説明

地図情報処理装置、地図情報処理方法及び地図情報処理プログラム

【課題】表示縮尺に応じた注記表示をより客観的な基準に基づいて自動的に選択することができる地図情報処理装置を提供する。
【解決手段】注記表示の対象物が属する地域を位置情報に基づいて特定し、特定された地域について設定された重み情報を地域別重み記憶手段から特定する手段と、注記表示の対象物の属性情報に対して特定された重み情報に基づく重み付けを行って集計することにより、注記表示の得点を算出する手段と、算出された得点と注記表示とを対応付けて格納する記憶手段と、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、選択した得点を有する注記表示を抽出する抽出手段と、指定された縮尺に該当する地図データを記憶手段から抽出する手段と、前記抽出された注記表示と地図データとに基づいて地図情報を生成する手段とを備える地図情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を処理する技術に関し、特に、地図に表示される注記表示を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
指定された縮尺に応じて地図を表示する技術が知られている。例えば、特許文献1(特開平8−55214号公報)には、縮尺管理テーブル6に縮尺項目と地図情報種別項目とによって特定される各表示制御情報を設定しておき、この縮尺管理テーブル6の表示制御情報に基づいて地図情報ファイル5に格納されている地図情報の中から該当する地図情報を抽出して表示する地図表示制御方式が記載されている。縮尺管理テーブル6の表示制御情報には、ある縮尺の地図上で、ある地図情報種別の地図情報(国道等の道路や地図記号等を示す情報)を表示対象とすべき場合は「1」が、表示対象外とすべき場合は「0」が、操作者によって与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−55214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地図には、地図の利便性を向上させるために建物等の名称を示す注記表示が含まれている。注記表示は、表示される量が多すぎても少なすぎても利用者の読図性を低下させるため、地図の縮尺に応じた適切な量の注記表示を表示することが望ましく、また、利用者にとって重要性の高い内容のものから優先的に表示することが望ましい。
【0005】
このように、注記表示については、地図の縮尺に応じた適切な量及び質の注記表示を表示することが要求されるため、従来は、上記特許文献1に記載の地図情報と同様に、地図編集者が膨大な量の中から表示すべき注記表示を縮尺に応じて個別に選択していた。しかしながら、このような注記表示の選択は、上記特許文献1記載の地図表示制御方式と同様に、地図編集者の主観によって行われるため客観性に欠けやすいという問題や、地図編集者による多大な労力や時間を要するという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、表示縮尺に応じた適切な量及び質の注記表示を客観的な基準に基づいて選択することができる地図情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る地図情報処理装置は、複数の地域に区分された、縮尺の異なる複数の地図に関する地図データを格納する地図データ記憶手段と、前記地図上に表示される注記表示に関する注記表示情報と、当該注記表示の対象物の位置情報と、当該注記表示の対象物の属性情報と、を対応づけた注記データを格納する注記データ記憶手段と、前記地図の地域毎に設定される、前記注記表示の対象物が取り得る属性情報と当該属性情報に付与される重みとを対応付けた重み情報を格納する地域別重み記憶手段と、前記対象物が属する地域を、前記注記データ記憶手段に格納される前記位置情報に基づいて特定し、特定された前記対象物が属する地域について設定された重み情報を、前記地域別重み記憶手段から特定する重み特定手段と、前記注記表示の対象物の属性情報を前記注記データ記憶手段から読み出し、読み出した属性情報に対して前記重み特定手段により特定された重み情報に基づく重み付けを行って集計することにより、前記注記表示の得点を算出する算出手段と、前記得点と前記注記表示とを対応付けて格納する得点注記データ記憶手段と、前記得点のうち、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、選択した得点に対応する注記表示を、前記得点注記データ記憶手段から抽出する注記表示抽出手段と、前記指定された縮尺に該当する地図の地図データを前記地図データ記憶手段から抽出する地図データ抽出手段と、前記抽出された注記表示を、前記抽出された地図データに基づく地図上に重畳させた状態で表示させるように制御する地図表示制御手段を備える。
【0008】
また、前記縮尺に応じた一定の得点範囲は、当該縮尺の変化に従って変化するように設定してもよい。
【0009】
また、前記注記表示抽出手段は、縮尺毎に設定される基準得点に基づいて、前記得点注記データ記憶手段に格納されている得点のうち指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択してもよい。
【0010】
また、前記得点注記データ格納手段に格納されている得点注記データが、当該得点注記データに含まれる得点をキーに並び替えて格納されている場合に、前記注記表示抽出手段は、縮尺毎に設定される基準順位に基づいて、前記得点注記データ記憶手段に格納されている得点のうち指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択してもよい。
【0011】
また、前記算出手段は、前記読み出した属性情報に、当該属性情報に対応する前記重み特定手段により特定された重みを乗算し、乗算結果の合計を前記注記表示の得点として算出してもよい。
【0012】
また、本発明は、地図情報処理装置における地図情報処理方法である。前記地図情報処理装置は、複数の地域に区分された、縮尺の異なる複数の地図に関する地図データを格納する地図データ記憶手段と、前記地図上に表示される注記表示に関する注記表示情報と、当該注記表示の対象物の位置情報と、当該注記表示の対象物の属性情報と、を対応づけた注記データを格納する注記データ記憶手段と、前記地図の地域毎に設定される、前記注記表示の対象物が取り得る属性情報と当該属性情報に付与される重みとを対応付けた重み情報を格納する地域別重み記憶手段と、を備える。地図情報処理方法は、前記対象物が属する地域を、前記注記データ記憶手段に格納される前記位置情報に基づいて特定し、特定された対象物が属する地域について設定された重み情報を、前記地域別重み記憶手段から特定するステップと、前記注記表示の対象物の属性情報を前記注記データ記憶手段から読み出し、当該読み出した属性情報に対して前記重み特定手段により特定された重み情報に基づく重み付けを行って集計することにより、前記注記表示の得点を算出するステップと、前記得点と前記注記表示とを対応付けて得点注記データ記憶手段に格納するステップと、前記得点のうち、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、当該選択した得点を有する注記表示を、前記得点注記データ記憶手段から抽出するステップと、前記指定された縮尺に該当する地図の地図データを前記地図データ記憶手段から抽出するステップと、前記抽出された注記表示を、前記抽出された地図データに基づく地図上に重畳させた状態で表示させるように制御するステップと、を備える。
【0013】
また、本発明は、上記記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとしても成立する。
【0014】
さらにまた、本発明は、上記記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【0015】
本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0016】
また、本明細書等において、「手段」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示縮尺に応じた適切な量及び質の注記表示を客観的な基準に基づいて選択することができる地図情報処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】地図情報処理装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】注記データDB32のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】地域区分情報DB33のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】地域別重みDB34のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】得点DB35のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】得点DB作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】表示用地図データの作成及び表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】表示される地図の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
ここで、本実施形態に係る地図情報処理装置は、地図情報を対象としており、この地図情報は、地図と注記表示を含むように構成されている。
【0021】
地図は、地形の状態を示す図であり、その内容に限定はないが、例えば、土地の高低を等高線等によって示したものや、河川、湖、道路、建物等を記入したものが該当する。なお、本発明に適用される地図は、地形を正確に表したものに限られず、簡略化したものも含まれる。また、地図は、例えば、平面図や背景図などとも呼ばれる。
【0022】
一方、注記表示は、地図上の対象物(注記対象物)に関する情報を文字や数字等によって表すものであり、その内容に限定はないが、例えば、行政区画、道路、鉄道、建物等の名称を文字によって、また、標高等を数字によって表すものが該当する。また、対象物の名称を特定のアイコンやマーク等によって表わす場合も含まれる。なお、本実施形態では、注記表示が、鉄道の駅の名前を表す「駅名」である場合について説明するが、本発明が適用される注記表示は、地図上の対象物を表すものであればよく、例えば、「市町村名」、「インターチェンジ名」、「デパート名」なども該当する。
【0023】
ここで、本発明は、表示縮尺に応じた適切な注記表示を、地図編集者等の主観による個別選択ではなく、客観的基準に基づいて選択することを目的としている。そこで、本発明では、各注記表示によって特定される注記対象物の「属性情報」に着目して当該注記表示の「得点」を計算し、この計算された「得点」を利用して表示すべき注記表示を決定する。例えば、注記表示が「駅名」である場合、当該「駅名」によって特定される駅に乗り入れている電車の種類や本数(属性情報)に応じて、当該「駅名」に得点を付与することにより、各「駅名」の重要度を数値化する。例えば、乗り入れている電車の種類や本数などが多い駅の「駅名」は、乗り入れている電車の種類や本数などが少ない駅の「駅名」もより、重要度が高いとみなすことができる。地図の表示縮尺が小さい場合は、注記表示の表示量も少なくなるので、より得点の高い駅名のみを選択し、一方、表示縮尺が大きい場合は、注記表示の表示量が多くなるので、少し得点の低い駅名まで選択することにより、注記表示の表示量に応じて重要度の高いものから優先的に選択することができる。このように、属性情報に基づいて算出される得点を基準に駅名を選択するので、客観的基準に基づいて最適な量及び質の駅名を選択することが可能になる。
【0024】
ここで、注記対象物の属性情報に基づいて得点を計算する場合、計算される得点間に地域差が生じる場合がある。例えば、都市圏に属する駅の駅名と地方に属する駅の駅名とを比較した場合、一般的に、乗り入れする電車の種類や本数は都市圏に属する駅の方が多いため、都市圏に属する駅の駅名は高得点になりやすく、地方に属する駅の駅名は低得点になりやすい。その結果、例えば、ある縮尺に応じて表示すべき注記表示の抽出基準を、都市圏に合わせて高得点に設定すると、地方では表示する駅名が1つも抽出されない場合が発生する一方、地方に合わせて低得点に設定すると、都市圏では表示する駅名が多すぎて表示できないかあるいは重畳表示される場合等が発生し得る。
【0025】
そこで、本発明では、地域毎に注記対象物の属性情報に対して重みづけを行うことにより、得点間に地域差が生じないようにしている。
【0026】
(地図情報処理装置の概略構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る地図情報処理装置1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、地図情報処理装置1は、通信手段10、制御手段20、記憶手段30、入力手段40及び表示手段50などの機能手段を備える。地図情報処理装置1は、例えば、マイクロプロセッサからなるCPU(中央演算処理装置)、CPUにバス結合されたメモリ(ROM、RAM)、HDD、及び各種インタフェースなどのハードウェアを備える専用または汎用のコンピュータを用いて構成することができる。上記の各機能手段は、主にCPUがメモリ、HDDなどに格納されるプログラムを実行して各ハードウェアを制御することにより実現される。なお、地図情報処理装置1は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、例えばネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。
【0027】
通信手段10は、例えば、ネットワークを介して接続された情報処理装置(図示せず)と通信するためのインタフェースである。
【0028】
制御手段20は、地図情報処理装置1全体の動作を制御する機能を備えるとともに、本発明に係る地図情報処理を実行するための得点注記データ作成手段21及び地図作成表示手段22などを備える。
【0029】
得点注記データ作成手段21は、注記対象物の属性情報に対して重み付けをした結果を合計することにより注記表示の得点を計算して、得点付けされた注記データ(得点注記データ)を作成する機能を備える。具体的には、得点注記データ作成手段21は、地域区分設定手段211と、重み設定手段212と、得点付与手段213と、得点注記データ格納手段214などを備える。
【0030】
地域区分設定手段211は、対象となる地図を複数の地域に区分するための地域区分情報を設定する機能を有する。地域区分情報には、地域を特定する識別情報(例えば、地域IDや地域名等)と、当該地域の領域を画定する座標(例えば、東端、西端、北端、南端等)などが含まれる。地域区分設定手段211は、例えば、地図作成者より入力された地域区分情報を受け付けると、当該受け付けた地域区分情報を地域区分情報DB33に格納する(図3参照)。また、一定の基準に従って自動的に地域区分情報を決定してもよい。なお、地域区分設定手段211は、地域区分情報DB33への地域区分情報の追加、削除及び変更を適宜実行することもできる。地域区分情報DB33については後述する。
【0031】
重み設定手段212は、地域区分設定手段211よって設定された地域毎に重み情報を設定する機能を有する。重み情報には、例えば、地域を特定する識別情報と、注記対象物が取り得る属性情報と、当該属性情報に付与される重み(重み係数)などが含まれる。重み設定手段212は、例えば、地図作成者より入力された重み情報を受け付けると、当該受け付けた重み情報を地域別重みDB34に格納する(図4参照)。注記対象物が複数の属性情報を有する場合は、これら全ての属性情報又は一部の属性情報に対してそれぞれ重み係数を設定してもよいし、まとめて1つの重み係数を設定してもよい。また、一定の基準に従って自動的に重み係数を決定してもよい。なお、重み設定手段212は、地域別重みDB34への重み情報の追加、削除及び変更を適宜実行することもできる。地域別重みDB34については後述する。
【0032】
得点付与手段213は、注記データDB32から位置情報を含む注記データを読み出して、当該読み出した位置情報に基づいて、地域区分情報DB33に格納される地域区分情報を参照することにより、注記表示(及び/又は注記対象物)が属する地域を特定し、この特定した注記表示(及び/又は注記対象物)が属する地域に対応する属性情報別の重みを、地域別重みDB34から特定する機能(地域別重み特定手段)を有する。
【0033】
また、得点付与手段213は、注記データDB32から属性情報1〜Nを含む注記データを読み出して、当該読み出した各属性情報に対して、地域別重み特定手段により特定された重みに基づく重み付けを行って集計を行うことにより、その注記表示の得点を算出する機能(得点算出手段)を有する。具体的には、各属性情報に対して、地域別重み特定手段により特定された重みをそれぞれ乗算し、乗算結果の合計値を当該注記表示の得点として算出する(図5参照)。得点算出手段による計算は、例えば、得点=[(属性情報1×重み係数1)+(属性情報2×重み係数2)・・・(属性情報5×重み係数5)]という式によって表すことができる。
【0034】
得点注記データ格納手段214は、得点付与手段213によって算出された得点と、該当する注記表示と、当該注記表示の位置情報(緯度・経度)と、を対応付けて得点注記データとして得点DB35に格納する(図5参照)。得点注記データ格納手段214は、得点DB35に得点注記データを格納すると、得点をキーに得点注記データをソートする。得点DB35については後述する。
【0035】
地図作成表示手段22は、得点DBを用いて、表示縮尺に応じた地図を表示するための表示用地図データ(地図情報)を生成する機能と、生成された表示用地図データに基づく地図が表示装置に表示されるように制御する機能と、を主に有する。具体的には、地図作成表示手段22は、表示縮尺決定手段221と、注記データ抽出手段222と、表示用地図データ生成手段224と、地図表示制御手段225などを備える。
【0036】
表示縮尺決定手段221は、生成する地図の表示縮尺を決定する(指定する)。表示縮尺決定手段221は、既定条件(例えば、縮尺の最大値から最小値まで順に選択する)に従って自動的に縮尺を決定してもよいし、例えば入力手段40を介して地図作成者より入力される縮尺条件に基づいて縮尺を決定することもできる。また、地図の表示縮尺の値及びその範囲は、設計に応じた値及び範囲を採用することができる。
【0037】
注記データ抽出手段222は、得点DB35に格納されている得点のうち、決定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、当該選択した得点を有する注記表示を得点DB35から抽出する。各縮尺に応じた一定の得点範囲は、当該縮尺が大きくなるにつれて、当該一定の得点範囲も大きくなるように設定され、すなわち、当該縮尺が小さくなるにつれて、当該一定の得点範囲も小さくなるように設定することができる。得点DB35に格納されている得点のうち、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択して、当該選択した得点を有する注記表示を抽出することにより、得点の高い注記表示を優先的に抽出しつつ、表示縮尺に最適な量の注記表示を抽出することができるようになる。
【0038】
具体的には、縮尺に応じた一定の得点範囲に属する得点を選択する条件の一例として、例えば、「上位Xまで」というように順位を基準とする条件(基準順位)や、「Y得点以上」のように得点を基準とする条件(基準得点)を設定することができる。基準順位または基準得点を下げることによって、一定の得点範囲は大きくなり、基準順位または基準得点を上げることによって、一定の得点範囲は小さくなる。一般に、表示縮尺が小さい場合は地図に表示する注記表示の量は少なく、表示縮尺が大きい場合は地図に表示する注記表示の量は多い。従って、表示縮尺が小さいものから大きくなるにつれて、得点の高い注記表示から低い注記表示まで抽出されるように、基準順位や基準得点を段階的に設定する。例えば、表示縮尺が「1/100000」の場合は、抽出条件に「上位100まで」または「150得点以上」を設定し、表示縮尺が「1/25000」の場合は、抽出条件は「上位200まで」または「250得点以上」などを設定することができる。
【0039】
地図データ抽出手段223は、表示縮尺に該当する縮尺の地図データを地図データDB31より抽出する。
【0040】
表示用地図データ生成手段224は、指定された表示縮尺に応じて、得点DB35に格納されている得点注記データから抽出した注記表示と、地図データDB31から抽出した地図データとに基づいて、指定された表示縮尺の地図を表示するための表示用地図データ(地図情報)を生成する機能を有する。例えば、表示用地図データ生成手段224は、注記データ抽出手段222によって抽出された注記表示を、当該注記表示の位置情報に基づいて、地図データ抽出手段223によって抽出された地図データの該当位置に書き込むことによって、表示用地図データを生成する。表示用地図データ生成手段224は、生成した表示用地図データを表示用地図データDB36に格納する。
【0041】
地図表示制御手段225は、表示用地図データ生成手段224によって生成された表示用地図データに基づく地図が、所定の表示装置に表示されるように制御する。例えば、地図表示制御手段225は、地図DB36から対象縮尺に対応する表示用地図データを抽出し、この表示用地図データに基づく地図を表示手段50等に表示させる。また、通信手段10を介して接続された図示しない情報処理装置から地図表示要求を受け付けた場合は、表示用地図DB36から当該地図表示要求に含まれる表示縮尺及び表示位置に対応する表示用地図データを読み出し、情報処理装置に送信する。情報処理装置は、表示用地図データを受信して、これをディスプレイ等に表示する。このような表示用地図データの抽出及び表示は、従来の技術を用いて実現することができる。
【0042】
記憶手段30は、地図データDB31、注記データDB32、地域区分情報DB33、地域別重みDB34、得点DB35、表示用地図データDB36などを備える。なお、記憶手段30は、単一の記憶装置より構成されるものであっても、例えばネットワーク上に分散した複数の記憶装置より構成されるものであってもよい。なお、データベース(DB)には、例えばリレーショナルデータベース等の従来の技術を用いて実現することができる。
【0043】
地図データDB31は、図示してはいないが、例えばベクタ方式やラスタ方式等で構成される地図データを緯度・経度情報と対応付けて格納する。
【0044】
注記データDB32は、注記対象物の名称等を文字列等によって地図上に表すための注記データを格納する。具体的には、図2に示すように、注記表示を一意的に識別するための注記ID、注記表示、注記対象物の属性情報(属性情報1、属性情報2・・・属性情報N)、注記表示(及び/又は注記対象物)の地図上の位置を特定する緯度・経度(位置情報)、注記表示(及び/又は注記対象物)が属する地域の地域IDなどが対応付けて格納される。本実施形態では、注記表示として「駅名」が設定されているので、対応する領域には駅名を示す文字列が格納される。属性情報1〜4には、当該駅に乗り入れている電車の種類別本数を示す「A線」「B線」「C線」「D線」が設定されており、対応する領域には、該当する電車の乗り入れ本数がそれぞれ格納される。また、属性情報5には、属性情報1〜4以外の種類の乗り物を示す「その他」が設定されており、対応する領域には、該当する乗り物の乗り入れ本数が格納される。
【0045】
なお、注記対象物の属性情報は、図2に示すものに限られず、注記表示や注記対象物の種類や設計に応じて適宜追加、変更、削除することが可能である。例えば、当該駅に乗り入れている電車の路線における位置(始発、終着)や、当該駅が存在する位置(所定都市内に存在するか否か)等の条件を属性情報として設定することができる。また、例えば、当該駅の1日あたりの平均乗降客数を属性情報として設定してもよい。一方、例えば、注記表示が「インターチェンジ名」である場合は、注記対象物である当該インターチェンジに乗り入れている道路の種類別に属性情報を設定することもできる。
【0046】
地域区分情報DB33は、対象となる地図を複数の地域に区分するための地域区分情報を格納する。具体的には、図3に示すように、地域を一意に特定するための地域ID、地域名、当該地域の領域を画定する座標(東端、西端、北端、南端)を対応付けて格納する。本実施形態では、「大都市圏中心部」地域と「大都市圏」地域とが設定されており、「大都市圏中心部」及び「大都市圏」のいずれにも該当しない地域は、「全国」地域として設定されている。なお、地域の区分の仕方は図3に示すものに限られず、さらに詳細に(例えば、4つ以上)に区分するなど、対象となる地図の領域や設計に応じて適宜追加、変更、削除することが可能である。
【0047】
地域別重みDB34は、地域毎に重み情報を格納する。具体的には、図4に示すように、地域と属性情報とが対応付けて格納され、地域は、地域区分設定手段211によって設定された地域ID及び地域名(大都市圏中心部、大都市圏、全国)に対応し、属性情報は、注記データDB32の属性情報(属性情報1〜属性情報5)に対応する。各属性情報の対応する領域には、当該属性情報に適用される重み係数が格納される。本実施形態では、大都市圏中心部≦大都市圏≦全国地域となるように重み係数が設定されているが、重み係数の値は設計等に応じて適宜変更することが可能である。
【0048】
得点DB35は、得点付与手段213によって付与される得点を含む得点注記データを格納する。具体的には、図5に示すように、計算された得点と、当該得点が付与される注記表示の注記表示ID及び注記表示(駅名)と、当該注記表示の緯度・経度とを対応付けて格納する。
【0049】
地図DB36は、図示してはいないが、表示用地図データ生成手段224によって生成された表示用地図データを表示縮尺毎に格納する。
【0050】
なお、上述した注記データDB32、地域区分情報DB33、地域別重みDB34、得点DB35、表示用地図データDB36のデータ構造は、上述した構造や項目に限られず、例えば、設計に応じて適宜項目の追加/変更/削除が可能である。
【0051】
入力手段40は、利用者による操作及び入力のためのものであり、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどを含む。また、タッチパネルであってもよい。出力手段である表示手段50に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、また、キー等を操作して、地域区分情報や重み情報等の入力を含む種々の入力操作を行うものである。
【0052】
表示手段50には、メニュー画面や表示縮尺に応じた地図などを表示するためのものであり、その内容に限定はないが、例えば液晶ディスプレイ等が該当する。ユーザが入力手段40を操作すると、地域区分情報や重み情報等の設定を行うための入力画面等を表示する。また、地図表示制御手段225によって読み出された表示用地図データに基づく地図を表示する。
【0053】
(地図情報処理装置1の動作の概要)
次に、上記のように構成される地図情報処理装置1の動作の概要について説明する。
【0054】
図6は、地図情報処理装置1による得点注記データ作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、後述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0055】
地域区分設定手段211は、例えば入力手段40を介して地図作成者より入力された地域区分情報を受け付けると(S100)、この受け付けた地域区分情報を地域区分情報DB33に格納する(S101)(図3参照)。例えば、地図作成者より地域名と座標情報とを受け付けた場合は、地域IDを付与して地域区分情報DB33に格納する。
【0056】
重み設定手段212は、例えば入力手段40を介して地図作成者より入力された地域別の重み情報を受け付けると(S102)、この受け付けた地域別の重み情報を地域別重みDBに格納する(S103)(図4参照)。
【0057】
得点付与手段213は、注記データDB32から対象となる注記データ(対象注記データ)を読み出し、この読みだした対象注記データに含まれる座標(緯度・経度)に基づいて、地域区分情報DB33を参照することにより、対象となる注記表示(及び/又は注記対象物)が属する地域を特定する(S104)。例えば、得点付与手段213は、図2に示す「XXX駅」が、「大都市圏中心部」「大都市圏」「全国」のいずれに属するか特定し、特定した地域の地域IDを注記データDB32に格納する。図2では、「全国」に対応する地域IDが格納されている。
【0058】
得点付与手段213は、地域が特定されると、当該地域の属性情報別の重みを、地域別重みDB34から読み出す(S105)。また、注記データDB32から当該注記表示の注記対象物の各属性情報を読み出して、当該読み出した注記対象物の各属性情報に対して、地域別重みDB34から読みだした属性情報別の重みに基づいて、それぞれ重み付けする。例えば、得点付与手段213は、各属性情報に該当する重みを乗算し、乗算結果を合計することにより得点を算出する(S105)。注記表示が図2に示す「XXX駅」であり、特定された地域が「全国」である場合、「XXX駅」の得点は、属性情報1(0×100)+属性情報2(0×55)+属性情報3(1×35)+属性情報4(0×22)+属性情報5(1×13)=48と算出される。なお、各属性情報に対して重み付けを行う構成はこれに限られず、設計等に応じた重みづけの構成を適宜採用することができる。
【0059】
得点注記データ格納手段214は、算出された得点と、対応する注記表示及び座標(緯度・経度)とを対応付けて、得点注記データとして得点DB35に格納する(S106)。
【0060】
得点注記データ格納手段214は、全ての注記表示について得点を算出したか否かを判定し(S107)、全ての注記表示について得点を算出していない場合は(S107;NO)、S104に戻り、次の注記表示について得点を算出する。一方、全ての注記表示について得点を算出した場合は(S107;YES)、得点DB35に格納された得点注記データを、得点をキーに昇順にソートする(S108)。
【0061】
以上によれば、注記表示に対して当該注記表示の注記対象物の属性情報に基づいて算出された得点が付与されるので、注記表示の重要度を客観的基準に基づいて数値化することが可能になる。その結果、表示縮尺毎に地図に表示すべき注記表示の選択が容易になる。
【0062】
以下、このように作成された得点注記データを用いて表示縮尺に応じた注記表示を選択し、表示用地図データを生成及び表示する処理の一例を説明する。なお、得点注記データを用いて表示縮尺に応じた注記表示を選択する処理は、以下に説明する処理内容に限られず、仕様や設計に応じた適宜変更可能である。
【0063】
図7は、地図情報処理装置1による地図作成表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、後述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0064】
表示縮尺決定手段221は、対象となる表示縮尺(対象縮尺)を決定する(S201)。対象縮尺は、例えば入力手段40を介して地図製作者より入力された縮尺条件に基づいて決定してもよいし、予め設定された最少縮尺値、最大縮尺値及び縮尺単位などに基づいて対象縮尺が段階的に自動決定されるように構成してもよい。
【0065】
注記データ抽出手段222は、対象縮尺に対応して設定される抽出条件に合致する得点注記データを、得点DB35から抽出する(S202)。抽出条件には、例えば、基準順位(例えば、「上位Xまで」等)や基準得点(例えば、「Y得点以上」等)を適用することができる。基準順位や基準得点の値は、得点の高い注記表示を優先的に抽出しつつ、対象縮尺が大きくなるにつれて注記表示量が多くなるように、一方、対象縮尺が小さくなるにつれて注記表示量が少なくなるように、設定される。例えば、対象縮尺が大きくなるにつれて、基準順位を段階的に下げるように(例:上位100位まで→上位200位まで→上位300位まで)、あるいは、基準得点を段階的に下げるように(例:150点以上→125点以上→100点以上)設定することができる。
【0066】
次に、表示用地図データ生成手段224は、対象縮尺に該当する地図データを地図データDB31から読み出す(S203)。
【0067】
表示用地図データ生成手段224は、抽出された得点注記データに含まれる注記表示を、当該注記表示の位置情報に基づいて、地図データDB31から読みだした地図データの該当位置に書き込む(S204)。表示用地図データ生成手段224は、注記表示が書き込まれた地図データを、表示用地図データDB36に格納する(S205)。
【0068】
なお、地図データへの注記表示の書き込みにおいて、注記表示の書き込み位置が近接あるいは重複する場合、すなわち、これから注記表示を書き込もうとしている位置に既に他の注記表示が書き込まれている場合がある。このような場合には、得点の高い注記表示が優先されるように制御することができる。例えば、表示用地図データ生成手段224は、抽出された得点注記データに含まれる注記表示を、得点の高い順に書き込むように制御し、これから注記表示を書き込もうとしている位置に既に他の注記表示が書き込まれている場合には、当該注記表示の書き込みを行わない。これにより、得点の高い注記表示が地図データ上に維持される。また、他の例として、表示用地図データ生成手段224は、すでに書き込まれている他の注記表示の得点と、これから書き込もうとしている注記表示の得点とを比較し、これから書き込もうとしている注記表示の得点の方が高い場合は、注記表示を既に書き込まれている注記表示に上書きするようにしてもよい。
【0069】
表示用地図データ生成手段224は、対象縮尺について抽出された全ての注記表示について、書き込み処理が終了したか否か(表示用地図データを生成したか否か)を判定し(S206)、終了していない場合は(S206;NO)、S204に戻り、次の該当する注記表示について書き込み処理を繰り返す。例えば、注記表示が「上位100位」まで抽出されている場合には、当該上位100位分の注記表示を地図データ上に書き込む。
【0070】
一方、書き込み処理が終了している場合は(S206;YES)、表示用地図データ生成手段224は、全ての表示縮尺について、注記表示の抽出及び書き込み処理が終了しているか否か(表示用地図データを生成したか否か)を判定し(S207)、終了していない場合は(S207;NO)、S201に戻り、次の該当する対象縮尺について、注記表示の抽出及び書き込み処理を繰り返す。
【0071】
一方、注記対象物の抽出及び書き込み処理が終了している場合は(S207;YES)、表示用地図データ生成手段224は、地図生成処理を終了する。
【0072】
地図表示制御手段225は、表示用地図データ生成手段224が生成した表示用地図データが表示装置に表示されるように制御する(S208)。表示用地図データを表示する表示装置は、表示手段50やネットワークを介して接続された情報処理端末が備える表示装置などが該当する。地図表示制御手段225は、例えば通信手段10を介して接続された情報処理端末から地図表示要求を受け付けると、地図表示要求に含まれる表示縮尺及び表示位置に基づいて、表示用地図データDB36から該当する地域の縮尺の表示用地図データを検索し、この検索した表示用地図データを情報処理端末へ送信する。情報処理端末は、表示用地図データを受信すると、これをディスプレイ等の表示装置に表示する(S208)。
【0073】
図8は、このようにして表示される地図の一例を示す図である。図8(A)は、表示縮尺1/Xで表示した地図であり、図8(B)は、表示縮尺1/Y(Y<X)で表示した地図である。なお、ここでは、便宜上、注記表示は、駅名ではなく得点によって示している。同図に示すように、表示縮尺1/Xでは得点の高いものが表示され、表示縮尺1/Yではさらに低いものまで表示されている。また、大都市圏地域と全国地域にそれぞれ注記表示(駅名)が表示されている。
【0074】
以上、本実施形態によれば、注記表示に対して、当該注記表示の注記対象物の属性情報に基づいて算出した得点を付与することとしたので、注記表示の重要度を客観的基準に基づいて数値化することができる。その結果、表示縮尺に応じて表示すべき注記表示を客観的基準に基づいて選択することが可能になり、地図製作者の労力や時間が大幅に軽減されるとともに、表示用地図データの作成がより効率的になる。
【0075】
また、本実施形態によれば、表示すべき注記表示を当該注記表示の得点に基づいて選択するので、表示縮尺に応じて表示すべき注記表示の量及び質を適切にコントロールすることが可能なる。また、注記表示の重要度の高いものから優先的に表示することができるので、例えば、利用者が縮尺を段階的に大きくした場合には、重要度の高いものから低いものが徐々に追加表示され、一方、利用者が縮尺を段階的に小さくした場合には、重要度の低いものが徐々に削除され重要度の高いものだけが残るので、利用者の読図性を向上させることができる。また、地図の縮尺により必要(重要)な施設の注記表示が地図上に表示されない場合があったが、本実施形態に係る地図情報処理装置により提供される地図には、必要(重要)な施設の注記表示が地図上に表示されるようになる。
【0076】
さらにまた、本実施形態によれば、各注記表示の得点に地域差が生じないように重みづけをしているので、表示縮尺毎に一定の抽出基準を設けた場合でも、例えば都市エリアに注記表示が集中して表示され、地方エリアには注記表示がほとんど表示されていないなどの事態を回避することができ、地図に表示される注記表示の均質化を図ることが可能になる。
【0077】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0078】
たとえば、上記実施形態では、注記表示が「駅名」である場合について説明したが、本発明が適用される注記表示は地図上の対象物に関するものであればよく、例えば、「インターチェンジ名」、「デパート名」、「市町村名」、「公園名」などについても適用可能である。この場合、各注記表示の注記対象物に対応した属性情報を設定することができる。例えば、「インターチェンジ名」の場合には、当該インターチェンジに乗り入れている道路の種類別に属性情報を設定することもできる。なお、これらの属性情報は、注記表示が「交差点名」である場合にも、同様に適用することできる。また、注記表示が「デパート名」の場合には、例えば、「売上高」「売り場面積」「立地」「利用者平均数」などを属性情報として設定することができる。
【0079】
また、上記実施形態で説明した地域別重みDBの重み情報を、一定の基準に従って動的に変更する重み変更手段を設けてもよい。重み変更手段が適用する一定の基準には、例えば、利用者の利用状況を設定することができる。例えば、図4に示す地域別重みDB34では、A線(属性情報1)の重み係数はD線(属性情報4)の重み係数よりも大きな値が設定されているが、重み変更手段は、地図の利用者がA線よりもD線に興味があると判定した場合には、D線(属性情報4)の重み係数がA線(属性情報1)の重み係数よりも大きくなるように、D線(属性情報4)の重み係数の値を変更する。利用者の興味の度合は、例えば、地図検索の際に利用者に所望の電車の種類を直接選択させてもよいし、利用者がルート検索を利用している場合には、当該検索されたルート上に存在する電車の種類により判断することが可能である。
【0080】
また、上記実施形態では、得点DB35から表示縮尺に応じた得点注記データを抽出して表示用地図データを生成する場合について説明したが、得点DB35から得点注記データを表示縮尺毎に予め抽出して表示縮尺別得点注記データファイルを用意しておき、この表示縮尺別得点注記データファイルを用いて表示用地図データを生成するようにしてもよい。
【0081】
また、特定の地域の表示用地図データを生成する場合には、得点DB35から当該特定の地域(例えば、九州地域)に属する注記表示を抽出し、この抽出結果から各表示縮尺の抽出条件を具備する注記表示をそれぞれ抽出して、当該抽出された注記表示を、当該特定の地域(例えば、九州地域)の各表示縮尺の地図データに書き込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…地図情報処理装置、10…通信手段、20…制御手段、21…得点注記データ作成手段、211…地域区分設定手段、212…設定手段、213…得点算出手段、214…得点注記データ格納手段、22…地図作成表示手段、221…表示縮尺決定手段、222…注記データ抽出手段、223…地図データ抽出手段、224…表示用地図データ生成手段、225…地図表示制御手段、30…記憶手段、31…地図データDB、32…注記データDB、33…地域区分情報DB、34…地域別重みDB、35…得点DB、36…表示用地図データDB、40…入力手段、50…表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地域に区分された、縮尺の異なる複数の地図に関する地図データを格納する地図データ記憶手段と、
前記地図上に表示される注記表示に関する注記表示情報と、当該注記表示の対象物の位置情報と、当該注記表示の対象物の属性情報と、を対応づけた注記データを格納する注記データ記憶手段と、
前記地図の地域毎に設定される、前記注記表示の対象物が取り得る属性情報と当該属性情報に付与される重みとを対応付けた重み情報を格納する地域別重み記憶手段と、
前記対象物が属する地域を、前記注記データ記憶手段に格納される前記位置情報に基づいて特定し、特定された前記対象物が属する地域について設定された重み情報を、前記地域別重み記憶手段から特定する重み特定手段と、
前記注記表示の対象物の属性情報を前記注記データ記憶手段から読み出し、読み出した属性情報に対して前記重み特定手段により特定された重み情報に基づく重み付けを行って集計することにより、前記注記表示の得点を算出する算出手段と、
前記得点と前記注記表示とを対応付けて格納する得点注記データ記憶手段と、
前記得点のうち、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、選択した得点に対応する注記表示を、前記得点注記データ記憶手段から抽出する注記表示抽出手段と、
前記指定された縮尺に該当する地図の地図データを前記地図データ記憶手段から抽出する地図データ抽出手段と、
前記抽出された注記表示を、前記抽出された地図データに基づく地図上に重畳させた状態で表示させるように制御する地図表示制御手段と、
を備える地図情報処理装置。
【請求項2】
前記縮尺に応じた一定の得点範囲は、当該縮尺の変化に従って変化するように設定されることを特徴とする請求項1に記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
前記注記表示抽出手段は、
縮尺毎に設定される基準得点に基づいて、前記得点注記データ記憶手段に格納されている得点のうち指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択することを特徴とする請求項1に記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
前記得点注記データ格納手段に格納されている得点注記データが、当該得点注記データに含まれる得点をキーに並び替えて格納されている場合に、
前記注記表示抽出手段は、
縮尺毎に設定される基準順位に基づいて、前記得点注記データ記憶手段に格納されている得点のうち指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択することを特徴とする請求項1に記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
地図情報処理装置における地図情報処理方法であって、
前記地図情報処理装置は、
複数の地域に区分された、縮尺の異なる複数の地図に関する地図データを格納する地図データ記憶手段と、
前記地図上に表示される注記表示に関する注記表示情報と、当該注記表示の対象物の位置情報と、当該注記表示の対象物の属性情報と、を対応づけた注記データを格納する注記データ記憶手段と、
前記地図の地域毎に設定される、前記注記表示の対象物が取り得る属性情報と当該属性情報に付与される重みとを対応付けた重み情報を格納する地域別重み記憶手段と、を備え、
前記対象物が属する地域を、前記注記データ記憶手段に格納される前記位置情報に基づいて特定し、特定された前記対象物が属する地域について設定された重み情報を、前記地域別重み記憶手段から特定するステップと、
前記注記表示の対象物の属性情報を前記注記データ記憶手段から読み出し、当該読み出した属性情報に対して前記重み特定手段により特定された重み情報に基づく重み付けを行って集計することにより、前記注記表示の得点を算出するステップと、
前記得点と前記注記表示とを対応付けて得点注記データ記憶手段に格納するステップと、
前記得点のうち、指定された縮尺に応じた一定の得点範囲内に属する得点を選択し、当該選択した得点を有する注記表示を、前記得点注記データ記憶手段から抽出するステップと、
前記指定された縮尺に該当する地図の地図データを前記地図データ記憶手段から抽出するステップと、
前記抽出された注記表示を、前記抽出された地図データに基づく地図上に重畳させた状態で表示させるように制御するステップと、
を備える地図情報処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−81198(P2011−81198A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233518(P2009−233518)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】