説明

地図情報提供装置

【課題】更新地図データの利用促進を図るとともに、料金回収の促進を図る。
【解決手段】新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を記憶する記憶媒体を参照して新設地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定し(S102)、新設地物に関する地図情報の提供を制限すると判定された場合、新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに新設地物に関する地図情報の提供を制限する(S104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを提供する情報センタより更新地図データを取得し、取得した更新地図データに含まれる地物に関する地図情報を提供することが可能な地図情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがナビゲーション装置を購入してから一定期間、たとえば3年間は定額(無償を含む)で地図データをユーザに更新させる定額期間とし、その定額期間が経過した後は、更新される地図データ量に応じてユーザに課金する従量期間として地図データの更新を行うようにしたものにおいて、定額期間から従量期間へと移行する前の移行期間内になると、そのユーザに電子メールを送信し、移行期限告知画面を表示させ、表示画面に従ったユーザ操作に応じて、更新地図データのダウンロードを行うようにした地図データの更新システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたような地図データの更新システムでは、更新費用を支払って地図データを更新してみないと、地図データの更新により、どの程度の変更があるかを認識することができない。すなわち、新規道路の開通や大型商業施設の新規開店があり、これらの変更点を反映した最新版の地図データが整備されたとしても、地図データを更新するまでは地図上でそれを確認することができないので、ユーザを、地図データを更新したいという気にさせることはできないという問題があった。また、地図データを提供する側としても、地図データを整備するために必要な費用を利用料金として十分に回収できないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、更新地図データの利用促進を図るとともに、料金回収の促進を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、地図データを提供する情報センタより更新地図データを取得し、当該更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに更新地図データに含まれる地物に関する地図情報を提供することが可能な地図情報提供装置であって、新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を記憶する記憶媒体を参照して新設地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定する利用制限判定手段と、利用制限判定手段により新設地物に関する地図情報の提供を制限すると判定された場合、新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに新設地物に関する地図情報の提供を制限する地図情報提供手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
上記した構成によれば、新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を記憶する記憶媒体を参照して新設地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定し、新設地物に関する地図情報の提供を制限すると判定された場合、新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として更新地図データに基づく地図画面が表示部に表示されるので、ユーザは、新設地物を容易に認識することができ、更に、新設地物に関する地図情報の提供が制限されるので、ユーザを、地図データを更新したいという気にさせることができ、更新地図データの利用促進を図るとともに、料金回収の促進を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、地図情報提供手段は、利用制限判定手段により新設地物に関する地図情報の提供を制限しないと判定された場合、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を可能とすることを特徴としている。
【0009】
上記した構成によれば、新設地物に関する地図情報の提供を制限しないと判定された場合、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を可能とすることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、更新地図データに含まれる新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報を取得する利用制限情報取得手段を備え、地図情報提供手段は、利用制限解除情報および利用制限情報に基づいて地図情報の提供を解除する利用制限解除対象を特定し、当該利用制限解除対象に該当する地図情報の提供について制限を解除することを特徴としている。
【0011】
上記した構成によれば、更新地図データに含まれる新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報を取得し、利用制限解除情報および利用制限情報に基づいて地図情報の提供を解除する利用制限解除対象を特定し、当該利用制限解除対象に該当する地図情報の提供について制限を解除するので、より利用者の要求に合った地図情報の提供を行うことが可能である。
【0012】
また、新設地物は、請求項4に記載の発明のように、地図データの版数アップにより更新地図データに新たに含まれるようになった新設道路とすることができ、請求項6に記載の発明のように、地図データの版数アップにより更新地図データに新たに含まれるようになった新設施設とすることもできる。
【0013】
また、新設地物に関する地図情報の提供は、請求項5に記載の発明のように、新設道路を利用した経路探索、新設道路を利用した経路案内、新設道路の方向名称表示、新設道路の路線番号表示、新設道路の道路格に応じた色分け表示、新設道路を対象としたマップマッチングの少なくとも1つとすることができ、また、請求項7に記載の発明のように、新設施設を検索対象に含む施設検索、新設施設を対象とした目的地設定の少なくとも1つとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図情報提供装置の構成を示す図である。
【図2】制御部のフローチャートである。
【図3】制限付きの地図画面の表示例である。
【図4】制限なし地図画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る地図情報提供装置の構成を図1に示す。本地図情報提供装置は、車両用ナビゲーション装置1により構成されている。車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作部12、地図データ入力器13、表示部14、通信部15および制御部16を備えている。車両用ナビゲーション装置1は、起動する度に通信部15を介して地図データを提供する情報センタ2から最新版の地図データを取得し、この地図データに基づく地図画面を表示部14のディスプレイに表示させる、所謂メモリーナビとして構成されている。
【0016】
位置検出器11は、地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、GPS受信機等(いずれも図示せず)により構成されており、これらから入力される現在位置を特定するための情報を制御部16へ出力する。
【0017】
操作部12は、表示部14のディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチ、表示部14のディスプレイの周囲に設けられたメカニカルスイッチ、リモコン装置に設けられたリモコンスイッチ等により構成されユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部16へ送出する。
【0018】
地図データ入力器13は、情報センタ2より取得した地図データを一時的に記憶させた記憶媒体から、必要とされる地図データを読み出して制御部16へ入力する装置である。なお、地図データには、地図表示のための背景データ、経路探索のための道路データ、施設検索のための施設データ、位置精度向上のためのマップマッチングデータ等の各種データが含まれる。
【0019】
表示部14は、液晶等のディスプレイを有し、制御部16より入力される映像信号に応じた映像を表示部に表示させる。
【0020】
通信部15は、公衆無線通信網を介して外部と通信するためのものである。本車両用ナビゲーション装置1は、通信部15を介して情報センタ2と通信することが可能となっている。
【0021】
制御部16は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0022】
制御部16の処理としては、位置検出器11から入力される現在位置を特定するための情報に基づいて現在位置を特定する現在位置特定処理、現在位置周辺の地図上に現在地マークを重ねて表示させる地図表示処理、操作部12を介して入力された条件に該当する施設を検索する施設検索処理、ダイクストラ法等を用いて出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う走行案内処理等がある。
【0023】
なお、地図表示処理においては、各種道路の方向名称表示、各種道路の路線番号表示、各種道路の道路格に応じた色分け表示、各種道路を対象としたマップマッチング処理等を実施する。
【0024】
情報センタ2より提供される更新地図データには、一部の地図情報の提供を制限するための利用制限情報が埋め込まれている。本実施形態では、地図データの版数アップにより更新地図データに新たに含まれるようになった新設道路、新設施設等の新設地物に対し、新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報が関連付けられている。この利用制限情報には、地図データの製造メーカ、地図データの版数、新設地物のサービス開始時期(年月日)を表す情報、新設道路であることを表す情報、新設施設であることを表す情報が含まれる。
【0025】
上記した新設地物に関する地図情報の提供の制限を解除するためには、利用制限解除情報の発行の申込みを行い、情報センタ2より発行される利用制限解除情報を用いて地図情報の提供の制限を解除するための操作を行う必要がある。
【0026】
本実施形態では、車両用ナビゲーション装置1から公衆無線通信網を介して情報センタ2に備えられたサーバにアクセスし、ウェブ画面上で利用制限解除情報の発行の申込を行うことが可能となっている。利用者は、ウェブ画面上で利用制限解除情報の申込みを行い、利用料金の支払契約が成立すると、情報センタ2から利用者へ電子メールにより利用制限解除情報が送信されるようになっている。なお、利用料金については、後日、通信業者から無線通信の通信料金とともに請求され、その後、通信業者から情報センタ2へ送金されるようになっている。
【0027】
また、利用者は、利用制限解除期間(例えば、短期、長期、永久)および利用制限解除対象(道路データのみ、施設データのみ、道路データと施設データ)を指定して利用制限解除情報の発行の申込みを行うことができるようになっている。なお、利用料金の設定は、利用制限解除期間や利用制限解除対象により異なっている。
【0028】
また、利用制限解除情報には、地図データの製造メーカ、地図データの版数、利用制限解除期間、利用制限解除対象が含まれる。
【0029】
車両用ナビゲーション装置1の画面表示に従って利用者により利用制限解除情報が入力されると、利用制限解除情報がフラッシュメモリに格納されるようになっている。
【0030】
図2に、制御部16のフローチャートを示す。運転者の操作によりイグニッションスイッチがオン状態になると本車両用ナビゲーション装置1は動作状態となる。制御部16は、まず、情報センタ2より最新版の更新地図データを取得し、この最新版の更新地図データを地図データ入力器13の記憶媒体に記憶させた後、図2に示す処理を実施する。なお、最新版の更新地図データを取得するために情報センタ2へ費用を支払う必要はない。
【0031】
まず、地図データ入力器13より地図データを取得する(S100)。具体的には、地図データ入力器13より地図データとともに利用制限情報を取得する。
【0032】
次に、利用制限解除情報と利用制限情報に基づいて新規地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定する(S102)。具体的には、フラッシュメモリから利用制限解除情報を読み出し、この利用制限解除情報に含まれる利用制限解除期間に基づいて現在日時が利用制限解除期間内であれば新規地物に関する地図情報の提供を制限しないと判定し、現在日時が利用制限解除期間を超過している場合には新規地物に関する地図情報の提供を制限すると判定する。
【0033】
ここで、フラッシュメモリに利用制限解除情報が記憶されていない場合、あるいは、利用者により事前に情報センタ2より発行される利用制限解除情報を用いて地図情報の提供の制限を解除するための操作が行われ、フラッシュメモリに利用制限解除情報が記憶されていても現在日時が利用制限解除期間を超過している場合、S102の判定はYESとなり、次に、制限付きで地図情報を提供する(S104)。具体的には、新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部14に表示させるとともに新設地物に関する地図情報の提供を制限する。このとき、利用料金の支払いに応じて情報センタ2より発行される利用制限解除情報を用いて地図情報の提供の制限を解除することが可能な旨の案内を行う。この案内は、常時、行うようにしてもよく、また、ユーザが、制限されている地図情報の提供を試みたときに行うようにしてもよい。
【0034】
図3に、制限付きの地図画面の表示例を示す。図中、国道1号線、県道5号線、県道30号線、小学校、スポーツセンターは、新設地物ではなく、Aバイパス、Bインター、C図書館は新設地物である。国道1号線、県道5号線、県道30号線、小学校、スポーツセンターは、通常の表示形態で表示されるが、新設道路であるAバイパス、Bインターおよび新設施設であるC図書館は、通常の表示形態と異なる簡易表示で行われる。本実施形態では、新設地物は、点線で表示される。
【0035】
また、制御部16は、新設地物に関する地図情報の提供を制限する。本実施形態では、新設道路を利用した経路探索、新設道路を利用した経路案内、新設道路の方向名称表示、新設道路の路線番号表示、新設道路の道路格に応じた色分け表示、新設道路を対象としたマップマッチング、新設施設を検索対象に含む施設検索、新設施設を対象とした目的地設定を行うことができなくなる。
【0036】
例えば、新設道路を利用した経路探索が制限されるので、新設道路を含む経路に沿った経路案内を行うことはできない。
【0037】
また、新設道路の路線番号表示、新設道路の道路格に応じた色分け表示が行われないので、新設道路の路線番号や新設道路の道路格を認識することができない。
【0038】
また、新設道路を対象としたマップマッチングが行われないので、新設道路を走行すると地図上の車両の自車位置マークが新設道路からずれて表示されることも考えられる。
【0039】
また、新設施設を検索対象に含む施設検索を行うことができないので、新設施設の電話番号、住所、営業時間等の各種情報を参照することもできない。
【0040】
また、新設施設を対象とした目的地設定を行うことができないので、新設施設を目的地とした経路探索を行うことができない。
【0041】
これに対し、利用者により、事前に情報センタ2より発行される利用制限解除情報を用いて地図情報の提供の制限を解除するための操作が行われ、フラッシュメモリに利用制限解除情報が記憶され、利用制限解除期間内となっている場合、S102の判定はNOとなり、次に、制限解除対象を特定する(S106)。具体的には、利用制限解除情報に含まれる利用制限解除対象(道路データのみ、施設データのみ、道路データと施設データ)に基づいて利用制限の解除対象を特定する。
【0042】
次に、制限なしで地図情報を提供する(S108)。ここで、利用制限の解除対象が道路データと施設データとなっている場合、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部14に表示させるとともに新設地物に関する地図情報の提供を制限することなく更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を実施する。
【0043】
図4に、制限なしの地図画面の表示例を示す。図3に示した例と同様に、国道1号線、県道5号線、県道30号線、小学校、スポーツセンターは、新設地物ではなく、Aバイパス、Bインター、C図書館は新設地物である。図に示すように、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面が表示部14に表示され、また、更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を利用することが可能となる。
【0044】
また、制御部16は、更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を実施する。本実施形態では、新設道路を利用した経路探索、新設道路を利用した経路案内、新設道路の方向名称表示、新設道路の路線番号表示、新設道路の道路格に応じた色分け表示、新設道路を対象としたマップマッチング、新設施設を検索対象に含む施設検索、新設施設を対象とした目的地設定を、更新地図データに含まれる全ての地物に対して行うことができるようになる。
【0045】
なお、S106にて、例えば、利用制限解除対象が道路データのみとなっている場合には、施設データに関する表示は簡易表示となり、施設データに関する情報提供が制限される。また、利用制限解除対象が施設データのみとなっている場合には、道路データに関する表示は簡易表示となり、道路データに関する情報提供が制限される。
【0046】
また、利用制限情報に含まれる新設地物のサービス開始時期(年月日)を表す情報に基づいてまだ新設地物がサービスを開始しているか否かを判定し、まだ新設地物がサービスを開始していないと判定した場合には、新設地物に関する情報の提供を制限する。
【0047】
上記した構成によれば、新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を記憶する記憶媒体を参照して新設地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定し、新設地物に関する地図情報の提供を制限すると判定された場合、新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として更新地図データに基づく地図画面が表示部に表示されるので、ユーザは、新設地物を容易に認識することができ、更に、新設地物に関する地図情報の提供が制限されるので、ユーザを、地図データを更新したいという気にさせることができ、更新地図データの利用促進を図るとともに、料金回収の促進を図ることができる。
【0048】
また、新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報および更新地図データに含まれる新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報を記憶する記憶媒体を参照して新設地物に関する地図情報の提供を制限しないと判定された場合、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を実施することができる。すなわち、利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を用いて新設地物に関する地図情報の提供の制限を開示することで、更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させ、更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を受けることが可能とすることができる。
【0049】
また、更新地図データに含まれる新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報を取得し、利用制限解除情報および利用制限情報に基づいて地図情報の提供を解除する利用制限解除対象を特定し、当該利用制限解除対象に該当する地図情報の提供について制限を解除するので、より利用者の要求に合った地図情報の提供を行うことが可能である。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0051】
例えば、上記実施形態では、車両用ナビゲーション装置により地図情報提供装置を構成したが、例えば、携帯電話機、移動型携帯端末装置、パーソナルコンピュータ等により地図情報提供装置を構成するようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、車両用ナビゲーション装置1から公衆無線通信網を介して情報センタ2に備えられたサーバにアクセスし、ウェブ画面上で利用制限解除情報の申込を行い、利用料金の支払契約が成立すると、情報センタ2から利用者へ電子メールにより利用制限解除情報が送信され、更に、利用料金は、後日、通信業者から無線通信の通信料金とともに請求され、その後、通信業者から情報センタ2へ送金される構成を示したが、利用制限解除情報の取得方法は、このような手法に限定されるものではない。
【0053】
また、上記実施形態では、利用制限解除対象(道路データのみ、施設データのみ、道路データと施設データ)を指定して利用制限解除情報の発行の申込みを行う構成を示したが、道路データ、施設データ以外の各種データについても利用制限解除対象を指定して利用制限解除情報の発行の申込みを行うことができるように構成してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、情報センタ2より発行される利用制限解除情報に利用制限解除期間(例えば、短期、長期、永久)を含むようにして利用制限の期間を管理するようにしたが、例えば、地図データに利用料金に応じた料金タイプを表す種別コードを埋め込んでおき、情報センタ2に支払った利用料金に応じたデータ量となるまで、利用者が所望の新設道路、新設施設を選択できるように構成してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、起動する度に情報センタ2から地図データを取得する所謂メモリーナビとして情報提供装置を構成したが、地図データ更新時に情報センタ2から更新地図データを取得してハードディスクドライブに記憶させ、通常時はハードディスクドライブに記憶された地図データに基づいて情報提供を行う所謂ハードディスクナビゲーションとして情報提供装置を構成してもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、新設地物を点線で簡易表示したが、例えば、通常表示では赤色のところを簡易表示では淡色であるピンク色、通常表示では青色のところを簡易表示では淡色である水色とするなど、通常表示と簡易表示とで表示色を変えるようにしてもよい。
【0057】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100が情報取得手段に相当し、S102が利用制限判定手段に相当し、S104、S108が地図情報提供手段に相当し、S106が利用制限情報取得手段に相当する。
【符号の説明】
【0058】
1 車両用ナビゲーション装置
2 情報センタ
11 位置検出器
12 操作部
13 地図データ入力器
14 表示部
15 通信部
16 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを提供する情報センタより更新地図データを取得し、当該更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに前記更新地図データに含まれる地物に関する地図情報を提供することが可能な地図情報提供装置であって、
新設地物に関する地図情報の提供を利用するための利用料金の支払いに応じて情報センタより発行される利用制限解除情報を記憶する記憶媒体を参照して前記新設地物に関する地図情報の提供を制限するか否かを判定する利用制限判定手段と、
前記利用制限判定手段により前記新設地物に関する地図情報の提供を制限すると判定された場合、前記新設地物を通常の表示形態と異なる簡易表示として前記更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに前記新設地物に関する地図情報の提供を制限する地図情報提供手段と、を備えたことを特徴とする地図情報提供装置。
【請求項2】
前記地図情報提供手段は、前記利用制限判定手段により前記新設地物に関する地図情報の提供を制限しないと判定された場合、前記更新地図データに含まれる全ての地物を通常表示として前記更新地図データに基づく地図画面を表示部に表示させるとともに前記更新地図データに含まれる全ての地物に関する地図情報の提供を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の地図情報提供装置。
【請求項3】
前記更新地図データに含まれる新設地物に関する地図情報の提供を制限するための利用制限情報を取得する利用制限情報取得手段を備え、
前記地図情報提供手段は、前記利用制限解除情報および前記利用制限情報に基づいて前記地図情報の提供を解除する利用制限解除対象を特定し、当該利用制限解除対象に該当する地図情報の提供について制限を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の地図情報提供装置。
【請求項4】
前記新設地物は、前記地図データの版数アップにより前記更新地図データに新たに含まれるようになった新設道路であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の地図情報提供装置。
【請求項5】
前記新設地物に関する地図情報の提供は、前記新設道路を利用した経路探索、前記新設道路を利用した経路案内、前記新設道路の方向名称表示、前記新設道路の路線番号表示、前記新設道路の道路格に応じた色分け表示、前記新設道路を対象としたマップマッチングの少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の地図情報提供装置。
【請求項6】
前記新設地物は、前記地図データの版数アップにより前記更新地図データに新たに含まれるようになった新設施設であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の地図情報提供装置。
【請求項7】
前記新設地物に関する地図情報の提供は、前記新設施設を検索対象に含む施設検索、前記新設施設を対象とした目的地設定の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6に記載の地図情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−242438(P2012−242438A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109517(P2011−109517)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】