説明

在宅コールセンターシステム

【課題】ネットワークを利用して、任意の場所に配備された在宅エージェント用端末装置を有効に利用する。
【解決手段】顧客端末11と、集中コールセンターに配置された常駐エージェント用端末装置12と、任意の場所に配置された在宅エージェント用端末装置13との間の通信を制御する。顧客管理のための情報とエージェントの候補を選択するために必要な情報を含む顧客情報41と、エージェント管理のための情報とエージェントの端末装置の回線接続用アドレスを含むエージェント情報42とを記憶した管理用記憶装置40を備える。顧客端末11から入力されるエージェント接続要求を認識する接続要求検出手段31と、適合する常駐エージェント用端末装置12または在宅エージェント用端末装置13の候補を抽出するマッチング手段32と、接続可能な端末装置を顧客端末11に接続する端末接続制御手段33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用して、在宅エージェント用端末装置と常駐エージェント用端末装置とを自由に選択して、顧客の端末装置と接続することができる在宅コールセンターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信販売では、受発注処理時に、顧客に対する電話応対が必要になる。しかしながら、電話応対のために大規模なコールセンターを配備すると、大きなコストがかかる。また、人材の確保も容易でない。そこで、在宅しているオペレータを利用するコールセンターシステムが開発された(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−96521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
既存のコールセンターで顧客に応対し、必要に応じて在宅オペレータを呼び出して接続をするためには、在宅オペレータの勤務状態を把握して管理する必要がある。コールセンターのオペレータにとって、在宅オペレータへの応対振り分け管理は負担が大きい。しかも、在宅オペレータは休日とか深夜の勤務も可能であり、その管理のためにコールセンターに常時オペレータを配備するのは管理コストがかさむ。また、通信販売業務では、通話時間が比較的長くなる。ここで通信料金が高いと、在宅オペレータを利用した経済的なメリットが薄れる。コールセンタで受けた顧客からの電話を在宅エージェントに転送する際に、一般の電話網を使用すると高価な通話料金が発生するが、インターネット網で音声を転送すると、音声品質の保証が難しい。本発明は、以上の点に着目してなされたもので、インターネットとIP電話網を利用して、在宅エージェント用端末装置と常駐エージェント用端末装置とを自由に自動的に選択して、顧客の端末装置と接続制御することができる在宅コールセンターシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の各実施例においては、それぞれ次のような構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
相互に任意のネットワークを介して接続された、顧客端末と、集中コールセンターに配置された常駐エージェント用端末装置と、任意の場所に配置された在宅エージェント用端末装置との間の通信を制御するためのものであって、顧客管理のための情報と当該顧客に応対するエージェントの候補を選択するために必要な情報を含む顧客情報と、エージェント管理のための情報と当該エージェントの端末装置の回線接続用アドレスを含むエージェント情報とを記憶した記憶装置と、上記顧客端末から入力されるエージェント接続要求を認識する、接続要求検出手段と、上記顧客情報と上記エージェント情報とを参照して、適合する常駐エージェント用端末装置または在宅エージェント用端末装置の候補を抽出するマッチング手段と、上記端末装置の候補の中から接続可能な端末装置を選択して、上記顧客端末を当該端末装置に接続する端末接続制御手段とを備えた、連携管理サーバを有することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0005】
連携管理サーバが、常駐エージェント用端末装置と在宅エージェント用端末装置とを自由に選択して、顧客端末から入力されるエージェント接続要求に適切に応えることができる。従ってネットワークを利用して、任意の場所に配備された在宅エージェント用端末装置を有効に利用できる。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、上記顧客端末から入力される情報を取得して、通信販売処理を実行する通信販売サーバ機能部と、上記顧客端末から入力される接続要求を取得して、顧客端末を常駐エージェント用端末装置に接続するコールセンター機能部と、上記顧客端末から入力される接続要求を取得して、上記常駐エージェント用端末装置に接続されていない顧客端末を在宅エージェント用端末装置に接続する在宅エージェント接続機能部と、を備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0007】
特に、通信販売等の分野で、常駐エージェントだけでは応対できない顧客に対して、顧客に意識させることなく在宅エージェントを利用することができる。
【0008】
〈構成3〉
構成2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、上記在宅エージェント用端末装置から取得したスタンバイ状態情報を、上記記憶装置に記憶させる在宅エージェント状態管理手段を備え、上記端末接続制御手段は、無接続スタンバイ状態の在宅エージェント用端末装置を選択して、上記顧客端末を当該端末装置に接続することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0009】
在宅エージェントについて、顧客に応対可能かどうかを判断するために、スタンバイ情報を利用する。これにより、連携管理サーバ側も管理が容易になり、在宅エージェントもスタンバイ状態を明確にできる。
【0010】
〈構成4〉
構成2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、上記在宅エージェント状態管理手段は、在宅エージェント用端末装置がログイン処理を実行したときから、当該在宅エージェント用端末装置がログオフ処理を実行したときまでの間を、スタンバイ状態と判断して、スタンバイ情報を生成することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0011】
スタンバイ状態の把握を、在宅エージェント用端末装置のログイン処理で検出することで、在宅エージェントの管理を容易にできる。
【0012】
〈構成5〉
構成2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、上記在宅エージェント接続機能部は、顧客端末と接続された在宅エージェント用端末装置から受信したコールセンター呼び出し要求に従って、上記コールセンター機能部に対して、接続の切り換えを要求し、当該コールセンター機能部は、コールセンターに配置されたいずれかの常駐エージェント用端末装置を選択して、上記在宅エージェント用端末装置に接続中の顧客端末を接続するように、接続の切り換えを実行することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0013】
顧客端末に接続されて応答中のエージェントが要求したときは、自動的に常駐エージェント用端末装置に接続が切り換えられるので、顧客に意識させることなく、より適切な専門家のエージェントに通話を転送して処理をさせることができる。
【0014】
〈構成6〉
構成1に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、上記連携管理サーバは、在宅エージェントのスキル情報と、その在宅エージェントが現在応対可能かどうかを示す状態情報と、顧客からの接続要求をいずれかの在宅エージェントに振り分けるためのルールに基づいて、顧客端末から接続要求があったとき、いずれかの在宅エージェント用端末装置を選択して、在宅エージェント用端末装置に対して接続情報を転送するサーバを備え、上記在宅エージェント用端末装置は、上記接続情報をもとにして在宅エージェント用電話機をIP電話網を通じて顧客端末に接続して音声信号通信路を確立し、在宅エージェント用端末装置をインターネットVPNを通じて連携管理サーバシステムに接続して、音声接続用制御信号および応対を支援するためのトランザクション情報の通信路を確立するミドルウエアを備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0015】
サーバは、顧客端末から接続要求があったときに、いずれかの在宅エージェント用端末装置を選択して、在宅エージェント用端末装置に対して接続情報を転送し、その後の処理を在宅エージェント用端末装置に任せるので、負荷が軽くなる。また、在宅エージェント用端末装置は、IP電話網やインターネットVPNを利用した接続処理を独自に行うミドルウエアを備えたので、自立性が高く、容易に在宅エージェント用端末装置の増設等が可能になる。
【0016】
〈構成7〉
構成6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、在宅エージェント用端末装置に対して、インターネットVPNを通じて、顧客に関する情報を含む顧客データを提供し、在宅エージェント用端末装置に接続されたカメラから、インターネットVPNを通じて、在宅エージェントの状態を撮影した画像データの転送を受けるサーバと、上記画像データを表示するモニタディスプレイとを備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0017】
インターネットVPNを顧客データの転送と画像データの転送に使用して、安価なデータ通信を実現している。モニタディスプレイは、画像データを表示して在宅エージェントの管理を可能にしている。
【0018】
〈構成8〉
構成6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、上記ミドルウエアは、在宅エージェント用電話機の音声通話信号をオーディオケーブルを通じて取得し、接続先情報を含む音声データ情報として録音するとともに、取得した音声通話信号を上記インターネットVPNを通じて常駐エージェント用端末装置に傍受用の音声データ信号として転送することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0019】
在宅エージェントの通話信号は、インターネットVPNを利用して、常駐エージェント用端末装置側でモニタするのことができ、上記のネットワーク環境を有効に利用できる。なお、ここでは、常駐エージェントは、コールセンターにおけるスーパーバイザやその他の管理者も含む広い概念とする。
【0020】
〈構成9〉
構成6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、上記ミドルウエアは、顧客端末を在宅エージェント用電話機に接続している状態を終了させ、上記サーバに対して、顧客端末を常駐エージェント用端末装置に接続する状態に切り換える制御を連携管理サーバに依頼し、上記連携管理サーバは、常駐エージェント用端末装置に対して、上記接続の切り換えに必要な接続情報を送信し、上記常駐エージェント用端末装置のミドルウエアは、上記顧客端末11との通信路を確立することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【0021】
これで、常駐エージェントが在宅エージェントに代わって顧客と対応可能になる。連携管理サーバは、この処理でも、接続制御を常駐エージェント用端末装置に任せるので、集中管理のための各種機能が不要で、拡張性のすぐれたシステムが実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
例えば、夜間や休日に顧客に応対する常駐エージェントを確保するのは容易でない。しかし、在宅エージェントは、それぞれ各自の都合のよい時間に応対することができるため、夜間や休日でも有能な人材を確保できる。既存の常駐コールセンターシステムに連携管理サーバを接続し、随時在宅エージェントを選択して接続するシステムを追加すれば、本発明のシステムが実現する。従って、既存のシステムを生かした低コストのシステム構築ができる。シムレスに接続管理ができるので、顧客側からはコールセンターに接続しているのと同等の利用ができる。従って、非常に大規模なバーチャルコールセンターが実現する。
【0023】
在宅エージェントは通勤が不要なため、勤務条件が大幅に緩和される。通勤のための交通費も不要で、自由な時間に勤務できるから、経験豊富な退職者等を広く利用できる。また、常駐エージェントは必要最小限にできるので、大型コールセンターが不要になり、維持管理コストを大幅に節約できる。
【0024】
従来は市内通信料金が高額なことが原因で、在宅エージェントのコスト上のメリットが得られなかった。本発明のシステムで、情報系にはVPN(バーチャルパーソナルネットワーク)を利用し、音声系はIP電話を利用すると、充分に低コストでの電話応対が可能になる。しかも、セキュリティが確保され、通話音質も充分維持できる。また、サーバによる在宅エージェント用端末装置と常駐エージェント用端末装置との切り換えも瞬時にできるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を実施例ごとに詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、実施例1の在宅コールセンターシステム機能ブロック図である。
図のネットワーク10はインターネットなどの広域ネットワークである。このネットワークを利用して通信販売処理が行われる。ネットワーク10には顧客端末11と集中コールセンター用の常駐エージェント用端末装置12と在宅エージェント用端末装置13とが接続されている。また、通信販売を管理するために、ネットワーク10には連携管理サーバシステム20が接続されている。連携管理サーバシステム20は、通信販売サーバ21とエージェント管理サーバ22とを備える。エージェント管理サーバ22は、コールセンター機能部23と在宅エージェント接続機能部24とを備える。
【0026】
通信販売サーバ21は、ネットワーク10を通じて顧客端末11からの要求に従って商品の見積もりや受注処理を実行する機能を持つ。エージェント管理サーバ22は、演算処理装置30と記憶装置40を備える。演算処理装置30には、接続要求検出手段31、マッチング手段32、端末接続制御手段33、在宅エージェント状態管理手段34が設けられている。記憶装置40には、顧客情報41、エージェント情報42、エージェント状態情報43、端末装置候補44、及び、接続管理テーブル45が記憶されている。演算処理装置30に設けられた各手段は、エージェント管理サーバ22のコンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムからなる。
【0027】
顧客端末11からは通信販売に関する購入情報や問い合わせ情報が入力される。通信販売サーバ21は、その入力情報に従って通信販売処理を実行する。コールセンター機能部23は、顧客端末から入力される接続要求を取得して、顧客端末を常駐エージェント用端末装置12に接続する機能を持つ。これにより顧客からの問い合わせ等に応対する。在宅エージェント接続機能部24は、顧客端末から入力され接続要求を取得して常駐エージェント用端末装置に接続されていない顧客端末11を在宅エージェント用端末装置13に接続する機能を持つ。これらの機能部により、顧客端末11は円滑に適切なエージェント用端末装置に接続され通信販売に対する様々な応対を受ける。なお、両機能部は、演算処理装置30の制御によって動作する。
【0028】
図2は記憶装置40に記憶された情報の具体的な内容を示す説明図である。
図2(a)は顧客情報41を示す。顧客情報41は顧客管理情報51とエージェント選択情報52とを含む。顧客管理情報51は通信販売に必要な顧客の氏名、住所その他の情報を含む管理情報である。エージェント選択情報52は、例えば、商品分類や製品番号などからなる情報である。後で詳細に説明するように、着信番号からエージェントを選択する方法が最も簡単である。顧客の接続要求時に、顧客に対して商品の種類や問い合わせ事項等を、例えば、プッシュボタン信号を使って確認する方法もある。さらに、顧客の購入した商品がわかれば、自動的にエージェントを選択することもできる。
【0029】
図2(b)はエージェント情報42を示す。エージェント情報42はエージェント管理情報53と回線接続用アドレス54とを含む。エージェント管理情報53は常駐エージェントや在宅エージェントの個々の様々な情報を含む。例えば、スキル情報、受注実績情報、評価情報などを含む。
【0030】
図2(c)はエージェント状態情報43の説明図である。エージェント状態情報43は、ログイン時刻55、ログオフ時刻56、スタンバイ情報57を含む。ログイン時刻55は、在宅エージェントが在宅エージェント用端末装置13をネットワーク10を通じてエージェント管理サーバ22に接続した時刻を示す。ログオフ時刻56は、在宅エージェント用端末装置13がログイン状態から接続を切り離した時刻を示す。スタンバイ情報57は、在宅エージェントが顧客への応対可能な状態にある場合とない場合とを区別するフラグなどから構成される。
【0031】
図2(d)は顧客端末とエージェント端末装置との接続関係を示す接続管理テーブルある。このテーブルは、顧客端末11と常駐エージェント用端末装置12とが接続されたとき、あるいは、顧客端末11と在宅エージェント用端末装置13とが接続されたときに、接続関係を明らかにする端末識別番号等のリストである。なお、顧客端末11といずれかの端末装置との接続が切り離されると、該当する端末識別番号はただちに削除される。これにより、例えば、待ち状態にある在宅エージェント用端末装置13の存在を確認できる。
【0032】
図1に示した演算処理装置30の接続要求検出手段31は、顧客端末11から入力されるエージェント接続要求を認識する機能を持つ。顧客は通信販売サーバ21を利用して自動的に通信販売商品の発注処理などを行う。ここで、例えば何らかの質問があった場合、あるいは発注確認を行うような場合に、担当するエージェントと通話が必要になる。この時、顧客端末11からエージェント接続要求がエージェント管理サーバ22に送信される。接続要求検出手段31はこれを認識する機能を持つ。
【0033】
マッチング手段32は、顧客情報とエージェント情報とを参照して、応対に適する常駐エージェント用端末装置12の候補を抽出する。またあるいは、在宅エージェント用端末装置13の候補を抽出する機能を持つ。このマッチング手段32は、顧客端末11から接続要求があった時に、該当する顧客情報41を参照し、質問事項が入力されていれば、その事項を考慮したエージェントの候補を抽出する。例えば、非常に専門的な内容の場合には、常駐エージェント用端末装置12の該当する担当者と接続する。もちろん、専門家が登録された在宅エージェント用端末装置13を抽出しても構わない。また、通常の在宅エージェントで応対可能な平易な質問の場合には、任意の在宅エージェント用端末装置13に接続する。
【0034】
候補となった端末装置が複数あった場合にはその端末装置候補44を記憶装置40に記憶させる。端末接続制御手段33は、この端末装置候補44の中から、接続可能な端末装置を選択する。接続管理テーブル45を参照して、例えば、待機状態にある在宅エージェント用端末装置13を選択するとよい。在宅エージェント状態管理手段34は、在宅エージェント用端末装置13から取得したスタンバイ情報57を、記憶装置40に記憶させる機能を持つ。
【0035】
なお、例えば在宅エージェント状態管理手段34は、在宅エージェント用端末装置13のログイン時刻55とログオフ時刻56とを監視して、ログイン処理を実行した時からログオフ処理を実行するまでの間をスタンバイ状態と判断し、スタンバイ情報57を自動的に生成してもよい。また、実際に顧客の端末装置11と在宅エージェント用端末装置13を接続したときには、接続管理テーブル45に対してその結果を表示する。これによって、スタンバイ状態の在宅エージェント用端末装置13を明確にすることができる。
【実施例2】
【0036】
図3は在宅コールセンターシステムの詳細なブロック図である。
図1に示したものと同一部分には同一の符号を付している。図に示すように、顧客端末11は電話網等のネットワークを通じて通信販売サーバ21に接続されている。通信販売サーバ21には、受注管理データ47、商品管理、顧客管理、請求管理、財務会計データ48等が記憶されている。通信販売サーバ21は、コールセンターサーバ61と在宅エージェントサーバ62に接続されている。コールセンターサーバ61は、集中コールセンターの常駐エージェント用端末装置12に接続され、顧客端末11をいずれかの端末装置に接続する機能を持つ。在宅エージェントサーバ62は、インターネットVPN(バーチャルパーソナルネットワーク)63とIP(インターネットプロトコル)電話網64を介して在宅エージェント用端末装置13と接続されている。
【0037】
インターネットVPN63は、情報系データのセキュリティを確保した伝送に使用される。IP電話網64は音声系データの送受信に使用される。いずれも、通信コスト低減のために好適するネットワークである。在宅エージェント用端末装置13には例えばCCDカメラ65が設けられており、在宅エージェントを管理できる構成になっている。
【0038】
例えばこのシステムにおいて、顧客端末11から接続要求があった時、まず、在宅エージェントサーバ62が、いずれかの在宅エージェント用端末装置13を選択して接続をする。画像や販売管理データの送受信にはインターネットVPN63を利用する。また、音声通話は、音質の良いIP電話網64を用いて行われる。このような構成にすると、通話料金が非常に低額になる。データ通信も非常に低額で実現できるため、在宅エージェントは、日本国内のどこにいても充分安いコストで顧客端末11と通信ができる。従って、有能な在宅エージェントを都合の良い時間に自由に利用することが可能になる。
【0039】
また、例えば顧客端末11から、特に専門的な質問などが寄せられた時には、コールセンターサーバ61がいずれかの常駐エージェント用端末装置12と顧客端末11とを接続する。そのほか、在宅エージェントが顧客から非常に専門的な質問を受けて応対できなくなった場合には、在宅エージェントサーバ62を通じて、コールセンターサーバ61に対し、接続の切り換え依頼を送る。コールセンターサーバ61は最適な常駐エージェント用端末装置12を選択する。そして、瞬時に接続の切り換えが行われる。
【0040】
顧客端末11から見ると、担当者が入れ代わったといった程度に認識される。即ち、全国にちらばった在宅エージェント用端末装置13とコールセンターの常駐エージェント用端末装置12とが同じフロアにあって、自由に相互に担当者の交代ができる環境にあるように運用できる。
【実施例3】
【0041】
図4は、在宅エージェント用端末装置と連携管理サーバシステムとの関係を示すブロック図である。
図に示すように、連携管理サーバシステムの内部LAN(ローカルエリアネットワーク)60には、在宅エージェントサーバ(SIP)62と、ACDサーバ(Auto call distribusion)66と、プレゼンスサーバ67と、映像系監視サーバ68と、業務APL(アプリケーション)サーバ69と、データベースサーバ(DB)70と、勤怠管理サーバ75とが接続されている。さらに、LAN60には、公衆網ゲートウェイ(GW)72とIP電話網ゲートウェイ(GW)73が接続されている。
【0042】
公衆網ゲートウェイ72は、連携管理サーバシステム20を電話網71に接続する。この電話網71には、顧客端末11が接続されている。また、IP電話網ゲートウェイ73は、連携管理サーバシステム20をIP電話網64に接続する。これで、顧客端末11と在宅エージェント用電話機76との間の音声通話のための通信路を確立する。IP電話網64は、在宅エージェントと顧客との間の音声通話品質を確保するために利用する。通信コストも安価なため、通話時間が長くなる顧客応対業務に適する。連携管理サーバシステム20の内部LAN75は、インターネットVPN63に接続されている。これで、連携管理サーバシステム20と在宅エージェント用端末装置13との間の、データ通信のための低コストの通信路を確立する。在宅エージェント用端末装置13は顧客との応対のために、業務APLサーバ69を通じて顧客データの参照を要求する。CCDカメラ65は在宅エージェント用端末装置13を操作している在宅エージェントの状態を撮影し、その画像データを映像系監視サーバ68に転送する。これらのデータ通信に、インターネットVPN63が利用される。
【0043】
SIPサーバ59は、SIP(session inisiation protocol)機能を持つ。即ち、インターネットを利用したIP電話の接続制御をする機能を持つ。SIPサーバ59はACDサーバ66とプレゼンスサーバ67との連携により、この接続制御をする。プレゼンスサーバ67は、図1で説明した、エージェント情報42とエージェント状態情報43とを保持する。既に説明したように、エージェント情報42は、各在宅エージェントのスキル情報等を含む。エージェント状態情報は、例えば、レディ状態、ビジー状態、離席状態、接続中の状態と4種類とする。なお、他の実施例では、レディ状態をスタンバイ状態とし、他の状態を全てビジー状態と呼んで説明をしている。レディ状態は、いつでも電話の応対ができる状態である。ビジー状態は、応対後の後処理等のため電話応対が一時的にできない状態である。離席状態は、端末装置をログインしたまま一定の理由をセットして離席をした状態である。顧客端末と接続中の状態は、着信をして応対中の状態と、発信をして連絡事項を伝達中の状態と、内線通話中の状態という3種類に区別することができる。
【0044】
多数の在宅エージェントのスキル等の情報と、現在応対が可能かといった状態情報に基づいて、顧客からの接続要求を、いずれかの在宅エージェントに振り分けることができる。ACDサーバ66は、この振り分けルールを保持する。なお、常駐エージェントは、在宅エージェントと同等に取り扱ってもよいし、在宅エージェントの管理やサポートとして取り扱っても良い。このようなシステムにより、常駐エージェントの数を最小限に保持して、多数の在宅エージェントを効率良く利用することが可能になる。
【0045】
顧客端末11からの接続要求は、SIPサーバ59が受ける。在宅エージェントへの接続制御をすべきものと判断されると、プレゼンスサーバ67から提供される情報とACDサーバ66の保有するエージェント選択用のルールに基づいて、いずれかの在宅エージェント用端末装置13が選択される。エージェントの選択には、担当分野が問題になる。そこで、予め、担当分野別に着信電話番号を決めておく。顧客は、該当する電話番号を選択して発呼する。従って、着信と同時に、エージェントの担当分野が確定するまた、担当分野の選択を要求するメッセージを流して、プッシュボタン信号でエージェントの担当分野を確定することもできる。同一担当分野の在宅エージェントが複数いるときは、エージェント情報からスキルの高い者を選択する。さらに、エージェント状態情報から待機時間の長い者を優先的に選択するとよい。
【0046】
既存のデジタル交換機は、上記の全ての処理を集中処理できるように、複雑なハードウエアとソフトウエアを組み込むようにしていた。しかしながら、それでは交換機の価格が高額になる。小規模のシステムにはコストが高くなりすぎ、拡張性に乏しいという問題があった。一方、この実施例では、SIPサーバ59と在宅エージェント用端末装置13のミドルウエア77との連携により、安価で拡張性の高い制御を実現している。即ち、SIPサーバ59は、上記のようにACDサーバ66とプレゼンスサーバ67との連携によって在宅エージェントを選択すると、その接続情報を在宅エージェント用端末装置13に転送して処理を終了する。
【0047】
この接続情報は、顧客端末11と在宅エージェント用電話機76とを接続すると同時に、在宅エージェント用端末装置13を連携管理サーバシステム20に接続する全ての情報と手順とを含んでいる。在宅エージェント用端末装置13にはミドルウエアが搭載されている。在宅エージェント用端末装置13のミドルウエアは、この接続情報をもとにして、在宅エージェント用電話機76、IP電話網64、IP電話網GW73及び公衆網GW72を通じて、顧客端末11に接続をする手順を自動的に実行する。さらに、在宅エージェント用端末装置13は、同じ接続情報をもとにして、インターネットVPN63を通じて映像系監視サーバ68や業務APLサーバ69とデータ通信を可能にする手順を自動的に実行する。即ち、音声接続用制御信号および応対を支援するためのトランザクション情報の通信路を確立する。
【0048】
これで、自動的に2系統の通信路の接続処理が実行されて、在宅エージェントによる顧客との電話応対が可能な状態になる。常駐エージェント用端末装置12についても、同様でよいが、常駐エージェント用端末装置12側には、別のシステムを設けても構わない。このように、在宅エージェント用端末装置13に、自動的に必要な通信路の確立を実行する機能を与えると、高機能のデジタル交換機無しで、多数の端末装置間の接続制御や管理が可能になる。該当する機能を持つミドルウエア77を搭載した端末装置をシステムに接続すれば、ただちにエージェント用の端末装置として機能する。分散処理により、SIPサーバ59の負荷が小さく、多数の端末装置を管理が可能である。また、多数の端末装置を遠隔制御するためのソフトウエアも必要ない。従って、端末装置が数台で構成されるシステムから数百台で構成されるシステムまで柔軟に対応でき、安価で拡張性のすぐれたシステムが実現する。
【0049】
顧客端末11と在宅エージェント用電話機76の接続が確立すると、両者は直接IP電話網64を利用した通信を開始する。連携管理サーバシステム20に設けられたサーバの制御は受けないで独自に通信することができる。一方、在宅エージェント用端末装置13は、業務APLサーバ69をアクセスし、顧客との応対に必要な各種のデータの転送を受ける。業務APLサーバ69には、顧客に関する情報、商品に関する情報等と、それを検索するアプリケーションが記憶されている。従って、例えば、その顧客の購入した商品に関する情報や、その顧客に対する過去のサービスの履歴等を参照して、在宅エージェントも常駐エージェントと同様の顧客サービスが可能になる。
【0050】
図5は、在宅エージェント管理のためのシステム機能ブロック図である。
図4に示したCCDカメラ65は、各在宅エージェントの勤務状態を撮影する。撮影した画像データは、在宅エージェント用端末装置13から映像系監視サーバ68に転送される。図には、映像系監視サーバ68に設けられたモニタディスプレイ83を示した。このモニタディスプレイ83は、全ての在宅エージェントの映像と状態情報とを表示する。この例では、24分割した画面に一挙に24人の在宅エージェントの映像を映している。画面の切り換え制御により、任意の在宅エージェントを選択して映し、クローズアップすることもできる。離席しているエージェントの画像を暗転させて、他の画像と区別することもできる。これにより、在宅エージェントの勤務状態を直接監視し、さらに、顧客に対する応対方法の教育等にも利用できる。在宅エージェントの画像データはそのまま蓄積しておくこともできる。こうした処理により、在宅エージェントを常駐エージェントと同等に適切に管理できる。
【0051】
また、在宅エージェントは、勤務時間を自由に設定することができる。しかし、管理者側としては、顧客に応対できる在宅エージェントを、いつでも一定数以上確保しておきたい。そこで、各在宅エージェントに勤務予定の届け出を求めるようにする。勤怠管理サーバ75は、在宅エージェントの勤怠届け出を管理し、かつ、勤怠実績情報を記録する機能を持つ。勤怠実績情報は給与計算にも利用できる。ここに、このシステムを運用している管理者側の情報取得手段が設けられている。図のリンクサーバ81はインターネットVPN63を通じてクライアントサーバ84との間のデータ通信を行う。これにより、在宅エージェントの管理情報等をクライアントサーバ84側で自由に閲覧できる。また、秘匿性を必要としないデータは、WWWサーバ82とインターネットを通じて図示しない任意の端末装置で取得することができる。
【0052】
在宅エージェントの能力は千差万別である。従って、顧客の要求に適切に対応できないこともある。また、個々の在宅エージェントの教育も必要になる。そこで、コールセンター側で、顧客と応対している在宅エージェントの通話内容をモニタする機能が設けられている。モニタ処理時には、例えば、コールセンターの常駐エージェント用端末装置12から在宅エージェント用端末装置13に対してモニタ要求を送信する。在宅エージェント用端末装置13は、例えば、在宅エージェント用電話機76の音声通話信号を、オーディオケーブルを通じて取得する。取得した音声通話信号は、接続先情報を含む音声データ情報として録音することで管理対象のデータとして保管する。また、この音声通信信号は、常駐エージェント用端末装置12からの要求に応じてインターネットVPN63を通じて常駐エージェント用端末装置12にリアルタイムで転送される。この機能をサイレントモニタ機能と呼ぶ。例えば、常駐エージェント用端末装置12を操作するスーパーバイザは、顧客と在宅エージェントの会話をモニタして、必要に応じて在宅エージェント用端末装置13のディスプレイにアドバイスメッセージを表示する。
【0053】
また、在宅エージェント用端末装置13からスーパーバイザに助言や支援を要求することもできる。これをヘルプコール機能と呼ぶ。在宅エージェント用端末装置13から常駐エージェント用端末装置12に対してヘルプコールの要求をするとともに、在宅エージェント用電話機76の音声通話信号を、オーディオケーブルを通じて取得する。取得した音声通話信号は、インターネットVPN63を通じて常駐エージェント用端末装置12に転送される。その後はサイレントモニタ機能と同様の処理が実行される。このヘルプコール機能は、ミドルウエア77に設けられる。
【0054】
さらに、在宅エージェントでは対応ができない事項について、常駐エージェントへ対応を求めることもできる。このときは、顧客端末11を在宅エージェント用電話機76に接続している状態から、顧客端末11を常駐エージェント用端末装置12に接続する状態に切り換える。これをピックアップ機能と呼ぶ。なお、常駐エージェント用端末装置12は公衆網ゲートウェイ72と直接接続されたコールセンターに設けられている。従って、IP電話を使用しているとは限らない。どのような種類の電話機を使用しても構わない。音声通信もデータ通信も保証された高速ネットワークであれば、任意の手段を利用できる。
【0055】
まず、在宅エージェント用端末装置13が顧客端末11と在宅エージェント用電話機76との通話を終了させる。次にSIPサーバ59に対して、顧客端末11と常駐エージェント用端末装置12とを接続するように制御を依頼する。SIPサーバ59は常駐エージェント用端末装置12に対して必要な接続情報を送信する。この接続情報を受信した常駐エージェント用端末装置12は顧客端末11との通信路を確立する。これで、常駐エージェントが在宅エージェントに代わって顧客と対応可能になる。
【0056】
上記のように、在宅エージェント用端末装置13に搭載されたミドルウエアは、コンピュータプログラムである。在宅エージェント用端末装置13のコンピュータに所定の機能を付与する。このミドルウエアは、連携管理サーバシステム20のSIPサーバ59から接続情報を取得して、在宅エージェント用電話機76をIP電話網64を通じて顧客端末11に接続する機能と、在宅エージェント用端末装置13をインターネットVPN63を通じて連携管理サーバシステム20に接続する機能を持つ。さらに、在宅エージェント用電話機76の通話内容をインターネットVPN63を通じて在宅エージェント用端末装置13に転送してモニタさせるサイレントモニタ機能やヘルプコール機能も備えている。また、SIPサーバ59に対して接続の切り換えを要求するピックアップ機能も備えている。こうして、実用性の高い連携管理サーバシステムが実現する。
【実施例4】
【0057】
図6は、顧客端末をエージェントの端末装置に接続する手順を示すフローチャートである。
以下、上記のシステムを動作させるコンピュータプログラムの実施例を説明する。まず、ステップS11で、顧客端末11から、電話等により接続要求が着信する。この処理は接続要求検出手段31が行う。ステップS12では、要求種別の認識をする。例えば、自動音声案内により、顧客がどのような商品について何を問い合わせたいかを尋ねる。顧客の操作するプッシュボタンのトーン信号により、その内容を認識する。ステップS13では、常駐エージェントが担当しなければならない案件かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときは、ステップS14の処理に進む。ノーのときはコールセンター機能部23が常駐エージェント用端末装置12の空き端末装置に顧客端末11を接続する処理をする。この部分の処理は既知の処理であるから説明を省略した。
【0058】
ステップS14では、マッチング手段32が起動して、エージェント情報42を参照する。ステップS15では、該当する適切な在宅エージェントの候補を抽出する。次にステップS16で、エージェント状態情報を参照する。これにより、スタンバイ中の在宅エージェント用端末装置を選択する(ステップS17)。ステップS18では、この選択に従って、顧客端末11を該当する回線に接続する。ステップS19では、エージェント状態情報43を、ビジー状態に更新する。ステップS20では、顧客端末11と在宅エージェント用端末装置13との間の通話が終了したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS21の処理に移行し、ノーのときは待機する。ステップS21では、エージェント状態情報43の更新をする。即ち、ビジー状態からスタンバイ状態に戻す。ステップS22で回線遮断処理をする。これで、在宅エージェントが次の顧客の要求に応対できる状態に戻る。
【0059】
図7は、在宅エージェント状態管理動作フローチャートである。
顧客端末11の接続要求に応答するときの状態は、図5で説明した。図6では、待機状態の在宅エージェント用端末装置13の状態管理手順を説明する。まず、ステップS31で、端末接続制御手段33が、在宅エージェント用端末装置13はログインしているかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS32の処理に移行し、ノーのときは待機する。ステップS32では、エージェント状態情報をスタンバイにする。これで、いつでも顧客端末11との接続に応じられる状態になる。
【0060】
ステップS33では、離席情報を受信したかどうかという判断をする。この情報は随時在宅エージェントにより入力される。この判断の結果がイエスのときはステップS34の処理に移行し、ノーのときはステップS35の処理に移行する。ステップS34では、エージェント状態情報をビジーにする。これで、この在宅エージェント用端末装置13との接続を禁止する。ステップS35では、着席情報を受信したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS36の処理に移行し、ノーのときはステップS37の処理に移行する。ステップS36では、エージェント状態情報をスタンバイにする。これで、ステップS32の状態に戻る。ステップS37では、在宅エージェント用端末装置13がログオフされたかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS33の処理に移行し、ノーのときはステップS38の処理に移行する。即ち、在宅エージェント用端末装置13がログイン状態では、ステップS33からステップS37の状態管理を繰り返す。在宅エージェント用端末装置13がログオフされると、ステップS38で、エージェント状態情報を不在にする。これで、在宅エージェント用端末装置13が再度ログインされるまで、処理を終了する。
【0061】
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例1の在宅コールセンターシステム機能ブロック図である。
【図2】記憶装置40に記憶された情報の具体的な内容を示す説明図である。
【図3】在宅コールセンターシステムの詳細なブロック図である。
【図4】在宅エージェント用端末装置と連携管理サーバシステムとの関係を示すブロック図である。
【図5】在宅エージェント管理のためのシステム機能ブロック図である。
【図6】顧客端末をエージェントの端末装置に接続する手順を示すフローチャートである。
【図7】在宅エージェント状態管理動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10 ネットワーク
11 顧客端末
12 常駐エージェント用端末装置
13 在宅エージェント用端末装置
20 連携管理サーバシステム
21 通信販売サーバ
22 エージェント管理サーバ
23 コールセンター機能部
24 在宅エージェント接続機能部
30 演算処理装置
31 接続要求検出手段
32 マッチング手段
33 端末接続制御手段
34 在宅エージェント状態管理手段
40 記憶装置
41 顧客情報
42 エージェント情報
43 エージェント状態情報
44 端末装置候補
45 接続管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に任意のネットワークを介して接続された、顧客端末と、集中コールセンターに配置された常駐エージェント用端末装置と、任意の場所に配置された在宅エージェント用端末装置との間の通信を制御するためのものであって、
顧客管理のための情報と当該顧客に応対するエージェントの候補を選択するために必要な情報を含む顧客情報と、エージェント管理のための情報と当該エージェントの端末装置の回線接続用アドレスを含むエージェント情報とを記憶した記憶装置と、
前記顧客端末から入力されるエージェント接続要求を認識する、接続要求検出手段と、
前記顧客情報と前記エージェント情報とを参照して、適合する常駐エージェント用端末装置または在宅エージェント用端末装置の候補を抽出するマッチング手段と、
前記端末装置の候補の中から接続可能な端末装置を選択して、前記顧客端末を当該端末装置に接続する端末接続制御手段とを備えた、
連携管理サーバを有することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、
前記顧客端末から入力される情報を取得して、通信販売処理を実行する通信販売サーバ機能部と、
前記顧客端末から入力される接続要求を取得して、顧客端末を常駐エージェント用端末装置に接続するコールセンター機能部と、
前記顧客端末から入力される接続要求を取得して、前記常駐エージェント用端末装置に接続されていない顧客端末を在宅エージェント用端末装置に接続する在宅エージェント接続機能部と、
を備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、
前記在宅エージェント用端末装置から取得したスタンバイ状態情報を、前記記憶装置に記憶させる在宅エージェント状態管理手段を備え、
前記端末接続制御手段は、無接続スタンバイ状態の在宅エージェント用端末装置を選択して、前記顧客端末を当該端末装置に接続することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、
前記在宅エージェント状態管理手段は、在宅エージェント用端末装置がログイン処理を実行したときから、当該在宅エージェント用端末装置がログオフ処理を実行したときまでの間を、スタンバイ状態と判断して、スタンバイ情報を生成することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項5】
請求項2に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、
前記在宅エージェント接続機能部は、顧客端末と接続された在宅エージェント用端末装置から受信したコールセンター呼び出し要求に従って、前記コールセンター機能部に対して、接続の切り換えを要求し、
当該コールセンター機能部は、コールセンターに配置されたいずれかの常駐エージェント用端末装置を選択して、前記在宅エージェント用端末装置に接続中の顧客端末を接続するように、接続の切り換えを実行することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の在宅コールセンターシステムにおいて、
前記連携管理サーバは、
在宅エージェントのスキル情報と、その在宅エージェントが現在応対可能かどうかを示す状態情報と、顧客からの接続要求をいずれかの在宅エージェントに振り分けるためのルールに基づいて、顧客端末から接続要求があったとき、いずれかの在宅エージェント用端末装置を選択して、在宅エージェント用端末装置に対して接続情報を転送するサーバを備え、
前記在宅エージェント用端末装置は、
前記接続情報をもとにして、在宅エージェント用電話機をIP電話網を通じて顧客端末に接続して音声信号通信路を確立し、在宅エージェント用端末装置をインターネットVPNを通じて連携管理サーバシステムに接続して、音声接続用制御信号および応対を支援するためのトランザクション情報の通信路を確立するミドルウエアを備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、
在宅エージェント用端末装置に対して、インターネットVPNを通じて、顧客に関する情報を含む顧客データを提供し、在宅エージェント用端末装置に接続されたカメラから、インターネットVPNを通じて、在宅エージェントの状態を撮影した画像データの転送を受けるサーバと、
前記画像データを表示するモニタディスプレイとを備えたことを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項8】
請求項6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、
前記ミドルウエアは、在宅エージェント用電話機の音声通話信号をオーディオケーブルを通じて取得し、接続先情報を含む音声データ情報として録音するとともに、取得した音声通話信号を前記インターネットVPNを通じて常駐エージェント用端末装置に傍受用の音声データ信号として転送することを特徴とする在宅コールセンターシステム。
【請求項9】
請求項6に記載の連携管理サーバシステムにおいて、
前記ミドルウエアは、顧客端末を在宅エージェント用電話機に接続している状態を終了させ、前記サーバに対して、顧客端末を常駐エージェント用端末装置に接続する状態に切り換える制御を連携管理サーバに依頼し、
前記連携管理サーバは、常駐エージェント用端末装置に対して、前記接続の切り換えに必要な接続情報を送信し、
前記常駐エージェント用端末装置のミドルウエアは、前記顧客端末11との通信路を確立することを特徴とする在宅コールセンターシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−281649(P2007−281649A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102815(P2006−102815)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(398043768)
【Fターム(参考)】