説明

圧電振動素子及び該圧電振動素子を備えた音声変換装置

【課題】 本発明の目的は、広帯域での音圧及び音質を向上させた圧電振動素子及び該圧電振動素子を備えた音声変換装置を提供する。
【解決手段】 振動板21と、この振動板21に取着された圧電素子22とを備え、枠体10に保持される圧電振動素子20において、振動板21には樹脂シート30が接着され、この樹脂シート30を介して振動板21が枠体10に保持され、樹脂シート30には圧電振動素子20が露見して配設される取付孔31が設けられると共に、この取付孔31に架設され圧電振動素子20の一部を被覆して保持する被覆部33が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電振動素子に係り、特に、スピーカやレシーバ或いはマイクなどの材料として使用可能な圧電振動素子及び該圧電振動素子を備えた音声変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA或いはノートパソコン等の小型電子機器において、音声入出力のためのスピーカやレシーバ或いはマイクなどの材料として、小型かつ軽量であり、省エネルギーで、液晶表示装置と併せて用いる場合などに磁歪を生じないという特徴から、圧電振動素子が使用されている。
【0003】
圧電振動素子からなる圧電スピーカは、振動板に圧電素子としての圧電セラミックス板が貼着され、この圧電セラミックス板に電圧を印加することによって振動を生じさせ、音を発生させるものである。
【0004】
従来の圧電スピーカでは、振動板の周辺部分が枠体に固着された構造とされており、振動板が枠体で拘束されてしまうため、高域では高い音圧が得られるのに対し、低域では十分な音圧が得られないという問題があった。
【0005】
上記問題を解決するために、振動板の周辺部に樹脂シートを接着し、この樹脂シートが枠体に挟持されることによって振動板が支持された構成の圧電スピーカが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この技術では、振動板が枠体で押えられない構造となるため、振動が枠体によって抑圧されなくなる。このため、振動板の振動を抑圧する程度が小さくなり、広い帯域の振動を得ることが可能となる。
【特許文献1】特開平11−113094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、広帯域での音圧及び音質の向上を課題として各種の実験を行い、その結果、樹脂シートや圧電振動素子の形状を変更することで、広帯域での音圧の確保と、フラットな周波数特性が得られることを発見し、本発明をするに至った。
【0008】
本発明の目的は、広帯域での音圧及び音質を向上させた圧電振動素子及び該圧電振動素子を備えた音声変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る圧電振動素子は、振動板と、該振動板に取着された圧電素子とを備え、枠体に保持される圧電振動素子において、前記振動板には樹脂シートが接着され、該樹脂シートを介して前記振動板が前記枠体に保持され、前記樹脂シートには前記圧電振動素子が露見して配設される取付孔が設けられると共に、該取付孔に架設され前記圧電振動素子の一部を被覆して保持する被覆部が設けられた、ことを特徴とする。
【0010】
このように、圧電振動素子を樹脂シートを介して枠体に保持する構成とすることにより、圧電振動素子を拘束することなく支持することができるので、圧電振動素子を振動し易くし、低い周波数帯域を含む広帯域での振動を得ることが可能となる。
また、圧電振動素子の一部を樹脂シートで被覆して保持する構成とすることにより、圧電振動素子のあばれを制御し、これにより広帯域にわたってフラットな音響特性を得ることが可能となる。
【0011】
樹脂シートの具体的な構成は、次の通りである。前記被覆部は前記圧電振動素子の略中央に位置しており、外周部に円弧状の外縁を備えた形状に形成されている。前記外縁のうち、対向する外縁は同形状の円弧から形成され、これらの円弧は同一仮想線上に中心点を有する仮想円の一部を構成するものである。
【0012】
なお、前記円弧を形成する仮想円の半径長さは、前記圧電振動素子の大きさに対応して変更される。
前記樹脂シートの前記振動板の周縁部を被覆する部分と、前記被覆部との間には連結部が設けられている。
【0013】
上記形状の樹脂シートで被覆されることにより、前記圧電振動素子には前記樹脂シートを挟んで対称な露出面が二組形成される。
【0014】
本発明の請求項8に係る圧電振動素子は、振動板と、該振動板に取着された圧電素子とを備え、枠体に保持される圧電振動素子において、前記振動板には樹脂シートが接着され、該樹脂シートを介して前記振動板が前記枠体に保持され、前記振動板及び圧電素子は外接円を持たない多角形状に形成され、前記樹脂シートには前記圧電振動素子が露見して配設される取付孔が設けられたことを特徴とする。
前記樹脂シートは発泡シリコンからなると好適である。
【0015】
以上のように、本発明の圧電振動素子によれば、広帯域にわたってフラットな音響特性を得ることが可能となる。したがって、上記圧電振動素子を、スピーカ,レシーバ,マイク等の音声変換装置に利用すると、これらの音声変換装置において音圧及び音質を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の圧電振動素子によれば、広帯域の音声の再生に対応し、各音域で従来よりも高い音圧が得られ、しかも広帯域にわたってフラットな音響特性を得ることが可能となる。
したがって、本発明の圧電振動素子を圧電スピーカ等の音声変換装置に使用すれば、高音質の音声を発生させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0018】
図1乃至図4は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は本発明の圧電振動素子を使用した圧電スピーカの正面図、図2は図1の圧電スピーカの分解斜視図、図3は図1の圧電スピーカの被覆部の説明図、図4は図1の圧電スピーカの周波数特性を示すグラフ図である。
【0019】
図1は、本発明の圧電振動素子を利用して製作された圧電スピーカ1であり、圧電スピーカ1は、枠体10と、枠体10に保持される圧電振動素子20とを備えて構成されている。
【0020】
図2に示すように、枠体10は、上枠11と下枠12とを備え、上枠11と下枠12とはボルト13等により固定される。なお、図2ではボルト13は一つのみ図示しているが、複数のボルトで上枠11と下枠12が固定されるものである。枠体10は、この上枠11と下枠12で、圧電振動素子20の構成部材を挟持するように構成されている。
【0021】
圧電振動素子20は、振動板21と、圧電素子としての圧電セラミックス板22とから構成されている。振動板21は、厚さ0.2mm程度のアルミニウム等の金属板から形成されている。
なお、振動板21をより薄くする場合は、42アロイ等の金属板を用いると良い。
振動板21の素材としては、上記に限らず他の金属であっても良い。また、金属でなくても、振動と導通を確保できるものであれば他の素材であっても良い。例えば、薄く硬質の樹脂板に導通性を有する箔を取着したものであっても良い。
【0022】
振動板21は、図1及び図2に示すように、外接円を持たない多角形の形状に形成されている。本例の振動板21は細長い八角形の形状に形成されている。
圧電セラミックス板22は厚さ0.1mm程度に形成され、振動板21の中央部分に貼着されている。
【0023】
本例の圧電セラミックス板22は、矩形状に形成されている。圧電セラミックス板22は振動板21の片面または両面に貼り付けられる。本例では、圧電セラミックス板22は振動板21の片面に貼り付けられている。
【0024】
振動板21を上記形状とすることにより、従来よりも広帯域でフラットに近い周波数特性が得られる。
その理由は、圧電セラミックス板22から振動板21に伝わる振動エネルギーが、従来の円形や矩形の振動板21に比して、中心から周縁までの距離の違いにより多種類発生することで、周波数特性のピークやディップが補正されるためである。
【0025】
なお、振動板21の形状は、本実施例で示す形状に限らず、レモンの形状のように少なくとも対向する2つ以上の角を持ち、角と角の間を曲線で結んだ形状であっても良い。このような形状であっても、振動板21の中心点から周縁までの距離が多様になるため、広帯域でフラットに近い周波数特性を得ることができる。
【0026】
圧電セラミックス板22の両面には銀等の電極が形成されている。この電極には、駆動回路と接続されるリード線24が取り付けられる。なお、振動板21が金属である場合は、振動板21を圧電セラミックス板22の一方の電極とすることもでき、本例ではそのような構成にしている。
【0027】
振動板21には、発泡シリコンからなる樹脂シート30が接着されており、この樹脂シート30を介して枠体10に取り付けられている。
樹脂シート30は振動板21の取付孔31を備え、この取付孔31の周囲の保持部32で、振動板21の周縁部21aを挟持するように構成されている。
また、樹脂シート30は、圧電セラミックス板22の四隅を挟持している。このようにして、樹脂シート30に圧電振動素子20が保持されている。
なお、小型で薄型の圧電振動素子20を作成する場合は、樹脂シート30として、合成樹脂を主原料とする合成紙(例えばカルレ等)を用いると良い。
【0028】
本例では、二枚の樹脂シート30で振動板21及び圧電セラミックス板22を挟んで取り付けている。
二枚の樹脂シート30は振動板21及び圧電セラミックス板22を挟み、接着剤等により互いに貼着され、これにより圧電振動素子20を保持する。
【0029】
樹脂シート30は、枠体10の内側寸法よりも若干大きめのサイズ、すなわち枠体10において保持可能な大きさに形成されている。
この樹脂シート30が枠体10に挟持されて保持されることによって、圧電振動素子20が枠体10に支持されるように構成されている。すなわち、圧電振動素子20は、振動板21が枠体10と接点を有することなく、樹脂シート30を介して枠体10に保持される。
【0030】
上記構成により、振動板21が枠体10で押えられない構造となり、その振動が枠体10によって抑圧されなくなる。したがって、振動板21固有の振動が広い周波数帯域において生じることになり、枠体10によって押えられて減衰することを防止できる。
【0031】
さらに、本例の圧電スピーカ1では、圧電振動素子20の面の一部が樹脂シート30により被覆されている。
樹脂シート30の圧電振動素子20の面の一部を被覆する部分(以下、「被覆部33」と言う)は、図1及び図3に示すように、円弧状の外縁33a,33b,33c,33dを備えた形状に形成されている。
【0032】
これにより、圧電セラミックス板22は、中央部が被覆部33で被覆される。圧電セラミックス板22は、露出面22c,22d,22e,22fを露出させながら、樹脂シート30の被覆部33で保持されることになる。
なお、本例では、圧電スピーカ1の裏側には圧電セラミックス板22は配設されていないため、圧電スピーカ1の裏側では、被覆部33は振動板21の面を被覆する。
【0033】
外縁33aと33c、及び、外縁33bと33dは、それぞれ同じ大きさの円弧から形成されている。
また、外縁33aと33cを形成する円弧は、それぞれ、圧電セラミックス板22の辺22aに直交する仮想線L1上に中心点を有する仮想円C1、C3の一部を構成するものである。
同様に、外縁33bと33dを形成する円弧は、それぞれ、圧電セラミックス板22の辺22bに直交する仮想線L2上に中心点を有する仮想円C2、C4の一部を構成するものである。
【0034】
上記構成により、圧電セラミックス板22上では、樹脂シート30を挟んで対称に、露出面22cと22e、及び露出面22dと22fが現れることになる。
【0035】
前記仮想円C1、C3及びC2,C4の半径長さは、圧電振動素子20の大きさに対応して変更される。
すなわち、圧電振動素子20の大きさに比例させて、仮想円C1〜C4の半径長さを変更し、被覆部33がおおむね図1に示す形状を保つようにする。
【0036】
図1に示すように、被覆部33は、連結部34を介して、樹脂シート30の他の部分に連結されている。すなわち、被覆部33は、振動板21の周縁部を被覆する保持部32に連結されている。
【0037】
本例では、被覆部33は樹脂シート30の他の部分と一体に形成されているが、これに限らず、被覆部33を別体として形成し、樹脂シート30の取付孔31に後付けで取り付けても良い。
【0038】
上記構成からなる圧電スピーカ1において、リード線24を、図示しない駆動回路に接続させる。駆動回路から圧電セラミックス板22に音声信号が入力されると、圧電セラミックス板22が振動し、これにより振動板21が振動して音声が再生される。
【0039】
上記構成を備えた圧電スピーカ1として、次のサイズのものを作成し、音圧の測定を行った。圧電スピーカ1のサイズは、枠体10の内側寸法、すなわち圧電振動素子20の露出面が96mm×153mm、圧電セラミックス板22の大きさが横60mm×縦110mm×厚さ0.1mm、振動板21の厚さが0.2mm、樹脂シート30の被覆部33における外縁33aと33cを構成する仮想円C1、C3の半径が30mm、外縁33bと33dを構成する仮想円C2、C4の半径が85mm、連結部34の幅が2mm、に形成されている。
図4のグラフは、上記圧電スピーカ1の周波数特性を表したものである。
【0040】
また、図5乃至図7のグラフは、比較例1〜3に係る圧電スピーカの周波数特性を表したものである。
比較例1の圧電スピーカは、上記圧電スピーカ1において、振動板21及び圧電セラミックス板22の全面を樹脂シート30で被覆した構成である。
【0041】
比較例2及び3の圧電スピーカは、上記圧電スピーカ1において、被覆部33を有していない構成であり、樹脂シート30で振動板21の周縁部21aのみを被覆したものである。
比較例2では、振動板21の周縁部3mmを被覆した構成、比較例3では、振動板21の周縁部5mmを被覆した構成としている。
【0042】
周波数特性の測定は、圧電セラミックス板22に9Vの電圧を入力し、10cm離れた位置で再生された音声を測定する方法により行った。
【0043】
グラフの縦軸は音圧を表し、85dBを基準値にして上限が105dB、下限が65dBになっている。
またグラフの横軸は周波数を表し、周波数帯の範囲は200Hzから20KHzになっている。
図5乃至図7のグラフを見てわかるように、比較例1の圧電スピーカは全体に音圧が低く、音声の再生が十分になされていない。これは、樹脂シート30で振動板21及び圧電セラミックス板22の全面を被覆しているので、振動が抑圧されてしまうとともに、音の伝達が十分になされないためであると考えられる。
【0044】
また、比較例2及び比較例3の圧電スピーカは、比較例1の圧電スピーカよりも音圧は高くなっているが、周波数特性を見ると、複数の大きなピークと大きなディップを有しており、再生音質が均一になっていない。これは、圧電振動素子20を樹脂シート30で保持するときに、振動板21の周縁部21aのみで保持しているため、圧電振動素子20のあばれが大きくなってしまうためであると考えられる。
【0045】
これに対して、本例の圧電スピーカ1は、圧電振動素子20が露出面22c,22d,22e,22fを備えているので、適正な音圧レベルが得られている。
また、圧電振動素子20が樹脂シート30の保持部32で保持されているため、圧電振動素子20にあばれが発生することなく制御され、音圧特性においてピークとディップの差が小さくなっている。このように、本例の圧電スピーカ1によれば、全体的に見てより広帯域で高音圧であり、さらに再生音質のバラツキが少なくなっている。
【0046】
なお、振動板21及び圧電セラミックス板22は、上記形状には限定されず、円形や矩形等、他の形状であっても良い。
また、樹脂シート30の被覆部33についても、上記形状には限定されず、取付孔31に架設されて圧電振動素子20の一部を被覆し、圧電振動素子20のあばれを抑えて音圧及び音質を向上させるように機能するものであれば良く、どのような形状であっても良いものである。
【0047】
図8及び図9は本発明の他の実施例を示す説明図である。本例において前記実施例と同様部材等には同一符号を付してその説明を省略する。
図8の圧電スピーカ1は、圧電セラミックス板22の形状が、振動板21と同形状、すなわち外接円を持たない多角形の形状に形成されている。圧電セラミックス板22は、振動板21よりも一回り小さいサイズに形成されている。
そして、振動板には発泡シリコンからなる樹脂シート30が接着されており、この樹脂シート30を介して枠体10に取り付けられ、圧電振動素子20の面の一部が樹脂シート30の被覆部33で被覆されている。
【0048】
図9の圧電スピーカ1は、図8の実施例と同様に、圧電セラミックス板22の形状が、振動板21と同形状の多角形に形成されており、さらに、樹脂シート30が被覆部33を備えない構成とされている。
【0049】
すなわち、図9の圧電振動素子20は、外接円を持たない多角形の形状の振動板21と、外接円を持たない多角形の形状の圧電セラミックス板22から構成され、圧電振動素子20は樹脂シート30の取付孔31の周囲の保持部32で保持され、樹脂シート30の取付孔31から、略全面が露見するように構成されている。
図8及び図9の実施例では、振動板21と圧電セラミックス板22とが、共に外接円を持たない多角形に形成されているため、振動板21及び圧電セラミックス板22の両方において、中心点から周縁までの距離が多様になり、多種類の振動エネルギーを発生させることができ、よりフラットな音圧特性を得ることが可能となる。
このため、図9に示す構成のように、樹脂シート30に被覆部33を形成しなくても、広帯域での音声の再生が可能であり、また効率の良い音圧特性が得られるものである。
【0050】
なお、本実施例では、枠体10で圧電振動素子を支持する構造を示したが、圧電振動素子をケースで直接支持する構造の圧電スピーカにも利用可能である。
【0051】
また、本実施例では、圧電振動素子を圧電スピーカに適用した構成を示したが、これに限らず、圧電振動素子を圧電レシーバやマイクなど、他の音声変換装置に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の圧電振動素子を使用した圧電スピーカの正面図である。
【図2】図1の圧電スピーカの分解斜視図である。
【図3】図1の圧電スピーカの被覆部の説明図である。
【図4】図1の圧電スピーカの周波数特性を示すグラフ図である。
【図5】比較例の圧電スピーカの周波数特性を示すグラフ図である。
【図6】比較例の圧電スピーカの周波数特性を示すグラフ図である。
【図7】比較例の圧電スピーカの周波数特性を示すグラフ図である。
【図8】他の実施例を示す説明図である。
【図9】他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 圧電スピーカ
10 枠体
11 上枠
12 下枠
13 ボルト
20 圧電振動素子
21 振動板
21a 周縁部
22 圧電セラミックス板(圧電素子)
22a,22b 辺
22c,22d,22e,22f 露出面
24 リード線
30 樹脂シート
31 取付孔
32 保持部(振動板の周縁部を被覆する部分)
33 被覆部
33a〜33d 外縁
34 連結部
C1〜C4 仮想円
L1、L2 仮想線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、該振動板に取着された圧電素子とを備え、枠体に保持される圧電振動素子において、前記振動板には樹脂シートが接着され、該樹脂シートを介して前記振動板が前記枠体に保持され、
前記樹脂シートには前記圧電振動素子が露見して配設される取付孔が設けられると共に、
該取付孔に架設され前記圧電振動素子の一部を被覆して保持する被覆部が設けられたことを特徴とする圧電振動素子。
【請求項2】
前記被覆部は前記圧電振動素子の略中央に位置することを特徴とする請求項1記載の圧電振動素子。
【請求項3】
前記被覆部は外周部に円弧状の外縁を備えた形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
【請求項4】
前記外縁のうち、対向する外縁は同形状の円弧から形成されるとともに、前記円弧は同一仮想線上に中心点を有する仮想円の一部を構成するものであることを特徴とする請求項3に記載の圧電振動素子。
【請求項5】
前記円弧を形成する仮想円の半径長さは、前記圧電振動素子の大きさに対応して変更されることを特徴とする請求項4に記載の圧電振動素子。
【請求項6】
前記樹脂シートの前記振動板の周縁部を被覆する部分と、前記被覆部との間には連結部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
【請求項7】
前記圧電振動素子には前記樹脂シートを挟んで対称な露出面が二組形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
【請求項8】
振動板と、該振動板に取着された圧電素子とを備え、枠体に保持される圧電振動素子において、前記振動板には樹脂シートが接着され、該樹脂シートを介して前記振動板が前記枠体に保持され、
前記振動板及び圧電素子は外接円を持たない多角形状に形成され、
前記樹脂シートには前記圧電振動素子が露見して配設される取付孔が設けられたことを特徴とする圧電振動素子。
【請求項9】
前記樹脂シートは発泡シリコンからなることを特徴とする請求項8記載の圧電振動素子。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載の圧電振動素子を備えた音声変換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate