説明

地中土壌採取方法

【課題】自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行え、さらに、採取した土壌を容易に取り出せる採取方法を提供する。
【解決手段】自由曲線掘削機2のロッド部5の先端に設けられた掘削ビット6により、掘削始点から土壌採取目標位置50を経由して地中を掘り抜いて掘削ビットを地上に出した後、掘削ビットを取り外して土壌採取管装置3を取り付け、地中を掘り抜いた掘削孔51内経由で土壌採取管装置3を土壌採取目標位置50まで戻して土壌採取管装置3を一方方向に回転させて土壌採取管装置3の内部に土壌採取目標位置50の土壌を取り込んでから、当該土壌採取管装置3を掘削孔の掘削始点まで引き戻して地上に出して土壌採取管装置3の内部に取り込まれている土壌を取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自由曲線掘削機を用いて地中の土壌採取目標位置の土壌を採取する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自由曲線掘削機を用いて土壌採取目標位置まで掘削し、掘削ヘッド内に土壌採取目標位置の土壌を取り込んで採取する方法(例えば、特許文献1参照)や、掘削ヘッドの前方の土壌にサンプリング管を貫入して土壌採取目標位置の土壌をサンプリング管内に取り込んで採取する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−64957号公報
【特許文献2】特開2007−270608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、掘削ヘッド内において水圧によりピストンを掘削ヘッドの先端側に押圧するとともに、掘削ヘッドの先端から掘削ヘッドの前方に水を噴射しながら掘削し、土壌採取目標位置に到達した場合に、水圧を解除して、水により泥水化した土壌を掘削ヘッドの先端から掘削ヘッド内に取り込む構成であり、掘削ヘッド内に取り込まれる土壌は水分含有量の多い泥水状となってしまうので、土壌成分の調査を正確に行えない場合がある。特許文献2では、地中において掘削ヘッドの先端から前方に真っ直ぐな管を突出させるので、曲線掘削経路で土壌を採取できない。また、特許文献1;2のいずれにおいても、採取した土壌を掘削ヘッド内やサンプリング管内から取り出しにくいという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行え、さらに、採取した土壌を容易に取り出せる採取方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る地中土壌採取方法は、自由曲線掘削機のロッド部の先端に設けられた掘削ビットにより、掘削始点から土壌採取目標位置を経由して地中を掘り抜いて掘削ビットを地上に出した後、ロッド部の先端より掘削ビットを取り外して、ロッド部の先端に土壌採取管装置を取り付け、地中を掘り抜いた掘削孔内経由で土壌採取管装置を土壌採取目標位置まで戻して土壌採取管装置の内部に土壌採取目標位置の土壌を取り込んでから、当該土壌採取管装置を、掘削孔の掘削始点まで引き戻して地上に出すか、あるいは、掘り抜いた掘削孔の掘削終点まで押し込んで地上に出すことにより、土壌採取管装置の内部に取り込まれている土壌を取り出すようにした地中土壌採取方法であって、土壌採取管装置は、周面に開口部を有しロッド部を介した回転駆動力を受けて中心軸線を回転中心として回転可能な外管と、外管の中心軸線と同軸に外管内に設置されて周面に土壌取込孔を有した内管と、内管の土壌取込孔における内管の中心軸線に沿った方向に延長する孔縁より外管の開口部を経由して外管の外周面より外側に突出するように設けられた土壌取込孔塞体と、外管の両端開口を塞ぐ蓋体とを備え、地中で外管を一方方向に回転させた場合には、土壌取込孔が開口部を介して地中と連通し、地中で外管を他方方向に回転させた場合には、外管の開口部における外管の中心軸線に沿った方向に延長する開口縁と土壌取込孔塞体とが接触して土壌取込孔が塞がれるように構成されたので、地上から真下に掘削することのできない現場において土壌を採取することができ、土壌採取管装置の内管内に採取された土壌を、土壌取込孔塞体を操作して内管を回転させることにより、容易に取り出せる。また、自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行える。
本発明に係る地中土壌採取方法は、自由曲線掘削機のロッド部の先端に設けられた掘削ビットにより、掘削始点から土壌採取目標位置まで掘削してから掘削ビットを掘削始点に戻して地上に出した後、ロッド部の先端より掘削ビットを取り外して、ロッド部の先端に土壌採取管装置を取り付けるとともに、土壌採取管装置の先端に掘削ビットを取り付け、掘削ビット及び土壌採取管装置を掘削孔内経由で土壌採取目標位置まで戻して土壌採取管装置の内部に土壌採取目標位置の土壌を取り込んでから土壌採取管装置を掘削始点まで戻して土壌採取管装置の内部の土壌を取り出す地中土壌採取方法において、上記土壌採取管装置を用いることで、地上から真下に掘削することのできない現場や、地中を掘り抜くことができない現場においても土壌を採取することができ、かつ、上述した効果が得られる。
また、土壌採取管装置は、土壌取込孔塞体と外管の開口部の開口縁とが接触して土壌取込孔が塞がれた状態を維持するロック部を備えた構成とすれば、土壌採取管装置の移動中に土壌取込孔が開いてしまうようなことを防止できる。よって、土壌採取目標位置以外の地中の土壌を内管内に取り込んでしまったり、土壌採取目標位置において内管内に取り込んだ汚染土壌を土壌採取目標位置以外の地中に撒き散らして汚染を拡大させてしまうようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】地中土壌採取方法を示す図(実施形態1)。
【図2】土壌採取管装置を示す斜視図(実施形態1)。
【図3】土壌採取管装置の分解斜視図(実施形態1)。
【図4】土壌採取管装置の中心軸線に沿った縦断面図(実施形態1)。
【図5】地中土壌採取方法を示す図(実施形態2)。
【図6】土壌採取管装置の中心軸線に沿った縦断面図(実施形態2)。
【図7】土壌採取管装置の分解斜視図(実施形態3)。
【図8】土壌採取管装置の中心軸線に沿った縦断面図(実施形態3)。
【図9】土壌採取管装置の分解斜視図(実施形態4)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1を参照し、土壌採取方法に使用する土壌採取装置1を説明する。土壌採取装置1は、自由曲線掘削機2と土壌採取管装置3とにより構成される。
【0008】
図1(a);(b);図6に示すように、自由曲線掘削機2は、ロッド部5と、ロッド部5の先端5tに設けられた掘削ビット6と、ロッド部5の先端部あるいは掘削ビット6に設けられた磁気センサやジャイロセンサなどの位置検出センサ7と、ロッド部5を前後動させたり回転させたりするための駆動装置8とを備える。掘削ビット6は、先端に、中実の円柱の一端開口部が斜めに切り落とされたような楕円傾斜面9を備え、楕円傾斜面9に図外の削岩ビットを有した構成である。また、掘削ビット6は、先端に掘削液噴射孔6dを備え、内部には、掘削液噴射孔6dとロッド部5の内部空間5uとを連通させる掘削液供給路6eを備える。ロッド部5は、掘削が進むに伴って例えば金属円管により形成されるロッド5aを複数個順次継ぎ足して構成される。ロッド5a同士の連結は、例えば、ネジ継手のような図外の連結部材が用いられる。位置検出センサ7は、掘削ビット6の後端側に形成された中空部に埋設される。
【0009】
図2に示すように、土壌採取管装置3は、外管11と、内管12と、土壌取込孔塞体13と、連結部材14と、引出部材15とを備える。
【0010】
図3;図4に示すように、外管11及び内管12は、外管11の中心軸線aと直交する断面が円環状の例えば鋼管のような金属製の円管により形成される。外管11は、円管の周面の一部に内周面と外周面とに貫通する開口部16を備えるとともに、両方の端部開口25;25aの内周面には雌ねじ部17;17を備える。内管12は、円管の周面の一部に内周面と外周面とに貫通する土壌取込孔18を備える。内管12は外管11の内側に設置され、内管12及び外管11は、内管12と外管11とで共通の中心軸線aを回転中心として回転可能に構成される(図4参照)。即ち、外管11は、ロッド部5を介した回転駆動力を受けて中心軸線aを回転中心として回転可能であり、内管12は、外管11の中心軸線aと同軸に外管内に設置され、中心軸線aを回転中心として回転可能である。このように内管12と外管11とが中心軸線aを回転中心として回転可能に設けられ、かつ、内管12が中心軸線aに対して傾かないように、外管11の内径寸法と内管12の外径寸法とが互いに近似した適性値に設定される(例えば、内管12の外径寸法が外管11の内径寸法よりも数mm小さい程度に設定される)。開口部16は、周面において周方向に沿って湾曲する矩形形状の孔に形成される。即ち、当該矩形形状の孔は、外管11の中心軸線aに沿って延長して互いに平行に対向する2つの長辺縁16a;16bと外管11の周方向に沿って延長して互いに平行に対向する2つの短辺縁とによる湾曲長方形状の開口縁を備えた孔である。土壌取込孔18は、例えば、開口部16の孔寸法よりも一回り小さい孔寸法で、かつ、開口部16と同じ形状に形成される。
【0011】
土壌取込孔18の一方の長辺縁19側には、ブレードと呼ばれる土壌取込孔塞体13が設けられる。土壌取込孔塞体13は、内管12の中心軸線aに沿って延長するとともに当該中心軸線aと直交する方向(内管12の径に沿った方向)に延長する例えば四角形板により形成される。当該四角形板は、土壌取込孔18における中心軸線aに沿った方向に延長する孔縁である一方の長辺縁19の長さと同じ長さに形成された互いに平行に対向する一対の辺縁21;22とこの一対の辺縁21;22の端部同士を連結する他方の一対の辺縁21a;22aとを有した形状に形成される。この土壌取込孔塞体13の一対の辺縁21;22のうちの一方の辺縁21側と土壌取込孔18の一方の長辺縁19側とが溶接又は連結手段(例えば、土壌取込孔塞体13の一方の辺縁21に設けたブラケットをボルトなどで内管12の周面に固定する連結手段)により連結されることにより、土壌取込孔塞体13が土壌取込孔18の一方の長辺縁19より外管11の開口部16を経由して外管11の外周面より外側に突出するように設けられる。
【0012】
土壌取込孔塞体13における一対の辺縁21;22のうち外管11の外周面より外側に突出する他方の辺縁22側には、他方の辺縁22より一方の辺縁21に向かって延長する複数のスリット(溝)23;23…が形成される。
また、土壌取込孔塞体13の辺縁22と辺縁21a;22aとの境界部分は、面取り部20b;20bに形成される。
このスリット23及び面取り部20bは、図2(a)のように土壌取込孔塞体13の一方の板面13aが開口部16の長辺縁16aに接触して土壌取込孔18が全開放された土壌取込孔全開状態から当該土壌取込孔全開状態を維持する方向(一方方向A)に外管を回転させる場合や、図2(b)のように土壌取込孔塞体13の他方の板面13bが開口部16の長辺縁16bに接触して土壌取込孔18が閉塞された土壌取込孔全閉状態から当該土壌取込孔全閉状態を維持する方向(他方方向B)に外管11を回転させる場合に、土壌取込孔塞体13が受ける土抵抗を低減させる構成である。
【0013】
土壌取込孔塞体13の他方の一対の辺縁21a;22a側における開口部16の長辺縁16aに接触する一方の板面13a側は、他方の板面13bから一方の板面13aの中央に向けて傾斜する傾斜面20a;20aに形成される。
この傾斜面20aは、図2(b)のように土壌取込孔塞体13の他方の板面13bが開口部16の長辺縁16bに接触した土壌取込孔全閉状態から当該土壌取込孔全閉状態を維持する方向(他方方向B)に外管11を回転させる場合に、土壌取込孔塞体13が受ける土抵抗を低減させる構成である。
【0014】
中実な棒状に形成された連結部材14は、一端部には、外管11の一方の端部開口25を塞ぐように当該一方の端部開口25に取り付けられる連結部材側蓋体26を備え、他端部には、ロッド部5の先端に連結されるロッド連結部27を備える。連結部材側蓋体26は、連結部材14の一端から他端に向けて、内管回転支持部31、内管規制面32、外管連結部33を備える。ロッド連結部27は、連結部材14を形成する棒の他端部の端面から一端部側に延長するように棒の内側に形成されて、ロッド部5の先端5tの周面に形成された雄ねじ部34(図4参照)と螺合する雌ねじ部35により構成される。連結部材14は周面にスパナのような工具で掴むための平面部14aを備える。
【0015】
引出部材15は、一端部には、外管11の他方の端部開口25aを塞ぐように当該他方の端部開口25aに取り付けられる引出部材側蓋体36を備え、他端部には、引出部37を備える。引出部材側蓋体36は、引出部材15の一端から他端に向けて、内管回転支持部41、内管規制面42、外管連結部43を備える。引出部37は、図外の牽引ワイヤのような引き上げ材を繋ぐ孔38を備える。
【0016】
連結部材側蓋体26と引出部材側蓋体36とは同じ構成である。これら蓋体26;36の内管回転支持部31;41は、内管12の内径寸法より小さい径寸法の円柱体により形成される。内管12と外管11が互いに回転可能となり、かつ、内管12が中心軸線aに対して傾かないように、内管回転支持部31;41を形成する円柱体の径寸法と内管12の内径寸法とが互いに近似した適性値に設定される(例えば、内管回転支持部31;41の径寸法が内管12の内径寸法よりも数mm小さい程度に設定される)。これら蓋体26;36の内管規制面32;42は、内管回転支持部31;41を形成する円柱体における連結部材14や引出部材15の端部の周回りに設けられて当該円柱体の中心軸線aと直交する円環面により形成される。当該円環面の環幅寸法は、内管12の内径寸法と外径寸法との差寸法(内管12の厚さ寸法)よりも大きく、かつ、該円環面の環幅寸法と内管12の内径寸法とが近似した適性値に設定される。上記差寸法(内管12の厚さ寸法)に形成されるこれら蓋体26;36の外管連結部33;43は、内管規制面32;42を形成する円環面の外周縁より連結部材14や引出部材15の他端方向に延長して中心軸線aが内管回転支持部31;41と同じ(同軸)に形成された円柱部と、当該円柱部の外周面に形成されて外管11の端部開口25;25aの内周面に形成された雌ねじ部17;17に螺合される雄ねじ部40;40とにより形成される。
【0017】
土壌採取管装置3の組み付け構造を説明する。蓋体26;36のうちの一方の蓋体26と外管11の一方の端部開口25とがねじ連結される。外管11の他方の端部開口25aから挿入された内管12の挿入側先端の管内側に一方の蓋体26の内管回転支持部31の円柱を入れる(はめ込む)。内管12の後端の管内側に他方の蓋体36の内管回転支持部41の円柱を入れた(はめ込んだ)状態で当該他方の蓋体36と外管の他方の端部開口25aとがねじ連結される。土壌取込孔塞体13が内管12の土壌取込孔18の一方の長辺縁19に取り付けられる。以上により、地中に設置された場合に、土壌取込孔塞体13が地中に設置されることで内管12の回転が規制されるとともに外管11に回転力を加えることで外管11が土壌取込孔18を開閉可能に回転する。
【0018】
図2(a)に示すように、土壌採取管装置3は、地中において、ロッド部5を回転させることで外管11を一方方向Aに回転させた場合に、開口部16の一方の長辺縁16aと土壌取込孔塞体13の一方の板面13aとが接触し、土壌取込孔18の開口縁が開口部16の開口縁の内側に位置して土壌取込孔全開状態となる。その後、さらに、外管11を一方方向Aに回転させることで、外管11と内管12とが中心軸線aを回転中心として供回りする。これにより、地中の土壌が土壌取込孔塞体13の他方の板面13bに押圧されて内管12内に取り込まれる。
そして、内管12内に土壌を取り込んだ後、図2(b)に示すように、外管11を他方方向Bに回転させた場合に、開口部16の他方の長辺縁16bと土壌取込孔塞体13の他方の板面13bとが接触することで、土壌取込孔18が外管11の内周面と対向し、内管12の内部空間と外部空間との連通が土壌取込孔塞体13により遮断された土壌取込孔全閉状態となり、内管12内に取り込まれた土壌が外管11及び土壌取込孔塞体13によって外管11の内側に封じ込められた状態となって外管11の周りの地中に流出しないようになる。
【0019】
上述した土壌採取装置1を用いて、例えば、機械工場のような建屋下の地中や廃棄物処分場跡のような更地下の地中における土壌採取目標位置50での汚染された土壌を採取する方法を説明する。
まず、図1に示すように、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成する。例えば、掘削ビット6を土壌採取目標位置の深さ位置まで斜め下方向に推進させるようにして斜め下方向に地盤を掘削した後、掘削ビット6を水平方向に推進させるようにして水平方向に地盤を掘削して土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成し、その後、掘削ビット6を斜め上方向に推進させるようにして斜め上方向に地盤を掘削して掘削ビット6を地上に出す。
地盤を斜めに掘削する場合には、ロッド部5をロッド部5の中心軸線を回転中心として駆動装置8に設けられた図外のモータのような回転駆動源で回転させることで掘削ビット6を回転させながら掘削ビット6を推進させる。
掘削ビット6の推進方向を変える場合は、ロッド部5を回転させないで、駆動装置8に設けられた図外の油圧シリンダのような押圧装置でロッド部5に推進力を与えて掘削ビット6の楕円傾斜面9に土圧が作用するようにすることで、掘削ビット6の推進方向を変える。これにより、掘削ビット6及びロッド部5を水平方向に移動させることができる。
掘削の際には、ロッド部5の筒内中空部を掘削液の供給管路として利用するので、ロッド部5の後端を図外の掘削液供給装置に繋ぎ、ロッド部5を回転させるとともに、掘削液供給装置からロッド部5の筒内中空部を介して掘削ビット6に掘削液を圧送して供給する。掘削液としては、水、ベントナイト溶液、ポリマー等の安定液等を用いる。これにより、掘削ビット6の掘削液噴射孔6d(図6参照)から地盤に掘削液が噴射されながら掘削ビット6が地盤を掘削する。
そして、掘削が進むのに応じてロッド5aを順次継ぎ足していく動作を繰り返すことにより、土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成する。尚、掘削ビット6の位置は、位置検出センサ7からの位置情報により操作者が知ることができ、当該位置情報に基づいて土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成できる。
【0020】
図1(a)に示すように、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50を目標にして掘削を行う。そして、土壌採取目標位置50を通過した地中を掘り抜いた掘削孔51を形成し(図1(b)参照)、その後、掘削孔51の掘削終点から地上に引き出したロッド部5の先端に取り付けられていた掘削ビット6を取り外し、代わりに、ロッド部5の先端に土壌採取管装置3を取り付ける(図1(c)参照)。そして、土壌採取管装置3の土壌取込孔18を閉じた状態で、土壌採取管装置3を掘削孔51内経由で掘削始点側に戻して土壌採取目標位置50まで移動させる(図1(d)参照)。土壌採取管装置3が土壌採取目標位置50に到達したならば、土壌取込孔18を開く方向(一方方向A)に外管11を回転させることにより、土壌採取目標位置50の土壌を内管12内に取り込む(図1(d)参照)。その後、土壌取込孔18を閉じる方向(他方方向B)に外管11を回転させて土壌取込孔18を閉じて、土壌採取管装置3を掘削孔51経由で掘削始点まで戻して地上に出し、ロッド部5の先端に取り付けられていた土壌採取管装置3を取り外す。そして、土壌取込孔塞体13を掴んで、土壌取込孔18が外部に開放される方向に内管12を回転させ、内管12内の土壌を土壌取込孔18及び開口部16を介して取り出す。尚、作業者は図外のモニターに表示される位置検出センサ7からの情報(方位情報、距離情報等)を確認しながら、土壌採取目標位置50への掘削作業、及び、土壌採取目標位置50の土壌を内管12内に取り込む土壌採取作業を行う。
【0021】
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50の土壌を採取する方法において、土壌取込孔塞体13を備えた土壌採取管装置3を用いたので、土壌採取管装置3で採取した土壌を、土壌取込孔塞体13を操作して内管12を回転させることにより、容易に取り出せる。
実施形態1によれば、内管回転支持部31;41を備えるので、中心軸線aに対して傾かないように内管12を回転可能に支持できるため、内管12及び外管11の回転動作を円滑にでき、土壌取込孔18の開閉動作を確実にできる。
実施形態1によれば、土壌取込孔塞体13が傾斜面20aを備えるので、土壌採取管装置3が土壌取込孔18を閉じた状態で地中を移動する際、土壌取込孔塞体13の傾斜面20aが土圧を受けて楔のように作用する。これにより、土壌取込孔塞体13には土壌取込孔18を閉塞する方向の回転力が加わるため、土壌採取管装置3が地中を移動する際に土壌取込孔全閉状態を維持できるので、土壌採取管装置3の移動中に土壌取込孔18が開いてしまうようなことを防止できる。よって、土壌採取目標位置50以外の地中の土壌を内管12内に取り込んでしまったり、土壌採取目標位置50において内管12内に取り込んだ汚染土壌を土壌採取目標位置50以外の地中に撒き散らして汚染を拡大させてしまうようことを防止できる。
実施形態1によれば、土壌取込孔塞体13がスリット23及び面取り部20bを備えるので、外管11を回転させて土壌取込孔18を開閉する際において、土壌取込孔塞体13の受ける土抵抗が低減するため、外管11の回転負荷を軽減できる。
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2による水平掘削経路だけでなく、曲線掘削経路でも土壌を採取できる。したがって、土壌採取目標位置50がどこであっても土壌採取目標位置50の土壌を採取可能となる。
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2による掘削を終えた後の掘削経路中における土壌採取目標位置50の土壌を採取するので、掘削による水分が少なくなった土壌を採取できることから、特許文献1に比べて、土壌成分の調査を正確に行える。
【0022】
尚、実施形態1において、土壌取込孔塞体13の一方の辺縁21側と土壌取込孔18の一方の長辺縁19側とを、土壌取込孔塞体13の一方の辺縁21に設けたブラケットをボルトなどで内管12の周面に固定する連結手段により連結する構成とすれば、内管12内に取り込んだ土壌を取り出す場合に、土壌取込孔塞体13を取り外した後に、連結部材側蓋体26及び引出部材側蓋体36のうちの一方の蓋体を外管11より取り外すことで、外管11の端部開口を介して内管12を外管11の外部に引き出せる。よって、内管12内の土壌を内管12の両端の端部開口を介して取り出せるようになるため、土壌採取管装置3で採取した土壌を、より容易に取り出せるようになる。
【0023】
実施形態2
図5に示すように、自由曲線掘削機2のロッド部5の先端5tに設けられた掘削ビット6により、掘削始点から土壌採取目標位置50まで掘削する(図5(a);(b)参照)。その後、掘削ビット6を掘削始点に戻して地上に出した後、ロッド部5の先端5tより掘削ビット6を取り外して、ロッド部5の先端5tに土壌採取管装置3を取り付けるとともに、土壌採取管装置3の先端に掘削ビット6を取り付ける(図5(c)参照)。そして、掘削ビット6及び土壌採取管装置3を掘削孔51内経由で土壌採取目標位置50まで戻して土壌採取管装置3の内管12の内部に土壌採取目標位置50の土壌を取り込む(図5(d)参照)。その後、土壌採取管装置3を掘削始点まで戻して土壌採取管装置3の内部の土壌を取り出す。この実施形態2の場合も、作業者は図外のモニターに表示される位置検出センサ7からの情報(方位情報、距離情報等)を確認しながら、土壌採取目標位置50への掘削作業、及び、土壌採取目標位置50の土壌を内管12内に取り込む土壌採取作業を行う。
尚、実施形態2で用いる土壌採取管装置3は、上述した引出部材15の代わりに、図6に示すようなビット側連結部15Aを備えたものを用いる。ビット側連結部15Aは、一端部には、外管11の他方の端部開口25aを塞ぐように当該他方の端部開口25aに取り付けられる上記引出部材側蓋体36と同様の蓋体15Xを備え、他端部には、ビット連結部55を備える。ビット連結部55は、掘削ビット6の後端部の管の内周面に形成された雌ねじ部56とねじ結合される雄ねじ部57により形成される。
また、実施形態2の場合、ロッド部5の先端5tに土壌採取管装置3及び掘削ビット6を取り付けた構成において掘削ビット6の前方地中に掘削液を供給するために、掘削ビット6の掘削液供給路6eと掘削液供給路として利用されるロッド部5の内部空間5uとを連通させるための掘削液供給路を備えた連結部材14及びビット側連結部15Aを使用する。即ち、連結部材14としては、ロッド部5の内部空間5uと内管12の内部空間とに連通する掘削液供給路14eを備えたものを用い、ビット側連結部15Aとしては、内管12の内部空間と掘削ビット6の掘削液供給路6eとに連通する掘削液供給路15eを備えたものを用いる。掘削液供給路15eの途中には、地下水が掘削ビット6の掘削液供給路6eを経由して内管12の内部空間に流入(逆流)するのを防止するための逆止弁15fが設けられる。逆止弁15fの取付容易性からすると、逆止弁15fを、ビット側連結部15Aの掘削液供給路15eの両方の端部のうちのいずれか一方に設けることが好ましいが、ビット側連結部15Aの掘削液供給路15eにおける内管12側に逆止弁15fを設けた場合、内管12の内側に取り込まれた土壌が逆止弁15f内に入り込んで逆止弁15fの故障を誘発する可能性がある。そこで、実施形態2では、ビット側連結部15Aの掘削液供給路15eにおける掘削ビット6側の端部に逆止弁取付部が設けられ、逆止弁15fが当該逆止弁取付部に取り付けられた構成とした。
以上の構成により、掘削の際には、掘削液が、ロッド部5の内部空間5u、掘削液供給路14e、内管12の内部空間、掘削液供給路15e、掘削液供給路6e、掘削液噴射孔6dを経由して掘削ビット6の前方地中に供給される。そして、掘削液が供給されていない場合には、逆止弁15fが、内管12の内部空間内への地下水の流入を防止する。
実施形態2による方法によれば、実施形態1と同じ効果が得られるとともに、地中を掘り抜くことができない現場においても土壌を採取することができる。
【0024】
実施形態3
実施形態1;2で用いる土壌採取管装置3として、図7;8に示すような、ロック部60を備えたものを用いる。ロック部60は、土壌取込孔塞体13と外管11の開口部16の開口縁とが接触して土壌取込孔18が塞がれた状態を維持するために、土壌取込孔塞体13の傾斜面20aに形成された辺縁部61が入り込む溝62により形成される。溝62は、開口部16の長辺縁16bと外管11の他方の端部開口25a側に位置する開口部16の短辺縁63との境界部に形成されるものであって、長辺縁16bより長辺縁16bに対して一直線状に延長する延長縁65と、当該延長縁65と平行に対向する対向縁66と、延長縁65の先端と対向縁66の先端とを繋いで溝底を形成する底縁67とにより形成される。溝62の幅寸法は、溝62に入り込んだ土壌取込孔塞体13が外管11の周方向に動いてがたつかないように、土壌取込孔塞体13の厚さ寸法に近似した適性値に設定される(例えば、溝62の幅寸法が土壌取込孔塞体13の厚さ寸法よりも数mm大きい程度に設定される)。
実施形態3によれば、外管11を他方方向Bに回転させた場合に、開口部16の他方の長辺縁16bと土壌取込孔塞体13の他方の板面13bとが接触することで、土壌取込孔全閉状態となり、この土壌取込孔全閉状態においてロッド部5を掘削始端側に引っ張って外管11を掘削始端側に引っ張ることにより、土壌取込孔塞体13の傾斜面20aに形成された辺縁部61が溝62内に入り(図8(b)参照)、土壌取込孔塞体13が外管11の周方向に回転しないようになるので、土壌採取管装置3は土壌取込孔全閉状態にロックされることになる。
実施形態3によれば、外管11がロック部60を備えるので、地中において土壌採取管装置3を移動させる際に土壌取込孔全閉状態を維持でき、土壌採取管装置3の移動中に土壌取込孔18が開いてしまうようなことを防止できる。よって、土壌採取目標位置50以外の地中の土壌を内管12内に取り込んでしまったり、土壌採取目標位置50において内管12内に取り込んだ汚染土壌を土壌採取目標位置50以外の地中に撒き散らして汚染を拡大させてしまうことを防止できる。実施形態3によれば、土壌取込孔塞体13が傾斜面20aを備えない構成であっても、当該効果を得ることができる。
尚、実施形態2で用いる土壌採取管装置3としては、土壌採取管装置3を掘削始点から土壌採取目標位置50に移動する際に土壌採取管装置3を土壌取込孔全閉状態にロックするための溝62aにより構成されたロック部60aを設けることが好ましい。この場合の溝62aは、例えば、開口部16の長辺縁16bと外管11の一方の端部開口25側に位置する開口部16の短辺縁63aとの境界部に形成されるものであって、長辺縁16bより長辺縁16bに対して一直線状に延長する延長縁65aと、当該延長縁65aと平行に対向する対向縁66aと、延長縁65aの先端と対向縁66aの先端とを繋いで溝底を形成する底縁67aとにより形成される。この場合、土壌取込孔全閉状態においてロッド部5を押して外管11を押すことにより、土壌取込孔塞体13の傾斜面20aに形成された辺縁部61aが溝62a内に入り、土壌取込孔塞体13が外管11の周方向に回転しないようになるので、土壌採取管装置3は土壌取込孔全閉状態にロックされることになる。よって、土壌採取管装置3の移動中に土壌取込孔18が開いてしまうようなことを防止できる。
尚、図7に想像線で示したように、対向縁66;66aを、延長縁65;65aに対して傾斜する傾斜縁(底縁67;67aから開口部16の中心側に向かうような傾斜縁)に形成すれば、溝62aに対する土壌取込孔塞体13の出入が容易となり、溝62aと土壌取込孔塞体13とによるロック動作及びロック解除動作の確実性が高まる。
【0025】
実施形態4
図9に示すように、外管11の周面に、外管11の端部開口の一方と開口部16とを連通させる連通溝70を形成した土壌採取管装置3を用いれば、土壌取込孔塞体13を取り付けた状態の内管12を外管11の端部開口の一方を介して外管11の内外に出し入れできるので、土壌採取管装置3で採取した土壌を、より容易に取り出せるようになる。
【0026】
尚、図7乃至図9で説明した実施形態3;4による土壌採取管装置3は、実施形態1;2のいずれの方法にも使用できるが、図7乃至図9では実施形態1で説明した引出部材15を備えたタイプの土壌採取管装置3を例にして図示した。
【0027】
実施形態5
実施形態1では、土壌採取目標位置50の土壌を土壌採取管装置3で採取した後に土壌採取管装置3を掘削孔51の掘削始点側に引き戻して掘削始点の開口より地上に引き出したが、土壌採取目標位置50の土壌を土壌採取管装置3で採取した後に土壌採取管装置3を掘り抜いた掘削孔51の掘削終点側に押し進めて掘削終点の開口より地上に押し出してもよい。実施形態5による方法は、土壌採取目標位置50から掘削終点までの距離が、土壌採取目標位置50から掘削始点までの距離よりも短い場合に効果的である。
【0028】
実施形態1;2;5において、土壌取込孔塞体13が傾斜面20aを備えない構成である場合、外管11がロック部60;60aを備えない場合において、土壌採取管装置3を地中で移動させる際には、土壌採取管装置3の土壌取込孔18を閉じた状態で、土壌取込孔18を閉じる方向(他方方向B)に外管11を回転させながら、土壌採取管装置3を移動させればよい。これにより、土壌採取管装置3の移動中に土壌取込孔18が開いてしまうようなことを防止できる。
【0029】
図6に示すような、掘削ビット6とロッド部5との間に土壌採取管装置3を備えた土壌採取装置1を用いて、掘削始点から土壌採取目標位置50まで掘削して土壌採取目標位置50の土壌を土壌採取管装置3で採取した後に、土壌採取装置1を掘削始点の開口まで引き戻して掘削始点の開口より土壌採取管装置3を地上に出すか、あるいは、土壌採取装置1で地中を掘り抜いて土壌採取管装置3を地上に出すようにしてもよい。この際、ロック部60;60aを備えていない土壌採取管装置3を用いる場合は、土壌採取管装置3の土壌取込孔18を閉じた状態で、土壌取込孔18を閉じる方向(他方方向B)に、ロッド部5と土壌採取管装置3と掘削ビット6との結合体を回転させながら、掘削すればよい。これにより、土壌採取管装置3の移動中に土壌取込孔18が開いてしまうようなことを防止できる。尚、この場合も、作業者は図外のモニターに表示される位置検出センサ7からの情報(方位情報、距離情報等)を確認しながら、土壌採取目標位置50への掘削作業、及び、土壌採取目標位置50の土壌を内管12内に取り込む土壌採取作業を行う。
【0030】
土壌取込孔全閉状態における内管12の水密性能を向上させるためのパッキンのような水密性能維持部材を設けることが好ましい。水密性能維持部材は、例えば、開口部16の他方の長辺縁16bと土壌取込孔塞体13の他方の板面13bとの接触部、外管11の開口部16の開口縁周りの外管内面、内管12の土壌取込孔18の孔縁周りの内管外面、蓋体26;36と外管11の両端開口端面との接触部等に設ければよい。
【0031】
蓋体26;36の両方、又は、一方を溶接によって外管11の開口端面に取り付けてもよい。
上述した開口部16、土壌取込孔18、土壌取込孔塞体13の形状は上記実施形態で説明した形状以外に形成してもよく、要は、土壌取込孔塞体13の他方の板面13bと他方の長辺縁16bとが接触して土壌取込孔18が塞がれる状態(全閉状態)にできる構成であればよい。
上述した雄ねじ部を雌ねじ部とし、上述した雌ねじ部と雄ねじ部としてもよい。
【0032】
本発明は、土壌汚染された土壌を調査するため採取だけでなく、セメント等の改良材で地盤改良された場所に所定量の改良材が入っているかを確認するための調査等、土壌中の調査したい物質の量を測定するための土壌を採取する場合にも利用できる。
【符号の説明】
【0033】
2 自由曲線掘削機、3 土壌採取管装置、5 ロッド部、6 掘削ビット、
11 外管、12 内管、13 土壌取込孔塞体、
16 開口部、16b 他方の長辺縁(開口縁)、
26 連結部材側蓋体(蓋体)、36 引出部材側蓋体(蓋体)、
50 土壌採取目標位置、51 掘削孔、60 ロック部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由曲線掘削機のロッド部の先端に設けられた掘削ビットにより、掘削始点から土壌採取目標位置を経由して地中を掘り抜いて掘削ビットを地上に出した後、ロッド部の先端より掘削ビットを取り外して、ロッド部の先端に土壌採取管装置を取り付け、地中を掘り抜いた掘削孔内経由で土壌採取管装置を土壌採取目標位置まで戻して土壌採取管装置の内部に土壌採取目標位置の土壌を取り込んでから、当該土壌採取管装置を、掘削孔の掘削始点まで引き戻して地上に出すか、あるいは、掘り抜いた掘削孔の掘削終点まで押し込んで地上に出すことにより、土壌採取管装置の内部に取り込まれている土壌を取り出すようにした地中土壌採取方法であって、
土壌採取管装置は、周面に開口部を有しロッド部を介した回転駆動力を受けて中心軸線を回転中心として回転可能な外管と、外管の中心軸線と同軸に外管内に設置されて周面に土壌取込孔を有した内管と、内管の土壌取込孔における内管の中心軸線に沿った方向に延長する孔縁より外管の開口部を経由して外管の外周面より外側に突出するように設けられた土壌取込孔塞体と、外管の両端開口を塞ぐ蓋体とを備え、地中で外管を一方方向に回転させた場合には、土壌取込孔が開口部を介して地中と連通し、地中で外管を他方方向に回転させた場合には、外管の開口部における外管の中心軸線に沿った方向に延長する開口縁と土壌取込孔塞体とが接触して土壌取込孔が塞がれるように構成されたことを特徴とする地中土壌採取方法。
【請求項2】
自由曲線掘削機のロッド部の先端に設けられた掘削ビットにより、掘削始点から土壌採取目標位置まで掘削してから掘削ビットを掘削始点に戻して地上に出した後、ロッド部の先端より掘削ビットを取り外して、ロッド部の先端に土壌採取管装置を取り付けるとともに、土壌採取管装置の先端に掘削ビットを取り付け、掘削ビット及び土壌採取管装置を掘削孔内経由で土壌採取目標位置まで戻して土壌採取管装置の内部に土壌採取目標位置の土壌を取り込んでから土壌採取管装置を掘削始点まで戻して土壌採取管装置の内部の土壌を取り出すようにした地中土壌採取方法であって、
土壌採取管装置は、周面に開口部を有しロッド部を介した回転駆動力を受けて中心軸線を回転中心として回転可能な外管と、外管の中心軸線と同軸に外管内に設置されて周面に土壌取込孔を有した内管と、内管の土壌取込孔における内管の中心軸線に沿った方向に延長する孔縁より外管の開口部を経由して外管の外周面より外側に突出するように設けられた土壌取込孔塞体と、外管の両端開口を塞ぐ蓋体とを備え、地中で外管を一方方向に回転させた場合には、土壌取込孔が開口部を介して地中と連通し、地中で外管を他方方向に回転させた場合には、外管の開口部における外管の中心軸線に沿った方向に延長する開口縁と土壌取込孔塞体とが接触して土壌取込孔が塞がれるように構成されたことを特徴とする地中土壌採取方法。
【請求項3】
土壌採取管装置は、土壌取込孔塞体と外管の開口部の開口縁とが接触して土壌取込孔が塞がれた状態を維持するロック部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地中土壌採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−127370(P2011−127370A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288263(P2009−288263)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【出願人】(390025759)株式会社ワイビーエム (26)
【Fターム(参考)】