説明

圧電ポンプ

【課題】圧電振動子の圧電板にクラックが生じ難く、圧電振動子の液密性を下げることなく圧電振動子の変形を十分に確保でき、圧電振動子に対する配線構造がポンプ室の液密性に悪影響を与えることのない圧電ポンプを得ること。
【解決手段】圧電振動子10のシム12は、空気室Aの側に面し、ロアハウジング30に、圧電振動子10を収納する収納凹部60と、収納凹部60の周縁に位置しOリング31を嵌める環状溝60aとを形成し、アッパハウジング20に、ロアハウジング30の収納凹部60に嵌めた圧電振動子10に対し、環状溝60aに嵌めたOリング31の反対側から接触する環状突起21を形成し、圧電振動子10の圧電板11のシム12と反対側の面に、Oリング31とその全周に沿って少なくとも一部が重なる環状電極50を設け、この環状電極50とシム12との間に交番電流を印加することにより圧電振動子10を振動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電ポンプは、圧電板とシムを積層してなる圧電振動子、及び該圧電振動子を挟着して該圧電振動子の上下に空気室とポンプ室を形成するアッパハウジングとロアハウジングを有し、圧電振動子を振動させることによりポンプ作用を得ている。本出願人は、圧電ポンプの開発を進めており、特願2007-151131及び特願2007-212573のような圧電ポンプを特許出願している。
【0003】
圧電振動子は、導電性金属薄板からなるシムの表裏の一方の面に圧電板を設けたユニモルフ型と、両方の面に圧電板を設けたバイモルフ型が知られている。従来の圧電ポンプにおいては、特にシムの片側の面に圧電板を設けるタイプの圧電振動子を用いる場合、液体に触れるポンプ室側(液接側)にはシムを位置させ、空気室側に圧電板を位置させ、圧電板に設けられる電極が腐食もしくはマイグレーションなどを発生させないようにしていた(特願2007-151131)。
【0004】
また、従来の圧電ポンプにおいては、圧電振動子回り、特にポンプ室側の液密(気密)構造を確保し、圧電振動子の振動を阻害しないように支持するために、圧電振動子のポンプ室側には弾性材料からなる環状のシール部材(例えばOリング)を設けて液密性を維持し、圧電振動子の空気室側には弾性部材からなるガイドを設けて圧電振動子を弾性支持していた(特願2007-212573)。即ち、圧電振動子の表側の周縁部とアッパハウジングの間、及び圧電振動子の裏側の周縁部とロアハウジングの間にそれぞれ環状シール部材およびガイドを介在させており、圧電振動子の表裏に環状シール部材およびガイドを設けることが技術的に必須であると考えられていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポンプ室側にシムを位置させ空気室側に圧電板を位置させる上記従来の圧電ポンプにあっては、長期間使用すると、圧電板にクラック(割れ)が発生するという問題点が指摘された。
【0006】
また、圧電振動子の表裏に環状シール部材およびガイド部材を設ける上記従来の圧電ポンプにあっては、空気室側のガイド部材が、圧電振動子の変形(振動)を逆に阻害するという問題があった。
【0007】
更に、ロアハウジングに設けたOリングを介して圧電振動子とロアハウジングの間にポンプ室を形成する上記従来の圧電ポンプにあっては、仮に圧電振動子の圧電板をポンプ室側に位置させた場合、圧電板に給電する給電構造が問題となる。即ち、シムに対してはシムから径方向に配線突起を突出させることで容易に配線ができるが、圧電板に対する配線ラインは、Oリングを跨ぐ(Oリングと交差する)こととなるため、配線ラインを如何に薄く形成しても、Oリングには配線ラインとの交差部分に微小な凹凸により弾性部材(ゴム)からなるOリングに永久歪みが生じ、この微小な凹凸が長期的にはポンプ室の液密性を低下させる原因となっていた。
【0008】
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、圧電振動子の圧電板にクラックが生じ難く、圧電振動子の液密性を下げることなく圧電振動子の変形を十分に確保でき、圧電振動子に対する配線構造がポンプ室の液密性に悪影響を与えることのない圧電ポンプを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決する高性能な圧電ポンプを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明をするに至った。
【0010】
第1に、本発明者は、空気室側の圧電板にクラックが生じる原因について研究した結果、圧電振動子がポンプ室側からの液体圧力を受けて運転中は常時空気室側に突出する方向の力を受けていること、その結果空気室側の圧電板に引張応力が加わることがクラックの発生原因であるとの結論に達した。即ち、圧電板は圧縮力には強いが引張応力には弱いことから、圧電振動子のシムが空気室側に面するように(圧電振動子の最も空気室側にシムが位置するように)配置して、圧電振動子の振動に際し圧電板が受ける引張応力を緩和する構成を着想した。
【0011】
第2に、本発明者は、圧電振動子の表裏の一方をポンプ作用に関与しない空気室とするタイプの圧電ポンプにおいては、空気室側にガイド部材を設けなくても液密性は低下しないので、むしろ空気室側のガイド部材が圧電振動子の変形を阻害する要因になっているとの結論に達した。そして、空気室側のガイド部材に代えて、空気室側のアッパハウジングに、ポンプ室側のOリングを挟んで圧電振動子に環状に接触する環状突起を一体形成する構成を着想した。
【0012】
第3に、本発明者は、Oリングと圧電振動子(圧電板)に対する配線ラインが交差しないようにすればOリングに微小な凹凸が生じることがないとの結論に達して、圧電振動子の圧電板のシムと反対側の面に、Oリングとその全周に沿って少なくとも一部が重なる環状電極を設け、この環状電極とシムとの間に交番電界を印加する構成を着想した。
【0013】
即ち、本発明の圧電ポンプは、圧電板とシムを積層してなる圧電振動子、及び該圧電振動子を挟着して該圧電振動子の上下に空気室とポンプ室を形成するアッパハウジングとロアハウジングを有し、圧電振動子を振動させることによりポンプ作用を得る圧電ポンプにおいて、上記圧電振動子のシムは、空気室側に面し、上記ロアハウジングに、上記圧電振動子を収納する収納凹部と、該収納凹部の周縁に位置しOリングを嵌める環状溝とを形成し、上記アッパハウジングに、上記ロアハウジングの収納凹部に嵌めた圧電振動子に対し、上記環状溝に嵌めたOリングの反対側から接触する環状突起を形成し、上記圧電振動子の圧電板のシムと反対側の面に、上記Oリングとその全周に沿って少なくとも一部が重なる環状電極を設け、この環状電極とシムとの間に交番電流を印加することにより圧電振動子を振動させることを特徴とする。
【0014】
上記環状突起は圧電振動子に接触する部分が、曲面形状となっていることことが好ましく、上記アッパハウジングに設けられた上記環状突起は上記環状溝と同一の中心と径を有し、上記Oリングが上記圧電振動子と接する頂部と、上記環状突起が上記圧電振動子と接する頂部とを結ぶ線分が上記圧電振動子の面内において垂直に交差することがさらに好ましい。
【0015】
上記環状電極は、上記圧電振動子の圧電板に付着形成されており、この環状電極を含む圧電板は、防水フィルムによって覆われていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圧電振動子のシムが空気室側に面しているので、圧電振動子の圧電板がポンプ室側から受ける液体圧力、つまり引張応力を緩和することができる。従って、圧電振動子の圧電板にクラックが生じ難くなる。
【0017】
また、ロアハウジングに、圧電振動子を収納する収納凹部と、収納凹部の周縁に位置しOリングを嵌める環状溝とを形成し、アッパハウジングに、ロアハウジングの収納凹部に嵌めた圧電振動子に対し、環状溝に嵌めたOリングの反対側から接触する環状突起を形成したので、従来必須と考えられていた空気室側のガイド部材を省略でき、圧電振動子の変形阻害要因を低減することができる。従って、圧電振動子の液密性を下げることなく圧電振動子の変形を十分に確保することができる。
【0018】
更に、圧電振動子の圧電板のシムと反対側の面に、Oリングとその全周に沿って少なくとも一部が重なる環状電極を設け、この環状電極とシムとの間に交番電流を印加することにより圧電振動子を振動させるので、圧電振動子の圧電板の周縁を同一径のOリングと環状電極を介した状態で挟着支持し、この環状電極を介して圧電振動子に給電することができる。従って、圧電振動子に対する配線構造が簡単になり、ポンプ室の液密性に悪影響を与えることがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本実施の形態の圧電ポンプ100は、図1の分解斜視図に示すように、圧電振動子10と、アッパハウジング20と、ロアハウジング30と、駆動制御基板40とを有する駆動回路内蔵型の圧電ポンプである。圧電振動子10とアッパハウジング20の間には空気室(大気室)Aが形成され、圧電振動子10とロアハウジング30の間にはポンプ室Pが形成されている。空気室Aは、開放しても密閉してもよい。
【0020】
アッパハウジング20とロアハウジング30は、PPS(ポリフェニレンスルフィルド)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の合成樹脂材料の成形品からなる。ロアハウジング30には、圧電振動子10を収納する収納凹部60と、この収納凹部60の周縁に位置するOリング収納用環状溝(以下単に「環状溝」という)60aとが形成されている。この環状溝60aには、例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)等の弾性を有するゴムにより形成されたOリング31が嵌められる。
【0021】
アッパハウジング20には、圧電振動子10側の面に、環状溝60aと略同一中心を有する環状突起21が一体に形成されている。環状突起21は、ロアハウジング30の収納凹部60に嵌めた圧電振動子10に対し、ロアハウジング30の環状溝60aに嵌めたOリング31の反対側から接触する。また、環状突起21は図2、3にも示されているように圧電振動子10と接触する部分を曲面とし、圧電振動子10を面ではなく線で支持し、圧電振動子10の振動を阻害しないようにしている。
【0022】
図3に示すように、圧電振動子10の振動を阻害しないようにするため、アッパハウジング20の環状突起21の平面径(中心径)Dは、環状溝60aの平面径(中心径)D´と略同一であり、圧電振動子10の径dよりも小径である。すなわち、Oリング31が圧電振動子10と接する頂部と、環状突起21が圧電振動子10と接する頂部とを結ぶ線分が圧電振動子10の面内において垂直に交差するように組み立てられる。但し、圧電振動子10の振幅の調整などを行うために、環状突起21の平面径(中心径)Dは、環状溝60aの平面径(中心径)D´は必ずしも同一でなくてもよく、環状溝60aの圧電振動子10の面内方向における溝幅の大きさの範囲内で調整は可能である。
【0023】
圧電振動子10は、圧電板(圧電体)11とシム12を積層してなるユニモルフ型の圧電振動子である。圧電板11は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)等の圧電材料からなる円形平板であり、表裏方向に分極処理が施されている。この圧電振動子10は、その圧電板11をロアハウジング30(ポンプ室P)側に向け、シム12をアッパハウジング20(空気室A)側に向けてロアハウジング30の収納凹部60内に収納される。圧電板11の表面には、環状電極(リング端子)50が付着形成されており、この環状電極50を含む圧電板11は、防水フィルム(例えば、ポリプロピレン(PP)フィルム)13によって覆われている(図3)。尚、図2では説明の簡単のため、防水フィルム13は省略している。なお、防水フィルム13に代えて防水性のある樹脂などをコーティングなどで形成しても良い。
【0024】
環状電極(リング端子)50は、圧電振動子10(圧電板11)の周縁部と全面的に導通する。環状電極50は、Oリング31と略同一の径を有し、Oリング31とその全周に沿って少なくとも一部が重なっているので、両者は交差することがない。即ち、環状電極50とOリング31が重なったときでも、Oリング31は一平面内に位置し、微小な凹凸が生じることはない。
【0025】
環状電極50は、りん青銅や42アロイ等の材料からなり、薄ければ薄いほど好ましいが、あまりに薄いと製造時の作業性に問題が生じ、コストもアップする。このような点から勘案して厚さは10μm〜30μmとするのが好ましい。
【0026】
シム12は、ステンレスや42アロイ等の材料からなる円形の導電性金属板であり、半径方向に突出させて一体形成した配線接続突起12aを有している。また、環状電極50は、半径方向に突出させて一体形成した配線接続突起50aを有している。
【0027】
ロアハウジング30には、冷却水の吸入ポート32と吐出ポート33が開口しており、この吸入ポート32と吐出ポート33は、ポンプ室P側に開口する吸入流路34と吐出流路35に連通している。ロアハウジング30には、吸入流路34と吐出流路35に跨らせて逆止弁ユニット36が固定されている。この逆止弁ユニット36には、吸入ポート32からポンプ室Pへの流体流を許してその逆の流体流を許さない吸入側逆止弁37と、ポンプ室Pから吐出ポート33への流体流を許してその逆の流体流を許さない吐出側逆止弁38が設けられている。図示実施形態の逆止弁37、38は同一の形態であり、弾性材料からなるアンブレラ37a、38aにより、常時は流路穴37b、38bを閉じている。
【0028】
圧電振動子10を駆動制御する制御基板40には、圧電振動子10に対する給電制御を行う電気部品41と、これら電気部品41を接続するプリント配線が形成されている。電気部品41中には、基板上に突出する発熱要素としてのIC、インダクタ及びFET回路が含まれており、プリント配線中には、圧電振動子10への給電端子42と43が含まれている。制御基板40は、ロアハウジング30に形成された基板挿入開口39bから挿入され、基板収納空間39aに収納される。
【0029】
圧電振動子10のシム12の配線接続突起12aには、シム側リード線12bが接続されている。このシム側リード線12bは、ロアハウジング30の上面開放部39cから基板収納空間39aに導かれ、制御基板40上の給電端子42に接続(半田付け)される。また環状電極50の配線接続突起50aには、環状電極側リード線50bが接続されている。このリード線50bは、ロアハウジング30の上面開放部39cから基板収納空間39aに導かれ、制御基板上の給電端子43に接続(半田付け)される。配線接続突起50aには適宜、裏打ち絶縁等の補強絶縁構造を施す。アッパハウジング20には、ロアハウジング30の基板収納空間39aの基板挿入開口39bを閉塞する蓋部22aが形成されており、この蓋部22aに外部端子挿入穴(大気流通穴)22bが形成されている(図1)。外部端子挿入穴22bには、外部信号(直流電圧Vcc、GND、保護出力信号)用の図示しないリード線が挿入される。
【0030】
以上の構成の本圧電ポンプ100は、ロアハウジング30側から順にOリング31と圧電振動子10を収納した状態で、アッパハウジング20をロアハウジング30に被せて圧電振動子10を挟着保持しているため、圧電振動子10の周縁裏面には環状電極50を介してOリング31が接触する一方、圧電振動子10の周縁表面には環状突起21が接触し、Oリング31が圧縮されて、圧電振動子10の下方にポンプ室Pが、上方に空気室Aがそれぞれ構成される。環状突起21の頂部とOリング31の頂部は、同一径であることが好ましい。これにより、圧電振動子10が表裏の同一径部分で、環状突起21とOリング31により保持されるので、圧電振動子10の振動が安定する。
【0031】
以上の圧電ポンプ100は、制御基板40の給電端子42と43から、シム11の配線接続突起11aと環状電極50の配線接続突起50aの間に交番電界(高電圧駆動信号)を印加して駆動する。これにより、圧電振動子10の圧電板11の一方の面が伸びて他方の面が縮むサイクルが繰り返され、シム12(圧電振動子10)が振動してポンプ作用が得られる。
【0032】
このポンプ作用に際し、本実施の形態では、圧電振動子10の圧電板11がポンプ室P側に面しているため、主に圧縮応力が加わり、引張応力が緩和される。即ち、圧電板11に加わる引張応力はシム12によって緩和され、圧電板11にクラックが発生するのを防止し、ひいては圧電板11(圧電振動子10)の寿命を長くすることができる。
【0033】
また、従来は圧電振動子10、特にポンプ室P側の液密(気密)構造を確保および圧電振動子を支持するために、圧電振動子10の表裏にそれぞれ弾性材料からなる環状のシール部材およびガイド部材を設けており、これらの部材、特にガイド部材は圧電振動子の変形(振動)の阻害要因となっていた。
【0034】
これに対し本実施の形態では、アッパハウジング20をロアハウジング30に被せて圧電振動子10を挟着保持すると、アッパハウジング20の環状突起21と、ロアハウジング30の環状溝60aに嵌められたOリング31により圧電振動子10が表裏から挟み込まれ、ポンプ室Pと空気室Aが規定される。これにより、ポンプ室Pの液密性は維持したままで空気室Aの側のガイド部材を省略でき、同時に圧電振動子10の変形阻害要因を低減することができる。また、環状突起21と圧電振動子10の接触面積が極めて小さくなるので(環状に線接触、即ち環状断面において点接触)、圧電振動子10の変形を助長することができる。従って、圧電振動子10の挟着支持構造を簡潔化できるとともに、圧電振動子10の液密性を下げることなく圧電振動子10の変形を十分に確保することができる。
【0035】
更に、本実施の形態では、環状電極50がOリング31の全周に沿って重なっているので、Oリング31と圧電振動子10(圧電板11)に対する配線ラインが交差することはなく、Oリング31に液密性保持の妨げとなる微小な凹凸が生じることがない。即ち、Oリング31の上下方向に給電線の段差が生じることはなく、この給電線の段差による液密性の低下も生じない。
【0036】
また、環状電極50は圧電振動子10の圧電板11に付着形成されており、この環状電極50を含む圧電板11は防水フィルム13で覆われているので、ポンプ室Pの液密性を高めることができる。
【0037】
尚、本実施の形態では圧電ポンプ100が駆動回路内蔵型である場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
尚、本実施の形態において、アッパハウジング20とロアハウジング30の別は、実際の使用状態での上下方向を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧電ポンプの構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】アッパハウジングの環状突起とロアハウジングに設けられたOリングによる圧電振動子の挟着支持状態を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0040】
100 圧電ポンプ
10 圧電振動子
11 圧電板
12 シム
12a 配線接続突起
20 アッパハウジング
21 環状突起
30 ロアハウジング
31 Oリング
40 制御基板
50 環状電極
50a 配線接続突起
60 収納凹部
60a 環状溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電板とシムを積層してなる圧電振動子、及び該圧電振動子を挟着して該圧電振動子の上下に空気室とポンプ室を形成するアッパハウジングとロアハウジングを有し、圧電振動子を振動させることによりポンプ作用を得る圧電ポンプにおいて、
上記圧電振動子のシムは、空気室側に面し、
上記ロアハウジングに、上記圧電振動子を収納する収納凹部と、該収納凹部の周縁に位置しOリングを嵌める環状溝とを形成し、上記アッパハウジングに、上記ロアハウジングの収納凹部に嵌めた圧電振動子に対し、上記環状溝に嵌めたOリングの反対側から接触する環状突起を形成し、
上記圧電振動子の圧電板のシムと反対側の面に、上記Oリングとその全周に沿って少なくとも一部が重なる環状電極を設け、この環状電極とシムとの間に交番電流を印加することにより圧電振動子を振動させる、
ことを特徴とする圧電ポンプ。
【請求項2】
請求項1記載の圧電ポンプにおいて、
上記環状突起は圧電振動子に接触する部分が、曲面形状となっている圧電ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧電ポンプにおいて、
上記アッパハウジングに設けられた上記環状突起は上記環状溝と同一の中心と径を有し、上記Oリングが上記圧電振動子と接する頂部と、上記環状突起が上記圧電振動子と接する頂部とを結ぶ線分が上記圧電振動子の面内において垂直に交差する圧電ポンプ。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の圧電ポンプにおいて、
上記環状電極は、上記圧電振動子の圧電板に付着形成されており、この環状電極を含む圧電板は、防水フィルムによって覆われている圧電ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−116807(P2010−116807A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289332(P2008−289332)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】