説明

地図情報提供システム

【課題】地図利用者の移動能力を考慮した段階的な地図を提供することのできる地図情報提供システムの提供
【解決手段】地図情報提供サーバ200の歩行履歴管理部210は、携帯端末106〜108から繰り返し送信される歩行履歴情報(移動履歴情報)を記録する。歩行履歴情報(移動履歴情報)には、送信者の歩行能力レベル情報自体あるいは歩行能力レベルを特定可能な情報(ID等)が含まれている。地図作成提供部220は、携帯端末106〜108やその他の固定端末、携帯端末等からの移動用地図の要求を受け付け、要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記歩行能力レベルが適合する歩行履歴情報(移動履歴情報)を重ね合わせて歩行用地図を作成・送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報の提供方法、地図情報提供システム、これに用いる装置及びプログラムに関し、特に、地図を利用する者の移動能力を考慮した地図を提供する方法、地図情報提供システム、これに用いる装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS機能付き携帯電話の普及により、歩行者用のルート案内(歩行者用ルートナビゲーション)の利用者が増えてきている。一般のルート案内サービスは、健常者が通行できるルートを検索するもので、高齢者や障害者の歩行に障害となる段差、坂道、道幅等を考慮したルート案内は行われていない。
【0003】
車椅子利用者を想定したバリアフリー地図というものが知られているが、真に使える地図を作成するためには、多大な時間と労力を要するため、駅や地下街や公共施設といった限られた場所にのみ作成されているのが現状である。このような事情から、特開2003−240592号公報には、GPS機能付き端末機を用いて、車椅子の通行経路を吸い上げ、地図情報に重ね書きして行うバリアフリー地図の自動作成方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−240592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1によって作成させる地図を含む一般のバリアフリー地図は、各人の移動能力の差が考慮されていないという問題点がある。例えば、手すりがあれば階段を通行できる者や杖を付いて歩行できる者については、必ずしも遠くのスロープに案内する必要はない。また、一口に車椅子といっても、車輪を手で操作するものと、電動式のものがあり、エレベータで最短経路を移動したい、あるいは、多少の遠回りをしても混雑した経路は避けたいという利用者もいるなど、ユーザニーズは様々である。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、地図利用者の移動能力を考慮した段階的な地図を提供することのできる地図情報の提供方法、地図情報提供システム、これに用いる装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点によれば、GPS機能付き携帯端末から受信した携帯端末の移動履歴を用いて移動用地図を作成する地図情報提供サーバであって、前記GPS機能付き携帯端末から、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを受信する手段と、前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと関連付け、移動履歴情報として記録する手段と、少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記移動能力レベルが適合する移動履歴情報を重ね合わせて移動用地図を作成し、送信する手段と、を備えたこと、を特徴とする地図情報提供サーバ及びそのプログラムが提供される。
【0008】
また、本発明の第2の視点によれば、上記した地図情報提供サーバに対して、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルと、位置情報と、を送信する手段を備えて、上記した地図情報提供サーバに前記移動履歴情報を記録させることのできるGPS機能付き携帯端末及びそのプログラムが提供される。
【0009】
また、本発明の第3の視点によれば、上記したGPS機能付き携帯端末と地図情報提供サーバと、を用いた地図情報の提供方法であって、前記GPS機能付き携帯端末が、前記地図情報提供サーバに対して、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを指定した上で、所定時間間隔で、位置情報を繰り返し送信するステップと、前記地図情報提供サーバが、前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと関連付け、移動履歴情報として記録するステップと、少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記地図情報提供サーバが、前記移動能力レベルが適合する移動履歴情報と前記地図範囲に適合する地図情報を合成して移動用地図を作成し、送信するステップと、を含むこと、を特徴とする地図情報の提供方法と該方法の実施可能な地図情報提供システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地図利用者の移動能力に応じた複数の地図を容易に作成することが可能となる。その理由は、地図作成者乃至その協力者が移動能力レベルを指定し、GPS機能付き携帯端末を持って歩くだけで移動履歴情報を収集可能とするとともに、移動能力レベルに適合する移動用地図を作成・提供できるよう構成したことにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、図1を参照して、本発明の概要について簡単に説明する。ここでは、健常者、高齢者、車椅子利用者の3段階の歩行能力レベルにユーザを層別し、健常者102、高齢者103、車椅子利用者104が、それぞれ、携帯端末106〜108を所持するものとして説明する。
【0012】
携帯端末106〜108は、GPS衛星101から測位データを受信するGPS機能を備えた携帯電話等の端末装置である。携帯端末106〜108は、基地局109を介して、地図情報提供サーバ200に接続可能となっている。
【0013】
地図情報提供サーバ200は、歩行履歴管理部210と、地図作成提供部220とを備えた情報処理装置である。歩行履歴管理部210は、携帯端末106〜108から繰り返し送信される歩行履歴情報(移動履歴情報)を記録する。歩行履歴情報には、送信者の歩行能力レベル情報自体あるいは歩行能力レベルを特定可能な情報(ID等)が含まれている。地図作成提供部220は、携帯端末106〜108やその他の固定端末、携帯端末等の任意の端末からの移動用地図の要求を受け付け、要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記歩行能力レベル(移動能力レベル)が適合する歩行履歴情報(移動履歴情報)を重ね合わせて移動用地図を作成・送信する。
【0014】
このように地図情報提供サーバ200において、それぞれ歩行(能力)レベルの異なるユーザの実際の歩行履歴(移動履歴)がリアルタイムに入手される。そして、ユーザが要求する歩行(能力)レベルに応じた歩行履歴(移動履歴)と一般の地図情報とを重ね合わせることにより、実用性の高い移動用地図が自動的に作成・提供可能となる。
【0015】
続いて、上記本発明の骨子を具現するための詳細構成について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る地図情報提供システムの構成を表した図である。ユーザの歩行(能力)レベルについては、より細かい層別を行うことも可能であるが、以下、図1と同様に、健常者、高齢者、車椅子利用者の3段階の歩行(能力)レベルのユーザが本システムを利用するものとして説明する。
【0016】
携帯端末106〜108は、GPS衛星101から測位データを受信するGPS機能を備えた携帯電話等の端末装置であり、例えば、メニュー画面より項目「地図作成」を選択することにより、地図作成モードに移行し、地図情報提供サーバ200へ自動接続を行う。そして、地図情報提供サーバ200に接続した後は、携帯端末106〜108は、GPS衛星101から受信した測位情報に基づいて地図情報提供サーバ200に対して歩行履歴情報(登録ID(ID)、日時情報(Time)、位置情報(Point)の必須項目と任意の特定施設情報(Facility)を含む)を繰り返し送信する動作を行う。
【0017】
地図情報提供サーバ200は、情報受信部201と、ユーザ情報管理部202と、地図要求受付部203と、歩行履歴管理部210と、特定施設情報登録部204と、地図情報管理部205と、地図作成提供部220と、から構成される。
【0018】
情報受信部201は、携帯端末106〜108から受信する歩行履歴情報に含まれる登録ID(ユーザID)がユーザ情報管理部202に登録されているか否か、特定施設情報が付されているか否かを確認するとともに、その確認結果に応じて、歩行履歴情報を破棄、歩行履歴管理部210又は特定施設情報登録部204に引き渡す処理を行う。
【0019】
ユーザ情報管理部202は、登録ID(ユーザID)と各ユーザの歩行(能力)レベルを含むユーザ属性情報等を管理する手段である。
【0020】
地図要求受付部203は、適宜の入力装置あるいはインターネット上のWEBサイト等から、歩行(能力)レベルと、必要とする地図範囲、地図を使用する時間帯、特定施設のマーカーの出力要否等の作成条件を指定した地図の作成要求を受け付ける手段である。
【0021】
歩行履歴管理部210は、歩行履歴情報に含まれる位置情報を登録する位置情報登録部211、歩行履歴情報の送信日時を登録する時間情報登録部212、歩行履歴情報送信者の歩行(能力)レベルを登録する歩行レベル情報登録部213を含んで構成され、これらに共通して与えられる登録番号nを用いて登録ユーザの歩行履歴情報を管理する手段である。
【0022】
特定施設情報登録部204は、携帯端末106〜108より、多目的トイレ(バリアフリートイレ)、エレベーター、各種公共施設、工事区域等の”特定施設”の所在の登録を受け付ける手段である。一方、地図作成モードにて歩行履歴情報の送信中の携帯端末106〜108の数字キーは、”特定施設”の種類に割り当てられている。従って、携帯端末106〜108において、例えば、数字キー「1」が押下されると、数字キー「1」に対応する「多目的トイレ(バリアフリートイレ)」が当該位置にある旨の歩行履歴情報が送信される。このようにして、少ないユーザ負担で”特定施設”に関する情報を収集することが可能となっている。
【0023】
地図情報管理部205は、各種縮尺にて作成された一般の地図情報(素地図)を格納する手段である。この一般の地図情報(素地図)に他のユーザの歩行履歴(移動履歴)や特定施設の所在をプロットすることにより本発明でいうところの移動用地図が作成される。
【0024】
また、地図作成提供部220は、地図要求受付部203より指定された条件に適合する歩行履歴情報を検索する条件選択部221と、地図情報管理部205より取得した地図情報に、条件選択部221にて検索された歩行履歴情報と特定施設情報登録部204より取得した特定施設情報とを重ねた移動用地図を作成する地図作成部222と、地図作成部222にて作成された移動用地図を送信する地図送信部223より構成される。
【0025】
続いて、上記構成よりなる地図情報提供サーバ200の動作について図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る地図情報提供システムの動作を表した図3を参照して、移動用地図の前提となる移動履歴収集過程について説明する。
【0026】
地図情報提供サーバ200の情報受信部201は、地図作成モードで動作する携帯端末106〜108より歩行履歴情報を受信する(ステップ301)と、ユーザ情報管理部202の登録IDと比較し、携帯端末106〜108のユーザが正規の登録ユーザであるか否かを確認する(ステップ302)。
【0027】
ステップ302の確認の結果、歩行履歴情報が正規の登録ユーザからのものでない場合、歩行履歴情報は破棄される(ステップ302のNo)。一方、歩行履歴情報が正規の登録ユーザからのものである場合(ステップ302のYes)、地図情報提供サーバ200の情報受信部201は、受信したデータに特定施設情報が付されているか否かを確認する(ステップ303)。
【0028】
ステップ303の確認の結果、受信したデータに特定施設情報が付されている場合(ステップ303のYes)、歩行履歴情報に含まれる各情報は、後に説明するように、特定施設情報登録部204に送られ、特定施設情報として登録される(ステップ307、308)。
【0029】
一方、ステップ303の確認の結果、受信したデータに特定施設情報が付されていない場合(ステップ303のNo)、地図情報提供サーバ200の情報受信部201は、ユーザ情報管理部202から当該歩行履歴情報のIDに対応する歩行(能力)レベルを読み出す(ステップ304)。
【0030】
歩行(能力)レベルの読み出しが完了すると、地図情報提供サーバ200の情報受信部201は、歩行(能力)レベル(Level)、日時情報(Time)、位置情報(Point)に共通して与えられる登録番号nを生成する(ステップ305)。
【0031】
登録番号nの生成が完了すると、歩行履歴情報は、歩行履歴管理部210に送られ、登録番号nを用いて、歩行(能力)レベル(Level_n)、日時情報(Time_n)、位置情報(Point_n)というように相互に関連付けて保存される(ステップ306)。
【0032】
一方、歩行履歴情報に特定施設情報が付されており特定施設情報として登録する場合、地図情報提供サーバ200の情報受信部201は、日時情報(Time)、位置情報(Point)、特定施設情報(Facility)に共通して与えられる登録番号mを生成する(ステップ307)。
【0033】
登録番号mの生成が完了すると、歩行履歴情報は、特定施設情報登録部204に送られ、登録番号mを用いて、日時情報(Time_m)、位置情報(Point_m)、特定施設情報(Facility_m)というように相互に関連付けて保存される(ステップ308)。
【0034】
続いて、図4を参照して、上記のようにして収集した歩行履歴情報及び特定施設情報を用いた移動用地図の作成過程について説明する。
【0035】
はじめに、地図情報提供サーバ200の地図要求受付部203が、地図を必要とする者から直接あるいは、その者が操作する端末等から地図の作成条件を受け付ける(ステップ401)。ここでは、地図作成範囲(Range_x)、歩行(能力)レベル(Level_x)、必要な時間帯(Time_Zone_x)、特定施設の出力=ON(Facility_x)が指定されたものとして説明する。
【0036】
地図の作成条件が入力されると、地図情報提供サーバ200の条件選択部221は、まず、地図情報管理部205より、地図作成範囲(Range_x)に対応する地図情報(Map_xとする)を読み出し、地図作成部222に送る(ステップ402)。
【0037】
続いて、地図情報提供サーバ200の条件選択部221は、歩行履歴管理部210より、地図作成範囲(Range_x)に含まれる位置情報(Point)を有するすべての歩行履歴情報を読み出す(ステップ403)。
【0038】
続いて、地図情報提供サーバ200の条件選択部221は、地図の作成条件に適合する歩行履歴情報を出力地点情報(Point_y)として地図作成部222に出力する(ステップ404)。本例では、地図作成範囲(Range_x)、歩行(能力)レベル(Level_x)、必要な時間帯(Time_Zone_x)が指定されているため、歩行(能力)レベル(Level_n)、日時情報(Time_n)、位置情報(Point_n)のすべてが前記地図作成条件を満たす歩行履歴情報のみが移動用地図に出力されることとなる。
【0039】
地図作成部222は、ステップ402で出力された地図情報(Map_x)と、出力地点情報(Point_y)を用いて通行可能なルートの色を変える等の適当な画像処理を施して、地図作成要求で指定された歩行(能力)レベル、時間帯に適合した移動用地図(Map_y)を作成する(ステップ405)。
【0040】
更に、地図情報提供サーバ200の条件選択部221は、地図の作成条件に特定施設の出力要否(Facility_x)が指定されているか否かを確認する(ステップ406)。
【0041】
本例では、特定施設の出力=要と指定されているため、地図情報提供サーバ200の条件選択部221は、特定施設情報登録部204より、地図作成範囲(Range_x)に属する特定施設情報を読み出し、地図作成部222に送信する(ステップ407)。
【0042】
地図作成部222は、ステップ405で作成した地図情報(Map_y)に、更に、ステップ407で読み出された特定施設情報を重ね書きし、特定施設情報の所在地がプロットされた移動用地図(Map_y)を作成する(ステップ408)。
【0043】
ステップ405あるいはステップ408で作成された移動用地図(Map_y)は保存され、地図送信部223より送信可能な状態となる(ステップ409)。
【0044】
以上のとおり、同程度の歩行能力を有する他のユーザ又は地図作成協力者の実際の移動軌跡が描かれた地図を同程度の歩行能力を有する者に提供することが可能となる。例えば、10cmまでの段差であれば歩行可能な高齢者であれば、車椅子利用者用のバリアフリー地図ではなく、10cmまでの段差しかない経路地図の作成に必要な歩行履歴(移動履歴)を提供し、また、自らもそのサービスを受けることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、地図を必要とする時間帯を考慮して歩行履歴が検索されるよう構成したため、歩行能力的には問題はないが、当該時間に通行が激しく事実上通行困難なルートや、夜間に照明がなく危険なルートが提示されず、人ごみや夜道の一人歩きが避けられるようになっている。
【0046】
また更に、地図情報提供サーバにおいて、各基地局におけるGPS機能付き携帯端末を含む携帯端末の端末密度情報を入手可能であれば、前記の移動用地図に、所定の区画単位の端末密度情報を重ね合わせることも有効である。端末密度情報が高いということは、人出が多いということであり、これによっても、人ごみや夜道の一人歩きを避けることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、元となる地図情報に登録された特定施設情報に加えて、広くユーザから各種施設に関する情報を収集可能としたため、他のユーザ又は地図作成協力者が歩行中に見つけた警察、車椅子用トイレ、工事区域等の”特定施設”の最新情報が反映された移動用地図を提供することが可能である。
【0048】
また、上記した実施形態では、健常者、高齢者、車椅子利用者との3段階の歩行能力レベルに分けるものとして説明したが、本発明の原理からすれば、より多段階のレベルに分けることも可能である。例えば、ユーザ登録の際に、階段を上り下りできるか否か、エスカレータを利用可能か否か、長距離の坂路移動が困難か等の簡単なアンケートに答えさせることとすれば、より細かい移動能力レベルに応じた歩行履歴(移動履歴)を収集し、また、より細かい移動能力レベルに応じた移動用地図を提供することも可能である。特に、複数の移動能力レベル判定項目を指定して歩行履歴(移動履歴)を収集・登録させることとすれば、複数の移動能力レベル判定項目の組み合わせにより地図の作成条件を設定することが可能となる。
【0049】
また、上記した実施形態では、歩行(能力)レベル(Level_n)が一致する歩行履歴情報を地図に出力するものとして説明したが、歩行(能力)レベルの歩行履歴が登録されていない場合は最寄りの段階の歩行(能力)レベルの歩行履歴情報を出力できるようにしてもよい。このようにすれば、自分と同一レベルの歩行(能力)レベルの歩行履歴が登録されていなくとも、最寄りの歩行(能力)レベルの歩行履歴を参考にして移動を行い、歩行履歴情報を登録することが可能となる。
【0050】
また、上記した実施形態では、歩行履歴に含まれる日時情報(Time_n)は、地図を作成する際の条件(時間帯)との照合のみに用いられているが、過去1週間、過去1ヶ月等、ある程度古くなった歩行履歴を表示しないよう制御することも好ましい。このようにすれば、工事等で通行できていた道が通行できなくなる等のケースにも対応することが可能となる。
【0051】
また、上記した実施形態では、上記日時情報(Time_n)は携帯端末側からの歩行履歴情報に含めるものとして説明したが、歩行履歴情報の受信時に地図情報提供サーバ200側で記録することとしてもよい。
【0052】
更に、歩行履歴の登録時に、携帯端末側あるいは地図情報提供サーバ側より入力された気象情報(天気、気温等)等を関連付けて登録させるとともに、要求された地図範囲の気象と、同一条件の気象情報が関連付けられた歩行履歴情報のみを用いて地図を作成するよう構成することも好ましい。このようにすれば、雨の日は屋根があって水溜りが無い道が表示される、暑い日・寒い日はなるべく空調の聞いた建物内を通るといった地図利用時の天気にマッチした移動用地図を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る地図情報提供システムの概要を表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る地図情報提供システムの詳細構成を表した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る地図情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る地図情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
101 GPS衛星
102 ユーザ(健常者)
103 ユーザ(高齢者)
104 ユーザ(車椅子利用者)
106〜108 携帯端末
109 基地局
200 地図情報提供サーバ
201 情報受信部
202 ユーザ情報管理部
203 地図要求受付部
204 特定施設情報登録部
205 地図情報管理部
210 歩行履歴管理部
211 位置情報登録部
212 時間情報登録部
213 歩行レベル情報登録部
220 地図作成提供部
221 条件選択部
222 地図作成部
223 地図送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS機能付き携帯端末から受信した携帯端末の移動履歴を用いて移動用地図を作成する地図情報提供サーバであって、
前記GPS機能付き携帯端末から、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを受信する手段と、
前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと関連付け、移動履歴情報として記録する手段と、
少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記移動能力レベルが適合する移動履歴情報を重ね合わせて移動用地図を作成し、送信する手段と、を備えたこと、
を特徴とする地図情報提供サーバ。
【請求項2】
GPS機能付き携帯端末から受信した携帯端末の移動履歴を用いて移動用地図を作成する地図情報提供サーバであって、
前記GPS機能付き携帯端末から、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを受信する手段と、
前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと受信時刻と関連付け、移動履歴情報として記録する手段と、
少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記移動能力レベルと時間帯が適合する移動履歴情報を重ね合わせて移動用地図を作成し、送信する手段と、を備えたこと、
を特徴とする地図情報提供サーバ。
【請求項3】
更に、前記GPS機能付き携帯端末から現在地にある施設に関する情報を受信する手段を備えて、
前記施設に関する情報をプロットした移動用地図を作成し、送信すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の地図情報提供サーバ。
【請求項4】
前記GPS機能付き携帯端末から、前記移動能力レベルと、必要とする地図範囲とを指定した移動用地図の要求を受けた場合に、
前記GPS機能付き携帯端末に対して、前記受信した移動能力レベルと同一若しくは最寄りの移動能力レベルの移動履歴情報を用いた移動用地図を作成し、送信すること、
を特徴とする請求項1乃至3いずれか一に記載の地図情報提供サーバ。
【請求項5】
更に、前記移動用地図を構成する区域毎に前記GPS機能付き携帯端末を含む携帯端末の端末密度情報を管理する手段を備え、
前記端末密度情報を重ね合わせた移動用地図を作成し、送信すること、
を特徴とする請求項1乃至4いずれか一に記載の地図情報提供サーバ。
【請求項6】
過去所定期間内に記録された移動履歴情報のみを用いて前記移動用地図を作成すること、
を特徴とする請求項1乃至5いずれか一に記載の地図情報提供サーバ。
【請求項7】
更に、前記移動履歴情報と、該移動履歴情報に対応する地図範囲の気象情報とを関連付けて記録する手段と、
前記移動用地図の要求を受けた際に、前記要求された地図範囲の現在の気象に対応する気象情報が関連付けられた移動履歴情報を用いて前記移動用地図を作成すること、
を特徴とする請求項1乃至6いずれか一に記載の地図情報提供サーバ。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか一に記載の地図情報提供サーバに対して、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルと、位置情報と、を送信する手段を備えて、
前記地図情報提供サーバに前記移動履歴情報を記録させることのできるGPS機能付き携帯端末。
【請求項9】
特定のキーに地図上に表示すべき施設の種類が割り当てられ、
前記特定のキーを押下することによって、現在地にある施設に関する情報を前記地図情報提供サーバに対して送信できること、
を特徴とする請求項8に記載のGPS機能付き携帯端末。
【請求項10】
請求項1乃至7いずれか一に記載の地図情報提供サーバと、請求項8、9に記載のGPS機能付き携帯端末を含む携帯端末群と、から構成される移動用地図提供システム。
【請求項11】
GPS機能付き携帯端末と、該GPS機能付き携帯端末から携帯端末の移動履歴を受信可能な地図情報提供サーバと、を用いた地図情報の提供方法であって、
前記GPS機能付き携帯端末が、前記地図情報提供サーバに対して、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを指定した上で、所定時間間隔で、位置情報を繰り返し送信するステップと、
前記地図情報提供サーバが、前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと関連付け、移動履歴情報として記録するステップと、
少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記地図情報提供サーバが、前記移動能力レベルが適合する移動履歴情報と前記地図範囲に適合する地図情報を合成して移動用地図を作成し、送信するステップと、を含むこと、
を特徴とする地図情報の提供方法。
【請求項12】
GPS機能付き携帯端末から受信した携帯端末の移動履歴を用いて移動用地図を作成する地図情報提供サーバに実行させるプログラムであって、
前記GPS機能付き携帯端末から、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを受信する処理と、
前記GPS機能付き携帯端末から受信した位置情報を、前記移動能力レベルと関連付け、移動履歴情報として記録する処理と、
少なくとも前記移動能力レベルと地図範囲とを指定した任意の端末からの移動用地図の要求に応じて、前記要求された地図範囲に適合する地図情報に、前記移動能力レベルが適合する移動履歴情報を重ね合わせて移動用地図を作成し、送信する処理と、を前記地図情報提供サーバに実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項1乃至6いずれか一に記載の地図情報提供サーバに対して、地図を利用する者の移動能力の程度を示す移動能力レベルを送信する処理と、
前記地図情報提供サーバに対して、位置情報を繰り返し送信する処理と、を前記GPS機能付き携帯端末に実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−199627(P2007−199627A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20993(P2006−20993)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】