説明

在庫管理方法と在庫管理システム

【課題】 汎用の携帯端末を用いて、棚卸し、入出庫等の在庫管理を可能にする。
【構成】 携帯端末とサーバとにより在庫管理を行う。サーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報とを含む光学的コードを媒体にプリントし、保管場所に貼付する。サーバは保管場所毎の在庫情報を記憶し、携帯端末のカメラで保管場所の光学的コードを撮像してデコードし、ネットワークアドレスと保管場所とを含む情報により、前記サーバにアクセスする。サーバは携帯端末へ在庫情報を送信し、携帯端末のブラウザ上で在庫情報を編集し、編集された在庫情報を前記サーバへ送信する。サーバは編集された在庫情報により在庫情報の記憶を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は携帯端末を用いた在庫管理に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(JP2001-338033A)は、携帯端末にバーコードリーダを設け、パレットのバーコードを読み取ってコントローラへ送信し、作業指示を受信することを開示している。また配送業界では、作業の確認のために、荷物に付された2次元コードを携帯端末のリーダで読み取ることが行われている。しかしながら携帯端末で物品のバーコードを読み取り、在庫の変更、入庫、出庫等の情報処理を行うには、携帯端末が在庫管理用のプログラムを記憶している必要がある。このため専用の携帯端末を導入するか、もしくは汎用の携帯電話機等に対応したプログラムを作成する必要があり、コストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP2001-338033A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、汎用の携帯端末を用いて、入出庫、棚卸し等の在庫管理を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、カメラと光学的コードのデコード機能とブラウザ機能とを備えた携帯端末と、サーバとにより在庫管理を行う方法であって、
少なくともサーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報とを含む光学的コードを媒体にプリントするステップと、
プリントされた光学的コードを前記保管場所に貼付するステップと、
前記サーバが保管場所毎の在庫情報を記憶するステップと、
前記携帯端末のカメラで保管場所の光学的コードを撮像するステップと、
撮像された光学的コードを前記デコード機能でデコードし、前記ネットワークアドレスと保管場所とを含む情報により、前記サーバにアクセスするステップと、
前記サーバから前記携帯端末へ前記保管場所での在庫情報を送信するステップと、
前記携帯端末のブラウザにより前記在庫情報を表示し、ブラウザ上で在庫情報を編集し、編集された在庫情報を前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバが編集された在庫情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とを実行することを特徴とする。
【0006】
またこの発明は、カメラと光学的コードのデコード機能とブラウザ機能とを備えた携帯端末と、サーバとにより在庫管理を行うシステムであって、
少なくともサーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報とを含む光学的コードが媒体にプリントされて、前記保管場所に貼付されており、
前記サーバは、保管場所毎の在庫情報を記憶し、携帯端末からネットワークアドレスと保管場所とを含む情報によりアクセスされると、保管場所の在庫情報を携帯端末へ送信し、かつ編集された在庫情報を携帯端末から受信して在庫情報の記憶を更新するように構成され、
前記携帯端末により、保管場所の光学的コードをカメラで撮像し、前記デコード機能でデコードして、前記ネットワークアドレスと保管場所とを含む情報により前記サーバにアクセスし、ブラウザを介して前記サーバから送信された在庫情報を表示すると共に在庫情報を編集し、編集された在庫情報を前記サーバへ送信する、ように構成されていることを特徴とする。
【0007】
光学的コードは例えば2次元コードである。携帯端末は、携帯電話機及びスマートフォン等の汎用の携帯通信端末で、カメラとコードのデコーダ、及びブラウザを備えたものである。この発明では、サーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報が光学的コードに含まれているので、この情報によりサーバへアクセスでき、どの保管場所のデータを処理するのかも特定できる。そこでサーバから携帯端末に、コードで特定された保管場所の在庫情報をHTML,XML等の形式で送信すると、携帯端末ではブラウザ上で在庫情報を編集し、サーバへ送信できる。そしてサーバは、受信した在庫情報により在庫情報の記憶を更新する。携帯端末に必要な機能はカメラとデコード機能、ブラウザ機能等で、通常の携帯端末が備えているものである。サーバの特定と在庫情報の特定はコード中のデータによりなされ、在庫情報の編集はブラウザ上で行えるので、携帯端末は在庫管理用のプログラムを必要としない。このため汎用の携帯端末で、在庫管理が行える。なおこの明細書で、在庫管理方法に関する記載はそのまま在庫管理システムにも当てはまり、在庫管理システムに関する記載はそのまま在庫管理方法に当てはまる。
【0008】
またこの発明は、携帯端末とサーバとにより在庫管理を行う方法であって、前記サーバにより保管場所毎の在庫情報を記憶するステップと、前記サーバが、保管場所に貼付された光学的コードを撮像しデコードした携帯端末からのアクセスを受け付け、光学的コードの情報に基づいて携帯端末へ保管場所の在庫情報を送信するステップと、前記サーバが、携帯端末から編集された在庫情報を受信し、編集された在庫情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とを実行することを特徴とする。このようにすると、保管場所の光学的コードを読み取り、デコードしてアクセスした携帯端末に在庫情報を送信し、携帯端末での編集を受け付けて在庫情報を更新することにより、在庫管理が行える。そして専用の携帯端末、あるいは在庫管理プログラム等を記憶した携帯端末を必要としない。
【0009】
好ましくは、少なくともサーバのネットワークアドレスと入出庫作業を特定する情報とを含む入出庫作業用の光学的コードと、前記入出庫作業の内容とを媒体にプリントするステップと、プリントされた入出庫作業の内容に従い、物品を入出庫するステップと、入出庫作業用の光学的コードを前記携帯端末のカメラで撮像するステップと、撮像された光学的コードを前記デコード機能でデコードし、前記ネットワークアドレスと入出庫作業を特定する情報とにより、前記サーバにアクセスするステップと、前記サーバから前記携帯端末へ入出庫作業の内容の情報を送信するステップと、前記携帯端末のブラウザにより前記入出庫作業の内容の情報を表示し、ブラウザ上で入出庫作業の内容の情報を編集し、編集された入出庫作業の内容の情報を前記サーバへ送信するステップと、前記サーバが編集された入出庫作業の内容の情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とをさらに実行する。このようにすると、携帯端末のカメラで光学的コードを読み取ることにより、入出庫作業の内容の情報を携帯端末に表示できる。そしてブラウザ上で入出庫作業の内容の情報を確認あるいは修正し、サーバへ送信できる。そしてサーバは編集された入出庫作業の内容の情報により在庫情報の記憶を更新する。以上のように、汎用の携帯端末のブラウザ上で入出庫作業の内容の情報を編集し、サーバへ報告できる。


【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例の在庫管理システムの構成を示す図
【図2】実施例での在庫管理方法を示すフローチャート
【図3】実施例での棚の2次元コードの読み取りから棚問い合わせまでの手続を示す図
【図4】実施例での棚問い合わせから棚卸しへの推移を示す図
【図5】実施例での出庫アルゴリズムを示すフローチャート
【図6】実施例での出庫の指示と報告とを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例】
【0012】
図1〜図6に、実施例の在庫管理システム2と在庫管理方法とを示す。図において、4は携帯端末で、汎用の携帯電話機あるいはスマートフォン等から成り、QRコード(登録商標)などのプリントされた2次元コード5をカメラ6で撮像し、コード処理部7でデコードする。携帯端末4は不図示のアンテナ及び通信部を備え、ブラウザ8を介してインターネット11などのネットワークを介して、サーバ14から受信したHTML文書等を表示し、HTML文書等への作業者の入力パラメータをサーバ14へ送信できる。HTML文書等の受信文書を表示し、受信文書への入力パラメータを返信することは、通常のブラウザが備えている機能である。なおHTML文書等の文書に限らず、サーバ14から在庫管理用のプログラムを受信して、ブラウザ8上で携帯端末4により実行するようにしても良い。9はキーボードで他の入力機能でも良く,10は表示パネルで、キーボード9に代えて表示パネル10にタッチパネルを設けても良い。
【0013】
11はインターネットで、LANなどのネットワークでも良い。12はパーソナルコンピュータ、13はプリンタで、在庫物品の所有者の設備である。インターネット11にサーバ14が接続され、サーバ14は在庫の所有者の設備でも、在庫の所有者以外の者の設備でも良い。以下、サーバ14は複数の平置倉庫に対して在庫管理のサービスを提供し、これらの平置倉庫は地理的にも分散し、所有者も複数であるものとして説明する。なお在庫管理する倉庫の一部は自動倉庫でも良い。
【0014】
サーバ14は、出荷数分析部16と出荷頻度分析部18及びコスト分析部20を備えている。出荷数分析部16は在庫の品番毎の出荷数などを分析し、出荷頻度分析部18は在庫の品番毎の出荷頻度などを分析する。コスト分析部20は入庫、在庫の保管、棚卸し、出庫などに要したコストを分析する。これらの分析は平置倉庫毎に、あるいは倉庫の所有者毎に行い、在庫管理に付随するサービスであり、出荷数分析部16〜コスト分析部20は設けなくても良い。22は在庫管理部で、平置倉庫毎に在庫を管理し、24は入出庫管理部で、平置倉庫毎に入出庫を管理する。26は認証部で、携帯端末4及びパーソナルコンピュータ12などの端末IDを管理し、サーバ14への携帯端末4及びパーソナルコンピュータ12などからのアクセスの可否を認証する。認証はIDによる認証の他に、作業者の指紋等を用いた生体認証でも良い。
【0015】
28はローダで、パーソナルコンピュータ12に対し、在庫の内容、入庫の実績、出庫の実績などをエクスポートし、またパーソナルコンピュータ12からの入庫及び出庫のデータをインポートし、在庫ファイル34と入出庫ファイル36等を更新する。携帯デバイスインターフェース30は、携帯端末4による在庫管理を支援するためのインターフェースで、携帯端末4の表示パネル10に表示するHTML文書等を作成し、HTML文書に対し作業者が入力したパラメータ、例えば入庫、出庫、棚卸し等の処理の選択と、品番、数量、棚番地(棚のアドレス)等の入力を受け付け、在庫管理部22、入出庫管理部24に引き渡す。
【0016】
IDファイル32は、サーバ14に接続可能な携帯端末4及びパーソナルコンピュータ12のIDを記憶し、IDはネットワークアドレス、メールアドレス、MACアドレス(通信機器の製造者が付与する機器のID)等である。在庫ファイル34は、サーバ14が管理する平置倉庫の在庫を倉庫毎に記憶し、入出庫ファイル36はサーバ14の管理下にある平置倉庫の入出庫の実績を記憶し、その他ファイル38はその他のデータを記憶する。
【0017】
図2〜図4に、携帯端末4とサーバ14とを用いた在庫管理を示す。平置き倉庫での床面あるいは棚などに、2次元コード5がプリントされて貼付されている。なおパレット,バケットなどのキャリアを保管場所と見なし、これらのものに2次元コード5を貼付しても良い。2次元コードのデータは、図3の右側に示すように、サーバのネットワークアドレスと、携帯端末4からのアクセスにより起動されるプログラム名及び棚のアドレスである。なお棚のアドレスは、複数の平置き倉庫に対応するため、例えば平置き倉庫の所在地と棚番地との組み合わせから成る。また2次元コード5中のプログラム名を、サーバのネットワークアドレス中に含めても良い。携帯端末4のカメラ6で2次元コード5を読み取り、コード処理部7でデコードし、サーバ14のネットワークアドレスとサーバ14が実行すべきプログラム名、及び保管場所のアドレスを取得する。これらのデータは棚のアドレスを含むURLであり、このURLで携帯端末4からサーバ14にアクセスすると、URL中のプログラムが指定され、どの棚に対して処理を行うのかは棚のアドレスにより指定される。また作業者は棚番号等を入力することなく、2次元コードを読み取ることで、棚の情報にアクセスできる。
【0018】
サーバ14では、携帯端末4から送信されたアドレスに基づき棚を特定し、指定されたプログラムを起動して、携帯端末4のブラウザ8へ、在庫データ等を含むHTML文書等を送信する。HTML文書に代えてXML文書としても良く、またブラウザ8上で実行できるプログラムを送信しても良い。図3の表示画面では、指定された棚は棚番号A-0305で、入庫,出庫,棚卸しのいずれの処理を実行するのかを問い合わせている。例えば入庫が携帯端末上で入力されると、サーバ14は入庫登録のための次の画面をブラウザ8へ送信し、作業者は携帯端末4のキーボード9などから品番を入力し、入庫数を入力する。なお図3での入庫数「5」は「5ケース」の意味で、/の右側の「0」は、ケースよりも小さなバラ物品の入庫が0であることを意味している。入庫登録を実行すると、棚問い合わせの画面に移り、棚A-0305に品番80098382-635の物品があり、その数は5ケースとバラが0であることが表示されている。在庫の追加あるいは削減を行うには、+もしくは−の記号をクリックすれば良い。図3での処理は、左側から右側の画面へのメニューによる移動ができるが、ブラウザ上で処理可能な画面は互いにリンクされており、例えば棚問い合わせ画面から出庫を選択することにより、直ちに棚番号A-0305に対する出庫情報の入力が可能になる。
【0019】
図4は棚卸し情報の入力例を示し、各保管場所に貼付された2次元コード5を携帯端末4で撮像し、コードをデコードして、サーバ14にアクセスする。そして棚問い合わせの画面から棚卸しを選択し、在庫物品の品番と個数とを確認し、誤っている場合は修正する。また棚卸しの際に棚卸しを行った日付が自動的に入力される。なお棚卸しの完了までは、前回の棚卸しの日付を表示し、棚卸しの完了と共に今回の棚卸しの日付に更新するようにしても良い。そしてこれらのデータ入力により棚卸しがなされ、サーバ14側では在庫ファイル34と入出庫ファイル36とを更新する。
【0020】
以上の処理を図2に示す。携帯端末4で保管場所の2次元コード5を読み取り(ステップ1)、2次元コード5をデコードし(ステップ2)、サーバ14にアクセスする(ステップ3)。そしてサーバ14で、端末のID等を用いて携帯端末4を認証する(ステップ4)。さらにサーバ14は携帯端末4から受信したURL中のプログラムを実行する(ステップ5)。なお認証をプログラムの一部とする場合、先にプログラムを実行してステップ四の認証を行う。サーバ14はHTML文書等を携帯端末4へ送信し、ブラウザ8を介してHTML文書を表示する。携帯端末4側では、HTML文書の入力項目に従って入庫,出庫,棚卸しなどの処理を選び、データを入力する(ステップ6)。そしてこれらのデータをサーバ14へ送信することにより、該当するデータを更新する(ステップ7)。
【0021】
以上のようにすると、在庫管理用のプログラムを記憶しない汎用の携帯端末で在庫管理ができる。在庫データ及び入出庫のデータはサーバに記憶され、サーバ14のどのデータにアクセスし、どのプログラムを起動するのかが、2次元コード5を読み取ることにより特定される。そしてサーバ14は携帯端末4に対し、在庫データ等の入力に必要な文書もしくはプログラムを送信し、端末4の側ではこれをブラウザを用いて表示し、ユーザの入力を受け付ける。
【0022】
ここでのポイントは、
・ 保管場所に、サーバのアドレスと保管場所を特定する情報とを含んだ2次元コードを貼付すること、
・ サーバ14で在庫ファイル、入出庫ファイルを管理すること、
・ 携帯端末4にHTML文書等で在庫データ等を送信し、ブラウザ上で編集し、サーバ14へ送信すること、
の組み合わせである。
【0023】
図2〜図4の処理では、保管場所の2次元コード5を読み取り、保管場所毎に出庫に関する処理を行うこともできる。しかしこれに代えて、複数の保管場所に対する入出庫に関する処理を、入出庫の指示単位で行うとより効率的である。このような例を図5,図6に示す。出荷指図書(倉庫からの出庫の指図書)として、紙もしくはリライタブルな感熱媒体などに、出荷の指図自体と2次元コード5とをプリントする。例えば図6の場合、1枚の媒体に4個の棚が指定され、各棚毎に出荷する物品の品番と出庫数とが記載されている。2次元コード5にはサーバ14のネットワークアドレスと起動するプログラム名及び出荷の指示番号が記載されている。作業者は出荷の指図書に従って出荷作業を実行し、作業の完了後に携帯端末4で2次元コード5を読み取り、ネットワークを介してサーバ14にアクセスする。すると出庫を処理するプログラム”picking.java”が起動され、出荷指示番号178のデータが処理対象となる。
【0024】
携帯端末4の画面に、図6の下側の表示がなされ、これはサーバ14から携帯端末4のブラウザ8へ送信されたHTML文書である。作業者はこのHTML文書の出庫データを確認し、修正がある場合、画面上で修正する。また各項目をクリックすることにより、出荷先を確認する、出荷する棚を確認する、品番を確認する、出荷数量を欠品などに対応して修正する、などの作業ができる。これらのデータを作業者が携帯端末4に入力すると、データはサーバ14に送られ、サーバ14では在庫ファイル34と入出庫ファイル36を更新する。
【0025】
図5にこれらの処理をまとめると、ステップ10で出庫指示と2次元コードを媒体にプリントし、2次元コードでサーバのネットワークアドレスと実行するプログラム名及び出荷の指示番号を特定する。なおプログラム名はサーバのネットワークアドレスの一部などとしても良い。2次元コードのデータは、サーバとプログラムと出庫指示とを特定するURLである(ステップ10)。作業者は出庫作業を実行し(ステップ11)、出庫作業を完了すると、媒体の2次元コードを携帯端末4で撮像し、2次元コードをデコードしてサーバ14へアクセスする(ステップ12)。これに対してサーバは、出庫に関するデータをHTML文書等で編集自在に携帯端末4へ送信し、携帯端末4のブラウザ8により表示パネル10にHTML文書を表示する。作業者は出庫数等を確認し、出庫データを修正し、修正が完了すると、出庫データをサーバ14へ送信する(ステップ13)。
【0026】
図5,図6の処理での要点は、2次元コードにサーバのアドレスと指示番号とが記載され、出庫のデータ自体はサーバが記憶する点である。サーバは指示番号等に従って、出庫データを携帯端末に送信し、携帯端末のブラウザ上で作業者は出庫データを編集できる。そして編集後の出庫データにより、サーバ14のデータを更新する。以上のようにすると、在庫管理用のプログラムを記憶していない通常の携帯端末4により、出庫に関するデータ処理が行える。ここでは出庫を対象として説明したが、出荷指図書の代わりに入庫指図書を用いると、全く同様に入庫時の処理ができる。即ち、入庫指図書に従って入庫作業を作業者が実行し、作業の完了後に指図書の2次元コードを読み取り、インターネット等を介してサーバ14へ、入庫作業の指図番号と起動するプログラムとを指定してアクセスする。2次元コードで指定された入庫作業の指図に対して、在庫ファイルと入出庫ファイルとを更新することができる。

【符号の説明】
【0027】
2 在庫管理システム
4 携帯端末
5 2次元コード
6 カメラ
7 コード処理部
8 ブラウザ
9 キーボード
10 表示パネル
11 インターネット
12 パーソナルコンピュータ
13 プリンタ
14 サーバ
16 出荷数分析部
18 出荷頻度分析部
20 コスト分析部
22 在庫管理部
24 入出庫管理部
26 認証部
28 ローダ
30 携帯デバイスインターフェース
32 IDファイル
34 在庫ファイル
36 入出庫ファイル
38 その他ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと光学的コードのデコード機能とブラウザ機能とを備えた携帯端末と、サーバとにより在庫管理を行う方法であって、
少なくともサーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報とを含む光学的コードを媒体にプリントするステップと、
プリントされた光学的コードを前記保管場所に貼付するステップと、
前記サーバが保管場所毎の在庫情報を記憶するステップと、
前記携帯端末のカメラで保管場所の光学的コードを撮像するステップと、
撮像された光学的コードを前記デコード機能でデコードし、前記ネットワークアドレスと保管場所とを含む情報により、前記サーバにアクセスするステップと、
前記サーバから前記携帯端末へ前記保管場所での在庫情報を送信するステップと、
前記携帯端末のブラウザにより前記在庫情報を表示し、ブラウザ上で在庫情報を編集し、編集された在庫情報を前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバが編集された在庫情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とを実行することを特徴とする在庫管理方法。
【請求項2】
少なくともサーバのネットワークアドレスと入出庫作業を特定する情報とを含む入出庫作業用の光学的コードと、前記入出庫作業の内容とを媒体にプリントするステップと、
プリントされた入出庫作業の内容に従い、物品を入出庫するステップと、
入出庫作業用の光学的コードを前記携帯端末のカメラで撮像するステップと、
撮像された光学的コードを前記デコード機能でデコードし、前記ネットワークアドレスと入出庫作業を特定する情報とにより、前記サーバにアクセスするステップと、
前記サーバから前記携帯端末へ入出庫作業の内容の情報を送信するステップと、
前記携帯端末のブラウザにより前記入出庫作業の内容の情報を表示し、ブラウザ上で入出庫作業の内容の情報を編集し、編集された入出庫作業の内容の情報を前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバが編集された入出庫作業の内容の情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とをさらに実行することを特徴とする、請求項1の在庫管理方法。
【請求項3】
携帯端末とサーバとにより在庫管理を行う方法であって、
前記サーバにより保管場所毎の在庫情報を記憶するステップと、
前記サーバが、保管場所に貼付された光学的コードを撮像しデコードした携帯端末からのアクセスを受け付け、光学的コードの情報に基づいて携帯端末へ保管場所の在庫情報を送信するステップと、
前記サーバが、携帯端末から編集された在庫情報を受信し、編集された在庫情報により在庫情報の記憶を更新するステップ、とを実行することを特徴とする在庫管理方法。
【請求項4】
カメラと光学的コードのデコード機能とブラウザ機能とを備えた携帯端末と、サーバとにより在庫管理を行うシステムであって、
少なくともサーバのネットワークアドレスと物品の保管場所の情報とを含む光学的コードが媒体にプリントされて、前記保管場所に貼付されており、
前記サーバは、保管場所毎の在庫情報を記憶し、携帯端末からネットワークアドレスと保管場所とを含む情報によりアクセスされると、保管場所の在庫情報を携帯端末へ送信し、かつ編集された在庫情報を携帯端末から受信して在庫情報の記憶を更新するように構成され、
前記携帯端末により、保管場所の光学的コードをカメラで撮像し、前記デコード機能でデコードして、前記ネットワークアドレスと保管場所とを含む情報により前記サーバにアクセスし、ブラウザを介して前記サーバから送信された在庫情報を表示すると共に在庫情報を編集し、編集された在庫情報を前記サーバへ送信する、ように構成されていることを特徴とする在庫管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−56714(P2012−56714A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201733(P2010−201733)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】