説明

地下構造物の施工法

【課題】 フリクションカットプレートを地中に残しながら箱型ルーフおよびその後方に配置したコンクリート函体をフリクションカットプレートの下面で前進させる地下構造物の施工法において、フリクションカットプレートが移動してもこれを直ちに元の位置に戻し、フリクションカットプレートの上方に近接構造物としての鉄道や道路があっても、鉄道や道路の位置が変わることを阻止し、列車や車両の走行の安全を確保できる。
【解決手段】 フリクションカットプレート7の移動量検出手段と、フリクションカットプレート7の端部を引っ張る原位置復帰手段18,19とを設け、前記移動量検出手段で、箱型ルーフ6およびコンクリート函体9の前進時にこれに追随するフリクションカットプレート7の移動量を検出し、フリクションカットプレート7とコンクリート函体9、およびフリクションカットプレート7と箱型ルーフ6とをそれぞれ結合する原位置復帰手段18,19で原位置に復位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道、道路などの下部地中に大幅員の地下構造物を横断方向に掘進建設する際に上部交通に支障を与えることなく施工することができる地下構造物の施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道、道路などの下部地中に大幅員の地下構造物を横断方向に掘進させるには、上部交通を支承するための防護工が必要となり、鋼管等を水平に並列させるパイプルーフを設けることなどがあげられる。
【0003】
しかし、先に別工事としてパイプルーフを形成し、その中を掘削して地下構造物を構築したり、また地下構造物をパイプルーフ下を掘進させるようにしたのでは、このパイプルーフが存在する分だけ土被りが厚くなる。しかも、パイプルーフ施工の防護工が地下構造物埋設の本工事と別工事となり、工費、工期が大である。
【0004】
かかる不都合を解消するものとして、従来、図11から図13に示すような地下構造物の施工法がある(例えば特許文献1参照)。これは、図11に示すように、鉄道などの上部交通1の脇に土留鋼矢板2を打設して立坑仮土留めとし、発進立坑3と到達立坑4を築造し、前記発進立坑3内に推進機5を設置してこれでルーフ用筒体である箱型ルーフ6を到達立坑4に向けて圧入させる。
【0005】
図14は箱型ルーフ6の正面図で、略正方形断面の箱型筒体であり、側面に鉤状の継手6a,6bを長手方向に連続して形成し、また、上面に平板からなるフリクションカットプレート7を取り付けている。箱型ルーフ6は長さ方向に順次接続して必要長を埋設することができ、さらに鉤状の継手6a,6bを介して縦横方向に連続しながら並列させる。図15はロ字形に並べた場合である。
【0006】
前記推進機5は、箱型ルーフ6のジャッキなどによる押出機構とオーガなどによる箱型ルーフ6の内部掘削機構とを有する。
【0007】
次いで、図12に示すように発進立坑3内に発進台17を構築し、さらに反力壁8、コンクリート函体9による地下構造物をセットし、反力壁8とコンクリート函体9との間には元押しジャッキである推進ジャッキ10を設け、コンクリート函体9の先端に刃口11を設けるとともにコンクリート函体9の先端と前記箱型ルーフ6との間には小ジャッキ12を介在させる。
【0008】
図中13は箱型ルーフ6の支持材、14はフリクションカットプレート7の止め部材で、これらは発進立坑3側に設け、一方、到達立坑4側に受台15を設ける。
【0009】
小ジャッキ12を伸長してコンクリート函体4を反力としてフリクションカットプレート7を地中に残しながら箱型ルーフ6を1本ずつ順次推し進め、一通り箱型ルーフ6が前進したならば、小ジャッキ12を縮め、今度は推進ジャッキ10を伸長してコンクリート函体9を掘進させる。
【0010】
図中16は推進ジャッキ10とコンクリート函体9との間に介在させるストラットを示す。
【0011】
このようにして、箱型ルーフ6の前進とコンクリート函体9の前進とを交互に繰り返しながら、到達立坑4に出た箱型ルーフ6を順次撤去する。
【0012】
そして、コンクリート函体9の先端が到達立坑4に達したならば、刃口11などを撤去し適宜裏込めグラウトを行って施工を完了する。
【0013】
コンクリート函体9の推進方法に関して、前記した推進ジャッキ10で押し出す方法に限定されるものではなく、到達立坑4側に反力壁およびセンターホール式の牽引ジャッキを設け、一端をコンクリート函体9に定着したPC鋼線による牽引部材をこの牽引ジャッキで引くことにより到達立坑4側からコンクリート函体9を引き込むようにすることもできる。
【0014】
また、他の方法として、箱型ルーフ6の前進後、切羽部の掘削を行ってからコンクリート函体9を前進させるのではなく、コンクリート函体9の推進とともに切羽部の土砂を箱型ルーフ6といっしょに押し出すようにして切羽部の掘削を行わないでコンクリート函体9を前進させることもできる。
【特許文献1】特開昭55−19312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
箱型ルーフ6やコンクリート函体9を前進させると、この上に配置されているフリクションカットプレート7の下面において箱型ルーフ6やコンクリート函体9との間に摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗力によってフリクションカットプレート7を箱型ルーフ6やコンクリート函体9と同方向に移動させる引張り力がフリクションカットプレート7に作用し、その結果、フリクションカットプレート7が箱型ルーフ6やコンクリート函体9に引っ張られて移動する。
【0016】
フリクションカットプレート7の移動は、フリクションカットプレート7自体の伸びによることもある。
【0017】
いずれの要因でも、その結果、フリクションカットプレート7の上方に位置する鉄道や道路などの近接構造物の位置も変位することになり、列車や自動車の走行の安全を確保することが難しくなっている。
【0018】
このような変位を修正するには、フリクションカットプレート7を元の位置に戻すことが検討されるが、フリクションカットプレート7は薄い部材であり、このため、押す(圧縮する)方向への制御は困難で、フリクションカットプレート7を復位させることが困難であった。
【0019】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、フリクションカットプレートを地中に残しながら箱型ルーフおよびその後方に配置したコンクリート函体をフリクションカットプレートの下面で前進させる場合、箱型ルーフやコンクリート函体の前進に追随してフリクションカットプレートが移動してもこれを直ちに元の位置に戻し、フリクションカットプレートの上方に近接構造物としての鉄道や道路があっても、鉄道や道路の位置が変わることを阻止し、列車や車両の走行の安全を確保できる地下構造物の施工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、箱型ルーフを発進立坑と到達立坑の間に設置し、発進立坑に定着したフリクションカットプレートを前記箱型ルーフの上に配置し、フリクションカットプレートを地中に残しながら箱型ルーフおよびその後方に配置したコンクリート函体をフリクションカットプレートの下面で前進させる地下構造物の施工法において、フリクションカットプレートの移動量検出手段と、フリクションカットプレートの端部を引っ張る原位置復帰手段とを設け、前記移動量検出手段で、箱型ルーフおよびコンクリート函体の前進時にこれに追随するフリクションカットプレートの移動量を検出し、これに対応させて原位置復帰手段でフリクションカットプレートを原位置に復位させることを要旨とするものである。
【0021】
第2に、原位置復帰手段は、フリクションカットプレートの両端で、フリクションカットプレートとコンクリート函体、およびフリクションカットプレートと箱型ルーフとをそれぞれ結合するように設けること、第3に、原位置復帰手段は、並列するフリクションカットプレートの端部を横に結合するように主桁を設け、この主桁を引張り材を介して伸縮ジャッキに結合すること、第4に、移動量検出手段は、フリクションカットプレートの上部構造物に取り付けた変位センサーであることを要旨とするものである。
【0022】
請求項1記載の発明によれば、箱型ルーフおよびコンクリート函体の前進時にこれに追随してフリクションカットプレートが移動した場合、その移動量が検出され、原位置復帰手段により当該移動量分だけフリクションカットプレートが戻されて原位置に復位する。よって、フリクションカットプレートの上方の鉄道や道路がフリクションカットプレートの移動に伴って動くことはなく、列車や自動車の走行の安全が確保できる。
【0023】
しかも、原位置復帰手段はフリクションカットプレートの端部を引っ張るものなので、押し圧することなく、薄い部材であるフリクションカットプレートに変形を加えることなしに確実に復位させることができる。
【0024】
請求項2記載の本発明によれば、原位置復帰手段は、フリクションカットプレートの両端に設けることで、発進立坑側と到達立坑側の両方から、フリクションカットプレートを引っ張る制御で原位置に戻せる。よって、きめ細かな制御が可能であり、原位置に確実に復位させることができる。
【0025】
請求項3記載の本発明によれば、原位置復帰手段は主桁を引張り材を介して伸縮ジャッキに結合することにより多数のフリクションカットプレートをそれより数の少ない伸縮ジャッキで引っ張ることができ、さらに、引っ張りは伸縮ジャッキであるので簡単に制御できるものであり、さらに、伸縮ジャッキをフリクションカットプレートに引張り材を介して結合することで設置の選択幅を広げることができる。また、原位置復帰手段は引張り材と伸縮ジャッキとの組み合わせで構成したから、構造簡単で容易に付設できるものである。
【0026】
請求項4記載の本発明によれば、移動量検出手段を、フリクションカットプレートの上部構造物に取り付けた変位センサーとすることで、この変位センサーで上部構造物の位置変位を直接的かつ確実に把握し、これをフリクションカットプレートの変位として原位置復帰に直対応させることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上述べたように本発明の地下構造物の施工法、フリクションカットプレートを地中に残しながら箱型ルーフおよびその後方に配置したコンクリート函体をフリクションカットプレートの下面で前進させる場合、箱型ルーフやコンクリート函体の前進に追随してフリクションカットプレートが移動しても原位置復帰手段でフリクションカットプレートを直ちに元の位置に戻せるから、フリクションカットプレートの上方に近接構造物としての鉄道や道路があっても、フリクションカットプレートの移動で鉄道や道路の位置が変わることを防止し、列車や車両の走行の安全を確保できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す縦断側面図、図2は同上平面図、図3は同上正面図で、図中、図11〜図13に示した従来例と同一の構成要素には同一の参照符号を付してあり、図中1は鉄道などの上部交通1である。
【0029】
本発明の施工法も基本構成は従来と同様で、箱型ルーフ6を発進立坑3と到達立坑4の間に設置するが、これは、上部交通1の脇に土留鋼矢板2を打設して、発進立坑3と到達立坑4を築造し、前記発進立坑3内に推進機5を設置してこれでルーフ用筒体である箱型ルーフ6を到達立坑4に向けて圧入させる。
【0030】
この場合、箱型ルーフ6は図3に示すように推進させようとするコンクリート函体9の左右両側と上部との外形に対応するようにコ字形に配置したが、横一列のみでもよい。
【0031】
箱型ルーフ6の上面には平板からなるフリクションカットプレート7を配設し、従来と同様にフリクションカットプレート7を取り付けて、箱型ルーフ6とともに押出す。
【0032】
次にコンクリート函体9を発進立坑3に設置し、コンクリート函体9の後方の反力壁8との間に推進ジャッキ10およびストラット16を配設する。
【0033】
前記フリクションカットプレート7は、止め部材等でフリクションカットプレート7を発進立坑3側に固定することで、箱型ルーフ6およびコンクリート函体9と周辺土砂との縁切りを行う。
【0034】
本発明は、地下構造物であるコンクリート函体9の近接構造物である上部交通1の変位を制御する地下構造物の近接構造物の変位制御装置として、前記フリクションカットプレート7の固定を制御する。
【0035】
これは、図6にも示すように、箱型ルーフ6およびコンクリート函体9の前進時にこれに追随して移動するフリクションカットプレート7を原位置に復位させる原位置復帰手段18,19であり、一方の原位置復帰手段18を発進立坑3側でフリクションカットプレート7とコンクリート函体9との間に介装し、他方の原位置復帰手段19を到達立坑4側でフリクションカットプレート7と箱型ルーフ6との間にそれぞれ介装した。
【0036】
発進立坑3側の原位置復帰手段18は、図4に示すように、フリクションカットプレート7の上面に、並列するフリクションカットプレート7の端部を横に結合するH型鋼などによる主桁22を設け、この主桁22を引張り材20を介してコンクリート函体9側に固定される伸縮ジャッキ21で引っ張るようにした。
【0037】
前記引張り材20はフランジを有するH型鋼を利用して対向する一対の細長垂直平板20a,20aで構成し、前記主桁22に前記細長垂直平板20a,20aの端部をピン23により上下に回動自在に結合する。
【0038】
これにより引張り材20である細長垂直平板20a,20aは、その前端が発進立坑3の前部位置で主桁22に固定され、後部が発進立坑3内にセットされたコンクリート函体9の上部にのびるようにして突出する。
【0039】
この状態で、対向する細長垂直平板20a,20a間に位置させて、コンクリート函体9の上面で伸縮ジャッキ21を固定する。固定方法はコンクリート函体9の天端にアンカーボルトによる固定ボルト24で取付金具25を固定し、この取付金具25にピン23で伸縮ジャッキ21のシリンダー21bの端部を回動自在に結合し、伸縮ジャッキ21のロッド21aの先端を引張り材20である細長垂直平板20a,20aにピン23で結合する。
【0040】
到達立坑4側の原位置復帰手段19も構造は発進立坑3側の原位置復帰手段18と同様であり、図5に示すように、到達立坑4側に固定される引張り材20とこの引張り材20に結合され箱型ルーフ6側に固定される伸縮ジャッキ21とで構成する。
【0041】
引張り材20および伸縮ジャッキ21の固定手段は発進立坑3側の原位置復帰手段18と同様であるからここでの詳細な説明は省略するが、到達立坑4側の原位置復帰手段19は、引張り材20である細長垂直平板20a,20aの後端が到達立坑4の後部位置で主桁22に固定され、前部が到達立坑4内に突出する箱型ルーフ6の上部にのびるようにして突出する。そして、この細長垂直平板20a,20aの間に伸縮ジャッキ21が配設される。
【0042】
図8、図9はかかる原位置復帰手段18,19の制御手段を示し、図8は自動制御方式の場合で、伸縮ジャッキ21には油圧ジャッキを使用し、電磁弁付き分岐装置28を介して油圧ホース27で油圧ポンプ26に伸縮ジャッキ21を接続する。
【0043】
また、上部交通1に取り付けた変位センサーに接続する信号線29を信号変換機30およびケーブル31を介して、変位量を算出するとともに伸縮ジャッキ21に圧送する油量を算出するコンピュータなどを利用する演算装置32に接続する。
【0044】
さらに、信号変換機30を電磁弁付き分岐装置28にケーブル31で接続する。
【0045】
図9は手動式の場合で、油圧ポンプ26を油圧ホース27で伸縮ジャッキ21に接続した。この場合の上部交通1の変位量の計測は人手で行うこととする。
【0046】
次に、図7および図10について本発明の施工法を説明する。前記のようにフリクションカットプレート7を取り付けた箱型ルーフ6を押し出し、フリクションカットプレート7を発進立坑3側に定着具で固定し、発進立坑3にコンクリート函体9をセットして推進ジャッキ10で押し出す。
【0047】
これにより箱型ルーフ6およびコンクリート函体9はフリクションカットプレート7の下面を前進するが(図10(a)の状態)、このとき、箱型ルーフ6およびコンクリート函体9の上面において発生するフリクションカットプレート7との摩擦抵抗力によりフリクションカットプレート7が箱型ルーフ6およびコンクリート函体9の前進方向と同方向に引っ張られる。その結果、フリクションカットプレート7の上方に位置している上部交通1が変位する。
【0048】
図10(b)は、箱型ルーフ6およびコンクリート函体9が移動量aだけ図において左方向に前進した結果、フリクションカットプレート7が移動量bだけ図において左方向に移動し、これに追随して上部交通1が移動量cだけ同じく図において左方向に移動した状態を示す。
【0049】
本発明では、この移動量を計測し、移動量に基づいて伸縮ジャッキ21の作動量を調整するものであるが、移動量の計測方法は、手動式の場合は上部交通1に予め設定された計測地点に設置の計測機器などを使用して作業員が移動量を測定し、この測定値に基づいて油圧ポンプ26を制御して伸縮ジャッキ21に圧送する油量を調整し、伸縮ジャッキ21を作動する。
【0050】
他方、自動制御の場合は、上部交通1に取り付けた変位センサーで検出された計測値が信号変換機30を介して演算装置32に入力され、ここで演算処理された移動量が信号変換機30を介して電磁弁付き分岐装置28に入力される。この電磁弁付き分岐装置28では油圧ポンプ26から圧送される油量を制御して伸縮ジャッキ21に圧送しこれを作動させる。
【0051】
以上のようにして上部交通1の移動量に対応する量の油が伸縮ジャッキ21に圧送され、この油量に対応するストロークだけ伸縮ジャッキ21のロッド21aが移動する。
【0052】
この場合、図7に示すように発進立坑3側の原位置復帰手段18は、ロッド21aが図7において右矢印方向に伸長することで、ロッド21aに結合されている引張り材20が右方向に引っ張られ、その結果、この引張り材20に固定されているフリクションカットプレート7も右方向に引張られ、原位置に戻される(図10cの状態)。
【0053】
さらに、必要に応じて原位置復帰手段19の伸縮ジャッキ21も作動して、フリクションカットプレート7を図7において左方向に引っ張り、フリクションカットプレート7および上部交通1を定位置に戻す。
【0054】
以上のようにして箱型ルーフ6およびコンクリート函体9を前進させた時、これと同方向への引張り力がフリクションカットプレート7に作用しても、その移動量が計測され、伸縮ジャッキ21で移動量を絶えず0mmにするように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す正面図である。
【図4】本発明で使用する発進立坑側の装置の縦断側面図である。
【図5】本発明で使用する到達立坑側の装置の縦断側面図である。
【図6】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明の地下構造物の施工法の実施形態の移動方向を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す自動制御方式の場合の説明図である。
【図9】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す手動制御方式の場合の説明図である。
【図10】本発明の地下構造物の施工法の実施形態を示す工程図である。
【図11】従来の地下構造物の施工法の第1工程を示す縦断側面図である。
【図12】従来の地下構造物の施工法の第2工程を示す縦断側面図である。
【図13】従来の地下構造物の施工法の第3工程を示す縦断側面図である。
【図14】箱型ルーフの正面図である。
【図15】箱型ルーフの配置状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 上部交通 2 土留鋼矢板
3 発進立坑 4 到達立坑
5 推進機 6 箱型ルーフ
6a,6b…鉤状の継手 7 フリクションカットプレート
8 反力壁 9 コンクリート函体
10 推進ジャッキ 11 刃口
12 小ジャッキ 13 支持材
14 止め部材 15 受台
16 ストラット 17 発進台
18 原位置復帰手段 19 原位置復帰手段
20 引張り材 20a 細長垂直平板
21 伸縮ジャッキ 21a ロッド
21b シリンダー 22 主桁
23 ピン 24 固定ボルト
25 取付金具 26 油圧ポンプ
27 油圧ホース 28 電磁弁付き分岐装置
29 信号線 30 信号変換機
31 ケーブル 32 演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型ルーフを発進立坑と到達立坑の間に設置し、発進立坑に定着したフリクションカットプレートを前記箱型ルーフの上に配置し、フリクションカットプレートを地中に残しながら箱型ルーフおよびその後方に配置したコンクリート函体をフリクションカットプレートの下面で前進させる地下構造物の施工法において、フリクションカットプレートの移動量検出手段と、フリクションカットプレートの端部を引っ張る原位置復帰手段とを設け、前記移動量検出手段で、箱型ルーフおよびコンクリート函体の前進時にこれに追随するフリクションカットプレートの移動量を検出し、これに対応させて原位置復帰手段でフリクションカットプレートを原位置に復位させることを特徴とする地下構造物の施工法。
【請求項2】
原位置復帰手段は、フリクションカットプレートの両端で、フリクションカットプレートとコンクリート函体、およびフリクションカットプレートと箱型ルーフとをそれぞれ結合するように設ける請求項1記載の地下構造物の施工法。
【請求項3】
原位置復帰手段は、並列するフリクションカットプレートの端部を横に結合するように主桁を設け、この主桁を引張り材を介して伸縮ジャッキに結合する請求項1または請求項2記載の地下構造物の施工法。
【請求項4】
移動量検出手段は、フリクションカットプレートの上部構造物に取り付けた変位センサーである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の地下構造物の施工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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