説明

地図データ提供システム、サーバおよび地図データ提供方法

【課題】その土地における過去の事実および未来の計画を表示する。
【解決手段】サーバ100が、地図データの生成に必要な複数の素材データを取得してデータベースに格納し、利用者端末200が、所定の操作を受け付けた場合、地図データをサーバ100へ要求し、サーバ100が、利用者端末200から地図データが要求された場合、要求に応じた地図データの作成に必要な素材データをデータベースから検索して読み出し、読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた地図データを生成して利用者端末200へ送信し、利用者端末200が、サーバ100から送信されてきた地図データを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを提供する地図データ提供システム、サーバおよび地図データ提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に用いられている地図は、現在の地形や道路、建物等を表示し、過去にその土地にどんなものがあったのか、その土地にはどんな災害発生等のリスクが存在するのかを表示するものではない。そのため、文献や石碑に残されている災害警告は、一部の場所でしか見ることができなかった。
【0003】
そこで、近年、建物や土地に関する過去の事実を時系列的に管理し、管理している情報を地図のデータベースとして利用する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、土地、不動産、自然産物など、災害の発生によってその財的価値が滅失する可能性のある対象物が抱えるリスクを定量化して評価するためのリスク情報提供システムが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−330360号公報
【特許文献2】特開2002−024473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたような技術においては、過去の事実は情報として利用可能となるが、未来の計画に関する情報を利用することはできないという問題点がある。
【0007】
また、特許文献2に記載されたような技術においては、財的価値を損失するリスクしか測ることができないという問題点がある。さらに、ユーザビリティを意識した提示形式が用意されていない、多角的なリソースと連携されていないという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する地図データ提供システム、サーバおよび地図データ提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の地図データ提供システムは、
利用者が操作する利用者端末と、該利用者端末へ地図データを提供するサーバと、前記地図データの生成に必要な複数の素材データをそれぞれ保有する複数の機関とを有する地図データ提供システムにおいて、
前記サーバは、データベースを有し、前記素材データを前記機関から取得して前記データベースに格納し、前記利用者端末から前記地図データが要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出し、該読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成し、該生成した地図データを前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、前記利用者による所定の操作を受け付けた場合、前記地図データを前記サーバへ要求し、前記サーバから送信されてきた地図データを表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のサーバは、
利用者が操作する利用者端末へ地図データを提供するサーバであって、
前記地図データの作成に必要な複数の素材データを、該素材データを保有する機関から取得する素材データ取得部と、
前記素材データ取得部が取得した素材データを格納するデータベースと、
前記利用者端末から前記地図データを要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出す素材データ検索部と、
前記素材データ検索部が読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成する地図データ生成部と、
前記地図データ生成部が生成した地図データを前記利用者端末へ送信する地図データ送信部とを有する。
【0011】
また、本発明の地図データ提供方法は、
利用者が操作する利用者端末と、該利用者端末へ地図データを提供するサーバと、前記地図データの生成に必要な複数の素材データをそれぞれ保有する複数の機関とを有する地図データ提供システムにおける地図データ提供方法であって、
前記サーバが、前記素材データを前記機関から取得する処理と、
前記サーバが、前記取得した素材データを、データベースに格納する処理と、
前記利用者端末が、前記利用者による所定の操作を受け付けた場合、前記地図データを前記サーバへ要求する処理と、
前記サーバが、前記利用者端末から前記地図データが要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出す処理と、
前記サーバが、前記読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成する処理と、
前記サーバが、前記生成した地図データを前記利用者端末へ送信する処理と、
前記利用者端末が、前記サーバから送信されてきた地図データを表示する処理とを行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、その土地における過去の事実および未来の計画を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の地図データ提供システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示したサーバの内部構成の一例を示す図である。
【図3】図2に示したデータベースに格納されている都市計画データの一例を示す図である。
【図4】図2に示したデータベースに格納されている災害・気象データの一例を示す図である。
【図5】図2に示したデータベースに格納されている過去・歴史データの一例を示す図である。
【図6】図1に示したサーバが機関から素材データを取得する処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した地図データ提供システムにおける地図データ提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】利用者端末に表示された現在の地図データの一例を示す図である。
【図9】過去・歴史パターンの地図データを生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】利用者端末に表示された未来パターンの地図データの一例を示す図である。
【図11】利用者端末に表示された過去・歴史パターンの地図データの一例を示す図である。
【図12】利用者端末に表示された災害パターンの地図データの一例を示す図である。
【図13】図1に示した地図データ提供システムにおける地図データ提供方法の他の例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の地図データ提供システムの実施の一形態を示す図である。
【0016】
本形態は図1に示すように、サーバ100と、利用者端末200と、行政機関300と、地方自治体400と、民間企業500とが、互いに電気通信ネットワークであるネットワーク600を介して接続された形態となっている。
【0017】
サーバ100は、利用者端末200へ地図データを提供する。サーバ100の詳細な構成および動作については、後述する。
【0018】
利用者端末200は、利用者が操作する通信機能および画面表示機能を具備した情報処理装置である。また、利用者端末200は、利用者による所定の操作を受け付けた場合、地図データをサーバ100へ要求する。このとき、利用者端末200は、地図データを要求する旨を示す要求信号をサーバ100へ送信する。また、利用者端末200は、サーバ100から送信されてきた地図データを表示する。なお、このサーバ100へ地図データの要求を行ったり、サーバ100から送信されてきた地図データを表示したりするには、ブラウザを用いる。
【0019】
また、利用者端末200は、地図データを要求する際、上述した要求信号に要求する地図データの位置情報を含めて、サーバ100へ送信する。例えば、利用者端末200がGPS(Global Positioning System)機能等の位置情報取得機能を具備している場合、当該機能を用いて利用者端末200の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報を要求信号に含めてサーバ100へ送信するものであっても良い。また、利用者が、利用者端末200に、要求する地図の位置を示す位置情報を入力する等の所定の操作を行い、当該操作で入力された位置情報を要求信号に含めてサーバ100へ送信するものであっても良い。なお、この位置情報は、緯度および経度や住所等、位置を特定できるものであれば良い。
【0020】
行政機関300、地方自治体400および民間企業500は、地図データの生成に必要な複数の素材データをそれぞれ保有する機関である。
【0021】
例えば、行政機関300は、今後の都市計画データ等の素材データや、過去に発生した地震等の天災による被害状況を示す素材データ等を保有する。
【0022】
また、地方自治体400は、古地図情報の素材データや、その地の歴史に関わる情報の素材データ等を保有する。
【0023】
また、民間企業500は、様々なサービスを提供している企業であり、例えば、気象情報等を提供する気象コンテンツサービス事業510、航空写真や衛星写真を提供する航空・衛星写真情報サービス520、報道情報を提供するニュースコンテンツ動画サービス530等である。
【0024】
これらの機関とサーバ100とは、プログラム制御により、データ連携されている。
【0025】
図2は、図1に示したサーバ100の内部構成の一例を示す図である。
【0026】
図1に示したサーバ100には図2に示すように、素材データ取得部110と、データベース120と、素材データ検索部130と、地図データ生成部140と、地図データ送信部150とが設けられている。
【0027】
素材データ取得部110は、地図データの作成に必要な複数の素材データを、行政機関300、地方自治体400および民間企業500のうち、当該素材データを保有する機関から取得する。この取得には、素材データ取得部110から要求信号を機関へ送信し、当該要求信号に対して機関から送信されてきた素材データを取得するものであっても良いし、機関から所定のタイミングで送信されてきた素材データを取得するものであっても良い。
【0028】
データベース120は、素材データ取得部110が取得した素材データを格納する。格納された素材データには、例えば図2に示すように、都市計画データ121、災害・気象データ122、過去・歴史データ123、現在データ124がある。
【0029】
都市計画データ121は、行政機関300から取得したものである。また、災害・気象データ122は、行政機関300または気象コンテンツサービス事業510を行っている民間企業500から取得したものである。また、過去・歴史データ123は、地方自治体400から取得したものである。また、現在データ124は、行政機関300または航空・衛星写真情報サービス520やニュースコンテンツ動画サービス530を提供する民間企業500から取得したものである。なお、現在データ124は、現在データを地図情報として蓄積して行く。
【0030】
図3は、図2に示したデータベース120に格納されている都市計画データ121の一例を示す図である。
【0031】
図2に示したデータベース120に格納されている都市計画データ121は図3に示すように、計画された建設・建築の位置を示す位置情報と、完成予定年月と、種類(ビル、マンション、駅等の建物や道路、鉄道等の種類)とが対応付けられたものである。
【0032】
図4は、図2に示したデータベース120に格納されている災害・気象データ122の一例を示す図である。
【0033】
図2に示したデータベース120に格納されている災害・気象データ122は図4に示すように、災害が発生した位置を示す位置情報と、災害が発生した発生年月と、被災した範囲と、被害内容(地震、津波、土砂崩れ、台風、火山噴火、洪水等)とが対応付けられたものである。
【0034】
図5は、図2に示したデータベース120に格納されている過去・歴史データ123の一例を示す図である。
【0035】
図2に示したデータベース120に格納されている過去・歴史データ123は図5に示すように、位置情報と、その情報が示す時期と、種類(田んぼ、畑、埋め立て地、歴史的文化財等)と、その広さ(大きさ)とが対応付けられたものである。
【0036】
素材データ検索部130は、利用者端末200から地図データを要求された場合、その要求に応じた地図データの作成に必要な素材データをデータベース120から検索して読み出す。このとき、素材データの検索キーとなるものは、利用者端末200から送信されてきた位置情報である。つまり、素材データそれぞれは、地図を生成するためのものであるから、上述したように位置情報と対応付けられてデータベース120に格納されており、素材データ検索部130は、利用者端末200から送信されてきた位置情報をデータベース120から検索し、検索できた位置情報と対応付けられている素材データを読み出す。
【0037】
地図データ生成部140は、素材データ検索部130が読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターン(未来、現在、過去、被災状況等)に応じた地図データを生成する。このとき、地図データ生成部140は、複数の時期パターンの地図データを生成する。
【0038】
例えば、地図データ生成部140は図2に示すように、未来パターン141と、災害パターン142と、過去・歴史パターン143と、現在パターン144とを生成する。
【0039】
未来パターン141は、未来の地図を示す地図データである。また、災害パターン142は、災害による被災状況を示す地図データである。また、過去・歴史パターン143は、過去の地図を示す地図データである。また、現在パターン144は、現在の地図を示す地図データである。このような時期パターンを用いることで、地図データ生成部140は、過去、現在および未来の地図データを生成することができる。
【0040】
地図データ送信部150は、地図データ生成部140が生成した地図データを利用者端末200へ送信する。このとき、地図データ送信部150は、地図データ生成部140が生成した地図データのうち、利用者端末200からの要求に応じた地図データを利用者端末200へ送信する。
【0041】
以下に、サーバ100が機関から素材データを取得する処理について説明する。
【0042】
図6は、図1に示したサーバ100が機関から素材データを取得する処理を説明するためのフローチャートである。
【0043】
まず、サーバ100の素材データ取得部110が、行政機関300または地方自治体400または民間企業500の機関へアクセスして接続する(ステップS1)。このアクセスは、所定のタイミングで行われるものであっても良いし、サーバ100を操作する者からの所定の入力があったタイミングで行われるものであっても良い。
【0044】
すると、素材データ取得部110から機関へ、素材データが要求される(ステップS2)。この要求は、素材データを要求する旨を示す所定の信号を送信することで実現されるものであっても良い。
【0045】
その後、要求に対して機関から送信された素材データが素材データ取得部110にて受信されると(ステップS3)、受信して取得した素材データがデータベース120に格納される(ステップS4)。
【0046】
次に、図1に示した地図データ提供システムにおける地図データ提供方法について説明する。
【0047】
図7は、図1に示した地図データ提供システムにおける地図データ提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0048】
まず、利用者端末200の利用者が、利用者端末200にてブラウザを起動し、利用者端末200が所定の操作を受け付けると、利用者端末200から地図データを要求する地図データ要求信号が送信される(ステップS11)。
【0049】
利用者端末200から送信された地図データ要求信号がサーバ100にて受信されると(ステップS12)、素材データ検索部130によってデータベース120の中の現在データ124から現在の地図の素材データが検索され、読み出される(ステップS13)。この検索は上述したように、利用者端末200から送信されてきた地図データ要求信号に含まれる位置情報を検索キーとして行われる。
【0050】
続いて、素材データ検索部130がデータベース120の中から読み出した素材データに基づいて、地図データ生成部140によって現在の地図データが現在パターン144として生成される(ステップS14)。
【0051】
現在の地図データが生成されると、生成された現在の地図データが地図データ送信部150から利用者端末200へ送信される(ステップS15)。
【0052】
サーバ100から送信された現在の地図データが利用者端末200にて受信されると(ステップS16)、受信された現在の地図データが利用者端末200にてブラウザを用いて表示される(ステップS17)。
【0053】
図8は、利用者端末200に表示された現在の地図データの一例を示す図である。
【0054】
利用者端末200に表示された現在の地図データは図8に示すように、現在の道路や建物が表示されるものである。また、年代および災害の内容が選択可能に、複数の選択肢としてラジオボタンが表示される。このラジオボタンを利用者が選択することで、利用者端末200は、時期パターンの選択が行われたことを認識する。
【0055】
利用者が利用者端末200に表示されたラジオボタンを選択することで、その選択が利用者端末200にて認識されると(ステップS18)、選択されたラジオボタンに対応する時期パターンの地図データが利用者端末200からサーバ100へ要求される(ステップS19)。この要求は、要求する時期パターンがどの時期パターンなのかをサーバ100にて認識できる信号(時期パターン要求信号)を送信することで実現される。
【0056】
利用者端末200から送信された時期パターン要求信号がサーバ100にて受信されると(ステップS20)、素材データ検索部130によってデータベース120の中の、要求された時期パターンに該当するデータから素材データが検索され、読み出される(ステップS21)。
【0057】
例えば、未来の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の都市計画データ121から素材データが検索され、読み出される。また、過去の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の過去・歴史データ123から素材データが検索され、読み出される。また、災害の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の災害・気象データ122から素材データが検索され、読み出される。
【0058】
また、この検索は上述したように、ステップS11にて利用者端末200から送信されてきた地図データ要求信号に含まれる位置情報と要求された時期パターンとを検索キーして行われる。
【0059】
続いて、素材データ検索部130がデータベース120の中から読み出した素材データに基づいて、地図データ生成部140によって地図データが生成される(ステップS22)。
【0060】
例えば、未来の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の都市計画データ121から読み出された素材データに基づいて、未来パターン141の地図データが生成される。また、過去の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の過去・歴史データ123から読み出された素材データに基づいて、過去・歴史パターン143の地図データが生成される。また、災害の時期パターンの地図データが要求された場合、素材データ検索部130によってデータベース120の災害・気象データ122から読み出された素材データに基づいて、災害パターン142の地図データが生成される。
【0061】
図9は、過去・歴史パターン143の地図データを生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0062】
まず、素材データ検索部130によって過去・歴史データから検索された古地図情報が、地図データ生成部140によってスキャンされる(ステップS31)。
【0063】
続いて、スキャンされた古地図情報の緯度、経度、地形に基づいて、地図パターン(過去・歴史パターン143)が地図データ生成部140によって生成される(ステップS32)。
【0064】
地図データが生成されると、生成された地図データが地図データ送信部150から利用者端末200へ送信される(ステップS23)。
【0065】
サーバ100から送信された地図データが利用者端末200にて受信されると(ステップS24)、受信された地図データが利用者端末200にてブラウザを用いて表示される(ステップS25)。
【0066】
図10は、利用者端末200に表示された未来パターンの地図データの一例を示す図である。
【0067】
利用者端末200には図10に示すように、10年後までに建築や建設が計画されている建物等の未来パターンの地図データが表示される。
【0068】
図11は、利用者端末200に表示された過去・歴史パターンの地図データの一例を示す図である。
【0069】
利用者端末200には図11に示すように、20年前の過去・歴史パターンの地図データが表示される。
【0070】
図12は、利用者端末200に表示された災害パターンの地図データの一例を示す図である。
【0071】
利用者端末200には図12に示すように、地震を被災した地域を示す災害パターンの地図データが表示される。
【0072】
図13は、図1に示した地図データ提供システムにおける地図データ提供方法の他の例を説明するためのシーケンス図である。
【0073】
まず、利用者端末200の利用者が、利用者端末200にてブラウザを起動し、利用者端末200が所定の操作を受け付けると、利用者端末200から地図データを要求する地図データ要求信号が送信される(ステップS41)。
【0074】
利用者端末200から送信された地図データ要求信号がサーバ100にて受信されると(ステップS42)、素材データ検索部130によってデータベース120の中から全ての時期パターンの地図データに必要な素材データが検索され、読み出される(ステップS43)。この検索は上述したように、利用者端末200から送信されてきた地図データ要求信号に含まれる位置情報を検索キーとして行われる。
【0075】
続いて、素材データ検索部130がデータベース120の中から読み出した素材データに基づいて、地図データ生成部140によって全ての時期パターンの地図データが生成される(ステップS44)。
【0076】
全ての時期パターンの地図データが生成されると、生成された全ての時期パターンの地図データが地図データ送信部150から利用者端末200へ送信される(ステップS45)。
【0077】
サーバ100から送信された全ての時期パターンの地図データが利用者端末200にて受信されると(ステップS46)、受信された全ての時期パターンの地図データのうち、現在の地図データが利用者端末200にてブラウザを用いて表示される(ステップS47)。表示された画面は、図8に示したものと同じで良い。
【0078】
利用者が利用者端末200に表示されたラジオボタンを選択することで、その選択が利用者端末200にて認識されると(ステップS48)、選択されたラジオボタンに対応する時期パターンの地図データが利用者端末200にてブラウザを用いて表示される(ステップS49)。
【0079】
このように、利用者端末200から地図データの要求があった際、サーバ100が全ての時期パターンの地図データを生成して、利用者端末200へ送信しておけば、利用者が時期パターンを選択するたびに、利用者端末200とサーバ100との間でのやり取りが発生してしまうことを防ぐことができる。
【0080】
なお、複数の時期パターンの選択を受け付けることで、複数の時期パターンの地図データを互いに重ね合わせて階層表示するものであっても良い。例えば、過去のパターンの地図データと、現在のパターンの地図データと、未来のパターンの地図データとを重ね合わせて、階層表示するものであっても良い。
【0081】
また、サーバ100に具備された構成要素は、互いに異なる装置に具備されて、それらの装置が統合して1つのシステムとして構成するものであっても良い。
【0082】
以上説明した本発明においては、以下の効果を得ることができる。
【0083】
第1の効果は、災害対策につながることである。
【0084】
その理由は、過去の災害リスクをエンドユーザが簡単に入手できるためである。
【0085】
第2の効果は、歴史的な地図や写真、動画、ニュースを保存できることにある。
【0086】
その理由は、過去の紙データや現在のデータをデータベースに保存するためである。
【0087】
第3の効果は、未来や過去の景色を疑似体験してみるということができることにある。
【0088】
その理由は、地図情報に時間的な情報を加えるためである。
【符号の説明】
【0089】
100 サーバ
110 素材データ取得部
120 データベース
121 都市計画データ
122 災害・気象データ
123 過去・歴史データ
124 現在データ
130 素材データ検索部
140 地図データ生成部
141 未来パターン
142 災害パターン
143 過去・歴史パターン
144 現在パターン
150 地図データ送信部
200 利用者端末
300 行政機関
400 地方自治体
500 民間企業
510 気象コンテンツサービス事業
520 航空・衛星写真情報サービス
530 ニュースコンテンツ動画サービス
600 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作する利用者端末と、該利用者端末へ地図データを提供するサーバと、前記地図データの生成に必要な複数の素材データをそれぞれ保有する複数の機関とを有する地図データ提供システムにおいて、
前記サーバは、データベースを有し、前記素材データを前記機関から取得して前記データベースに格納し、前記利用者端末から前記地図データが要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出し、該読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成し、該生成した地図データを前記利用者端末へ送信し、
前記利用者端末は、前記利用者による所定の操作を受け付けた場合、前記地図データを前記サーバへ要求し、前記サーバから送信されてきた地図データを表示することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図データ提供システムにおいて、
前記サーバは、過去、現在および未来の前記地図データを生成することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地図データ提供システムにおいて、
前記利用者端末は、前記地図データを要求する際、該要求する地図データの位置情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記利用者端末から送信されてきた位置情報に応じた地図データを生成することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項4】
請求項3に記載の地図データ提供システムにおいて、
前記利用者端末は、該利用者端末の位置を示す位置情報を取得し、該取得した位置情報を前記サーバへ送信することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項5】
請求項3に記載の地図データ提供システムにおいて、
前記利用者端末は、前記利用者による所定の操作で入力された位置情報を前記サーバへ送信することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の地図データ提供システムにおいて、
前記サーバは、都市計画データ、災害・気象データ、過去・歴史データおよび現在の地図データを前記素材データとして前記機関から取得することを特徴とする地図データ提供システム。
【請求項7】
利用者が操作する利用者端末へ地図データを提供するサーバであって、
前記地図データの作成に必要な複数の素材データを、該素材データを保有する機関から取得する素材データ取得部と、
前記素材データ取得部が取得した素材データを格納するデータベースと、
前記利用者端末から前記地図データを要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出す素材データ検索部と、
前記素材データ検索部が読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成する地図データ生成部と、
前記地図データ生成部が生成した地図データを前記利用者端末へ送信する地図データ送信部とを有するサーバ。
【請求項8】
利用者が操作する利用者端末と、該利用者端末へ地図データを提供するサーバと、前記地図データの生成に必要な複数の素材データをそれぞれ保有する複数の機関とを有する地図データ提供システムにおける地図データ提供方法であって、
前記サーバが、前記素材データを前記機関から取得する処理と、
前記サーバが、前記取得した素材データを、データベースに格納する処理と、
前記利用者端末が、前記利用者による所定の操作を受け付けた場合、前記地図データを前記サーバへ要求する処理と、
前記サーバが、前記利用者端末から前記地図データが要求された場合、該要求に応じた地図データの作成に必要な素材データを前記データベースから検索して読み出す処理と、
前記サーバが、前記読み出した素材データに基づいて、複数の時期パターンに応じた前記地図データを生成する処理と、
前記サーバが、前記生成した地図データを前記利用者端末へ送信する処理と、
前記利用者端末が、前記サーバから送信されてきた地図データを表示する処理とを行う地図データ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−41088(P2013−41088A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177549(P2011−177549)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】