在庫管理装置及びそのプログラム
【課題】実存店舗の商品棚に陳列されている商品の在庫情報をリアルタイムで確認できるようにする。
【解決手段】在庫管理装置は、消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる。そして、RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する。そして、この判別結果をコマンド送信元の通信端末にインターネットを経由して応答する。
【解決手段】在庫管理装置は、消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる。そして、RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する。そして、この判別結果をコマンド送信元の通信端末にインターネットを経由して応答する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、実存店舗の在庫を管理する在庫管理装置並びにこの装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が店に行く前に購入したい商品の有無を確認しようとした場合、店に電話で問い合わせるのが一般的である。この場合、問合せを受けた店側の担当者は、例えば在庫管理システムのサーバで記憶管理されている在庫情報をクライアント端末のディスプレイで確認して回答する。しかしながら、サーバの在庫情報にはタイムラグがあるため、必ずしも問合せのあった時点で商品棚に陳列されている商品の在庫情報であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−244181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、実存店舗の商品棚に陳列されている商品の在庫情報をリアルタイムで確認できる在庫管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の在庫管理装置は、読取制御手段と、在庫調査手段と、応答手段とを備える。読取制御手段は、消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる。在庫調査手段は、RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する。応答手段は、この在庫調査手段による判別結果をコマンド送信元の通信端末にインターネットを経由して応答する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】在庫管理装置の一実施形態である在庫管理サーバを用いた在庫確認システムの構成図。
【図2】在庫管理サーバが有する商品データベースに記憶されるデータの構成図。
【図3】商品とその商品に付されるRFIDタグとの一例を示す図。
【図4】在庫管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図5】在庫管理サーバのRAMに形成される在庫管理テーブルメモリのデータ構造を示す模式図。
【図6】本実施形態における商品確認システムの主要部間におけるデータの流れを示す模式図。
【図7】通信端末のディスプレイに表示される在庫問合せ画面の一例を示す図。
【図8】通信端末のディスプレイに表示される在庫検索結果画面の一例を示す図。
【図9】在庫管理サーバのCPUが実行する在庫確認処理の手順を示す流れ図。
【図10】通信端末のディスプレイに表示される在庫位置画面の一例を示す図。
【図11】通信端末のディスプレイに表示される在庫位置画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、在庫管理装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、図1において、消費者が、携帯電話,携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末4を用い、インターネット1を利用して、各加盟店舗の商品在庫情報を確認可能とした場合である。
【0008】
本実施形態のシステム構成図を図1に示す。本システムは、インターネット1上のWebサイトである在庫情報提供サイト2と、基地局3を経由してインターネット1に接続が可能な携帯電話,携帯情報端末等の通信端末4と、在庫管理システム5とを備える。在庫管理システム5は、消費者に在庫情報を提供するサービスを実現するために在庫情報提供サイト2に加盟した店舗に構築される。なお、図1では、便宜上、在庫管理システム5を1店舗のみ示しているが、実際には、加盟店舗の数だけ在庫管理システム5がインターネット1に接続される。
【0009】
在庫情報提供サイト2は、加盟店舗データベース6を有する。加盟店舗データベース6は、各加盟店舗の店舗名に関連付けて、その店舗に構築される在庫管理システム5の在庫管理サーバ11に割り振られたIPアドレスと、その店舗で販売されている各商品の商品名及びその商品の属性情報(色,サイズ等)等を記憶する。
【0010】
在庫管理システム5は、システムの中枢を担う在庫管理サーバ11に、LAN(Local Area Network)12を介して、複数のRFIDタグ(Radio Frequency Identification)リーダ・ライタ13(13A,13B,…)を接続している。また在庫管理システム5は、インターネット1とLAN12とを相互接続するためのルータ14を、LAN12に接続している。
【0011】
各RFIDタグリーダ・ライタ13(以下、リーダ・ライタ13と略称する)は、各販売商品の陳列場所である商品棚(不図示)毎に設けられる。各リーダ・ライタ13は、対応する商品棚の各棚段にそれぞれ配設されたアンテナ15(15A1,15A2,15A3,15A4,15B1,15B2,15B3,15B4,…)と接続しており、これらのアンテナ15を介して、その商品棚に置かれた各商品21(図3を参照)にそれぞれ付されているRFIDタグ22(図3を参照)のデータを非接触で読み取ることができる。
【0012】
在庫管理サーバ11は、商品データベース16を有する。商品データベース16は、図2に示すように、各商品を識別するための商品コードに関連付けて、商品名、属性情報(色,サイズ等)、単価、RFID書込コード等の商品固有情報を記憶する。RFID書込コードは、商品コードと同様に商品に対して1対1で設定された固有のコードであり、商品コードと同一であってもよい。
【0013】
図3は、商品21とこの商品に付されたRFIDタグ22の一例を示す模式図である。RFIDタグ22は、ICチップ22aとアンテナ22bとからなり、ICチップ22aのメモリには、そのRFIDタグ22のデータとして、タグIDとRFID書込コードとが記録されている。タグIDは、RFIDタグ22の製造時に記録され、書き換えることはできない。RFID書込コードは、そのRFIDタグ22が付されている商品21の商品コードに対応して商品データベース16に設定されているものであり、商品21に付される際に専用のリーダ・ライタによって書き込まれる。
【0014】
図4は、在庫管理サーバ11の要部構成を示すブロック図である。在庫管理装置の一態様である在庫管理サーバ11は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)31を搭載している。また、このCPU31の動作を制御するためのプログラム等を格納したROM(Read Only Memory)32と、各種データを記憶するためのメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)33と、前記商品データベース16を保存するためのHDD(Hard Disk Drive)装置34と、LAN12を介して接続された各部とのデータ通信を司る通信インターフェース35とを、在庫管理サーバ11は搭載している。そしてCPU31と、ROM32,RAM33,HDD装置34及び通信インターフェース35とを、アドレスバス,データバス等のバスライン36で接続している。
【0015】
かかる構成の在庫管理サーバ11は、店舗の商品棚に陳列されている商品のリアルタイムな在庫情報を消費者に提供するために、在庫管理テーブルメモリ40をRAM33に形成している。在庫管理テーブルメモリ40は、図5に示すように、R/W−IDの領域41と、アンテナ番号の領域42と、位置座標データの領域43と、在庫数量の領域44とを有する。
【0016】
R/W−ID領域41には、各リーダ・ライタ13の識別情報であるR/W−IDが、1つのリーダ・ライタ13に対してそのリーダ・ライタ13に接続されるアンテナの数だけ設定される。
【0017】
アンテナ番号領域42には、対応するID領域に設定されたR/W−IDによって特定されるリーダ・ライタ13に接続される各アンテナ15のアンテナ番号が順に設定される。アンテナ番号は、アンテナ15毎に設定された固有の情報であり、リーダ・ライタ13は、自己に接続された各アンテナ15のアンテナ番号を記憶管理している。
【0018】
位置座標領域43には、対応するアンテナ番号で特定されるアンテナ15が配設されている商品棚の場所を特定する位置座標が設定される。位置座標は、商品棚のレイアウトを示す平面図上の二次元座標である。
【0019】
在庫数量領域44は、CPU31の制御によりカウントアップするカウンタ領域であり、初期値は“0”である。
【0020】
図6は、通信端末4のユーザ(消費者)が、インターネット1上の在庫情報提供サイト2にアクセスして、所望の店舗に所望の商品の在庫を確認する場合に、通信端末4と在庫情報提供サイト2と在庫管理サーバ11との間を送受信される情報の流れを示す。
【0021】
先ず、通信端末4のユーザは、その端末4に実装されたWebブラウザを起動し、在庫情報提供サイト2のURL(Uniform Resource Locator)を指定する。これにより、通信端末4に在庫情報提供サイト2が接続されると(P1)、在庫情報提供サイト2から通信端末4に在庫問合せ画面の画像情報がダウンロードされる(P2)。その結果、通信端末4のディスプレイには、在庫問合せ画面50が表示される(P3)。
【0022】
在庫問合せ画面50の一例を図7に示す。図7に示すように、在庫問合せ画面50には、店舗名の選択ボックス51と、商品名の選択ボックス52と、属性情報の選択ボックス53と、検索ボタン54と、終了ボタン55とが表示される。
【0023】
選択ボックス51には、加盟店舗データベース6に登録されている各加盟店舗の店舗名一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、店舗名一覧の中から所望の店舗の店舗名を選択する。そうすると、選択ボックス52には、この選択店舗で取扱われている各商品の商品名一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、商品名一覧の中から所望の商品の商品名を選択する。そうすると、選択ボックス53には、この選択商品に係わる属性情報一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、属性情報一覧の中から所望の属性情報を選択する。そうすると、検索ボタン54が入力可能となる。なお、終了ボタン55は常時入力可能であり、入力されると、在庫問合せ画面50が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0024】
ユーザが検索ボタン54を入力すると、選択ボックス51に表示されている店舗名からなる店舗情報と、選択ボックス52及び53にそれぞれ表示されている商品名及び属性情報からなる商品情報とが、通信端末4から在庫情報提供サイト2に送信される(P4)。
【0025】
在庫情報提供サイト2は、受信した店舗情報で加盟店舗データベース6を検索して、その店舗情報で特定される加盟店舗のIPアドレスを取得する(P5)。そして、IPアドレスを取得したならば、在庫情報提供サイト2は、受信した商品情報を、そのIPアドレスで識別される在庫管理システム5の在庫管理サーバ11に伝送する(P6)。
【0026】
ルータ14及びLAN12を経由して自己宛の商品情報を受信した在庫管理サーバ11のCPU31は、在庫確認処理を実行する(P7)。この処理は、ROM32に予め格納された在庫管理プログラムにより、図9の流れ図に示す手順で実行される。
【0027】
先ず、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40の領域44で記憶する在庫数量を全て“0”に初期化する(ST1)。次に、CPU31は、受信した商品情報に含まれる商品名と属性情報とで商品データベース16を検索して、対応するRFID書込コードを検出する(ST2)。そしてCPU31は、このRFID書込コードを記憶するRFIDタグの検索コマンドを、LAN12を介して各リーダ・ライタ13に送信する(ST3)。
【0028】
各リーダ・ライタ13は、上記検索コマンドを受信すると、各アンテナ15から順番に問合せ電波を放射する。そうすると、この電波を受信したRFIDタグ22からタグデータ(タグID,RFID書込コード)の応答電波が返されるので、リーダ・ライタ13は、アンテナ15で受信したタグデータのRFID書込コードが、検索コマンドに含まれるRFID書込コードと一致するか照合する。一致する場合、リーダ・ライタ13は、そのタグデータを受信したアンテナのアンテナ番号と自己に設定されたR/W−IDとを含む検出応答信号を、LAN12経由で在庫管理サーバ11に送信する。また、各リーダ・ライタ13は、全てのアンテナ15から問合せ電波を放射し終えると、検索終了信号を在庫管理サーバ11に送信する。
【0029】
ステップST3にて検索コマンドを出力したCPU31は、各リーダ・ライタ13からの検出応答信号を待機する(ST4)。そして、検出応答信号を受信すると(ST4のYES)、CPU31は、その検出応答信号に含まれるR/W−IDとアンテナ番号とを検出する。そして、在庫管理テーブルメモリ40を検索し、同一のR/W−IDとアンテナ番号とに対応する在庫数量領域44の値を“1”だけカウントアップする(ST5)。
【0030】
CPU31は、各リーダ・ライタ13からの検索終了信号を待機する(ST6)。少なくとも1つのリーダ・ライタ13から検索終了信号を受信していない間は(ST6のNO)、各リーダ・ライタ13からの検出応答信号を待機する(ST4)。そして、検出応答信号を受信する毎に(ST4のYES)、CPU31は、該当する在庫数量領域44の値を“1”ずつカウントアップする(ST5)。
【0031】
全てのリーダ・ライタ13から検索終了信号を受信すると(ST6のYES)、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40の各在庫数量領域44の値を合計して、該当商品の総在庫数量を算出する(ST7)。CPU31は、総在庫数量が“0”であるか、“0”より大きいかを判定する(ST8)。
【0032】
総在庫数量が“0”の場合、商品棚に問合せのあった商品の在庫はない。この場合(ST8のNO)、CPU31は、この在庫数量“0”を含む在庫情報を、ルータ14を経由してインターネット1上の在庫情報提供サイト2に送信する(ST9)。
【0033】
これに対し、総在庫数量が“0”より大きい場合には、商品棚に問合せのあった商品の在庫がある。この場合(ST8のYES)、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40から値が“1”以上の在庫数量領域44に対応する陳列場所領域43の位置座標を検出する(ST10)。そしてCPU31は、在庫数量を含む在庫情報と、位置座標を含む位置情報とを、ルータ14を経由してインターネット1上の在庫情報提供サイト2に送信する(ST11)。
【0034】
以上で、CPU31は、在庫確認処理を終了する。ここに、CPU31は、ステップST2,ST3の処理により、通信端末4からインターネット1を経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、タグリーダ・ライタ13を動作させて、商品棚に置かれた各商品21にそれぞれ付されているRFIDタグ22のデータを読み取らせる読取制御手段を構成する。
【0035】
また、CPU31は、ステップST4〜ST8及びステップST10の処理により、タグリーダ・ライタ13で読み取られたRFIDタグ22のデータから、問合せのあった商品の在庫有無を判別する在庫調査手段、詳しくは、問合せのあった商品に付されたRFIDタグ22の数を計数し、この数を商品の在庫数とする手段、さらには、問合せのあった商品に付されたRFIDタグ22のデータを読み取ったアンテナ15の場所データから、商品の位置を判別する手段を構成する。
【0036】
さらに、CPU31は、ステップST9及びステップST11の処理により、在庫調査手段による判別結果をコマンド送信元の通信端末4にインターネット1を経由して応答する応答手段を構成する。
【0037】
以上の在庫確認処理が在庫管理サーバ11で実行されることにより、在庫管理サーバ11から在庫情報提供サイト2に在庫情報と位置情報あるいは在庫情報だけが伝送される(P8,P9)。
【0038】
在庫情報提供サイト2は、在庫管理サーバ11から在庫情報を受信すると、在庫確認画面の画像情報を通信端末4にダウンロードする(P10)。また、在庫情報提供サイト2は、在庫管理サーバ11から位置情報を受信すると、位置確認画面の画像情報を通信端末4にダウンロードする(P11)。
【0039】
在庫確認画面の画像情報がダウンロードされると、通信端末4のディスプレイには、在庫確認画面60が表示される(P12)。在庫確認画面60の一例を図8に示す。図8に示すように、在庫確認画面60には、在庫問合せ画面50で選択した店舗名、商品名及び属性情報とともに、在庫管理サーバ11から提供された在庫数が表示される。また、位置確認ボタン61と終了ボタン62とが在庫確認画面60に表示される。
【0040】
位置確認ボタン61は、位置確認画面の画像情報がダウンロードされると入力可能となる。すなわち、在庫数が“0”の場合は入力が不可能であり、在庫数が“1”以上の場合に可能となる。終了ボタン62は、常時入力可能であり、入力されると、在庫確認画面60が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0041】
ユーザが位置確認ボタン61を入力されると、ディスプレイの画面が位置確認画面70に切り替わる(P12)。位置確認画面70の一例を図10に示す。図10に示すように、位置確認画面70には、店舗名とともにその店舗における商品棚のレイアウトを示す平明図71が表示される。そして、この平面図71上の在庫管理サーバ11から得られた位置座標が示す位置に、商品の位置を示すマーク(図では星印)72が表示される。さらに、在庫数ボタン73と終了ボタン74とが表示される。在庫数ボタン73と終了ボタン74は、いずれも常時入力可能である。在庫数ボタン73が入力されると、ディスプレイの画面が在庫確認画面60に戻る。終了ボタン74が入力されると、位置確認画面70が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0042】
このように、本実施形態においては、ユーザが通信端末4を利用して遠隔から店舗に在庫確認を問い合わせたことに応じて、その店舗の問合せ時点における商品棚の在庫状況をリアルタイムに調べ、その結果を通信端末4に報告するようにしている。従って、ユーザは、店舗の商品棚に陳列されている商品の在庫情報を遠隔よりリアルタイムで確認できる効果を奏する。
【0043】
しかも、ユーザは、通信端末4のディスプレイに表示される在庫確認画面60から、在庫の有無だけでなく在庫数も確認することができる。また、位置確認画面70から商品が置かれている場所まで確認することができる。
【0044】
以下、前記実施形態の変形例について説明する。
前記実施形態では、ユーザの通信端末4と店舗の在庫管理サーバ11との間に在庫情報提供サイト2を介在させたが、在庫管理サーバ11にWebサーバとしての機能を実装させることによって、在庫情報提供サイト2を省略することも可能である。
【0045】
この場合、通信端末4のユーザは、所望の店舗における在庫管理サーバ11のURLを指定する。そうすると、在庫管理サーバ11が通信端末4に在庫問合せ画面の画像情報をダウンロードする。また、在庫管理サーバ11は、在庫確認処理のステップST9及びST11において、在庫情報を在庫確認画面の画像情報として通信端末4にダウンロードする。また、ST11において、位置情報を位置確認画面の画像情報として通信端末4にダウンロードする。
【0046】
また、位置確認画面70の他の表示例を図11に示す。この画面70は、マーク72に付随して、在庫数(この場合は“2”)も表示させる。こうすることにより、ユーザは、所望の商品がどの場所にいくつあるのかを容易に確認することができる。したがって、同一の商品が異なる商品棚に置かれているような場合に、その数までわかるので大変有効である。
【0047】
なお、通信端末は、携帯型のものに限定されるものではなく、卓上型のパーソナルコンピュータ等のインターネット接続環境が可能な通信機器であればよい。
【0048】
また、前記実施形態は、在庫管理サーバ11の内部のROM22に発明の機能を実現させる在庫管理プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから在庫管理サーバ11にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、在庫管理サーバ11にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ在庫管理サーバ11が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、在庫管理サーバ11の内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0049】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…インターネット、2…在庫情報提供サイト、3…基地局、4…通信端末、5…在庫管理システム、6…加盟店舗データベース、11…在庫管理サーバ、13(13A,13B)…RFIDタグリーダ・ライタ、14…ルータ、15(15A1,15A2,15A3,15A4,15B1,15B2,15B3,15B4)…アンテナ、16…商品データベース、21…商品、22…RFIDタグ、31…CPU、40…在庫管理テーブルメモリ、50…在庫問合せ画面、60…在庫確認画面、70…位置確認画面。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、実存店舗の在庫を管理する在庫管理装置並びにこの装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が店に行く前に購入したい商品の有無を確認しようとした場合、店に電話で問い合わせるのが一般的である。この場合、問合せを受けた店側の担当者は、例えば在庫管理システムのサーバで記憶管理されている在庫情報をクライアント端末のディスプレイで確認して回答する。しかしながら、サーバの在庫情報にはタイムラグがあるため、必ずしも問合せのあった時点で商品棚に陳列されている商品の在庫情報であるとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−244181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、実存店舗の商品棚に陳列されている商品の在庫情報をリアルタイムで確認できる在庫管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の在庫管理装置は、読取制御手段と、在庫調査手段と、応答手段とを備える。読取制御手段は、消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる。在庫調査手段は、RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する。応答手段は、この在庫調査手段による判別結果をコマンド送信元の通信端末にインターネットを経由して応答する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】在庫管理装置の一実施形態である在庫管理サーバを用いた在庫確認システムの構成図。
【図2】在庫管理サーバが有する商品データベースに記憶されるデータの構成図。
【図3】商品とその商品に付されるRFIDタグとの一例を示す図。
【図4】在庫管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図5】在庫管理サーバのRAMに形成される在庫管理テーブルメモリのデータ構造を示す模式図。
【図6】本実施形態における商品確認システムの主要部間におけるデータの流れを示す模式図。
【図7】通信端末のディスプレイに表示される在庫問合せ画面の一例を示す図。
【図8】通信端末のディスプレイに表示される在庫検索結果画面の一例を示す図。
【図9】在庫管理サーバのCPUが実行する在庫確認処理の手順を示す流れ図。
【図10】通信端末のディスプレイに表示される在庫位置画面の一例を示す図。
【図11】通信端末のディスプレイに表示される在庫位置画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、在庫管理装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、図1において、消費者が、携帯電話,携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等の通信端末4を用い、インターネット1を利用して、各加盟店舗の商品在庫情報を確認可能とした場合である。
【0008】
本実施形態のシステム構成図を図1に示す。本システムは、インターネット1上のWebサイトである在庫情報提供サイト2と、基地局3を経由してインターネット1に接続が可能な携帯電話,携帯情報端末等の通信端末4と、在庫管理システム5とを備える。在庫管理システム5は、消費者に在庫情報を提供するサービスを実現するために在庫情報提供サイト2に加盟した店舗に構築される。なお、図1では、便宜上、在庫管理システム5を1店舗のみ示しているが、実際には、加盟店舗の数だけ在庫管理システム5がインターネット1に接続される。
【0009】
在庫情報提供サイト2は、加盟店舗データベース6を有する。加盟店舗データベース6は、各加盟店舗の店舗名に関連付けて、その店舗に構築される在庫管理システム5の在庫管理サーバ11に割り振られたIPアドレスと、その店舗で販売されている各商品の商品名及びその商品の属性情報(色,サイズ等)等を記憶する。
【0010】
在庫管理システム5は、システムの中枢を担う在庫管理サーバ11に、LAN(Local Area Network)12を介して、複数のRFIDタグ(Radio Frequency Identification)リーダ・ライタ13(13A,13B,…)を接続している。また在庫管理システム5は、インターネット1とLAN12とを相互接続するためのルータ14を、LAN12に接続している。
【0011】
各RFIDタグリーダ・ライタ13(以下、リーダ・ライタ13と略称する)は、各販売商品の陳列場所である商品棚(不図示)毎に設けられる。各リーダ・ライタ13は、対応する商品棚の各棚段にそれぞれ配設されたアンテナ15(15A1,15A2,15A3,15A4,15B1,15B2,15B3,15B4,…)と接続しており、これらのアンテナ15を介して、その商品棚に置かれた各商品21(図3を参照)にそれぞれ付されているRFIDタグ22(図3を参照)のデータを非接触で読み取ることができる。
【0012】
在庫管理サーバ11は、商品データベース16を有する。商品データベース16は、図2に示すように、各商品を識別するための商品コードに関連付けて、商品名、属性情報(色,サイズ等)、単価、RFID書込コード等の商品固有情報を記憶する。RFID書込コードは、商品コードと同様に商品に対して1対1で設定された固有のコードであり、商品コードと同一であってもよい。
【0013】
図3は、商品21とこの商品に付されたRFIDタグ22の一例を示す模式図である。RFIDタグ22は、ICチップ22aとアンテナ22bとからなり、ICチップ22aのメモリには、そのRFIDタグ22のデータとして、タグIDとRFID書込コードとが記録されている。タグIDは、RFIDタグ22の製造時に記録され、書き換えることはできない。RFID書込コードは、そのRFIDタグ22が付されている商品21の商品コードに対応して商品データベース16に設定されているものであり、商品21に付される際に専用のリーダ・ライタによって書き込まれる。
【0014】
図4は、在庫管理サーバ11の要部構成を示すブロック図である。在庫管理装置の一態様である在庫管理サーバ11は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)31を搭載している。また、このCPU31の動作を制御するためのプログラム等を格納したROM(Read Only Memory)32と、各種データを記憶するためのメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)33と、前記商品データベース16を保存するためのHDD(Hard Disk Drive)装置34と、LAN12を介して接続された各部とのデータ通信を司る通信インターフェース35とを、在庫管理サーバ11は搭載している。そしてCPU31と、ROM32,RAM33,HDD装置34及び通信インターフェース35とを、アドレスバス,データバス等のバスライン36で接続している。
【0015】
かかる構成の在庫管理サーバ11は、店舗の商品棚に陳列されている商品のリアルタイムな在庫情報を消費者に提供するために、在庫管理テーブルメモリ40をRAM33に形成している。在庫管理テーブルメモリ40は、図5に示すように、R/W−IDの領域41と、アンテナ番号の領域42と、位置座標データの領域43と、在庫数量の領域44とを有する。
【0016】
R/W−ID領域41には、各リーダ・ライタ13の識別情報であるR/W−IDが、1つのリーダ・ライタ13に対してそのリーダ・ライタ13に接続されるアンテナの数だけ設定される。
【0017】
アンテナ番号領域42には、対応するID領域に設定されたR/W−IDによって特定されるリーダ・ライタ13に接続される各アンテナ15のアンテナ番号が順に設定される。アンテナ番号は、アンテナ15毎に設定された固有の情報であり、リーダ・ライタ13は、自己に接続された各アンテナ15のアンテナ番号を記憶管理している。
【0018】
位置座標領域43には、対応するアンテナ番号で特定されるアンテナ15が配設されている商品棚の場所を特定する位置座標が設定される。位置座標は、商品棚のレイアウトを示す平面図上の二次元座標である。
【0019】
在庫数量領域44は、CPU31の制御によりカウントアップするカウンタ領域であり、初期値は“0”である。
【0020】
図6は、通信端末4のユーザ(消費者)が、インターネット1上の在庫情報提供サイト2にアクセスして、所望の店舗に所望の商品の在庫を確認する場合に、通信端末4と在庫情報提供サイト2と在庫管理サーバ11との間を送受信される情報の流れを示す。
【0021】
先ず、通信端末4のユーザは、その端末4に実装されたWebブラウザを起動し、在庫情報提供サイト2のURL(Uniform Resource Locator)を指定する。これにより、通信端末4に在庫情報提供サイト2が接続されると(P1)、在庫情報提供サイト2から通信端末4に在庫問合せ画面の画像情報がダウンロードされる(P2)。その結果、通信端末4のディスプレイには、在庫問合せ画面50が表示される(P3)。
【0022】
在庫問合せ画面50の一例を図7に示す。図7に示すように、在庫問合せ画面50には、店舗名の選択ボックス51と、商品名の選択ボックス52と、属性情報の選択ボックス53と、検索ボタン54と、終了ボタン55とが表示される。
【0023】
選択ボックス51には、加盟店舗データベース6に登録されている各加盟店舗の店舗名一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、店舗名一覧の中から所望の店舗の店舗名を選択する。そうすると、選択ボックス52には、この選択店舗で取扱われている各商品の商品名一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、商品名一覧の中から所望の商品の商品名を選択する。そうすると、選択ボックス53には、この選択商品に係わる属性情報一覧がプルダウン表示される。そこでユーザは、属性情報一覧の中から所望の属性情報を選択する。そうすると、検索ボタン54が入力可能となる。なお、終了ボタン55は常時入力可能であり、入力されると、在庫問合せ画面50が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0024】
ユーザが検索ボタン54を入力すると、選択ボックス51に表示されている店舗名からなる店舗情報と、選択ボックス52及び53にそれぞれ表示されている商品名及び属性情報からなる商品情報とが、通信端末4から在庫情報提供サイト2に送信される(P4)。
【0025】
在庫情報提供サイト2は、受信した店舗情報で加盟店舗データベース6を検索して、その店舗情報で特定される加盟店舗のIPアドレスを取得する(P5)。そして、IPアドレスを取得したならば、在庫情報提供サイト2は、受信した商品情報を、そのIPアドレスで識別される在庫管理システム5の在庫管理サーバ11に伝送する(P6)。
【0026】
ルータ14及びLAN12を経由して自己宛の商品情報を受信した在庫管理サーバ11のCPU31は、在庫確認処理を実行する(P7)。この処理は、ROM32に予め格納された在庫管理プログラムにより、図9の流れ図に示す手順で実行される。
【0027】
先ず、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40の領域44で記憶する在庫数量を全て“0”に初期化する(ST1)。次に、CPU31は、受信した商品情報に含まれる商品名と属性情報とで商品データベース16を検索して、対応するRFID書込コードを検出する(ST2)。そしてCPU31は、このRFID書込コードを記憶するRFIDタグの検索コマンドを、LAN12を介して各リーダ・ライタ13に送信する(ST3)。
【0028】
各リーダ・ライタ13は、上記検索コマンドを受信すると、各アンテナ15から順番に問合せ電波を放射する。そうすると、この電波を受信したRFIDタグ22からタグデータ(タグID,RFID書込コード)の応答電波が返されるので、リーダ・ライタ13は、アンテナ15で受信したタグデータのRFID書込コードが、検索コマンドに含まれるRFID書込コードと一致するか照合する。一致する場合、リーダ・ライタ13は、そのタグデータを受信したアンテナのアンテナ番号と自己に設定されたR/W−IDとを含む検出応答信号を、LAN12経由で在庫管理サーバ11に送信する。また、各リーダ・ライタ13は、全てのアンテナ15から問合せ電波を放射し終えると、検索終了信号を在庫管理サーバ11に送信する。
【0029】
ステップST3にて検索コマンドを出力したCPU31は、各リーダ・ライタ13からの検出応答信号を待機する(ST4)。そして、検出応答信号を受信すると(ST4のYES)、CPU31は、その検出応答信号に含まれるR/W−IDとアンテナ番号とを検出する。そして、在庫管理テーブルメモリ40を検索し、同一のR/W−IDとアンテナ番号とに対応する在庫数量領域44の値を“1”だけカウントアップする(ST5)。
【0030】
CPU31は、各リーダ・ライタ13からの検索終了信号を待機する(ST6)。少なくとも1つのリーダ・ライタ13から検索終了信号を受信していない間は(ST6のNO)、各リーダ・ライタ13からの検出応答信号を待機する(ST4)。そして、検出応答信号を受信する毎に(ST4のYES)、CPU31は、該当する在庫数量領域44の値を“1”ずつカウントアップする(ST5)。
【0031】
全てのリーダ・ライタ13から検索終了信号を受信すると(ST6のYES)、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40の各在庫数量領域44の値を合計して、該当商品の総在庫数量を算出する(ST7)。CPU31は、総在庫数量が“0”であるか、“0”より大きいかを判定する(ST8)。
【0032】
総在庫数量が“0”の場合、商品棚に問合せのあった商品の在庫はない。この場合(ST8のNO)、CPU31は、この在庫数量“0”を含む在庫情報を、ルータ14を経由してインターネット1上の在庫情報提供サイト2に送信する(ST9)。
【0033】
これに対し、総在庫数量が“0”より大きい場合には、商品棚に問合せのあった商品の在庫がある。この場合(ST8のYES)、CPU31は、在庫管理テーブルメモリ40から値が“1”以上の在庫数量領域44に対応する陳列場所領域43の位置座標を検出する(ST10)。そしてCPU31は、在庫数量を含む在庫情報と、位置座標を含む位置情報とを、ルータ14を経由してインターネット1上の在庫情報提供サイト2に送信する(ST11)。
【0034】
以上で、CPU31は、在庫確認処理を終了する。ここに、CPU31は、ステップST2,ST3の処理により、通信端末4からインターネット1を経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、タグリーダ・ライタ13を動作させて、商品棚に置かれた各商品21にそれぞれ付されているRFIDタグ22のデータを読み取らせる読取制御手段を構成する。
【0035】
また、CPU31は、ステップST4〜ST8及びステップST10の処理により、タグリーダ・ライタ13で読み取られたRFIDタグ22のデータから、問合せのあった商品の在庫有無を判別する在庫調査手段、詳しくは、問合せのあった商品に付されたRFIDタグ22の数を計数し、この数を商品の在庫数とする手段、さらには、問合せのあった商品に付されたRFIDタグ22のデータを読み取ったアンテナ15の場所データから、商品の位置を判別する手段を構成する。
【0036】
さらに、CPU31は、ステップST9及びステップST11の処理により、在庫調査手段による判別結果をコマンド送信元の通信端末4にインターネット1を経由して応答する応答手段を構成する。
【0037】
以上の在庫確認処理が在庫管理サーバ11で実行されることにより、在庫管理サーバ11から在庫情報提供サイト2に在庫情報と位置情報あるいは在庫情報だけが伝送される(P8,P9)。
【0038】
在庫情報提供サイト2は、在庫管理サーバ11から在庫情報を受信すると、在庫確認画面の画像情報を通信端末4にダウンロードする(P10)。また、在庫情報提供サイト2は、在庫管理サーバ11から位置情報を受信すると、位置確認画面の画像情報を通信端末4にダウンロードする(P11)。
【0039】
在庫確認画面の画像情報がダウンロードされると、通信端末4のディスプレイには、在庫確認画面60が表示される(P12)。在庫確認画面60の一例を図8に示す。図8に示すように、在庫確認画面60には、在庫問合せ画面50で選択した店舗名、商品名及び属性情報とともに、在庫管理サーバ11から提供された在庫数が表示される。また、位置確認ボタン61と終了ボタン62とが在庫確認画面60に表示される。
【0040】
位置確認ボタン61は、位置確認画面の画像情報がダウンロードされると入力可能となる。すなわち、在庫数が“0”の場合は入力が不可能であり、在庫数が“1”以上の場合に可能となる。終了ボタン62は、常時入力可能であり、入力されると、在庫確認画面60が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0041】
ユーザが位置確認ボタン61を入力されると、ディスプレイの画面が位置確認画面70に切り替わる(P12)。位置確認画面70の一例を図10に示す。図10に示すように、位置確認画面70には、店舗名とともにその店舗における商品棚のレイアウトを示す平明図71が表示される。そして、この平面図71上の在庫管理サーバ11から得られた位置座標が示す位置に、商品の位置を示すマーク(図では星印)72が表示される。さらに、在庫数ボタン73と終了ボタン74とが表示される。在庫数ボタン73と終了ボタン74は、いずれも常時入力可能である。在庫数ボタン73が入力されると、ディスプレイの画面が在庫確認画面60に戻る。終了ボタン74が入力されると、位置確認画面70が消去されて、在庫情報提供サイト2が切断される(P14)。
【0042】
このように、本実施形態においては、ユーザが通信端末4を利用して遠隔から店舗に在庫確認を問い合わせたことに応じて、その店舗の問合せ時点における商品棚の在庫状況をリアルタイムに調べ、その結果を通信端末4に報告するようにしている。従って、ユーザは、店舗の商品棚に陳列されている商品の在庫情報を遠隔よりリアルタイムで確認できる効果を奏する。
【0043】
しかも、ユーザは、通信端末4のディスプレイに表示される在庫確認画面60から、在庫の有無だけでなく在庫数も確認することができる。また、位置確認画面70から商品が置かれている場所まで確認することができる。
【0044】
以下、前記実施形態の変形例について説明する。
前記実施形態では、ユーザの通信端末4と店舗の在庫管理サーバ11との間に在庫情報提供サイト2を介在させたが、在庫管理サーバ11にWebサーバとしての機能を実装させることによって、在庫情報提供サイト2を省略することも可能である。
【0045】
この場合、通信端末4のユーザは、所望の店舗における在庫管理サーバ11のURLを指定する。そうすると、在庫管理サーバ11が通信端末4に在庫問合せ画面の画像情報をダウンロードする。また、在庫管理サーバ11は、在庫確認処理のステップST9及びST11において、在庫情報を在庫確認画面の画像情報として通信端末4にダウンロードする。また、ST11において、位置情報を位置確認画面の画像情報として通信端末4にダウンロードする。
【0046】
また、位置確認画面70の他の表示例を図11に示す。この画面70は、マーク72に付随して、在庫数(この場合は“2”)も表示させる。こうすることにより、ユーザは、所望の商品がどの場所にいくつあるのかを容易に確認することができる。したがって、同一の商品が異なる商品棚に置かれているような場合に、その数までわかるので大変有効である。
【0047】
なお、通信端末は、携帯型のものに限定されるものではなく、卓上型のパーソナルコンピュータ等のインターネット接続環境が可能な通信機器であればよい。
【0048】
また、前記実施形態は、在庫管理サーバ11の内部のROM22に発明の機能を実現させる在庫管理プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから在庫管理サーバ11にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、在庫管理サーバ11にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ在庫管理サーバ11が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、在庫管理サーバ11の内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0049】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1…インターネット、2…在庫情報提供サイト、3…基地局、4…通信端末、5…在庫管理システム、6…加盟店舗データベース、11…在庫管理サーバ、13(13A,13B)…RFIDタグリーダ・ライタ、14…ルータ、15(15A1,15A2,15A3,15A4,15B1,15B2,15B3,15B4)…アンテナ、16…商品データベース、21…商品、22…RFIDタグ、31…CPU、40…在庫管理テーブルメモリ、50…在庫問合せ画面、60…在庫確認画面、70…位置確認画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、前記商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる読取制御手段と、
前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する在庫調査手段と、
この在庫調査手段による判別結果を前記コマンド送信元の通信端末に前記インターネットを経由して応答する応答手段と、
を具備したことを特徴とする在庫管理装置。
【請求項2】
前記在庫調査手段は、前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグの数を計数し、この数を前記商品の在庫数とすることを特徴とする請求項1記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記在庫調査手段は、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグのデータを読み取った前記アンテナの配置場所情報から、前記商品の位置を判別することを特徴とする請求項2記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記商品陳列場所に配置される複数のアンテナの識別情報に関連付けて、そのアンテナが配置されている場所を特定する位置情報が設定されるとともにカウンタ領域を形成してなる在庫管理テーブルメモリと、
前記在庫調査手段は、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグのデータを読み取った前記アンテナの識別情報に関連付けられたカウンタ領域のデータをカウントアップして、カウントアップされた分を前記商品の在庫数とするとともにカウントアップのあったカウンタ領域に関連付けられた位置情報を前記商品の位置とすることを特徴とする請求項3記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記応答手段は、前記在庫調査手段による判別結果を前記通信端末のディスプレイに表示可能な画像情報として前記インターネットを経由して送信することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1記載の在庫管理装置。
【請求項6】
インターネットを経由して消費者の通信端末と送受信が自在なコンピュータを、
前記通信端末から前記インターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、前記商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる手段と、
前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する手段と、
前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無判別結果を前記コマンド送信元の通信端末に前記インターネットを経由して応答する手段、
として機能させるための在庫管理プログラム。
【請求項1】
消費者の通信端末からインターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、前記商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる読取制御手段と、
前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する在庫調査手段と、
この在庫調査手段による判別結果を前記コマンド送信元の通信端末に前記インターネットを経由して応答する応答手段と、
を具備したことを特徴とする在庫管理装置。
【請求項2】
前記在庫調査手段は、前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグの数を計数し、この数を前記商品の在庫数とすることを特徴とする請求項1記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記在庫調査手段は、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグのデータを読み取った前記アンテナの配置場所情報から、前記商品の位置を判別することを特徴とする請求項2記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記商品陳列場所に配置される複数のアンテナの識別情報に関連付けて、そのアンテナが配置されている場所を特定する位置情報が設定されるとともにカウンタ領域を形成してなる在庫管理テーブルメモリと、
前記在庫調査手段は、前記コマンドにより問合せのあった商品に付されたRFIDタグのデータを読み取った前記アンテナの識別情報に関連付けられたカウンタ領域のデータをカウントアップして、カウントアップされた分を前記商品の在庫数とするとともにカウントアップのあったカウンタ領域に関連付けられた位置情報を前記商品の位置とすることを特徴とする請求項3記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記応答手段は、前記在庫調査手段による判別結果を前記通信端末のディスプレイに表示可能な画像情報として前記インターネットを経由して送信することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1記載の在庫管理装置。
【請求項6】
インターネットを経由して消費者の通信端末と送受信が自在なコンピュータを、
前記通信端末から前記インターネットを経由して商品在庫問合せコマンドを受信したことに応じて、商品陳列場所にアンテナを配設してなるRFIDタグリーダを動作させて、前記商品陳列場所に置かれた各商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータを読み取らせる手段と、
前記RFIDタグリーダで読み取られたRFIDタグのデータから、前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無を判別する手段と、
前記コマンドにより問合せのあった商品の在庫有無判別結果を前記コマンド送信元の通信端末に前記インターネットを経由して応答する手段、
として機能させるための在庫管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−158455(P2012−158455A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20860(P2011−20860)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
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