説明

在庫引当管理システムおよび在庫引当管理方法

【課題】 出荷順序を適切に確保するとともに予約と出荷時の引当内容との食い違いの発生を防止するのに好適な在庫引当管理システムを提供する。
【解決手段】 先日付出荷については、未予約の在庫商品に対して出荷数量を荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブルに登録する。そして、後引当が行われた商品に対して未予約を在庫管理テーブルに登録し、未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量を荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブルに登録する。
通常出荷については、未予約の在庫商品に対して出荷数量を荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブルに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫の引当を管理するシステムおよび方法に係り、特に、出荷順序を適切に確保するとともに予約と出荷時の引当内容との食い違いの発生を防止するのに好適な在庫引当管理システムおよび在庫引当管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
在庫の引当管理については、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷と、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷に応じてそれぞれ異なる方法で管理が行われていた。
通常出荷については、在庫を構成する商品のうち未予約のものに対してその通常出荷に係る出荷数量を製造順に引き当てる。これは、製造順に商品を出荷するためである。この場合、出荷の現場では、複数の商品が段ボール等に梱包されているため、荷姿単位で出荷指示を行う必要がある。したがって、在庫情報管理データベースでは、通常出荷に係る出荷数量を荷姿単位で登録して管理している。例えば、通常出荷の受注に対して、段ボール箱いくつ、商品単体でいくつといった具合に出荷数量を管理する。
【0003】
これに対し、先日付出荷については、総在庫データベースに対し荷姿を商品を特定せず、未予約の在庫数に対してその先日付出荷に係る出荷数量を引き当てる。そして、出荷予定日の当日または前日に、在庫を構成する商品のうち未予約のものに対して先日付出荷に係る出荷数量を製造順、荷姿単位に引き当てる。これは、先日付出荷については取消が発生することがあり、荷姿単位で出荷数量を管理すると、取消が発生した場合に出荷順序が前後し、製造順に商品を出荷するのができないからである。
【0004】
また、従来、在庫の引当を管理する技術としては、例えば、特許文献1記載の在庫引当の管理方法が知られている。
特許文献1記載の発明は、受注内示情報が供給リードタイムを基礎とする受付期限内であれば予約在庫データベースに登録する。そして、予約在庫データベース中の受注内示の出荷予定日を監視し、期限切れ直前の受注内示に対して警告を発し、期限切れの予約在庫を取り消す。また、受付期限内の確定受注を予約在庫データベースに登録し、飛び込み受注に対して在庫推移予定データベースを参照して引当可能であれば登録する。ここで、出荷予定日を伴う受注が先日付出荷に対応し、飛び込み受注が通常出荷に対応する。警告や取消を行う点を除き、基本的には、上記従来の管理方法と同様のやり方である。
【特許文献1】特開平9−147041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の管理方法にあっては、通常出荷および先日付出荷が混在しても製造順に商品を出荷するという出荷順序は適切に確保することができる。しかしながら、先日付出荷については出荷の直前に在庫への荷姿単位の引当が行われるため、在庫情報と総在庫データベース間に不整合が生じた場合には、通常出荷に係る予約と、先日付出荷に係る予約に誤差が発生する可能性があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、出荷順序を適切に確保するとともに予約と出荷時の引当内容との食い違いの発生を防止するのに好適な在庫引当管理システムおよび在庫引当管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の在庫引当管理システムは、1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理システムであって、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てる後引当手段と、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当てる第1先引当手段と、前記後引当手段で行われた引当を解除し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当てる第2先引当手段とを備える。
【0007】
このような構成であれば、先日付出荷の受注が発生すると、後引当手段により、未予約の在庫物品に対してその先日付出荷に係る出荷数量が荷姿単位で製造の逆順に引き当てられる。そして、出荷予定日に対する作業日当日になると、第2先引当手段により、後引当(後引当手段による引当をいう。以下、同じ。)が解除され、未予約の在庫物品に対して、後引当が行われた物品に係る出荷数量が荷姿単位で製造順に再度引き当てられる。
【0008】
また、通常出荷の受注が発生すると、第1先引当手段により、未予約の在庫物品に対してその通常出荷に係る出荷数量が荷姿単位で製造順に引き当てられる。
したがって、先日付出荷および通常出荷についてはいずれも、製造順方式で引当管理を行うことができる。また、先日付出荷については、在庫の後段(例えば、シリアル番号の大きい方)に引き当てられるので、通常出荷に対する引当を阻害することなく、先日付出荷に係る予約と、対応する出荷時の引当内容との食い違いも発生しにくい。
【0009】
ここで、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。以下、請求項2記載の在庫引当管理システムにおいて同じである。
【0010】
さらに、本発明に係る請求項2記載の在庫引当管理システムは、1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理システムであって、在庫を構成する前記物品について数量および予約の有無を記憶する在庫情報記憶手段と、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する後引当手段と、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第1先引当手段と、前記後引当手段で引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第2先引当手段とを備える。
【0011】
このような構成であれば、先日付出荷の受注が発生すると、後引当手段により、未予約の在庫物品に対してその先日付出荷に係る出荷数量が荷姿単位で製造の逆順に引き当てられ、引当が行われた物品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録される。次いで、出荷予定日に対する作業日当日になると、第2先引当手段により、後引当が行われた物品に対して未予約が在庫情報記憶手段に登録される。そして、未予約の在庫物品に対して、後引当が行われた物品に係る出荷数量が荷姿単位で製造順に再度引き当てられ、再引当が行われた物品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録される。
【0012】
また、通常出荷の受注が発生すると、第1先引当手段により、未予約の在庫物品に対してその通常出荷に係る出荷数量が荷姿単位で製造順に引き当てられ、引当が行われた物品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録される。
したがって、先日付出荷および通常出荷についてはいずれも、製造順方式で引当管理を行うことができる。また、先日付出荷については、在庫の後段(例えば、シリアル番号の大きい方)に引き当てられるので、通常出荷に対する引当を阻害することなく、先日付出荷に係る予約と、対応する出荷時の引当内容との食い違いも発生しにくい。
ここで、在庫情報記憶手段は、在庫情報をあらゆる手段でかつあらゆる時期に記憶するものであり、在庫情報をあらかじめ記憶してあるものであってもよいし、在庫情報をあらかじめ記憶することなく、本装置の動作時に外部からの入力等によって在庫情報を記憶するようになっていてもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る請求項3記載の在庫引当管理システムは、請求項2記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、前記物品の入庫が発生したときは、前記後引当手段で引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記入庫分を含む在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する再後引当手段を備える。
【0014】
このような構成であれば、物品の入庫が発生すると、再後引当手段により、後引当が行われた物品に対して未予約が在庫情報記憶手段に登録される。そして、入庫分を含む未予約の在庫物品に対して、後引当が行われた物品に係る出荷数量が荷姿単位で製造の逆順に再度引き当てられ、再引当が行われた物品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録される。
【0015】
さらに、本発明に係る請求項4記載の在庫引当管理システムは、請求項2および3のいずれか1項に記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、前記荷姿の指定を入力する荷姿指定入力手段を備え、前記後引当手段は、前記荷姿指定入力手段で前記荷姿の指定が入力されたときは、前記在庫を構成する物品のうち前記荷姿指定入力手段の入力で指定された荷姿単位で引当可能な未予約のものに対して前記先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てるようになっている。
このような構成であれば、荷姿指定入力手段により荷姿の指定が入力されると、後引当手段により、指定された荷姿単位で引当可能な未予約の在庫物品に対して先日付出荷に係る出荷数量が荷姿単位で製造の逆順に引き当てられる。
【0016】
さらに、本発明に係る請求項5記載の在庫引当管理システムは、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の在庫引当管理システムにおいて、前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品の識別子を記憶し、さらに、前記識別子を入力する識別子入力手段と、前記在庫を構成する物品のうち前記識別子入力手段で入力した識別子により特定されるものに対して前記先日付出荷または前記通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する指定引当手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、識別子入力手段により識別子が入力されると、指定引当手段により、入力された識別子により特定される在庫物品に対して先日付出荷または通常出荷に係る出荷数量が荷姿単位で引き当てられ、引当が行われた物品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録される。
ここで、識別子としては、文字、記号、識別子その他識別可能な情報が含まれる。
【0018】
さらに、本発明に係る請求項6記載の在庫引当管理システムは、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の在庫引当管理システムにおいて、前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品について数量および予約の有無を含むレコードを登録し、前記後引当手段は、前記引当が行われた物品が属するレコードを、前記先日付出荷に係る出荷数量および予約済みを含む第1レコードと、分割前のレコードの登録数量から前記出荷数量を減算して得られる数量および未予約を含む1または複数の第2レコードに分割し、かつ、前記第1レコードおよび前記第2レコードを、分割後の数量を前記荷姿単位で区分した場合に区分数が最小となるように分割するようになっている。
【0019】
このような構成であれば、後引当手段により、引当が行われた物品が属するレコードが、先日付出荷に係る出荷数量および予約済みを含む第1レコードと、分割前のレコードの登録数量から出荷数量を減算して得られる数量および未予約を含む1または複数の第2レコードに分割される。このとき、第1レコードおよび第2レコードは、荷姿単位での区分数が最小となるように分割される。
【0020】
さらに、本発明に係る請求項7記載の在庫引当管理システムは、請求項6記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、分割前のレコードを保存する復元用在庫情報記憶手段を備え、前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品について、在庫ID、保存ID、前記荷姿の数量、前記物品の数量および予約の有無を含むレコードを登録し、前記後引当手段は、前記引当が行われた物品が属するレコードを前記復元用在庫情報記憶手段に保存し、前記引当が行われた物品が属するレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記第1レコードおよび前記第2レコードを、分割前のレコードの在庫IDを前記保存IDとして含むレコードとして前記在庫情報記憶手段に登録するようになっている。
このような構成であれば、後引当手段により、引当が行われた物品が属するレコードが復元用在庫情報記憶手段に保存され、引当が行われた物品が属するレコードが在庫情報記憶手段から削除される。そして、第1レコードおよび第2レコードが、分割前のレコードの在庫IDを保存IDとして含むレコードとして在庫情報記憶手段に登録される。
【0021】
さらに、本発明に係る請求項8記載の在庫引当管理システムは、請求項7記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の引当てが行われているもの以外の数量の合計を算出し、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量を取得し、前記算出した物品の数量の合計と、前記取得した物品の数量とが一致したときは、前記同一の保存IDを含みかつ未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記同一の在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段から読み出し、読み出したレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっている。
【0022】
このような構成であれば、引当解除手段により、引当解除に係る物品が属するレコードが未予約に書き換えられ、引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつ未予約のレコードが在庫情報記憶手段のなかから検索されて物品の引当てが行われているもの以外の数量の合計が算出される。また、引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードが復元用在庫情報記憶手段のなかから検索されて物品の数量が取得される。そして、算出された物品の数量の合計と、取得された物品の数量とが一致すると、同一の保存IDを含みかつ未予約のレコードが在庫情報記憶手段から削除される。また、同一の在庫IDを含むレコードが復元用在庫情報記憶手段から読み出され、読み出されたレコードが在庫情報記憶手段に登録される。
ここで、レコードの削除と登録は、任意の順序で行うことができ、いずれを先に行ってもよい。以下、請求項9および10記載の在庫引当管理システムにおいて同じである。
【0023】
さらに、本発明に係る請求項9記載の在庫引当管理システムは、請求項7記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品のシリアル番号を含むレコードを登録し、前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量の合計を算出し、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段のなかから検索して入目数量を算出し、前記算出した物品の数量の合計と、前記算出した入目数量とが一致したときは、前記同一の保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記算出した物品の数量の合計を含む前記荷姿単位のレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっている。
【0024】
このような構成であれば、引当解除手段により、引当解除に係る物品が属するレコードが未予約に書き換えられ、引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードが在庫情報記憶手段のなかから検索されて物品の数量の合計が算出される。また、引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードが復元用在庫情報記憶手段のなかから検索されて入目数量が算出される。そして、算出された物品の数量の合計と、算出された入目数量とが一致すると、同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードが在庫情報記憶手段から削除される。また、算出された物品の数量の合計を含む荷姿単位のレコードが在庫情報記憶手段に登録される。
【0025】
さらに、本発明に係る請求項10記載の在庫引当管理システムは、請求項7記載の在庫引当管理システムにおいて、さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品のシリアル番号を含むレコードを登録し、前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量の合計を算出し、前記同一の保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記算出した物品の数量の合計を含むレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっている。
【0026】
このような構成であれば、引当解除手段により、引当解除に係る物品が属するレコードが未予約に書き換えられ、引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードが在庫情報記憶手段のなかから検索されて物品の数量の合計が算出される。そして、同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードが在庫情報記憶手段から削除される。また、算出された物品の数量の合計を含むレコードが在庫情報記憶手段に登録される。
【0027】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項11記載の在庫引当管理方法は、1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理方法であって、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てる後引当ステップと、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当てる第1先引当ステップと、前記後引当ステップで行われた引当を解除し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当ステップで引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当てる第2先引当ステップとを含む。
【0028】
さらに、本発明に係る請求項12記載の在庫引当管理方法は、1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理方法であって、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録する後引当ステップと、出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第1先引当ステップと、前記後引当ステップで引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当ステップで引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第2先引当ステップとを含む。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明に係る請求項1若しくは2記載の在庫引当管理システム、または請求項11若しくは12記載の在庫引当管理方法によれば、先日付出荷および通常出荷について出荷順序を適切に確保することができるとともに、先日付出荷に係る予約と、対応する出荷時の引当内容との食い違いが発生する可能性を低減することができるという効果が得られる。
【0030】
さらに、本発明に係る請求項3記載の在庫引当管理システムによれば、物品の入庫が発生した場合は、先日付出荷についての引当が再引当されるので、入庫が発生しても出荷順序が損なわれないという効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項4記載の在庫引当管理システムによれば、荷姿を崩さないように受注を処理することができるという効果が得られる。
【0031】
さらに、本発明に係る請求項5記載の在庫引当管理システムによれば、任意の識別子により引当を行うことができるという効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項6記載の在庫引当管理システムによれば、未予約のレコードから予約分のレコードおよび未予約分のレコードが派生し、これが引当のたびに繰り返されるので、荷姿単位で引当管理を行うにあたってデータベースの管理が容易となるという効果が得られる。
【0032】
さらに、本発明に係る請求項7記載の在庫引当管理システムによれば、在庫IDおよび保存IDにより分割前後のレコードを関連付けることができるので、データベースの管理がさらに容易となるという効果が得られる。
さらに、本発明に係る請求項8ないし10記載の在庫引当管理システムによれば、引当が解除された場合に、荷姿単位での区分数が小さくなるようにレコードが統合されるので、データベースの管理がさらに容易となるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図22は、本発明に係る在庫引当管理システムおよび在庫引当管理方法の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用するコンピュータ100の構成を説明する。
図1は、コンピュータ100の構成を示すブロック図である。
コンピュータ100は、図1に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU30と、所定領域にあらかじめCPU30の制御プログラム等を格納しているROM32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0034】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44とが接続されている。
記憶装置42は、在庫を構成する商品を管理する在庫管理テーブル400を記憶している。
【0035】
図2は、在庫管理テーブル400のデータ構造を示す図である。
在庫管理テーブル400には、図2に示すように、荷姿単位でレコードが登録される。本実施の形態において「荷姿」とは、1または複数の物品を梱包してなるものであれば特に制限はなく、例えば、1つの物品を梱包する函、3つの物品を梱包する函、10個の物品を梱包する函などが挙げられる。荷姿は、2層構造や3層構造などの多層構造をとってもよい。3層構造のものとしては、例えば、外装、外函および小函の3層構造からなり、小函には1つの商品を、外函には3つの小函を、外装には5つの外函をそれぞれ梱包するものが挙げられる。各荷姿の梱包数についてはあくまで例示である。以下、この3層構造のものについて具体的に説明する。各レコードは、先日付出荷または通常出荷の受注を識別するための在庫IDを登録するフィールド402と、レコードの関連を識別するための保存IDを登録するフィールド404と、外装、外函、小函および商品の数量を登録するフィールド406〜412と、連続するシリアル番号で商品を特定する場合の開始シリアル番号および終了シリアル番号を登録するフィールド414,416と、引当の有無を登録するフィールド418とを含んで構成されている。その他、品名コード、品名、容量、シリアルメーカコード、シリアル年、シリアルセパレータ、メーカコード、メーカ名称、ロット、製造年月日、使用期限、荷姿区分、SPコード、SP名称、保管エリアコード、保管エリア名称およびロケーション番号をさらに含んで構成することもできる。
【0036】
図2の例では、外装の数量として「3」が、商品の数量として「45」が、開始シリアル番号として「S01」が、終了シリアル番号として「S45」が、引当状態として「未予約」がそれぞれ登録されている。これは、在庫には外装が3つあり、商品の総数が45個であることを示している。また、各商品には、S01〜S45のシリアル番号が対応付けられ、いずれも引当が行われていないことを示している。これら45個の商品は、外装というまとまった単位で存在しているため、1つのレコードで管理することができる。各商品ごとのレコードを生成する場合に比して、商品の引当状態が把握しやすく、データベースの管理も容易となる。
また、記憶装置42は、在庫管理テーブル400のレコードを保存する復元用保存テーブル420を記憶している。
【0037】
図3は、復元用保存テーブル420のデータ構造を示す図である。
復元用保存テーブル420は、図3に示すように、在庫管理テーブル400と同一のデータ構造を有している。
また、記憶装置42は、図示しないが、先日付出荷の受注については出荷予定日および在庫IDを対応付けて登録する出荷日付管理テーブルを記憶している。
CPU30は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図4、図7および図9のフローチャートに示す在庫引当管理処理、入庫調整処理および出荷移行処理をそれぞれ時分割で実行する。
【0038】
初めに、在庫引当管理処理を説明する。
図4は、在庫引当管理処理を示すフローチャートである。
在庫引当管理処理は、先日付出荷または通常出荷の受注、および先日付出荷の受注取消に応じて、在庫管理テーブル400に対してレコードの登録、削除および変更を行う処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、レコードの登録が入力装置40から要求されたか否かを判定し、レコードの登録が要求されたと判定したとき(Yes)は、ステップS102に移行して、製造順に引当を行う先引当か、製造の逆順に引当を行う後引当かを判定して引当処理を行う引当判定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0039】
一方、ステップS100で、レコードの登録が要求されないと判定したとき(No)は、ステップS104に移行して、レコードの削除または変更が入力装置40から要求されたか否かを判定し、レコードの削除または変更が要求されたと判定したとき(Yes)は、ステップS106に移行して、引当を解除する引当解除処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS104で、レコードの削除または変更が要求されないと判定したとき(No)は、ステップS100に移行する。
【0040】
次に、引当判定処理を説明する。
図5は、引当判定処理を示すフローチャートである。
引当判定処理は、ステップS102において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、開始シリアル番号の指定が入力装置40から入力されたか否かを判定し、開始シリアル番号の指定が入力されないと判定したとき(No)は、ステップS202に移行して、出荷予定日が先日付出荷であるか否かを判定し、出荷予定日が先日付出荷であると判定したとき(Yes)は、ステップS204に移行する。
【0041】
ステップS204では、出荷予定日が先日付出荷であるので、先日付出荷の受注として取り扱い、在庫を構成する商品のうち未予約のものに対して先日付出荷に係る出荷数量を製造の逆順に引き当てる。この処理では、シリアル連番、同一ロット、外装、外函およびロットの指定を伴うことができる。シリアル連番の指定が入力されたときは、連続するシリアル番号の未予約の商品に対して引当を行う。同一ロットの指定が入力されたときは、同一ロットの未予約の商品に対して引当を行う。外装の指定が入力されたときは、未予約の商品のうち外装単位で引当可能なものに対して引当を行う。外函およびロットの指定については、外装の指定と同様に引当を行う。異なるのは、取扱単位だけである。
【0042】
次いで、ステップS206に移行して、引当の結果に基づいて荷姿を崩す必要があるか否かを判定し、荷姿を崩す必要があると判定したとき(Yes)は、ステップS208に移行して、引当が行われた商品が属するレコードを復元用保存テーブル420に保存し、ステップS210に移行する。
ステップS210では、引当が行われた商品が属するレコードを、先日付出荷または通常出荷に係る出荷数量および予約予定のレコードと、分割前のレコードの登録数量から出荷数量を減算して得られる数量および未予約を含む1または複数の未予約レコードに分割する。レコードの分割は、分割後の数量を荷姿単位で区分した場合に区分数が最小となるように行う。また、分割後のレコードには、ユニークな在庫IDを設定し、分割前のレコードの在庫IDを保存IDとして設定する。
【0043】
次いで、ステップS212に移行して、引当が行われた商品が属するレコードを予約済みに書き換え、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS206で、荷姿を崩す必要がないと判定したとき(No)は、ステップS212に移行する。
一方、ステップS202で、出荷予定日が先日付出荷でないと判定したとき(No)は、ステップS214に移行する。
【0044】
ステップS214では、出荷予定日が先日付出荷でないので、通常出荷の受注として取り扱い、在庫を構成する商品のうち未予約のものに対して通常出荷に係る出荷数量を製造順に引き当てる。この処理では、シリアル連番、同一ロット、外装、外函およびロットの指定を伴うことができる。これらの指定については、ステップS204の処理と同様である。
【0045】
ステップS214の処理が終了すると、ステップS206に移行する。
一方、ステップS200で、開始シリアル番号の指定が入力されたと判定したとき(Yes)は、ステップS216に移行する。
ステップS216では、在庫を構成する商品のうち指定された開始シリアル番号により特定されるものに対して先日付出荷または通常出荷に係る出荷数量を引き当てる。この処理では、シリアル連番、同一ロット、外装、外函およびロットの指定を伴うことができる。これらの指定については、ステップS204の処理と同様である。
ステップS216の処理が終了すると、ステップS206に移行する。
【0046】
次に、引当解除処理を説明する。
図6は、引当解除処理を示すフローチャートである。
引当解除処理は、ステップS106において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、引当解除に係る商品が属するレコードを未予約に書き換える。引当解除に関する商品は、在庫IDの指定により特定する。
【0047】
次いで、ステップS306に移行して、レコードを元に戻すレコード復元処理を実行する。まず、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含むレコード(未予約のものに限る。)を在庫管理テーブル400のなかから検索する。その結果、該当のレコードを索出したときは、索出したレコードから商品の数量を取得し、取得した商品の数量の合計を算出する。また、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420のなかから検索する。その結果、該当のレコードを索出したときは、索出したレコードから商品の数量を取得する。そして、算出した商品の数量の合計と、取得した商品の数量とが一致したときは、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420から読み出し、読み出したレコードを在庫管理テーブル400に登録する。
【0048】
次いで、ステップS308に移行して、複数のレコードを元の荷姿の1つのレコードに統合する第1レコード統合処理を実行する。まず、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続するレコード(未予約のものに限る。)を在庫管理テーブル400のなかから検索する。その結果、該当の複数のレコードを索出したときは、索出したレコードから商品の数量を取得し、取得した商品の数量の合計を算出する。また、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420のなかから検索する。その結果、該当のレコードを索出したときは、索出したレコードから各荷姿の入目数量を算出する。外装の場合は、外装と外函の両方の入目数量を算出する。そして、算出した商品の数量の合計と、算出した入目数量とが一致したときは、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、算出した商品の数量の合計を含む荷姿単位のレコードを在庫管理テーブル400に登録する。新たに作成されるレコードには、新たな在庫ID、統合前のレコードの保存IDおよび未予約を設定する。なお、ステップS308では、レコード復元処理でレコードが統合された場合は処理を実行しない。
【0049】
次いで、ステップS310に移行して、複数のレコードを同じ荷姿の1つのレコードに統合する第2レコード統合処理を実行する。まず、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する同一荷姿のレコード(未予約のものに限る。)を在庫管理テーブル400のなかから検索する。その結果、該当の複数のレコードを索出したときは、索出したレコードから商品の数量を取得し、取得した商品の数量の合計を算出する。そして、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、算出した商品の数量の合計を含む同一荷姿のレコードを在庫管理テーブル400に登録する。新たに作成されるレコードには、新たな在庫ID、統合前のレコードの保存IDおよび未予約を設定する。なお、ステップS310では、レコード復元処理または第1レコード統合処理でレコードが統合された場合は処理を実行しない。
【0050】
次いで、ステップS312に移行して、ステップS306〜S310でレコードの復元または統合が行われたか否かを判定し、レコードの復元または統合が行われないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS312で、レコードの復元または統合が行われたと判定したとき(Yes)は、ステップS314に移行して、復元レコードを対象レコードに置き換え、ステップS306に移行する。
【0051】
次に、入庫調整処理を説明する。
図7は、入庫調整処理を示すフローチャートである。
入庫調整処理は、入庫処理後に後引当データに対して再引当を行う処理であって、CPU30において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、入庫処理が発生したか否かを判定し、入庫処理が発生したと判定したとき(Yes)は、ステップS402に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、入庫処理が発生するまでステップS400で待機する。
【0052】
ステップS402では、後引当データ(後引当が行われた商品が属するレコード)が在庫管理テーブル400に存在するか否かを判定し、後引当データが存在すると判定したとき(Yes)は、ステップS404に移行する。
ステップS404では、後引当データに対して後引当を行う第1再引当処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS402で、後引当データが存在しないと判定したとき(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0053】
次に、第1再引当処理を説明する。
図8は、第1再引当処理を示すフローチャートである。
第1再引当処理は、ステップS404において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、ステップS106と同様の引当解除処理を実行し、ステップS502に移行して、ステップS204と同様の後引当処理を実行し、ステップS504に移行する。
【0054】
ステップS504〜S510では、ステップS206〜S212と同様の処理を実行し、ステップS512に移行して、すべての後引当データについてステップS500〜S510の処理を終了したか否かを判定し、すべての後引当データについて処理が終了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS512で、すべての後引当データについて処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS500に移行する。
【0055】
次に、出荷移行処理を説明する。
図9は、出荷移行処理を示すフローチャートである。
出荷移行処理は、出荷予定日当日の後引当データに対して再引当を行う処理であって、CPU30において実行されると、図9に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、現在時刻が所定時刻(例えば、午前0時)になったか否かを判定し、所定時刻になったと判定したとき(Yes)は、ステップS602に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、所定時刻になるまでステップS600で待機する。
【0056】
ステップS602では、本日出荷分の後引当データが在庫管理テーブル400に存在するか否かを判定し、後引当データが存在すると判定したとき(Yes)は、ステップS604に移行する。
ステップS604では、本日出荷分の後引当データに対して先引当を行う第2再引当処理を実行し、ステップS606に移行して、在庫管理テーブル400に基づいて本日出荷分の出荷予定を作成する出荷予定作成処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS602で、本日出荷分の後引当データが存在しないと判定したとき(No)は、ステップS606に移行する。
【0057】
次に、第2再引当処理を説明する。
図10は、第2再引当処理を示すフローチャートである。
第2再引当処理は、ステップS604において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS700に移行する。
ステップS700では、ステップS106と同様の引当解除処理を実行し、ステップS702に移行して、ステップS214と同様の先引当処理を実行し、ステップS704に移行する。
【0058】
ステップS704〜S710では、ステップS206〜S212と同様の処理を実行し、ステップS712に移行して、すべての後引当データについてステップS700〜S710の処理を終了したか否かを判定し、すべての後引当データについて処理が終了したと判定したとき(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS712で、すべての後引当データについて処理が終了しないと判定したとき(No)は、ステップS700に移行する。
【0059】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
(1)初めに、通常出荷の受注が発生した場合を説明する。
図11は、通常出荷の受注が発生した場合を説明する図である。
図11は、在庫に外装が3つあり、各商品には、S01〜S45のシリアル番号が対応付けられている場合を示している。シリアル番号は、製造順に付与される。以下、図12〜図22において同じである。
【0060】
通常出荷の受注が発生すると、ステップS214,S206〜S212を経て、未予約の在庫商品に対してその通常出荷に係る出荷数量が製造順に引き当てられ、先引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図11の例では、例えば、出荷数量が6個である場合は、S01〜S06の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。そして、出荷の際には、S01〜S06の商品を含む2つの外函が出荷される。
したがって、通常出荷については、製造順方式で引当管理を行うことができる。
【0061】
(2)次に、先日付出荷の受注が発生した場合を説明する。
図12は、先日付出荷の受注が発生した場合を説明する図である。
先日付出荷の受注が発生すると、ステップS204〜S212を経て、未予約の在庫商品に対してその先日付出荷に係る出荷数量が製造の逆順に引き当てられ、後引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図12(a)の例では、例えば、出荷数量が6個である場合は、S40〜S45の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。
【0062】
その後、出荷予定日が到来すると、ステップS604を経て、後引当が行われた商品に対して未予約が在庫管理テーブル400に登録される。そして、未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量が製造順に再度引き当てられ、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図12(b)の例では、S40〜S45の商品が未予約となり、S01〜S06の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。そして、出荷の際には、S01〜S06の商品を含む2つの外函が出荷される。
したがって、先日付出荷については、製造順方式で引当管理を行うことができる。また、出荷予定日が先日付出荷の段階では、在庫の後段に引き当てられるので、通常出荷に対する引当を阻害することなく、先日付出荷に係る予約と、対応する出荷時の引当内容との食い違いも発生しにくい。
【0063】
(3)次に、先日付出荷の受注を処理した後に入庫処理が発生した場合を説明する。
図13は、先日付出荷の受注を処理した後に入庫処理が発生した場合を説明する図である。
先日付出荷の受注が発生すると、ステップS204〜S212を経て、未予約の在庫商品に対してその先日付出荷に係る出荷数量が製造の逆順に引き当てられ、後引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図13(a)の例では、例えば、出荷数量が6個である場合は、S40〜S45の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。
【0064】
その後、入庫処理が発生すると、ステップS404を経て、後引当が行われた商品に対して未予約が在庫管理テーブル400に登録される。そして、未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量が製造の逆順に再度引き当てられ、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図13(b)の例では、例えば、外装単位で15個の商品が入庫された場合は、S40〜S45の商品が未予約となり、S55〜S60の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。
【0065】
その後、出荷予定日が到来すると、ステップS604を経て、後引当が行われた商品に対して未予約が在庫管理テーブル400に登録される。そして、未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量が製造順に再度引き当てられ、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みが荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録される。図13(c)の例では、S55〜S60の商品が未予約となり、S01〜S06の商品が予約済みとなって出荷待ちとなる。そして、出荷の際には、S01〜S06の商品を含む2つの外函が出荷される。
【0066】
(4)次に、受注に伴って発生するデータ処理の動作を説明する。
図14は、すべての商品が未予約である場合を示す図である。
いま、在庫には、図14(a)に示すように、外装が3つあり、各商品には、S01〜S45のシリアル番号が対応付けられている。在庫管理テーブル400は、図14(b)に示すように、S01〜S45の商品について未予約のレコードが1つ登録されている。
【0067】
図15は、開始シリアル番号を指定して引当を行う場合を示す図である。
出荷数量が1個の受注に対して開始シリアル番号「S20」が指定されると、図15(a)に示すように、S20の商品に対して引当が行われる。この引当により荷姿を崩す必要があるので、在庫管理テーブル400においては、図15(b)に示すように、引当が行われた商品が属するレコード(1,0)(在庫ID=1、保存ID=0のレコードをいう。以下、同様に略記する。)が7つのレコードに分割される。分割の結果、未予約のレコードが6つとなり、その内訳は、S01〜S15の商品が外装1個の単位で、S16〜S18の商品が外函1個の単位で、S19の商品が小函1個の単位で、S22〜S30の商品が外函3個の単位で、S31〜S45の商品が外装1個の単位で、S21の商品が小函1個の単位でそれぞれ管理される。また、予約済みのレコードが1つとなり、その内訳は、S20の商品が小函1個の単位で管理される。このように、レコードの分割は、荷姿単位で区分した場合に区分数が最小となるように行われる。
【0068】
図16は、出荷数量を指定して後引当を行う場合を示す図である。
出荷数量が1個の先日付出荷の受注に対して出荷数量のみが指定されると、先日付出荷の受注であるので、図16(a)に示すように、未予約の在庫商品のうちシリアル番号が最も大きいS45の商品に対して引当が行われる。この引当により荷姿を崩す必要があるので、在庫管理テーブル400においては、図16(b)に示すように、引当が行われた商品が属するレコード(7,1)が3つのレコードに分割される。分割の結果、未予約のレコードが2つとなり、その内訳は、S31〜S42の商品が外函4個の単位で、S43,S44の商品が小函2個の単位でそれぞれ管理される。また、予約済みのレコードが1つとなり、その内訳は、S45の商品が小函1個の単位で管理される。
【0069】
図17は、外函を指定して後引当を行う場合を示す図である。
次に、出荷数量が3個の先日付出荷の受注に対して外函が指定されると、先日付出荷の受注であるので、図17(a)に示すように、未予約の在庫商品のうち外函単位で引当可能なシリアル番号が最も大きいS40〜S42の商品に対して引当が行われる。この引当により荷姿を崩す必要があるので、在庫管理テーブル400においては、図17(b)に示すように、引当が行われた商品が属するレコード(10,7)が2つのレコードに分割される。分割の結果、未予約のレコードが1つとなり、その内訳は、S31〜S39の商品が外函3個の単位で管理される。また、予約済みのレコードが1つとなり、その内訳は、S40〜S42の商品が外函1個の単位で管理される。
【0070】
図18は、S40〜S42の商品の引当に対して再引当を行う場合を示す図である。
次に、S40〜S42の商品に対して引当を行った発注の出荷予定日が到来すると、図18(a)に示すように、S40〜S42の商品が未予約となる。この引当解除により、図18(b)に示すように、2つのレコード(13,10),(14,10)が1つのレコード(10,7)に統合される。レコードの統合については後段(5)で詳述する。
【0071】
また、図18(a)に示すように、未予約の在庫商品のうち外函単位で引当可能なシリアル番号が最も小さいS01〜S03の商品に対して再引当が行われる。この引当により荷姿を崩す必要があるので、在庫管理テーブル400においては、図18(b)に示すように、引当が行われた商品が属するレコード(2,1)が2つのレコードに分割される。分割の結果、未予約のレコードが1つとなり、その内訳は、S04〜S15の商品が外函4個の単位で管理される。また、予約済みのレコードが1つとなり、その内訳は、S01〜S03の商品が外函1個の単位で管理される。
【0072】
図19は、S45の商品の引当に対して再引当を行う場合を示す図である。
次に、S45の商品に対して引当を行った発注の出荷予定日が到来すると、図19(a)に示すように、S45の商品が未予約となる。この引当解除により、図19(b)に示すように、3つのレコード(10,7),(11,7),(12,7)が1つのレコード(7,1)に統合される。レコードの統合については後段(5)で詳述する。
【0073】
また、図19(a)に示すように、未予約の在庫商品のうちシリアル番号が最も小さいS04の商品に対して再引当が行われる。この引当により荷姿を崩す必要があるので、在庫管理テーブル400においては、図19(b)に示すように、引当が行われた商品が属するレコード(16,2)が3つのレコードに分割される。分割の結果、未予約のレコードが2つとなり、その内訳は、S05,S06の商品が小函2個の単位で、S07〜S15の商品が外函3個の単位でそれぞれ管理される。また、予約済みのレコードが1つとなり、その内訳は、S04の商品が小函1個の単位で管理される。
【0074】
(5)次に、引当解除に伴って発生するデータ処理の動作を説明する。
初めに、ステップS306のレコード復元処理の動作を説明する。
図20は、レコード復元処理を行う場合を示す図である。
図20(a)に示すように、S01〜S45の商品のうちS20の商品が予約済みである場合において、S20の商品について引当解除を行うと、図20(b)に示すように、引当解除に係る商品が属するレコードの在庫IDが「8」であるので、レコード(8,1)が未予約となる。
【0075】
次いで、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDが「1」であるので、保存ID「1」を含む未予約のレコードが在庫管理テーブル400のなかから検索される。その結果、7つのレコード(2,1),(3,1),(4,1),(6,1),(7,1),(8,1),(9,1)が索出されるので、索出されたレコードから商品の数量が取得され、取得された商品の数量の合計が算出される。数量の合計は「45」である。
【0076】
また、保存ID「1」と同一の在庫IDを含むレコードが復元用保存テーブル420のなかから検索される。その結果、レコード(1,0)が索出されるので、索出されたレコードから商品の数量が取得される。数量は「45」である。
そして、算出された商品の数量の合計と、取得された商品の数量とが一致するので、図20(c)に示すように、レコード(1,0)が復元用保存テーブル420から読み出されて在庫管理テーブル400に登録される。また、レコード(2,1),(3,1),(4,1),(6,1),(7,1),(8,1),(9,1)が在庫管理テーブル400から削除される。
【0077】
次に、ステップS308の第1レコード統合処理の動作を説明する。
図21は、第1レコード統合処理を行う場合を示す図である。
図21(a)に示すように、S01〜S45の商品のうちS20,S31〜S33,S45の商品が予約済みである場合において、S45の商品について引当解除を行うと、図21(b)に示すように、引当解除に係る商品が属するレコードの在庫IDが「12」であるので、レコード(12,7)が未予約となる。
【0078】
次いで、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDが「7」であるので、保存ID「7」を含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードが在庫管理テーブル400のなかから検索される。その結果、2つのレコード(11,7),(12,7)が索出されるので、索出されたレコードから商品の数量が取得され、取得された商品の数量の合計が算出される。数量の合計は「3」である。
【0079】
また、保存ID「7」と同一の在庫IDを含むレコードが復元用保存テーブル420のなかから検索される。その結果、レコード(7,1)が索出されるので、索出されたレコードから各荷姿の入目数量が算出される。外函の入目数量は「3」である。
そして、算出された商品の数量の合計と、算出された入目数量とが一致するので、図21(c)に示すように、S43〜S45の商品について外函単位のレコード(15,7)が在庫管理テーブル400に登録される。また、レコード(11,7),(12,7)が在庫管理テーブル400から削除される。
【0080】
次に、ステップS310の第2レコード統合処理の動作を説明する。
図22は、第2レコード統合処理を行う場合を示す図である。
図22(a)に示すように、S01〜S45の商品のうちS20,S31〜S33,S43,S45の商品が予約済みである場合において、S45の商品について引当解除を行うと、図22(b)に示すように、引当解除に係る商品が属するレコードの在庫IDが「12」であるので、レコード(12,7)が未予約となる。
【0081】
次いで、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDが「7」であるので、保存ID「7」を含みかつシリアル番号が連続する同一荷姿の未予約のレコードが在庫管理テーブル400のなかから検索される。その結果、2つのレコード(12,7),(16,7)が索出されるので、索出されたレコードから商品の数量が取得され、取得された商品の数量の合計が算出される。数量の合計は「2」である。なお、レコード(15,7)も保存IDが「7」であるが、予約済みであるので対象から除外される。
そして、図22(c)に示すように、算出された商品の数量の合計を含む同一荷姿のレコード(17,7)が在庫管理テーブル400に登録される。また、レコード(12,7),(16,7)が在庫管理テーブル400から削除される。
【0082】
このようにして、本実施の形態では、先日付出荷については、未予約の在庫商品に対して出荷数量を荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録し、通常出荷については、未予約の在庫商品に対して出荷数量を荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録し、後引当が行われた商品に対して未予約を在庫管理テーブル400に登録し、未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量を荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
【0083】
これにより、先日付出荷および通常出荷について出荷順序を適切に確保することができるとともに、先日付出荷に係る予約と、対応する出荷時の引当内容との食い違いが発生する可能性を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、入庫処理が発生したときは、後引当が行われた商品に対して未予約を在庫管理テーブル400に登録し、入庫分を含む未予約の在庫商品に対して、後引当が行われた商品に係る出荷数量を荷姿単位で製造の逆順に再度引き当て、再引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
【0084】
これにより、入庫処理が発生した場合は、先日付出荷についての引当が再引当されるので、入庫処理が発生しても出荷順序が損なわれない。
さらに、本実施の形態では、荷姿の指定が入力されたときは、未予約の在庫商品のうち荷姿単位で引当可能なものに対して出荷数量を荷姿単位で製造の逆順に引き当てるようになっている。
【0085】
これにより、荷姿を崩さないように受注を処理することができる。
さらに、本実施の形態では、未予約の在庫商品のうち指定されたシリアル番号により特定されるものに対して出荷数量を荷姿単位で引き当て、引当が行われた商品に対して出荷数量および予約済みを荷姿単位で在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
これにより、任意のシリアル番号により引当を行うことができる。
【0086】
さらに、本実施の形態では、引当が行われた商品が属するレコードを、先日付出荷または通常出荷に係る出荷数量および予約済みを含む予約済みレコードと、分割前のレコードの登録数量から出荷数量を減算して得られる数量および未予約を含む1または複数の未予約レコードに分割し、かつ、レコードの分割は、分割後の数量を荷姿単位で区分した場合に区分数が最小となるように行うようになっている。
【0087】
これにより、未予約のレコードから予約分のレコードおよび未予約分のレコードが派生し、これが引当のたびに繰り返されるので、荷姿単位で引当管理を行うにあたってデータベースの管理が容易となる。
さらに、本実施の形態では、引当が行われた商品が属するレコードを復元用保存テーブル420に保存し、引当が行われた商品が属するレコードを在庫管理テーブル400から削除し、分割後のレコードは、分割前のレコードの在庫IDを保存IDとして含むレコードとして在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
これにより、在庫IDおよび保存IDにより分割前後のレコードを関連付けることができるので、データベースの管理がさらに容易となる。
【0088】
さらに、本実施の形態では、引当解除に係る商品が属するレコードを未予約にし、そのレコードの保存IDと同一の保存IDを含む未予約のレコードを在庫管理テーブル400のなかから検索して商品の数量の合計を算出し、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420のなかから検索して商品の数量を取得し、算出した商品の数量の合計と、取得した商品の数量とが一致したときは、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420から読み出し、読み出したレコードを在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
これにより、引当が解除された場合に、荷姿単位での区分数が小さくなるようにレコードが統合されるので、データベースの管理がさらに容易となる。
【0089】
さらに、本実施の形態では、引当解除に係る商品が属するレコードを未予約にし、そのレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する未予約のレコードを在庫管理テーブル400のなかから検索して商品の数量の合計を算出し、引当解除に係る商品が属するレコードの保存IDと同一の在庫IDを含むレコードを復元用保存テーブル420のなかから検索して入目数量を算出し、算出した商品の数量の合計と、算出した入目数量とが一致したときは、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、算出した商品の数量の合計を含む荷姿単位のレコードを在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
これにより、引当が解除された場合に、荷姿単位での区分数が小さくなるようにレコードが統合されるので、データベースの管理がさらに容易となる。
【0090】
さらに、本実施の形態では、引当解除に係る商品が属するレコードを未予約にし、そのレコードの保存IDと同一の保存IDを含みかつシリアル番号が連続する同一荷姿の未予約のレコードを在庫管理テーブル400のなかから検索して商品の数量の合計を算出し、索出した同一の保存IDを含むレコードを在庫管理テーブル400から削除し、算出した商品の数量の合計を含むレコードを在庫管理テーブル400に登録するようになっている。
これにより、引当が解除された場合に、荷姿単位での区分数が小さくなるようにレコードが統合されるので、データベースの管理がさらに容易となる。
【0091】
上記実施の形態において、入力装置40は、請求項4記載の荷姿指定入力手段、または請求項5記載の識別子入力手段に対応し、在庫管理テーブル400は、請求項2、3、5ないし10または12記載の在庫情報記憶手段に対応し、復元用保存テーブル420は、請求項7ないし9記載の復元用在庫情報記憶手段に対応している。また、ステップS204,S208〜S212は、請求項1ないし4、6若しくは7記載の後引当手段、または請求項11若しくは12記載の後引当ステップに対応し、ステップS214,S208〜S212は、請求項1若しくは2記載の第1先引当手段、または請求項11若しくは12記載の第1先引当ステップに対応している。
【0092】
また、上記実施の形態において、ステップS404は、請求項3記載の再後引当手段に対応し、ステップS604は、請求項1若しくは2記載の第2先引当手段、または請求項11若しくは12記載の第2先引当ステップに対応し、ステップS216,S208〜S212は、請求項5記載の指定引当手段に対応している。また、シリアル番号は、請求項5記載の識別子に対応している。
上記実施の形態において、ステップS306は、請求項8記載の引当解除手段に対応している。
上記実施の形態において、ステップS308は、請求項9記載の引当解除手段に対応している。
上記実施の形態において、ステップS310は、請求項10記載の引当解除手段に対応している。
【0093】
なお、上記実施の形態においては、在庫管理テーブル400および復元用保存テーブル420をコンピュータ100に設けて構成したが、これに限らず、在庫管理テーブル400または復元用保存テーブル420を外部の端末に設け、ネットワークを介してコンピュータ100がその外部端末のテーブルを利用するように構成することもできる。
また、上記実施の形態において、図4ないし図10のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0094】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
また、上記実施の形態においては、本発明に係る在庫引当管理システムおよび在庫引当管理方法を、商品の在庫を管理する場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】コンピュータ100の構成を示すブロック図である。
【図2】在庫管理テーブル400のデータ構造を示す図である。
【図3】復元用保存テーブル420のデータ構造を示す図である。
【図4】在庫引当管理処理を示すフローチャートである。
【図5】引当判定処理を示すフローチャートである。
【図6】引当解除処理を示すフローチャートである。
【図7】入庫調整処理を示すフローチャートである。
【図8】第1再引当処理を示すフローチャートである。
【図9】出荷移行処理を示すフローチャートである。
【図10】第2再引当処理を示すフローチャートである。
【図11】通常出荷の受注が発生した場合を説明する図である。
【図12】先日付出荷の受注が発生した場合を説明する図である。
【図13】先日付出荷の受注を処理した後に入庫処理が発生した場合を説明する図である。
【図14】すべての商品が未予約である場合を示す図である。
【図15】開始シリアル番号を指定して引当を行う場合を示す図である。
【図16】出荷数量を指定して後引当を行う場合を示す図である。
【図17】外函を指定して後引当を行う場合を示す図である。
【図18】S40〜S42の商品の引当に対して再引当を行う場合を示す図である。
【図19】S45の商品の引当に対して再引当を行う場合を示す図である。
【図20】レコード復元処理を行う場合を示す図である。
【図21】第1レコード統合処理を行う場合を示す図である。
【図22】第2レコード統合処理を行う場合を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
100…コンピュータ, 30…CPU, 32…ROM, 34…RAM, 38…I/F, 39…バス, 40…入力装置, 42…記憶装置, 44……表示装置, 400…在庫管理テーブル, 420…復元用保存テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理システムであって、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てる後引当手段と、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当てる第1先引当手段と、
前記後引当手段で行われた引当を解除し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当てる第2先引当手段とを備えることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項2】
1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理システムであって、
在庫を構成する前記物品について数量および予約の有無を記憶する在庫情報記憶手段と、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する後引当手段と、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第1先引当手段と、
前記後引当手段で引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第2先引当手段とを備えることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項3】
請求項2において、
さらに、前記物品の入庫が発生したときは、前記後引当手段で引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記入庫分を含む在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当手段で引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する再後引当手段を備えることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項4】
請求項2および3のいずれか1項において、
さらに、前記荷姿の指定を入力する荷姿指定入力手段を備え、
前記後引当手段は、前記荷姿指定入力手段で前記荷姿の指定が入力されたときは、前記在庫を構成する物品のうち前記荷姿指定入力手段の入力で指定された荷姿単位で引当可能な未予約のものに対して前記先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てるようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項において、
前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品の識別子を記憶し、
さらに、前記識別子を入力する識別子入力手段と、
前記在庫を構成する物品のうち前記識別子入力手段で入力した識別子により特定されるものに対して前記先日付出荷または前記通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する指定引当手段とを備えることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項において、
前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品について数量および予約の有無を含むレコードを登録し、
前記後引当手段は、前記引当が行われた物品が属するレコードを、前記先日付出荷に係る出荷数量および予約済みを含む第1レコードと、分割前のレコードの登録数量から前記出荷数量を減算して得られる数量および未予約を含む1または複数の第2レコードに分割し、かつ、前記第1レコードおよび前記第2レコードを、分割後の数量を前記荷姿単位で区分した場合に区分数が最小となるように分割するようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項7】
請求項6において、
さらに、分割前のレコードを保存する復元用在庫情報記憶手段を備え、
前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品について、在庫ID、保存ID、前記荷姿の数量、前記物品の数量および予約の有無を含むレコードを登録し、
前記後引当手段は、前記引当が行われた物品が属するレコードを前記復元用在庫情報記憶手段に保存し、前記引当が行われた物品が属するレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記第1レコードおよび前記第2レコードを、分割前のレコードの在庫IDを前記保存IDとして含むレコードとして前記在庫情報記憶手段に登録するようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項8】
請求項7において、
さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、
前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の引当てが行われているもの以外の数量の合計を算出し、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量を取得し、前記算出した物品の数量の合計と、前記取得した物品の数量とが一致したときは、前記同一の保存IDを含みかつ未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記同一の在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段から読み出し、読み出したレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項9】
請求項7において、
さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、
前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品のシリアル番号を含むレコードを登録し、
前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量の合計を算出し、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記在庫IDを含むレコードを前記復元用在庫情報記憶手段のなかから検索して入目数量を算出し、前記算出した物品の数量の合計と、前記算出した入目数量とが一致したときは、前記同一の保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記算出した物品の数量の合計を含む前記荷姿単位のレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項10】
請求項7において、
さらに、引当を解除する引当解除手段を備え、
前記在庫情報記憶手段は、前記在庫を構成する物品についてさらに前記物品のシリアル番号を含むレコードを登録し、
前記引当解除手段は、引当解除に係る物品が属するレコードを未予約に書き換え、前記引当解除に係る物品が属するレコードの保存IDと同一の前記保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段のなかから検索して前記物品の数量の合計を算出し、前記同一の保存IDを含みかつ前記シリアル番号が連続する未予約のレコードを前記在庫情報記憶手段から削除し、前記算出した物品の数量の合計を含むレコードを前記在庫情報記憶手段に登録するようになっていることを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項11】
1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理方法であって、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当てる後引当ステップと、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当てる第1先引当ステップと、
前記後引当ステップで行われた引当を解除し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当ステップで引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当てる第2先引当ステップとを含むことを特徴とする在庫引当管理方法。
【請求項12】
1または複数の予約済みまたは未予約の状態にある物品を梱包してなる荷姿単位で在庫の引当を管理する在庫引当管理方法であって、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行わない先日付出荷については、在庫を構成する前記物品のうち未予約のものに対して当該先日付出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造の逆順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で在庫情報記憶手段に登録する後引当ステップと、
出荷予定日の指定日付により即日出荷作業を行う通常出荷については、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して当該通常出荷に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に引き当て、引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第1先引当ステップと、
前記後引当ステップで引当が行われた物品に対して未予約を前記在庫情報記憶手段に登録し、前記在庫を構成する物品のうち未予約のものに対して前記後引当ステップで引当が行われた物品に係る出荷数量を前記荷姿単位で製造順に再度引き当て、再引当が行われた物品に対して前記出荷数量および予約済みを前記荷姿単位で前記在庫情報記憶手段に登録する第2先引当ステップとを含むことを特徴とする在庫引当管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−318280(P2006−318280A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141338(P2005−141338)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000237156)株式会社エフ・エフ・シー (100)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】