説明

地中熱利用軟弱地盤対応基礎

【課題】 住宅等を軟弱地盤に建設する場合、地盤改良や杭の打込又は、土を軽い材料の置換等をした後に基礎を造っていたが、地盤の支持深さによって、多くの工事費用がかかる場合があり、建替えの際には地盤改良体や杭が地中障害物として残ったり、置換材の撤去が必要となっていた。また、ベタ基礎の地中熱利用について地盤面からの深さが浅い部分のものとなっていた。本発明は、以上の問題を解決する、地中熱利用軟弱地盤対応基礎を提供する。
【手段】 鉄筋コンクリート基礎を地盤面より0.3〜1.5m程度の深さの基礎とする。さらに外周部には、断熱材を貼り付ける。内部は内部空間となり、基礎底面に断熱材はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の基礎において軟弱地盤に対し、地盤改良を行わず対応でき、さらに地中熱を利用できる基礎に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の基礎は、軟弱地盤に建設する場合、地盤改良や杭の打込等を行ったり、基礎下の土を軽い材料に置き換えたりした後に基礎を造っていた。また、基礎の外周部に断熱材を貼り付けることにより、基礎下の地中熱を利用し、基礎を蓄熱体とすることが知られている。
【先行技術文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の基礎は、次のような欠点があった。
(イ)地盤改良や杭の打込をする場合、地盤の支持層の深さによって、多くの工事費用がかかる場合がある。また、建替えの際には、地盤の改良体や杭が地中の障害物として残ったり、置換材の撤去が必要となってくる。
(ロ)地中熱の利用は、地盤面からの深さが浅い部分のものとなっている。
本発明は、以上の問題を解決するために発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鉄筋コンクリート造基礎(1)を地盤面(2)より、0.3〜1.5m程度の深さの基礎とする。さらに外周部には断熱材(3)を貼り付ける。内側(4)は内部空間となり、基礎底面(5)に断熱材はない。以上の構成によりなる地中熱利用軟弱地盤対応基礎。
【発明の効果】
【0006】
本発明を使用することによって、基礎を深くした分の土の重量がなくなり、その重量の分、家の荷重がかかっても、建物の沈下がおこらなくなる。そのため、地盤改良や杭工事又は軽い材料への置換工事も必要ない。また、地表面に比べ温度が安定している、より深い部分での地中熱の利用が基礎底面部より可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の基礎断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する
(イ)鉄筋コンクリート造よりなる基礎(1)について
地盤面(2)を建物の荷重に応じて、0.5〜1.5m程度掘削の後、掘削深度と同程度の深さの基礎とする。
(ロ)外周部には、断熱材(3)を貼り付け、内部(4)は、内部空間とする。
(ハ)基礎底面(5)には、断熱材は、貼り付けない。
本発明は、以上の構成よりなる。
本発明を使用する場合は、鉄筋コンクリート基礎(1)を地盤面(2)より深くすることにより掘削された土の重量分軽くなり、家の荷重がかかっても新たな荷重少なくなり、建物の沈下がおこらなくなる。また、掘削することにより、基礎の底面(5)が温度の安定した地中面と接し、断熱材(3)を基礎の外周部に貼り付けることにより、基礎全体を地中熱の蓄熱体として利用することが出来る。
【符号の説明】
【0009】
1 鉄筋コンクリート造基礎
2 地盤面
3 断熱材
4 内部
5 基礎底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリート造基礎(1)を地盤面(2)から掘削した深基礎とし、外周部に断熱材(3)を貼り付け、内部(4)は、内部空間とし、基礎底面(5)には、断熱材を貼り付けた、地中熱利用軟弱地盤対応基礎。

【図1】
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【公開番号】特開2012−57455(P2012−57455A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224322(P2010−224322)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(510262954)
【Fターム(参考)】