、ここでは、圧電デバイスの気密封止のための蓋を、陽極接合法又は加熱溶融接合法により基板61に接合することを前提として、まず基板61の上面全体にスパッタリング法や真空蒸着法、CVD法などを利用して接合膜73を成膜する。尚、接合膜73の材料は、接合方法が加熱溶融接合法であれば金(Au)であり、陽極接合法であればシリコン酸化膜(SiO)などであり、前記蓋の材質や接合方式によって様々である。但し、シリコンとシリコンの常温接合の場合には、基板61の上端部(接合面)に絶縁膜64が形成されているため、研磨やエッチングを行う事によって、接合部の絶縁膜64を取り除く。
【0020】
図4−2(i)は、接合膜73をパターニングする工程を示しており、ここでは、まず接合膜73の表面全体にスピンコーターやスプレーコーターを用いてフォトレジストを塗布した上でフォトリソグラフィーによりパターニングし、基板61の上端部(接合面)を覆うレジストパターンを形成する。その後、そのレジストパターンをエッチングマスクとして不要領域の接合膜73をエッチングにより除去した上でレジストパターンを剥離し、基板61の上端部にのみ接合膜73を残留させる。尚、接合膜73のパターニングには必ずしもエッチングを用いる必要はなく、同様の作用が得られるのであればその他の手段を用いても構わない。
【0021】
図4−2(j)は、圧電振動素子を気密封止する工程を示しており、ここでは、基板61のキャビティー62内底面に設けられた圧電振動素子搭載パッド68上に圧電振動素子75を搭載した上で、シリコン等から成る平板状の蓋74を基板61上端部の接合膜73上に載置し、真空雰囲気中などの所定雰囲気中において接合膜73の材料に応じた接合方法(Auであれば加熱溶融接合法、シリコン酸化膜であれば陽極接合法)を用いて蓋74を基板61に接合する。最後にウェハを製品単位毎に分割して一つの圧電デバイスが完成する。
【0022】
ウェハを製品単位毎に分割する際には、ダイシング方式を用いる。ダイシング方式にも様々な手法が挙げられるが、基板や蓋の材質の組合せが様々である事、また高い生産性が望まれるデバイスである事から、ブレードダイシングによる分割が望ましく、本デバイスの場合には、図5のようにウェハ内に複数の圧電デバイスが規則正しく配列されており、生産性を向上させるために、一部の切断箇所に生産者が位置合わせを行い、そこから製品間隔ごとに自動で切断を行っている。
【0023】
本デバイスの場合には、前記有機絶縁膜65を形成する際に、同時にダイシングラインを形成しており(不図示)、ダイシング時にはこのラインを利用して位置合わせを行い、製品単位に分割を行っている。また、前記有機絶縁膜65でダイシングラインの形成が困難な場合においても、ある箇所の圧電デバイスの外部端子とその隣の圧電デバイスの外部端子との中心部で位置合わせを行い、その後自動で製品単位に分割している。
【0024】
尚、ダイシング後には、エキスパンドを行い、チップをピックアップして、さらにチップを反転させて前記蓋を上側にして治具に設置し、チップの表面および側面の外側の材質がシリコンであるため、スプレーコーティング等によって前記チップの絶縁処理を行って製品の完成となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2004−214787号公報
【特許文献2】特開2007−267101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、前述の従来技術による圧電デバイスの製造方法には、一部工程において以下のような問題点がある。
【0027】
本デバイスのダイシング時において、基板や蓋の材質がシリコンの場合には、有機絶縁膜のパターンで形成されたダイシングラインを利用して、位置合わせを行い、基板の外部端子側からダイシングを行い、製品単位毎に分割を行っている。分割後の段階では、ダイシングテープ面に各チップの蓋が貼り付いており、その後の工程でシリコンが露出した部位(蓋や基板側面)に絶縁処理を行うためには、各々のチップを反転させて蓋側が上となるように治具等に置き換えなければならず、その工程分、生産性が低下する。
【0028】
前記チップの反転をする工程を無くす場合には、基板の蓋側からダイシングを行えば良いが、前記蓋にダイシング用のアライメントマークを形成すると、その分多工程となってしまう。加えて仮にアライメントマークを形成しようとしても、蓋の厚さが非常に薄く機械的強度が小さいため、フォトリソグラフィー手法等によりアライメントマーク形成を安定に行う事はできない。
【0029】
また、一般的にダイシングをブレードダイシングで行うと、ダイシングテープに貼り付けた側(従来工程では基板の蓋側)のチップの側面や角部の基板の一部が欠けてしまい、品質低下となってしまう。
【0030】
また、ウェハレベルで蓋を基板に接合する際に、蓋と基板を同サイズにして治具に設置して接合を行っているが、蓋と基板でそれぞれ厚さはもちろん、構成部材も違う事から、蓋と基板で各々反り量や反り方が異なり、治具だけでは加熱等による基板の膨張によるずれが生じて安定な接合を行う事ができない。
【0031】
また、圧電振動素子を圧電振動素子搭載パッド上に実装するためには、その位置合わせ用のアライメントマークが必要となり、従来工程の場合には、ウェハレベルで接合を行う事から、接合面に電解メッキ等により位置合わせ用のアライメントマークを形成する事はできず、エッチング等により別途接合面に位置合わせ用のアライメントマークを形成する事も考えられるが、その分多工程となってしまう。
【0032】
本発明は、上記問題点に鑑み、良好な品質を確保し、高い生産性を兼ね備えた圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記目的を達成するために、本圧電デバイスの製造方法は、少なくとも、平板状のウェハ基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、前記ウェハ基板の外周部に段差部を形成する工程と、前記段差部に部材同士の位置決め基準となるアライメントマークを形成する工程と、前記圧電振動素子を前記キャビティー内にマウントする工程と、平板状の蓋部材を準備し、当該蓋部材を前記キャビティーを覆うようにして前記ウェハ基板に接合する工程と、前記接合された蓋部材とウェハ基板を前記圧電振動素子毎に個々に分割し、前記圧電振動素子が前記蓋部材と前記ウェハ基板の一部で構成されたパッケージ内に収納された圧電デバイスを複数個一括して形成する工程とを有することを特徴としている。
【0034】
前記段差部に形成されたアライメントマークは、前記圧電振動素子を前記キャビティー内にマウントする工程と、前記蓋部材を前記ウェハ基板に接合する工程と、前記接合された蓋部材とウェハ基板を前記圧電振動素子毎に個々に分割する工程の少なくとも一つの工程において、各部材同士の位置決め基準、若しくは分割位置の基準として用いられることを特徴としている。
【0035】
前記ウェハ基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、前記ウェハ基板の外周部に段差部を形成する工程とは、エッチング手法を用いて同時に行われることを特徴としている。
【0036】
前記アライメントマークを形成する工程において、前記アライメントマークは電解メッキ手法にて形成してなることを特徴としている。
【0037】
前記アライメントマークを形成する工程において、前記アライメントマークは前記段差部に凹状部を形成してなることを特徴としている。
【0038】
前記蓋部材を前記ウェハ基板に接合する工程において、前記蓋部材は前記アライメントマークと平面的に重ならないようにして前記ウェハ基板と接合されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、キャビティー等を形成すると同時にウェハの外周部の一部に段差を設けて、前記段差上に圧電振動素子の実装用、蓋との接合用、個片化する際のダイシング用の位置合わせ時に用いるアライメントマークを、電解メッキにより、圧電振動素子搭載パッド等と同時に形成するため、工程を増加する事なくアライメントマークを簡単に形成する事ができる。
【0040】
さらに本発明によれば、従来工程のように外部端子側からではなく、前記アライメントマークで位置合わせを行って、前記蓋側よりダイシングする事ができるため、ダイシング後に行うチップの絶縁処理等の工程のために、チップを反転させる必要がなくなり、その分生産効率が向上する。
【0041】
また、段差部の深さが、前記電解メッキ膜の高さよりも深い事から、前記アライメントマークが接合面より高くなる事はなく、さらに蓋のサイズを少なくとも基板のサイズよりも小さくしている事によって、基板に形成された前記アライメントマーク部が、前記蓋に被らずに見えるように設置し、微調整等を前記アライメントマークを見ながら行うことで、蓋を安定に接合する事ができるだけでなく、接合をウェハレベルで選択的に行う事も可能となる。
【0042】
さらに本発明によれば、ダイシングテープ面に基板の外部端子側(有機絶縁膜側)を貼り付けてダイシングを行う事によって、前記ブレードダイシング特有のダイシングテープ面側に生じるチップ側面や角部の欠け(チッピング)が、有機絶縁膜によりダイシング時にチップに加わるブレードの衝撃が緩和され、品質の劣化を防ぐ事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1−1】本発明の圧電デバイスの製造工程を示す説明図(実施例1)。
【図1−2】本発明の圧電デバイスの製造工程を示す説明図(実施例1)。
【図2】本発明の圧電デバイスの製造工程を示す説明図(実施例2)。
【図3】圧電デバイスを示す上面図及び断面図。
【図4−1】従来の圧電デバイスの製造工程を示す説明図。
【図4−2】従来の圧電デバイスの製造工程を示す説明図。
【図5】従来の圧電デバイスのウェハ状態の完成体を示す断面図。
【図6】本発明の圧電デバイスの製造工程を示す説明図。
【図7】本発明の圧電デバイスの製造工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
〔実施例1〕
以下、本発明の圧電デバイスの製造方法について、図面に基づいて詳細に説明する。図1−1、図1−2は、本発明の圧電デバイスの製造方法を説明する図で、(a)〜(j)は各工程における圧電デバイスの状態を示す断面図である。
【0045】
図1−1(a)は、基板21の表面の所定位置に配列されるキャビティー22(凹部)を形成する工程である。前記基板の材質は、例えばシリコンやガラスである。不図示ではあるが、前記基板21の表面にレジストをスピンコート法やスプレーコート法等で塗布した後、フォトマスクを前記基板21の上部に被せて紫外線露光を行い、現像液によって不要な部分を取り除いてパターンを形成する。その後、前記基板の材質がシリコンの場合には、エッチングプロセスによって基板面が露出した部分をエッチングし、前記レジストをアセトンなどの有機溶剤等を用いて剥離し、キャビティー22が形成される。尚、本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型でもネガ型でも同様に形成可能である。尚、基板材質がガラスの場合には、前記パターン形成後にサンドブラストによりキャビティーを形成すればよい。
【0046】
(b)は前記キャビティー22内に搭載する圧電振動素子と外部端子とを電気的に接続をするための貫通孔23および前記圧電振動素子の実装時、接合時、ダイシング時に使用する位置合わせ用のアライメントマークを形成する工程で、前記キャビティーが配列されていない箇所に、段差部24を形成する工程を示す図である。前記段差を形成する目的は、前記段差部に位置合わせ用のアライメントマークを電解メッキで形成する際に、前記アライメントマークの高さが接合面よりも高くなり、接合の際に蓋が前記アライメントマークに接触して接合不良が発生するのを防ぐためである。
【0047】
前記キャビティー22形成同様にフォトリソグラフィーによって、前記貫通孔23および前記段差部以外の部分にレジストを残すようにパターン化し、前記基板材質がシリコンの場合には、テーパー状にエッチングを行い、前記貫通孔23および段差部24を形成する。前記貫通孔23と段差部24は同工程で同時に形成することが可能であり、また、段差部24は前記キャビティー22の形成時に同時に形成することも可能である。貫通孔23をテーパー状に形成する目的は、後に形成される前記圧電振動素子搭載パッド部27と、前記貫通孔23から前記圧電振動素子搭載パッド部27までの電気的接続の際に、金属膜が短絡しないように形成するためであり、例えば後の工程での電解メッキにて厚膜に導電性部材を形成するなどを行って、電気的短絡が生じないのであれば垂直形状でもよい。尚、基板材質がガラスの場合には、前記パターン形成後にサンドブラストにより貫通孔を形成すればよい。
【0048】
(c)は、基板の表面に絶縁膜を形成する工程を示しており、ここでは、キャビティー22と貫通孔23および段差部24が形成された基板21を石英管炉の中などに入れ、高温で加熱することによって基板21の表層をシリコン酸化膜(SiO)へと変質させ、各部に一括して絶縁膜25を形成する。尚、前記基板材質がガラスの場合には、基板材質自体が絶縁性を持っているため、前記絶縁膜25の形成は不要である。
【0049】
(d)は、前記キャビティー内面と対向する面側の絶縁膜上に有機絶縁膜を形成する工程を示しており、ここでは、基板21の外底面側の絶縁膜25上にスピンコート法などを用いてポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を成膜し、それが感光性のものであれば貫通孔23直下の領域のみが開口されるようにフォトリソグラフィーによってパターニングし、その上でイミド化の熱処理を行って有機絶縁膜26を形成する。尚、有機絶縁膜26が非感光性ものである場合には、形成した有機絶縁膜26上にレジストパターンを形成し、それをマスクとしてアッシングにより不要領域の有機絶縁膜26を取り除くことで有機絶縁膜26をパターニングしても良い。本デバイスの場合には、最終的な個片化の際には、前記蓋側からダイシングを行うため、有機絶縁膜等による前記基板のキャビティーの対向面にダイシングラインを形成しなくともよい。
【0050】
(e)は、基板の表面に形成された絶縁膜の上に配線の基礎となる共通電極膜を形成する工程を示しており、ここでは、この時点で外部へ露呈されている絶縁膜25と有機絶縁膜26の表面全体にスパッタリング法や真空蒸着法などによって金(Au)や銅(Cu)などの金属材料を堆積させて共通電極膜27を形成する。
【0051】
図1−2(f)は、前記共通電極膜上に電解メッキ用のマスクパターンを形成する工程を示しており、ここでは、前記共通電極膜27の表面全体にスピンコーターやスプレーコーターを用いてフォトレジストを塗布し、フォトマスクを被せて紫外線露光を行った上で感光領域のフォトレジストを現像液によって除去し、電解メッキ膜を形成すべき所定の領域(圧電振動素子搭載パッド部、接続配線部、貫通孔内部、外部端子部、位置合わせ用のアライメントマーク部に対応する領域)のみが開口された電解メッキ用のレジストパターン28を形成する。
【0052】
(g)は、前記共通電極膜上に電解メッキ膜を形成する工程を示しており、ここでは、基板21全体を電解メッキ液内に浸漬させて電解メッキを行い、マスクパターン28で覆われていない領域(圧電振動素子搭載パッド29、貫通孔23内部(貫通電極34)、接続配線部30、外部端子31、位置合わせ用のアライメントマーク32)に金(Au)や銅(Cu)などの導電性部材33を堆積させ、その後、レジスパターン28を剥離する。
【0053】
尚、電解メッキ膜を部分的に厚くしたい場合には、以上の工程の後に厚くしたい領域のみが開口されたマスクパターンを改めて形成した上で再度電解メッキを行えばよい。このようなことが要求される状況としては、圧電振動素子37の振動領域を十分に確保する目的で圧電振動素子搭載パッド29を厚くしたり、貫通電極34におけるリークを防止する目的で貫通孔23内部の導電性部材33を増量したりする場合などが挙げられる。
【0054】
以上によって、貫通孔23内部が前記導電性部材33により充填されて貫通電極34となり、一方では共通電極膜27の一部が実質的に厚膜化されて圧電振動素子搭載パッド29、接続配線30、外部端子31となる。そして、圧電振動素子実装時、接合時、ダイシング時の位置合わせ用のアライメントマーク32となる。このようにして、圧電振動素子搭載パッド29、貫通電極34、接続配線部30、外部端子31、アライメントマーク32は、同一材料で一括して形成される。尚、前記共通電極膜27を剥離するに当たっては、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した上でそれをエッチングマスクとして不要領域の前記共通電極膜27のみを除去する方法や、導電性部材(電解メッキ膜)33が形成された領域の膜厚が、電解メッキ膜の無い領域(共通電極膜のみの領域)の膜厚よりも十分に厚い事を利用して電解メッキ膜と共通電極膜全体をそのまま一定量エッチングする方法などが採用される。
【0055】
(h)は、基板の上端部に接合膜35を形成する工程を示しており、ここでは、蓋36を陽極接合法又は加熱溶融接合法により基板21に接合することを前提として、まず基板21の上面全体にスパッタリング法や真空蒸着法、CVD法などを利用して接合膜35を成膜する。尚、接合膜35の材料は、接合方法が加熱溶融接合法であれば金(Au)、陽極接合法であればシリコン酸化膜(SiO)などである。尚、シリコンとシリコンの活性化接合を用いる場合には、前記基板21の接合部の絶縁膜を、エッチングや研磨等によって取り除き、前記基板のシリコンを露出させればよく、この場合には、前記接合膜は不要である。
【0056】
次に不図示ではあるが、接合膜35の表面全体にスピンコーターやスプレーコーターを用いてフォトレジストを塗布した上でフォトリソグラフィーによりパターニングし、基板21の上端部(接合面)のみを覆うレジストパターンを形成する。その後、そのレジストパターンをエッチングマスクとして不要領域の接合膜35をエッチングにより除去した上でレジストパターンを剥離し、図に示すように基板21の上端部にのみ接合膜35を残留させる。
【0057】
(i)は、圧電振動素子を気密封止する工程を示すものである。不図示ではあるが基板21のキャビティー22内底面に設けられた圧電振動素子搭載パッド29上に前記段差部に形成された前記アライメントマーク32をカメラ等により認識しつつ圧電振動素子37の実装位置合わせを行い、圧電振動素子37を搭載した上で、シリコンから成る平板状の蓋36を基板21上端部の接合膜35上に載置し、真空雰囲気中などの所定雰囲気中において接合膜35の材料に応じた接合方法(Auであれば加熱溶融接合法、シリコン酸化膜であれば陽極接合法)を用いて、前記アライメントマークにより位置合わせを行い、蓋36を基板21に接合する。
【0058】
ここで、図6は前記基板21と前記蓋36を接合する際の断面図、図7はその際の上面図のそれぞれ一例を示したものであり、図6のように接合の際に前記基板21をステージ80上にセットし、前記蓋36を前記基板上に置き、さらにその上に蓋36吸着用の基板81を置き、排気管82を通ってポンプ83により、前記蓋36と前記蓋36吸着用の基板81を吸着させて前記蓋を動かないように固定させ、前記ステージを80を動かしてカメラ固定用治具84に取り付けられた2台のカメラ85に、前記位置合わせ用のアライメントマーク32が2つとも写るようにステージの微調整を行い、接合を行う。
【0059】
ここで、前記段差部24に前記アライメントマーク32が形成されているため、電解メッキによって形成されたアライメントマーク32の高さが、接合部よりも低い位置にあるため、前記蓋36の接合の際に、前記アライメントマーク32と蓋の接触によって前記蓋のヒビ・ワレ等の不良を完全に抑制する事が可能となる。
【0060】
さらに前記蓋36のサイズを、少なくとも前記基板21よりも小さくして、前記位置合わせ用のアライメントマーク32が見えるように接合を行っているため、次工程のダイシング時にも前記アライメントマーク32が利用でき、ダイシングの生産効率も向上する。
【0061】
図1−2(j)は、前記基板21の前記段差部24に形成されたアライメントマーク32を見て、ダイシングによって個片化を行う工程を示す図である。
前記基板の外部端子側をダイシングテープに装着し、前記アライメントマーク32を見て位置合わせをして前記蓋側からダイシングを行い、個片化を行う。ここで前記ダイシングを、蓋側から行っている事により、ブレードダイシング時に一般的に発生する裏面の欠けを前記有機絶縁膜によって緩和する事が可能となり、品質の低下を抑制できる。さらに前記基板の蓋側からダイシングを行っているために、次工程のチップの絶縁処理の際に、ダイシングテープを拡張させてチップ間隔を空けるエキスパンド後にそのまま絶縁処理に移る事が可能となり、生産性が向上する。
【0062】
以上、電解メッキによって各工程で兼用できる前記位置合わせ用のアライメントマーク32を形成しているため、カメラによるアライメントマークの自動認識がよりしやすくなり、前記圧電振動素子37の実装や前記蓋36の接合および前記ダイシングの工程を、安定且つ高効率にて生産を行う事が可能となる。
【0063】
〔実施例2〕
また、前記位置合わせ用のアライメントマークは、電解メッキにより形成したが、シリコンやガラス基板に段差部を形成し、前記段差部の一部に再度エッチング等によって前記アライメントマークとなる段差を設ける事も可能であり、図2は工程を増やす事なく、且つ電解メッキを使わずに位置合わせ用のアライメントマークを形成する手法を示した図であり、(a)、(b)は各工程における圧電デバイスの状態を示す断面図である。
【0064】
図2(a)は、基板21の表面の所定位置に配列されるキャビティー22(凹部)を形成する工程である。前記基板の材質は、例えばシリコンやガラスである。不図示ではあるが、前記基板21の表面にレジストをスピンコート法やスプレーコート法等で塗布した後、フォトマスクを前記基板21の上部に被せて紫外線露光を行い、前期キャビティー形成部22と前記段差部24以外にレジストが残るようにパターンを形成後、前記基板の材質がシリコンの場合には、エッチングプロセスによって基板面が露出した部分をエッチングし、その後前記レジストをアセトンなどの有機溶剤等を用いて剥離し、キャビティー22および段差部24が形成される。尚、本工程で使用するフォトレジストは、ポジ型でもネガ型でも同様に形成可能である。尚、基板材質がガラスの場合には、前記パターン形成後にサンドブラストによりキャビティーおよび段差部を形成すればよい。
【0065】
(b)は前記キャビティー22内に搭載する圧電振動素子と外部端子とを電気的に接続をするための貫通孔23および前記段差部24の一部に前記圧電振動素子の実装時、接合時、ダイシング時に使用する位置合わせ用のアライメントマークを形成する工程を示す図である。
【0066】
前記キャビティー22形成同様にフォトリソグラフィーによって、前記貫通孔23および前記位置合わせ用のアライメントマーク以外の部分にレジストを残すようにパターン化し、前記基板材質がシリコンの場合には、テーパー状にエッチングを行い、前記貫通孔23および位置合わせ用のアライメントマーク32を形成する。
【0067】
次工程以降は、実施例1で示した手法と同様であり、本手法の場合にはすでに位置合わせ用のアライメントマークがこの段階で形成されているため、電解メッキにより前記アライメントマークを形成する事は不要である。
【符号の説明】
【0068】
21 基板
22 キャビティー
23 貫通孔
24 段差部
25 絶縁膜
26 有機絶縁膜
27 共通電極膜
28 電解メッキ用レジストパターン
29 圧電振動素子搭載パッド
30 接続配線部
31 外部端子
32 アライメントマーク
33 導電性部材(電解メッキ膜)
34 貫通電極
35 接合膜
36 蓋
37 圧電振動素子
41 圧電デバイス
42 圧電振動素子
43 圧電振動素子搭載パッド
44 貫通電極
45 外部端子
46 圧電デバイスパッケージ
47 蓋
48 圧電デバイスパッケージ内部
49 貫通孔
50 絶縁膜
51 絶縁膜
52 有機絶縁膜
53 導電性部材
54 接合膜
61 基板
62 キャビティー
63 貫通孔
64 絶縁膜
65 有機絶縁膜
66 共通電極膜
67 電解メッキ用レジストパターン
68 圧電振動素子搭載パッド
69 配線接続部
70 外部端子
71 導電性部材
72 貫通電極
73 接合膜
74 蓋
75 圧電振動素子
80 接合装置ステージ
81 蓋吸着用基板
82 排気管
83 ポンプ
84 カメラ固定用治具
85 カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動素子をパッケージ内に収納して成る圧電デバイスの製造方法であって、
少なくとも、平板状のウェハ基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、
前記ウェハ基板の外周部に段差部を形成する工程と、
前記段差部に部材同士の位置決め基準となるアライメントマークを形成する工程と、
前記圧電振動素子を前記キャビティー内にマウントする工程と、
平板状の蓋部材を準備し、当該蓋部材を前記キャビティーを覆うようにして前記ウェハ基板に接合する工程と、
前記接合された蓋部材とウェハ基板を前記圧電振動素子毎に個々に分割し、前記圧電振動素子が前記蓋部材と前記ウェハ基板の一部で構成されたパッケージ内に収納された圧電デバイスを複数個一括して形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記段差部に形成されたアライメントマークは、前記圧電振動素子を前記キャビティー内にマウントする工程と、前記蓋部材を前記ウェハ基板に接合する工程と、前記接合された蓋部材とウェハ基板を前記圧電振動素子毎に個々に分割する工程の少なくとも一つの工程において、各部材同士の位置決め基準、若しくは分割位置の基準として用いられることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記ウェハ基板に前記圧電振動素子を収納するためのキャビティーを形成する工程と、前記ウェハ基板の外周部に段差部を形成する工程とは、エッチング手法を用いて同時に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記アライメントマークを形成する工程において、前記アライメントマークは電解メッキ手法にて形成してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記アライメントマークを形成する工程において、前記アライメントマークは前記段差部に凹状部を形成してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記蓋部材を前記ウェハ基板に接合する工程において、前記蓋部材は前記アライメントマークと平面的に重ならないようにして前記ウェハ基板と接合されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の圧電デバイスの製造方法。


【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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