説明

地下埋設物管理システム

【課題】事故を未然に防止して工事の効率化を図ることができる地下埋設物管理システムを提供する。
【解決手段】地下埋設物管理システム50は、事業者毎に異なった深度の地盤内に埋設された各埋設物についての敷設情報に基づいて、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際に他の事業者の埋設物に影響が発生すると判断される場合に、当該他の事業者との間での事前協議を促して工事遂行を円滑化する地下埋設物管理システム50であって、敷設情報を各事業者ごとに管理すると共に、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際の他事業者への影響の有無を判定する地図管理サーバ4と、各事業者に割当てられたユーザID及びパスワードを管理するアクセスサーバ3と、各事業者間のメール情報を送受信するメールサーバ2と、各事業者間とメールサーバ2とを接続する通信網9と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下埋設物管理システムに関し、さらに詳しくは、電気、ガス等の事業者が自らが所有する地下埋設物に対して工事を行う際に、工事箇所を含む周辺の地盤内に他の事業者の埋設物が存在するか否かを、登録した事業者レイヤごとに抽出することが可能な地下埋設物管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、インフラが整備されて、地盤内には上水道、下水道、ガス管、電力線管路、及び光ケーブル管路などの地下埋設物が互いに干渉しないように多層状に配設されている。このような地下埋設物に対して保守点検や新設等の工事を実施する場合には、地盤を掘削する必要が生じてくる。しかし、各事業者は自らの地下埋設物の埋設位置は認識しているが、セキュリティ上の観点から、これらの情報は他事業者に公開することはない。そのため、地盤を掘削する事業者は、地盤を掘削するたびに、他の全ての地下埋設事業者に、掘削位置を記した地下埋設協議書を送付して、支障となる地下埋設物の有無を確認して、必要であれば他事業者を立ちあわせて工事を行う必要があり、工事を開始するまでに多大な労力と時間を要していた。
【0003】
そこで、地下埋設物を効率的に管理する従来技術として特許文献1には、地下埋設物に非接触で読み書き可能な記録媒体を設け、記録媒体に埋設位置・地図データ及び道路を含む周辺構造物に関する情報を記録し、地上から探知可能な地下埋設物等の情報システムについて開示されている。
また、特許文献2には、自社の位置情報、地図データ、地下埋設物データを連係し、地下埋設物の位置を効率的に把握する巡回監視用ナビゲーション装置について開示されている。
また、特許文献3には、地下埋設物の位置座標、縦断・横断図面、構造図、展開図、写真等をレイヤごとに登録し、地下埋設物の管理を効率化する地下埋設物位置表示システムについて開示されている。
また、特許文献4には、道路の埋設物件や工事に関する情報を安全且つ効率的に管理し、自治体への申請や工事立会い代行を可能とし、更に、利用者に有益な工事情報を提供可能な地下埋設物件管理システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−317410号公報
【特許文献2】特開2004−279172公報
【特許文献3】特開2006−133367公報
【特許文献4】特開2005−227913公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている従来技術は、いずれも自社地下埋設物の効率的な管理には寄与するが、一般にセキュリティ上の観点から自社の地下埋設物の敷設状況を他事業者に公開することはないため、他事業者の地下埋設物を含めた合理的な管理は困難であるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、地下埋設物を所有する各事業者は、地下埋設物の敷設情報を地図管理サーバに登録しておき、特定の事業者が掘削工事を依頼する場合は、地図管理サーバにログインして工事に関する必要情報を登録することにより、工事により影響を受ける他事業者の地下埋設物を地図管理サーバが自動的に抽出して掘削する事業者に通知するので、事故を未然に防止して工事の効率化を図ることができる地下埋設物管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、事業者毎に異なった深度の地盤内に埋設された各埋設物についての敷設情報に基づいて、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際に他の事業者の埋設物に影響が発生すると判断される場合に、当該他の事業者との間での事前協議を促して工事遂行を円滑化する地下埋設物管理システムであって、前記敷設情報を前記各事業者ごとに管理すると共に、前記他事業者への影響の有無を判定する地図管理サーバと、前記各事業者に割当てられたユーザID及びパスワードを管理するアクセスサーバと、前記各事業者間のメール情報を送受信するメールサーバと、前記各事業者間と前記メールサーバとを接続する通信網と、を備えたことを特徴とする。
本発明の地下埋設物管理システムは、本システムに加入した事業者が、それぞれの事業者が所有する埋設物に関する敷設情報(敷設地図)を地図管理サーバに登録しておく。そして、各事業者にはユーザIDとパスワードを割り当て、工事を実施する特定の事業者は地図管理サーバにログインすることにより、工事位置での他事業者の埋設物の有無を確認することができる。これにより、事故を未然に防止して工事の効率化を図ることができる。
【0007】
請求項2は、前記地図管理サーバは、前記特定の事業者による工事箇所の位置データに基づいて、他事業者の埋設物についての敷設情報を確認し、前記工事箇所を含む周辺の地盤内に他事業者の埋設物が存在するか否かを検索して、埋設物が存在する場合は、該埋設物を所有する他事業者を抽出することを特徴とする。
工事を実施する特定の事業者(以下、工事施工事業者と呼ぶ)は、地図管理サーバにログインしたときに、登録IDと工事箇所、及び工事方法を登録する。地図管理サーバは工事箇所を含む周辺の地盤内に他事業者の埋設物があるか否かを検索し、埋設物があれば、その埋設物を所有する事業者を抽出する。これにより、工事箇所のデータから影響がある他事業者の埋設物の有無と、それを所有する事業者を即座に検索することができる。
請求項3は、前記地図管理サーバは、抽出された前記他事業者を前記メールサーバを介して前記工事を実施する特定の事業者にメール情報として送信することを特徴とする。
工事施工事業者は、工事箇所を含む周辺の地盤内に他の事業者の埋設物があるか否かを知る必要がある。地図管理サーバは、事業者名が抽出されると、その情報をメールにより工事施工事業者に通知する。これにより、工事施工事業者は、ログインすると自動的に協議を行う他事業者を特定することができる。
【0008】
請求項4は、前記地図管理サーバは、前記抽出された前記他事業者に対して、前記工事を実施する特定の事業者名、登録ID、及び回答希望日を明記した地下埋設協議依頼のメールを送信するように、前記メールサーバに指示することを特徴とする。
工事により影響を受ける他事業者は、工事施工事業者と事前に詳細な協議が必要となる。そこで、地図管理サーバは、抽出された他事業者に対して地下埋設協議依頼をメールで送信する。これにより、工事施工事業者と抽出された他事業者の協議を迅速に行うことができる。
請求項5は、前記地図管理サーバは、前記メールを受信した他事業者により入力された登録IDを元に、前記工事を実施する特定の事業者が登録した工事箇所を前記メールを受信した他事業者の埋設物の敷設情報に転記することを特徴とする。
工事施工事業者の工事箇所は、他の事業者には原則的に非公開である。しかし、工事により影響を与える他の事業者には、少なくとも工事箇所の情報を伝える必要がある。そこで本発明では、工事施工事業者が登録した工事箇所をメールを受信した他事業者の埋設物の敷設情報に転記する。これにより、メールを受信した他事業者は、工事箇所に影響を与える箇所を明確に把握することができる。
【0009】
請求項6は、前記地図管理サーバは、前記地下埋設協議が完了したことを検知すると、協議完了のメールを前記工事を実施する特定の事業者に送信するように前記メールサーバに指示することを特徴とする。
メールを受信した他事業者は、自事業者の敷設情報に工事箇所が転記されているので、自事業者への影響の有無を検討し、検討結果を地図管理サーバに登録する。それにより、地図管理サーバは協議が完了したと検知して、協議完了のメールを工事施工事業者に送信する。これにより、工事施工事業者は、検討結果を即座に確認することができる。
請求項7は、前記地図管理サーバに地図情報を記録した標準地図レイヤを更に備えたことを特徴とする。
本システムには、地下埋設物を所有する全ての事業者が加入しているとは限らない。そこで、未加入の事業者に対しては、従来通り紙ベースの地下埋設協議を行なう必要がある。そのためには、標準的な地図情報が必要となる。そこで本発明では、もう一つのレイヤに地図情報を記録した標準地図レイヤを設ける。これにより、未加入の事業者による工事に対しても、従来通り対応が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、それぞれの事業者が所有する埋設物に関する敷設情報を地図管理サーバに登録しておく。そして、各事業者にはユーザIDとパスワードを割り当て、工事施工事業者は地図管理サーバにログインすることにより、工事位置での他事業者の埋設物の有無を確認することができるので、事故を未然に防止して工事の効率化を図ることができる。
また、地図管理サーバは工事箇所の近くに他事業者の埋設物があるか否かを検証し、埋設物があれば、その埋設物を所有する他事業者を抽出するので、工事箇所のデータから影響がある他事業者の埋設物の有無と、それを所有する事業者を即座に検索することができる。
また、地図管理サーバは、事業者名が抽出されると、その情報をメールにより工事施工事業者に通知するので、工事施工事業者は、ログインすると自動的に協議を行う他事業者を特定することができる。
【0011】
また、地図管理サーバは、抽出された他事業者に対して地下埋設協議依頼をメールで送信するので、工事施工事業者と抽出された他事業者の協議を迅速に行うことができる。
また、工事施工事業者が登録した工事箇所をメールを受信した他事業者の埋設物の敷設情報に転記するので、メールを受信した他事業者は、工事箇所に影響を与える箇所を明確に把握することができる。
また、地図管理サーバは協議が完了したと検知して、協議完了のメールを工事施工事業者に送信するので、工事施工事業者は、検討結果を即座に確認することができる。
また、もう一つのレイヤに地図情報を記録した標準地図レイヤを設けるので、未加入の事業者による工事に対しても、従来通り対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る地下埋設物管理システムの構成を示す図である。
【図2】各事業者のユーザID、パスワード、メールアドレス、及び参照可能レイヤを一覧にした図である。
【図3】各事業者のレイヤを模式的に表現して作業の流れを表す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る地下埋設物管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係る地下埋設物管理システムの構成を示す図である。
本発明の地下埋設物管理システム50は、事業者毎に異なった深度の地盤内に埋設された各埋設物についての敷設情報に基づいて、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際に他の事業者の埋設物に影響が発生すると判断される場合に、当該他の事業者との間での事前協議を促して工事遂行を円滑化する地下埋設物管理システム50であって、敷設情報を各事業者(ここでは、電力会社10、ガス会社11、水道会社12)ごとに管理すると共に、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際の他事業者への影響の有無を判定する地図管理サーバ4と、各事業者に割当てられたユーザID及びパスワードを管理するアクセスサーバ3と、各事業者間のメール情報を送受信するメールサーバ2と、各事業者間とメールサーバ2とを接続する通信網9と、を備えて構成されている。尚、メールサーバ2、アクセスサーバ3、地図管理サーバ4をセンター1内に集約しても構わない。また、各事業者にはIPアドレス、ユーザID、パスワードを割当てる。例えば、電力会社には、IPアドレス:aaa、ユーザID:123、パスワード:xyzを与え、ガス会社には、IPアドレス:bbb、ユーザID:456、パスワード:uvwを与え、水道会社には、IPアドレス:ccc、ユーザID:789、パスワード:rstを与える。
【0015】
即ち、本実施形態の地下埋設物管理システム50は、本システムに加入した事業者(ここでは、電力会社10、ガス会社11、水道会社12)が、それぞれの事業者が所有する埋設物に関する敷設地図(敷設情報)5〜8を地図管理サーバ4に登録しておく。そして、各事業者にはユーザIDとパスワードを割り当て、工事施工事業者は地図管理サーバ4にログインすることにより、工事位置での他事業者の埋設物の有無を確認することができる。これにより、事故を未然に防止して工事の効率化を図ることができる。
【0016】
図2は各事業者のユーザID、パスワード、メールアドレス、及び参照可能レイヤを一覧にした図である。ここで、参照可能レイヤは、例えば、電力会社であれば、標準地図レイヤと自社のレイヤであり、他の会社も標準地図レイヤは参照可能であるが、他社のレイヤは参照することができない。このようにすることにより、各会社間のセキュリティを確保している。
【0017】
図3は各事業者のレイヤを模式的に表現して作業の流れを表す模式図である。図4は本発明の実施形態に係る地下埋設物管理システムの動作を説明するフローチャートである。図3と図4を併せて参照して説明する。
図3では、電力会社10を工事施工事業者として説明する。各レイヤには、それぞれ敷設地図が記録されている。例えば、電力会社のレイヤ6には、電力線管路の敷設地図6aが記録され、ガス会社のレイヤ7には、ガス管の敷設地図7aが記録され、水道会社のレイヤ8には、上水道の敷設地図8aがそれぞれ記録されている。また、標準地図レイヤ5には、標準的な地図が記録されている。これらの情報は地図管理サーバ4内に格納されている。
【0018】
ここで、掘削を行う電力会社10は、地下埋設管理システム50にログインし、自社レイヤの地図6に「掘削箇所」、「掘削工法」、「登録ID」等を登録する(S1)。
次に、地図管理サーバ4は上記登録された掘削箇所の位置データ(緯度・経度情報等)を元に、他社地図レイヤ7、8を確認し、付近に設備を有している企業(ガス会社11)を抽出する(S2)。即ち、電力会社10(工事施工事業者)は、地図管理サーバ4にログインしたときに、登録IDと工事箇所、及び工事方法を登録する。地図管理サーバ4は工事箇所の近くに他事業者の埋設物があるか否かを検証し、埋設物があれば、その埋設物を所有する事業者を抽出する。これにより、工事箇所のデータから影響がある他事業者の埋設物の有無と、それを所有する事業者を即座に検索することができる。
地図管理サーバ4は、上記抽出企業(ガス会社11)を掘削箇所を登録した企業(電力会社10)にメールサーバ2を介して通知する(Web画面に表示、又はメール送信)(S3)。即ち、電力会社10は、工事箇所に他の事業者の埋設物があるか否かを知る必要がある。地図管理サーバ4は、事業者名が抽出されると、その情報をメールにより電力会社10に通知する。これにより、電力会社10は、ログインすると自動的に協議を行う事業者(ガス会社11)を特定することができる。
【0019】
電力会社10は地図管理サーバ4に検討依頼先企業(ガス会社11)、登録ID、回答希望日等を登録し、地下埋設協議を依頼する(S4)。
地図管理サーバ4は、メールサーバ2にガス会社11に地下埋設協議依頼のメールを出すよう指示し、メールサーバ2は、ガス会社11にメールを送信する。(メールには、協議を依頼した企業名、登録ID、回答希望日を記載)(S5)。工事により影響を受けるガス会社11は、電力会社10と事前に詳細な協議が必要となる。そこで、地図管理サーバ4は、抽出されたガス会社11に対して地下埋設協議依頼をメールで送信する。これにより、電力会社10と抽出されたガス会社11の協議を迅速に行うことができる。
【0020】
上記メールをもとに、ガス会社11は地下埋設物管理システム50にログインしてメールに記載されている「登録ID」を入力する。地図管理サーバ4は、「登録ID」をもとに、電力会社10が登録した掘削箇所をガス会社レイヤ7の地図に転記する(転記箇所B)(S6)。電力会社10の工事箇所は、ガス会社11、水道会社12には原則的に非公開である。しかし、工事により影響を与えるガス会社11には、少なくとも工事箇所の情報を伝える必要がある。そこで本実施形態では、電力会社10が登録した工事箇所をメールを受信したガス会社11の埋設物の敷設地図7に転記する(転記箇所B)。これにより、メールを受信したガス会社11は、工事箇所に影響を与える箇所Bを明確に把握することができる。
【0021】
ガス会社11は上記で転記された情報をもとに、自社設備への影響の有無を検討し、検討結果を地図管理サーバ4に登録する(S7)。
地図管理サーバ4は協議(回答)が完了したことを検知し、メールサーバ2に協議完了のメールを電力会社10に送信するよう指示を出す(S8)。メールを受信したガス会社11は、ガス会社の敷設地図7に工事箇所Bが転記されているので、ガス会社11への影響の有無を検討し、検討結果を地図管理サーバ4に登録する。それにより、地図管理サーバ4は協議が完了したと検知して、協議完了のメールを電力会社10に送信する。これにより、電力会社10は、検討結果を即座に確認することができる。
電力会社10はメールをもとに地下埋設物管理システム50にログインし、協議結果を確認する(S9)。
【0022】
なお、地下埋設物管理システム50に未加入の企業がある場合は、登録した掘削箇所を標準地図5に転記するようにし紙ベースで検討を依頼する。本システムには、地下埋設物を所有する全ての事業者が加入しているとは限らない。そこで、未加入の事業者に対しては、従来通り紙ベースの地下埋設協議を行なう必要がある。そのためには、標準的な地図情報が必要となる。そこで本実施形態では、もう一つのレイヤ5に地図情報を記録した標準地図レイヤを設ける。これにより、未加入の事業者による工事に対しても、従来通り対応が可能となる。
【符号の説明】
【0023】
1 センター、2 メールサーバ、3 アクセスサーバ、4 地図管理サーバ、5 標準地図レイヤ、6 電力会社レイヤ、7 ガス会社レイヤ、8 水道会社レイヤ、9 通信網、10 電力会社、11 ガス会社、12 水道会社、50 地下埋設物管理システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者毎に異なった深度の地盤内に埋設された各埋設物についての敷設情報に基づいて、特定の事業者が自らの埋設物に工事を実施する際に他の事業者の埋設物に影響が発生すると判断される場合に、当該他の事業者との間での事前協議を促して工事遂行を円滑化する地下埋設物管理システムであって、
前記敷設情報を前記各事業者ごとに管理すると共に、前記他事業者への影響の有無を判定する地図管理サーバと、
前記各事業者に割当てられたユーザID及びパスワードを管理するアクセスサーバと、
前記各事業者間のメール情報を送受信するメールサーバと、
前記各事業者間と前記メールサーバとを接続する通信網と、を備えたことを特徴とする地下埋設物管理システム。
【請求項2】
前記地図管理サーバは、前記特定の事業者による工事箇所の位置データに基づいて、他事業者の埋設物についての敷設情報を確認し、前記工事箇所を含む周辺の地盤内に他事業者の埋設物が存在するか否かを検索して、埋設物が存在する場合は、当該埋設物を所有する他事業者を抽出することを特徴とする請求項1に記載の地下埋設物管理システム。
【請求項3】
前記地図管理サーバは、抽出された前記他事業者を前記メールサーバを介して前記工事を実施する特定の事業者にメール情報として送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の地下埋設物管理システム。
【請求項4】
前記地図管理サーバは、前記抽出された前記他事業者に対して、前記工事を実施する特定の事業者名、登録ID、及び回答希望日を明記した地下埋設協議依頼のメールを送信するように、前記メールサーバに指示することを特徴とする請求項1又は3に記載の地下埋設物管理システム。
【請求項5】
前記地図管理サーバは、前記メールを受信した他事業者により入力された登録IDを元に、前記工事を実施する特定の事業者が登録した工事箇所を前記メールを受信した他事業者の埋設物の敷設情報に転記することを特徴とする請求項1又は4に記載の地下埋設物管理システム。
【請求項6】
前記地図管理サーバは、前記地下埋設協議が完了したことを検知すると、協議完了のメールを前記工事を実施する特定の事業者に送信するように前記メールサーバに指示することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の地下埋設物管理システム。
【請求項7】
前記地図管理サーバに地図情報を記録した標準地図レイヤを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の地下埋設物管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−58971(P2012−58971A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200943(P2010−200943)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)