説明

在宅医療用の通信制御装置

【課題】在宅医療機器のユーザにとっての利便性を向上させること。
【解決手段】通信制御装置(コントロールボックス)110は、宅内にて使用される在宅医療用の通信制御装置であり、宅内の在宅医療機器から分離して設置可能に形成された本体を有する。また、通信制御装置110は、その本体において、在宅医療機器の動作情報を無線で受信する近距離無線通信モジュール114と、受信した動作情報の送信を含む処理を制御する演算処理装置111と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅医療用の通信制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
在宅医療の用途で使用される従来の通信制御システムとして、例えば特許文献1に記載された、在宅医療機器の異常通報システムがある。
【0003】
この異常通報システムは、在宅酸素療法(HOT:home oxygen therapy)による治療行為を患者に行うために患者の宅内に設置された酸素濃縮器の異常を在宅医療支援機関に通報するものである。酸素濃縮器内の運転制御用コンピュータが異常を検出すると、その運転制御用コンピュータが、異常検出をトリガとして、酸素濃縮器に設けられた無線通信モジュールに、在宅医療支援機関側サーバへの異常通報送信を行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−331455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、在宅医療機器、特に上記特許文献1において監視対象となっている酸素濃縮器は、日常的に且つ長期間にわたって使用されるものである。そのため、治療行為の際にユーザ(患者やその家族等)が在宅医療機器を使用しやすく、患者が治療行為を受けやすい場所に、在宅医療機器を設置する必要がある。
【0006】
一方、上記特許文献1記載の異常通報システムでは、外部サーバへの異常通報を行う無線通信モジュールが在宅医療機器自体に設けられており、確実な異常通報のために携帯電話回線の基地局との通信状態を良好に保持できる場所を、設置場所とする必要がある。
【0007】
しかしながら、使用時にユーザにとって便利な場所が必ずしも、携帯電話回線の基地局との通信状態を良好に保持できる場所であるとは限らない。
【0008】
よって、上記特許文献1記載の異常通報システムにおいては、在宅医療機器の設置場所が制限されるため、ユーザにとっての利便性向上に一定の限界がある。
【0009】
本発明の目的は、在宅医療機器のユーザにとっての利便性を向上させることができる在宅医療用の通信制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の在宅医療用の通信制御装置は、宅内にて使用される在宅医療用の通信制御装置であって、前記宅内の在宅医療機器から分離して設置可能に形成された本体と、前記本体に設けられ、前記在宅医療機器の動作情報を無線で受信する通信部と、前記本体に設けられ、受信した動作情報の送信を含む処理を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、在宅医療機器のユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の在宅医療支援システムの構成を示すブロック図
【図2】図1に示す在宅医療支援システムの通信制御装置の構成を示すブロック図
【図3】(a)図2に示す通信制御装置の外観を示す前面斜視図、(b)図2に示す通信制御装置の外観を示す背面斜視図
【図4】図2に示す通信制御装置のLED表示部の構成を示す図
【図5】図1に示す在宅医療支援システムの酸素濃縮器およびその通信アダプタの構成を示すブロック図
【図6】図5に示す通信アダプタの外観を示す前面斜視図
【図7】図1に示す在宅医療支援システムの血圧計およびその通信アダプタの構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態1における通信制御装置とサーバとの通信の種別を説明するための図
【図9】本発明の実施の形態1における端末登録を説明するためのシーケンス図
【図10】本発明の実施の形態1における定期収集およびそれに伴う緊急通信を説明するためのシーケンス図
【図11】図10に示す定期収集時の通信制御装置における記録処理を説明するための図
【図12】(a)本発明の実施の形態1における動作情報一覧表示の例を説明するための図、(b)本発明の実施の形態1における動作情報詳細表示の例を説明するための図、(c)本発明の実施の形態1における動作情報詳細表示の他の例を説明するための図
【図13】本発明の実施の形態1における確認通信を説明するためのシーケンス図
【図14】本発明の実施の形態1における定期通信を説明するためのシーケンス図
【図15】本発明の実施の形態1における定期収集、緊急通信および定期通信の関係を説明するための図
【図16】本発明の実施の形態1における点検通信を説明するためのシーケンス図
【図17】本発明の実施の形態1における任意通信を説明するためのシーケンス図
【図18】本発明の実施の形態2の通信制御装置の構成を示すブロック図
【図19】本発明の実施の形態3の通信制御装置の構成を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態3の補助表示装置の構成を示すブロック図
【図21】図19に示す通信制御装置および図20に示す補助表示装置における動作情報表示の例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る在宅医療支援システムの構成を示すブロック図である。図1の在宅医療支援システムは、宅内通信システムA、公衆通信網B、サーバシステムC、およびデータ閲覧システムDを有する。
【0015】
在宅医療用のデータ通信システムとしての宅内通信システムAは、在宅医療を受ける患者の宅内に設置される。宅内通信システムAは、通信制御装置(コントロールボックス(以下「CB」と略記する))110、公衆通信網通信モジュール(以下「公衆通信モジュール」と略記する)120、酸素濃縮器130、血圧計140、および通信アダプタ150、160を有する。通信アダプタ(以下、単に「アダプタ」という)150、160はそれぞれ本発明の「第1の通信装置」を構成し、CB110は本発明の「第2の通信装置」を構成する。
【0016】
サーバシステムCは、公衆通信網Bを介して宅内通信システムAおよびデータ閲覧システムDと通信可能であり、サーバ170および公衆通信モジュール171を有する。
【0017】
データ閲覧システムDは、在宅医療支援機関のパソコン172および携帯電話173を含む。
【0018】
図2は、CB110の構成を示すブロック図である。CB110は、演算処理装置(MPU:Micro-Processing Unit)111、メモリ112、RS232Cインタフェース113、近距離無線通信モジュール(以下「近距離通信モジュール」と略記する)114、操作部115、および発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)表示部116を有する。CB110は、AC100V電源117から電源供給を受ける。
【0019】
制御部としてのMPU111は、CB110内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行してCB110全体の動作を司るコンピュータである。
【0020】
メモリ112は、例えば8メガバイト程度の容量を有するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0021】
RS232Cインタフェース113は、公衆通信モジュール120を用いて宅外(本実施の形態ではサーバシステムC)と通信するためにRS232Cケーブル113aを介して公衆通信モジュール120と接続するインタフェースである。RS232Cインタフェース113は、RS232Cコネクタ(後述する)、およびRS232Cドライバ回路(図示せず)を含む。
【0022】
公衆通信モジュール120は、CB110からバスパワーによる電源供給を受けて動作する通信モジュールであり、例えばPHS(Personal Handy-phone System)端末またはモデム端末等のような通信端末である。RS232Cインタフェース113と公衆通信モジュール120との組み合わせは、CB110における第1の通信部を構成する。
【0023】
第2の通信部としての近距離通信モジュール114は、Bluetooth(登録商標)通信によって他の機器(本実施の形態ではアダプタ150、160)と通信するためのモジュールである。近距離通信モジュール114は、他の機器との近距離無線通信においてマスタ機器として動作する。
【0024】
操作部115は、設定操作およびモード切替操作のためのボタン等の入力装置である。操作部115は、後述する操作パネルおよびメンテナンスボタンを含む。
【0025】
LED表示部116は、CB110の動作状態をユーザに通知するために点灯または点滅するLEDである。
【0026】
図3は、CB110の本体外観を説明するための図であり、(a)はCB110の前面斜視図であり、(b)はCB110の背面斜視図である。
【0027】
図3に示すように、CB110は、箱型の筺体180を有し、この筺体180は、前述したCB110の構成を内部に収容可能である。よって、CB110は、宅内通信システムAにおいて主たる監視対象となる酸素濃縮器130等から分離して設置できる。
【0028】
メンテナンスカバー181は、筺体180内部に設けられた設定パネル(図示せず)のカバーである。メンテナンスカバー181は、筺体180に着脱自在であり、装着時にはネジ孔182にネジを締めることにより筺体180に固定され、設定パネルを覆ってその誤操作を防止する。ネジを取り外すとメンテナンスカバー181が筺体180から分離され、操作パネルを用いた各種設定操作が可能となる。主電源ケーブル183は、AC100V電源117とCB110とを接続し、CB110に電源を供給するケーブルである。
【0029】
インジケータパネル184は、LED表示部116のLEDを用いて構成される表示パネルである。本実施の形態では、図4に示すように、CB110の様々な動作状態を区別して表示するために4つのLED184a、184b、184c、184dが設けられている。LED184aは、主電源ケーブル183がAC100V電源117に接続され、CB110が電源供給を受けているときに、点灯する。LED184aは、メンテナンスモード中は点滅する。また、LED184bは、CB110の近距離通信モジュール114と他の機器との間で近距離無線通信リンクが確立され、近距離無線通信が行われているときに、点灯する。また、LED184cは、公衆通信モジュール120を介してサーバシステムCとの通信が行われているときに、点灯する。なお、LED184cは、サーバシステムCとの通信が正常に完了したときに、その旨を表現するために発光色を変え、数秒間点灯してから消灯するようにしてもよい。LED184dは、近距離無線通信リンクが確立できなかったとき、あるいはサーバシステムCとの通信が確立できなかったときに、点灯し、その後その通信エラーが解消されると消灯する。
【0030】
放熱孔185はCB110内部のMPU111等から発せられる熱を放熱するための通気孔である。メンテナンスボタン186は、メンテナンスモードの実行および解除を行うスイッチである。RS232Cインタフェース113を構成するRS232Cコネクタ187は、RS232Cケーブル113aのコネクタである。
【0031】
図5は、酸素濃縮器130およびそのアダプタ150の構成を示すブロック図である。
【0032】
酸素濃縮器130は、MPU131、メモリ132、およびRS232Cインタフェース133を有する。酸素濃縮器130は、AC100V電源134から電源供給を受ける。
【0033】
制御部としてのMPU131は、酸素濃縮器130内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行して酸素濃縮器130全体の動作を司るコンピュータである。酸素濃縮器130の主たる機能は、高濃度酸素を生成し、これを患者に供給することである。一般に、高濃度酸素は、室内から取り込んで圧縮された空気から生成され、鼻腔カニューラを介して患者体内に導入される。他の方式によるものもあるが、いずれの方式であっても高濃度酸素の生成供給方法およびその構成は周知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0034】
メモリ132は、例えば8キロバイト程度の容量を有するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0035】
通信部としてのRS232Cインタフェース133は、アダプタ150と通信するためにRS232Cケーブル153aを介してアダプタ153aと接続するインタフェースである。RS232Cインタフェース133は、RS232CコネクタおよびRS232Cドライバ回路(いずれも図示せず)を含む。
【0036】
アダプタ150は、MPU151、メモリ152、RS232Cインタフェース153、および近距離通信モジュール154を有する。
【0037】
制御部としてのMPU151は、アダプタ150内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行してアダプタ150全体の動作を司るコンピュータである。
【0038】
メモリ152は、例えば8キロバイト程度の容量を有するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0039】
第1の通信部としてのRS232Cインタフェース153は、酸素濃縮器130と通信するために酸素濃縮器130と接続するインタフェースである。RS232Cインタフェース153は、RS232CコネクタおよびRS232Cドライバ回路(いずれも図示せず)、ならびにRS232Cケーブル153aを含む。
【0040】
第2の通信部としての近距離通信モジュール154は、Bluetooth(登録商標)通信によって他の機器(本実施の形態ではCB110)と通信するためのモジュールである。近距離通信モジュール154は、他の機器との近距離無線通信においてスレーブ機器として動作する。
【0041】
図6は、アダプタ150の本体外観を説明するための前面斜視図である。
【0042】
図6に示すように、アダプタ150は、箱型の筺体190を有し、この筺体190は、前述したアダプタ150の構成を内部に収容可能である。アダプタ150は、ネジ孔191を有しており、ここに、酸素濃縮器130に取り付けるためのキット(図示せず)をネジで固定することができる。このキットを利用してアダプタ150を酸素濃縮器130と一体化させることができる。
【0043】
図7は、血圧計140およびそのアダプタ160の構成を示すブロック図である。
【0044】
血圧計140は、MPU141、メモリ142、赤外線通信モジュール143、およびバッテリ144を有する。血圧計140は、バッテリ144から電源供給を受ける。
【0045】
制御部としてのMPU141は、血圧計140内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行して血圧計140全体の動作を司るコンピュータである。血圧計140の主たる機能は、患者の血圧を測定することである。一般に、血圧の測定はオシロメトリック方式により行われる。他の方式によるものもあるが、いずれの方式であっても血圧測定方法およびその構成は周知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0046】
メモリ142は、例えば8キロバイト程度の容量を有するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0047】
通信部としての赤外線通信モジュール143は、近距離無線通信の方式として赤外線通信を利用し、赤外線通信によって他の機器(本実施の形態ではアダプタ160)と通信するための通信モジュールである。
【0048】
アダプタ160は、MPU161、メモリ162、赤外線通信モジュール163、および近距離通信モジュール164を有する。アダプタ160は、AC100V電源165から電源供給を受ける。
【0049】
制御部としてのMPU161は、アダプタ160内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行してアダプタ160全体の動作を司るコンピュータである。
【0050】
メモリ162は、例えば8キロバイト程度の容量を有するフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0051】
第1の通信部としての赤外線通信モジュール163は、近距離無線通信の方式として赤外線通信を利用し、赤外線通信によって他の機器(本実施の形態では血圧計140)と通信するための通信モジュールである。
【0052】
第2の通信部としての近距離通信モジュール164は、Bluetooth(登録商標)通信によって他の機器(本実施の形態ではCB110)と通信するためのモジュールである。近距離通信モジュール164は、他の機器との近距離無線通信においてスレーブ機器として動作する。
【0053】
アダプタ160の本体外観は、アダプタ150の本体外観と同様とすることができる。
【0054】
以上、本実施の形態の在宅医療支援システムの構成、特に宅内通信システムAの各種装置の構成(内部構成および外観構成)について説明した。
【0055】
なお、宅内通信システムAの各種装置の構成は上記のものだけに限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、近距離無線通信の方式は適宜選択可能である。
【0056】
また、宅内通信システムAにおいて監視対象となる在宅医療機器の例として据置型の酸素濃縮器130が記載されているが、これは携帯型の酸素濃縮器でもよく、据置型の酸素濃縮器でも携帯型の酸素濃縮器でもない別の医療機器でもよい。また、宅内通信システムAにおいて監視対象となるヘルスケア機器の例として血圧計140が記載されているが、これは体温計や体重計等の別のヘルスケア機器でもよい。また、例えば血圧計140内のバッテリ144等のような付属品も監視対象としてよい。ただし通常、付属品自体は通信機能を有していないため、このような場合は付属品を収容する機器が、付属品についての情報の授受を付属品に代わって行う役割を担うこととなる。
【0057】
すなわち、在宅医療の実施においては、様々な器械を、使用者である患者の疾患状態に応じて使用することがある。使用する器械の例としては、治療行為を行う医療機器、超音波画像撮像等の医療検査を行う医療機器、血圧計や体温計、体重計等の計測目的の医療機器(つまりヘルスケア機器)、情報端末が付属するベッドや電動カート等の生活動作を補助する介護用品(介護機器)、外部バッテリ等の付属品、および各種周辺機器等が、挙げられる。以下の説明では、これら在宅医療の用途で宅内にて使用される器械を「在宅医療用器械」というが、本実施の形態では、様々な在宅医療用器械を監視対象とすることができる。
【0058】
次いで、上記構成を有する在宅医療支援システムにおける動作について説明する。
【0059】
在宅医療支援システムにおける実行される動作の主たるものとしては、図8に概要として示すように、端末登録、確認通信、定期通信、緊急通信、点検通信、削除通信、および任意通信がある。
【0060】
端末登録は、端末(つまり在宅医療用器械)を宅内に設置(交換を含む)したときにCB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。確認通信は、日単位の周期(例えば1日に1回の頻度)で定期的にCB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。定期通信は、月単位の周期(例えば1月に1回の頻度)で定期的にCB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。緊急通信は、在宅医療用器械から収集された動作情報の内容に基づいて必要と判断されたときに(したがって、不定期に)、CB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。点検通信は、酸素濃縮器130のメンテナンス作業後にCB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。削除通信は、在宅医療用器械を宅内から撤去(交換を含む)するときにCB110からサーバ170への要求によって始動する通信動作である。任意通信は、在宅医療支援機関の任意でサーバ170からCB110に対して要求を発信することによって始動する通信動作である。
【0061】
ここで、端末登録、緊急通信、確認通信、定期通信、点検通信および任意通信について順に、具体的に説明する。なお、緊急通信は、CB110と在宅医療用器械との定期的な通信(定期収集)の結果に応じて臨時的に行われるため、定期収集と併せて説明する。
【0062】
なお、以下の説明では、在宅医療用器械として酸素濃縮器130を例にとって説明するが、血圧計150の場合も動作の流れは同一である。
【0063】
また、酸素濃縮器130には事前にアダプタ150が接続されており、CB110と酸素濃縮器130とがアダプタ150を介して相互に通信可能な状態となっているものとする。さらに、アダプタ150は事前にCB110に接続機器として登録されており、CB110とアダプタ150との間で近距離無線通信が可能な状態となっているものとする。すなわち、アダプタ150は、CB110から酸素濃縮器130へのコマンドをBluetooth(登録商標)でCB110から受信し、これをRS232Cで酸素濃縮器130に転送する。そして、アダプタ150は、酸素濃縮器130からのレスポンスをRS232Cで酸素濃縮器130から受信し、これをBluetooth(登録商標)でCB110に転送する。以下の説明では、便宜上、CB110と酸素濃縮器130との間での送受信が直接行われているように記述されているが、実際には前述のとおりである。
【0064】
図9は、端末登録を説明するためのシーケンス図である。
【0065】
端末登録は、CB110が端末登録要求コマンドをサーバ170に送信し、サーバ170がその許可を返信することにより、始動する(S101)。端末登録が始動すると、サーバ170は識別情報を要求するコマンド(機器識別情報取得コマンド)をCB110に送信し、CB110はCB110の識別情報をサーバ170に返信する(S102)。さらに、サーバ170はソフトウェアプログラムのバージョン情報を要求するコマンド(バージョン情報取得コマンド)をCB110に送信し、CB110はCB110のソフトウェアプログラムのバージョン情報をサーバ170に返信する(S103)。サーバ170はCB110の識別情報およびバージョン情報をデータベースに登録する。なお、識別情報は、製品の機種名と製品のシリアル番号との組み合わせである。
【0066】
さらに、サーバ170は、機器識別情報取得コマンドを登録対象の在宅医療用器械に送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信し(S104)、CB110はこれを、登録対象の在宅医療用器械に送信する(S105)。酸素濃縮器130は、酸素濃縮器130の識別情報をCB110に返信する。CB110は、酸素濃縮器130の識別情報を、メモリ112に保存するとともに、サーバ170に送信する。サーバ170は酸素濃縮器130の識別情報をデータベースに登録する。
【0067】
なお、この例では、登録対象の在宅医療用器械として酸素濃縮器130だけが挙げられているため、機器識別情報取得コマンドの宛先となる在宅医療用器械が酸素濃縮器130だけとなっている。しかし、酸素濃縮器130だけでなく複数の在宅医療用器械の登録を行う場合には、CB110は個々の登録対象に対して順次、機器識別情報取得コマンドを送信して識別情報を収集し、これをメモリ112に保存するとともにサーバ170に送信する。このとき、サーバ170には、各在宅医療用器械とCB110との接続関係を反映したツリー構造が形成されるように、各在宅医療用器械の識別情報が登録される。
【0068】
そして、サーバ170は、バージョン情報取得コマンドを登録対象の在宅医療用器械に送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信し(S106)、CB110はこれを、登録対象の在宅医療用器械に送信する(S107)。酸素濃縮器130は、酸素濃縮器130のソフトウェアプログラムのバージョン情報をCB110に返信する。CB110は、酸素濃縮器130のバージョン情報を、酸素濃縮器130の識別情報に対応付けてメモリ112に保存するとともに、サーバ170に送信する。サーバ170は酸素濃縮器130のバージョン情報を酸素濃縮器130の識別情報に対応付けてデータベースに登録する。
【0069】
データベース登録が完了すると、サーバ170は、カレンダーの情報を含むコマンド(カレンダー設定コマンド)をCB110に送信する(S108)。CB110は、内部に実装しているリアルタイムクロック(RTC)にカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をサーバ170に通知する。これにより、CB110およびサーバ170を同期化することができる。続いて、CB110は、カレンダー設定コマンドを酸素濃縮器130に送信する(S109)。酸素濃縮器130は、内部に実装しているRTCにカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をCB110に通知する。これにより、酸素濃縮器130およびCB110も同期化することができる。
【0070】
そして、サーバ170は、定期通信について予め定められているスケジュールの情報を含むコマンド(スケジュール設定コマンド)をCB110に送信する(S110)。CB110は、受け取った情報に基づき、次回の定期通信の日時を設定する。CB110は、スケジュール設定完了後、スケジュール設定完了をサーバ170に通知する。
【0071】
そして、サーバ170は、緊急通信のためのフィルタリング条件の情報を含むコマンド(フィルタ設定コマンド)をCB110に送信する(S111)。CB110は、受け取った情報に基づき、緊急通信のためのフィルタリング条件を設定する。CB110は、フィルタリング条件設定完了後、フィルタリング条件設定完了をサーバ170に通知する。なお、フィルタリング条件については後述する。
【0072】
そして、サーバ170は、積算時間取得コマンドを登録対象の在宅医療用器械に送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S112)。ここで、積算時間取得コマンドとは、積算時間を示す情報(稼動情報)を定期収集において報告することを要求するコマンドである。酸素濃縮器130についての稼動情報は、酸素濃縮器130を設置してからの経過時間(機器積算時間)と、酸素濃縮器130を用いて患者が治療行為を行った時間の合計(患者積算時間)と、を含む。機器積算時間および患者積算時間は、酸素濃縮器130において算出および保存される。CB110は、積算時間取得コマンドを、メモリ112に保存するとともに酸素濃縮器130に送信し(S113)、酸素濃縮器130は、これを定期収集に備えてメモリ132に保存する。積算時間取得コマンドの保存完了は、酸素濃縮器130からCB110へ、そしてCB110からサーバ170へと、順次報告される。
【0073】
そして、サーバ170は、ログイベント取得コマンドを登録対象の在宅医療用器械に送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S114)。ここで、ログイベント取得コマンドとは、ログイベントを示す情報(ログ情報)を定期収集において報告することを要求するコマンドである。酸素濃縮器130についてのログ情報は、酸素濃縮器130において生じる様々なイベントをそれぞれの発生日時(年月日時分秒)とともに示す情報(ログイベント)の集合である。酸素濃縮器130における典型的なイベントとしては、例えば、電源オン、運転スイッチのオン/オフ、流量変更および変更後の流量、停電、電源コード抜け、測定パラメータの異常(供給する酸素の流量および濃度等)、機械(例えばコンプレッサ等)や部品(例えばカニューラ等)の異常、等がある。それぞれのイベントには予めログコードが割り当てられている。ログ情報は、酸素濃縮器130において生成および保存される。CB110は、ログイベント取得コマンドを、メモリ112に保存するとともに酸素濃縮器130に送信し(S115)、酸素濃縮器130は、これを定期収集に備えてメモリ132に保存する。ログイベント取得コマンドの保存完了は、酸素濃縮器130からCB110へ、そしてCB110からサーバ170へと、順次報告される。
【0074】
このようにして、端末登録が行われる。
【0075】
図10は、定期収集およびそれに伴う緊急通信を説明するためのシーケンス図である。
【0076】
CB110は、酸素濃縮器130と定期収集のための通信を行う。定期収集は、端末登録が完了している在宅医療用器械についての稼動情報およびログ情報を収集するための通信動作である。これは、一定のインターバルを挟みながら(例えば1時間ごとに)繰り返して周期的に行われるものであり、毎回、CB110から在宅医療用器械に対する要求によって始動する。なお、以下の説明において、稼動情報およびログ情報を特に区別せずにこれらに言及するときは、「動作情報」という。
【0077】
定期収集では、まず、CB110は、メモリ112に保存されている積算時間取得コマンドに基づき、稼動情報の報告を酸素濃縮器130に要求し(S201)、酸素濃縮器130は、その要求時点までの機器積算時間および患者積算時間を示す稼動情報をCB110に返信する。CB110は、受信した稼動情報をメモリ112に保存する。さらに、CB110は、メモリ112に保存されているログイベント取得コマンドに基づき、ログ情報の報告を酸素濃縮器130に要求し(S202)、酸素濃縮器130は、その要求時点までの全てのログイベントを示すログ情報をCB110に返信する。CB110は、受信したログ情報をメモリ112に保存する。
【0078】
定期収集の際にCB110と酸素濃縮器130のアダプタ150との通信が確立できない場合、CB110はリトライを例えば3回繰り返す。3回繰り返しても通信が確立できなかった場合は、CB110は、CB110についての通信ログ情報として、この通信失敗を発生日時とともにメモリ112に保存する。CB110からサーバ170への通信ログ情報の送信は、確認通信において行われるため、後述する。
【0079】
ここで、酸素濃縮器130だけでなく複数の在宅医療用器械から動作情報の収集を行う場合について、図11を用いて説明する。
【0080】
CB110は、複数(図示した例では6つ)の在宅医療用器械から動作情報を受信すると、それぞれからの動作情報が混在している受信データRDを得る。CB110は、この受信データRDを識別情報に基づいて器械別の受信データRDa、RDb、RDc、RDd、RDe、RDfに振り分ける。さらに、CB110は、受信データRD(あるいは各受信データRDa、RDb、RDc、RDd、RDe、RDf)の受信時刻のタイムスタンプを、各受信データRDa、RDb、RDc、RDd、RDe、RDfに付加する。そして、CB110は、メモリ112内に各器械に割り当てられたフォルダを作成し、タイムスタンプ付加後の受信データRDa、RDb、RDc、RDd、RDe、RDfを、それぞれ対応するフォルダFa、Fb、Fc、Fd、Fe、Ffに分類して保存する。これにより、同時相で複数の在宅医療用器械のログ情報を容易に管理することができる。
【0081】
そして、CB110は、最新の定期収集の結果として、メモリ112に保存されている酸素濃縮器130のログ情報が更新されたときに、ログ情報のフィルタリング処理を行う(S203)。フィルタリング処理には、事前に設定されているフィルタリング条件が用いられ、フィルタリング条件には、緊急通信を行うべき条件として1つ以上の項目(例えば、測定パラメータの異常等)が示されている。よって、CB110は、ログ情報の各ログイベントに含まれているログコードをスキャンして、フィルタリング条件(設定条件に複数の項目がある場合は少なくともいずれか1つの項目)に該当するログイベントを特定する(S204)。条件に該当するログイベントが抽出されなかったときには、緊急通信は行われない(S205)。条件に該当するログイベントが抽出されたときには、定期通信の周期を無視して臨時的に、CB110は、緊急通信を要求するコマンド(緊急通信要求コマンド)をサーバ170に送信する(S206)。緊急通信要求コマンドには、酸素濃縮器130の識別情報、およびログイベントが抽出されたフィルタリング条件が、示される。
【0082】
なお、ここではCB110が図11に示す方法で複数の在宅医療用器械からの動作情報を内部のメモリ112に収集することについて説明したが、アダプタ150(またはアダプタ160)が図11に示す方法で複数の在宅医療用器械からの動作情報を内部のメモリ152(またはメモリ162)に収集してもよい。この場合、CB110は、アダプタ150(またはアダプタ160)により受信時刻のタイムスタンプを付与された受信データを収集することとなる。
【0083】
CB110からの緊急通信要求をサーバ170が許可すると、緊急通信が始動される。
【0084】
緊急通信においては、まず、サーバ170は、フィルタリング条件に該当するログイベントを発生させた在宅医療用器械に積算時間取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S207)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130から稼動情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新の稼動情報をサーバ170に返信する。さらに、サーバ170は、フィルタリング条件に該当するログイベントを発生させた在宅医療用器械にログイベント取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S208)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130からログ情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されているログ情報をサーバ170に返信する。このときにサーバ170に送信するログ情報は、フィルタリング条件に該当したログイベントのみを含む。サーバ170は、受信した動作情報を、CB110と同様(図11)、登録されている(つまり監視対象となっている)器械ごとに分類してデータベースに記録する。
【0085】
このようにして、定期収集および緊急通信が行われる。
【0086】
ところで、上記ステップS206においてサーバ170が緊急通信要求を受信すると、サーバ170は、データ閲覧システムCのパソコン172および携帯電話173に対して、電子メールを送信する。この電子メールには、フィルタリング条件に該当するログイベントを発生させた在宅医療用器械の識別情報、およびログイベントが該当したフィルタリング条件が、示される。電子メールを見た在宅医療支援機関の担当者は、パソコン172または携帯電話173を用いてサーバ170のデータベースにアクセスする。このとき、サーバ170は、ブラウザ閲覧用の画面を作成する。これにより、在宅医療支援機関の担当者は、フィルタリング条件に該当するログイベントを発生させた在宅医療用器械の動作情報をブラウザで閲覧することができ、在宅医療用器械あるいはそのユーザに対して、タイムリーに適切な対応を取ることができる。
【0087】
図12は、ブラウザで閲覧される動作情報を示す図である。図12(a)は、宅内通信システムA内の端末としてサーバ170に登録されている全ての在宅医療用器械についての動作情報を表示する画面の例である。図12(b)は、宅内通信システムA内の在宅医療機器(例えば、酸素濃縮器130)についての動作情報を表示する画面の例である。図12(c)は、宅内通信システムA内の通信装置(例えば、CB110)についての動作情報を表示する画面の例である。
【0088】
図13は、確認通信を説明するためのシーケンス図である。
【0089】
カレンダーが、事前設定された確認通信の日時になると、CB110は、確認通信を要求するコマンド(確認通信要求コマンド)をサーバ170に送信する(S301)。
【0090】
サーバ170は、確認通信を許可した後、機器状態取得コマンドをCB110に送信する(S302)。機器状態取得コマンドは、CB110が宅内で接続する在宅医療用器械との通信状態の報告を要求するコマンドであり、報告される通信状態の情報としては、CB110のメモリ112に保存されている通信ログ情報が利用される。CB110は、宅内での通信状態の情報、つまりCB110の通信ログ情報をサーバ170に送信する。サーバ170は、受信した通信ログ情報をデータベースに記録する。これにより、在宅医療支援機関の担当者がブラウザでこの情報を閲覧することが可能となる。したがって、例えば、酸素濃縮器130において測定パラメータ異常が発生したときに通信異常が原因で酸素濃縮器130が測定パラメータ異常を通報できなくても、確認通信の時期が来ればCB110が通信異常を通報でき、担当者がこれを閲覧できる。このとき、担当者は、通信異常が原因で酸素濃縮器130からの異常通報の欠落が生じている可能性に気付き、患者宅までCB110および酸素濃縮器130を点検しに行く等、適切な対応を取ることが可能となる。
【0091】
サーバ170は、機器状態の情報を取得した後、確認通信のスケジュール情報を含むコマンド(スケジュール設定コマンド)をCB110に送信することができる(S303)が、これは週1回程度の実施で十分である。CB110は、スケジュール設定コマンドを受信した場合、受け取ったスケジュールに従って、次回の確認通信の日時を設定し、設定完了後、その設定完了をサーバ170に通知する。CB110は、サーバ170からスケジュール設定コマンドが来ない場合、翌日の同時刻に次回の確認通信を行うようにスケジュールの設定を行う。
【0092】
このようにして、確認通信が行われる。
【0093】
図14は、定期通信を説明するためのシーケンス図である。
【0094】
カレンダーが、事前設定された定期通信の日時になると、CB110は、定期通信を要求するコマンド(定期通信要求コマンド)をサーバ170に送信する(S401)。サーバ170は、定期通信を許可した後、監視対象の在宅医療用器械に積算時間取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S402)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130から稼動情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新の稼動情報をサーバ170に返信する。さらに、サーバ170は、監視対象の在宅医療用器械にログイベント取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S403)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130からログ情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新のログ情報をサーバ170に返信する。サーバ170に送信する最新のログ情報は、サーバ170に対して未送信のログイベントを全て含む。サーバ170は、受信した動作情報を、CB110と同様(図11)、登録されている器械ごとに分類してデータベースに記録する。
【0095】
したがって、その後、在宅医療支援機関の担当者がデータベースにアクセスすると、サーバ170は最新の内容に基づきブラウザ閲覧用画面を作成するので、担当者は定期通信において報告された酸素濃縮器130の動作情報をブラウザで閲覧することができる。
【0096】
ここで、定期収集、緊急通信および定期通信の関係について説明する。
【0097】
本実施の形態では、定期通信は例えば1時間に1回の周期で行われる。よって、図15に示すように、定期収集により情報は毎時間収集され、収集のたびに(つまり毎時間)、緊急通信の要否判断のためのフィルタリング処理が行われる。これに対し、定期通信は例えば1カ月に1回の周期で行われる。したがって、フィルタリング条件に該当するログイベントが1カ月発生しない場合(図15のX月参照)、その期間においては宅内通信システムAからサーバシステムCに対して動作情報の報告を行う機会は基本的に生じない。しかし、本実施の形態では、1カ月経過すれば必ず、過去1カ月間に収集された動作情報が定期通信において纏めて報告される。したがって、外部からは、1カ月間にわたって特に異常が発生しなかったということでさえも確認することができる。
【0098】
定期通信に関しては、その頻度を抑え、複数回に分けて順次収集された情報を1回で纏めて送信することにより、CB110の処理負荷軽減を図ることができる。これに対し、定期収集に関しては、高頻度で実施し、監視対象の在宅医療用器械から動作情報をこまめに収集することにより、その在宅医療用器械およびそのアダプタにおいて必要なメモリ容量を低く抑えることができ、製造コストの増大を抑えることができる。
【0099】
さらに、本実施の形態では、重大なログイベントだけが報告されるのではなく、全てのログイベントが報告されるが、重大と判断された(つまりフィルタリング条件に該当した)ものを除くログイベントは、後で纏めて報告される。その結果として、重大と判断されたログイベントを優先的に報告することが可能となり(図15のY月参照)、ログイベントの報告順にログイベントの重大性が加味された、効率のよい報告を実現することができる。
【0100】
さらに、例えば月の途中で緊急通信を要するログイベントが発生したにもかかわらず通信エラーにより緊急通信が失敗に終わったとしても、そのログイベントをその月の定期通信において報告することができる。よって、通信エラー等が原因で報告漏れが生じる可能性を低減することができる。
【0101】
動作情報のデータベース記録が完了すると、サーバ170は、カレンダーの情報を含むコマンド(カレンダー設定コマンド)をCB110に送信する(S404)。CB110は、内部のRTCにカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をサーバ170に通知する。これにより、定期通信のたびにCB110およびサーバ170を同期化することができる。続いて、CB110は、カレンダー設定コマンドを酸素濃縮器130に送信する(S405)。酸素濃縮器130は、内部のRTCにカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をCB110に通知する。これにより、定期通信のたびに酸素濃縮器130およびCB110も同期化することができる。
【0102】
そして、サーバ170は、定期通信のスケジュール情報を含むコマンド(スケジュール設定コマンド)をCB110に送信する(S406)。CB110は、受け取った情報に基づき、次回の定期通信の日時を設定する。CB110は、スケジュール設定完了後、スケジュール設定完了をサーバ170に通知する。
【0103】
このようにして、定期通信が行われる。
【0104】
図16は、点検通信を説明するためのシーケンス図である。
【0105】
監視対象の在宅医療用器械、特に酸素濃縮器130のような在宅医療機器に対してメンテナンス作業を行うときに、CB110の動作モードが一時的にメンテナンスモードに切り替えられる。動作モードの切替は、CB110のメンテナンスボタン186の操作によって行われる。メンテナンスモード中のCB110の動作については後述する。
【0106】
メンテナンスモードが解除されると、CB110は、点検通信を要求するコマンド(点検通信要求コマンド)をサーバ170に送信する(S501)。サーバ170は、これを許可した後、積算時間取得コマンドを監視対象の在宅医療用器械に送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S502)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130から稼動情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新の稼動情報をサーバ170に返信する。さらに、サーバ170は、監視対象の在宅医療用器械にログイベント取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S503)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130からログ情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新のログ情報をサーバ170に返信する。サーバ170に送信する最新のログ情報は、サーバ170に対して未送信のログイベントを全て含む。サーバ170は、受信した動作情報を、登録されている器械ごとに分類してデータベースに記録する。すなわち、点検通信が実施されると、定期通信が実施された場合と同様、サーバ170のデータベースが最新の内容に更新される。
【0107】
動作情報のデータベース記録が完了すると、サーバ170は、カレンダーの情報を含むコマンド(カレンダー設定コマンド)をCB110に送信する(S504)。CB110は、内部のRTCにカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をサーバ170に通知する。これにより、点検通信のたびにCB110およびサーバ170を同期化することができる。続いて、CB110は、カレンダー設定コマンドを酸素濃縮器130に送信する(S505)。酸素濃縮器130は、内部のRTCにカレンダーを設定し、カレンダー設定完了後、カレンダー設定完了をCB110に通知する。これにより、点検通信のたびに酸素濃縮器130およびCB110も同期化することができる。
【0108】
そして、サーバ170は、定期通信のスケジュール情報を含むコマンド(スケジュール設定コマンド)をCB110に送信する(S506)。CB110は、受け取った情報に基づき、次回の定期通信の日時を設定する。CB110は、スケジュール設定完了後、スケジュール設定完了をサーバ170に通知する。これにより、点検通信が実施された時期に基づいて、次回の定期通信の時期を調整することができる。
【0109】
このようにして、点検通信が行われる。
【0110】
ここで、メンテナンスモード中のCB110の動作について説明する。
【0111】
酸素濃縮器130の定期メンテナンス実施時には、装置が正常に動作することを確認するため、電源アラームやカニューラアラームを敢えて発生させたり、流量を変更して吐出圧を測定したりする。酸素濃縮器130においてこれらのようなログイベントが発生するときに、CB110が通常モードで動作をしていると、不要な緊急通信が行われることとなる。そこで、CB110には、動作モードを通常モードからメンテナンスモードに変更したり元に戻したりするためのメンテナンスボタン186が設けられている。
【0112】
通常モード中にメンテナンスボタン186が押されると(例えば、3秒間長押し)、動作モードがメンテナンスモードに切り替わる。CB110がメンテナンスモードに入ると、LED184aの点滅により、メンテナンスモードであることが視認可能となる。
【0113】
メンテナンスモード中、CB110は定期通信を始動させない。メンテナンス作業後に点検通信が行われ、メンテナンス作業中の定期通信は不要だからである。
【0114】
また、メンテナンスモード中、CB110は、ログ情報のフィルタリング処理による緊急通信を禁止する。例えばフィルタリング処理そのものを実行しない(つまり、図10のシーケンス図におけるS203をスキップする)ようにすることにより、メンテナンスモード中は不要である緊急通信の実施を回避することができる。
【0115】
なお、メンテナンスモード中、CB110は、フィルタリング条件に該当するログイベントが特定された場合、そのログイベントにその旨を表すフラグを設定したうえで、そのログイベントをサーバ170に送信する緊急通信を実施してもよい。この場合は、サーバ170において、通常モード中の緊急通信であるのかメンテナンスモード中の緊急通信であるのかを区別することができる。
【0116】
また、メンテナンスモード中にメンテナンスボタン186が押されると(例えば、3秒間長押し)、動作モードが通常モードに切り替わり、点検通信が始動されることは、前述のとおりである。
【0117】
図17は、任意通信を説明するためのシーケンス図である。
【0118】
任意通信は、在宅医療支援機関の担当者等が、任意でサーバ170のデータベースを最新状態に更新するための通信である。データ閲覧システムDのパソコン172あるいは携帯電話173で所定の入力処理を行うことにより、任意通信を始動させることができる。
【0119】
任意通信が始動されると、サーバ170は、積算時間取得コマンドを監視対象の在宅医療用器械に送信することを(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S601)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130から稼動情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新の稼動情報をサーバ170に返信する。さらに、サーバ170は、監視対象の在宅医療用器械にログイベント取得コマンドを送信すること(コマンド透過)を要求するコマンドをCB110に送信する(S602)。このとき、CB110は、直近の定期収集において酸素濃縮器130からログ情報を収集してメモリ112に保存しているので、コマンド透過は行わずに、酸素濃縮器130について保存されている最新のログ情報をサーバ170に返信する。サーバ170に送信する最新のログ情報は、サーバ170に対して未送信のログイベントを全て含む。サーバ170は、受信した動作情報を、登録されている器械ごとに分類してデータベースに記録する。すなわち、任意通信が実施されると、定期通信が実施された場合と同様、サーバ170のデータベースが最新の内容に更新される。
【0120】
このようにして、任意通信が行われる。
【0121】
以上のように、本実施の形態によれば、CB110の本体は、酸素濃縮器130等の在宅医療機器から分離設置可能に形成されており、在宅医療機器から分離配置された本体にて、在宅医療機器の動作情報を無線で受信し、受信した動作情報の処理を制御する。このため、ユーザは、在宅医療機器を使いやすい場所に設置でき、外部との通信を担う装置であるCB110を、外部との通信状態を良好に保持できる場所に設置できる。すなわち、在宅医療機器の設置場所の自由度を高くすることができ、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、在宅医療用器械の動作情報をその器械のMPUから受信するアダプタ150、160に対して、CB110はその送信を周期的に要求する。よって、アダプタ150、160は、CB110から要求が来るたびに、その要求の前に受信した動作情報をCB110に無線で送信し、CB110は、アダプタ150、160から動作情報を受信するたびに、受信した動作情報をサーバ170に送信する。このため、在宅医療用器械内の異常の有無にかかわらずその器械についての詳細な動作情報を外部にて得ることができ、その情報をメンテナンスあるいはユーザサポートサービスにおいて活用することができる。よって、在宅医療用器械の使用に関するユーザサポートサービスの質的向上および効率化、ならびに器械メンテナンスの効率化を図ることができる。
【0123】
在宅医療において、在宅医療用器械の動作状態を把握することは重要である。例えば、体温計や体重計の測定結果をグラフ用紙に記入して体調管理の指標としたり、CPAP(Nasal Continuous Positive Airway Pressure)と呼ばれる睡眠時無呼吸治療器の動作ログを患者管理に使用したりすることが知られている。一方で、在宅医療においては、医療従事者やユーザサポートを実施する機器管理者は患者の状況を常時監視可能ではない。そのため、個々の在宅医療用器械で取得されたデータ、あるいは複数の在宅医療用器械で取得されたデータの組み合わせを、患者の状況把握のための客観的資料の1つとして活用したり、機器メンテナンスの実施時期の判断指標として活用したりすることがある。つまり、このデータは、使用者である患者本人よりも、外部にいる医療従事者またはメンテナンス受託企業等により積極的に活用されるケースがある。
【0124】
しかし、各在宅医療用器械が記録したデータの測定項目や測定周期等は、それぞれの在宅医療用器械の特性や目的に応じて、独立したデータとして収集されることがある。そのため、特に、1人の患者が同時に複数機種を使用する場合には、それぞれの器械個別のデータを収集しても、それらのデータは一覧性が低く、効率的な活用が困難なデータである。
【0125】
すなわち、本実施の形態のシステムを使用することで、器械ごとにデータを収集する作業負担を減らし、同じ時間軸で器械ごとのデータを管理することが可能となるため、データの一覧性を高め、データの効率的な活用を実現することができる。
【0126】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態の在宅医療支援システムの基本構成は、実施の形態1で詳細に説明したものと同様である。よって、実施の形態1で説明したものと同一の構成には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0127】
図18は、本実施の形態のCBの構成を示すブロック図である。図18に示すCB210は、図2に示すCB110の構成に停電検出部218aおよびバッテリ218bを加えた構成を有する。
【0128】
停電検出部218aは、AC100V電源117の停電の発生およびその停電からの復旧を検出する、周知の構成を有する停電検出回路である。
【0129】
バッテリ218bは、CB210の本体(図3に示すCB110の本体と同様)に内蔵された補助電源であり、二次電池等である。
【0130】
上記構成において、停電検出部218aは、AC100V電源117の停電を検出すると、停電の発生をMPU111に通知する。MPU111はその通知を受けて、停電の発生をサーバ170に緊急通知するための通信を始動させる。バッテリ218bは、そのような通信を行うMPU111に対してAC100V電源117に代わって電源供給を行う。これにより、CB110は宅内通信システムAが停電に遭っていることを、サーバシステムCに、ひいては在宅医療支援機関に、知らせることができる。
【0131】
また、停電検出部218aは、AC100V電源117が停電から復旧したことを検出すると、停電からの復旧をMPU111に通知する。MPU111はその通知を受けて、停電からの復旧をサーバ170に緊急通知するための通信を始動させる。このときの電源供給は、バッテリ218bからでもよいし、AC100V電源117からでもよい。
【0132】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態の在宅医療支援システムの基本構成は、実施の形態1で詳細に説明したものと同様である。よって、実施の形態1で説明したものと同一の構成には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0133】
図19は、本実施の形態のCBの構成を示すブロック図であり、図20は、本実施の形態の補助表示装置の構成を示すブロック図である。
【0134】
図19に示すCB310は、図2に示すCB110の構成に液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)部319を加えた構成を有する。LCD部319は、CB310の本体(図3に示すCB110の本体と同様)に外装された液晶表示装置である。LED表示部116とLCD部319との組み合わせは、本発明に係る通信制御装置の表示部または通知部を構成する。
【0135】
図20に示す補助表示装置300は、CB310とは別体として形成された本体を有する表示装置である。補助表示装置300は、CB310のLED表示部116およびLCD部319における表示パターンおよび表示内容を、宅内の別の場所で同時に実現することを目的として、CB310から分離した場所に設置されるものである。補助表示装置300は、MPU301、近距離通信モジュール302、LED表示部303、およびLCD部304を有する。補助表示装置300は、AC100V電源305から電源供給を受ける。
【0136】
制御部としてのMPU301は、補助表示装置300内部に予め記憶されているソフトウェアプログラムを実行して補助表示装置300全体の動作を司るコンピュータである。
【0137】
通信部としての近距離通信モジュール302は、Bluetooth(登録商標)通信によって他の機器(本実施の形態ではCB310)と通信するためのモジュールである。近距離通信モジュール302は、他の機器との近距離無線通信においてスレーブ機器として動作する。
【0138】
LED表示部303は、図4に示すように4つのLED184a〜184dを用いて様々な通信状態を表現するCB310のLED表示部116と同一の表示パターンを実現できるように、LED表示部303も、表示パネル上に配列された4つのLEDを有する。
【0139】
したがって、例えば、CB310がサーバシステムCとの通信を行っているときには、CB310のLED184cが点灯すると同時に、補助表示装置300のLEDのうちの1つが点灯する。これを実現するために、CB310のMPU111は、CB310がサーバシステムCと通信しているとき、その旨を表す信号を、近距離通信モジュール114、302間の通信を利用して補助表示装置300のMPU301に送る。その信号に従い、補助表示装置300のMPU301はLED表示部303を制御し、1つのLEDをLED184cと同様に点灯させる。すなわち、CB310のMPU111は、CB310からサーバ170への送信が行われていることを、CB310と補助表示装置300との双方からユーザに通知させる。これにより、ユーザは、宅内の様々な場所でCB310の通信状態を確認することができる。そして、通信が実際に行われているかどうか、というユーザの心理的不安感を軽減させることができる。
【0140】
また、例えば、CB310がサーバシステムCとの通信を正常に完了したときには、CB310のLED184cが発光色を変えて数秒間点灯してから消灯すると同時に、補助表示装置300のLEDのうちの1つも発光色を変えて数秒間点灯してから消灯する。これを実現するために、CB310のMPU111は、CB310がサーバシステムCとの通信を正常に完了したとき、その旨を表す信号を、近距離通信モジュール114、302間の通信を利用して補助表示装置300のMPU301に送る。その信号に従い、補助表示装置300のMPU301はLED表示部303を制御し、1つのLEDをLED184cと同様に変色させ、消灯させる。すなわち、CB310のMPU111は、CB310からサーバ170への送信が正常に完了したことを、CB310と補助表示装置300との双方からユーザに通知させる。これにより、ユーザは、宅内の様々な場所でCB310の通信状態を確認することができる。そして、通信が正常に完了したかどうか、というユーザの心理的不安感を軽減させることができる。
【0141】
LCD部304は、補助表示装置300の本体に外装された液晶表示装置である。LCD部304は、
【0142】
上記構成において、CB310のMPU111は、監視対象の在宅医療用器械からCB310に送信された動作情報(例えば、酸素濃縮器130の設定流量等)や、その動作情報に応じたアラーム情報等を、LCD部319に表示させる制御を行う。このとき、MPU111は、LCD部319の表示内容と同一内容を表す信号を、近距離通信モジュール114、302間の通信を利用して補助表示装置300のMPU301に送る。その信号に従い、補助表示装置300のMPU301はLCD部304を制御し、同一内容を、LCD部304に表示させる。
【0143】
したがって、例えば図21に示すように、CB310のLCD部319に酸素濃縮器130の設定流量が表示されているときに、補助表示装置300のLCD部304にも酸素濃縮器130の設定流量を表示させることができる。また、図示された波形のように、他の医療機器で測定された生体情報がMPU111の制御によりLCD部319に表示可能である場合は、同一内容を示す信号をMPU111に送ることで、同一内容の情報をLCD部304にも表示させることができる。
【0144】
すなわち、CB310のMPU111は、CB310のMPU111は、監視対象の在宅医療用器械から受信した動作情報を、CB310のLCD部319と補助表示装置300のLCD部304との双方に表示させる制御を行う。これにより、患者、特に寝たきりの患者が在宅にて治療しているときに、その家族は、必ずしも患者の傍にいなくても別の場所にて患者の様子を確認することができる。よって、家庭内管理負担を軽減させることができる。
【0145】
なお、CB310および補助表示装置300の各LCD部319、304は、各本体周辺の電波強度(Bluetooth(登録商標)通信の電波強度、PHS通信の電波強度等)を、レベルメータあるいはマークによって表示できるようにされていてもよい。この電波強度の表示は、設置時あるいは移設時にのみ表示され、通常使用時は表示されないようにするとよい。
【0146】
また、本実施の形態では、通信状態や動作情報等をユーザに通知するための手段として視覚的な通知手段であるLEDとLCDとを用いているが、音や声、光、振動等による通知手段を代用してもよい。
【0147】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記各装置の構成および動作についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0148】
A 宅内通信システム
B 公衆通信網
C サーバシステム
D データ閲覧システム
110、210、310 通信制御装置(CB)
111、131、141、151、161、301 MPU
112、132、142、152、162 メモリ
113、133、153 RS232Cインタフェース
114、154、164、302 近距離通信モジュール
115 操作部
116、303 LED表示部
120、171 公衆通信モジュール
130 酸素濃縮器
140 血圧計
143、163 赤外線通信モジュール
150、160 アダプタ
170 サーバ
172 パソコン
173 携帯電話
218a 停電検出部
218b バッテリ
300 補助表示装置
304、319 LCD部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内にて使用される在宅医療用の通信制御装置であって、
前記宅内の在宅医療機器から分離設置可能に形成された本体と、
前記本体に設けられ、前記在宅医療機器の動作情報を無線で受信する通信部と、
前記本体に設けられ、受信した動作情報の送信を含む処理を制御する制御部と、
を有する在宅医療用の通信制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、1つ以上の前記在宅医療機器について受信した動作情報に受信時刻のタイムスタンプを付加し、タイムスタンプが付加された動作情報を前記在宅医療機器ごとに分類して内部メモリに蓄積する、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項3】
前記本体は、前記制御部のモードをメンテナンスモードに切り替える操作部を有し、
前記制御部は、メンテナンスモード中に受信した動作情報をメンテナンスモード中に外部に送信することを禁止する、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項4】
前記本体は、前記制御部のモードをメンテナンスモードに切り替える操作部を有し、
前記制御部は、メンテナンスモード中に受信した動作情報に、メンテナンスモードを表す情報を付加する、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、停電の発生時および停電からの復旧時に外部との通信を制御し、
停電の発生および停電からの復旧を検出する停電検出部と、
停電の発生が検出されたときに前記制御部に給電するバッテリと、
をさらに有する請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項6】
前記本体は、表示部を有し、
前記制御部は、受信した動作情報を前記本体の前記表示部と別の装置との双方に表示させる制御を行う、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、受信した動作情報を外部に送信させる制御を行い、
前記本体は、前記外部への送信が行われていることを通知する通知部を有し、
前記制御部は、前記外部への送信が行われているときに、前記外部への送信が行われていることを前記本体の前記通知部と別の装置との双方からユーザに通知させる制御を行う、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、受信した動作情報を外部に送信させる制御を行い、
前記本体は、前記外部への送信が正常に完了したことを通知する通知部を有し、
前記制御部は、前記外部への送信が正常に完了したときに、前記外部への送信が正常に完了したことを前記本体の前記通知部と別の装置との双方からユーザに通知させる制御を行う、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。
【請求項9】
前記本体は、前記本体周囲の電波強度を表示する表示部を有する、
請求項1記載の在宅医療用の通信制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−120781(P2012−120781A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275756(P2010−275756)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】