説明

在宅医療支援システム

【課題】酸素供給装置を利用した在宅医療において、火気の使用に伴う火災の発生を未然に防止できるとともに、在宅医療を受ける患者のサポート体制を向上させることができる在宅医療支援システムを提供する。
【解決手段】在宅医療支援システムは、患者宅内に設置され、患者に対して高濃度酸素を供給する酸素供給装置と、酸素供給装置の設置部屋以外の部屋に設置され、火気の存在を検出する第1の火気検出器とを備え、これらが第1の通信ネットワークを介して接続された構成を有する。さらに、酸素供給装置による酸素の供給状況及び第1の火気検出器による火気の検出状況に基づいて、患者宅内における火気の使用状況を警告する警告手段(第1の警告手段:酸素供給装置側、第2の警告手段:第1の火気検出器側)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅医療支援システムに関し、特に、酸素供給装置の使用環境に対する患者等の注意を喚起するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、呼吸器疾患の治療法として、医師の処方・指導の元、患者が自宅で日常生活をしながら酸素を吸入する在宅酸素療法(HOT:home oxygen therapy)が知られている。この在宅酸素療法においては、患者に高濃度酸素を供給可能な酸素供給装置が患者宅内に設置され、必要時又は連続して使用される。
この酸素供給装置は高濃度酸素を放出するため、周囲での火気の取り扱いに注意する必要がある。つまり、酸素は燃焼を助長する支燃性物質のため、高濃度の酸素だけでは自ら燃焼することはないが、ライターの炎や煙草の火を近づけると、急激にその火が大きくなる。そして、酸素供給装置に接続されたカニューラに引火し、患者の着衣に燃え移る等、重大な火災事故を引き起こしかねない。そこで、酸素供給装置を使用するに際しては、周囲2m以内に火気をおかない等、火気の取り扱いについての様々な注意喚起が患者やその家族に対してなされている。
【0003】
また、酸素供給装置の周囲で火気が使用された場合に対応できる技術が提案されている(例えば特許文献1,2)。具体的には、特許文献1では、酸素供給装置に設けられた煙検出センサによって煙草の煙が検出された場合に、患者に警報を発する技術が提案されている。また、特許文献2では、カニューラの接続部近傍に設けられた温度検出センサによって温度異常(カニューラへの引火)が検出された場合に、高濃度酸素の供給を遮断し、火災が拡大するのを防止する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−314507号公報
【特許文献2】特開2009−183544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の酸素供給装置は、酸素供給装置の周囲に実際に火気が存在しているという極めて危険な状態が生じたときに、患者に対して警報を発するものであるため、喫煙等の火気の使用は患者の自己管理に委ねられている。つまり、特許文献1に記載の酸素供給装置では、患者の家族、主治医及び医療機関、酸素供給装置の販売業者等が協力して、患者をサポートすることはできない。
また、特許文献2に記載の酸素供給装置は、万が一火災が発生してしまった場合に事後的に対処するものであるため、火災の発生を事前に防止することはできない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、酸素供給装置を利用した在宅医療において、火気の使用に伴う火災の発生を未然に防止できるとともに、在宅医療を受ける患者のサポート体制を向上させることができる在宅医療支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る在宅医療支援システムは、患者宅内に設置され、患者に対して高濃度酸素を供給する酸素供給装置と、
前記酸素供給装置の設置部屋以外の部屋に設置され、火気の存在を検出する第1の火気検出器とが、第1の通信ネットワークを介して接続され、
さらに、前記酸素供給装置よる酸素の供給状況及び前記第1の火気検出器による火気の検出状況に基づいて、患者宅内における火気の使用状況を警告する警告手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸素供給装置の使用状況及び周囲(酸素供給装置の設置部屋以外の部屋を含む)における火気の使用状況を、患者を含めて在宅医療に関わる人が容易に知得することができる。したがって、酸素供給装置を適切な環境で使用するように、使用環境に対する患者等の注意を喚起することができるので、火災の発生を未然に防止できるとともに、サポート体制の充実化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る在宅医療支援システムの構成を示す図である。
【図2】酸素供給装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】高濃度酸素生成部の概略構成の一例を示す図である。
【図4】火気検出器のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】在宅医療支援システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】在宅医療支援システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る在宅医療支援システムの構成を示す図である。図1に示す在宅医療支援システム1は、酸素供給装置10、火気検出器20、通信制御装置30、及び管理サーバ40を備えて構成される。なお、図1では、図示を簡略化して1つの患者宅Hについてだけ示しているが、管理サーバ40と患者宅Hは、1対多の関係にある。
【0011】
在宅酸素療法支援システム1において、酸素供給装置10は、患者に高濃度酸素を供給するもので、在宅酸素療法を受ける患者宅Hの部屋R1に設置される。火気検出器20は、火気の存在を検出するもので、酸素供給装置10とは異なる部屋R2に設置される。通信制御装置30は、酸素供給装置10を第2の通信ネットワークN2に接続するためのもので、酸素供給装置10と同じ部屋又は異なる部屋のいずれに設置されてもよい。
【0012】
管理サーバ40は、例えば酸素供給装置10の販売会社や主治医及び医療機関が、患者宅に設置された酸素供給装置10の使用状況(動作ログ)を管理するためのサーバである。この管理サーバ40に登録された情報は、例えば通信端末50(パーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話)上でウェブブラウザを利用することにより、販売会社や主治医及び医療機関等が閲覧できる。
【0013】
酸素供給装置10と火気検出器20、酸素供給装置10と通信制御装置30は、それぞれ第1の通信ネットワークN1を介して情報通信可能に接続される。第1の通信ネットワークN1には、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、又はBluetooth(登録商標)等の近距離通信技術を適用できる。
また、通信制御装置30と管理サーバ40は、第2の通信ネットワークN2を介して情報通信可能に接続される。つまり、酸素供給装置10と管理サーバ40が情報通信可能に接続されることになる。第2の通信ネットワークN2には、インターネット、電気通信事業者等の電話回線網、携帯電話通信網等の公衆通信網を適用できる。
【0014】
図1に示す酸素供給装置10は、例えば図2に示すハードウェア構成を有している。すなわち、酸素供給装置10は、制御部11、音声出力部12、表示部13、操作部14、通信部15、火気センサ16、高濃度酸素生成部17、及び各種センサ18を備えて構成される酸素濃縮器である。各ブロック12〜17は、バスラインを介して制御部11に電気的に接続されている。
【0015】
制御部11は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)111、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)112及びROM(Read Only Memory)113を備えている。ROM113には、ソフトウェアプログラムや基本的な設定データが記憶される。CPU111は、処理内容に応じたプログラムをROM113から読み出してRAM112に展開し、展開したプログラムと協働して酸素供給装置10の各ブロックの動作を制御する。
【0016】
音声出力部12は、制御部11からの制御信号に基づいて各種情報を音声で出力するスピーカである。表示部13は、制御部11からの制御信号に基づいて各種情報を表示するもので、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等である。
【0017】
操作部14は、患者が高濃度酸素の供給流量等を設定したり、連続モード(高濃度酸素を連続して供給するモード)/呼吸同調モード(高濃度酸素を呼吸に同調して供給するモード)を切り替えたりするための入力装置(例えば操作ボタン)である。操作部14において、例えば患者による供給流量の設定が行われると、設定流量を指示する操作信号が制御部11に入力される。
【0018】
通信部15は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、第1の通信ネットワークN1を介して火気検出器20又は通信制御装置30等と情報の送受信を行う。通信部15は、酸素供給装置10に内蔵された通信モジュールであってもよいし、インターフェースを介して接続された外付けの通信モジュールであってもよい。
【0019】
火気センサ16は、酸素供給装置10の周囲に存在する火気を検出するセンサである。火気センサ16は、例えば煙草の煙を検出する煙センサ、又は火気による温度の異常上昇を検出する温度センサ等である。煙センサ、温度センサには、公知の種々の方式を適用できる。
なお、火気センサ16は、筐体から外部に露出するように酸素供給装置10に実装されていてもよいし、酸素供給装置10の近傍に設置され制御部11と通信可能に接続される構成であってもよい。
【0020】
各種センサ18は、酸素供給装置10の使用環境や使用状況等を検出するセンサである。各種センサ18は、例えば酸素供給装置10が供給する高濃度酸素の濃度を検出する酸素センサ、高濃度酸素の圧力を検出する圧力センサ、筐体内の温度を検出する温度センサ等である。
【0021】
高濃度酸素生成部17は、酸素供給装置10の主要な機能として、原料空気から高濃度酸素を生成し、患者に供給する。酸素供給装置10がPSA(Pressure Swing Adsorption)式である場合、高濃度酸素生成部17は、図3に示すように、空気取入部171、空気圧縮部172、PSA部173、製品タンク174、及び酸素供給部175を備えて構成される。
【0022】
空気取入部171から導入された原料空気は、空気圧縮部172で圧縮されて圧縮空気となり、この圧縮空気がPSA部173に送出される。PSA部173は、酸素より窒素を早く吸着する性質を有するゼオライト等の吸着剤が充填された2本のシーブベッド(吸着塔)173A、173Bを有している。シーブベッド173A、173Bに圧縮空気が送り込まれて加圧状態になると、窒素及び水分が吸着されて酸素だけが通過し、高濃度酸素が生成される。一方、窒素を吸着したシーブベッド173A、173Bが減圧状態(例えば大気圧)に戻されると、吸着していた窒素が脱離して放出され、シーブベッド173A、173Bの吸着能力が再生される。つまり、PSA部173において、2本のシーブベッド173A、173Bで交互に加圧減圧を繰り返すことにより、連続して高濃度酸素を生成することができる。
そして、PSA部173で生成された高濃度酸素は、一旦製品タンク174に貯留された後、酸素供給部175から一定流量で放出され、当該酸素供給装置10に接続された鼻カニューラや酸素マスク等を介して患者の体内に供給される。
【0023】
なお、上述した高濃度酸素生成部17の構成は一例であり、他の方式(例えば酸素富化膜式)の酸素供給装置では異なる構成になることはいうまでもない。また、高濃度酸素生成部17には公知の技術を適用できるので、細部の説明については省略する。
【0024】
酸素供給装置10において、制御部11は、操作部14や各種センサ18からの入力信号に基づいて、例えば空気圧縮部172の駆動モータの回転数、PSA部173の流路切替弁(図示略)の開閉状態、酸素供給部175の同調弁(図示略)の開閉状態及び開度等を制御する。このような制御により、酸素供給装置10から一定流量で高濃度酸素が供給される。
【0025】
また、制御部11は、酸素供給装置10の電源投入時、及び電源投入後一定時間間隔で酸素供給装置10における酸素供給に関する情報(使用時間、供給モード(連続モード/呼吸同調モード)、供給流量等)を管理サーバ40に送信する。制御部11から送信された酸素供給に関する情報は、管理サーバ40の患者データベース45(図5参照)に登録されることになる。
【0026】
さらに、制御部11は、当該酸素供給装置10による酸素の供給状況及び火気センサ16による火気の検出状況に基づいて、音声出力部12及び表示部13を制御するとともに、所定の情報を火気検出器20及び管理サーバ40に送信する。また、制御部11は、当該酸素供給装置10による酸素の供給状況及び火気検出器20による火気の検出状況に基づいて、音声出力部12及び表示部13を制御するとともに、所定の情報を火気検出器20及び管理サーバ40に送信する。制御部11から送信された所定の情報に基づいて、火気検出器20及び管理サーバ40で所定の処理が行われることになる。これらの処理の詳細な内容については後述する。
【0027】
図1に示す火気検出器20は、例えば図4に示すハードウェア構成を有している。すなわち、火気検出器20は、制御部21、音声出力部22、表示部23、通信部24、及び火気センサ25を備えて構成される。各ブロック22〜25は、バスラインを介して制御部21に電気的に接続されている。
【0028】
制御部21は、演算/制御装置としてのCPU211、主記憶装置としてのRAM212及びROM213を備えている。ROM213には、ソフトウェアプログラムや基本的な設定データが記憶される。CPU211は、処理内容に応じたプログラムをROM213から読み出してRAM212に展開し、展開したプログラムと協働して火気検出器20の各ブロックの動作を制御する。
【0029】
音声出力部22は、制御部21からの制御信号に基づいて各種情報を音声で出力するスピーカである。表示部23は、制御部21からの制御信号に基づいて各種情報を表示するもので、例えばLCDやLED等である。
【0030】
通信部24は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、第1の通信ネットワークN1を介して酸素供給装置10と情報の送受信を行う。通信部24は、火気検出器20に内蔵された通信モジュールであってもよいし、インターフェースを介して接続された外付けの通信モジュールであってもよい。
【0031】
火気センサ25は、火気検出器20の周囲に存在する火気を検出するセンサであり、筐体から外部に露出するように火気検出器20に実装されている。火気センサ25は、例えば煙草の煙を検出する煙センサ、又は火気による温度の異常上昇を検出する温度センサ等である。煙センサ、温度センサには、公知の種々の方式を適用できる。
【0032】
火気検出器20において、制御部21は、火気センサ25により火気が検出された場合に、所定の情報を酸素供給装置10に送信する。制御部21から送信された所定の情報に基づいて、酸素供給装置10で所定の処理が行われることになる。かかる処理の詳細な内容については後述する。
【0033】
図1に示す通信制御装置30は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、第1の通信ネットワークN1を介して酸素供給装置10と情報の送受信を行うとともに、第2の通信ネットワークN2を介して管理サーバ40と情報の送受信を行う。通信制御装置30は、例えばPHS(Personal Handy-phone System)端末またはモデム端末等のような通信端末である。
【0034】
図1に示す管理サーバ40は、例えば図5に示すハードウェア構成を有している。すなわち、管理サーバ40は、制御部41、操作部42、通信部43、記憶部44、及び患者データベース(患者DB)45等の基本的なハードウェアを備えた汎用コンピュータである。各ブロック42〜45は、バスラインを介して制御部41に電気的に接続されている。
【0035】
制御部41は、演算/制御装置としてのCPU411、主記憶装置としてのRAM412及びROM413で構成される。ROM413には、BIOS(Basic Input Output System)と呼ばれるプログラムや基本的な設定データが記憶されている。RAM412には、記憶部44から読み出されたOSや各種アプリケーション等のプログラムが展開される。CPU411は、RAM412に展開されたプログラムと協働して管理サーバ40の各ブロックの動作を制御する。
【0036】
記憶部44は、例えばハードディスク等で構成され、OS、各種アプリケーションプログラム(例えばサーバ用プログラムやウェブアプリケーションプログラム)、及び各種データ等が記憶されている。
操作部42は、管理者が管理サーバ40を制御するためのユーザインタフェースである。操作部42は、情報を入力するキーボードやマウス等の入力装置、及び入力操作の結果等を提示するLCD等の出力装置で構成される。
通信部43は、TCP/IP等の通信プロトコルに従って処理を行い、第2の通信ネットワークN2を介して酸素供給装置10(通信制御装置30)と情報の送受信を行う。
【0037】
患者データベース45には、患者宅Hに設置された酸素供給装置10ごとに使用状況が登録される。使用状況には、例えば酸素供給装置10における酸素供給に関する情報、及び火気の使用に関する情報が含まれる。
【0038】
管理サーバ40において、制御部41は、酸素供給装置10から送信された情報を患者データベース45に登録する。例えば、酸素供給装置10の電源投入時、及び電源投入後一定時間間隔で酸素供給装置10から酸素供給に関する情報が送信された場合に、制御部41は、この情報を患者データベース45に登録する。また、酸素供給装置10から火気の使用に関する情報が送信された場合に、制御部41は、この情報を患者データベース45に登録する。かかる処理の詳細な内容については後述する。
【0039】
図6は、在宅医療支援システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図6に示す処理により、火気検出器20の周囲における火気使用に対して警告が行われる。図6に示す処理は、酸素供給装置10のCPU111、火気検出器20のCPU211、及び管理サーバ40のCPU411が、それぞれ所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
図6のステップS101において、火気検出器20の制御部21は、火気センサ25からの検出信号に基づいて、火気検出器20の周囲において火気が検出されたか否かを判定する。制御部21は、例えば、火気センサ25(煙センサ)からの検出信号に基づいて閾値以上の煙濃度が検出された場合、又は火気センサ25(温度センサ)からの検出信号に基づいて温度の異常上昇が検出された場合に、火気が検出されたものと判定する。制御部21は、火気を検出したと判定した場合にはステップS102の処理に移行し、火気を検出していないと判定した場合は処理を終了する。
【0041】
ステップS102において、火気検出器20の制御部21は、火気検出器20の周囲、すなわち火気検出器20の設置部屋R2で火気が検出されたことを示す火気検出情報を、酸素供給装置10に対して送信する。この火気検出情報は、第1の通信ネットワークN1を介して酸素供給装置10に送信される。
【0042】
ステップS103において、酸素供給装置10の制御部11は、火気検出情報を受信したか否かを判定する。ステップS102で火気検出器20から火気検出情報が送信された場合に、酸素供給装置10で火気検出情報が受信されることになる(ステップS103で“YES”)。制御部11は、火気検出情報を受信したと判定した場合にはステップS104の処理に移行し、火気検出情報を受信していないと判定した場合には処理を終了する。
【0043】
ステップS104において、酸素供給装置10の制御部11は、当該酸素供給装置10において患者に酸素を供給中であるか否かを判定する。例えば、酸素供給装置10の電源の投入状態に基づいて、または酸素供給装置10における実際の動作状態に基づいて、制御部11は酸素供給中であるか否かを判定する。制御部11は、酸素供給中(酸素供給装置10が使用中)であると判定した場合にはステップS105の処理に移行する。一方、制御部11は、酸素供給中でないと判定した場合には処理を終了する。酸素供給装置10が使用中でない場合は、他の部屋R2での火気の使用を制限する必要はないためである。
なお、図6に示す酸素供給装置10に関する処理が、酸素供給装置10の電源投入(酸素供給の開始)に伴い開始されるものとした場合、ステップS104の処理は省略してもよい。
【0044】
ステップS105において、酸素供給装置10の制御部11は、酸素供給装置10が使用中であることを警告するように指示する警告指示情報を、火気検出器20に対して送信する。この警告指示情報は、第1の通信ネットワークN1を介して火気検出器20に送信される。
【0045】
ステップS106において、酸素供給装置10の制御部11は、音声出力部12においてメッセージ又は警告音を出力させる。また、制御部11は、表示部13においてLCDに画像(文字を含む)を出力させたり、LEDを点灯(又は点滅)させたりする。音声出力部12又は表示部13から出力するメッセージとしては、例えば、「他の部屋で火気が使用されています。人の出入りがある際は気をつけてください。」等、注意を促すメッセージが考えられる。
これにより、酸素供給装置10を使用している患者は、他の部屋R2に火気を使用している人(例えば喫煙している家族)がいることを知得できる。そして、患者は、当該酸素供給装置10の設置部屋R1において人の出入りがある際に、出入りする人が火気を使用していないか(喫煙していないか)注意するようになる。したがって、酸素供給装置10の設置部屋R1に、喫煙中の人が不意に入ってくることにより火災が発生するのを未然に防止することができる。
【0046】
ステップS107において、酸素供給装置10の制御部11は、酸素供給装置10において警告を行ったこと、及び火気検出器20に警告を行うよう指示したことを示す警告情報を、管理サーバ40に対して送信する。この警告情報は、第2の通信ネットワークN2を介して管理サーバ40に送信される。
【0047】
ステップS108において、火気検出器20の制御部21は、警告指示情報を受信したか否かを判定する。ステップS105で酸素供給装置10から警告指示情報が送信された場合に、火気検出器20で警告指示情報が受信されることになる(ステップS108で“YES”)。制御部21は、警告指示情報を受信したと判定した場合にはステップS109の処理に移行し、警告指示情報を受信していないと判定した場合には処理を終了する。
なお、ステップS102において、制御部21が酸素供給装置10に対して火気検出情報を送信しても、酸素供給中でなければ火気検出器20に対して警告指示情報は送信されないことになる。
【0048】
ステップS109において、火気検出器20の制御部21は、音声出力部22においてメッセージ又は警告音を出力させる。また、制御部21は、表示部23においてLCDに画像(文字を含む)を出力させたり、LEDを点灯(又は点滅)させたりする。音声出力部22又は表示部23から出力するメッセージとしては、例えば、「他の部屋で酸素供給装置が使用されています。この部屋に出入りする際は気をつけてください。」等、注意を促すメッセージが考えられる。
これにより、酸素供給装置10の設置部屋R1とは別の部屋R2にいる家族は、酸素供給装置10が使用されていることを知得できる。そして、その家族は、当該酸素供給装置10の設置部屋R1に出入りする際に、火気を使用したまま(喫煙したまま)入らないように注意するようになる。したがって、酸素供給装置10の設置部屋R1に、喫煙中の人が不用意に入ってくることにより火災が発生するのを未然に防止することができる。
【0049】
ステップS110において、管理サーバ40の制御部41は、警告情報を受信したか否かを判定する。ステップS107で酸素供給装置10から警告情報が送信された場合に、管理サーバ40で警告情報が受信されることになる(ステップS110で“YES”)。制御部41は、警告情報を受信したと判定した場合にはステップS111の処理に移行し、警告情報を受信していないと判定した場合には処理を終了する。
【0050】
ステップS111において、管理サーバ40の制御部41は、火気の使用に関する情報として、火気検出器20の周囲で火気が使用されたことに伴い、酸素供給装置10及び火気検出器20で警告が行われたことを、警告した時間とともに患者データベース45に登録する。
これにより、販売会社、主治医及び医療機関は、通信端末50のウェブブラウザを利用して、患者データベース45の登録情報を閲覧することで、患者宅Hにおける火気の使用状況を知得できる。そして、販売会社、主治医及び医療機関は、酸素供給装置10の使用中は火気の使用を控えるよう患者及びその家族に進言し、在宅酸素療法が適切な環境で行われるように指導することができる。したがって、在宅酸素療法を行う患者のサポート体制が充実化される。
【0051】
図6に示す例では、酸素供給装置10による酸素供給中に、他の部屋R2で火気の存在が検出された場合に、酸素供給装置10を使用している患者及び火気の使用者に対して警告が行われるが、酸素供給装置10を使用している患者又は火気の使用者の何れか一方に警告が行われるようにしてもよい。
また、他の部屋R2での火気使用中に、酸素供給装置10による酸素供給が開始された場合に、酸素供給装置10を使用している患者又は火気の使用者に対して警告が行われるようにしてもよい。
さらには、酸素供給装置10の電源が投入されているが酸素供給中ではないとき(いわゆる待機中)に、他の部屋で火気の存在が検出された場合に、酸素供給装置10を使用する患者に対して予備的に警告が行われるようにしてもよい。
【0052】
図7は、在宅医療支援システム1の動作の他の一例を示すシーケンス図である。図7に示す処理により、酸素供給装置10の周囲における火気使用に対して警告が行われる。図7に示す処理は、酸素供給装置10のCPU111、火気検出器20のCPU211、及び管理サーバ40のCPU411が、それぞれ所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0053】
図7のステップS201において、酸素供給装置10の制御部11は、火気センサ16からの検出信号に基づいて、酸素供給装置10の周囲において火気が検出されたか否かを判定する。制御部11は、例えば、火気センサ16(煙センサ)からの検出信号に基づいて閾値以上の煙濃度が検出された場合、又は火気センサ16(温度センサ)からの検出信号に基づいて温度の異常上昇が検出された場合に、火気が検出されたものと判定する。制御部11は、火気を検出したと判定した場合にはステップS202の処理に移行し、火気を検出していないと判定した場合には処理を終了する。
【0054】
ステップS202において、酸素供給装置10の制御部11は、当該酸素供給装置10において患者に酸素を供給中であるか否かを判定する。例えば、酸素供給装置10の電源の投入状態に基づいて、または酸素供給装置10における実際の動作状態に基づいて、制御部11は酸素供給中であるか否かを判定する。制御部11は、酸素供給中(酸素供給装置10が使用中)であると判定した場合にはステップS203の処理に移行する。一方、制御部11は、酸素供給中でないと判定した場合には処理を終了する。酸素供給装置10が使用中でない場合は、この酸素供給装置10の設置部屋R1での火気の使用を制限する必要はないためである。
なお、図7に示す酸素供給装置10に関する処理が、酸素供給装置10の電源投入(酸素供給の開始)に伴い開始されるものとした場合、ステップS202の処理は省略してもよい。
【0055】
ステップS203において、酸素供給装置10の制御部11は、酸素供給装置10の周囲に火気が存在する(酸素供給装置10の使用中にも関わらず患者が喫煙している)ことを警告するように指示する警告指示情報を、火気検出器20に対して送信する。この警告指示情報は、第1の通信ネットワークN1を介して火気検出器20に送信される。
【0056】
ステップS204において、酸素供給装置10の制御部11は、音声出力部12においてメッセージ又は警告音を出力させる。また、制御部11は、表示部13においてLCDに画像(文字を含む)を出力させたり、LEDを点灯(又は点滅)させたりする。音声出力部12又は表示部13から出力するメッセージとしては、例えば、「酸素供給装置を使用中です。直ちに喫煙をやめてください。」等、火気厳禁であることを警告するメッセージが考えられる。
これにより、酸素供給装置10を使用している患者は、酸素供給装置10の使用中は火気厳禁であることを再認識できる。そして、患者は、火気の使用(例えば喫煙)を直ちに停止するようになる。したがって、酸素供給装置10の使用中の喫煙等に起因して、火災が発生するのを未然に防止することができる。
【0057】
ステップS205において、酸素供給装置10の制御部11は、酸素供給装置10において警告を行ったこと、及び火気検出器20に警告を行うよう指示したことを示す警告情報を、管理サーバ40に対して送信する。この警告情報は、第2の通信ネットワークN2を介して管理サーバ40に送信される。
【0058】
ステップS206において、火気検出器20の制御部21は、警告指示情報を受信したか否かを判定する。ステップS203で酸素供給装置10から警告指示情報が送信された場合に、火気検出器20で警告指示情報が受信されることになる(ステップS206で“YES”)。制御部21は、警告指示情報を受信したと判定した場合にはステップS207の処理に移行し、警告指示情報を受信していないと判定した場合には処理を終了する。
【0059】
ステップS207において、火気検出器20の制御部21は、音声出力部22においてメッセージ又は警告音を出力させる。また、制御部21は、表示部23においてLCDに画像(文字を含む)を出力させたり、LEDを点灯(又は点滅)させたりする。音声出力部22又は表示部23から出力するメッセージとしては、例えば、「酸素供給装置の周囲で火気が使用されています。患者の方が喫煙していないかご確認ください。」等、酸素療法に不適切な行為がなされていないか確認を促すメッセージが考えられる。
これにより、患者の家族は、酸素供給装置10の設置部屋R1で火気が使用されていること(患者が喫煙していること)を知得できるので、患者に対して火気を使用しないように注意することができる。したがって、酸素供給装置10の使用中の喫煙等に起因して、火災が発生するのを未然に防止することができるとともに、在宅酸素療法を行う患者のサポート体制が充実化される。
【0060】
ステップS208において、管理サーバ40の制御部41は、警告情報を受信したか否かを判定する。ステップS205で酸素供給装置10から警告情報が送信された場合に、管理サーバ40で警告情報が受信されることになる(ステップS208で“YES”)。制御部41は、警告情報を受信したと判定した場合にはステップS209の処理に移行し、警告情報を受信していないと判定した場合には処理を終了する。
【0061】
ステップS209において、管理サーバ40の制御部41は、火気の使用に関する情報として、酸素供給装置10の周囲で火気が使用されたことに伴い、酸素供給装置10及び火気検出器20で警告が行われたことを、時間とともに患者データベース45に登録する。
販売会社、主治医及び医療機関は、通信端末50のウェブブラウザを利用して、患者データベース45の登録情報を閲覧することで、患者宅Hにおける火気の使用状況を知得できる。そして、販売会社、主治医及び医療機関は、酸素供給装置10の使用中は火気の使用を控えるよう患者及びその家族に進言し、在宅酸素療法が適切な環境で行われるように指導することができる。したがって、在宅酸素療法を行う患者のサポート体制が充実化される。
【0062】
図7に示す例では、酸素供給装置10による酸素供給中に、当該酸素供給装置10の設置部屋R1で火気の存在が検出された場合に、酸素供給装置10を使用している患者及び他の部屋R2にいる人に対して警告が行われるが、酸素供給装置10を使用している患者又は他の部屋R2にいる人の何れか一方に警告が行われるようにしてもよい。
また、当該設置部屋R1での火気使用中に、酸素供給装置10による酸素供給が開始された場合に、酸素供給装置10を使用している患者又は他の部屋R2にいる人に対して警告が行われるようにしてもよい。
さらには、酸素供給装置10の電源が投入されているが酸素供給中ではないとき(いわゆる待機中)に、当該設置部屋R1で火気の存在が検出された場合に、酸素供給装置10を使用する患者に対して予備的に警告が行われるようにしてもよい。
【0063】
このように、実施の形態に係る在宅医療支援システム1は、患者に対して高濃度酸素を供給する酸素供給装置10と、酸素供給装置10の設置部屋R1以外の部屋R2に設置され、火気の存在を検出する火気検出器20(第1の火気検出器)とを備え、これらが、第1の通信ネットワークN1を介して接続されている。さらに、酸素供給装置10による酸素の供給状況及び火気検出器20(第1の火気検出器)による火気の検出状況に基づいて、患者宅内における火気の使用状況を警告する警告手段を備えている。
【0064】
具体的には、在宅医療支援システム1は、警告手段として、酸素供給装置10の設置部屋R1にいる人(患者)に対して、火気検出器20(第1の火気検出器)の設置部屋R2で火気が使用されていることを警告する第1の警告手段(制御部11、音声出力部12、表示部13、図6のステップS106)を有している。
【0065】
また、在宅医療支援システム1は、警告手段として、火気検出器20(第1の火気検出器)の設置部屋R2にいる人(火気使用者)に対して、酸素供給装置10が酸素を供給していることを警告する第2の警告手段(制御部21、音声出力部22、表示部23、図6のステップS109)を備えている。
【0066】
また、在宅医療支援システム1において、酸素供給装置10は、火気の存在を検出する火気センサ16(第2の火気検出器)を備えている。そして、酸素供給装置10による酸素の供給状況及び火気センサ16(第2の火気検出器)による火気の検出状況に基づいて、警告手段(第1の警告手段、第2の警告手段)が、酸素供給装置10の設置部屋R1で火気が使用されていることを警告する(図7のステップS204、ステップS207)。
【0067】
また、実施の形態に係る在宅医療支援システム(1)は、酸素供給装置(10)に第2の通信ネットワーク(N2)を介して接続された管理サーバ(40)を備えている。そして、この管理サーバ(40)は、第1の警告手段(制御部11、音声出力部12、表示部13)又は第2の警告手段(制御部21、音声出力部22、表示部23)により警告が行われたことを記憶する(患者データベース45、図6のステップS111、図7のステップS209)。
【0068】
実施の形態に係る在宅医療支援システム1によれば、酸素供給装置10の使用状況及び周囲(酸素供給装置10の設置部屋R1以外の部屋R2を含む)における火気の使用状況を、患者を含めて在宅酸素療法に関わる人が容易に知得することができる。したがって、酸素供給装置10を適切な環境で使用するように、使用環境に対する患者等の注意を喚起することができるので、火災の発生を未然に防止できるとともに、サポート体制の充実化を図ることができる。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、酸素供給装置10には、酸素濃縮器の他、液体酸素や酸素ボンベを利用した酸素供給装置を適用できる。また、本発明は、実施の形態で示した在宅酸素療法だけでなく、在宅用人工呼吸器を使用した在宅医療のように、酸素供給装置を利用した在宅医療に広く適用できる。
【0070】
また例えば、酸素供給装置10に第2の通信ネットワークN2に接続可能な通信モジュールを実装し、管理サーバ40と直接通信できるようにしてもよい。
また、酸素供給装置10の使用中に、火気センサ16により火気が検出された場合には、即座に酸素供給を停止させるようにしてもよい。また、火気検出器20を、酸素供給装置10の設置部屋R1とは異なる複数の部屋(キッチンやバスルームを含む)に設置するようにしてもよい。
また、実施の形態では、酸素供給装置10及び火気検出器20に警告手段を設けた例を示したが、患者宅内Hに設置されている電話やインターホンを警告手段として利用することもできる。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 在宅医療支援システム
10 酸素供給装置
11 制御部
12 音声出力部
13 表示部
14 操作部
15 通信部
16 火気センサ
17 高濃度酸素生成部
18 各種センサ
20 火気検出器
21 制御部
22 音声出力部
23 表示部
24 通信部
25 火気センサ
30 通信制御装置
40 管理サーバ
41 制御部
42 操作部
43 通信部
44 記憶部
45 データベース
50 通信端末
N1 第1の通信ネットワーク
N2 第2の通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者宅内に設置され、患者に対して高濃度酸素を供給する酸素供給装置と、
前記酸素供給装置の設置部屋以外の部屋に設置され、火気の存在を検出する第1の火気検出器とが、第1の通信ネットワークを介して接続され、
さらに、前記酸素供給装置よる酸素の供給状況及び前記第1の火気検出器による火気の検出状況に基づいて、患者宅内における火気の使用状況を警告する警告手段を備えていることを特徴とする在宅医療支援システム。
【請求項2】
前記警告手段として、前記酸素供給装置の設置部屋にいる人に対して、前記第1の火気検出器の設置部屋で火気が使用されていることを警告する第1の警告手段を有することを特徴とする請求項1に記載の在宅医療支援システム。
【請求項3】
前記警告手段として、前記第1の火気検出器の設置部屋にいる人に対して、前記酸素供給装置が酸素を供給していることを警告する第2の警告手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の在宅医療支援システム。
【請求項4】
前記酸素供給装置が、火気の存在を検出する第2の火気検出器を備え、
前記酸素供給装置による酸素の供給状況及び前記第2の火気検出器による火気の検出状況に基づいて、前記警告手段が、前記酸素供給装置の設置部屋で火気が使用されていることを警告することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の在宅医療支援システム。
【請求項5】
前記酸素供給装置に第2の通信ネットワークを介して接続された管理サーバを備え、
前記管理サーバが、前記第1の警告手段又は前記第2の警告手段により警告が行われたことを記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の在宅医療支援システム。
【請求項6】
前記第1の火気検出器又は前記第2の火気検出器が、熱を検出する熱検出センサ又は煙を検出する煙検出センサを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の在宅医療支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−205724(P2012−205724A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73226(P2011−73226)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)