説明

地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法及び装置

【課題】 岩盤地下に設けた液体貯留槽に設置された安全弁装置に、炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する安全弁装置の析出物堆積防止装置を提供する。
【解決手段】
安全弁装置30が設置された保護管23内に炭酸カルシューム等の析出を防止する薬液を注入する薬液注入配管51を設け、保護管23内を流通する仕様液に薬液を混合し、安全弁装置30の近傍に薬液を供給するように構成した。特に、薬液注入配管51の薬液注入口52を、安全弁33を構成する弁座31及び弁体シート部34、弁棒35の軸受部の近傍に開口させて配置することで、安全弁33への析出物の堆積を防止し、緊急時に安全弁33が作動しないという不都合を回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原油や液化石油ガス等の液体を備蓄する岩盤地下に設けた液体貯留槽に貯留する仕様液を揚液する揚液管等に設置した安全弁装置に、炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原油や液化石油ガス(LPG)等の液体を備蓄する岩盤地下に設置した貯留槽(液体貯留槽)の構成例を図1に示す。同図に示すに貯留槽1は、底部2に底水(地下水等)10が溜まっており、底水10の上部に原油や液化石油ガス等の貯留液体11が貯留されている。貯留槽1の上部開口部3は閉鎖体4で密閉され、貯留液体11から発生したガス12が外部へ漏れないようになっている。また、貯留槽1にはその外部に設置された揚液装置5から貯留液体11まで延伸する揚液管6が設置されている。なお、同図において7は底水10を抜き出す水抜き管であり、8はガス12を抜き出すガス抜き管である。
【0003】
図2に揚液管6の先端部の構成例を示す。同図に示すように揚液管6の先端部には、ポンプ部21とモータ部22からなるモータポンプ(液中ポンプ)20が取り付けられている。モータポンプ20は保護管23内に設置されている。そしてこの保護管23内に設置したモータポンプ20は貯留槽1の底部2に設置された筒状の吸入ポット24内に配置されている。吸入ポット24は、その上部に設けた開口部24aが底水10と貯留液体11の界面13よりも上側に位置しており、その内部に開口部24aから流入した貯留液体(仕様液)が溜まるようになっている。モータポンプ20が運転されると、この仕様液が保護管23下部の開口部23aから保護管23内に流入してモータポンプ20の吸込口25に吸込まれる。モータポンプ20から吐出された仕様液は、揚液管6を通って貯留槽1の外部まで揚液されるようになっている。
【0004】
ところが、何らかの原因で保護管23にピンホールが開いたり、保護管23の溶接部分にクラックが入ったりして破損してしまうと、この破損箇所から仕様液が漏れて地上部に流出したり、発生したガスが大気中に噴出するなどの危険な状態に陥る恐れがある。最悪の場合、流出した液体や噴出したガスに引火して火災や爆発などの事故に至ってしまう。
【0005】
従来は、上記事故を防ぐため、保護管23に破損箇所が生じた場合、底水10の界面13を上昇させて貯留液体11を底水10で置換し、保護管23内の仕様液を保護管23の内部に封じ込めることで、地上部において大気中に放出される液体やガスの量を制限して安全を確保していた。しかしこの方法では、大量の貯留液体11を底水10で置換するのに非常に長い時間を要するため、その間、破損箇所からの仕様液の流出を止めることができないという問題があった。
【0006】
そのため図3に示すように、保護管23内に安全弁装置(緊急遮断弁装置)を設置する例が増えてきている(特許文献1)。図3は、保護管23内のモータポンプ20下部に設置した安全弁装置の構成例を示す図である。同図に示すようにモータ部22の底部に、仕様液通路27を備えた短管26が設置され、該短管26の下部に安全弁装置30が設置されている。安全弁装置30は、仕様液通路27に通じる流路に設置された弁座31と該弁座31に対して上下方向に移動可能に設置された弁体32とを備えてなる安全弁(安全弁本体)33、及び該安全弁33を保護管23に取り付けている取付部材40などで構成されている。弁体32は、弁座31に当接して流路を閉じるシート部34の下部に弁棒35が連接した形状で、図示しないバネ等の弾発手段によって上方に向かって付勢されている。一方、安全弁33の上方には、弁体32の上部に向けて圧力油を噴射供給する油圧配管36が設置されている。通常時は、地上部から油圧配管36によって弁体32に向かって常時油圧が供給されており、該油圧がバネの弾発力に抗して安全弁33は開状態に保たれている。
【0007】
安全弁33は、管状の取付部材40の上端に形成されたフランジ部45に弁座31が挿入固定されて取り付けられている。また、弁棒35が、図示しない軸受にスライド自在に支持されて取り付けられている。一方、保護管23の下端部は、保護管23の本体部23bよりも若干その径が小さく構成された筒状のシール部23cになっている。そして、安全弁33が固定された取付部材40が、シール部23cの内周面に上方から挿入されて取り付けられている。取付部材40とシール部23cの当接部分はガスケット41で密封固定されている。取付部材40によって保護管23に取り付けられた安全弁33は、このガスケット41の部分で取り外し可能になっており、保守や修理を行なう際に上方へ引き抜いて取り外すことができる。
【0008】
この安全弁装置30は、保護管23に破損箇所が生じた場合、油圧配管36から弁体32に供給している圧力油を停止することで、弁体32をバネの弾発力と貯留槽1の内圧(仕様液圧)によって上方に移動させて、緊急に安全弁33を閉じることができる。これにより保護管23の破損箇所への仕様液の流入を停止させるようになっている。
【特許文献1】特開平1−58400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図1に示す岩盤地下の液体貯留槽1では、シール効果を得るために岩盤内面にモルタルの塗布を行い、モルタル層を形成している。そのため、モルタルの影響により底水10のpHが高くなり、炭酸カルシューム等の析出が起こる。すると、貯留液体11にこの炭酸カルシューム等が析出し、安全弁装置30の弁座31や弁体シート部34などの各部に析出物が堆積してしまい、安全弁33の作動不良が起こってしまう。また、安全弁装置30の取付部材40と保護管23の間のガスケット41やその近傍位置に析出物が堆積すると、安全弁装置30を引き抜いて取り外すことができなくなってしまうという問題もある。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、岩盤地下に設けた液体貯留槽から仕様液を揚液する揚液管等に設置した安全弁装置に、炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、地下に設けられた液体貯留槽、該液体貯留槽に貯留する仕様液を揚液する揚液管、該揚液管に設置され緊急時に該揚液管を通る仕様液を遮断する安全弁を具備する安全弁装置を備えた地下液体貯留設備の該安全弁装置に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法であって、前記揚液管及び安全弁装置は保護管内に設置されており、前記安全弁装置近傍の前記保護管内の前記仕様液に前記析出物の析出を防止する薬液を注入し、該薬液が注入された仕様液が前記安全弁及び揚液管を通って揚液されることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、地下に設けられた液体貯留槽、該液体貯留槽に貯留する仕様液を揚液する揚液管、該揚液管に設置され緊急時に該揚液管を通る仕様液を遮断する安全弁を具備する安全弁装置を備えた地下液体貯留設備の該安全弁装置に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置であって、前記揚液管及び安全弁装置は保護管内に設置されており、前記安全弁装置の仕様液吸込口近傍の上流側の前記保護管内に薬液注入口が開口する薬液注入配管を設置し、該薬液注入配管を通して前記仕様液に前記析出物の析出を防止する薬液を注入することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置において、前記薬液注入配管の薬液注入口は、前記安全弁装置の安全弁を構成する弁座、弁体シート部、及び弁棒軸受部近傍に開口していることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置において、前記薬液注入配管の薬液注入口は、前記安全弁装置の安全弁を前記保護管に取り付けている取付部材と前記保護管の間のガスケット部近傍に開口していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願請求項1に記載の発明によれば、安全弁装置近傍の保護管内の仕様液に析出物の析出を防止する薬液を注入し、該薬液が注入された仕様液が安全弁及び揚液管を通って揚液されるので、安全弁装置やその近傍に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを効果的に防止でき、緊急時の安全弁装置の作動不良などの不都合を回避できるので、地下液体貯留設備における安全性を確保することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、安全弁装置の仕様液吸込口近傍の上流側の保護管内に薬液注入口が開口する薬液注入配管を設置し、該薬液注入配管を通して仕様液に析出物の析出を防止する薬液を注入するので、安全弁装置やその近傍に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを効果的に防止でき、緊急時の安全弁装置の作動不良などの不都合を回避できるので、地下液体貯留設備における安全性を確保することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、薬液注入配管の薬液注入口は、安全弁装置の安全弁を構成する弁座、弁体シート部、及び弁棒軸受部近傍に開口しているので、安全弁の弁座や弁体シート部、弁棒の軸受部などに炭酸カルシュームが堆積して緊急時に安全弁が作動しなくなるという不都合を回避でき、地下液体貯留設備における安全性を確保することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、薬液注入配管の薬液注入口は、安全弁装置の安全弁を保護管に取り付けている取付部材と保護管の間のガスケット部近傍に開口しているので、取付部材と保護管の間のガスケット部に炭酸カルシュームなどが堆積することを防止でき、保守や修理のために安全弁装置を引き抜いて取り外したり、再度取り付けたりすることが確実に可能となり、作業効率が向上する。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、薬液注入配管に、遮断機構を設置し、安全弁装置の安全弁の閉動作に連動して該遮断機構が作動し該薬液注入配管の流れを遮断するように構成するか、或いは該薬液注入配管に、逆流を防止する逆止弁を設けたので、緊急時に安全弁が閉じられた際に、保護管内の仕様液が薬液注入配管を逆流して地上設備に流入することを防ぐことができ、地下液体貯留設備における安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図4は、本発明の一実施形態例(実施例1)にかかる析出物堆積防止装置を設置した安全弁装置の構成例を示す概略側断面図である。なお図4で示す本実施形態では、図3に示す従来例と同一の符号を付した部分は共通する構成部分であり、ここではその詳細な説明は省略する。以下、他の実施形態においても同様とする。図4(a)に示す析出物堆積防止装置50は、保護管23内の安全弁装置30の近傍位置に薬液を供給する薬液注入配管51を設置して構成されている。薬液注入配管51は、地上に設置された薬液供給装置44(図6参照)から連通し、取付部材40のフランジ部45を貫通し、屈曲部53で安全弁33に向かって若干屈曲して、下端部に設けた薬液注入口52が安全弁33の弁座31及び弁体32に向かって開口するように設置されている。図4(b)は、薬液注入配管51の屈曲部53の詳細構成を示す図である。同図に示すように、屈曲部53は2本の配管を接続した構成とすることができる。
【0022】
薬液注入配管51から注入される薬液は、貯留槽1の壁面から流出して仕様液に含まれたCa分が炭酸カルシュームとして析出するのを防止する薬液で、主としてアルカリを中和する薬液などである。薬液注入配管51から定期的に当該薬液を注入することで、仕様液に炭酸カルシュームが析出することを常時防止するようにする。
【0023】
図5は、保護管23内の仕様液及び薬液の流れを示す図である。同図では、仕様液の流れを実線で示し、薬液の流れを点線で示している。通常は安全弁33は開状態であり、同図に示すように、仕様液が弁座31と弁体シート部34の隙間から短管26の方向へ流れている。薬液注入配管51の薬液注入口52がこの仕様液流れの中に位置しているので、注入される薬液が仕様液に程良く混合される。また、薬液注入口52が仕様液の流れに対して略対向する向き(反対向き)に開口して設置されているので、仕様液流れが薬液の流れによって拡散される効果があり、これによっても仕様液と薬液の混合が促進される。
【0024】
特に、安全弁33の弁座31と弁体シート部34に炭酸カルシュームなどの析出物が堆積して固着すると、緊急時に安全弁33を閉じることができなくなるため、仕様液の流れによって弁座31と弁体シート部34の当接部分に薬液が良く行き渡るようにする。また、弁棒35をガイドする軸受部(図示せず)の隙間部分に析出物が堆積すると、弁体32がスライド移動できなくなり、安全弁33の開閉動作が阻害されるので、当該隙間部分にも薬液が良く行き渡るようにする。
【0025】
さらに、この液流による薬液の拡散効果で、取付部材40と保護管23の間のガスケット41やその近傍位置などにも薬液が行き渡ることが望め、ガスケット41が析出物の堆積によって固着して安全弁装置30を引き抜くことができなくなるという事態を回避できる。
【0026】
図6は、保護管23の上端部の構成例を示す図である。保護管23の上端部にはヘッドプレート42が取り付けられ、保護管23内が密閉状態に保たれている。また薬液注入配管51の途中には遮断弁(緊急遮断弁)43が設置されている。この遮断弁43は、安全弁33の閉動作に連動して作動し薬液注入配管51の流れを遮断するように構成されている。これにより、安全弁33が緊急に閉じた際に、行き場の無くなった仕様液が薬液注入配管51を逆流して地上設備に流入するのを防ぐことができる。また、薬液注入配管51の流れを遮断する遮断弁43に代えて、薬液注入配管51の流れの逆流を防止する逆止弁と仕切バルブ(図示せず)を設置することもできる。
【実施例2】
【0027】
図7は、本発明の他の実施形態例(実施例2)にかかる析出物堆積防止装置の構成例を示す図である。本実施形態では、薬液注入配管51を2本の配管51a,51bに分岐させて、それぞれの下端部を薬液注入口52a,52bとしている。一方の薬液注入口52aを安全弁33の弁座31及び弁体32に向けて開口するように設置し、他方の薬液注入口52bを取付部材40と保護管23の間のガスケット41やその近傍位置に向けて開口するように設置している。このように、ガスケット41専用の薬液注入口52bを追加して、ガスケット41及びその周辺への析出物の堆積防止効果をより高めることができる。これにより保守や修理のために安全弁装置30を引き抜いて取り外したり、再度取り付けたりすることが確実に可能となる。
【0028】
図7では、一本の薬液注入配管51を分岐させて2つの薬液注入口52a,52bを設けた構成例を示したが、これ以外にも図示は省略するが、薬液注入配管を2本配設して、それぞれの薬液注入配管の薬液注入口が安全弁33及びその近傍位置と、ガスケット41及びその近傍位置に向けて開口するように設置することもできる。また、薬液注入配管を3本以上配設して、さらに析出物の堆積を防ぐ必要のある部位に薬液を供給するように構成することも可能である。
【0029】
以上説明したように、本発明の安全弁装置の析出物堆積防止装置によれば、保護管内に設置した安全弁装置及びその近傍位置に炭酸カルシュームなどの析出物が堆積することを常時効果的に防止することができるので、緊急時の安全弁装置の作動不良などの不都合を回避でき、貯留槽の安全性の確保を図ることができる。したがって、様々な障害や、場合によっては大きな災害にも発展しかねない危険を未然に防ぐことができる。
【0030】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、揚液管6の保護管23内に取り付けた安全弁装置30に析出物堆積防止装置50を設置した例を示したが、本発明の析出物堆積防止装置は、揚液管6以外にも水抜き管7やガス抜き管8に安全弁装置を設ける場合にはそれに設置しても良いし、液体貯留槽1から地上に連通する他の管などに安全弁装置を設けた場合は、該安全弁装置に設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】岩盤地下に設けた貯留槽(液体貯留槽)の構成例を示す図である。
【図2】揚液管の先端部の構成例を示す図である。
【図3】従来の安全弁装置の構成例を示す図である。
【図4】同図(a)は、本発明の一実施形態例(実施例1)にかかる析出物堆積防止装置を設置した安全弁装置の構成例を示す概略側断面図で、同図(b)は、薬液注入配管の部分拡大図である。
【図5】保護管内の仕様液及び薬液の流れを示す図である。
【図6】保護管上端部の構成例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態例(実施例2)にかかる析出物堆積防止装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 貯留槽(液体貯留槽)
2 底部
3 上部開口部
4 閉鎖体
5 揚液装置
6 揚液管
7 水抜き管
8 ガス抜き管
10 底水
11 貯留液体
12 ガス
13 界面
20 モータポンプ
21 ポンプ部
22 モータ部
23 保護管
23 開口部
23 本体部
23 シール部
24 吸入ポット
24 開口部
25 吸込口
26 短管
27 仕様液通路
30 安全弁装置
31 弁座
32 弁体
33 安全弁(安全弁本体)
34 弁体シート部
35 弁棒
36 油圧配管
40 取付部材
41 ガスケット
42 ヘッドプレート
43 遮断弁(緊急遮断弁)
44 薬液供給装置
45 フランジ部
50 析出物堆積防止装置
51 薬液注入配管
52 薬液注入口
53 屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に設けられた液体貯留槽、該液体貯留槽に貯留する仕様液を揚液する揚液管、該揚液管に設置され緊急時に該揚液管を通る仕様液を遮断する安全弁を具備する安全弁装置を備えた地下液体貯留設備の該安全弁装置に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法であって、
前記揚液管及び安全弁装置は保護管内に設置されており、前記安全弁装置近傍の前記保護管内の前記仕様液に前記析出物の析出を防止する薬液を注入し、該薬液が注入された仕様液が前記安全弁及び揚液管を通って揚液されることを特徴とする地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止方法。
【請求項2】
地下に設けられた液体貯留槽、該液体貯留槽に貯留する仕様液を揚液する揚液管、該揚液管に設置され緊急時に該揚液管を通る仕様液を遮断する安全弁を具備する安全弁装置を備えた地下液体貯留設備の該安全弁装置に炭酸カルシューム等の析出物が堆積することを防止する地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置であって、
前記揚液管及び安全弁装置は保護管内に設置されており、前記安全弁装置の仕様液吸込口近傍の上流側の前記保護管内に薬液注入口が開口する薬液注入配管を設置し、該薬液注入配管を通して前記仕様液に前記析出物の析出を防止する薬液を注入することを特徴とする地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置。
【請求項3】
請求項2に記載の地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置において、
前記薬液注入配管の薬液注入口は、前記安全弁装置の安全弁を構成する弁座、弁体シート部、及び弁棒軸受部近傍に開口していることを特徴とする地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置において、
前記薬液注入配管の薬液注入口は、前記安全弁装置の安全弁を前記保護管に取り付けている取付部材と前記保護管の間のガスケット部近傍に開口していることを特徴とする地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の安全弁装置析出物堆積防止装置において、
前記薬液注入配管に、遮断機構を設置し、前記安全弁装置の安全弁の閉動作に連動して該遮断機構が作動し該薬液注入配管の流れを遮断するように構成するか、或いは該薬液注入配管に、逆流を防止する逆止弁を設けたことを特徴とする地下液体貯留設備の安全弁装置析出物堆積防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−226335(P2006−226335A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38263(P2005−38263)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】