説明

地図差分データ作成装置及び地図差分データ作成方法

【課題】車両側へ配信される地図差分データの通信量を抑制し且つ道路ネットワークを保証し得る地図差分データを作成する。
【解決手段】地図差分データ配信装置は、初期最新地図データに対して第1リンク(リンク「h1」、「h2」)の追加を指示する地図更新が発生し、続いて第2リンク(リンク「e1」)の削除を指示する地図更新が発生した後に、第2リンクの両端であるノード同士(ノード「A」、「E」)間の第2期第1補助地図データ上での経路探索に失敗し、第2リンクの両端であるノード同士間の第2期最新地図データ上での経路探索に成功すると、第1リンクの追加と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定して地図差分データを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノードとリンクとの接続態様を示す地図データに対してリンクの追加又は削除を指示する地図更新が発生したことに応じて地図差分データを作成する地図差分データ作成装置及び地図差分データ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばリンクの追加又は削除を指示する地図更新が発生したことに応じて、リンクを追加又は削除する前の地図データと、リンクを追加又は削除した後の地図データとの差分を地図差分データとして作成して車両ナビゲーション装置へ配信する地図差分データ配信装置が供されている。例えば特許文献1には、地図差分データを区画単位で作成して車両ナビゲーション装置へ配信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−249798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているように地図差分データを区画単位で作成する方法では、ユーザにとって不要な情報も更新してしまう状況が発生し、地図差分データ配信装置から車両ナビゲーション装置へ配信される地図差分データの通信量(通信時間)が多大になるという問題がある。又、道路が跨る連続する区画のうち一方の区画を更新するだけでは(他方の区画を更新しないと)、道路が途切れて表示される等、道路ネットワークが保証されないという問題もある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両側へ配信される通信量を抑制し且つ道路ネットワークを保証し得る地図差分データを作成することができる地図差分データ作成装置及び地図差分データ作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した地図差分データ作成装置によれば、最新地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データを記憶する。補助地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様が初期最新地図データと同じである初期補助地図データを記憶する。地図更新反映手段は、初期最新地図データに対して第1リンクの更新を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの更新に応じて次期最新地図データ及び次期補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの更新を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの更新に応じて次々期最新地図データ及び次々期補助地図データを作成する。
【0007】
判定手段は、第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期補助地図データ上にて行った結果及び次々期最新地図データ上にて行った結果に応じて第1リンクの更新と第2リンクの更新との間に依存関係があるか否かを判定する。地図差分データ作成手段は、依存関係があると判定手段により判定された第1リンクの更新と第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成する。
【0008】
これにより、地図差分データを区画単位で作成する従来とは異なり、地図差分データをリンク単位で作成することで、車両側へ配信される地図差分データの通信量を抑制することができる。又、依存関係があると判定した第1リンクの更新と第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成することで、道路ネットワークを保証することができる。
【0009】
請求項2に記載した地図差分データ作成装置によれば、第1補助地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様が初期最新地図データと同じである初期第1補助地図データを記憶する。地図更新反映手段は、初期最新地図データに対して第1リンクの追加を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの追加を初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、初期第1補助地図データをそのままとした次期第1補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの削除を次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、第2リンクの削除を次期第1補助地図データに反映して次々期第1補助地図データを作成する。
【0010】
判定手段は、第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期第1補助地図データ上にて行い、経路探索に失敗すると、第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期最新地図データ上にて行い、第1リンクを含む経路の経路探索に成功すると、第1リンクの追加と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定する。地図差分データ作成手段は、依存関係があると判定手段により判定された第1リンクの追加と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成する。
【0011】
これにより、依存関係があると判定した第1リンクの追加と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することで、道路ネットワークを保証することができる。即ち、第1リンクの追加を反映することなく第2リンクの削除だけを反映した地図差分データを作成すると、実際の道路状況では第1リンクの追加により第1ノードと第2ノードとの間で通行可能(経路案内可能)であるにも拘らず、第1リンクの追加を反映していないが故に通行不可能(経路案内不可能)であるとして道路ネットワークを保証しなくなるが、本発明のように依存関係があると判定した第1リンクの追加と第2リンクの削除とを反映した地図差分データを作成することで、通行可能な経路を通行不可能とする誤った地図差分データを作成することなく、道路ネットワークを保証することができ、実際の道路状況を反映して経路案内を適切に行うことができる。
【0012】
請求項3に記載した地図差分データ作成装置によれば、第2補助地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様が初期最新地図データと同じである初期第2補助地図データを記憶する。地図更新反映手段は、初期最新地図データに対して第1リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの削除を初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、初期第2補助地図データをそのままとした次期第2補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの削除を次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、次期第2補助地図データをそのままとした次々期第2補助地図データを作成する。
【0013】
判定手段は、次々期第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、一時的第2補助地図データから第2リンクを削除して当該第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を一時的第2補助地図データ上にて行い、第1リンクを含む経路の経路探索に成功すると、第1リンクの削除と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定する。地図差分データ作成手段は、依存関係があると判定手段により判定された第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成する。
【0014】
これにより、依存関係があると判定した第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することで、道路ネットワークを保証することができる。即ち、第1リンクの削除を反映することなく第2リンクの削除だけを反映した地図差分データを作成すると、実際の道路状況では第1リンクの削除により第1ノードと第2ノードとの間で通行不可能(経路案内不可能)であるにも拘らず、第1リンクの削除を反映していないが故に通行可能(経路案内可能)であるとして道路ネットワークを保証しなくなるが、本発明のように依存関係があると判定した第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することで、通行不可能な経路を通行可能とする誤った地図差分データを作成することなく、道路ネットワークを保証することができ、実際の道路状況を反映して経路案内を適切に行うことができる。
【0015】
請求項4に記載した地図差分データ作成装置によれば、地図差分データ配信手段は、地図差分データ作成手段により作成された地図差分データを車載装置へ配信する。これにより、車両側へ配信される地図差分データの通信量を抑制しつつ、道路ネットワークを保証した地図差分データを車載装置へ提供することができる。
【0016】
請求項5に記載した地図差分データ作成方法によれば、ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの更新を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの更新に応じて次期最新地図データ及び次期補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの更新を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの更新に応じて次々期最新地図データ及び次々期補助地図データを作成し、第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期補助地図データ上にて行った結果及び次々期最新地図データ上にて行った結果に応じて第1リンクの更新と第2リンクの更新との間に依存関係があるか否かを判定し、依存関係があると判定した第1リンクの更新と第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成する

【0017】
これにより、上記した請求項1に記載したものと同様に、地図差分データを区画単位で作成する従来とは異なり、地図差分データをリンク単位で作成することで、車両側へ配信される地図差分データの通信量を抑制することができる。又、依存関係があると判定した第1リンクの更新と第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成することで、道路ネットワークを保証することができる。
【0018】
請求項6に記載した地図差分データ作成方法によれば、ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの追加を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの追加を初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、ノードとリンクとの接続態様が初期最新地図データと同じである初期第1補助地図データをそのままとした次期第1補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの削除を次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、第2リンクの削除を次期第1補助地図データに反映して次々期第1補助地図データを作成し、第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期第1補助地図データ上にて行い、経路探索に失敗すると、第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を次々期最新地図データ上にて行い、第1リンクを含む経路の経路探索に成功すると、第1リンクの追加と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した第1リンクの追加と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成する。
【0019】
これにより、上記した請求項2に記載したものと同様に、依存関係があると判定した第1リンクの追加と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することで、通行可能な経路を通行不可能とする誤った地図差分データを作成することなく、道路ネットワークを保証することができ、実際の道路状況を反映して経路案内を適切に行うことができる。
【0020】
請求項7に記載した地図差分データ作成方法によれば、ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第1リンクの削除を初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、ノードとリンクとの接続態様が初期最新地図データと同じである初期第2補助地図データをそのままとした次期第2補助地図データを作成し、その後、次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生すると、その第2リンクの削除を次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、次期第2補助地図データをそのままとした次々期第2補助地図データを作成し、次々期第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、一時的第2補助地図データから第2リンクを削除して当該第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を一時的第2補助地図データ上にて行い、第1リンクを含む経路の経路探索に成功すると、第1リンクの削除と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成する。
【0021】
これにより、上記した請求項3に記載したものと同様に、依存関係があると判定した第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することで、通行不可能な経路を通行可能とする誤った地図差分データを作成することなく、道路ネットワークを保証することができ、実際の道路状況を反映して経路案内を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート
【図3】最新地図データ及び第1補助地図データが遷移する態様を示す図
【図4】依存関係を判定する態様を示す図
【図5】最新地図データ及び第2補助地図データが遷移する態様を示す図
【図6】図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、地図差分データ配信装置から車両ナビゲーション装置へ地図データを配信する地図差分データ配信システムの構成を概略的に示している。地図差分データ配信システム1は、地図データを配信する地図差分データ配信装置2(本発明でいう地図差分データ作成装置に相当)と、地図差分データ配信装置2から配信された地図データを受信する車両ナビゲーション装置3(本発明でいう車載装置に相当)とが通信ネットワーク4を通じて通信可能に構成される。通信ネットワーク4は固定通信ネットワークと移動通信ネットワークとを含む。
【0024】
地図差分データ配信装置2は、制御部5(本発明でいう地図更新反映手段、判定手段、地図差分データ作成手段に相当)と、通信制御部6(本発明でいう地図差分データ配信手段に相当)と、地図データベース群7と、地図更新情報入力部8とを有する。
【0025】
制御部5は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、地図差分データ配信装置2のデータ管理動作や通信動作等の動作全般を制御する。通信制御部6は、通信ネットワーク4との間の広域通信動作を制御する。地図データベース群7は、最新地図データベース9(本発明でいう最新地図データ記憶手段に相当)と、第1補助地図データベース10(本発明でいう補助地図データ記憶手段、第1補助地図データ記憶手段に相当)と、第2補助地図データベース11(本発明でいう補助地図データ記憶手段、第2補助地図データ記憶手段に相当)と、地図差分データベース12とを有する。
【0026】
地図更新情報入力部8は、地図データに対してリンクの追加又は削除を指示する地図更新情報を外部から入力する。この場合、道路が開通したり閉鎖したりすることに応じて、例えばオペレータ(作業者)が入力機器(例えばキーボードやマウス等)(図示せず)を操作することで地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力される。
【0027】
最新地図データベース9は、ノードとリンクとの接続態様を示す最新地図データを記憶する。ノードは道路上の交差点(分岐点)を示し、リンクはノード同士間の道路(車両の進行を許可する方向をも含む)を示す。制御部5は、道路が開通したことに応じて、リンクの追加を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されると、そのリンクの追加を最新地図データベース9に記憶されている最新地図データに反映し、又、道路が閉鎖したことに応じて、リンクの削除を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されると、そのリンクの削除を最新地図データベース9に記憶されている最新地図データに反映する。即ち、最新地図データベース9に記憶されている最新地図データは、リンクの追加を指示する地図更新及びリンクの削除を指示する地図更新の何れが発生した場合でも更新される。
【0028】
第1補助地図データベース10は、初期状態(地図データが第1補助地図データベース10に登録された状態)では最新地図データベース9に記憶されている最新地図データと同じ地図データを第1補助地図データとして記憶する。制御部5は、リンクの削除を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されると、そのリンクの削除を第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データに反映するが、リンクの追加を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されても、そのリンクの追加を第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データに反映しない。即ち、第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データは、リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に限って更新され、リンクの追加を指示する地図更新が発生した場合には更新されない。
【0029】
第2補助地図データベース11は、初期状態(地図データが第2補助地図データベース11に登録された状態)では最新地図データベース9に記憶されている最新地図データと同じ地図データを第2補助地図データとして記憶する。制御部5は、リンクの追加を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されると、そのリンクの追加を第2補助地図データベース11に記憶されている第2補助地図データに反映するが、リンクの削除を指示する地図更新情報が地図更新情報入力部8へ入力されても、そのリンクの削除を第2補助地図データベース11に記憶されている第2補助地図データに反映しない。即ち、第2補助地図データベース11に記憶されている第2補助地図データは、リンクの追加を指示する地図更新が発生した場合に限って更新され、リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合には更新されない。
【0030】
このように第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データと第2補助地図データベース11に記憶されている第2補助地図データとは真逆の性質を有する。第1補助地図データは、リンクの削除を指示する地図更新、即ち、車両が通行可能な経路が減少する地図更新が発生した場合に限って更新されるので、ユーザにとって不利となる地図更新だけを反映した地図であり、一方、第2補助地図データは、リンクの追加を指示する地図更新、即ち、車両が通行可能な経路が増加する地図更新が発生した場合に限って更新されるので、ユーザにとって有利となる地図更新を反映した地図である。
【0031】
車両ナビゲーション装置3は、車両の現在位置を特定する機能、記憶媒体に記憶されている地図データを読出す機能、読出した地図データにしたがって地図を描画する機能、目的地を設定する機能、現在位置から目的地までの経路を探索する機能、探索した経路を地図上に描画する機能、探索した経路にしたがって車両を案内する機能、通信ネットワーク4との間で広域通信を行う機能等の周知のナビゲーション処理を行う各種機能を有する。そして、車両ナビゲーション装置3は、地図差分データ配信装置2から配信された地図差分データを受信すると、記憶媒体に記憶されている地図データを地図差分データに基づいて更新し、地図差分データに基づいて地図データを更新した以降では、その地図差分データに基づいて更新した(最新の)地図データにしたがって地図を描画したり経路案内を行ったりする。
【0032】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図6を参照して説明する。図2は、地図差分データ配信装置2の制御部5が実行する処理をフローチャートにより示している。
地図差分データ配信装置2において、制御部5は、地図更新情報が地図更新情報入力部8に入力されたか否かを判定し、地図更新が発生したか否か判定している(ステップS1)。制御部5は、例えばオペレータが入力機器を操作する等し、地図更新情報が地図更新情報入力部8に入力されたと判定し、地図更新が発生したと判定すると(ステップS1にて「YES」)、その地図更新の内容を最新地図データベース9に記憶されている最新地図データに反映する(ステップS2)。即ち、制御部5は、リンクの追加を指示する地図更新が発生した場合であれば、リンクの追加を最新地図データに反映し、リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合であれば、リンクの削除を最新地図データに反映する。
【0033】
次いで、制御部5は、その地図更新がリンクの追加を指示する地図更新であるかリンクの削除を指示する地図更新であるかを判定する(ステップS3、S4)。制御部5は、リンクの削除を指示する地図更新であると判定すると(ステップS3にて「YES」)、リンクの削除を第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データに反映する(ステップS5)。この場合、制御部5は、リンクの削除を第2補助地図データベース11に記憶されている第2補助地図データには反映しない。
【0034】
一方、制御部5は、リンクの追加を指示する地図更新であると判定すると(ステップS4にて「YES」)、リンクの追加を第2補助地図データベース12に記憶されている第2補助地図データに反映する(ステップS6)。この場合、制御部5は、リンクの追加を第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データには反映しない。
【0035】
制御部5は、リンクの削除を第1補助地図データに反映した後では、削除したリンクの両端に位置するノード間での経路探索を、その時点で第1補助地図データベース10に記憶されている第1補助地図データ、即ち、リンクの削除を反映した第1補助地図データ上にて行い(ステップS7)、第1補助地図データ上での経路探索に成功したか否か(ノード間を通行可能であるか否か)を判定する(ステップS8)。
【0036】
制御部5は、第1補助地図データ上での経路探索に成功したと判定すると(ステップS8にて「YES」)、一連の処理を終了する。一方、制御部5は、第1補助地図データ上での経路探索に失敗したと判定すると(ステップS8にて「NO」)、削除したリンクの両端に位置するノード間での経路探索を、その時点で最新地図データベース9に記憶されている最新地図データ上にて行い(ステップS9)、最新地図データ上での経路探索に成功したか否かを判定する(ステップS10)。
【0037】
制御部5は、最新地図データ上での経路探索に成功したと判定すると(ステップS10にて「YES」)、初期最新地図データから現在の最新地図データまでに発生した地図更新の内容に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した地図更新の内容を地図差分データとしてグループ化し(ステップS11)、一連の処理を終了する。
【0038】
又、制御部5は、最新地図データ上での経路探索に失敗したと判定すると(ステップS10にて「NO」)、第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、対象のリンクを一時的第2補助地図データから削除し(ステップS12)、対象のリンクの両端に位置するノード間での経路探索を、一時的第2補助地図データ上にて行い(ステップS13)、一時的第2補助地図データ上での経路探索に成功したか否かを判定する(ステップS14)。
【0039】
制御部5は、一時的第2補助地図データ上での経路探索に成功したと判定すると(ステップS14にて「YES」)、経路探索に成功した経路に含まれる更新リンクと対象のリンクとの間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した地図更新の内容を地図差分データとしてグループ化し、経路探索に成功した経路に含まれる更新リンクを一時的第2補助地図データから削除し(ステップS15)、上記したステップS13、S14を繰返して行う。そして、制御部5は、一時的第2補助地図データ上での経路探索に失敗したと判定すると(ステップS14にて「NO」)、一連の処理を終了する。
【0040】
上記した処理について具体例を挙げて図3乃至図6を参照して説明する。ここでは、
(1)第1リンクの追加を指示する地図更新が発生し、その後、第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合
(2)第1リンクの削除を指示する地図更新が発生し、その後、第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合
について順次説明する。
【0041】
(1)第1リンクの追加を指示する地図更新が発生し、その後、第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合
この場合、図3に示すように、最新地図データベース9に記憶されている初期最新地図データではノード「A」〜「F」とリンク「a1」、「a2」〜「g1」、「g2」との接続態様が図示のようにある場合を説明する。第1補助地図データベース10に記憶されている初期第1補助地図データは、初期最新地図データと同じである。この状態からノード「C」とノード「F」とを接続するリンク「h1」、「h2」(第1リンクに相当)の追加を指示する地図更新が発生すると、制御部5は、そのリンク「h1」、「h2」の追加を初期最新地図データに反映して第1期最新地図データ(次期最新地図データに相当)を作成するが、そのリンク「h1」、「h2」の追加を初期第1補助地図データに反映することなく、初期第1補助地図データをそのままとし、初期第1補助地図データを第1期第1補助地図データ(次期第1補助地図データに相当)とする。
【0042】
この状態から更にノード「A」とノード「E」とを接続するリンク「e1」(第2リンクに相当)の削除を指示する地図更新が発生すると、制御部5は、そのリンク「e1」の削除を第1期最新地図データに反映して第2期最新地図データ(次々期最新地図データに相当)を作成し、そのリンク「e1」の削除を第1期第1補助地図データに反映して第2期第1補助地図データ(次々期第1補助地図データに相当)を作成する。
【0043】
ここで、制御部5は、図4に示すように、削除したリンク「e1」の両端に位置するノード「A」(第1ノードに相当)からノード「E」(第2ノードに相当)への経路探索を第2期第1補助地図データ上にて行うが、第2期第1補助地図データでは上記したようにリンク「h1」、「h2」の追加を反映していないことから、ノード「A」からノード「E」への経路探索に失敗する。次いで、制御部5は、第2期第1補助地図データ上での経路探索に失敗すると、削除したリンク「e1」の両端に位置するノード「A」からノード「E」への経路探索を第2期最新地図データ上にて行うが、第2期最新地図データでは上記したようにリンク「h1」、「h2」の追加を反映していることから、リンク「h1」又は「h2」を含むノード「A」からノード「E」への経路探索に成功する。具体的には、リンク「a1」、「b1」、「h1」、「g1」(「f2」でも良い)を経由する経路探索に成功する。
【0044】
そして、制御部5は、このようにして第2期最新地図データ上での経路探索に成功すると、初期最新地図データから現在の最新地図データまでに発生した地図更新の内容、即ち、リンク「h1」、「h2」の追加とリンク「e1」の削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定したリンク「h1」、「h2」の追加とリンク「e1」の削除とを地図差分データとしてグループ化して地図差分データベース12に記憶する。これ以降、制御部5は、例えば車両ナビゲーション装置3を使用するユーザが地図差分データを要求する操作を車両ナビゲーション装置3にて行い、車両ナビゲーション装置3から送信された地図差分データ要求信号を通信制御部6により受信すると、地図差分データベース12に記憶されている地図差分データ、即ち、リンク「h1」、「h2」の追加とリンク「e1」の削除とを示す地図差分データを読出して通信制御部6から車両ナビゲーション装置3へ送信させる。
【0045】
これにより、リンク「e1」の削除だけを通知すると、ノード「A」からノード「E」への経路が存在しないことを通知してしまうことになるが、リンク「h1」、「h2」の追加とリンク「e1」の削除とを依存関係を有するグループとして通知することで、ノード「A」からノード「E」への経路が存在することを通知することができ、実際の道路状況を正確に通知することができる。即ち、実際の道路状況では通行可能な経路を通行不可能な経路として誤って通知してしまうことを未然に回避することができる。
【0046】
(2)第1リンクの削除を指示する地図更新が発生し、その後、第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合
この場合、図5に示すように、最新地図データベース9に記憶されている初期最新地図データではノード「G」〜「L」とリンク「i1」、「i2」〜「n1」、「n2」との接続態様が図示のようにある場合を説明する。第2補助地図データベース11に記憶されている初期第1補助地図データは、初期最新地図データと同じである。この状態からノード「I」とノード「K」とを接続するリンク「l1」、「l2」(第1リンクに相当)の削除を指示する地図更新が発生すると、制御部5は、そのリンク「l1」、「l2」の削除を初期最新地図データに反映して第1期最新地図データ(次期最新地図データに相当)を作成するが、そのリンク「l1」、「l2」の削除を初期第2補助地図データに反映することなく、初期第2補助地図データをそのままとし、初期第2補助地図データを第1期第2補助地図データ(次期第2補助地図データに相当)とする。
【0047】
この状態から更にノード「H」とノード「L」とを接続するリンク「n1」、「n2」(第2リンクに相当)の削除を指示する地図更新が発生すると、制御部5は、そのリンク「n1」、「n2」の削除を第1期最新地図データに反映して第2期最新地図データ(次々期最新地図データに相当)を作成するが、そのリンク「n1」、「n2」の削除を第1期第2補助地図データに反映することなく、第1期第2補助地図データを第2期第2補助地図データ(次々期第2補助地図データに相当)とする。
【0048】
ここで、制御部5は、図6に示すように、第2期第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、リンク「n1」、「n2」を一時的第2補助地図データから削除し、削除したリンク「n1」、「n2」の両端に位置するノード「H」(第1ノードに相当)からノード「L」(第2ノードに相当)への経路探索(ノード「L」からノード「H」への経路探索でも良い)を一時的第2補助地図データ上にて行うが、一時的第2補助地図データではリンク「n1」、「n2」の削除を反映しているが、リンク「l1」、「l2」の削除を反映していないことから、ノード「H」からノード「L」への経路探索に成功する。具体的には、リンク「j1」、「l1」、「m1」を経由する経路探索に成功する。
【0049】
そして、制御部5は、経路探索に成功した経路に含まれるリンク「l1」、「l2」の削除とリンク「n1」、「n2」の削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定したリンク「l1」、「l2」の削除とリンク「n1」、「n2」の削除とを地図差分データとしてグループ化して地図差分データベース12に記憶する。これ以降、制御部5は、例えば車両ナビゲーション装置3を使用するユーザが地図差分データを要求する操作を車両ナビゲーション装置3にて行い、車両ナビゲーション装置3から送信された地図差分データ要求信号を通信制御部6により受信すると、地図差分データベース12に記憶されている地図差分データ、即ち、リンク「l1」、「l2」の削除とリンク「n1」、「n2」の削除とを示す地図差分データを読出して通信制御部6から車両ナビゲーション装置3へ送信させる。
【0050】
これにより、リンク「n1」、「n2」の削除だけを通知すると、ノード「H」からノード「L」への経路が存在することを通知してしまうことになるが、リンク「l1」、「l2」の削除とリンク「n1」、「n2」の削除とを依存関係を有するグループとして通知することで、ノード「H」からノード「L」への経路が存在しないことを通知することができ、実際の道路状況を正確に通知することができる。即ち、実際の道路状況では通行不可能な経路を通行可能な経路として誤って通知してしまうことを未然に回避することができる。
【0051】
以上に説明したように本実施形態によれば、地図差分データ配信装置2において、初期最新地図データに対して第1リンクの追加を指示する地図更新が発生し、続いて第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、第2リンクの両端であるノード同士間の第2期第1補助地図データ上での経路探索に失敗し、第2リンクの両端であるノード同士間の第2期最新地図データ上での経路探索に成功すると、第1リンクの追加と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定して地図差分データを作成するようにした。
【0052】
又、地図差分データ配信装置2において、初期最新地図データに対して第1リンクの削除を指示する地図更新が発生し、続いて第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、第2リンクの両端であるノード同士間の一時的第2補助地図データ上での経路探索に成功すると、第1リンクの削除と第2リンクの削除との間に依存関係があると判定して地図差分データを作成するようにした。
【0053】
これにより、地図差分データをリンク単位で作成することで、車両ナビゲーション装置3へ配信される地図差分データの通信量を抑制することができる。又、依存関係があると判定した第1リンクの追加と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成したり、依存関係があると判定した第1リンクの削除と第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成したりすることで、道路ネットワークを保証することができる。
【0054】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
1回のリンクの追加を指示する地図更新が発生し、1回のリンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、その1回のリンクの追加と1回のリンクの削除との間に依存関係があると判定して地図差分データを作成する場合を説明したが、2回以上のリンクの追加を指示する地図更新が発生し、2回以上のリンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、その2回以上のリンクの追加と2回以上のリンクの削除との間に依存関係があると判定して地図差分データを作成しても良い。
【0055】
2回のリンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、その2回のリンクの削除の間に依存関係があると判定して地図差分データを作成する場合を説明したが、3回以上のリンクの削除を指示する地図更新が発生した後に、その3回以上のリンクの削除の間に依存関係があると判定して地図差分データを作成しても良い。
【0056】
地図差分データ配信装置2が地図差分データを車両ナビゲーション装置3へ配信するタイミングはどのようなタイミングであっても良い。即ち、本実施形態で説明したように例えば車両ナビゲーション装置3を使用するユーザが地図差分データを要求する操作を車両ナビゲーション装置3にて行ったことを契機として地図差分データを配信することに限らず、地図差分データを所定期間(例えば30日)が経過する毎に定期的に配信しても良いし、車両の走行距離を管理することで、車両の走行距離が所定距離に到達する毎に配信しても良い。
【符号の説明】
【0057】
図面中、2は地図差分データ配信装置(地図差分データ作成装置)、3は車両ナビゲーション装置(車載装置)、5は制御部(地図更新反映手段、判定手段、地図差分データ作成手段)、6は通信制御部(地図差分データ配信手段)、9は最新地図データベース(最新地図データ記憶手段)、10は第1補助地図データベース(補助地図データ記憶手段、第1補助地図データ記憶手段)、11は第2補助地図データベース(補助地図データ記憶手段、第2補助地図データ記憶手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データを記憶する最新地図データ記憶手段と、
ノードとリンクとの接続態様が前記初期最新地図データと同じである初期補助地図データを記憶する補助地図データ記憶手段と、
前記初期最新地図データに対して第1リンクの更新を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの更新に応じて次期最新地図データ及び次期補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの更新を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの更新に応じて次々期最新地図データ及び次々期補助地図データを作成する地図更新反映手段と、
前記第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記次々期補助地図データ上にて行った結果及び前記次々期最新地図データ上にて行った結果に応じて前記第1リンクの更新と前記第2リンクの更新との間に依存関係があるか否かを判定する判定手段と、
依存関係があると前記判定手段により判定された前記第1リンクの更新と前記第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成する地図差分データ作成手段と、を備えたことを特徴とする地図差分データ作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載した地図差分データ作成装置において、
前記補助地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様が前記初期最新地図データと同じである初期第1補助地図データを記憶する第1補助地図データ記憶手段であり、
前記地図更新反映手段は、前記初期最新地図データに対して第1リンクの追加を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの追加を前記初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、前記初期第1補助地図データをそのままとした次期第1補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの削除を前記次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、第2リンクの削除を前記次期第1補助地図データに反映して次々期第1補助地図データを作成し、
前記判定手段は、前記第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記次々期第1補助地図データ上にて行い、経路探索に失敗した場合には、前記第1ノードと前記第2ノードとの間での経路探索を前記次々期最新地図データ上にて行い、前記第1リンクを含む経路の経路探索に成功した場合には、前記第1リンクの追加と前記第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、
前記地図差分データ作成手段は、依存関係があると前記判定手段により判定された前記第1リンクの追加と前記第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することを特徴とする地図差分データ作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した地図差分データ作成装置において、
前記補助地図データ記憶手段は、ノードとリンクとの接続態様が前記初期最新地図データと同じである初期第2補助地図データを記憶する第2補助地図データ記憶手段であり、
前記地図更新反映手段は、前記初期最新地図データに対して第1リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの削除を前記初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、前記初期第2補助地図データをそのままとした次期第2補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの削除を前記次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、前記次期第2補助地図データをそのままとした次々期第2補助地図データを作成し、
前記判定手段は、前記次々期第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、前記一時的第2補助地図データから前記第2リンクを削除して当該第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記一時的第2補助地図データ上にて行い、前記第1リンクを含む経路の経路探索に成功した場合には、前記第1リンクの削除と前記第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、
前記地図差分データ作成手段は、依存関係があると前記判定手段により判定された前記第1リンクの削除と前記第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することを特徴とする地図差分データ作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載した地図差分データ作成装置において、
前記地図差分データ作成手段により作成された地図差分データを車載装置へ配信する地図差分データ配信手段を備えたことを特徴とする地図差分データ作成装置。
【請求項5】
ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの更新を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの更新に応じて次期最新地図データ及び次期補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの更新を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの更新に応じて次々期最新地図データ及び次々期補助地図データを作成し、前記第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記次々期補助地図データ上にて行った結果及び前記次々期最新地図データ上にて行った結果に応じて前記第1リンクの更新と前記第2リンクの更新との間に依存関係があるか否かを判定し、依存関係があると判定した前記第1リンクの更新と前記第2リンクの更新とをグループとした地図差分データを作成することを特徴とする地図差分データ作成方法。
【請求項6】
請求項5に記載した地図差分データ作成方法において、
ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの追加を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの追加を前記初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、ノードとリンクとの接続態様が前記初期最新地図データと同じである初期第1補助地図データをそのままとした次期第1補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの削除を前記次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、第2リンクの削除を前記次期第1補助地図データに反映して次々期第1補助地図データを作成し、前記第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記次々期第1補助地図データ上にて行い、経路探索に失敗した場合には、前記第1ノードと前記第2ノードとの間での経路探索を前記次々期最新地図データ上にて行い、前記第1リンクを含む経路の経路探索に成功した場合には、前記第1リンクの追加と前記第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した前記第1リンクの追加と前記第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することを特徴とする地図差分データ作成方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載した地図差分データ作成方法において、
ノードとリンクとの接続態様を示す初期最新地図データに対して第1リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第1リンクの削除を前記初期最新地図データに反映して次期最新地図データを作成すると共に、ノードとリンクとの接続態様が前記初期最新地図データと同じである初期第2補助地図データをそのままとした次期第2補助地図データを作成し、その後、前記次期最新地図データに対して第2リンクの削除を指示する地図更新が発生した場合に、その第2リンクの削除を前記次期最新地図データに反映して次々期最新地図データを作成すると共に、前記次期第2補助地図データをそのままとした次々期第2補助地図データを作成し、前記次々期第2補助地図データを複写して一時的第2補助地図データを作成し、前記一時的第2補助地図データから前記第2リンクを削除して当該第2リンクの両端である第1ノードと第2ノードとの間での経路探索を前記一時的第2補助地図データ上にて行い、前記第1リンクを含む経路の経路探索に成功した場合には、前記第1リンクの削除と前記第2リンクの削除との間に依存関係があると判定し、依存関係があると判定した前記第1リンクの削除と前記第2リンクの削除とをグループとした地図差分データを作成することを特徴とする地図差分データ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−29594(P2013−29594A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164367(P2011−164367)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(503002167)株式会社高速屋 (4)
【Fターム(参考)】