説明

地上デジタルテレビジョン放送受信システムおよび受信機

【課題】チャンネルサーチを従来よりも迅速に行うこと。
【解決手段】受信機は、地上デジタルテレビジョン放送によるTSを受信し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力する復調部と、復調部からのTSパケットが、部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成して出力する検出部と、検出部が復調部から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するタイマー部と、タイマー部のカウント値が閾値を超えるまでに、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す検出結果が出力されない場合、TSに部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を制御装置に出力する判断部とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタルテレビジョン放送を受信する地上デジタルテレビジョン放送受信システムおよび受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国において、地上デジタルテレビジョン放送による携帯端末向けのテレビ放送が計画されている。携帯端末を対象とするテレビ放送は、地上デジタルテレビジョン放送の部分受信サービスによって行われる。部分受信サービスは1つのチャンネルの帯域(6MHz)を1/13したものの1つ(セグメント)を使用して行われる。
【0003】
地上デジタルテレビジョン放送の伝送データ構成はMPEG2システムズのトランスポートストリームを使用している。
MPEG2システムズは、ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical commission)13818−1として規格化されている。
トランスポートストリームは、圧縮した映像、音声に加えて番組配列情報を188バイト固定長のトランスポートストリームパケットに多重化され、送信される。
【0004】
図1(イ)(ロ)は、TS(トランスポートストリーム)の構造を示す図である。
TS(トランスポートストリーム)は、図1(イ)に示されるように、ヘッダ(header)部とペイロード(payload)部から成る188バイト単位のTSパケットの列として形成されている。ヘッダ部は、sync_byte(ビット数8)と、transport_error_indicator(ビット数1)と、pay_load_unit_start_indicator(ビット数1)と、transport_priority(ビット数1)と、PID(ビット数13)と、transport_scrambling_control(ビット数2)と、adaptation_field_control(ビット数2)と、continuity_counter(ビット数4)と、adaptation_fieldとを含んでいる。
【0005】
図2は、TSパケットのデータ構造を示す図である。
図2において、符号(イ)に示されるtransport_error_indicatorは、図1(ロ)に示されるtransport_error_indicator{符号(ロ−1)参照}に対応しており、符号(ロ)に示されるPID(パケットID)は、図1(ロ)に示されるPID{符号(ロ−2)参照}に対応している。
【0006】
図3はTSの多重化モデルを示した図である。圧縮した映像、音声はデータ長が不等長のPESにパケット化され、さらにデータ長が等長のTSパケットにパケット化される。番組配列情報はデータ長が不等長のセクションにパケット化され、さらにデータ長が等長のTSパケットにパケット化される。TSパケットを多重化したものがTSである。
【0007】
図1(ロ)における符号(ロ−2)、図2における符号(ロ)に示されるPIDは、13ビットのフィールドでTSパケットのペイロードに配置されているデータの種類を判別するために用いられる。
【0008】
ISO/IEC13818−1における番組配列情報は、
1)放送番組に関連するPMT(後述)を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するPAT(Program Association Table)
2)有料放送に関連する情報を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するCAT(Conditional Access Table)
3)放送番組を構成する符号化信号を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するPMT(Program Map Table)
4)放送の変調方式などの物理的構成とネットワーク自身の特性を示すNIT(Network Information Table)
が定義されている。この4つの情報は番組特定情報(PSI:Program Specific Information)と呼ばれ、所要の番組を選択するために使用される。
【0009】
そこで、ISO/IEC13818−1では、PID=0x0000はPAT(Program Associasion Table)、PID=0x0001はCAT(Conditional Access Table)、PID=0x0010はNIT(Network Information Table)、PID=0x1FFFはヌルパケットとして予約されている。
さらに、我が国のデジタル放送の番組配列情報を規定している電波産業会(ARIB)のSTD−B10{社団法人 電波産業会著「デジタル放送に使用する番組配列情報標準規格(STD−B10)」社団法人 電波産業会出版、2004年12月14日(第4版)}では、図4に示されるようなPIDが番組配列情報を伝送するために予約されている。
そのため、圧縮した映像、音声が重畳された放送サービスに関与するTSパケットのPIDは0x0030〜0x1FFEの値がとられている。
【0010】
地上デジタルテレビジョン放送での番組特定情報における値の範囲や送出間隔は、電波産業会のTR−B14{社団法人 電波産業会著「地上デジタルテレビジョン放送運用規定(TR−B14)」社団法人 電波産業会出版、2005年5月26日(第2.4版)}の第四編で定義されている。
TR−B14第四編では1送出マスター(放送局)が1つのネットワークを構成し、1つのネットワークが1TSになると定義されている。さらに、当該ネットワークのTSに他のネットワークの番組特定情報は伝送しない規格になっている。
【0011】
そのため、地上デジタルテレビジョン放送の受信機では、ユーザがその放送を購入した直後、受信周波数を変更しながら受信可能なサービスが存在しているか確認する必要がある。動作のガイドラインはTR−B14第二編に記載されている。
携帯端末では、ユーザが上記放送を購入した直後以外に受信地域を移動した際にも受信周波数を変更しながら受信可能なサービスが存在しているか確認する必要がある。
【0012】
地上デジタルテレビジョン放送はTSパケット複数個含むデータのグループ(以下データセグメント)単位で構成され、伝送符号化が施される。伝送符号化の際にデータセグメントを伝送パラメータの異なる複数の階層伝送が行える。階層ごとにキャリア変調方式、内符号の符号化率、時間インターリーブ長を設定できる。伝送可能な階層数は最大3である。
【0013】
図5は、データセグメントを2階層に設定し、1セグメントで部分受信サービスを行う時のデータセグメントの構成と伝送スペクトルを示している。図5に示されるように、部分受信サービスは1つのセグメントが使用され、OFDM(直交周波数分割多重;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調が施されたときに周波数帯域の中央に配置され、他の12セグメントの受信より所要CNが低くなるようキャリア変調、誤り訂正符号が選択されている。
【0014】
ただし、TR−B14第四編では1送出マスター(放送局)が1つのネットワークを構成し、1つのネットワークが1TSになると定義されているため、階層ごとに番組配列情報を伝送して、1つの階層が1つのTSになる構成をとっておらず、全ての階層のセグメントのTSパケットがそろって1つのTSになる。
部分受信サービスは1セグメントのみ使用して行うサービスであり、TR−B14第七編のPATの送出階層の規定により、部分受信を行うセグメントにはPATが送出されない。部分受信では番組配列情報のなかのPATが欠落したTSの一部を受信することになる。
【0015】
図6は、部分受信用のPMTのPIDを示す一覧である。地上デジタル放送の部分受信サービスの存在の判断は、TSパケットからNIT(network information table)を取得し、NITに配置される部分受信記述子の存在を確認し、部分受信記述子に記載されているサービス番号の下位3ビットからPMT(program map table)のPIDを特定することにより行われる。さらにTSパケットからPMT(program map table)を取得して部分受信サービスの内容を把握する。
【0016】
NITの中に部分受信記述子が存在し、かつ部分受信記述子に記載されているサービス番号の下位3ビットから特定されたPIDに対応するPMTが存在する場合、部分受信サービスが存在すると判定する。NITの中に部分受信記述子が存在しない場合や、部分受信記述子に記載されているサービス番号の下位3ビットから特定されたPIDに対応するPMTが存在しない場合は部分受信サービスが存在しないと判定する。
【0017】
一般的に、BSデジタル放送、CS放送では、ある周波数で受信できれば、他の受信可能な番組の周波数、変調方式、衛星位置を伝送するNITテーブルも含むTSパケットを受信している。そのため、1つの周波数で受信が行えると、他の受信可能な衛星、周波数、変調方式が特定でき、周波数を変更しながらサービスの存在を把握する必要はない。
【0018】
これに対し、地上デジタルテレビジョン放送は放送局よりも大きな括り(サービス地域や系列等)をネットワークの単位とすることは、全てのTSの情報を集約、配信する仕組みが必要となり、番組開始時刻が地方や放送局により異なるため困難であり、1放送局が1ネットワークとなる構成となっている。
さらに、地上デジタルテレビジョン放送は、中継局が多数あり、中継局ごとに放送する周波数が異なるため、個々の放送局は、その中継局の周波数、変調方式を伝送するNITを作成するが、他の放送局が放送する中継局の周波数、変調方式を伝送するNITを作成しない。
【0019】
そのため、地上デジタル放送のNITのテーブルIDは0x40のみ(自ネットワークに関する情報を伝送するテーブル)で、他のネットワークの情報は伝送されない。
したがって、ある周波数で部分受信サービスを行っていることが確認できた時、他の周波数で部分受信サービスを行っているかは把握できず、地域を移動したときには選局する周波数を変更しながら部分受信サービスを行っていることを確認する必要がある。
【0020】
TR−B14第四編によるとNITの送出周期は最小間隔1秒、最大間隔3秒、デフォルト1秒と規定されている。
部分受信記述子の記載が無いNITであっても部分受信サービスが存在しないと判定するには最小でも1秒かかる。
このように、部分受信サービスの有無を判定する判定処理に時間がかかってしまっては、チャンネルサーチを迅速に行うことができない。チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことが望まれる。
【0021】
デジタルテレビジョン放送に関連する技術として、特開2004−128775号公報にテレビ放送受信機能付きリモコン装置が開示されている(特許文献1参照)。このテレビ放送受信機能付きリモコン装置は、複数のセグメントから成るデジタル放送信号を受信する受信機を遠隔操作するリモコン装置である。テレビ放送受信機能付きリモコン装置は、前記受信機の遠隔操作と、放送番組の視聴とを切り換える切換手段と、前記切換手段の切り換えにより放送番組を視聴する場合、ユーザにより選局されたチャンネルの放送局から伝送されて来るデジタル放送信号から部分受信用のセグメントを抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出したセグメントから音声情報・映像情報又はデータ放送の情報を復元する復元手段と、前記復元手段で復元した音声情報を音声として出力する出力手段と、前記復元手段で復元した映像情報又はデータ放送の情報を映像として再生する再生手段とを有することを特徴としている。これにより、テレビ放送受信機を遠隔操作するリモコン装置でテレビ放送番組を視聴できるようにする。
【0022】
特開2004−200764号公報にCATVデジタル変調システムが開示されている(特許文献2参照)。このCATVデジタル変調システムは、デジタルテレビ放送を受信し、変調処理してCATV網へ再送信するヘッドエンド装置である。CATVデジタル変調システムは、デジタル変調装置に入力されるMPEG−TS(トランスポート・ストリーム)からSI(サービス・インフォメーション)情報中のNIT(ネットワーク・インフォメーション・テーブル)を検出すると共に、該NITに含まれるケーブル分配システム記述子を検出し、該記述子の記述情報に基づいてデジタル変調装置の動作設定を行なうことを特徴としている。これにより、QAM変調装置に入力されるSI情報を利用してQAM変調装置の設定を自動的に行なう。
【0023】
特開2004−289508号公報に電子機器が開示されている(特許文献3参照)。この電子機器は、地上デジタル放送に係る第1の電波を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段で受信された前記第1の電波から第1のネットワークに関する情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の受信手段で受信された前記第1の電波の周波数と異なるとともに、地上デジタル放送に係る第2の電波を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信された前記第2の電波から第2のネットワークに関する情報を取得する第2の取得手段と、を具備することを特徴としている。これにより、迅速にPSI/SIのセクションを取得することが可能としている。
【0024】
特開2004−349932号公報にデジタル放送の補完視聴サービスサーバが開示されている(特許文献4参照)。このデジタル放送の補完視聴サービスサーバは、放送局からの携帯端末向けのデジタル放送を受信し、該デジタル放送のTS(トランスポートストリーム)から補完視聴サービス用コンテンツを生成して蓄積すると共に、携帯受信機から通信ネットワークを介して前記補完視聴サービス用コンテンツの配信要求を受信した場合には、前記補完視聴サービス用コンテンツから前記配信要求に付されている要求時刻以降の補完視聴サービス用コンテンツを抽出し、抽出した補完視聴サービス用コンテンツを前記携帯受信機に対し前記通信ネットワークを介して配信する、ことを特徴としている。これにより、携帯端末向けデジタル放送を携帯端末で受信中に、受信エラー等の原因によって放送内容を視聴できなかった場合、補完視聴サービスサーバから携帯端末に対しダイジェストコンテンツ等を配信することにより、視聴できなかった放送内容を補完して視聴できるようにする。
【0025】
【特許文献1】特開2004−128775号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2004−200764号公報(請求項1)
【特許文献3】特開2004−289508号公報(請求項1)
【特許文献4】特開2004−349932号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の課題は、チャンネルサーチを従来よりも迅速に行うことができる地上デジタルテレビジョン放送受信システムおよび受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0028】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムは、受信機(2)と、地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチが行われるように前記受信機(2)を制御する制御装置(3)とを具備している。
前記受信機(2)は、チューナ復調部(10)と、放送サービスパケット検出部(20)と、タイマー部(30)と、部分受信サービス存在判断部(40)とを具備している。
前記チューナ復調部(10)は、地上デジタルテレビジョン放送によるTS(トランスポートストリーム)を受信し、前記TSに含まれる複数のTSパケット(トランスポートストリームパケット)を1番目から最終番目までこの順に出力する。
前記放送サービスパケット検出部(20)は、前記チューナ復調部(10)からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送の部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成して出力する。
前記タイマー部(30)は、前記放送サービスパケット検出部(20)が前記チューナ復調部(10)から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始する。
前記部分受信サービス存在判断部(40)は、前記タイマー部(30)のカウント値が閾値を超えるまでに、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置(3)に出力する。
【0029】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、指定のPID(パケットID)以外のPIDを有するTSパケットである。
【0030】
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを判断することができる。部分受信放送サービスの情報レートが312kbpsである場合、10TSパケットを受信する時間は48m秒でNITの送出間隔1秒より早く部分受信放送サービスが行われていないことを判断することができる。
このように、本発明によれば、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことができる。
【0031】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットである。
【0032】
例えば、設定下限値を0x0029とし、設定上限値を0x1FFFとした場合、放送サービスパケット検出部(20)は、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果を出力したとき、番組配列情報やヌルパケット(NULLパケット)以外のTSパケットを検出したことになる。
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。また、部分受信放送サービスが行われていない場合、NULLパケットが98.69%含まれていて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットは含まれていない。4TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、0%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを判断することができる。部分受信放送サービスの情報レートが312kbpsである場合、10TSパケットを受信する時間は48m秒でNITの送出間隔1秒より早く部分受信放送サービスが行われていないことを判断することができる。
このように、本発明によれば、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことができる。
【0033】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、指定のPID(パケットID)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである。
【0034】
このように、本発明によれば、上記の効果に加えて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットとしてビットエラーがないTSパケットを検出することができる。
【0035】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである。
【0036】
このように、本発明によれば、上記の効果に加えて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットとしてビットエラーがないTSパケットを検出することができる。
【0037】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記チューナ復調部(10)は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部(20)に出力する。
前記放送サービスパケット検出部(20)は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部(10)からのTSパケットを受け取る。
【0038】
このように、本発明によれば、上記の効果に加えて、入出力のタイミングを確実に合わせることができる。
【0039】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記受信機(2)は、更に、PMT検出部(50)と、PMTタイマー部(60)とを具備している。
前記PMT検出部(50)は、前記チューナ復調部(10)からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送のPMT(program map table)を有するTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成して出力する。
前記PMTタイマー部(60)は、前記PMT検出部(50)が前記チューナ復調部(10)から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始する。
前記部分受信サービス存在判断部(40)は、前記タイマー部(30)のカウント値が閾値を超える前に、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されていても、前記PMTタイマー部(60)のカウント値が閾値を超えるまでに、前記PMTを有するTSパケットを表す前記PMT検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置(3)に出力する。
【0040】
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
また、PMTタイマー部60の閾値については部分受信サービスのPMTの最大再送周期500m秒程度に設定しておく。PMTについては放送番組を構成する符号化信号を伝送するTSパケットのPIDを指定しておく。PMT検出部50が検出できないときは部分受信放送サービスが行われていないことを確実に判断することができる。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを確実に判断することができる。
このように、本発明によれば、上記の効果に加えて、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に且つ確実に行うことができる。
【0041】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記PMTを有するTSパケットは、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである。
【0042】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、前記チューナ復調部(10)は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部(20)と前記PMT検出部(50)に出力する。
前記放送サービスパケット検出部(20)と前記PMT検出部(50)は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部(10)からのTSパケットを受け取る。
【0043】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムは、上記の受信機であるコンピュータ(2)に備えられるコンピュータプログラムである。
【0044】
本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信機(2)は、上記の受信機である。
【発明の効果】
【0045】
以上により、本発明によれば、チャンネルサーチを従来よりも迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に添付図面を参照して、本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムとして、携帯端末について詳細に説明する。携帯端末を対象とするテレビ放送は、地上デジタルテレビジョン放送の部分受信サービスによって行われる。部分受信サービスは1つのチャンネルの帯域(6MHz)を1/13したものの1つ(セグメント)を使用して行われる。
【0047】
地上デジタルテレビジョン放送の伝送データ構成はMPEG2システムズのトランスポートストリームを使用している。
MPEG2システムズは、ISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical commission)13818−1として規格化されている。
トランスポートストリームは、圧縮した映像、音声に加えて番組配列情報を188バイト固定長のトランスポートストリームパケットに多重化され、送信される。
【0048】
図1(イ)(ロ)は、TS(トランスポートストリーム)の構造を示す図である。
TS(トランスポートストリーム)は、図1(イ)に示されるように、ヘッダ(header)部とペイロード(payload)部から成る188バイト単位のTSパケット(トランスポートストリームパケット)の列として形成されている。ヘッダ部は、sync_byte(ビット数8)と、transport_error_indicator(ビット数1)と、pay_load_unit_start_indicator(ビット数1)と、transport_priority(ビット数1)と、PID(ビット数13)と、transport_scrambling_control(ビット数2)と、adaptation_field_control(ビット数2)と、continuity_counter(ビット数4)と、adaptation_fieldとを含んでいる。
【0049】
図2は、TSパケットのデータ構造を示す図である。
図2において、符号(イ)に示されるtransport_error_indicatorは、図1(ロ)に示されるtransport_error_indicator{符号(ロ−1)参照}に対応しており、符号(ロ)に示されるPID(パケットID)は、図1(ロ)に示されるPID{符号(ロ−2)参照}に対応している。
【0050】
transport_error_indicatorは1ビットのフラグである。そのフラグが1に設定されている場合は少なくとも1ビットの訂正できないビットエラーがTSパケット(トランスポートストリームパケット)に存在していることを示している。
【0051】
図3はTSの多重化モデルを示した図である。圧縮した映像、音声はデータ長が不等長のPESにパケット化され、さらにデータ長が等長のTSパケットにパケット化される。番組配列情報はデータ長が不等長のセクションにパケット化され、さらにデータ長が等長のTSパケットにパケット化される。TSパケットを多重化したものがTSである。
【0052】
図1(ロ)における符号(ロ−2)、図2における符号(ロ)に示されるPIDは、13ビットのフィールドでTSパケットのペイロードに配置されているデータの種類を判別するために用いられる。
【0053】
ISO/IEC13818−1における番組配列情報は、
1)放送番組に関連するPMT(後述)を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するPAT(Program Association Table)
2)有料放送に関連する情報を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するCAT(Conditional Access Table)
3)放送番組を構成する符号化信号を伝送するTSパケットを識別するPIDを指定するPMT(Program Map Table)
4)放送の変調方式などの物理的構成とネットワーク自身の特性を示すNIT(Network Information Table)
が定義されている。この4つの情報は番組特定情報(PSI:Program Specific Information)と呼ばれ、所要の番組を選択するために使用される。
【0054】
そこで、ISO/IEC13818−1では、PID=0x0000はPAT(Program Associasion Table)、PID=0x0001はCAT(Conditional Access Table)、PID=0x0010はNIT(Network Information Table)、PID=0x1FFFはヌルパケット(NULLパケット)として予約されている。
さらに、我が国のデジタル放送の番組配列情報を規定している電波産業会(ARIB)のSTD−B10(非特許文献1)では、図4に示されるようなPIDが番組配列情報を伝送するために予約されている。
そのため、圧縮した映像、音声が重畳された放送サービスに関与するTSパケットのPIDは0x0030〜0x1FFEの値がとられている。
【0055】
地上デジタルテレビジョン放送での番組特定情報における値の範囲や送出間隔は、電波産業会のTR−B14(非特許文献2)第四編で定義されている。
TR−B14第四編では1送出マスター(放送局)が1つのネットワークを構成し、1つのネットワークが1TSになると定義されている。さらに、当該ネットワークのTSに他のネットワークの番組特定情報は伝送しない規格になっている。
【0056】
そのため、地上デジタルテレビジョン放送の受信機では、ユーザがその放送を購入した直後、受信周波数を変更しながら受信可能なサービスが存在しているか確認する必要がある。動作のガイドラインはTR−B14第二編に記載されている。
携帯端末では、ユーザが上記放送を購入した直後以外に受信地域を移動した際にも受信周波数を変更しながら受信可能なサービスが存在しているか確認する必要がある。
【0057】
地上デジタルテレビジョン放送はTSパケット複数個含むデータのグループ(以下データセグメント)単位で構成され、伝送符号化が施される。伝送符号化の際にデータセグメントを伝送パラメータの異なる複数の階層伝送が行える。階層ごとにキャリア変調方式、内符号の符号化率、時間インターリーブ長を設定できる。伝送可能な階層数は最大3である。
【0058】
図5は、データセグメントを2階層に設定し、1セグメントで部分受信サービスを行う時のデータセグメントの構成と伝送スペクトルを示している。図5に示されるように、部分受信サービスは1つのセグメントが使用され、OFDM(直交周波数分割多重;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調が施されたときに周波数帯域の中央に配置され、他の12セグメントの受信より所要CNが低くなるようキャリア変調、誤り訂正符号が選択されている。
【0059】
ただし、TR−B14第四編では1送出マスター(放送局)が1つのネットワークを構成し、1つのネットワークが1TSになると定義されているため、階層ごとに1つのTSになっておらず、全ての階層のセグメントのTSパケットがそろって1つのTSになる。
部分受信サービスは1セグメントのみ使用して行うサービスであり、TR−B14第七編のPATの送出階層の規定により、部分受信を行うセグメントにはPATが送出されない。部分受信ではTSの一部を受信することになる。
【0060】
(第1実施形態)
図7は、本発明の第1実施形態による地上デジタルテレビジョン放送受信システムとして、携帯端末1の構成を示している。携帯端末1は、受信機2と、制御装置3とを具備している。受信機2は、制御装置3に接続されている。携帯端末1は、更に、制御装置3に接続された表示装置、入力装置(図示しない)を具備している。
制御装置3は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)4、記憶装置5を具備している。記憶装置5には、CPU4が実行するためのコンピュータプログラム6である制御部(制御プログラム)7が格納されている。制御装置3が起動されたとき、又は、ユーザが入力装置により操作したとき、制御部7は、所定の動作(処理)を行い、その実行結果を表示装置に表示する。
【0061】
図8は、受信機2の構成を示すブロック図である。受信機2は、チューナOFDM復調部10と、放送サービスパケット検出部20と、タイマー部30と、部分受信サービス存在判断部40とを具備している。チューナOFDM復調部10、放送サービスパケット検出部20、タイマー部30、部分受信サービス存在判断部40は、ハードウェア(例示;回路)又はソフトウェア(例示;コンピュータプログラム)により実現される。
【0062】
制御装置3の制御部7は、地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチが行われるように、受信機2を制御する。即ち、制御部7は、複数の周波数を認識し、複数の周波数の中の1つの周波数による放送電波を受信するようにチューナ(チューナOFDM復調部10)を制御する。
チューナOFDM復調部10は、地上デジタルテレビジョン放送によるTS(トランスポートストリーム)を受信するチューナ(ハードウェア)と、OFDM復調部(ハードウェア又はソフトウェア)とを備えている。TSは、OFDM(直交周波数分割多重;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調により、1番目から最終番目までの複数のTSパケット(トランスポートストリームパケット)を含んでいる。チューナOFDM復調部10のOFDM復調部は、TSに対してOFDM復調を施し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に、放送サービスパケット検出部20と制御装置3とに出力する。制御装置3の制御部7は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットにより所定の処理を行う。
【0063】
放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
タイマー部30は、放送サービスパケット検出部20がチューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始する。
部分受信サービス存在判断部40は、タイマー部30のカウント値が閾値を超えるまでに、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す検出結果が出力されない場合、TSに部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を制御装置3に出力する。制御装置3の制御部7は、この通知により所定の処理又はその一部を変更する。
【0064】
[動作例1]
図9は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例1を示すフローチャートである。
【0065】
チューナOFDM復調部10は、地上デジタルテレビジョン放送によるTSを受信してOFDM復調を施し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力する(ステップS11)。制御装置3の制御部7は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットにより所定の処理を行う。
放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取る。このとき、タイマー部30は、カウントを開始する(ステップS12)。
【0066】
放送サービスパケット検出部20は、指定のPIDとして1FFFを認識している。即ち、部分受信放送サービスに関与するTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットであることを認識している。放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する(ステップS13)。
放送サービスパケット検出部20は、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットを表す検出結果を生成/出力していない場合(ステップS13−NO、S14−NO)、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットに対して、上記のステップS13を実行する。即ち、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
【0067】
タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS13−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、TSに部分受信放送サービスが存在する旨を表す通知を制御装置3に出力する(ステップS15)。制御装置3の制御部7は、この通知により所定の処理として第1処理を実行する(ステップS16)。
【0068】
タイマー部30のカウント値が閾値を越えるまでに、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有するTSパケットを表す検出結果が出力されていない(ステップS13−NO、S14−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、TSに部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を制御装置3に出力する(ステップS17)。制御装置3の制御部7は、この通知により所定の処理として第2処理を実行する(ステップS18)。
例えば、制御部7は、部分受信サービスが存在しないと判断したとき、第2処理として、チャンネルサーチを再度行う。この場合、制御部7は、第2処理として、複数の周波数の中の他の1つの周波数による放送電波を受信するようにチューナ(チューナOFDM復調部10)を制御し(ステップS18)、受信機2は、上述のステップS11〜S18を実行する。
【0069】
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを判断することができる。部分受信放送サービスの情報レートが312kbpsである場合、10TSパケットを受信する時間は48m秒でNITの送出間隔1秒より早く部分受信放送サービスが行われていないことを判断することができる。
【0070】
このように、本発明の第1実施形態による携帯端末1によれば、動作例1において、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことができる。
【0071】
[動作例2]
図10は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例2を示すフローチャートである。
動作例2では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例2では、動作例1におけるステップS13に代えて、後述のステップS21が実行される。
【0072】
放送サービスパケット検出部20は、PIDにおける設定下限値と設定上限値とを認識している。即ち、部分受信放送サービスに関与するTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットであることを認識している。放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する(ステップS21)。例えば、設定下限値を0x0029とし、設定上限値を0x1FFFとした場合、放送サービスパケット検出部20は、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果を出力したとき、番組配列情報やヌルパケット(NULLパケット)以外のTSパケットを検出したことになる。
放送サービスパケット検出部20は、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果を生成/出力していない場合(ステップS21−NO、S14−NO)、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットに対して、上記のステップS21を実行する。即ち、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
【0073】
タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS21−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS15、S16を実行する。
タイマー部30のカウント値が閾値を越えるまでに、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果が出力されてない(ステップS21−NO、S14−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS17、S18を実行する。
【0074】
上述のように、例えば、設定下限値を0x0029とし、設定上限値を0x1FFFとした場合、放送サービスパケット検出部20は、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットを表す検出結果を出力したとき、番組配列情報やヌルパケット(NULLパケット)以外のTSパケットを検出したことになる。
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。また、部分受信放送サービスが行われていない場合、NULLパケットが98.69%含まれていて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットは含まれていない。4TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、0%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを判断することができる。部分受信放送サービスの情報レートが312kbpsである場合、10TSパケットを受信する時間は48m秒でNITの送出間隔1秒より早く部分受信放送サービスが行われていないことを判断することができる。
【0075】
このように、本発明の第1実施形態による携帯端末1によれば、動作例2において、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことができる。
【0076】
[動作例3]
図11は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例3を示すフローチャートである。
動作例3では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例3では、動作例1におけるステップS13に代えて、後述のステップS31が実行される。
【0077】
放送サービスパケット検出部20は、指定のPIDとして1FFFを認識し、指定のtransport_error_indicatorとして0を認識している。即ち、部分受信放送サービスに関与するTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであることを認識している。上述のように、transport_error_indicatorは1ビットのフラグであり、1に設定されている場合は少なくとも1ビットの訂正できないビットエラーがTSパケットに存在していることを示している。放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する(ステップS31)。
放送サービスパケット検出部20は、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果を生成/出力していない場合(ステップS31−NO、S14−NO)、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットに対して、上記のステップS31を実行する。即ち、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットが、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
【0078】
タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS31−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS15、S16を実行する。
タイマー部30のカウント値が閾値を越えるまでに、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されていない(ステップS31−NO、S14−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS17、S18を実行する。
【0079】
このように、本発明の第1実施形態による携帯端末1によれば、動作例3において、上記の動作例1の効果に加えて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットとしてビットエラーがないTSパケットを検出することができる。
【0080】
[動作例4]
図12は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例4を示すフローチャートである。
動作例4では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例4では、動作例2におけるステップS21に代えて、後述のステップS41が実行される。
【0081】
放送サービスパケット検出部20は、PIDにおける設定下限値と設定上限値とを認識し、指定のtransport_error_indicatorとして0を認識している。即ち、部分受信放送サービスに関与するTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであることを認識している。放送サービスパケット検出部20は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する(ステップS41)。
放送サービスパケット検出部20は、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果を生成/出力していない場合(ステップS41−NO、S14−NO)、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットに対して、上記のステップS41を実行する。即ち、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットが、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
【0082】
タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS41−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS15、S16を実行する。
タイマー部30のカウント値が閾値を越えるまでに、設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されていない(ステップS41−NO、S14−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、上述のステップS17、S18を実行する。
【0083】
このように、本発明の第1実施形態による携帯端末1によれば、動作例4において、上記の動作例2の効果に加えて、部分受信放送サービスに関与するTSパケットとしてビットエラーがないTSパケットを検出することができる。
【0084】
以上の構成により、本発明の第1実施形態による携帯端末1によれば、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に行うことができる。
【0085】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態に対する変更点のみ説明する。
【0086】
図13は、受信機2の構成を示すブロック図である。
チューナOFDM復調部10は、TSパケットを出力するときに、同期信号を放送サービスパケット検出部20に出力する。放送サービスパケット検出部20は、この同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。これにより、本発明の第2実施形態による携帯端末1によれば、入出力のタイミングを第1実施形態のそれよりも確実に合わせることができる。
【0087】
[動作例5]
図14は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例5を示すフローチャートである。
動作例5では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例5では、動作例1、動作例3に対して、後述のステップS51が更に実行される。例えば、動作例3に対して後述のステップS51が更に実行される場合について説明する。
【0088】
チューナOFDM復調部10は、地上デジタルテレビジョン放送によるTSを受信してOFDM復調を施し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力する(ステップS11)。同時に、チューナOFDM復調部10は、複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を放送サービスパケット検出部20に出力する(ステップS51)。このとき、放送サービスパケット検出部20は、同期信号によりチューナOFDM復調部10と同期状態になる。
放送サービスパケット検出部20は、この同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。まず、同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取る。このとき、タイマー部30は、カウントを開始する(ステップS12)。
その後、放送サービスパケット検出部20は、上述のステップS31を実行する。
【0089】
このように、本発明の第2実施形態による携帯端末1によれば、動作例5において、上記の動作例1、3の効果に加えて、入出力のタイミングを第1実施形態のそれよりも確実に合わせることができる。
【0090】
[動作例6]
図15は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例6を示すフローチャートである。
動作例6では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例6では、動作例2、動作例4に対して、後述のステップS61が更に実行される。例えば、動作例4に対して後述のステップS61が更に実行される場合について説明する。
【0091】
チューナOFDM復調部10は、地上デジタルテレビジョン放送によるTSを受信してOFDM復調を施し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力する(ステップS11)。同時に、チューナOFDM復調部10は、TSパケットを出力するときに、同期信号を放送サービスパケット検出部20に出力する(ステップS61)。このとき、放送サービスパケット検出部20は、同期信号によりチューナOFDM復調部10と同期状態になる。
放送サービスパケット検出部20は、この同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。まず、同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取る。このとき、タイマー部30は、カウントを開始する(ステップS12)。
その後、放送サービスパケット検出部20は、上述のステップS41を実行する。
【0092】
このように、本発明の第2実施形態による携帯端末1によれば、動作例6において、上記の動作例2、4の効果に加えて、入出力のタイミングを第1実施形態のそれよりも確実に合わせることができる。
【0093】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第2実施形態に対する変更点のみ説明する。
【0094】
図16は、受信機2の構成を示すブロック図である。受信機2は、更に、PMT検出部50と、PMTタイマー部60とを具備している。チューナOFDM復調部10、放送サービスパケット検出部20、タイマー部30、部分受信サービス存在判断部40、PMT検出部50、PMTタイマー部60は、ハードウェア(例示;回路)又はソフトウェア(例示;コンピュータプログラム)により実現される。
【0095】
チューナOFDM復調部10は、TSパケットを出力するときに、同期信号を放送サービスパケット検出部20、PMT検出部50に出力する。放送サービスパケット検出部20、PMT検出部50は、この同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。これにより、入出力のタイミングを確実に合わせることができる。
【0096】
PMT検出部50は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、地上デジタルテレビジョン放送の前述のPMT(program map table)を有するTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
PMTタイマー部60は、PMT検出部50がチューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始する。
部分受信サービス存在判断部40は、タイマー部30のカウント値が閾値を超える前に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す検出結果が出力されていても、PMTタイマー部60のカウント値が閾値を超えるまでに、PMTを有するTSパケットを表すPMT検出結果が出力されない場合、TSに部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を制御装置3に出力する。
【0097】
[動作例7]
図17は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例7を示すフローチャートである。
動作例7では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例7では、動作例5に対して、後述のステップS71、S72が更に実行される。
【0098】
チューナOFDM復調部10は、地上デジタルテレビジョン放送によるTSを受信してOFDM復調を施し、TSに含まれる複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力する(ステップS11)。同時に、チューナOFDM復調部10は、TSパケットを出力するときに、同期信号を放送サービスパケット検出部20、PMT検出部50に出力する(ステップS51)。このとき、放送サービスパケット検出部20、PMT検出部50は、同期信号によりチューナOFDM復調部10と同期状態になる。
【0099】
放送サービスパケット検出部20は、この同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。PMT検出部50は、同期信号に応じて、チューナOFDM復調部10からのTSパケットを受け取る。タイマー部30、PMTタイマー部60は、それぞれ、放送サービスパケット検出部20、PMT検出部50が同期信号に応じてチューナOFDM復調部10から1番目のTSパケットを受け取ったとき、カウントを開始する(ステップS12)。
その後、放送サービスパケット検出部20は、上述のステップS31を実行する。
【0100】
PMT検出部50は、PIDにおける設定PMT下限値と設定PMT上限値とを認識し、指定のtransport_error_indicatorとして0を認識している。即ち、PIDを有するTSパケットが、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであることを認識している。PMT検出部50は、チューナOFDM復調部10からのTSパケットが、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する(ステップS71)。たとえば設定PMT下限値を0x1FC8とし、設定PMT上限値を0x1FCFとした場合(例えば図6参照)、PMT検出部50は、PIDが0x1FC8以上かつ0x1FCF以下でtransport_error_indicatorが0であるTSパケットを検出する。
PMT検出部50は、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表すPMT検出結果を生成/出力していない場合(ステップS71−NO、S72−NO)、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットに対して、上記のステップS71を実行する。即ち、チューナOFDM復調部10からの次のTSパケットが、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成し、部分受信サービス存在判断部40に出力する。
【0101】
タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS31−YES)。そして、PMTタイマー部60のカウント値が閾値を越える前に、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表すPMT検出結果が出力されている(ステップS71−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、TSに部分受信放送サービスが存在する旨を表す通知を制御装置3に出力する(ステップS15)。制御装置3の制御部7は、この通知により所定の処理として第1処理を実行する(ステップS16)。
【0102】
タイマー部30のカウント値が閾値を越えるまでに、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されていない(ステップS31−NO、S14−YES)。この場合、部分受信サービス存在判断部40は、TSに部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を制御装置3に出力する(ステップS17)。制御装置3の制御部7は、この通知により所定の処理として第2処理を実行する(ステップS18)。
あるいは、タイマー部30のカウント値が閾値を越える前に、指定のPID(1FFF)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表す検出結果が出力されている(ステップS31−YES)。しかし、PMTタイマー部60のカウント値が閾値を越えるまでに、設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットを表すPMT検出結果が出力されていない(ステップS71−NO、S72−YES)。この場合でも、上記のステップS17、S18が実行される。
【0103】
部分受信放送サービスの情報レートの最小値は280.85kbpsであり、その中で90%以上は部分受信放送サービスに関与するTSパケットが含まれている。例えば、10TSパケットが伝送される時間中に、部分受信放送サービスに関与するTSパケットを検出する確率は、99.99999999%になる。そのため、タイマー部30の閾値は100m秒程度でよい。
また、PMTタイマー部60の閾値については部分受信サービスのPMTの最大再送周期500m秒程度に設定しておく。PMTについては放送番組を構成する符号化信号を伝送するTSパケットのPIDを指定しておく。PMT検出部50が検出できないときは部分受信放送サービスが行われていないことを確実に判断することができる。
これにより、NITの再送周期(最大5秒)を待たずに部分受信放送サービスが存在しないことを確実に判断することができる。
【0104】
このように、本発明の第3実施形態による携帯端末1によれば、動作例7において、上記の動作例1、3、5の効果に加えて、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に且つ確実に行うことができる。
【0105】
[動作例8]
図18は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例8を示すフローチャートである。
動作例8では、上述に対する変更点のみ説明する。動作例8では、動作例6に対して、後述のステップS71、S72が更に実行される。即ち、動作例8では、動作例7におけるステップS51、S31に代えて、動作例6におけるステップS61、S41が実行される。
【0106】
このように、本発明の第3実施形態による携帯端末1によれば、動作例8において、上記の動作例2、4、6の効果に加えて、チャンネルサーチを従来{NITの再送周期(最大5秒)}よりも迅速に且つ確実に行うことができる。
【0107】
以上の説明により、本発明の携帯端末1によれば、チャンネルサーチを従来よりも迅速に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明によれば、地上デジタルテレビジョン放送の部分受信サービスが行われている周波数の特定に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1(イ)(ロ)は、TS(トランスポートストリーム)の構造を示す図である。
【図2】図2は、TSパケットのデータ構造を示す図である。
【図3】図3は、TSの多重化モデルを示す図である。
【図4】図4は、PIDとテーブルとの対応関係を示している。
【図5】図5は、部分受信サービスを説明するための図である。
【図6】図6は、部分受信用のPMTのPIDを示す一覧である。
【図7】図7は、本発明の地上デジタルテレビジョン放送受信システムである、携帯端末1の構成を示している。(第1実施形態〜第3実施形態)
【図8】図8は、本発明の携帯端末1の受信機2の構成を示すブロック図である。(第1実施形態)
【図9】図9は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例1を示すフローチャートである。(第1実施形態)
【図10】図10は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例2を示すフローチャートである。(第1実施形態)
【図11】図11は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例3を示すフローチャートである。(第1実施形態)
【図12】図12は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例4を示すフローチャートである。(第1実施形態)
【図13】図13は、携帯端末1の受信機2の構成を示すブロック図である。(第2実施形態)
【図14】図14は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例5を示すフローチャートである。(第2実施形態)
【図15】図15は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例6を示すフローチャートである。(第2実施形態)
【図16】図16は、携帯端末1の受信機2の構成を示すブロック図である。(第3実施形態)
【図17】図17は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例7を示すフローチャートである。(第3実施形態)
【図18】図18は、本発明の携帯端末1の動作として、動作例8を示すフローチャートである。(第3実施形態)
【符号の説明】
【0110】
1 携帯端末
2 受信機
3 制御装置
4 CPU
5 記憶装置
6 コンピュータプログラム
7 制御部
10 チューナOFDM復調部
20 放送サービスパケット検出部
30 タイマー部
40 部分受信サービス存在判断部
50 PMT検出部
60 PMTタイマー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と、
地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチが行われるように前記受信機を制御する制御装置と
を具備し、
前記受信機は、
地上デジタルテレビジョン放送によるTS(トランスポートストリーム)を受信し、前記TSに含まれる複数のTSパケット(トランスポートストリームパケット)を1番目から最終番目までこの順に出力するチューナ復調部と、
前記チューナ復調部からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送の部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成して出力する放送サービスパケット検出部と、
前記放送サービスパケット検出部が前記チューナ復調部から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するタイマー部と、
前記タイマー部のカウント値が閾値を超えるまでに、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力する部分受信サービス存在判断部と
を具備する地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項5】
請求項3に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記チューナ復調部は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部に出力し、
前記放送サービスパケット検出部は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部からのTSパケットを受け取る
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記受信機は、
更に、
前記チューナ復調部からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送のPMT(program map table)を有するTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成して出力するPMT検出部と、
前記PMT検出部が前記チューナ復調部から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するPMTタイマー部と
を具備し、
前記部分受信サービス存在判断部は、
前記タイマー部のカウント値が閾値を超える前に、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されていても、前記PMTタイマー部のカウント値が閾値を超えるまでに、前記PMTを有するTSパケットを表す前記PMT検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力する
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項8】
請求項7に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記PMTを有するTSパケットは、
設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信システムにおいて、
前記チューナ復調部は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部と前記PMT検出部に出力し、
前記放送サービスパケット検出部と前記PMT検出部は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部からのTSパケットを受け取る
地上デジタルテレビジョン放送受信システム。
【請求項10】
地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチが行われるときに制御装置に制御されるコンピュータに備えられるコンピュータプログラムであって、
地上デジタルテレビジョン放送によるTS(トランスポートストリーム)が受信されたとき、前記TSに含まれる複数のTSパケット(トランスポートストリームパケット)を1番目から最終番目までこの順に出力するチューナ復調ステップと、
前記チューナ復調ステップからのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送の部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成して出力する放送サービスパケット検出ステップと、
前記放送サービスパケット検出ステップが前記チューナ復調ステップから1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するタイマーステップと、
前記タイマーステップのカウント値が閾値を超えるまでに、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力する部分受信サービス存在判断ステップと
の各ステップを前記コンピュータに実行させる地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項10に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項12に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記チューナ復調ステップは、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を出力するステップを更に含み、
前記放送サービスパケット検出ステップは、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調ステップからのTSパケットを受け取るステップ
を更に含む地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項13又は14に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
更に、
前記チューナ復調ステップからのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送のPMT(program map table)を有するTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成して出力するPMT検出ステップと、
前記PMT検出ステップが前記チューナ復調ステップから1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するPMTタイマーステップと
の各ステップを前記コンピュータに実行させ、
前記部分受信サービス存在判断ステップは、
前記タイマーステップのカウント値が閾値を超える前に、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されていても、前記PMTタイマーステップのカウント値が閾値を超えるまでに、前記PMTを有するTSパケットを表す前記PMT検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力するステップ
を更に含む地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記PMTを有するTSパケットは、
設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラムにおいて、
前記チューナ復調ステップは、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を出力するステップを更に含み、
前記放送サービスパケット検出ステップと前記PMT検出ステップは、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調ステップからのTSパケットを受け取るステップ
を更に含む地上デジタルテレビジョン放送受信コンピュータプログラム。
【請求項19】
地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチが行われるときに制御装置に制御される受信機であって、
地上デジタルテレビジョン放送によるTS(トランスポートストリーム)を受信し、前記TSに含まれる複数のTSパケット(トランスポートストリームパケット)を1番目から最終番目までこの順に出力するチューナ復調部と、
前記チューナ復調部からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送の部分受信放送サービスに関与するTSパケットであるか否かを表す検出結果を生成して出力する放送サービスパケット検出部と、
前記放送サービスパケット検出部が前記チューナ復調部から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するタイマー部と、
前記タイマー部のカウント値が閾値を超えるまでに、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力する部分受信サービス存在判断部と
を具備する地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項20】
請求項19に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項21】
請求項19に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有するTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項22】
請求項20に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
指定のPID(パケットID)以外のPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項23】
請求項21に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットは、
設定下限値より大きく設定上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記チューナ復調部は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部に出力し、
前記放送サービスパケット検出部は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部からのTSパケットを受け取る
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項25】
請求項22又は23に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
更に、
前記チューナ復調部からのTSパケットが、前記地上デジタルテレビジョン放送のPMT(program map table)を有するTSパケットであるか否かを表すPMT検出結果を生成して出力するPMT検出部と、
前記PMT検出部が前記チューナ復調部から1番目のTSパケットを受け取ったときに、カウントを開始するPMTタイマー部と
を具備し、
前記部分受信サービス存在判断部は、
前記タイマー部のカウント値が閾値を超える前に、前記部分受信放送サービスに関与するTSパケットを表す前記検出結果が出力されていても、前記PMTタイマー部のカウント値が閾値を超えるまでに、前記PMTを有するTSパケットを表す前記PMT検出結果が出力されない場合、前記TSに前記部分受信放送サービスが存在しない旨を表す通知を前記制御装置に出力する
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項26】
請求項25に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記PMTを有するTSパケットは、
設定PMT下限値より大きく設定PMT上限値より小さいPIDを有し、且つ、transport_error_indicatorが0であるTSパケットである
地上デジタルテレビジョン放送受信機。
【請求項27】
請求項25又は26に記載の地上デジタルテレビジョン放送受信機において、
前記チューナ復調部は、前記複数のTSパケットを1番目から最終番目までこの順に出力するときに、同期信号を前記放送サービスパケット検出部と前記PMT検出部に出力し、
前記放送サービスパケット検出部と前記PMT検出部は、前記同期信号に応じて、前記チューナ復調部からのTSパケットを受け取る
地上デジタルテレビジョン放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−166151(P2007−166151A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358886(P2005−358886)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】