地図情報提供装置、地図情報提供システム、地図情報提供方法および地図情報提供プログラム
【課題】ユーザの手を煩わせることなく、簡単に地図を検索できるようにする。
【解決手段】通信I/F102を通じて例えば地図を撮影するなどして得られた地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける。受け付けた当該地図画像情報を、検索用特徴点抽出部103が解析し、撮影された地図上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を形成する。特徴点マッチング部5が、当該検索用特徴点情報と地図特徴点DB113の地図特徴点情報とをマッチング処理し、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補を特定する。地図情報候補抽出部106が、特定された場所の候補を含む部分の地図情報を取得し、通信I/F102を通じて検索要求元に提供する。
【解決手段】通信I/F102を通じて例えば地図を撮影するなどして得られた地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける。受け付けた当該地図画像情報を、検索用特徴点抽出部103が解析し、撮影された地図上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を形成する。特徴点マッチング部5が、当該検索用特徴点情報と地図特徴点DB113の地図特徴点情報とをマッチング処理し、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補を特定する。地図情報候補抽出部106が、特定された場所の候補を含む部分の地図情報を取得し、通信I/F102を通じて検索要求元に提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザからの要求に応じて、目的とする地図情報を提供するために用いられる装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータとして利用可能な地図情報が整備され、正確で詳細な地図が種々の場面において利用されるようになってきている。例えば、GPS(Global Positioning System)を利用したカーナビゲーションシステムは広く普及しているが、カーナビゲーションシステムでは、正確で詳細な地図情報を用いて、ユーザに対して分かりやすく道案内を行うようにすることが行われている。また、近年においては、携帯電話端末にGPS機能が搭載され、携帯電話端末を通じて歩行者の道案内を行う歩行者用のナビゲーションサービスも提供されるようになってきている。
【0003】
このように、GPS機能を用いて自分の現在位置を取得し、当該現在位置が属する地図を取得して周辺検索を行うようにするといった地図情報の使い方は一般化してきていると言える。しかし、人工衛星からの測位情報を適正に受信できずに、GPS機能を用いて現在位置を測位できない場合もある。
【0004】
このような場合における現在位置を含む地図を取得する方法とて、後に記す特許文献1には、住居表示等を撮影して画像認識を行うことにより位置情報を得て、これに基づいて地図データベースから対応する地図を取得する発明が開示されている。この場合、撮影を行うのは携帯端末であり、画像認識や地図の取得処理を行うのは、携帯端末から撮影画像の提供を受けるサーバ装置である。そして、特許文献1に記載の発明の場合、サーバ装置における画像認識の精度を向上させるため、携帯端末からは撮影して得た画像情報と共に、その画像情報の種別を示すメタ情報をもサーバ装置に提供するようにしている。
【0005】
また、目的とする場所(現地)にユーザが存在しない場合に、当該目的とする場所の地図を取得する方法には、地名などによるキーワード検索が行われる場合が多い。しかし、一度訪れた場所であっても、地名まで正確に覚えていない場合も多い。しかし、当該目的する場所のおおよその周辺環境(店や施設などの相対的位置関係)は覚えている場合がある。このような場合に地図を検索する方法として、後に記す特許文献2には、目的とする場所の周辺環境(店や施設などの相対的位置関係)についての情報を入力することにより、当該目的とする場所の地図を検索する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−11607号公報
【特許文献2】特開2010−72822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来の地図の検索方法では、目的とする場所の地図を速やかに取得できない場合がある。例えば、目的とする場所にユーザが存在しない場合であって、かつ、その場所にユーザが行ったこともなく、地名も正確にはわからないような場合である。しかしながら、地図を検索しようとする場合には、動機が存在するはずであり、地図検索に利用可能な何らかの情報が存在するはずである。例えば、観光案内パンフレットや宿泊施設のパンフレットを入手したが、掲載されている地図が簡略化されたものであるために、その場所の詳細な地図を確認したいといったことはよくあることである。
【0008】
このような場合、入手した観光案内パンフレットや宿泊施設のパンフレットに記載されている地名(住所)等に基づいて、従来のキーワードによる地図検索が可能となる。また、簡略化された地図に基づいて周辺環境についての情報を入力して地図を検索する上述した特許文献2の方法を用いることも可能である。しかし、キーワードや周辺環境についての情報を入力して地図を検索するのは面倒な場合がある。特に、携帯端末などの情報処理端末に不慣れなユーザの場合には、キーワードや周辺環境についての情報を情報処理端末に入力すること自体が容易でない場合もある。
【0009】
また、古い地図が手元にあり、当該古い地図が示す場所の新しい地図を取得したい場合もある。この場合、手元にある地図が古ければ古いほど、地名などが変わっている可能性も高くなり、また、周辺環境も変わっている可能性も高くなる。したがって、古い地図に記載されている地名などの情報や周辺環境などの情報から、上述した従来の方法によっては最新の地図を検索することが難しい場合もあると考えられる。
【0010】
以上のことに鑑み、この発明は、ユーザの手を煩わせることなく、目的とする場所の地図を簡単に検索して取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の地図情報提供装置は、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を提供する提供手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項1に記載の発明の地図情報提供装置によれば、受付手段により、検索用特徴点情報を含む地図の検索要求が受け付けられる。当該検索用特徴点情報は、例えば、地図を撮影して得られた地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等を解析することにより抽出される所定の特徴点の当該地図画像情報上における位置を示すものである。
【0013】
受け付けた当該検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とが、特徴点マッチング手段によりマッチング処理され、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補が特定される。この後、取得手段によって、特徴点マッチング手段により特定された場所の候補を含む部分の地図情報が取得され、この地図情報が提供手段によって提供される。
【0014】
これにより、検索要求元は、地図画像情報を解析することにより形成される検索用特徴点情報を含む検索要求を提供するだけで、検索の元になった地図画像情報に対応する詳細地図等を取得することができるようにされる。より具体的には、検索要求元のユーザは、例えば、パンフレットなどに掲載されている簡略化された地図を撮影して得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報により示される場所の詳細地図等を簡単に取得するなどのことができるようにされる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明の地図情報提供装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備えることを特徴とする。
【0016】
この請求項2に記載の発明の地図情報提供装置によれば、受付手段により、例えば、地図を撮影して得られた地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報等の検索の元になる地図画像情報を含む地図の提供要求が受け付けられる。受け付けられた検索要求に含まれる当該地図画像情報は、検索用特徴点情報抽出手段において解析されて、当該地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報が抽出される。
【0017】
そして、抽出された当該検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とが、特徴点マッチング手段によりマッチング処理され、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補が特定される。この後、取得手段によって、特徴点マッチング手段により特定された場所の候補を含む部分の地図情報が取得され、この地図情報が提供手段によって提供される。
【0018】
これにより、検索要求元は、地図画像情報を含む検索要求を提供するだけで、検索の元になった当該地図画像情報に対応する詳細地図などを取得することができるようにされる。より具体的には、検索要求元のユーザは、例えば、パンフレットなどに掲載されている簡略化された地図を撮影して得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報により示される場所の詳細地図等を簡単に取得するなどのことができるようにされる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ユーザの手を煩わせることなく、目的とする場所の地図を簡単に検索して取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態が適用された地図情報提供システムを説明するための図である。
【図2】地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】撮影することにより得られた地図画像情報の一例を説明するための図である。
【図5】図4に示した地図画像情報(検索用の地図画像情報)から特徴点メモリ104に形成される検索用特徴点情報の例を説明するための図である。
【図6】図5に示した検索用特徴点情報を検索キーとして用いてパターンマッチングの結果得られた詳細地図の一例を示す図である。
【図7】地図情報提供サーバ1からカメラ付携帯電話端末4に提供される場所の候補の一覧リストの一例を説明するための図である。
【図8】カメラ付携帯電話端末4の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】地図情報提供サーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。
【0022】
[地図情報提供システムの概要]
図1は、この発明の装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態が適用された地図情報提供システムを説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の地図情報提供システムは、地図情報提供サーバ1に対して、ネットワーク2を通じてカメラ付き携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…等の通信端末が接続されて形成される。カメラ付き携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、図1に示したように、近隣の基地局3(1)、3(2)、…を通じて、ネットワーク2に接続される。
【0023】
地図情報提供サーバ1は、詳しくは後述もするが、地図データベース等を備え、ネットワーク2を通じて送信されてくる地図の検索要求に応じた地図を地図データベースから検索して抽出し、これを要求元の通信端末に対して提供することができるものである。
【0024】
ネットワーク2は、基地局3(1)、3(2)、…等を含む携帯電話網や各家庭などに設置された固定電話端末等が接続される公衆交換電話網やインターネットなど、種々の広域ネットワークを含むものである。また、ネットワーク2に対しては、家庭や会社などに形成されたLAN(Local Area Network)やイントラネットなどを通じてユーザの通信機器が接続される場合もある。このように、この実施の形態においてネットワーク2は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれやパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれと、地図情報提供サーバ1等とを接続する種々の通信ネットワークからなるものである。
【0025】
カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、携帯電話機能により音声による電話通信(通話)を行うことができるものである。また、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2を通じて種々の情報の送受信をも行うことができるものである。具体的にカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2上のサーバ装置にアクセスし、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードを行うことができる。また、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2及び所定のメールサーバを介して電子メールの送受信を行うこともできる。
【0026】
さらに、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、自機が備えるカメラ機能により、静止画や動画の撮影を行い、撮影することにより得た撮影画像情報を自機が備えるメモリに記憶保持するなどのこともできるものである。
【0027】
また、パーソナルコンピュータ5(1)、…は、周知のように、種々の情報処理を行うことができるものである。そして、この実施の形態のパーソナルコンピュータ5(1)、…は、通信機能を備えており、ネットワーク2上のサーバ装置にアクセスして、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードなどができるものである。また、パーソナルコンピュータ5(1)、…は、ネットワーク2及び所定のメールサーバを介して、電子メールの送受信を行うこともできるものである。
【0028】
なお、ネットワーク2には種々のパーソナルコンピュータが接続されるため、その代表として、パーソナルコンピュータ5(1)を示しているが、パーソナルコンピュータの基本的な構成は同じものである。このため、以下においては、ネットワーク2に接続されるパーソナルコンピュータを総称してパーソナルコンピュータ5と言う。
【0029】
そして、この実施の形態の地図情報提供システムにおいては、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれは、地図情報提供サーバ1から目的とする地図情報の提供を受けることができるようにされている。カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれは、地名、住所、ランドマーク名といったキーワードを検索条件として、地図情報提供サーバ1に対して地図の検索と提供を要求することも可能である。しかし、それだけではない。
【0030】
この実施の形態の地図情報提供システムにおいては、例えば、ホテルなどのパンフレットに掲載されているような簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている簡略化された地図を表す地図画像情報等の種々の地図画像情報を用いて、地図の検索を行うことができるようにしている。
【0031】
具体的には後述もするが、撮影することにより得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等の地図画像情報を解析することにより得られる所定の特徴点の当該地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を、地図情報提供サーバ1において検索キー情報として用いて、地図の検索を行うことができるようにしている。
【0032】
なお、撮影することにより得られる地図画像情報は、例えば、カメラ付携帯電話端末のカメラ機能を用いて撮影されたものや、デジタルカメラを用いて撮影されたものなど、種々のものを用いることができる。また、上述したように、ネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等、デジタルデータとしてユーザによって利用可能にされた種々の地図画像情報を用いることが可能である。
【0033】
このため、地図情報提供サーバ1は、単に地図データベースを備えるだけでなく、当該地図データベースに格納されている所定の地図を解析することにより得られた所定の特徴点の位置を示した地図特徴点情報を保持する地図特徴点データベースをも備える。そして、地図情報提供サーバ1において、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…からの地図画像情報を解析することにより得られた検索用特徴点情報と、地図特徴点データベースの地図特徴点情報とのマッチングを行う。
【0034】
これにより地図情報提供サーバ1は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…からの地図画像情報に対応する場所の候補を特定し、その場所の地図を抽出して提供できるようにしている。なお、似たような場所が複数存在する場合もあり、この場合、マッチングの結果得られる場所の候補が複数となる場合もある。このため、当該マッチングにより得られた複数の場所の候補の中から、ユーザが目的とする場所の候補を選択し、ユーザが目的とする場所の地図情報を得ることができるようにしている。
【0035】
なお、地図情報提供システムは、地図情報提供サーバ1が、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等からの地図画像情報の提供を受けて、これを解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を形成するように構成することもできる。また、地図情報提供システムは、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…等が、検索の元になる地図画像情報を解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を得て、これを地図情報提供サーバ1に提供するように構成することもできる。
【0036】
しかし、以下においては、説明を簡単にするため、地図情報提供サーバ1が、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等の通信端末から、撮影することにより得られた地図画像情報(検索の元になる地図画像情報)の提供を受けて、これを解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を形成して用いる場合を例にして説明する。
【0037】
[地図情報提供サーバ1の構成例]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムで用いられる地図情報提供サーバ1の構成の概略について説明する。図2は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【0038】
図2に示すように、地図情報提供サーバ1は、ネットワーク2への接続端子101、通信I/F102、検索用特徴点抽出部103、特徴点メモリ104、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106を備えている。さらに、地図情報提供サーバ1は、検索用地図画像情報ファイル(図2では、検索用地図画像情報Fと記載。)111、地図データベース(以下、地図DBと略称する。)112、地図特徴点データベース(以下、地図特徴点DBと略称する。)113、制御部120を備えている。
【0039】
そして、この実施の形態の地図情報提供サーバ1において、主に、検索用特徴点抽出部103、特徴点メモリ104、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106が、その重要な機能を実現するための主要部となる。まず、主要部の説明をする前に、その周辺部分の構成について説明する。
【0040】
制御部120は、地図情報提供サーバ1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)124が、CPUバス125を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。CPU121は、ROM122やEEPROM124に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。ROM112は、CPU121によって実行される種々の処理プログラムや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。
【0041】
RAM123は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。具体的に、EEPROM124は、機能追加のための新たなプログラム、各種設定パラメータなどのほか、例えば、自機に割り当てられたIPアドレスなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0042】
そして、検索地図画像情報ファイル111は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等から送信されてくる地図の検索要求に含まれる簡略化された地図等を撮影するなどして得た検索用の地図画像情報を格納するものである。この検索用地図画像情報ファイル111に格納された検索用の地図画像情報を解析することによって、地図の検索キーとなる検索用特徴点情報が形成されることになる。
【0043】
また、地図DB112は、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの種々のランドマークなどの位置、幅、大きさなどが正確に表された例えば日本国内の詳細な地図情報が記憶保持されているものである。
【0044】
また、地図特徴点DB113は、地図DB112に記憶保持されている地図情報を解析することにより得られる地図特徴点情報を記憶保持するものである。具体的に、地図特徴点情報は、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの予め決められた複数の対象項目を特徴点とし、これらを区別することができると共に、これら特徴点の位置を正確に表すことによって、特徴点間の位置関係をも正確に表すようにしたものである。すなわち、地図特徴点情報は、所定の特徴点毎の当該地図上における位置を示すものである。
【0045】
なお、地図特徴点情報は、各特徴点とその特徴点の位置情報とを対応付けたリスト形式としたり、各特徴点とその位置関係を画像情報のように所定の面積の中で表すようにしたパターン情報の形式としたりするなど、種々の形式のものとすることが可能である。そして、この実施の形態においては、後述もするように、地図の特徴点のパターンマッチングにより、目的とする場所を検出する。
【0046】
このため、地図特徴点DB113には、地図特徴点情報が、各特徴点の種類(属性)と各特徴点の位置とを所定の面積の中で表すことにより、特徴点間の位置関係をも明確に示すことができるようにされたパターン情報の形式で記憶保持されていると共に、各特徴点の位置情報(緯度、経度)をも有する構成とされたものである。もちろん、地図特徴点DB113に、フォーマットの異なる複数種類の地図特徴点情報を用意しておき使い分けるようにすることもできる。
【0047】
[主要部の動作]
そして、ネットワーク2を通じて送信されてくるカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…からの地図画像情報を含む地図の検索要求は、接続端子101及び通信I/F102を通じて受信され、これが制御部120に供給される。制御部120は、受信した地図の検索要求から地図画像情報を抽出し、これを検索用地図画像情報ファイル111に格納する。そして、制御部120は、検索用特徴点抽出部103を制御して、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報の特徴点を抽出する処理を行わせるようにする。
【0048】
検索用特徴点抽出部103は、制御部120の制御に応じて、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報を解析することにより、当該地図画像情報に含まれる所定の特徴点を抽出し、検索用特徴点情報を形成して、これを特徴点メモリ104に格納する。この検索用特徴点情報もまた、抽出された各特徴点の位置を所定の面積の中で表すようにしたパターン情報の形式のものである。すなわち、検索用特徴点情報は、所定の特徴点毎の当該地図画像情報上における位置を示すものである。そして、制御部120は、特徴点マッチング部105を制御してマッチング処理を実行するようにする。
【0049】
特徴点マッチング処理部105は、制御部120の制御に応じて、特徴点メモリ104に格納されている検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を行う。そして、特徴点マッチング処理部105は、検索用特徴点情報に合致する地図上の場所の候補を検出し、その検出した場所の位置情報を取得する。なお、検索用特徴点情報に合致する地図上の場所が複数存在する場合には、そのそれぞれが場所の候補として検出され、その場所の候補のそれぞれの位置情報が取得される。
【0050】
この後、制御部120は、特定された場所の候補の一覧リストを形成し、これを通信I/F102及び接続端子101を通じてネットワーク2に送出し、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等に供給し、選択を促す。そして、要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等からの、場所の候補の選択指示を制御部120が、接続端子101、通信I/F102を通じて受け付ける。
【0051】
この後、制御部120は、地図情報候補検出部106を制御し、要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等のユーザにより選択された場所の地図を地図DB112から取得するようにする。地図情報候補検出部106は、制御部120の制御に応じて、特徴点マッチング処理部105により取得された位置情報に基づき、対応する部分の地図情報を地図DB112から抽出する。この抽出された地図情報は、制御部120の制御により、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、検索要求元のカメラ付携帯電話端末などに送信される。
【0052】
このように、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付けて、当該地図画像情報から抽出(形成)される検索用特徴点情報を検索キー情報として用いて地図の検索を行い、その結果を提供することができるものである。
【0053】
なお、図2において2重線で示した検索用特徴点抽出部103、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106の各機能は、制御部120で実行されるプログラムにより、制御部120の機能として実現することもできる。また、この実施の形態の地図情報提供サーバ1においては、説明を簡単にするため特徴点メモリ104を用いている。しかし、特徴点メモリ104を別途設けずに、制御部120のRAM123やEEPROM124を特徴点メモリ104として用いるようにすることもできる。
【0054】
[カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムで用いられるカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成の概略について説明する。図3は、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例を説明するためのブロック図である。この実施の形態において、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、以下においては、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれを総称して、カメラ付携帯電話端末4と言う。
【0055】
図3に示すように、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4は、ネットワーク2を通じて通信を行う部分として、送受信アンテナ401、送受信処理部402、受話器(スピーカ)403、送話器(マイクロホン)404を備えている。また、ユーザインターフェースを提供する部分として、キー操作部411、表示制御部412、表示部413、音声処理部414、スピーカ415、バイブレータ416を備えている。
【0056】
表示部413は、例えば、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)やLCD(Liquid Crystal Display)等のいわゆる薄型の表示素子が用いられている。また、音声処理部414とスピーカ415とは、着信音や警告音、その他も音声メッセージ等を出力するものである。また、バイブレータ416は、主に着信時に振動を発生させ、着信をユーザに通知するためのものである。
【0057】
また、カメラ付携帯電話端末4は、いわゆるICメモリカードなどの外部メモリ421が着脱可能にされている。また、カメラ付携帯電話端末4は、被写体を撮影することにより、被写体の画像を静止画像情報や動画像情報として取り込むカメラ機能を実現する部分としてカメラ部422を備えている。具体的に、カメラ部422は、撮像レンズ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、カメラ信号処理回路などからなるものである。
【0058】
さらに、カメラ付携帯電話端末4は、カメラ付携帯電話端末4の各部を制御する制御部420を備えている。制御部420は、CPU421、ROM422、RAM423、EEPROM424が、CPUバス425を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU421は、ROM422やEEPROM424に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM422は、CPU421において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0059】
また、RAM423は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM424は、いわゆる不揮発性メモリであり、カメラ付携帯電話端末4の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM424には、例えば、機能追加のための新たなプログラム、種々の設定パラメータ、電話帳データ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0060】
このような構成を有するカメラ付携帯電話端末4は、制御部420の制御により、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、ネットワーク2に情報を送出したり、ネットワーク2を通じて送信されてくる自機宛の情報を受信したりすることにより、種々の通信処理を行うことができるようになっている。
【0061】
また、カメラ付携帯電話端末4は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録するようにされたメニューを備えている。当該メニューは、例えば、キー操作部411に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、制御部420が表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示することができる。そして、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの当該メニューに含まれる項目の選択入力を受け付け、ユーザによって選択された項目に対応するプログラムを実行することができるようになっている。
【0062】
また、カメラ付携帯電話端末4において実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録された当該メニューには、後述もするように、地図画像情報に基づく地図検索を実行するための項目も設けられている。したがって、当該メニューの地図画像情報に基づく地図検索を実行するための項目を選択することによって、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、カメラ部422を通じて撮影して得た地図画像情報に基づく地図検索を簡単に利用することができるようにされる。
【0063】
[地図画像情報に基づく地図検索を行う場合の処理]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムにおいて行われる地図画像情報に基づく地図検索処理について具体的に説明する。地図画像情報に基づく地図検索処理は、上述もしたように、地図情報提供サーバ1とカメラ付携帯電話端末4とが協働することにより実現されるものであり、カメラ付携帯電話端末4を通じてユーザに提供されるものである。
【0064】
カメラ付携帯電話端末4のユーザにおいて、例えば、あるパンフレットに掲載されている簡略化された地図ではその場所がよく分からないために、当該簡略化された地図に示された場所の詳細な最新の地図を取得する必要が生じたとする。この場合、当該ユーザは、カメラ付携帯電話端末4の操作部411の例えばメニューキーを操作するなどして、カメラ付携帯電話端末4において実行可能なプログラムが選択項目として登録されている所定のメニューを表示部413の表示画面に表示させる。
【0065】
そして、当該ユーザは、カメラ付携帯電話端末4のキー操作部411を通じて、当該メニューに登録されている実行可能なアプリケーションの中から、「地図画像情報に基づく地図検索処理」に対応する項目を選択して実行するようにする操作を行う。当該カメラ付携帯電話端末4においては、「地図画像情報に基づく地図検索処理」が実行され、まず、カメラ部422を通じて、当該パンフレットに掲載されている当該簡略化された地図を撮影する。これにより、カメラ付携帯電話端末4の例えば外部メモリ421に撮影された簡略化された地図の地図画像情報が記録される。
【0066】
図4は、「地図画像情報に基づく地図検索処理」が実行され、撮影することにより得られた地図画像情報の一例を説明するための図である。図4においては、撮影することにより得られた当該地図画像情報に応じた画像が、カメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面413Gに表示されている場合を示している。
【0067】
図4に示した地図画像情報は、右上端部に目的地とされている場所が矢印で示されていると共に、目的地の最寄り駅と、目的地への経路上の目印として、消防署、学校、郵便局、寺があることが示されている。なお、図4において、左下端部のアルファベット「Y」に似た記号が消防署の地図記号であり、文字「文」が学校の地図記号であり、記号「〒」が郵便局の地図記号であり、記号「卍」が寺の地図記号である。
【0068】
このようにして、簡略化された地図を撮影することにより地図画像情報を得たカメラ付携帯電話端末4においては、キー操作部411の所定の送信キーを押下操作するなどの送信操作を受け付けるようにする。送信操作が行われると、カメラ付携帯電話端末4の制御部420は、当該地図画像情報を含み、地図情報提供サーバ1を送信先とする地図検索要求を形成し、これを送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出する。このようにして、撮影することにより得られた地図画像情報を含む地図検索要求が地図情報提供サーバ1に送信される。
【0069】
そして、地図画像情報を含む地図の検索要求を受信した地図情報提供サーバ1においては、制御部120が当該地図検索要求から地図画像情報を抽出して、これを検索用地図画像情報ファイル111に格納する。そして、制御部120は、検索用特徴点抽出部103の機能により、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報を解析し、検索用特徴点情報を特徴点メモリ104に形成する。
【0070】
上述したように、カメラ付携帯電話端末4から提供され、地図情報提供サーバ1の検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報は、図4に示した画像を形成するものである。また、この実施の形態において、予め決められる特徴点は、上述もしたように、例えば、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などである。そして、検索用特徴点抽出部103は、例えば、図4に示した画像を形成する地図画像情報を解析することにより、上記の特徴点を認識するようにし、認識できた(存在が確認できた)特徴点の位置を示した検索用特徴点情報を特徴点メモリ104に形成する。
【0071】
なお、検索用特徴点情報は、1種類の特徴点が1つしか存在しない場合には、マッチングにより地図を検索することは難しい。しかし、地図画像情報上に1種類の特徴点が複数ある場合や複数種類の特徴点が存在する場合には、当該地図画像情報から抽出される検索用特徴点情報に基づいて行われるマッチングによる地図の検索の精度を上げることができる。通常、地図画像情報には、図4にも示したように、道路なども含め複数種類の特徴点が存在する場合が多い。したがって、以下に説明するように、検索用特徴点情報に基づいて地図の検索を精度よく行うことができる。
【0072】
図5は、図4に示した画像を形成する地図画像情報(検索用の地図画像情報)から特徴点メモリ104に抽出(形成)される検索用特徴点情報の例を説明するための図である。図4に示した画像を形成する地図画像情報を解析することにより、予め認識すべき特徴点として、駅を含む鉄道路線、道路、消防署、学校、郵便局、寺が認識され、これらの位置を示した図5に示す検索用特徴点情報が形成され、これが特徴点メモリ104に格納される。
【0073】
この後、特徴点マッチング部105が、特徴点メモリ104に格納された図5に示した検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を実行する。そして、特徴点マッチング部105は、検索用特徴点情報に合致する場所を地図特徴点情報から検索し、検索できた場所の特徴点の位置情報をその場所の位置情報として取得する。
【0074】
図5にした検索用特徴点情報の場合、消防署、学校、郵便局、寺が同じ道路上に並び、寺は当該道路の突き当たりに位置し、また、消防署の近傍に駅があることを示すものになっている。このように、各特徴点が位置する場所を、地図特徴点DB113の地図特徴点情報が示すパターン情報から検出することになる。
【0075】
そして、通常、地図は上側が北、下側が南となるように表される場合が多い。しかし、パンフレットなどに記載される簡略化された地図の場合には、分かりやすさを優先し、その方位関係がまちまちである場合が多い。そこで、パターンマッチングの1つ方法として、特徴点マッチング部105は、図5に示したように特徴点メモリ104に形成される検索用特徴点情報において、例えば、上端側の特徴点、あるいは、下端側の特徴点というように、所定の特徴点を基準とする。図5に示した検索用特徴点情報において、例えば、下側の消防署を基準とするようにしたとする。
【0076】
この場合、特徴点マッチング部105は、地図特徴点DB113の地図特徴点情報(パターン情報)上における各消防署を基準とし、種々の方角に当該検索用特徴点情報に合致するように特徴点が存在する場所を検索する。なお、道路などの位置関係をも考慮することにより、マッチング処理する範囲も自動的に決まる。
【0077】
また、簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報においては、分かりやすさを優先するため、地図のスケールが適当であり、各特徴点の位置も正確でない場合もある。例えば、図5に示した検索用特徴点情報において、実際には、学校「文」と郵便局「〒」とはもっと離れていたり、消防署と学校とはもっと近かったりするなどといった場合もある。このため、特徴点マッチング部105では、検索用特徴点情報において、学校、警察署、消防署、神社仏閣などのいわゆるランドマークについては、並びを優先し、各ランドマーク間の距離については調整しながら検索することができるようにされる。
【0078】
このようにして、特徴点マッチング部105におけるマッチング処理の結果、特徴点メモリ104に格納された検索用特徴点情報(図5)に合致する場所が検索できたとする。この場合、基準として例えば消防署の位置情報により、その場所が特定される。もちろん、他の特徴点の位置情報により、その場所を特定するようにしてもよい。
【0079】
そして、制御部120は、地図情報候補抽出部106を制御し、特徴点マッチング部105により特定した場所の位置情報に基づいて、特定した場所の地図を地図DB112から抽出する。図6は、図5に示した検索用特徴点情報を検索キーとして用いてパターンマッチングの結果得られた詳細地図の一例を示す図である。図6に示した詳細地図は、○○消防署、○○小学校、郵便局、□□寺が同じ道路に沿って並び、□□寺は当該道路の突き当たりに位置し、○○消防署の近傍には、○○駅が位置する内容の地図である。すなわち、図6に示す詳細地図は、図5に示した検索用特徴点情報に合致する場所の詳細地図であることが分かる。
【0080】
このように、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、パンフレットなどに載っている簡略化された地図を、カメラ機能を用いて撮影し、撮影することにより得た地図画像情報を含む地図の検索要求を送信するだけで、目的とする場所の詳細地図を得ることができる。
【0081】
そして、図6に示した詳細地図を参照することにより、目的地は当該詳細地図の左上端側に位置する劇場であることが分かる。そして、当該劇場に行く場合には、○○駅の右側の消防署、小学校、郵便局、寺が並ぶ道路を行くだけでなく、○○駅の左側の道路を直進しても行けることが分かり、○○駅の左側の当該道路を歩いた方が目印はないものの若干近いことなどが分かる。このように、簡単操作で詳細地図を取得することにより、簡略化された地図だけでは分からない情報を得ることができるようにされる。
【0082】
なお、上述もしたように、特徴点メモリ104に格納された検索用特徴点情報に合致する場所が複数存在する場合には、その複数の場所の一覧リストが地図情報提供サーバ1の制御部120により形成される。この一覧リストは、特定された位置情報に基づいて、地図DB112を参照することにより取得されるその位置情報が示す場所の名称からなるものである。この一覧リストは、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4に送信される。
【0083】
検索要求元のカメラ付携帯電話端末4では、表示する地図の場所の候補の一覧リストは送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて受信され、制御部420に供給される。制御部420は、受信した当該一覧リストを、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する。
【0084】
図7は、地図情報提供サーバ1において形成されてカメラ付携帯電話端末4に提供され、当該カメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面413Gに表示される場所の候補の一覧リストの一例を説明するための図である。図7に示すように、当該一覧リストは、カメラ付携帯電話端末4のユーザが取得したい地図の場所を選択することを促すメッセージと共に、検索された場所の一覧リストが表示され、その中の1つを選択することができるようにされる。
【0085】
図7に示した例の場合にが、「1.○○県○○市付近」とする最初の選択項目にカーソルCSが位置付けられている場合を示している。カメラ付携帯電話端末4のユーザは、キー操作部411の矢印キーを用いて、目的とする場所に対応する項目を選択し、所定の確認キーを押下する。これにより、ユーザが選択した項目に対応する情報が、制御部420、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0086】
地図情報提供サーバ1においては、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4からの場所の選択指示が、接続端子101、通信I/F102を通じて制御部120により受信される。この場合、制御部120は、地図情報候補抽出部106を制御して、カメラ付携帯電話端末4からの選択指示に応じた場所の地図情報を地図DB113から抽出する。そして、抽出した地図情報を、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出し、要求元のカメラ付携帯電話端末4に送信する。
【0087】
当該カメラ付携帯電話端末4では、送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて、当該地図情報を受信する。そして、当該地図情報は、制御部420から表示制御部412に供給され、これに応じて表示処理部412が当該地図情報に応じた地図を表示部413の表示画面に表示する。これにより、図6に示したように、目的とする場所の地図がカメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示されることになる。
【0088】
[カメラ付携帯電話端末4と地図情報提供サーバ1の動作のまとめ]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムを構成するカメラ付携帯電話端末4と地図情報提供サーバ1のそれぞれの動作(処理)について、フローチャートを参照しながらまとめる。
【0089】
[カメラ付携帯電話端末4の動作(処理)]
まず、カメラ付携帯電話端末4の動作について説明する。図8、図9は、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4の動作を説明するためのフローチャートである。この図8、図9に示す処理は、上述もしたように、カメラ付携帯電話端末4に用意されている所定のメニューから「地図画像情報に基づく地図検索処理」に対応する項目を選択して実行するようにされた場合に、主に制御部420において実行される。
【0090】
まず、制御部420は、表示制御部412を制御して、表示部413の表示画面に、簡略化された地図等(地図の検索キーの元になる地図)の撮影を促すメッセージを表示し、カメラ部422を動作状態にする(ステップS101)。この場合、当該撮影を促すメッセージと共に、カメラ部422が捉えている画像も、制御部420および表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示される。
【0091】
この後、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの操作入力を受け付け(ステップS102)、シャッターキーの押下操作(撮影操作)を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、撮影操作を受け付けていないと判別した場合には、受け付けた操作入力は、地図検索の終了の指示操作か否かを判別する(ステップS104)。
【0092】
ステップS104の判別処理において、地図検索の終了の指示操作ではないと判別したときには、制御部420は、ステップS102において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS102からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS104の判別処理において、地図検索の終了の指示操作を受け付けたと判別したときには、制御部420は、表示制御部412を制御して、表示部413の表示画面の表示をメニュー表示に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS105)、この図8、図9の処理を終了し、メニューからの項目選択を行うメインルーチンに戻る。
【0093】
ステップS103の判別処理において、シャッターキーの押下操作(撮影操作)を受け付けたと判断したときには、制御部420は、カメラ部422を通じて、地図画像を取り込み、これを表示部413の表示画面に表示する(ステップS106)。具体的に、ステップS104においては、カメラ部422を通じて取り込んだ地図画像情報)を、例えば外部メモリ421などに記録すると共に、当該地図画像情報に応じた撮影画像を、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する。
【0094】
この後、制御部420は、キー操作部411を通じて、ユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS107)。そして、制御部420は、ステップS107において受け付けた操作入力は、地図の検索要求の送信指示か否かを判別する(ステップS108)。ステップS108の判別処理において、地図の検索要求の送信指示を受け付けていない判別した場合には、受け付けた操作入力は、地図の撮影に戻ることを指示する操作入力か否かを判別する(ステップS109)。
【0095】
ステップS109の判別処理において、地図の撮影に戻ることを指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS102からの処理を行うようにし、再度、簡略化された地図等の撮影を行うことができるようにする。また、ステップS109において、地図の撮影に戻る操作入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS107において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS107からの処理を繰り返すようにする。
【0096】
ステップS108の判別処理において、地図の検索要求の送信指示を受け付けたと判別したときには、制御部420は、外部メモリ421に取り込んだ地図画像情報を含む、地図の検索要求を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS110)。当該地図の検索要求は、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0097】
この後、制御部420は、図9の処理に進み、地図情報提供サーバ1から送信されてくる地図の候補の場所を示した一覧リストを受信して、例えばEEPROM424に取り込む(ステップS111)。そして、制御部420は、例えばEEPROM424に取り込んだ一覧リストを、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する(ステップS112)。
【0098】
そして、制御部420は、表示部413の表示画面に表示された一覧リストから目的とする場所の選択入力などの操作入力を、キー操作部411を通じて受け付ける(ステップS113)。制御部420は、ステップS113で受け付けた操作入力が、場所の選択入力か否かを判別する(ステップS114)。ステップS114の判別処理において、場所の選択入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS113で受け付けた操作入力は、地図検索の終了を指示するものか否かを判別する(ステップS115)。
【0099】
ステップS115の判別処理において、地図検索の終了を指示する操作入力は受け付けていないと判別したときには、制御部420は、ステップS113において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS113からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS115の判別処理において、終了を指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS105の場合と同様に、表示部413の表示画面の表示をメニュー表示に戻すようにするなどの所定の終了処理を行って(ステップS116)、この図8、図9に示す処理を終了し、メインルーチンに戻るようにする。
【0100】
また、ステップS114の判別処理において、場所の選択入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は受け付けた選択入力に応じた場所の選択指示を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS117)。この後、地図情報提供サーバ1から、カメラ付携帯電話端末4のユーザにより選択された場所の詳細地図が送信されてくる。このため、制御部420は、送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて、当該地図情報を受信し、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に当該地図情報に応じた地図を表示する(ステップS118)。
【0101】
そして、制御部420は、キー操作部411を通じて操作入力を受け付け(ステップS119)、地図の検索の終了指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS120)。ステップS120の判別処理において、地図検索の終了指示を受け付けていないと判別したときには、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS121)。
【0102】
ステップS121において、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS112からの処理を行うようにする。これにより、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、再度、場所の一覧リストから目的とする場所の選択を行うことができるようにされる。
【0103】
また、ステップS121において、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けていないと判別したときには、制御部420は、ステップS119において受け付けた操作入力に応じた処理を実行する(ステップS122)。この後、制御部420は、ステップS119からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS122においては、ステップS118において表示した地図を、拡大、縮小させたり、上下左右にスクロールさせたりするなどの処理を行って、地図の周辺検索を行う処理などが行うようにされる。
【0104】
そして、ステップS120の判別処理において、地図の検索の終了指示を受け付けたと判別したときには、上述したステップS116の処理と同様に、所定のメニュー表示に戻るようにするなどの所定の終了処理を行って(ステップS123)、この図8、図9に示す処理を終了する。
【0105】
このように、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4は、例えば、簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報を含む地図の検索要求を形成して地図情報提供サーバ1に送信するだけで、その簡略化された地図に対応する詳細地図の提供を受けて利用することができるようにされる。
【0106】
[地図情報提供サーバ1の動作(処理)]
次に、地図情報提供サーバ1の動作について説明する。図10は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。この図10に示す処理は、地図情報提供サーバ1の制御部120において、常時、実行するようにされている処理である。
【0107】
すなわち、地図情報提供サーバ1の制御部120は、自機宛ての要求を常時受信するようにしており(ステップS201)、自機宛の要求を受信すると、それが地図画像情報を用いた地図の検索要求か否かを判別する(ステップS202)。ステップS202の判別処理において、受信した要求は、地図画像情報を用いた地図の検索要求ではないと判別したときには、制御部120は、当該要求に応じた処理を実行し(ステップS203)、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0108】
ステップS202の判別処理において、受信した要求は、地図画像情報を用いた地図の検索要求であると判別したときには、制御部120は、受信した当該要求(地図の検索要求)に含まれる地図画像情報を、検索用地図画像情報ファイル111に格納する(ステップS204)。この後、制御部120は、検索用特徴点抽出部103を制御して、検索用地図画像情報ファイル111に格納した地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成して、これを特徴点メモリ114に格納する特徴点抽出処理を実行する(ステップS205)。
【0109】
そして、制御部120は、特徴点マッチング部105を制御して、特徴点メモリ104に格納した検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を実行する(ステップS206)。このステップS206の処理により、検索用特徴点情報に合致する地図上の1以上の場所が特定(抽出)される。
【0110】
この後、制御部120は、ステップS206で特定された1以上の場所の一覧リストを作成する(ステップS207)。そして、制御部120は、通信I/F102を制御して、ステップS207で作成した場所の候補の一覧リストを地図の検索要求の送信元であるカメラ付携帯電話端末4に対して提供(送信)する(ステップS208)。
【0111】
そして、地図情報提供サーバ1の制御部120は、当該カメラ付携帯電話端末4からの要求を受信するようにし(ステップS209)、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものか否かを判断する(ステップS210)。ステップS210の判断処理において、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものではないと判別したときには、制御部120は、当該受信した要求に応じた処理を実行し(ステップS211)、ステップS209からの処理を繰り返すようにする。
【0112】
なお、ステップS211においては、カメラ付携帯電話端末4からの要求に応じて、選択された地図の提供や地図の拡大、縮小要求に応じた地図の提供、さらには地図を用いた周辺検索に対応する地図の提供など、カメラ付携帯電話端末4からの要求に応じた種々の処理が行われることになる。
【0113】
また、ステップS210の判断処理において、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものであると判別したときには、制御部120は、所定の終了処理を行って(ステップS212)、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS212においては、例えば、検索用地図画像情報ファイル111に格納した今回検索に用いるようにした地図画像情報をクリアしたり、特徴点メモリ104の今回用いた検索用特徴点情報をクリアしたりするなどの処理が行われるようにされる。
【0114】
このように、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、カメラ付携帯電話端末4からの地図画像情報を含む地図の検索要求に応じて、目的とする場所の詳細地図を検索して、これを要求元のカメラ付携帯電話端末4に提供することができるようにされる。
【0115】
[実施の形態の効果]
上述したように、カメラ付携帯電話端末4等のユーザは、簡略化された地図等を撮影するだけで、その地図画像情報を検索のための情報として用いて、対応する場所の詳細地図を取得することができる。これにより、検索条件を入力するなどの面倒な操作を行うことなく、地図から地図を検索するといった、従来にない地図情報の検索ツールを実現することができる。
【0116】
したがって、種々のパンフレットなどに記載されている簡略化された地図から、その簡略化された地図で示された場所の詳細地図を取得したり、また、古い地図などから、その古い地図で示された場所の最新の地図を取得したりするなどのことが簡単にできる。また、どこの地図か分からない地図から、その場所の詳細地図などの解明地図を検索するなどのこともできる。
【0117】
すなわち、携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどの端末の操作に不慣れなユーザであっても、手元にある地図から、目的とする詳細地図、最新地図、解明地図等を検索して取得することが簡単にできるようにされる。このように、この発明は、地図から対応する他の地図を検索して取得できるようにすると言う従来にない新しい発想の元に実現できたものである。
【0118】
[実施の形態の変形例]
[検索用特徴点情報を通信端末側で形成する場合の例]
上述した実施の形態においては、地図情報提供サーバ1において、検索用特徴点抽出部103の機能により、カメラ付携帯電話端末4からの地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、処理能力の高いいわゆるスマートフォンなどと呼ばれる携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどの通信端末(ユーザ端末)側において、地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成する。そして、携帯電話端末やパーソナルコンピュータから検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を形成して地図情報提供サーバ1に送信する。
【0119】
この場合、検索用特徴点情報が通信端末(ユーザ端末)から提供されるので、地図情報提供サーバ1に、検索用特徴点抽出部103の機能を設ける必要はない。地図情報提供サーバ1には、受信した地図の検索要求に含まれる検索用特徴点情報と地図特徴点DB113の地図特徴点情報とのマッチング処理を行う特徴点マッチング部105と、当該マッチング処理の結果から詳細地図を抽出する地図情報候補抽出部106とを設けるようにしておけばよい。これにより、地図情報提供サーバ1の付加を軽減した形で地図情報提供システムを構築することができる。
【0120】
[パーソナルコンピュータ5(1)などの情報端末からの検索要求]
また、パーソナルコンピュータは通常カメラ機能は備えていない。このため、図1に示したパーソナルコンピュータ5(1)から地図画像情報を用いた地図の検索を行う場合には、デジタルカメラなどで撮影した地図画像情報をパーソナルコンピュータ5(1)に取り込んで、これを検索用の地図画像情報として用いて地図の検索を行うことになる。
【0121】
もちろん、ノート型パーソナルコンピュータなどの中には、カメラ機能が搭載されたものも存在するし、パーソナルコンピュータなどの情報端末にカメラモジュールを後付で付加することも可能な場合もある。このように、カメラ機能が搭載されたパーソナルコンピュータやカメラモジュールを後付けしたパーソナルコンピュータの場合には、自機のカメラ機能を用いて撮影して得た地図画像情報を、検索用の地図画像情報として用いて、地図の検索を行うようにすることができる。この場合のカメラ機能を備えたパーソナルコンピュータの動作は、図8、図9を用いて説明したカメラ付携帯電話端末4と同様の処理を行うことになる。
【0122】
また、デジタルカメラの中には、通信機能を備えたものも提供されるようになってきている。具体的には、Wi−Fi(Wireless Fidelity)通信機能など、無線LAN(Local Area Network)に接続可能な機能を有するデジタルカメラが提供されるようになってきている。このため、通信機能を備えたデジタルカメラで地図を撮影することにより得た地図画像情報を、当該デジタルカメラから直接に、無線LANを通じて地図情報提供サーバ1に送信し、当該地図画像情報を用いた地図の検索を行うようにすることもできる。
【0123】
この場合のデジタルカメラの動作は、図8、図9を用いて説明したカメラ付携帯電話端末4と同様の処理を行うことになる。また、地図情報提供サーバ1から当該デジタルカメラに提供された地図情報は、当該デジタルカメラのLCDなどの表示素子の表示画面に表示して利用することができる。
【0124】
[地図の検索要求を出力する情報端末の他の例]
上述した実施の形態においては、地図情報の検索要求元は、カメラ付携帯電話端末4であるものとして説明した。さらに、パーソナルコンピュータ5(1)や、カメラ付パーソナルコンピュータ、通信機能を備えたデジタルカメラも、検索要求元の情報端末となり得ることを説明した。しかし、これに限るものではない。
【0125】
例えば、近年、急速に普及してきている比較的に大きな表示画面を備え、薄型の構成とされたパッド型情報端末あるいはタブレット型情報端末と呼ばれる情報端末やPDA(Personal Digital Assistant)などと呼ばれる個人用情報処理端末、電子手帳など、カメラ機能を備えるなどすることにより、地図画像情報を取り込むことが可能な種々の情報処理端末を、地図画像情報を含む地図の検索要求を発する情報端末として用いることが可能である。
【0126】
[検索用の地図画像情報の他の例]
そして、上述した実施の形態においては、検索の元になる地図画像情報(検索用の地図画像情報)は、カメラ付携帯電話端末4が備えるカメラ機能を用いて簡略化された地図等を撮影することにより得られるものであることを説明した。しかし、検索用の地図画像情報は、地図の検索要求元の端末装置が備えるカメラ機能を用いて撮影したものに限るものではない。
【0127】
例えば、上述したパーソナルコンピュータ5(1)のように、デジタルカメラなどの他の外部機器(カメラ機能を備えた電子機器)を通じて撮影した地図画像情報を自機に取り込んで、これを検索用の地図画像情報として用いることが可能である。また、ネットワーク2上の種々のサイトに掲載されている地図情報をコピー・アンド・ペーストするなどして、自機(情報端末)のメモリに取り込んで、これを検索用の地図画像情報とすることもできる。
【0128】
すなわち、地図の検索要求を地図情報提供サーバ1に送信する種々の情報端末においては、自機に搭載されたカメラ機能、通信機能、外部機器との接続機能、外部メモリの接続機能等を通じて外部から取得する種々の地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いることができる。これにより、撮影することにより取り込むようにした地図画像情報だけでなく、ネットワーク2上の種々のサイトに掲載された地図画像情報等、検索要求を出力する情報端末が種々の経路を通じて取得可能な地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いて、地図の検索を行うようにすることができる。
【0129】
なお、自機に搭載されたカメラ機能以外を用いて取得した地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いる場合には、図8、図9に示したカメラ付携帯電話端末4の処理において、ステップS101〜ステップS106の処理が異なることになる。例えば、カメラ機能以外を用いて取得した地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いる場合には、図8、図9のステップS101〜ステップS106の処理の代わりに、目的とする地図画像情報の格納先の指定と目的とする地図画像情報の指定など、検索用の地図画像情報を具体的に特定する処理を行うことになる。地図画像情報を含む地図の検索要求の送信以降の処理は、図8、図9を用いて説明した処理と同様の処理になる。
【0130】
また、例えば、パーソナルコンピュータに、図2を用いて説明した地図情報提供サーバ1が備えていた検索用特徴点抽出部103、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106の機能を設けるようにすることもできる。そして、当該パーソナルコンピュータにおいて、デジタルカメラなどを通じて撮影した地図画像情報を用いた地図の検索処理を行うようにすることができる。この場合、地図DBや地図特徴点DBは、ネットワーク2上の所定のサーバ装置が備えるものを用いるようにすることもできるし、地図DBや地図特徴点DBを、当該パーソナルコンピュータに設けるようにすることもできる。
【0131】
また、上述した実施の形態においては、特徴点メモリ104に形成された検索用特徴点情報と地図特徴点DBの地図特徴点情報とのマッチングを行うようにした。この時、目的とする詳細地図の場所が、例えば、北海道や東北地方、あるいは、東京都や神奈川県などのようにある程度分かっている場合には、マッチング処理する範囲を、地方や都道府県などによって指定するようにしてもよい。
【0132】
[この発明の方法、プログラム]
上述した実施の形態からも分かるように、主に、地図情報提供サーバ1が、この発明の装置に相当し、地図情報提供サーバ1とカメラ付携帯電話端末4やパーソナルコンピュータ5からなるシステムがこの発明のシステムに相当する。そして、主に、図10のフローチャートを用いて説明した処理が、この発明の方法、プログラムに対応するものである。すなわち、図10のフローチャートに示した処理が、この発明の方法の一実施の形態であり、図10のフローチャートの処理を行うように形成し、地図情報提供サーバ1の制御部120で実行されるようにしたプログラムが、この発明のプログラムの一実施の形態である。
【0133】
そして、地図画像情報から検索用特徴点情報を形成する処理(検索用特徴点抽出部103が行う処理)を、地図情報提供サーバ1で行わず、検索要求元で行うようにした方法が、この発明の方法の他の実施の形態であり、これに対応するプログラムが、この発明のプログラムの他の実施の形態である。
【0134】
[その他]
また、上述した実施の形態においては、地図情報提供サーバ1の接続端子101及び通信I/F102が受付手段及び提供手段としての機能を実現している。また、検索用特徴点情報抽出部103が検索用特徴点情報形成手段の機能を実現し、特徴点マッチング部105が特徴点マッチング手段の機能を実現し、地図情報候補抽出部106が取得手段の機能を実現している。さらに、主に地図情報提供サーバ1の制御部120が、リスト形成手段の機能を実現し、地図情報提供サーバ1の接続端子101及び通信I/F102が一覧リスト提供手段及び指示情報受付手段としての機能を実現している。
【0135】
また、地図情報提供サーバ1に検索用特徴点情報形成手段の機能(検索用特徴点情報抽出部103の機能)を設けない場合には、カメラ付携帯電話端末4の制御部420が検索用特徴点情報抽出手段の機能を実現することになる。もちろん、カメラ付携帯電話端末4に、検索用特徴点情報抽出部103に相当する回路部を設けるようにすることもできる。
【0136】
同様に、地図情報提供サーバ1に検索用特徴点情報抽出手段の機能(検索用特徴点情報抽出部103の機能)を設けない場合であって、検索要求元がパーソナルコンピュータ5(1)などである場合には、当該パーソナルコンピュータ5(1)などのCPUを備えた制御部が検索用特徴点情報抽出手段の機能を実現することになる。もちろん、パーソナルコンピュータなどの当該端末に、検索用特徴点情報抽出部103に相当する回路部を設けるようにすることもできる。
【0137】
また、上述した実施の形態において、カメラ付携帯電話端末4の制御部420と送受信処理部402が協働して、検索要求提供手段としての機能や地図情報受付手段としての機能を実現し、制御部420と表示制御部412とが協働して、表示制御部としての機能を実現している。また、カメラ付携帯電話端末4において、送受信アンテナ401、送受信処理部402が、一覧リスト受付手段としての機能や指示情報提供手段としての機能を実現している。また、カメラ付携帯電話端末4において、制御部420と表示制御部412とが協働して、一覧リスト表示制御部としての機能を実現し、キー操作部411と制御部420とが協働して、指示入力受付手段としての機能を実現している。
【符号の説明】
【0138】
1…地図情報提供サーバ、101…接続端子、102…通信I/F、103…検索用特徴点抽出部、104…特徴点メモリ、105…特徴点マッチング部、106…地図情報候補抽出部、111…検索用地図画像情報ファイル、112…地図DB、113…地図特徴点DB、120…制御部、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…EEPROM、125…CPUバス、3(1)、3(2)…基地局、4(1)、4(2)…カメラ付携帯電話端末、5(1)…パーソナルコンピュータ
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザからの要求に応じて、目的とする地図情報を提供するために用いられる装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルデータとして利用可能な地図情報が整備され、正確で詳細な地図が種々の場面において利用されるようになってきている。例えば、GPS(Global Positioning System)を利用したカーナビゲーションシステムは広く普及しているが、カーナビゲーションシステムでは、正確で詳細な地図情報を用いて、ユーザに対して分かりやすく道案内を行うようにすることが行われている。また、近年においては、携帯電話端末にGPS機能が搭載され、携帯電話端末を通じて歩行者の道案内を行う歩行者用のナビゲーションサービスも提供されるようになってきている。
【0003】
このように、GPS機能を用いて自分の現在位置を取得し、当該現在位置が属する地図を取得して周辺検索を行うようにするといった地図情報の使い方は一般化してきていると言える。しかし、人工衛星からの測位情報を適正に受信できずに、GPS機能を用いて現在位置を測位できない場合もある。
【0004】
このような場合における現在位置を含む地図を取得する方法とて、後に記す特許文献1には、住居表示等を撮影して画像認識を行うことにより位置情報を得て、これに基づいて地図データベースから対応する地図を取得する発明が開示されている。この場合、撮影を行うのは携帯端末であり、画像認識や地図の取得処理を行うのは、携帯端末から撮影画像の提供を受けるサーバ装置である。そして、特許文献1に記載の発明の場合、サーバ装置における画像認識の精度を向上させるため、携帯端末からは撮影して得た画像情報と共に、その画像情報の種別を示すメタ情報をもサーバ装置に提供するようにしている。
【0005】
また、目的とする場所(現地)にユーザが存在しない場合に、当該目的とする場所の地図を取得する方法には、地名などによるキーワード検索が行われる場合が多い。しかし、一度訪れた場所であっても、地名まで正確に覚えていない場合も多い。しかし、当該目的する場所のおおよその周辺環境(店や施設などの相対的位置関係)は覚えている場合がある。このような場合に地図を検索する方法として、後に記す特許文献2には、目的とする場所の周辺環境(店や施設などの相対的位置関係)についての情報を入力することにより、当該目的とする場所の地図を検索する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−11607号公報
【特許文献2】特開2010−72822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来の地図の検索方法では、目的とする場所の地図を速やかに取得できない場合がある。例えば、目的とする場所にユーザが存在しない場合であって、かつ、その場所にユーザが行ったこともなく、地名も正確にはわからないような場合である。しかしながら、地図を検索しようとする場合には、動機が存在するはずであり、地図検索に利用可能な何らかの情報が存在するはずである。例えば、観光案内パンフレットや宿泊施設のパンフレットを入手したが、掲載されている地図が簡略化されたものであるために、その場所の詳細な地図を確認したいといったことはよくあることである。
【0008】
このような場合、入手した観光案内パンフレットや宿泊施設のパンフレットに記載されている地名(住所)等に基づいて、従来のキーワードによる地図検索が可能となる。また、簡略化された地図に基づいて周辺環境についての情報を入力して地図を検索する上述した特許文献2の方法を用いることも可能である。しかし、キーワードや周辺環境についての情報を入力して地図を検索するのは面倒な場合がある。特に、携帯端末などの情報処理端末に不慣れなユーザの場合には、キーワードや周辺環境についての情報を情報処理端末に入力すること自体が容易でない場合もある。
【0009】
また、古い地図が手元にあり、当該古い地図が示す場所の新しい地図を取得したい場合もある。この場合、手元にある地図が古ければ古いほど、地名などが変わっている可能性も高くなり、また、周辺環境も変わっている可能性も高くなる。したがって、古い地図に記載されている地名などの情報や周辺環境などの情報から、上述した従来の方法によっては最新の地図を検索することが難しい場合もあると考えられる。
【0010】
以上のことに鑑み、この発明は、ユーザの手を煩わせることなく、目的とする場所の地図を簡単に検索して取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の地図情報提供装置は、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を提供する提供手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項1に記載の発明の地図情報提供装置によれば、受付手段により、検索用特徴点情報を含む地図の検索要求が受け付けられる。当該検索用特徴点情報は、例えば、地図を撮影して得られた地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等を解析することにより抽出される所定の特徴点の当該地図画像情報上における位置を示すものである。
【0013】
受け付けた当該検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とが、特徴点マッチング手段によりマッチング処理され、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補が特定される。この後、取得手段によって、特徴点マッチング手段により特定された場所の候補を含む部分の地図情報が取得され、この地図情報が提供手段によって提供される。
【0014】
これにより、検索要求元は、地図画像情報を解析することにより形成される検索用特徴点情報を含む検索要求を提供するだけで、検索の元になった地図画像情報に対応する詳細地図等を取得することができるようにされる。より具体的には、検索要求元のユーザは、例えば、パンフレットなどに掲載されている簡略化された地図を撮影して得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報により示される場所の詳細地図等を簡単に取得するなどのことができるようにされる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明の地図情報提供装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備えることを特徴とする。
【0016】
この請求項2に記載の発明の地図情報提供装置によれば、受付手段により、例えば、地図を撮影して得られた地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報等の検索の元になる地図画像情報を含む地図の提供要求が受け付けられる。受け付けられた検索要求に含まれる当該地図画像情報は、検索用特徴点情報抽出手段において解析されて、当該地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報が抽出される。
【0017】
そして、抽出された当該検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とが、特徴点マッチング手段によりマッチング処理され、当該検索用特徴点情報に合致する所定の地図上における場所の候補が特定される。この後、取得手段によって、特徴点マッチング手段により特定された場所の候補を含む部分の地図情報が取得され、この地図情報が提供手段によって提供される。
【0018】
これにより、検索要求元は、地図画像情報を含む検索要求を提供するだけで、検索の元になった当該地図画像情報に対応する詳細地図などを取得することができるようにされる。より具体的には、検索要求元のユーザは、例えば、パンフレットなどに掲載されている簡略化された地図を撮影して得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載された地図画像情報により示される場所の詳細地図等を簡単に取得するなどのことができるようにされる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、ユーザの手を煩わせることなく、目的とする場所の地図を簡単に検索して取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態が適用された地図情報提供システムを説明するための図である。
【図2】地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】撮影することにより得られた地図画像情報の一例を説明するための図である。
【図5】図4に示した地図画像情報(検索用の地図画像情報)から特徴点メモリ104に形成される検索用特徴点情報の例を説明するための図である。
【図6】図5に示した検索用特徴点情報を検索キーとして用いてパターンマッチングの結果得られた詳細地図の一例を示す図である。
【図7】地図情報提供サーバ1からカメラ付携帯電話端末4に提供される場所の候補の一覧リストの一例を説明するための図である。
【図8】カメラ付携帯電話端末4の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】地図情報提供サーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。
【0022】
[地図情報提供システムの概要]
図1は、この発明の装置、システム、方法、プログラムの一実施の形態が適用された地図情報提供システムを説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の地図情報提供システムは、地図情報提供サーバ1に対して、ネットワーク2を通じてカメラ付き携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…等の通信端末が接続されて形成される。カメラ付き携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、図1に示したように、近隣の基地局3(1)、3(2)、…を通じて、ネットワーク2に接続される。
【0023】
地図情報提供サーバ1は、詳しくは後述もするが、地図データベース等を備え、ネットワーク2を通じて送信されてくる地図の検索要求に応じた地図を地図データベースから検索して抽出し、これを要求元の通信端末に対して提供することができるものである。
【0024】
ネットワーク2は、基地局3(1)、3(2)、…等を含む携帯電話網や各家庭などに設置された固定電話端末等が接続される公衆交換電話網やインターネットなど、種々の広域ネットワークを含むものである。また、ネットワーク2に対しては、家庭や会社などに形成されたLAN(Local Area Network)やイントラネットなどを通じてユーザの通信機器が接続される場合もある。このように、この実施の形態においてネットワーク2は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれやパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれと、地図情報提供サーバ1等とを接続する種々の通信ネットワークからなるものである。
【0025】
カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、携帯電話機能により音声による電話通信(通話)を行うことができるものである。また、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2を通じて種々の情報の送受信をも行うことができるものである。具体的にカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2上のサーバ装置にアクセスし、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードを行うことができる。また、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、ネットワーク2及び所定のメールサーバを介して電子メールの送受信を行うこともできる。
【0026】
さらに、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、自機が備えるカメラ機能により、静止画や動画の撮影を行い、撮影することにより得た撮影画像情報を自機が備えるメモリに記憶保持するなどのこともできるものである。
【0027】
また、パーソナルコンピュータ5(1)、…は、周知のように、種々の情報処理を行うことができるものである。そして、この実施の形態のパーソナルコンピュータ5(1)、…は、通信機能を備えており、ネットワーク2上のサーバ装置にアクセスして、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードなどができるものである。また、パーソナルコンピュータ5(1)、…は、ネットワーク2及び所定のメールサーバを介して、電子メールの送受信を行うこともできるものである。
【0028】
なお、ネットワーク2には種々のパーソナルコンピュータが接続されるため、その代表として、パーソナルコンピュータ5(1)を示しているが、パーソナルコンピュータの基本的な構成は同じものである。このため、以下においては、ネットワーク2に接続されるパーソナルコンピュータを総称してパーソナルコンピュータ5と言う。
【0029】
そして、この実施の形態の地図情報提供システムにおいては、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれは、地図情報提供サーバ1から目的とする地図情報の提供を受けることができるようにされている。カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…のそれぞれは、地名、住所、ランドマーク名といったキーワードを検索条件として、地図情報提供サーバ1に対して地図の検索と提供を要求することも可能である。しかし、それだけではない。
【0030】
この実施の形態の地図情報提供システムにおいては、例えば、ホテルなどのパンフレットに掲載されているような簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている簡略化された地図を表す地図画像情報等の種々の地図画像情報を用いて、地図の検索を行うことができるようにしている。
【0031】
具体的には後述もするが、撮影することにより得た地図画像情報やネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等の地図画像情報を解析することにより得られる所定の特徴点の当該地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を、地図情報提供サーバ1において検索キー情報として用いて、地図の検索を行うことができるようにしている。
【0032】
なお、撮影することにより得られる地図画像情報は、例えば、カメラ付携帯電話端末のカメラ機能を用いて撮影されたものや、デジタルカメラを用いて撮影されたものなど、種々のものを用いることができる。また、上述したように、ネットワーク上のサイトに掲載されている地図画像情報等、デジタルデータとしてユーザによって利用可能にされた種々の地図画像情報を用いることが可能である。
【0033】
このため、地図情報提供サーバ1は、単に地図データベースを備えるだけでなく、当該地図データベースに格納されている所定の地図を解析することにより得られた所定の特徴点の位置を示した地図特徴点情報を保持する地図特徴点データベースをも備える。そして、地図情報提供サーバ1において、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…からの地図画像情報を解析することにより得られた検索用特徴点情報と、地図特徴点データベースの地図特徴点情報とのマッチングを行う。
【0034】
これにより地図情報提供サーバ1は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…からの地図画像情報に対応する場所の候補を特定し、その場所の地図を抽出して提供できるようにしている。なお、似たような場所が複数存在する場合もあり、この場合、マッチングの結果得られる場所の候補が複数となる場合もある。このため、当該マッチングにより得られた複数の場所の候補の中から、ユーザが目的とする場所の候補を選択し、ユーザが目的とする場所の地図情報を得ることができるようにしている。
【0035】
なお、地図情報提供システムは、地図情報提供サーバ1が、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等からの地図画像情報の提供を受けて、これを解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を形成するように構成することもできる。また、地図情報提供システムは、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…やパーソナルコンピュータ5(1)、…等が、検索の元になる地図画像情報を解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を得て、これを地図情報提供サーバ1に提供するように構成することもできる。
【0036】
しかし、以下においては、説明を簡単にするため、地図情報提供サーバ1が、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等の通信端末から、撮影することにより得られた地図画像情報(検索の元になる地図画像情報)の提供を受けて、これを解析することにより検索キーとなる検索用特徴点情報を形成して用いる場合を例にして説明する。
【0037】
[地図情報提供サーバ1の構成例]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムで用いられる地図情報提供サーバ1の構成の概略について説明する。図2は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【0038】
図2に示すように、地図情報提供サーバ1は、ネットワーク2への接続端子101、通信I/F102、検索用特徴点抽出部103、特徴点メモリ104、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106を備えている。さらに、地図情報提供サーバ1は、検索用地図画像情報ファイル(図2では、検索用地図画像情報Fと記載。)111、地図データベース(以下、地図DBと略称する。)112、地図特徴点データベース(以下、地図特徴点DBと略称する。)113、制御部120を備えている。
【0039】
そして、この実施の形態の地図情報提供サーバ1において、主に、検索用特徴点抽出部103、特徴点メモリ104、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106が、その重要な機能を実現するための主要部となる。まず、主要部の説明をする前に、その周辺部分の構成について説明する。
【0040】
制御部120は、地図情報提供サーバ1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)124が、CPUバス125を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。CPU121は、ROM122やEEPROM124に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。ROM112は、CPU121によって実行される種々の処理プログラムや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。
【0041】
RAM123は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。具体的に、EEPROM124は、機能追加のための新たなプログラム、各種設定パラメータなどのほか、例えば、自機に割り当てられたIPアドレスなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0042】
そして、検索地図画像情報ファイル111は、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等から送信されてくる地図の検索要求に含まれる簡略化された地図等を撮影するなどして得た検索用の地図画像情報を格納するものである。この検索用地図画像情報ファイル111に格納された検索用の地図画像情報を解析することによって、地図の検索キーとなる検索用特徴点情報が形成されることになる。
【0043】
また、地図DB112は、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの種々のランドマークなどの位置、幅、大きさなどが正確に表された例えば日本国内の詳細な地図情報が記憶保持されているものである。
【0044】
また、地図特徴点DB113は、地図DB112に記憶保持されている地図情報を解析することにより得られる地図特徴点情報を記憶保持するものである。具体的に、地図特徴点情報は、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの予め決められた複数の対象項目を特徴点とし、これらを区別することができると共に、これら特徴点の位置を正確に表すことによって、特徴点間の位置関係をも正確に表すようにしたものである。すなわち、地図特徴点情報は、所定の特徴点毎の当該地図上における位置を示すものである。
【0045】
なお、地図特徴点情報は、各特徴点とその特徴点の位置情報とを対応付けたリスト形式としたり、各特徴点とその位置関係を画像情報のように所定の面積の中で表すようにしたパターン情報の形式としたりするなど、種々の形式のものとすることが可能である。そして、この実施の形態においては、後述もするように、地図の特徴点のパターンマッチングにより、目的とする場所を検出する。
【0046】
このため、地図特徴点DB113には、地図特徴点情報が、各特徴点の種類(属性)と各特徴点の位置とを所定の面積の中で表すことにより、特徴点間の位置関係をも明確に示すことができるようにされたパターン情報の形式で記憶保持されていると共に、各特徴点の位置情報(緯度、経度)をも有する構成とされたものである。もちろん、地図特徴点DB113に、フォーマットの異なる複数種類の地図特徴点情報を用意しておき使い分けるようにすることもできる。
【0047】
[主要部の動作]
そして、ネットワーク2を通じて送信されてくるカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…からの地図画像情報を含む地図の検索要求は、接続端子101及び通信I/F102を通じて受信され、これが制御部120に供給される。制御部120は、受信した地図の検索要求から地図画像情報を抽出し、これを検索用地図画像情報ファイル111に格納する。そして、制御部120は、検索用特徴点抽出部103を制御して、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報の特徴点を抽出する処理を行わせるようにする。
【0048】
検索用特徴点抽出部103は、制御部120の制御に応じて、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報を解析することにより、当該地図画像情報に含まれる所定の特徴点を抽出し、検索用特徴点情報を形成して、これを特徴点メモリ104に格納する。この検索用特徴点情報もまた、抽出された各特徴点の位置を所定の面積の中で表すようにしたパターン情報の形式のものである。すなわち、検索用特徴点情報は、所定の特徴点毎の当該地図画像情報上における位置を示すものである。そして、制御部120は、特徴点マッチング部105を制御してマッチング処理を実行するようにする。
【0049】
特徴点マッチング処理部105は、制御部120の制御に応じて、特徴点メモリ104に格納されている検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を行う。そして、特徴点マッチング処理部105は、検索用特徴点情報に合致する地図上の場所の候補を検出し、その検出した場所の位置情報を取得する。なお、検索用特徴点情報に合致する地図上の場所が複数存在する場合には、そのそれぞれが場所の候補として検出され、その場所の候補のそれぞれの位置情報が取得される。
【0050】
この後、制御部120は、特定された場所の候補の一覧リストを形成し、これを通信I/F102及び接続端子101を通じてネットワーク2に送出し、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等に供給し、選択を促す。そして、要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等からの、場所の候補の選択指示を制御部120が、接続端子101、通信I/F102を通じて受け付ける。
【0051】
この後、制御部120は、地図情報候補検出部106を制御し、要求元のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…等のユーザにより選択された場所の地図を地図DB112から取得するようにする。地図情報候補検出部106は、制御部120の制御に応じて、特徴点マッチング処理部105により取得された位置情報に基づき、対応する部分の地図情報を地図DB112から抽出する。この抽出された地図情報は、制御部120の制御により、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、検索要求元のカメラ付携帯電話端末などに送信される。
【0052】
このように、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付けて、当該地図画像情報から抽出(形成)される検索用特徴点情報を検索キー情報として用いて地図の検索を行い、その結果を提供することができるものである。
【0053】
なお、図2において2重線で示した検索用特徴点抽出部103、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106の各機能は、制御部120で実行されるプログラムにより、制御部120の機能として実現することもできる。また、この実施の形態の地図情報提供サーバ1においては、説明を簡単にするため特徴点メモリ104を用いている。しかし、特徴点メモリ104を別途設けずに、制御部120のRAM123やEEPROM124を特徴点メモリ104として用いるようにすることもできる。
【0054】
[カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムで用いられるカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成の概略について説明する。図3は、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…の構成例を説明するためのブロック図である。この実施の形態において、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、以下においては、カメラ付携帯電話端末4(1)、4(2)、…のそれぞれを総称して、カメラ付携帯電話端末4と言う。
【0055】
図3に示すように、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4は、ネットワーク2を通じて通信を行う部分として、送受信アンテナ401、送受信処理部402、受話器(スピーカ)403、送話器(マイクロホン)404を備えている。また、ユーザインターフェースを提供する部分として、キー操作部411、表示制御部412、表示部413、音声処理部414、スピーカ415、バイブレータ416を備えている。
【0056】
表示部413は、例えば、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)やLCD(Liquid Crystal Display)等のいわゆる薄型の表示素子が用いられている。また、音声処理部414とスピーカ415とは、着信音や警告音、その他も音声メッセージ等を出力するものである。また、バイブレータ416は、主に着信時に振動を発生させ、着信をユーザに通知するためのものである。
【0057】
また、カメラ付携帯電話端末4は、いわゆるICメモリカードなどの外部メモリ421が着脱可能にされている。また、カメラ付携帯電話端末4は、被写体を撮影することにより、被写体の画像を静止画像情報や動画像情報として取り込むカメラ機能を実現する部分としてカメラ部422を備えている。具体的に、カメラ部422は、撮像レンズ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、カメラ信号処理回路などからなるものである。
【0058】
さらに、カメラ付携帯電話端末4は、カメラ付携帯電話端末4の各部を制御する制御部420を備えている。制御部420は、CPU421、ROM422、RAM423、EEPROM424が、CPUバス425を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU421は、ROM422やEEPROM424に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM422は、CPU421において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0059】
また、RAM423は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM424は、いわゆる不揮発性メモリであり、カメラ付携帯電話端末4の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM424には、例えば、機能追加のための新たなプログラム、種々の設定パラメータ、電話帳データ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0060】
このような構成を有するカメラ付携帯電話端末4は、制御部420の制御により、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、ネットワーク2に情報を送出したり、ネットワーク2を通じて送信されてくる自機宛の情報を受信したりすることにより、種々の通信処理を行うことができるようになっている。
【0061】
また、カメラ付携帯電話端末4は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録するようにされたメニューを備えている。当該メニューは、例えば、キー操作部411に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、制御部420が表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示することができる。そして、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの当該メニューに含まれる項目の選択入力を受け付け、ユーザによって選択された項目に対応するプログラムを実行することができるようになっている。
【0062】
また、カメラ付携帯電話端末4において実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録された当該メニューには、後述もするように、地図画像情報に基づく地図検索を実行するための項目も設けられている。したがって、当該メニューの地図画像情報に基づく地図検索を実行するための項目を選択することによって、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、カメラ部422を通じて撮影して得た地図画像情報に基づく地図検索を簡単に利用することができるようにされる。
【0063】
[地図画像情報に基づく地図検索を行う場合の処理]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムにおいて行われる地図画像情報に基づく地図検索処理について具体的に説明する。地図画像情報に基づく地図検索処理は、上述もしたように、地図情報提供サーバ1とカメラ付携帯電話端末4とが協働することにより実現されるものであり、カメラ付携帯電話端末4を通じてユーザに提供されるものである。
【0064】
カメラ付携帯電話端末4のユーザにおいて、例えば、あるパンフレットに掲載されている簡略化された地図ではその場所がよく分からないために、当該簡略化された地図に示された場所の詳細な最新の地図を取得する必要が生じたとする。この場合、当該ユーザは、カメラ付携帯電話端末4の操作部411の例えばメニューキーを操作するなどして、カメラ付携帯電話端末4において実行可能なプログラムが選択項目として登録されている所定のメニューを表示部413の表示画面に表示させる。
【0065】
そして、当該ユーザは、カメラ付携帯電話端末4のキー操作部411を通じて、当該メニューに登録されている実行可能なアプリケーションの中から、「地図画像情報に基づく地図検索処理」に対応する項目を選択して実行するようにする操作を行う。当該カメラ付携帯電話端末4においては、「地図画像情報に基づく地図検索処理」が実行され、まず、カメラ部422を通じて、当該パンフレットに掲載されている当該簡略化された地図を撮影する。これにより、カメラ付携帯電話端末4の例えば外部メモリ421に撮影された簡略化された地図の地図画像情報が記録される。
【0066】
図4は、「地図画像情報に基づく地図検索処理」が実行され、撮影することにより得られた地図画像情報の一例を説明するための図である。図4においては、撮影することにより得られた当該地図画像情報に応じた画像が、カメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面413Gに表示されている場合を示している。
【0067】
図4に示した地図画像情報は、右上端部に目的地とされている場所が矢印で示されていると共に、目的地の最寄り駅と、目的地への経路上の目印として、消防署、学校、郵便局、寺があることが示されている。なお、図4において、左下端部のアルファベット「Y」に似た記号が消防署の地図記号であり、文字「文」が学校の地図記号であり、記号「〒」が郵便局の地図記号であり、記号「卍」が寺の地図記号である。
【0068】
このようにして、簡略化された地図を撮影することにより地図画像情報を得たカメラ付携帯電話端末4においては、キー操作部411の所定の送信キーを押下操作するなどの送信操作を受け付けるようにする。送信操作が行われると、カメラ付携帯電話端末4の制御部420は、当該地図画像情報を含み、地図情報提供サーバ1を送信先とする地図検索要求を形成し、これを送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出する。このようにして、撮影することにより得られた地図画像情報を含む地図検索要求が地図情報提供サーバ1に送信される。
【0069】
そして、地図画像情報を含む地図の検索要求を受信した地図情報提供サーバ1においては、制御部120が当該地図検索要求から地図画像情報を抽出して、これを検索用地図画像情報ファイル111に格納する。そして、制御部120は、検索用特徴点抽出部103の機能により、検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報を解析し、検索用特徴点情報を特徴点メモリ104に形成する。
【0070】
上述したように、カメラ付携帯電話端末4から提供され、地図情報提供サーバ1の検索用地図画像情報ファイル111に格納された地図画像情報は、図4に示した画像を形成するものである。また、この実施の形態において、予め決められる特徴点は、上述もしたように、例えば、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などである。そして、検索用特徴点抽出部103は、例えば、図4に示した画像を形成する地図画像情報を解析することにより、上記の特徴点を認識するようにし、認識できた(存在が確認できた)特徴点の位置を示した検索用特徴点情報を特徴点メモリ104に形成する。
【0071】
なお、検索用特徴点情報は、1種類の特徴点が1つしか存在しない場合には、マッチングにより地図を検索することは難しい。しかし、地図画像情報上に1種類の特徴点が複数ある場合や複数種類の特徴点が存在する場合には、当該地図画像情報から抽出される検索用特徴点情報に基づいて行われるマッチングによる地図の検索の精度を上げることができる。通常、地図画像情報には、図4にも示したように、道路なども含め複数種類の特徴点が存在する場合が多い。したがって、以下に説明するように、検索用特徴点情報に基づいて地図の検索を精度よく行うことができる。
【0072】
図5は、図4に示した画像を形成する地図画像情報(検索用の地図画像情報)から特徴点メモリ104に抽出(形成)される検索用特徴点情報の例を説明するための図である。図4に示した画像を形成する地図画像情報を解析することにより、予め認識すべき特徴点として、駅を含む鉄道路線、道路、消防署、学校、郵便局、寺が認識され、これらの位置を示した図5に示す検索用特徴点情報が形成され、これが特徴点メモリ104に格納される。
【0073】
この後、特徴点マッチング部105が、特徴点メモリ104に格納された図5に示した検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を実行する。そして、特徴点マッチング部105は、検索用特徴点情報に合致する場所を地図特徴点情報から検索し、検索できた場所の特徴点の位置情報をその場所の位置情報として取得する。
【0074】
図5にした検索用特徴点情報の場合、消防署、学校、郵便局、寺が同じ道路上に並び、寺は当該道路の突き当たりに位置し、また、消防署の近傍に駅があることを示すものになっている。このように、各特徴点が位置する場所を、地図特徴点DB113の地図特徴点情報が示すパターン情報から検出することになる。
【0075】
そして、通常、地図は上側が北、下側が南となるように表される場合が多い。しかし、パンフレットなどに記載される簡略化された地図の場合には、分かりやすさを優先し、その方位関係がまちまちである場合が多い。そこで、パターンマッチングの1つ方法として、特徴点マッチング部105は、図5に示したように特徴点メモリ104に形成される検索用特徴点情報において、例えば、上端側の特徴点、あるいは、下端側の特徴点というように、所定の特徴点を基準とする。図5に示した検索用特徴点情報において、例えば、下側の消防署を基準とするようにしたとする。
【0076】
この場合、特徴点マッチング部105は、地図特徴点DB113の地図特徴点情報(パターン情報)上における各消防署を基準とし、種々の方角に当該検索用特徴点情報に合致するように特徴点が存在する場所を検索する。なお、道路などの位置関係をも考慮することにより、マッチング処理する範囲も自動的に決まる。
【0077】
また、簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報においては、分かりやすさを優先するため、地図のスケールが適当であり、各特徴点の位置も正確でない場合もある。例えば、図5に示した検索用特徴点情報において、実際には、学校「文」と郵便局「〒」とはもっと離れていたり、消防署と学校とはもっと近かったりするなどといった場合もある。このため、特徴点マッチング部105では、検索用特徴点情報において、学校、警察署、消防署、神社仏閣などのいわゆるランドマークについては、並びを優先し、各ランドマーク間の距離については調整しながら検索することができるようにされる。
【0078】
このようにして、特徴点マッチング部105におけるマッチング処理の結果、特徴点メモリ104に格納された検索用特徴点情報(図5)に合致する場所が検索できたとする。この場合、基準として例えば消防署の位置情報により、その場所が特定される。もちろん、他の特徴点の位置情報により、その場所を特定するようにしてもよい。
【0079】
そして、制御部120は、地図情報候補抽出部106を制御し、特徴点マッチング部105により特定した場所の位置情報に基づいて、特定した場所の地図を地図DB112から抽出する。図6は、図5に示した検索用特徴点情報を検索キーとして用いてパターンマッチングの結果得られた詳細地図の一例を示す図である。図6に示した詳細地図は、○○消防署、○○小学校、郵便局、□□寺が同じ道路に沿って並び、□□寺は当該道路の突き当たりに位置し、○○消防署の近傍には、○○駅が位置する内容の地図である。すなわち、図6に示す詳細地図は、図5に示した検索用特徴点情報に合致する場所の詳細地図であることが分かる。
【0080】
このように、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、パンフレットなどに載っている簡略化された地図を、カメラ機能を用いて撮影し、撮影することにより得た地図画像情報を含む地図の検索要求を送信するだけで、目的とする場所の詳細地図を得ることができる。
【0081】
そして、図6に示した詳細地図を参照することにより、目的地は当該詳細地図の左上端側に位置する劇場であることが分かる。そして、当該劇場に行く場合には、○○駅の右側の消防署、小学校、郵便局、寺が並ぶ道路を行くだけでなく、○○駅の左側の道路を直進しても行けることが分かり、○○駅の左側の当該道路を歩いた方が目印はないものの若干近いことなどが分かる。このように、簡単操作で詳細地図を取得することにより、簡略化された地図だけでは分からない情報を得ることができるようにされる。
【0082】
なお、上述もしたように、特徴点メモリ104に格納された検索用特徴点情報に合致する場所が複数存在する場合には、その複数の場所の一覧リストが地図情報提供サーバ1の制御部120により形成される。この一覧リストは、特定された位置情報に基づいて、地図DB112を参照することにより取得されるその位置情報が示す場所の名称からなるものである。この一覧リストは、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4に送信される。
【0083】
検索要求元のカメラ付携帯電話端末4では、表示する地図の場所の候補の一覧リストは送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて受信され、制御部420に供給される。制御部420は、受信した当該一覧リストを、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する。
【0084】
図7は、地図情報提供サーバ1において形成されてカメラ付携帯電話端末4に提供され、当該カメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面413Gに表示される場所の候補の一覧リストの一例を説明するための図である。図7に示すように、当該一覧リストは、カメラ付携帯電話端末4のユーザが取得したい地図の場所を選択することを促すメッセージと共に、検索された場所の一覧リストが表示され、その中の1つを選択することができるようにされる。
【0085】
図7に示した例の場合にが、「1.○○県○○市付近」とする最初の選択項目にカーソルCSが位置付けられている場合を示している。カメラ付携帯電話端末4のユーザは、キー操作部411の矢印キーを用いて、目的とする場所に対応する項目を選択し、所定の確認キーを押下する。これにより、ユーザが選択した項目に対応する情報が、制御部420、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0086】
地図情報提供サーバ1においては、検索要求元のカメラ付携帯電話端末4からの場所の選択指示が、接続端子101、通信I/F102を通じて制御部120により受信される。この場合、制御部120は、地図情報候補抽出部106を制御して、カメラ付携帯電話端末4からの選択指示に応じた場所の地図情報を地図DB113から抽出する。そして、抽出した地図情報を、通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出し、要求元のカメラ付携帯電話端末4に送信する。
【0087】
当該カメラ付携帯電話端末4では、送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて、当該地図情報を受信する。そして、当該地図情報は、制御部420から表示制御部412に供給され、これに応じて表示処理部412が当該地図情報に応じた地図を表示部413の表示画面に表示する。これにより、図6に示したように、目的とする場所の地図がカメラ付携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示されることになる。
【0088】
[カメラ付携帯電話端末4と地図情報提供サーバ1の動作のまとめ]
次に、この実施の形態の地図情報提供システムを構成するカメラ付携帯電話端末4と地図情報提供サーバ1のそれぞれの動作(処理)について、フローチャートを参照しながらまとめる。
【0089】
[カメラ付携帯電話端末4の動作(処理)]
まず、カメラ付携帯電話端末4の動作について説明する。図8、図9は、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4の動作を説明するためのフローチャートである。この図8、図9に示す処理は、上述もしたように、カメラ付携帯電話端末4に用意されている所定のメニューから「地図画像情報に基づく地図検索処理」に対応する項目を選択して実行するようにされた場合に、主に制御部420において実行される。
【0090】
まず、制御部420は、表示制御部412を制御して、表示部413の表示画面に、簡略化された地図等(地図の検索キーの元になる地図)の撮影を促すメッセージを表示し、カメラ部422を動作状態にする(ステップS101)。この場合、当該撮影を促すメッセージと共に、カメラ部422が捉えている画像も、制御部420および表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示される。
【0091】
この後、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの操作入力を受け付け(ステップS102)、シャッターキーの押下操作(撮影操作)を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、撮影操作を受け付けていないと判別した場合には、受け付けた操作入力は、地図検索の終了の指示操作か否かを判別する(ステップS104)。
【0092】
ステップS104の判別処理において、地図検索の終了の指示操作ではないと判別したときには、制御部420は、ステップS102において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS102からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS104の判別処理において、地図検索の終了の指示操作を受け付けたと判別したときには、制御部420は、表示制御部412を制御して、表示部413の表示画面の表示をメニュー表示に戻すなどの所定の終了処理を行って(ステップS105)、この図8、図9の処理を終了し、メニューからの項目選択を行うメインルーチンに戻る。
【0093】
ステップS103の判別処理において、シャッターキーの押下操作(撮影操作)を受け付けたと判断したときには、制御部420は、カメラ部422を通じて、地図画像を取り込み、これを表示部413の表示画面に表示する(ステップS106)。具体的に、ステップS104においては、カメラ部422を通じて取り込んだ地図画像情報)を、例えば外部メモリ421などに記録すると共に、当該地図画像情報に応じた撮影画像を、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する。
【0094】
この後、制御部420は、キー操作部411を通じて、ユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS107)。そして、制御部420は、ステップS107において受け付けた操作入力は、地図の検索要求の送信指示か否かを判別する(ステップS108)。ステップS108の判別処理において、地図の検索要求の送信指示を受け付けていない判別した場合には、受け付けた操作入力は、地図の撮影に戻ることを指示する操作入力か否かを判別する(ステップS109)。
【0095】
ステップS109の判別処理において、地図の撮影に戻ることを指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS102からの処理を行うようにし、再度、簡略化された地図等の撮影を行うことができるようにする。また、ステップS109において、地図の撮影に戻る操作入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS107において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS107からの処理を繰り返すようにする。
【0096】
ステップS108の判別処理において、地図の検索要求の送信指示を受け付けたと判別したときには、制御部420は、外部メモリ421に取り込んだ地図画像情報を含む、地図の検索要求を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS110)。当該地図の検索要求は、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0097】
この後、制御部420は、図9の処理に進み、地図情報提供サーバ1から送信されてくる地図の候補の場所を示した一覧リストを受信して、例えばEEPROM424に取り込む(ステップS111)。そして、制御部420は、例えばEEPROM424に取り込んだ一覧リストを、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示する(ステップS112)。
【0098】
そして、制御部420は、表示部413の表示画面に表示された一覧リストから目的とする場所の選択入力などの操作入力を、キー操作部411を通じて受け付ける(ステップS113)。制御部420は、ステップS113で受け付けた操作入力が、場所の選択入力か否かを判別する(ステップS114)。ステップS114の判別処理において、場所の選択入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS113で受け付けた操作入力は、地図検索の終了を指示するものか否かを判別する(ステップS115)。
【0099】
ステップS115の判別処理において、地図検索の終了を指示する操作入力は受け付けていないと判別したときには、制御部420は、ステップS113において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS113からの処理を繰り返すようにする。また、ステップS115の判別処理において、終了を指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS105の場合と同様に、表示部413の表示画面の表示をメニュー表示に戻すようにするなどの所定の終了処理を行って(ステップS116)、この図8、図9に示す処理を終了し、メインルーチンに戻るようにする。
【0100】
また、ステップS114の判別処理において、場所の選択入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は受け付けた選択入力に応じた場所の選択指示を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS117)。この後、地図情報提供サーバ1から、カメラ付携帯電話端末4のユーザにより選択された場所の詳細地図が送信されてくる。このため、制御部420は、送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて、当該地図情報を受信し、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に当該地図情報に応じた地図を表示する(ステップS118)。
【0101】
そして、制御部420は、キー操作部411を通じて操作入力を受け付け(ステップS119)、地図の検索の終了指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS120)。ステップS120の判別処理において、地図検索の終了指示を受け付けていないと判別したときには、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS121)。
【0102】
ステップS121において、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けたと判別したときには、制御部420は、ステップS112からの処理を行うようにする。これにより、カメラ付携帯電話端末4のユーザは、再度、場所の一覧リストから目的とする場所の選択を行うことができるようにされる。
【0103】
また、ステップS121において、場所の一覧リストの表示に戻ることを指示する操作入力を受け付けていないと判別したときには、制御部420は、ステップS119において受け付けた操作入力に応じた処理を実行する(ステップS122)。この後、制御部420は、ステップS119からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS122においては、ステップS118において表示した地図を、拡大、縮小させたり、上下左右にスクロールさせたりするなどの処理を行って、地図の周辺検索を行う処理などが行うようにされる。
【0104】
そして、ステップS120の判別処理において、地図の検索の終了指示を受け付けたと判別したときには、上述したステップS116の処理と同様に、所定のメニュー表示に戻るようにするなどの所定の終了処理を行って(ステップS123)、この図8、図9に示す処理を終了する。
【0105】
このように、この実施の形態のカメラ付携帯電話端末4は、例えば、簡略化された地図を撮影することにより得た地図画像情報を含む地図の検索要求を形成して地図情報提供サーバ1に送信するだけで、その簡略化された地図に対応する詳細地図の提供を受けて利用することができるようにされる。
【0106】
[地図情報提供サーバ1の動作(処理)]
次に、地図情報提供サーバ1の動作について説明する。図10は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1の動作を説明するためのフローチャートである。この図10に示す処理は、地図情報提供サーバ1の制御部120において、常時、実行するようにされている処理である。
【0107】
すなわち、地図情報提供サーバ1の制御部120は、自機宛ての要求を常時受信するようにしており(ステップS201)、自機宛の要求を受信すると、それが地図画像情報を用いた地図の検索要求か否かを判別する(ステップS202)。ステップS202の判別処理において、受信した要求は、地図画像情報を用いた地図の検索要求ではないと判別したときには、制御部120は、当該要求に応じた処理を実行し(ステップS203)、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。
【0108】
ステップS202の判別処理において、受信した要求は、地図画像情報を用いた地図の検索要求であると判別したときには、制御部120は、受信した当該要求(地図の検索要求)に含まれる地図画像情報を、検索用地図画像情報ファイル111に格納する(ステップS204)。この後、制御部120は、検索用特徴点抽出部103を制御して、検索用地図画像情報ファイル111に格納した地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成して、これを特徴点メモリ114に格納する特徴点抽出処理を実行する(ステップS205)。
【0109】
そして、制御部120は、特徴点マッチング部105を制御して、特徴点メモリ104に格納した検索用特徴点情報と、地図特徴点DB113に格納されている地図特徴点情報とのマッチング処理を実行する(ステップS206)。このステップS206の処理により、検索用特徴点情報に合致する地図上の1以上の場所が特定(抽出)される。
【0110】
この後、制御部120は、ステップS206で特定された1以上の場所の一覧リストを作成する(ステップS207)。そして、制御部120は、通信I/F102を制御して、ステップS207で作成した場所の候補の一覧リストを地図の検索要求の送信元であるカメラ付携帯電話端末4に対して提供(送信)する(ステップS208)。
【0111】
そして、地図情報提供サーバ1の制御部120は、当該カメラ付携帯電話端末4からの要求を受信するようにし(ステップS209)、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものか否かを判断する(ステップS210)。ステップS210の判断処理において、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものではないと判別したときには、制御部120は、当該受信した要求に応じた処理を実行し(ステップS211)、ステップS209からの処理を繰り返すようにする。
【0112】
なお、ステップS211においては、カメラ付携帯電話端末4からの要求に応じて、選択された地図の提供や地図の拡大、縮小要求に応じた地図の提供、さらには地図を用いた周辺検索に対応する地図の提供など、カメラ付携帯電話端末4からの要求に応じた種々の処理が行われることになる。
【0113】
また、ステップS210の判断処理において、受信した要求が地図の検索の終了を指示するものであると判別したときには、制御部120は、所定の終了処理を行って(ステップS212)、ステップS201からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS212においては、例えば、検索用地図画像情報ファイル111に格納した今回検索に用いるようにした地図画像情報をクリアしたり、特徴点メモリ104の今回用いた検索用特徴点情報をクリアしたりするなどの処理が行われるようにされる。
【0114】
このように、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、カメラ付携帯電話端末4からの地図画像情報を含む地図の検索要求に応じて、目的とする場所の詳細地図を検索して、これを要求元のカメラ付携帯電話端末4に提供することができるようにされる。
【0115】
[実施の形態の効果]
上述したように、カメラ付携帯電話端末4等のユーザは、簡略化された地図等を撮影するだけで、その地図画像情報を検索のための情報として用いて、対応する場所の詳細地図を取得することができる。これにより、検索条件を入力するなどの面倒な操作を行うことなく、地図から地図を検索するといった、従来にない地図情報の検索ツールを実現することができる。
【0116】
したがって、種々のパンフレットなどに記載されている簡略化された地図から、その簡略化された地図で示された場所の詳細地図を取得したり、また、古い地図などから、その古い地図で示された場所の最新の地図を取得したりするなどのことが簡単にできる。また、どこの地図か分からない地図から、その場所の詳細地図などの解明地図を検索するなどのこともできる。
【0117】
すなわち、携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどの端末の操作に不慣れなユーザであっても、手元にある地図から、目的とする詳細地図、最新地図、解明地図等を検索して取得することが簡単にできるようにされる。このように、この発明は、地図から対応する他の地図を検索して取得できるようにすると言う従来にない新しい発想の元に実現できたものである。
【0118】
[実施の形態の変形例]
[検索用特徴点情報を通信端末側で形成する場合の例]
上述した実施の形態においては、地図情報提供サーバ1において、検索用特徴点抽出部103の機能により、カメラ付携帯電話端末4からの地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、処理能力の高いいわゆるスマートフォンなどと呼ばれる携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどの通信端末(ユーザ端末)側において、地図画像情報を解析することにより、検索用特徴点情報を形成する。そして、携帯電話端末やパーソナルコンピュータから検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を形成して地図情報提供サーバ1に送信する。
【0119】
この場合、検索用特徴点情報が通信端末(ユーザ端末)から提供されるので、地図情報提供サーバ1に、検索用特徴点抽出部103の機能を設ける必要はない。地図情報提供サーバ1には、受信した地図の検索要求に含まれる検索用特徴点情報と地図特徴点DB113の地図特徴点情報とのマッチング処理を行う特徴点マッチング部105と、当該マッチング処理の結果から詳細地図を抽出する地図情報候補抽出部106とを設けるようにしておけばよい。これにより、地図情報提供サーバ1の付加を軽減した形で地図情報提供システムを構築することができる。
【0120】
[パーソナルコンピュータ5(1)などの情報端末からの検索要求]
また、パーソナルコンピュータは通常カメラ機能は備えていない。このため、図1に示したパーソナルコンピュータ5(1)から地図画像情報を用いた地図の検索を行う場合には、デジタルカメラなどで撮影した地図画像情報をパーソナルコンピュータ5(1)に取り込んで、これを検索用の地図画像情報として用いて地図の検索を行うことになる。
【0121】
もちろん、ノート型パーソナルコンピュータなどの中には、カメラ機能が搭載されたものも存在するし、パーソナルコンピュータなどの情報端末にカメラモジュールを後付で付加することも可能な場合もある。このように、カメラ機能が搭載されたパーソナルコンピュータやカメラモジュールを後付けしたパーソナルコンピュータの場合には、自機のカメラ機能を用いて撮影して得た地図画像情報を、検索用の地図画像情報として用いて、地図の検索を行うようにすることができる。この場合のカメラ機能を備えたパーソナルコンピュータの動作は、図8、図9を用いて説明したカメラ付携帯電話端末4と同様の処理を行うことになる。
【0122】
また、デジタルカメラの中には、通信機能を備えたものも提供されるようになってきている。具体的には、Wi−Fi(Wireless Fidelity)通信機能など、無線LAN(Local Area Network)に接続可能な機能を有するデジタルカメラが提供されるようになってきている。このため、通信機能を備えたデジタルカメラで地図を撮影することにより得た地図画像情報を、当該デジタルカメラから直接に、無線LANを通じて地図情報提供サーバ1に送信し、当該地図画像情報を用いた地図の検索を行うようにすることもできる。
【0123】
この場合のデジタルカメラの動作は、図8、図9を用いて説明したカメラ付携帯電話端末4と同様の処理を行うことになる。また、地図情報提供サーバ1から当該デジタルカメラに提供された地図情報は、当該デジタルカメラのLCDなどの表示素子の表示画面に表示して利用することができる。
【0124】
[地図の検索要求を出力する情報端末の他の例]
上述した実施の形態においては、地図情報の検索要求元は、カメラ付携帯電話端末4であるものとして説明した。さらに、パーソナルコンピュータ5(1)や、カメラ付パーソナルコンピュータ、通信機能を備えたデジタルカメラも、検索要求元の情報端末となり得ることを説明した。しかし、これに限るものではない。
【0125】
例えば、近年、急速に普及してきている比較的に大きな表示画面を備え、薄型の構成とされたパッド型情報端末あるいはタブレット型情報端末と呼ばれる情報端末やPDA(Personal Digital Assistant)などと呼ばれる個人用情報処理端末、電子手帳など、カメラ機能を備えるなどすることにより、地図画像情報を取り込むことが可能な種々の情報処理端末を、地図画像情報を含む地図の検索要求を発する情報端末として用いることが可能である。
【0126】
[検索用の地図画像情報の他の例]
そして、上述した実施の形態においては、検索の元になる地図画像情報(検索用の地図画像情報)は、カメラ付携帯電話端末4が備えるカメラ機能を用いて簡略化された地図等を撮影することにより得られるものであることを説明した。しかし、検索用の地図画像情報は、地図の検索要求元の端末装置が備えるカメラ機能を用いて撮影したものに限るものではない。
【0127】
例えば、上述したパーソナルコンピュータ5(1)のように、デジタルカメラなどの他の外部機器(カメラ機能を備えた電子機器)を通じて撮影した地図画像情報を自機に取り込んで、これを検索用の地図画像情報として用いることが可能である。また、ネットワーク2上の種々のサイトに掲載されている地図情報をコピー・アンド・ペーストするなどして、自機(情報端末)のメモリに取り込んで、これを検索用の地図画像情報とすることもできる。
【0128】
すなわち、地図の検索要求を地図情報提供サーバ1に送信する種々の情報端末においては、自機に搭載されたカメラ機能、通信機能、外部機器との接続機能、外部メモリの接続機能等を通じて外部から取得する種々の地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いることができる。これにより、撮影することにより取り込むようにした地図画像情報だけでなく、ネットワーク2上の種々のサイトに掲載された地図画像情報等、検索要求を出力する情報端末が種々の経路を通じて取得可能な地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いて、地図の検索を行うようにすることができる。
【0129】
なお、自機に搭載されたカメラ機能以外を用いて取得した地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いる場合には、図8、図9に示したカメラ付携帯電話端末4の処理において、ステップS101〜ステップS106の処理が異なることになる。例えば、カメラ機能以外を用いて取得した地図画像情報を検索用の地図画像情報として用いる場合には、図8、図9のステップS101〜ステップS106の処理の代わりに、目的とする地図画像情報の格納先の指定と目的とする地図画像情報の指定など、検索用の地図画像情報を具体的に特定する処理を行うことになる。地図画像情報を含む地図の検索要求の送信以降の処理は、図8、図9を用いて説明した処理と同様の処理になる。
【0130】
また、例えば、パーソナルコンピュータに、図2を用いて説明した地図情報提供サーバ1が備えていた検索用特徴点抽出部103、特徴点マッチング部105、地図情報候補抽出部106の機能を設けるようにすることもできる。そして、当該パーソナルコンピュータにおいて、デジタルカメラなどを通じて撮影した地図画像情報を用いた地図の検索処理を行うようにすることができる。この場合、地図DBや地図特徴点DBは、ネットワーク2上の所定のサーバ装置が備えるものを用いるようにすることもできるし、地図DBや地図特徴点DBを、当該パーソナルコンピュータに設けるようにすることもできる。
【0131】
また、上述した実施の形態においては、特徴点メモリ104に形成された検索用特徴点情報と地図特徴点DBの地図特徴点情報とのマッチングを行うようにした。この時、目的とする詳細地図の場所が、例えば、北海道や東北地方、あるいは、東京都や神奈川県などのようにある程度分かっている場合には、マッチング処理する範囲を、地方や都道府県などによって指定するようにしてもよい。
【0132】
[この発明の方法、プログラム]
上述した実施の形態からも分かるように、主に、地図情報提供サーバ1が、この発明の装置に相当し、地図情報提供サーバ1とカメラ付携帯電話端末4やパーソナルコンピュータ5からなるシステムがこの発明のシステムに相当する。そして、主に、図10のフローチャートを用いて説明した処理が、この発明の方法、プログラムに対応するものである。すなわち、図10のフローチャートに示した処理が、この発明の方法の一実施の形態であり、図10のフローチャートの処理を行うように形成し、地図情報提供サーバ1の制御部120で実行されるようにしたプログラムが、この発明のプログラムの一実施の形態である。
【0133】
そして、地図画像情報から検索用特徴点情報を形成する処理(検索用特徴点抽出部103が行う処理)を、地図情報提供サーバ1で行わず、検索要求元で行うようにした方法が、この発明の方法の他の実施の形態であり、これに対応するプログラムが、この発明のプログラムの他の実施の形態である。
【0134】
[その他]
また、上述した実施の形態においては、地図情報提供サーバ1の接続端子101及び通信I/F102が受付手段及び提供手段としての機能を実現している。また、検索用特徴点情報抽出部103が検索用特徴点情報形成手段の機能を実現し、特徴点マッチング部105が特徴点マッチング手段の機能を実現し、地図情報候補抽出部106が取得手段の機能を実現している。さらに、主に地図情報提供サーバ1の制御部120が、リスト形成手段の機能を実現し、地図情報提供サーバ1の接続端子101及び通信I/F102が一覧リスト提供手段及び指示情報受付手段としての機能を実現している。
【0135】
また、地図情報提供サーバ1に検索用特徴点情報形成手段の機能(検索用特徴点情報抽出部103の機能)を設けない場合には、カメラ付携帯電話端末4の制御部420が検索用特徴点情報抽出手段の機能を実現することになる。もちろん、カメラ付携帯電話端末4に、検索用特徴点情報抽出部103に相当する回路部を設けるようにすることもできる。
【0136】
同様に、地図情報提供サーバ1に検索用特徴点情報抽出手段の機能(検索用特徴点情報抽出部103の機能)を設けない場合であって、検索要求元がパーソナルコンピュータ5(1)などである場合には、当該パーソナルコンピュータ5(1)などのCPUを備えた制御部が検索用特徴点情報抽出手段の機能を実現することになる。もちろん、パーソナルコンピュータなどの当該端末に、検索用特徴点情報抽出部103に相当する回路部を設けるようにすることもできる。
【0137】
また、上述した実施の形態において、カメラ付携帯電話端末4の制御部420と送受信処理部402が協働して、検索要求提供手段としての機能や地図情報受付手段としての機能を実現し、制御部420と表示制御部412とが協働して、表示制御部としての機能を実現している。また、カメラ付携帯電話端末4において、送受信アンテナ401、送受信処理部402が、一覧リスト受付手段としての機能や指示情報提供手段としての機能を実現している。また、カメラ付携帯電話端末4において、制御部420と表示制御部412とが協働して、一覧リスト表示制御部としての機能を実現し、キー操作部411と制御部420とが協働して、指示入力受付手段としての機能を実現している。
【符号の説明】
【0138】
1…地図情報提供サーバ、101…接続端子、102…通信I/F、103…検索用特徴点抽出部、104…特徴点メモリ、105…特徴点マッチング部、106…地図情報候補抽出部、111…検索用地図画像情報ファイル、112…地図DB、113…地図特徴点DB、120…制御部、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…EEPROM、125…CPUバス、3(1)、3(2)…基地局、4(1)、4(2)…カメラ付携帯電話端末、5(1)…パーソナルコンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を提供する提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項2】
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地図情報提供装置であって、
前記特徴点マッチング手段により複数の場所の候補が特定された場合に、当該複数の場所の候補の一覧リストを形成するリスト形成手段と、
形成された前記一覧リストを、検索要求元に提供する一覧リスト提供手段と、
前記一覧リストから選択された場所の候補を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と
を備え
前記取得手段は、前記指示情報受付手段を通じて受け付けた前記指示情報により指示される場所の候補を含む部分の地図情報を取得する
ことを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項4】
地図情報提供装置と端末装置とがネットワークを通じて接続されて形成される地図情報提供システムであって、
前記地図情報提供装置は、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備え、
前記端末装置は、
地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を形成する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を形成し、前記地図情報提供装置に提供する検索要求提供手段と、
前記地図情報提供装置から提供される地図情報を受け付ける地図情報受付手段と、
前記地図情報による地図を表示画面に表示するように制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項5】
地図情報提供装置と端末装置とがネットワークを通じて接続されて形成される地図情報提供システムであって、
前記地図情報提供装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備え、
前記端末装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を形成し、前記地図情報提供装置に提供する検索要求提供手段と、
前記地図情報提供装置から提供される地図情報を受け付ける地図情報受付手段と、
前記地図情報による地図を表示画面に表示するように制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の地図情報提供システムであって、
地図情報提供装置は、
前記特徴点マッチング手段により複数の場所の候補が特定された場合に、当該複数の場所の候補の一覧リストを形成するリスト形成手段と、
形成された前記一覧リストを、検索要求元に提供する一覧リスト提供手段と、
前記一覧リストから選択された場所の候補を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と
を備え
前記取得手段は、前記指示情報受付手段を通じて受け付けた前記指示情報により指示される場所の候補を含む部分の地図情報を取得することができるものであり、
前記端末装置は、
前記一覧リストの提供を受け付ける一覧リスト受付手段と、
受け付けた前記一覧リストを表示画面に表示するように制御する一覧リスト表示制御手段と、
前記表示画面に表示された前記一覧リストの中から目的とする場所の指示入力を受け付けるようにする指示入力受付手段と、
前記指示入力に応じた場所を指示する指示情報を前記地図情報提供装置に提供する指示情報提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項7】
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付工程と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを特徴点マッチング手段が行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング工程と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得工程と、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供工程と
を有することを特徴とする地図情報提供方法。
【請求項8】
地図画像情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付工程と、
検索用特徴点情報抽出手段により、前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出工程と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを特徴点マッチング手段が行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング工程と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得工程と、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供工程と
を有することを特徴とする地図情報提供方法。
【請求項9】
地図情報を提供する地図情報提供装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチングステップと、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得ステップと、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供ステップと
を実行することを特徴とする地図情報提供プログラム。
【請求項10】
地図画像情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出ステップと、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチングステップと、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得ステップと、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供ステップと
を実行することを特徴とする地図情報提供プログラム。
【請求項1】
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を提供する提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項2】
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地図情報提供装置であって、
前記特徴点マッチング手段により複数の場所の候補が特定された場合に、当該複数の場所の候補の一覧リストを形成するリスト形成手段と、
形成された前記一覧リストを、検索要求元に提供する一覧リスト提供手段と、
前記一覧リストから選択された場所の候補を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と
を備え
前記取得手段は、前記指示情報受付手段を通じて受け付けた前記指示情報により指示される場所の候補を含む部分の地図情報を取得する
ことを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項4】
地図情報提供装置と端末装置とがネットワークを通じて接続されて形成される地図情報提供システムであって、
前記地図情報提供装置は、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備え、
前記端末装置は、
地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を形成する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を形成し、前記地図情報提供装置に提供する検索要求提供手段と、
前記地図情報提供装置から提供される地図情報を受け付ける地図情報受付手段と、
前記地図情報による地図を表示画面に表示するように制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項5】
地図情報提供装置と端末装置とがネットワークを通じて接続されて形成される地図情報提供システムであって、
前記地図情報提供装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を受け付ける受付手段と、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出手段と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング手段と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を取得する取得手段と、
取得された前記地図情報を検索要求元に提供する提供手段と
を備え、
前記端末装置は、
地図画像情報を含む地図の検索要求を形成し、前記地図情報提供装置に提供する検索要求提供手段と、
前記地図情報提供装置から提供される地図情報を受け付ける地図情報受付手段と、
前記地図情報による地図を表示画面に表示するように制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の地図情報提供システムであって、
地図情報提供装置は、
前記特徴点マッチング手段により複数の場所の候補が特定された場合に、当該複数の場所の候補の一覧リストを形成するリスト形成手段と、
形成された前記一覧リストを、検索要求元に提供する一覧リスト提供手段と、
前記一覧リストから選択された場所の候補を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と
を備え
前記取得手段は、前記指示情報受付手段を通じて受け付けた前記指示情報により指示される場所の候補を含む部分の地図情報を取得することができるものであり、
前記端末装置は、
前記一覧リストの提供を受け付ける一覧リスト受付手段と、
受け付けた前記一覧リストを表示画面に表示するように制御する一覧リスト表示制御手段と、
前記表示画面に表示された前記一覧リストの中から目的とする場所の指示入力を受け付けるようにする指示入力受付手段と、
前記指示入力に応じた場所を指示する指示情報を前記地図情報提供装置に提供する指示情報提供手段と
を備えることを特徴とする地図情報提供システム。
【請求項7】
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付工程と、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを特徴点マッチング手段が行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング工程と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得工程と、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供工程と
を有することを特徴とする地図情報提供方法。
【請求項8】
地図画像情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付工程と、
検索用特徴点情報抽出手段により、前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出工程と、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを特徴点マッチング手段が行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチング工程と、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得工程と、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供工程と
を有することを特徴とする地図情報提供方法。
【請求項9】
地図情報を提供する地図情報提供装置に搭載されたコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
地図画像情報を解析して抽出される所定の特徴点の前記地図画像情報上における位置を示す検索用特徴点情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記検索要求に含まれる前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチングステップと、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得ステップと、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供ステップと
を実行することを特徴とする地図情報提供プログラム。
【請求項10】
地図画像情報を含む地図の検索要求を、受付手段を通じて受け付ける受付ステップと、
前記検索要求に含まれる前記地図画像情報を解析し、前記地図画像情報上における所定の特徴点の位置を示す検索用特徴点情報を抽出する検索用特徴点情報抽出ステップと、
前記検索用特徴点情報と、所定の地図上における所定の特徴点の位置を示す地図特徴点情報とのマッチングを行って、前記検索用特徴点情報に合致する場所の候補を特定する特徴点マッチングステップと、
特定された前記場所の候補を含む部分の地図情報を、取得手段を通じて取得する取得ステップと、
取得された前記地図情報を、提供手段が検索要求元に提供する提供ステップと
を実行することを特徴とする地図情報提供プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−113668(P2012−113668A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264525(P2010−264525)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】
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