説明

地図データのデータ構造

【課題】本発明は、上り車線と下り車線とに分けて規定されたリンクを適切に取り扱うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】地図上に道路を表現するための地図データ80のデータ構造は、道路上の基準点を示す複数のノードを規定したノードデータ810と、ノードデータ810に規定された複数のノード間を接続する複数のリンクを規定したリンクデータ820と、リンクデータ820に規定された複数のリンクのうち、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を関連付けた上下線ペアデータ830とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置等で表示される地図上に道路を表現するために用いられる地図データのデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に道路を表現するための地図データは、コンピュータで利用可能に電子化され、車載用や携帯用のナビゲーション装置、ウェブサーバ、パーソナルコンピュータなどの装置で利用される。一般的な地図データは、道路上の基準点を示す複数のノードを規定したノードデータと、これら複数のノード間を接続する複数のリンクを規定したリンクデータとを備える。地図データを利用する装置は、地図データに規定されたノードおよびリンクを組み合わせて地図上に道路を表現することによって、道路地図の表示、現在地の表示、経路の探索、経路の案内などの処理を実行する。
【0003】
地図データにおけるリンクは、一つの道路を一つのリンクで規定した上下線非分離リンクと、一つの道路に設けられた上り車線と下り車線とを別々のリンクで規定した上下線分離リンクとを含む。例えば、縮尺が比較的に小さい地図上に道路を表現するために用いられるリンクや、中央分離帯で車線が分離されていない道路を表現するために用いられるリンクは、上下線非分離リンクとして規定される場合が多い。また、例えば、縮尺が比較的に大きい地図上に上下線分離道路を表現するために用いられるリンクは、上下線分離リンクとして規定される場合が多い。
【0004】
下記特許文献1には、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現する上下線分離リンクを一つの道路として地図上に表現するために、並行する二つのリンクを、一つの道路に設けられた上り車線と下り車線とを別々のリンクで規定したものであると判断し、これら並行する二つのリンクを、一つの道路を表現するデータとして取り扱う技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3228240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、並行する二つのリンクを、一つの道路を表現するデータとして画一的に取り扱うことから、実際に並行している二つの道路をそれぞれ規定した二つのリンクを、一つの道路を表現するデータとして誤った取り扱いをしてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した課題を踏まえ、上り車線と下り車線とに分けて規定されたリンクを適切に取り扱うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の実施の形態として実現することが可能である。
【0009】
本発明における地図データのデータ構造は、地図上に道路を表現するための地図データのデータ構造であって、道路上の基準点を示す複数のノードを規定したノードデータと、前記ノードデータに規定された複数のノード間を接続する複数のリンクを規定したリンクデータと、前記リンクデータに規定された複数のリンクのうち、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を関連付けた上下線ペアデータとを備えることを特徴とする。本発明における地図データのデータ構造によれば、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を上下線ペアデータによって特定することができるため、上り車線と下り車線とに分けて規定されたリンクを適切に取り扱うことができる。
【0010】
本発明の形態は、データ構造に限るものではなく、例えば、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーション装置の制御方法、ナビゲーション装置を制御する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムなどの他の形態に適用することもできる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した地図表示システムについて説明する。
【0012】
A.地図表示システム10の構成:
図1は、地図表示システム10の構成を示す説明図である。地図表示システム10は、端末装置20と、地図サーバ50と、記憶装置60とを備える。地図表示システム10は、記憶装置60に記憶されている地図データ80に基づくデータを地図サーバ50から端末装置20に配信することによって、端末装置20において道路地図の表示、現在地の表示、経路の探索、経路の案内などを実行するナビゲーションシステムである。
【0013】
地図表示システム10の端末装置20は、携帯用のナビゲーション装置であり、本実施例では、ナビゲーション装置としての機能を有する携帯電話機である。端末装置20は、CPU(Central Processing Unit)210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、入力ボタン240と、無線通信部250と、GPS受信部260とを備える。
【0014】
端末装置20のCPU210は、端末装置20の各部を制御する。端末装置20のメモリ220は、CPU210の動作を規定したプログラムや、CPU210によって取り扱われる種々のデータを記憶する。端末装置20のディスプレイ230は、CPU210の指示に基づいて道路地図を含む種々の画像を表示する。端末装置20の入力ボタン240は、端末装置20を操作するユーザからのデータの入力を受け付ける。
【0015】
端末装置20の無線通信部250は、地図サーバ50とのデータのやり取りを無線通信で行う。本実施例では、端末装置20の無線通信部250が携帯電話網の基地局装置30と無線通信を行うことによって、端末装置20は、地図サーバ50に接続されたネットワーク40に接続する。ネットワーク40は、インターネット,WAN(Wide Area Network),LAN(Local Area Network),携帯電話網,固定電話網,光通信網などを含むとしても良い。
【0016】
端末装置20のGPS受信部250は、測地衛星90から送信されるGPS(Global Positioning System)信号を受信する。GPS受信部250によって受信されたGPS信号を解析することによって、端末装置20の現在位置を検知することができる。
【0017】
地図表示システム10の地図サーバ50は、CPU510と、メモリ520とを備えるサーバコンピュータである。地図サーバ50のCPU510は、地図サーバ50の各部を制御する。地図サーバ50のメモリ520は、CPU510の動作を規定したプログラムや、CPU510によって取り扱われる種々のデータを記憶する。地図サーバ50は、CPU510およびメモリ520の他、ネットワーク40および記憶装置60の各々とデータのやり取りを行うインタフェース(図示しない)を備える。地図サーバ50の動作についての詳細は後述する。
【0018】
地図表示システム10の記憶装置60は、地図データ80を記憶可能な記憶容量を有する記憶装置である。本実施例では、記憶装置60は、地図サーバ50の外部記憶装置として構成されたハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、以下、HDDという)であるが、他の実施形態において、記憶装置60は、地図サーバ50に内蔵されても良いし、半導体メモリやDVD(Digital Versatile Disk),CD(Compact Disk)を用いた記憶装置であっても良い。
【0019】
記憶装置60に記憶されている地図データ80は、ノードデータ810と、リンクデータ820と、上下線ペアデータ830と、同一交差点データ840とを備える。地図データ80のノードデータ810は、道路上の基準点を示す複数のノードを規定する。地図データ80のリンクデータ820は、ノードデータ810に規定された複数のノード間を接続する複数のリンクを規定する。地図データ80の上下線ペアデータ830は、リンクデータ820に規定された複数のリンクのうち、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を関連付ける。地図データ80の同一交差点データ840は、リンクデータ820で規定された複数のリンクのうち、同一の交差点を表現するリンク同士を関連付ける。地図データ80が備えるノードデータ810,リンクデータ820,上下線ペアデータ830,同一交差点データ840の構成についての詳細は後述する。
【0020】
図2は、地図データ80によって規定されたノードおよびリンクを模式的に例示する説明図である。以下の説明では、図中のノードを個別に示す場合には、英文字「N」の後に数字を付した符号を用い(例えば、N1,N2,N3,…)、図中のリンクを個別に示す場合には、英文字「L」の後に数字を付した符号を用いる(例えば、L1,L2,L3,…)。図2には、地図データ80のノードデータ810によって規定された9個のノードN1〜N9が図示されており、地図データ80のリンクデータ820によって規定された11個のリンクL1〜L11が図示されている。ノードN1〜N9は、道路や車線における特徴的な基準点、例えば、交差点,分岐点,幅員が変化する点などを表現する。リンクL1〜L11は、ノードN1〜N9の間を接続する道路や車線を表現する。
【0021】
図3は、地図データ80におけるノードデータ810の詳細構成を示す説明図である。ノードデータ810は、ノード毎の属性を示すノード属性データ8102を備える。ノード属性データ8102に示されるノードの属性は、ノード番号と、位置座標と、ノード種別と、接続リンク数と、接続リンク番号と、リンク間規制情報とを含む。
【0022】
ノード属性データ8102のノード番号は、ノードを識別するための符号を示す。ノード属性データ8102の位置座標は、地図上におけるノードの位置を示す。ノード属性データ8102のノード種別は、ノードが表現する基準点の種別を示す。ノード属性データ8102の接続リンク数は、ノードに接続するリンクの数を示す。ノード属性データ8102の接続リンク番号は、ノードに接続するリンクを識別するための符号を示す。図3に示す例では、ノード番号「N2」が割り当てられたノードN2に関するノード属性データ8102には、ノードN2が座標[Xn2(経度),Yn2(緯度)]上に位置し、ノードN2が「交差点」を表現し、ノードN2に接続するリンクの数が「4」であり、これらのリンク番号が「L1,L2,L4,L9」であることが示されている。
【0023】
図4は、地図データ80におけるリンクデータ820の詳細構成を示す説明図である。リンクデータ820は、リンク毎の属性を示すリンク属性データ8202を備える。リンク属性データ8202に示されるリンクの属性は、リンク番号と、始点ノードと、終点ノードと、道路種別と、補間点座標とを含み、その他、リンク長,幅員区分,車線数なども含む。
【0024】
リンク属性データ8202のリンク番号は、リンクを識別するための符号を示す。リンク属性データ8202の始点ノードは、リンクが始点として接続するノードを識別するための符号を示す。リンク属性データ8202の終点ノードは、リンクが終点として接続するノードを識別するための符号を示す。リンク属性データ8202の道路種別は、リンクが表現する道路や車線の種別を示す。リンク属性データ8202の補間点座標は、リンクが始点ノードから終点ノードまで延びる軌跡の形状を示す。リンク属性データ8202のリンク長は、始点ノードから終点ノードまでのリンクの長さを示す。リンク属性データ8202の幅員区分は、リンクが表現する道路や車線の幅員を示す。リンク属性データ8202の車線数は、リンクが表現する道路や車線に含まれる車線の数を示す。図4に示す例では、リンク番号「L2」が割り当てられたリンクL2に関するリンク属性データ8202には、リンクL2が「始点ノードN2」から「終点ノードN3」へと接続し、リンクL2が表現する道路が「一般国道」であることが示されている。
【0025】
図5は、地図データ80における同一交差点データ840の詳細構成を示す説明図である。同一交差点データ840は、交差点毎の属性を示す交差点属性データ8402を備える。交差点属性データ8402に示される交差点の属性は、交差点番号と、構成リンク数と、構成リンク番号を含む。
【0026】
交差点属性データ8402の交差点番号は、交差点を識別するための符号を示す。交差点属性データ8402の構成リンク数は、交差点を構成するリンクの数を示す。交差点属性データ8402の構成リンク番号は、交差点を構成するリンクを識別するための符号を示す。図5に示す例では、交差点番号「C1」が割り当てられた交差点C1に関する交差点属性データ8402には、交差点C1を構成するリンク数が「6」であり、これらのリンク番号が「L1a〜L1f」であることが示されている。
【0027】
図6は、同一交差点を模式的に例示する説明図である。図6には、図5の交差点属性データ8402によって規定された交差点C1が示されている。交差点C1は、6個のリンクL1a〜L1fで構成されている。交差点C1を構成するリンクL1a〜L1fは、リンクデータ820に規定されている。
【0028】
交差点C1のリンクL1aは、上り車線を表現するリンクL17とリンクL18との間を接続する交差点内リンクである。リンクL17によって表現される上り車線は、リンクL16によって表現される下り車線に対向して延びる車線であり、これらの車線は同じ道路に含まれる。リンクL18によって表現される上り車線は、リンクL15によって表現される下り車線に対向して延びる車線であり、これらの車線は同じ道路に含まれる。交差点C1のリンクL1bは、下り車線を表現するリンクL15とリンクL16との間を接続する交差点内リンクである。
【0029】
交差点C1のリンクL1cは、上り車線を表現するリンクL11とリンクL12との間を接続する交差点内リンクである。リンクL11によって表現される上り車線は、リンクL14によって表現される下り車線に対向して延びる車線であり、これらの車線は同じ道路に含まれる。リンクL12によって表現される上り車線は、リンクL13によって表現される下り車線に対向して延びる車線であり、これらの車線は同じ道路に含まれる。交差点C1のリンクL1dは、下り車線を表現するリンクL13とリンクL14との間を接続する交差点内リンクである。
【0030】
交差点C1のリンクL1eおよびリンクL1fは、交差点内におけるUターン禁止を表現するために設けられたUターンダミーリンクである。図6に示す例では、「リンクL1a−リンクL1c−リンクL1b」を介したリンクL17からリンクL16へのUターンを禁止するために、リンクL1aからリンクL1cへの進入が禁止されている。このままでは、リンクL17からリンクL12への右折ができないため、リンクL17からリンクL12へと接続するUターンダミーリンクとしてリンクL1eを設けると共に、リンクL1eからリンクL1bへの進入を禁止することによって、リンクL1eを介してリンクL17からリンクL12への右折が可能になっている。リンクL1eは、リンクL15からリンクL18へのUターンを禁止するためにも利用されている。また、リンクL1fは、リンクL1eと同様に、リンクL11からリンクL14へのUターンと、リンクL13からリンクL12へのUターンとを禁止するために設けられている。
【0031】
図7は、地図データ80における上下線ペアデータ830の詳細構成を示す説明図である。上下線ペアデータ830は、上下線ペアリンク毎の属性を示す上下線属性データ8302を備える。上下線ペアリンクは、上り車線を表現するリンクと下り車線を表現するリンクとの組み合わせであり、2個以上のリンクで構成されるものである。上下線属性データ8302に示される上下線ペアリンクの属性は、上下線ペア番号と、上り構成リンク数と、上り構成リンク番号と、下り構成リンク数と、下り構成リンク番号とを含む。
【0032】
上下線属性データ8302の上下線ペア番号は、上下線ペアリンクを識別するための符号を示す。上下線属性データ8302の上り構成リンク数は、上下線ペアリンクを構成するリンクのうち上り線を構成するリンクの数を示す。上下線属性データ8302の上り構成リンク番号は、上下線ペアリンクを構成するリンクのうち上り線を構成するリンクを識別するための符号を示す。上下線属性データ8302の下り構成リンク数は、上下線ペアリンクを構成するリンクのうち下り線を構成するリンクの数を示す。上下線属性データ8302の下り構成リンク番号は、上下線ペアリンクを構成するリンクのうち下り線を構成するリンクを識別するための符号を示す。図7に示す例では、上下線ペア番号「P2」が割り当てられた上下線ペアリンクP2に関する上下線属性データ8302には、上下線ペアリンクP2における上り線を構成するリンク数が「2」であり、これらの構成リンク番号が「L23,L24」であることが示されている。また、上下線ペアリンクP2における下り線を構成するリンク数が「1」であり、この構成リンク番号が「L22」であることも示されている。
【0033】
図8は、第1形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。図8には、同一交差点C21と同一交差点C22との間に挟まれた上下線ペアリンクP2が示されている。上下線ペアリンクP2は、3個のリンクL22,L23,L24で構成されており、これら3個のリンクL22,L23,L24は、リンクデータ820に規定されている。上下線ペアリンクP2における下り線D2のリンクL22は、同一交差点C22から延びて同一交差点C21に接続する。上り線U2のリンクL23は、同一交差点C21から延びてリンクL24に接続し、上り線U2のリンクL24は、リンクL23から延びて同一交差点C22に接続する。すなわち、リンクL22は、リンクL23,L24に対向する方向に延びた車線である。同一交差点C21,C22は、同一交差点データ840によって規定されている。同一交差点C21は、図6で示した同一交差点C1と同様に6個のリンクで構成されている。同一交差点C22は、リンクL24の一端とリンクL22の一端とを接続する1個のリンクで構成されている。
【0034】
図9は、第2形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。図9には、同一交差点C31とノードN31との間に挟まれた上下線ペアリンクP3が示されている。上下線ペアリンクP3は、3個のリンクL32,L33,L34で構成されており、これら3個のリンクL32,L33,L34は、リンクデータ820に規定されている。上下線ペアリンクP3における下り線D3のリンクL32は、ノードN31から延びて同一交差点C31に接続する。上り線U3のリンクL33は、同一交差点C31から延びてリンクL34に接続し、上り線U3のリンクL34は、リンクL33から延びてノードN31に接続する。すなわち、リンクL32は、リンクL33,L34に対向する方向に延びた車線である。同一交差点C31は、同一交差点データ840によって規定されており、図6で示した同一交差点C1と同様に6個のリンクで構成されている。ノードN31は、ノードデータ810に規定されており、上下線が分離されていない道路を表現するリンクL35との接続地点である二条化開始終了点を表現する。
【0035】
図10は、第3形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。図10には、同一交差点C41とノードN41,N42との間に挟まれた上下線ペアリンクP4が示されている。上下線ペアリンクP4は、3個のリンクL42,L43,L44で構成されており、これら3個のリンクL42,L43,L44は、リンクデータ820に規定されている。上下線ペアリンクP4における下り線D4のリンクL42は、ノードN42から延びて同一交差点C41に接続する。上り線U4のリンクL43は、同一交差点C41から延びてリンクL44に接続し、上り線U4のリンクL44は、リンクL43から延びてノードN41に接続する。すなわち、リンクL42は、リンクL43,L44に対向する方向に延びた車線である。同一交差点C41は、同一交差点データ840によって規定されており、図6で示した同一交差点C1と同様に6個のリンクで構成されている。ノードN41,N42は、ノードデータ810に規定されており、地図を区画するメッシュM41の境界線上の基準点を表現する。
【0036】
A2.地図表示システム10の動作:
A2−1.交差点拡大処理:
図11は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する交差点拡大処理(ステップS110)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、交差点を拡大表示した画像を端末装置20から要求された場合に、図11の交差点拡大処理(ステップS110)を実行する。本実施例では、図11の交差点拡大処理(ステップS110)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0037】
地図サーバ50は、図11の交差点拡大処理(ステップS110)を開始すると、交差点を拡大表示した画像を要求するコマンドを端末装置20から受信する(ステップS112)。その後、地図サーバ50は、拡大表示される交差点に接続するリンクに、上下線ペアデータ830によって上下線ペアリンクとして規定されたリンクが含まれるか否かを判断する(ステップS114)。
【0038】
拡大対象に上下線ペアリンクが含まれる場合(ステップS114:「YES」)、地図サーバ50は、上下線ペアリンクとして規定されたリンクを一つの道路とし、同一交差点を一つの点に縮退した形式で、交差点拡大画像を描画する(ステップS115)。一方、拡大対象に上下線ペアリンクが含まれない場合(ステップS114:NO」)、地図サーバ50は、リンクの各々を一つの道路として交差点拡大画像を描画する(ステップS116)。
【0039】
交差点拡大画像が描画された後(ステップS115,S116)、地図サーバ50は、交差点拡大画像を端末装置20に配信する(ステップS117)。端末装置20は、地図サーバ50から交差点拡大画像を受信すると、その交差点拡大画像をディスプレイ230に表示する。
【0040】
以上説明した図11の交差点拡大処理(ステップS110)によれば、表示対象であるリンクが上下線分離道路か否かを、上下線ペアデータ830を参照することによって判断することができるため、上り車線と下り車線とが別々のリンクで規定されている場合であっても、一つの道路として実際の道路形状に即した道路地図を表示することができる。
【0041】
A2−2.探索済み道路の設定処理:
図12は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する探索済み道路の設定処理(ステップS120)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、経路探索中にリンクが経路として選定された場合に、図12の探索済み道路の設定処理(ステップS120)を実行する。本実施例では、図12の探索済み道路の設定処理(ステップS120)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0042】
地図サーバ50は、図12の探索済み道路の設定処理(ステップS120)を開始すると、経路探索中に経路として選定した選定リンクを特定する(ステップS122)。その後、地図サーバ50は、特定された選定リンクに、上下線ペアデータ830によって上下線ペアリンクとして規定されたリンクが含まれるか否かを判断する(ステップS124)。
【0043】
選定リンクに上下線ペアリンクが含まれる場合(ステップS124:「YES」)、地図サーバ50は、選定リンクと共に、その選定リンクと上下線ペアリンクの関係にあるリンクの双方を、探索経路で通過済みの通過リンクとして設定する(ステップS125)。一方、選定リンクに上下線ペアリンクが含まれない場合(ステップS124:「NO」)、地図サーバ50は、探索経路で通過済みの通過リンクとして選定リンクを設定する(ステップS126)。
【0044】
通過リンクが設定された後(ステップS125,S126)、地図サーバ50は、経路探索を再開する。再開された経路探索において、地図サーバ50は、図12の探索済み道路の設定処理(ステップS120)で設定された通過リンクを参照しながら経路探索を実行する。
【0045】
図13は、通過リンクを参照した経路探索の一例を示す説明図である。図13の例では、道路上におけるGPSや無線通信システムの電波強度を調査する路上調査車両の調査経路を探索する様子が示されている。路上調査車両の経路探索では、重複経路を避けて出来るだけ多くの道路を経由することが求められる。上下線分離道路に含まれる一方の車線を通過した後、その上下線分離道路に含まれる他方の車線を通過すると、同じ道路を重複して通過することになるため、路上調査車両の経路探索では、上下線分離道路に含まれる上り車線および下り車線の双方を経由する重複経路を回避する必要がある。
【0046】
図13の例では、上下線ペアリンクP51に含まれるリンクL51が経路として選定されると、リンクL51と上下線ペアリンクの関係にあるリンクL52がリンクL51と共に通過リンクとして設定される(図12のステップS125)。その後の経路探索において、リンクL51,L52は、通過リンクとして取り扱われ、経路として選定される優先度が低くなる。また、上下線ペアリンクP55に含まれるリンクL56が経路として選定されると、リンクL56と上下線ペアリンクの関係にあるリンクL55がリンクL56と共に通過リンクとして設定される(図12のステップS125)。その後の経路探索において、リンクL55,L56は、通過リンクとして取り扱われ、経路として選定される優先度が低くなる。
【0047】
図14は、通過リンクを参照した経路探索の一例を示す説明図である。図14の例では、複数の階層に分けて経路探索を実施する階層的経路探索を行う様子が示されている。階層的経路探索では、例えば、第1階層では一般道を含む全ての道路で構成された道路網で経路探索が実行される。第2階層では高速道路、有料道路、国道および県道で構成された道路網が経路探索される。第3階層では高速道および有料道路で構成された道路網で経路探索が実行される。図14では、リンクL61,L62,L63は、第1階層の道路網に含まれており、その他のリンクL65,L66,L67,L68などは、第2階層の道路網に含まれる。第2階層のリンクL65,L67は、上下線ペアリンクP61として上下線ペアデータ830に規定されている。
【0048】
図14における地点Aから地点Bまでの経路探索について説明する。従来例では、まず経路探索が開始されると、地点Aに隣接する第1階層のリンクL61が経路として選定される。その後、第1階層での経路探索にて、第1階層のリンクL61から第2階層のリンクL65への経路が選定されたとする。第1階層の経路探索で所定の回数だけ探索枝を延伸しても目的地点Bに到達しなかった場合、探索枝が到達し得た範囲内にある第2階層のノード(例えば、N61)から階層遷移し、第2階層での経路探索が実行される。したがって、経路探索結果は、重複経路であるリンクL65,L67を含む、リンクL61,L65、L66、L67,L68の順となる。
【0049】
その一方で、本実施例では、第2階層のリンクL65が経路として選定されると、リンクL65と上下線ペアリンクの関係にあるリンクL67がリンクL65と共に通過リンクとして設定される(図12のステップS125)。そのため、第1階層の経路探索にてリンクL65が選定された後、第2階層の経路探索にてリンクL67が選定された場合であっても、リンクL65とリンクL67とが重複経路の関係になることを判断することができる。したがって、重複経路を避けて経路を再探索することができる。つまり、経路探索結果は、重複経路であるリンクL65,L67が含まれない、リンクL61,L62,L68の順となる。
【0050】
以上説明した図12の探索済み道路の設定処理(ステップS120)によれば、経路探索で選定されたリンクが上下線分離道路か否かを、上下線ペアデータ830を参照することによって判断することができるため、上り車線と下り車線とが別々のリンクで規定されている場合であっても、通過済みの道路であるか否かを判断することができる。
【0051】
A2−3.復路探索処理:
図15は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する復路探索処理(ステップS130)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、復路の探索を端末装置20から要求された場合に、図15の復路探索処理(ステップS130)を実行する。本実施例では、図15の復路探索処理(ステップS130)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0052】
地図サーバ50は、図15の復路探索処理(ステップS130)を開始すると、往路に含まれるリンクを特定する(ステップS132)。その後、地図サーバ50は、往路と同じ経路で復路を作成するコマンドが選択されたか否かを判断する(ステップS134)。
【0053】
往路と同じ経路で復路を作成する場合(ステップS134:「YES」)、地図サーバ50は、往路と同じリンクおよび、往路に含まれるリンクと上下線ペアデータ830によって関連付けられたリンクを用いて、復路を探索する(ステップS135)。一方、往路と異なる経路で復路を作成する場合(ステップS134:「NO」)、地図サーバ50は、往路と同じリンクおよび、往路に含まれるリンクと上下線ペアデータ830によって関連付けられたリンクを除いて、復路を探索する(ステップS136)。
【0054】
以上説明した図15の復路探索処理(ステップS130)によれば、往路に含まれる上下線分離道路を、上下線ペアデータ830を参照することによって容易に判断することができるため、往路と同じ経路の復路や、往路と異なる経路の復路を探索する速度を向上させることができる。
【0055】
A2−4.立寄経路探索処理:
図16は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する立寄経路探索処理(ステップS140)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、立寄地点への経路探索を端末装置20から要求された場合に、図16の立寄経路探索処理(ステップS140)を実行する。本実施例では、図16の立寄経路探索処理(ステップS140)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0056】
地図サーバ50は、図16の立寄経路探索処理(ステップS140)を開始すると、立寄地点に近隣するリンクである近隣リンクを特定する(ステップS142)。その後、地図サーバ50は、上下線ペアデータ830によって近隣リンクに上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがあるか否かを判断する(ステップS144)。近隣リンクに上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがない場合(ステップS144:「NO」)、地図サーバ50は、近隣リンクへの経路を探索する(ステップS147)。
【0057】
一方、近隣リンクに上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがある場合(ステップS144:「YES」)、地図サーバ50は、近隣リンクへの経路と、その近隣リンクに上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクへの経路とを探索する(ステップS145)。その後、地図サーバ50は、検索された双方のリンクからコストの低い経路を選定する(ステップS146)。なお、経路のコストとは、走行距離、走行時間、通行費用、渋滞状況など経路を走行するのに掛かる種々の負荷を数値化したものである。
【0058】
図17は、出発地Sから目的地Gまでの間に立寄地点Cを有する立寄経路探索処理(ステップS140)の一例を示す説明図である。図17には、リンクL71からリンクL72を経てリンクL73へと延びるリンク列と、このリンク列とは逆方向にリンクL75からリンクL74へと延びるリンク列とが示されている。従来例では、リンクL71〜L73とリンクL74,L75とで構成される道路は上下線ペアリンクとして関連付けられていない。また、リンクL72は立寄地点Cに近隣することから、立寄経路探索処理(ステップS140)では、リンクL72のみが近隣リンクとして特定される(図16のステップS142)。そのため、出発地Sから立寄地点Cを経由して目的地Gまで走行する経路を探索する場合、経路探索結果は、リンクL77,L75,L74、L78,L71,L72,L73,L76,L75、L74,L79の順となる。
【0059】
一方、本実施例では、リンクL71〜L75は、上下線ペアデータ830によって上下線ペアリンクP7として関連付けられている。すなわち、立寄地点Cに近隣するリンクL72は、上下線ペアリンクP7としてリンクL74,L75にも関連付けられていることから、図17の状況では、立寄地点Cの隣接するリンクとしてリンクL74,L75も特定されることになる。したがって、リンクL72,L74,L75の各々への経路探索が実行される(図16のステップS145)。その後、リンクL72,L74,L75の各々への経路のうち、コストの低い経路が選定される(図12のステップS146)。つまり、経路探索結果は、リンクL77,L75,L74、L79の順となる。
【0060】
以上説明した図16の立寄経路探索処理(ステップS140)によれば、近隣リンクに上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクを、上下線ペアデータ830を参照することによって容易に特定することができるため、立寄地点への経路を探索する速度を向上させることができる。
【0061】
A2−5.上下線構成処理:
図18は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する上下線構成処理(ステップS150)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、道路地図を作成する際に、図18の上下線構成処理(ステップS150)を実行する。本実施例では、図18の上下線構成処理(ステップS150)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0062】
地図サーバ50は、図18の上下線構成処理(ステップS150)を開始すると、道路地図画像として表示する範囲内にあるリンクを特定する(ステップS152)。その後、地図サーバ50は、上下線ペアデータ830を参照することによって、表示範囲内のリンクと上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクが他のネットワークレベルにあるか否かを判断する(ステップS154)。本実施例では、地図データ80は、第一次メッシュ(約6400km2)を基準に道路地図を表現した第一次ネットワークレベルと、第二次メッシュ(約100km2)を基準に道路地図を表現した第二次ネットワークレベルと、第三次メッシュ(約1km2)を基準に道路地図を表現した第三次ネットワークレベルとを含む。例えば、第二次ネットワークレベルで道路地図画像を生成する場合、地図サーバ50は、第一次ネットワークレベルに、表示範囲内のリンクと上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクが存在するか否かを、上下線ペアデータ830を参照することによって判断する(ステップS154)。
【0063】
表示範囲内のリンクと上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクが他のネットワークレベルにある場合(ステップS154:「YES」)、地図サーバ50は、他のネットワークレベルにおける上下線ペアリンクを道路地図画像として表示するリンクに追加する(ステップS156)。その後、地図サーバ50は、表示範囲内のリンクと、他のネットワークレベルから追加されたリンクとを用いて、道路地図を作成する(ステップS157)。
【0064】
以上説明した図18の上下線構成処理(ステップS150)によれば、異なるネットワークレベル間で上り車線と下り車線との関係にある上下線分離道路であっても、上下線ペアデータ830を参照することによって、実際の上下線関係を道路地図に反映させることができる。
【0065】
A2−6.車線数算出処理:
図19は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する車線数算出処理(ステップS160)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、道路の車線数を反映させた道路地図を作成するために道路の車線数を把握する必要がある場合に、図19の車線数算出処理(ステップS160)を実行する。本実施例では、図19の車線数算出処理(ステップS160)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0066】
地図サーバ50は、図19の車線数算出処理(ステップS160)を開始すると、道路の車線数を算出する対象区間を特定する(ステップS162)。その後、地図サーバ50は、特定した算出対象区間に上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがあるか否かを、上下線ペアデータ830を参照することによって判断する(ステップS164)。上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがある場合(ステップS164:「YES」)、地図サーバ50は、上下線ペアリンクとして関連付けられたリンク毎の車線数を合算した数を道路の総車線数として算出する(ステップS166)。一方、上下線ペアリンクとして関連付けられたリンクがある場合(ステップS164:「NO」)、地図サーバ50は、算出対象区間にあるリンク毎の車線数を道路の総車線数として算出する(ステップS168)。
【0067】
以上説明した図19の車線数算出処理(ステップS160)によれば、上り車線と下り車線とで別々のリンクで規定された道路であっても、上下線ペアデータ830を参照することによって道路の総車線数を容易に算出することができる。
【0068】
A2−7.上位地図作成処理:
図20は、地図表示システム10の地図サーバ50が実行する上位地図作成処理(ステップS180)を示すフローチャートである。本実施例では、地図サーバ50は、地図データ80に用意されていない縮尺による地図データが必要となった場合に、図20の上位地図作成処理(ステップS180)を実行する。本実施例では、図20の上位地図作成処理(ステップS180)は、地図サーバ50のCPU510がソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、地図サーバ50の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
【0069】
地図サーバ50は、図20の上位地図作成処理(ステップS180)を開始すると、記憶装置60から地図データ80を読み出す(ステップS182)。その後、地図サーバ50は、読み出した地図データ80における上下線ペアデータ830によって関連付けられたリンク同士を統合して新たな一つのリンクを構成する(ステップS184)。その後、地図サーバ50は、統合した新たなリンクを用いて、読み出した地図データ80よりも上位にあるネットワークレベルの地図データを作成する(ステップS186)。例えば、読み出した地図データ80が、第二次メッシュ(約100km2)を基準に道路地図を表現した第二次ネットワークレベルの地図データである場合、図20の上位地図作成処理(ステップS180)によって、第一次メッシュ(約6400km2)を基準に道路地図を表現した第一次ネットワークレベルの地図データを作成しても良い。
【0070】
以上説明した図20の上位地図作成処理(ステップS180)によれば、上下線ペアデータ830を参照することによって、他のネットワークレベルによる地図データ80に基づいて、上位にあるネットワークレベルの地図データを容易に作成することができる。
【0071】
A3.効果
以上説明した地図表示システム10によれば、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を上下線ペアデータ830によって特定することができるため、上り車線と下り車線とに分けて規定されたリンクを適切に取り扱うことができる。
【0072】
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施例では、地図表示システム10の端末装置20は、携帯電話機であるが、無線ローカルエリアネットワーク(Local Area Network, LAN)の端末装置であっても良いし、地図表示専用の携帯端末であっても良いし、車載のカーナビゲーション装置であっても良い。また、本実施例では、地図データ80に基づくデータを地図サーバ50が端末装置20にネットワーク40などを介して配信する構成としたが、他の実施形態において、端末装置20に記憶装置60を内蔵または外付けして、端末装置20が地図データ80を直接的に取り扱うとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】地図表示システムの構成を示す説明図である。
【図2】地図データによって規定されたノードおよびリンクを模式的に例示する説明図である。
【図3】地図データにおけるノードデータ810の詳細構成を示す説明図である。
【図4】地図データにおけるリンクデータ820の詳細構成を示す説明図である。
【図5】地図データにおける同一交差点データ840の詳細構成を示す説明図である。
【図6】同一交差点を模式的に例示する説明図である。
【図7】地図データにおける上下線ペアデータの詳細構成を示す説明図である。
【図8】第1形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。
【図9】第2形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。
【図10】第3形態における上下線ペアリンクを模式的に例示する説明図である。
【図11】地図表示システムの地図サーバが実行する交差点拡大処理を示すフローチャートである。
【図12】地図表示システムの地図サーバが実行する探索済み道路の設定処理を示すフローチャートである。
【図13】通過リンクを参照した経路探索の一例を示す説明図である。
【図14】通過リンクを参照した経路探索の一例を示す説明図である。
【図15】地図表示システムの地図サーバが実行する復路探索処理を示すフローチャートである。
【図16】地図表示システムの地図サーバが実行する立寄経路探索処理を示すフローチャートである。
【図17】立寄経路探索処理の一例を示す説明図である。
【図18】地図表示システムの地図サーバが実行する上下線構成処理を示すフローチャートである。
【図19】地図表示システムの地図サーバが実行する車線数算出処理を示すフローチャートである。
【図20】地図表示システムの地図サーバが実行する上位地図作成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
10…地図表示システム
20…端末装置
30…基地局装置
40…ネットワーク
50…地図サーバ
60…記憶装置
80…地図データ
90…測地衛星
210…CPU
220…メモリ
230…ディスプレイ
240…入力ボタン
250…無線通信部
260…GPS受信部
510…CPU
520…メモリ
810…ノードデータ
820…リンクデータ
830…上下線ペアデータ
840…同一交差点データ
8102…ノード属性データ
8202…リンク属性データ
8302…上下線属性データ
8402…交差点属性データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に道路を表現するための地図データのデータ構造であって、
道路上の基準点を示す複数のノードを規定したノードデータと、
前記ノードデータに規定された複数のノード間を接続する複数のリンクを規定したリンクデータと、
前記リンクデータに規定された複数のリンクのうち、同一の道路に含まれる上り車線と下り車線とをそれぞれ表現するリンク同士を関連付けた上下線ペアデータと
を備える地図データのデータ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−54754(P2010−54754A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219040(P2008−219040)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】