説明

圧電振動片のレーザー切断方法

【課題】レーザー切断時の加工精度を向上させるレーザー切断方法を提供することを目的とする。
【解決手段】圧電基板に形成した圧電振動片のレーザー切断方法において、圧電振動片は、連結部を介して圧電基板に形成され、連結部にレーザー照射領域を規定するマスク層を設け、規定したレーザー照射領域にレーザーを照射し、圧電振動片をレーザー切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電基板に複数形成された圧電振動片を個片化する方法として、レーザーやダイサーを用いる方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、レーザーによって切断する加工方法が記載されている。図4は、従来技術に係るフォトエッチングを行い、音叉型水晶片102を複数形成した水晶ウエハー120の部分拡大図である。図5は、従来技術に係る水晶ウエハー120の上面に、マド103を設けたメタルマスク109を重ねた状態を説明する部分拡大図である。
【0004】
音叉型水晶片102は、水晶ウエハー120にフォトエッチングを行い、複数形成される。音叉型水晶片102は、それぞれアーム105を介して水晶枠101と連結している。各音叉型水晶片102に電極パターンを形成した後、切断することで、音叉型水晶片102を個片化する。切断時には、水晶ウエハー120の上面に、マド103を設けたメタルマスク109を、アーム105にマド103が一致するように重ね合わせる。マド103に、レーザーを照射し、アーム105を切断し、音叉型水晶片102を個片化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−290942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献のような切断方法においては、圧電基板と圧電振動片の連結部に、メタルマスクのレーザー照射領域の位置合わせが、製品の加工精度だけでは決まらず、条件の管理が難しい。また、照射位置がズレた場合に圧電振動片にダメージを、与えてしまいクラックやチッピングが多数生じる。クラックやチッピングが発生すると、圧電振動片が使用出来なくなってしまったり、破片を除去するために洗浄を行わなくてはならない。
【0007】
本発明は、レーザー切断時の加工精度を向上させるレーザー切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
圧電基板に形成した圧電振動片のレーザー切断方法において、前記圧電振動片は、連結部を介して前記圧電基板に形成され、前記連結部にレーザー照射領域を規定するマスク層を設け、前記レーザー照射領域にレーザーを照射する圧電振動片のレーザー切断方法とする。
【0009】
前記連結部に設けた前記マスク層は、前記電振動片の電極形成と同時に形成される圧電振動片のレーザー切断方法とする。
【0010】
前記連結部に設けた前記マスク層は、レーザースポット径より小さな幅のレーザー照射領域を形成する圧電振動片のレーザー切断方法とする。
【0011】
前記レーザーは、炭酸ガスレーザーである圧電振動片のレーザー切断方法とする。
【0012】
前記マスク層は、Cr膜の上にAu膜を積層し、形成した圧電振動片のレーザー切断方法とする。
【発明の効果】
【0013】
従来のような高精度なメタルマスクと圧電基板との位置合わせが必要でなくなるため作業性が向上する。さらに、メタルマスクの位置ズレによる、クラックやチッピングの発生がなくなり、レーザー切断による不具合が減少する。
【0014】
本発明によれば、圧電基板に形成した圧電振動片のレーザー切断方法において、メタルマスクの高精度の位置合わせを必要せず、より精度の良いレーザー照射領域を設けることができる。このことによりレーザー切断時の加工精度を向上させるレーザー切断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例における圧電基板に電極膜、レジストを成膜した状態を説明する断面図
【図2】本実施例における連結部に形成したマスク層を示す部分拡大図
【図3】本実施例における圧電基板の上面に、メタルマスクを重ねた状態を説明する断面図
【図4】従来技術に係るフォトエッチングを行い、音叉型水晶片を複数形成した水晶ウエハーの部分拡大図
【図5】従来技術に係る水晶ウエハーの上面に、マドを設けたメタルマスクを重ねた状態を説明する部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例を、図を用いて説明する。図1は、本実施例における圧電基板1に電極膜、レジスト7を成膜した状態を説明する断面図である。図2は本実施例における連結部5に形成したマスク層4を示す部分拡大図である。図3は本実施例における圧電基板1の上面に、メタルマスク9を重ねた状態を説明する断面図である
【0017】
圧電振動片2は、図1に示すように、圧電基板1の表面に電極膜6をスパッタし、この上にフォトレジスト用感光剤としレジスト7を塗布する。この圧電基板1に、フォトエッチングを行うことにより、圧電基板1に圧電振動片2が複数形成される。圧電振動片2は、それぞれ連結部5を介して、圧電基板1と連結している。
【0018】
次に、圧電基板1に複数形成された圧電振動片2の表面に電極パターンを形成する。
【0019】
電極パターンを形成するのと同時に、図2に示すように、圧電振動片2と圧電基板1の連結部5にレーザー照射領域3を規定するマスク層4を設ける。電極パターンと同時にマスク層4を形成できるので、容易に成膜ができる。
【0020】
さらに、フォトリソグラフィでマスク層4を設けることで、連結部5により精度の良いレーザー照射領域3を設けることができる。
【0021】
レーザー照射領域3を規定するマスク層4で、レーザースポット径(通常100〜
200μm)より小さな幅のレーザー照射領域3を形成することで、切断部以外を
マスク層4でカバーすることができる。
【0022】
次に、図3に示すように、圧電基板1を圧電振動片2を受けるトレー8にセットし、
圧電基板1上面にメタルマスク9を重ね合わせる。このメタルマスク9はレーザー切断後の圧電振動片2の飛散を防止する為のカバーの役割を果たす為、メタルマスク
9は、難しい位置合わせをする必要はない。
【0023】
次に、メタルマスク9の上面から、レーザー、例えば炭酸ガスレーザーをレーザー照射領域3に照射し、連結部5の切断を行い圧電振動片2を個片化する。
【0024】
以上のようなプロセスで、切断された圧電振動片2はトレー8に整列され、組立て工程へ送られる。
【0025】
このことによりレーザー切断時の加工精度を向上させるレーザー切断方法ができる。
【符号の説明】
【0026】
1 圧電基板
2 圧電振動片
3 レーザー照射領域
4 マスク層
5 連結部
6 電極膜
7 レジスト
8 トレー
9 メタルマスク
101 水晶枠
102 音叉型水晶片
103 マド
105 アーム
109 メタルマスク
120 水晶ウエハー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板に形成した圧電振動片のレーザー切断方法において、
記圧電振動片は、連結部を介して前記圧電基板に形成され、
前記連結部にレーザー照射領域を規定するマスク層を設け、前記レーザー照射領域にレーザーを照射することを特徴とする圧電振動片のレーザー切断方法。
【請求項2】
前記連結部に設けた前記マスク層は、
前記電振動片の電極形成と同時に形成されることを特徴とする請求項1記載の圧電振動片のレーザー切断方法。
【請求項3】
前記連結部に設けた前記マスク層は、
レーザースポット径より小さな幅のレーザー照射領域を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動片のレーザー切断方法。
【請求項4】
前記レーザーは、
炭酸ガスレーザーであることを特徴とする請求項請求項1から3のいずれか1つに記載の圧電振動片のレーザー切断方法。
【請求項5】
前記マスク層は、
Cr膜の上にAu膜を積層し、形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の圧電振動片のレーザー切断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−45562(P2012−45562A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188498(P2010−188498)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000166948)シチズンファインテックミヨタ株式会社 (438)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】