説明

地図情報検索装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】使用者の意図に適った検索結果の表示を実行することが可能な地図情報検索装置を提供する。
【解決手段】検索条件特定手段は、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する。完全一致検索手段は、その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも名称が検索文字列と称呼において一致する候補を特定する。部分一致検索手段は、その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも名称の称呼が検索文字列の称呼を含む候補、即ち検索文字列と部分一致する候補を特定する。検索結果出力手段は、完全一致検索手段で特定された候補を、部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置などの地図情報検索装置による使用者への情報提示の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置において、施設名称に基づき検索を行う場合、使用者が指定した検索文字列を施設名称に含む施設の一覧(リスト)を画面上に表示する部分一致検索が存在する。この部分一致検索は、通常、全国の施設又は使用者が指定したエリア内の施設を対象に行われる。特許文献1には、検索文字列と、1の正式名称に対して複数の読みを登録した名称リストとを前方一致比較し、前方一致した名称リストの数を残りリスト数として表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−097266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、部分一致検索の検索結果が多数存在する場合、使用者は、当該検索結果から自己が探している施設を見つけるのが困難な場合がある。例えば、使用者が検索するエリアを指定しない場合、全国の施設を対象に部分一致検索がなされるため、検索結果が膨大な数になる可能性がある。この場合、50音順など所定の規則に従い検索結果がリスト表示されることとなり、使用者が所望する施設が、他の多数の不要な施設の中に埋もれてしまう。上記の問題は、特許文献1には、何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、使用者の意図に適った検索結果の表示を実行することが可能な地図情報検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、地図情報検索装置であって、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部と、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、を備え、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする。
【0007】
請求項5に記載の発明は、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置により実行される制御方法であって、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定工程と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索工程と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索工程と、前記完全一致検索工程で特定された候補を、前記部分一致検索工程でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、を備え、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置に搭載され実行されるプログラムであって、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、として前記地図情報検索装置を機能させ、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の概略構成の一例である。
【図2】実施例に係るナビゲーション装置の機能ブロックの一例である。
【図3】実施例に係るナビゲーション装置の表示例である。
【図4】実施例の処理手順の概要を示すフローチャートの一例である。
【図5】完全一致検索処理のフローチャートの一例である。
【図6】部分一致検索処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部と、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、を備え、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする。
【0011】
上記の地図情報検索装置は、例えばナビゲーション装置であり、記憶部と、検索条件特定手段と、完全一致検索手段と、部分一致検索手段と、検索結果出力手段と、を備える。記憶部は、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する。「検索の目的となる候補」とは、施設その他使用者が検索により特定しようとする地点又はエリアを指す。検索条件特定手段は、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する。ここで、「外部入力」とは、使用者の操作に基づく入力を指す。「その他の検索条件」とは、例えば、検索対象となるエリアの指定を受け付けた場合には当該エリアが該当し、候補が属するジャンルの指定を受けた場合には当該ジャンルが該当する。完全一致検索手段は、その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも名称が検索文字列と称呼において一致する候補を特定する。ここで、「第1エリア」とは、例えば候補が所在する全てのエリア(即ち全国エリア)を指し、具体的には後述する第2エリアより広域なエリアに設定される。また、「称呼において一致する」とは、例えば平仮名、片仮名、漢字、ローマ字等を相互に変更するものであって同一の称呼を有するものが該当する。部分一致検索手段は、その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも名称の称呼が検索文字列の称呼を含む候補、即ち検索文字列と部分一致する候補を特定する。ここで、「第2エリア」は、現在地を含む所定のエリアに設定され、第1エリアよりも狭いエリアに限定して設定される。検索結果出力手段は、完全一致検索手段で特定された候補を、部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する。
【0012】
一般に、完全一致施設は、その数が少ないことが予想され、また、現在地との関係に関わらず、使用者が所望する施設である可能性が高い。一方、使用者が意図的に部分一致検索を行う場合、チェーン店など複数の店舗を有する施設を検索している可能性が高い。従って、地図情報検索装置は、完全一致検索を部分一致検索よりも広域なエリア内で行い、完全一致検索により特定された候補を検索結果の最上位に表示する。このようにすることで、上記の地図情報検索装置は、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0013】
上記の地図情報検索装置の一態様では、前記第1エリアは、前記候補が所在する全てのエリアに設定され、前記第2エリアは、前記地図情報検索装置が位置する現在地を含むエリアであって、行政区画に基づく所定のエリアに設定される。この態様では、完全一致検索手段は、第1エリアをいわゆる全国エリアに設定し、第1エリアに基づくエリアの限定は行わない。また、第2エリアは、第1エリアよりも狭いエリアであって、例えば現在地を含む都道府県、又はその隣接都道府県を含むエリア、その他行政区画に基づく所定のエリアを指す。このようにすることで、地図情報検索装置は、好適に第1及び第2エリアを定めることができ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0014】
上記の地図情報検索装置の他の一態様では、車両に搭載されると共に経路案内機能を備え、前記第2エリアは、経路案内に基づく走行予定の経路の周辺、経路案内に基づく目標地の周辺、若しくは所定の登録地点の周辺、又はこれらの組み合わせのエリアを含む。ここで、「目標地」とは、経路案内の目標となる地点を指し、いわゆる目的地及び立寄地を含む。また、「登録地点」とは、使用者が地図情報検索装置に登録した地点を指す。また、「周辺」とは、例えば目標地等から所定距離以内のエリア、又は目標地等を含む都道府県その他行政区画に基づく所定のエリアなどを指す。このようにすることで、部分一致検索手段は、使用者が所望する可能性が高い候補のエリアを限定して検索することができ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0015】
上記の地図情報検索装置の他の一態様では、前記検索結果出力手段は、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補を、前記地図情報検索装置が位置する現在地から近いほど優先的に表示する。一般に、使用者が部分一致検索がなされることを期待して検索文字列を入力する場合、即ち、使用者が候補の名称の一部のみを検索文字列として指定する場合、チェーン店など複数の店舗を有する施設を検索している可能性が高い。従って、この場合、使用者は、なるべく現在地に近い施設を所望している可能性が高い。よって、この態様では、地図情報検索装置は、使用者による候補の選択の利便性を向上させることができる。
【0016】
本発明の他の観点では、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置により実行される制御方法であって、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定工程と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索工程と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索工程と、前記完全一致検索工程で特定された候補を、前記部分一致検索工程でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、を備え、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定される。地図情報検索装置は、この方法を使用することで、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0017】
本発明のさらに別の観点では、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置に搭載され実行されるプログラムであって、外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、として前記地図情報検索装置を機能させ、前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定される。地図情報検索装置は、このプログラムを実行することで、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。まず、本発明の地図情報検索装置が適用されたナビゲーション装置1の概略構成について説明する。
【0019】
なお、以後の説明では、ナビゲーション装置1が搭載された車両を、「搭載車両」と呼ぶ。また、「使用者」とは、搭載車両の運転者の他、搭載車両の乗員も含むものとする。さらに、「目的地等」とは、使用者がナビゲーション装置1に設定した目的地の他、使用者が目的地の途中で立ち寄る地点(立寄地)として設定した地点も含むものとする。また、「施設」とは、建物や設備の他、目的地等として設定され得る地点を指す。
【0020】
[概略構成]
図1に、ナビゲーション装置1の概略構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0021】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0022】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置(以後、「現在地」とも呼ぶ。)を検出するために用いられる。
【0023】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。システムコントローラ20は、本発明における検索条件特定手段、完全一致検索手段、部分一致検索手段及び検索結果出力手段に相当する。
【0024】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。なお、これらのシステムコントローラ20の各要素が実行する具体的な処理については、後述する。
【0025】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0026】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0027】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。特に、データ記憶ユニット36は、地図データとして、各施設の位置情報その他施設に関連する情報(以後、「施設情報」と呼ぶ。)のデータベースを記憶する。通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICSセンタ、又は各車両の走行履歴を蓄積管理して渋滞情報を提供するサーバなどから配信される渋滞情報その他交通情報を電波39より取得する。そしてインタフェース37は、通信装置38のインタフェース動作を行い、交通情報をシステムコントローラ20等に入力する。
【0028】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0029】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0030】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0031】
なお、以後では、「検索文字列」とは、施設を当該施設名称から検索するためのキーワードであって、使用者が指定したものを指す。また、「完全一致検索」とは、検索文字列と称呼(呼び名)が一致する施設名称を有する施設の検索を指し、「部分一致検索」とは、施設名称の称呼が検索文字列の称呼を含む施設の検索を指す。さらに、完全一致検索の検索対象となるエリアを、「第1検索エリア」と呼び、部分一致検索の検索対象となるエリアを、「第2検索エリア」と呼ぶ。また、「全国エリア」とは、検索対象となる全ての施設を含むエリアを指す。
【0032】
[制御方法]
次に、システムコントローラ20が実行する処理について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、検索文字列に基づき施設を検索する場合、完全一致検索及び部分一致検索を行い、完全一致検索の検索結果から優先的に表示する。このとき、システムコントローラ20は、完全一致検索の検索対象エリアを全国エリアに基づき行い、部分一致検索を現在地周辺で行う。このようにすることで、システムコントローラ20は、不要な施設の提示を抑制すると共に、使用者の施設選択の利便性を向上させる。
【0033】
この処理について図2を参照して具体的に説明する。図2は、システムコントローラ20の機能ブロックを示した図の一例である。図2に示すように、システムコントローラ20は、検索条件特定部201と、完全一致検索部202と、検索結果出力部204と、を備える。以下、これらの各要素が実行する処理について説明する。
【0034】
まず、検索条件特定部201が実行する処理について説明する。検索条件特定部201は、入力装置60を介して、使用者からの検索条件の指定を受け付ける。具体的には、検索条件特定部201は、検索文字列の入力を受け付けると共に、適宜、所望の施設が存在するエリアの指定及び当該施設が属するジャンルの指定を受け付ける。そして、検索条件特定部201は、上述のエリアの指定及びジャンルの指定を受け付けた場合、上述の検索文字列、指定されたエリア(以後、「指定エリア」と呼ぶ。)、及び指定されたジャンル(以後、「指定ジャンル」と呼ぶ。)を検索条件として特定する。
【0035】
次に、完全一致検索部202が実行する処理について説明する。完全一致検索部202は、データ記憶ユニット36が記憶する施設情報のデータベースから、検索文字列に基づき、第1検索エリアの範囲内で、完全一致検索を行う。ここで、第1検索エリアは、全国エリアに基づき決定される。具体的には、指定エリアが無い場合には、全国エリアを指し、指定エリアがある場合には、指定エリアを指す。後述するように、第1検索エリアは、部分一致検索の検索対象である第2検索エリアよりも広域なエリアに設定されている。また、完全一致検索部202は、指定ジャンルがある場合、指定ジャンルに属する施設について、検索文字列に基づき第1検索エリアの範囲で完全一致検索を行う。以後では、完全一致検索部202が検索により特定した施設を、「完全一致施設」と呼ぶ。
【0036】
次に、部分一致検索部203が実行する処理について説明する。部分一致検索部203は、データ記憶ユニット36が記憶する施設情報のデータベースから、検索文字列に基づき、第2検索エリアの範囲内で、部分一致検索を行う。ここで、第2検索エリアは、現在地を含む所定のエリア(以後、「自車エリア」と呼ぶ。)と、指定エリアとに基づき定められる。ここで、自車エリアは、行政区画に基づき区画される。以後では、自車エリアは、一例として、現在地が属する都道府県とする。第2検索エリアは、具体的には、指定エリアが無い場合には自車エリアを指し、指定エリアがある場合には、自車エリアと指定エリアとが重複したエリアを指す。このように、第2検索エリアは、第1検索エリアよりも狭いエリアに限定されている。
【0037】
また、部分一致検索部203は、指定ジャンルがある場合、指定ジャンルに属する施設について、検索文字列に基づき第2検索エリアの範囲内で部分一致検索を行う。以後では、部分一致検索部203が検索した施設を、「部分一致施設」と呼ぶ。
【0038】
さらに、部分一致検索部203は、部分一致施設から完全一致施設を除外する。これにより、部分一致検索部203は、重複した施設が検索結果として提示されるのを防ぐ。以後では、完全一致施設以外の部分一致施設を、「排他的部分一致施設」と呼ぶ。
【0039】
次に、検索結果出力部204が実行する処理について説明する。検索結果出力部204は、完全一致施設及び排他的部分一致施設(以後では、これらを「該当施設」と総称する。)が複数存在する場合、該当施設を表示する順番(以後、単に「表示順位」と呼ぶ。)を決定する。そして、検索結果出力部204は、表示順位に基づき該当施設を検索結果としてリスト表示する。即ち、検索結果出力部204は、検索結果のリスト(以後、「検索結果リスト」と呼ぶ。)を表示する際、表示順位が高い該当施設ほど検索結果リストの上位に表示する。
【0040】
ここで、表示順位の決定方法について詳しく説明する。まず、検索結果出力部204は、完全一致施設を、排他的部分一致施設よりも、表示順位を高く設定する。即ち、検索結果出力部204は、完全一致施設が存在する場合、使用者が検索により探している施設と一致する可能性が高いと判断し、完全一致施設を優先的に表示する。これにより、使用者の選択の利便性を向上させることができる。
【0041】
次に、排他的部分一致施設が複数存在する場合の、排他的部分一致施設の表示順位の決定方法について説明する。この場合、検索結果出力部204は、現在地から近い排他的部分一致施設ほど、表示順位を高く設定する。一般に、排他的部分一致施設は、地域ごとに店舗を有するチェーン店である可能性が高い。従って、この場合、検索結果出力部204は、現在地から近い排他的部分一致施設ほど優先的に表示することで、使用者の選択の利便性を向上させることができる。
【0042】
また、完全一致施設が複数存在する場合、検索結果出力部204は、所定の規則に基づきこれらの表示順位を決定する。例えば、検索結果出力部204は、都道府県間でその位置に基づき順位を定め、当該順位が高い都道府県に属する完全一致施設ほど表示順位を高く設定する。この場合の都道府県間の順位は、例えば北海道から沖縄にかけて、北に位置する都道府県ほど高く設定される。これにより、検索結果出力部204は、使用者がその位置を感覚的に把握しやすいように検索結果を提示することができる。他の例では、検索結果出力部204は、現在地に近い完全一致施設ほど、表示順位を高く設定してもよい。これによっても、検索結果出力部204は、使用者の選択の利便性を向上させることができる。
【0043】
(効果)
次に、本実施例の効果について補足説明する。一般に、完全一致施設は、その数が少ないことが予想され、また、現在地との関係に関わらず、使用者が所望する施設である可能性が高い。一方、使用者が意図的に部分一致検索を行う場合、チェーン店など複数の店舗を有する施設を検索している可能性が高い。従って、この場合、使用者は、なるべく現在地に近い施設を所望している可能性が高い。
【0044】
以上を勘案し、システムコントローラ20は、完全一致検索を第1検索エリア、即ち原則全国エリアで行い、部分一致検索を第2検索エリア、即ち原則自車エリアの範囲内で行う。そして、システムコントローラ20は、完全一致施設を排他的部分一致施設よりも優先的に表示すると共に、排他的部分一致施設に対しては現在地に近い順で表示する。これにより、システムコントローラ20は、不要な施設の提示を防ぐとともに、使用者の意図に適った検索結果を提示することができる。
【0045】
(表示例)
次に、図3を参照して本実施例で表示ユニット40が出力する表示画面について説明する。以後の説明では、ナビゲーション装置1は、一例としてタッチパネル方式による入力を受け付けるものとする。また、破線枠は、仮想的な領域を示す。
【0046】
図3(a)は、名称検索を実行する際の入力画面表示例を示す。表示画面70xは、入力された検索文字列を表示する入力表示欄71と、タッチパネルによる文字入力部72と、を備える。さらに、表示画面70xは、指定ジャンルの選択画面へ移行するためのジャンル選択ボタン73と、指定エリアの選択画面へ移行するためのエリア選択ボタン74と、検索を開始するための候補表示ボタン75と、を備える。
【0047】
まず、使用者は、文字入力部72中の文字部分を押下することにより、検索文字列を入力する。ここでは、使用者は、入力表示欄71に示すように、「たろう」と入力を行ったものとする。また、使用者は、必要に応じて、ジャンル選択ボタン73を押下することにより、指定ジャンルの選択画面を表示させる。そして、使用者は、当該選択画面から指定ジャンルを選択するための入力を行う。同様に、使用者は、必要に応じて、エリア選択ボタン74を押下することにより、指定エリアの選択画面を表示させる。そして、使用者は、当該選択画面から指定エリアを選択するための入力を行う。ここでは、指定エリア及び指定ジャンルは、指定されていないものとする。
【0048】
そして、使用者が候補表示ボタン75を押下した場合、検索条件特定部201は、検索条件を特定する。そして、完全一致検索部202は、第1検索エリアである全国エリア内で、「たろう」と称呼が一致する完全一致施設を特定する。また、部分一致検索部203は、第2検索エリアである自車エリア内で、「たろう」を含む称呼を有する排他的部分一致施設を特定する。ここでは、搭載車両は「埼玉県鶴ヶ島市」に存在していたものとし、その結果、自車エリアは埼玉県であるとする。
【0049】
図3(b)は、検索実行後の出力画面表示例を示す。表示画面70yは、検索結果リスト表示部76と、検索結果リストの表示部分の切り替えを実行するための表示切替ボタン77と、検索結果リストの全体に占める表示部分の位置を表示するスクロールバー78と、地図表示部79と、を備える。
【0050】
検索結果リスト表示部76は、検索結果リストである完全一致施設リスト760及び排他的部分一致施設リスト761を表示する領域である。完全一致施設リスト760は、完全一致施設のリストである。排他的部分一致施設リスト761は、排他的部分一致施設のリストである。また、完全一致施設リスト760及び排他的部分一致施設リスト761は、共に施設名称表示欄86及び所在地表示欄87を備える。施設名称表示欄86は、該当施設の施設名称を表示する。また、所在地表示欄87は、該当施設の所在地を表示する。
【0051】
図3(b)に示すように、完全一致施設リスト760は、排他的部分一致施設リスト761より上位に表示されている。具体的には、完全一致施設「TARO」が、検索結果リストの最上位に表示されている。なお、この例では、上述したように、指定エリアがないことから、第1検索エリアは全国エリアに設定されている。
【0052】
そして、検索結果リストの2番目から5番目には、自車エリア内に存在する排他的部分一致施設「タロウ 鶴ヶ島店」、「タロウ 川越店」、及び「太郎ストア」が、排他的部分一致施設リスト761にそれぞれ表示されている。また、排他的部分一致施設リスト761は、現在地から近い排他的部分一致施設ほど上位に表示される。この例では、排他的部分一致施設「タロウ 鶴ヶ島店」が全ての排他的部分一致施設の中で現在地から近いことから、排他的部分一致施設リスト761の最上位に表示されている。同様に、排他的部分一致施設「タロウ 鶴ヶ島店」に次いで現在地に近い排他的部分一致施設「タロウ 川越店」が排他的部分一致施設リスト761の2番目に表示され、さらにその次に現在地に近い排他的部分一致施設「太郎ストア」が排他的部分一致施設リスト761の3番目に表示される。また、検索結果出力部204は、使用者が表示切替ボタン77を押下した場合、表示順位が4番目以降の排他的部分一致施設リスト761を適宜表示する。
【0053】
このように、システムコントローラ20は、完全一致検索を全国エリアで行い、その検索結果を最上位にリスト表示する。また、システムコントローラ20は、部分一致検索を自車エリアの範囲内で行い、現在地に近い排他的部分一致施設ほど上位にリスト表示する。このようにすることで、システムコントローラ20は、不要な施設の提示を防ぐと共に、使用者の選択の利便性を向上させることができる。
【0054】
(処理フロー)
次に、実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順について図4乃至図6を用いて説明する。
【0055】
1.処理概要
図4は、本実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。システムコントローラ20は、図4に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
【0056】
まず、システムコントローラ20は、検索文字列の入力を受け付ける(ステップS101)。具体的には、システムコントローラ20は、例えば図3(a)に示すような表示画面70xを表示し、使用者から検索文字列の入力を受け付ける。また、システムコントローラ20は、ジャンル選択ボタン73の押下を検知した場合、指定ジャンルの選択画面を表示し、指定ジャンルを受け付ける。さらに、システムコントローラ20は、エリア選択ボタン74の押下を検知した場合、指定エリアの選択画面を表示し、指定エリアを受け付ける。
【0057】
次に、システムコントローラ20は、ジャンルの指定があるか否か判定する(ステップS102)。そして、ジャンルの指定がある場合(ステップS102;Yes)、システムコントローラ20は、指定ジャンルを検索条件に追加する(ステップS103)。一方、ジャンルの指定がない場合(ステップS102;No)、システムコントローラ20は、ステップS104へ処理を進める。
【0058】
次に、システムコントローラ20は、エリアの指定があるか否か判定する(ステップS104)。そして、エリアの指定がある場合(ステップS104;Yes)、システムコントローラ20は、指定エリアを検索条件に追加する(ステップS105)。一方、エリアの指定がない場合(ステップS104;No)、システムコントローラ20は、ステップS106へ処理を移行する。
【0059】
次に、システムコントローラ20は、完全一致検索処理を実行する(ステップS106)。この処理については、図5を用いて後述する。そして、システムコントローラ20は、部分一致検索処理を実行する(ステップS107)。この処理については、図6を用いて後述する。
【0060】
次に、システムコントローラ20は、該当施設があるか否か判定する(ステップS108)。即ち、システムコントローラ20は、完全一致施設又は部分一致施設が存在するか否か判定する。そして、該当施設がある場合(ステップS108:Yes)、システムコントローラ20は、検索結果を表示する(ステップS109)。即ち、システムコントローラ20は、完全一致施設を排他的部分一致施設よりも優先的に表示すると共に、排他的部分一致施設を現在地に近い施設ほど優先的に表示する。これにより、システムコントローラ20は、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。一方、該当施設がない場合(ステップS108;No)、システムコントローラ20は、フローチャートの処理を終了する。
【0061】
2.完全一致検索処理
次に、ステップS106の完全一致検索処理の処理手順について図5を用いて説明する。図5は、完全一致検索処理のフローチャートの一例である。
【0062】
まず、システムコントローラ20は、検索条件に基づき、全国エリアで完全一致検索を実行する(ステップS201)。具体的には、システムコントローラ20は、指定エリアがある場合には、指定エリアで完全一致検索を行う。一方、指定エリアがない場合、システムコントローラ20は、全国エリアで完全一致検索を行う。また、指定ジャンルがある場合、システムコントローラ20は、指定ジャンルに属する施設を対象に完全一致検索を行う。
【0063】
次に、システムコントローラ20は、完全一致施設があるか否か判定する(ステップS202)。そして、完全一致施設がある場合(ステップS202;Yes)、システムコントローラ20は、検索結果をROM23等のメモリに格納する(ステップS203)。一方、システムコントローラ20は、完全一致施設がない場合(ステップS202;No)、フローチャートの処理を終了する。
【0064】
3.部分一致検索処理
次に、ステップS107の部分一致検索処理の処理手順について図6を用いて説明する。図6は、部分一致検索処理のフローチャートの一例である。
【0065】
まず、システムコントローラ20は、検索条件に基づき、自車エリアで部分一致検索を実行する(ステップS301)。具体的には、システムコントローラ20は、指定エリアがある場合、指定エリアと自車エリアとが重複するエリアで部分一致検索を行う。一方、指定エリアがない場合、システムコントローラ20は、自車エリアで部分一致検索を行う。また、指定ジャンルがある場合、システムコントローラ20は、指定ジャンルに属する施設を対象に、完全一致検索を行う。
【0066】
次に、システムコントローラ20は、部分一致施設があるか否か判定する(ステップS302)。そして、部分一致施設がある場合(ステップS302;Yes)、システムコントローラ20は、完全一致施設と部分一致施設とを比較し、重複施設を部分一致施設から削除する(ステップS303)。即ち、システムコントローラ20は、排他的部分一致施設を特定する。そして、システムコントローラ20は、その結果をROM23等のメモリに格納する(ステップS304)。一方、システムコントローラ20は、部分一致施設がない場合(ステップS302;No)、フローチャートの処理を終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施例に係るナビゲーション装置は、記憶部と、検索条件特定手段と、完全一致検索手段と、部分一致検索手段と、検索結果出力手段と、を備える。記憶部は、少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する。検索条件特定手段は、外部入力に基づき、検索文字列及び指定エリア、指定ジャンルの検索条件を特定する。完全一致検索手段は、指定ジャンルを満たし、かつ、指定エリア内に属し、少なくとも名称が検索文字列と称呼において一致する候補を特定する。部分一致検索手段は、指定ジャンルを満たし、かつ、指定エリア及び自車エリア内に属し、少なくとも名称の称呼が検索文字列の称呼を含む候補、即ち検索文字列と部分一致する候補を特定する。検索結果出力手段は、完全一致検索手段で特定された候補を、部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置は、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0068】
[変形例]
以下、本実施例の各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用することが可能である。
【0069】
(変形例1)
本発明が適用可能な構成は、車両に載置されるナビゲーション装置に限らない。これに代えて、自宅用のPC(Personal Computer)など車両の経路案内を伴わない機器であってもよい。この場合、当該機器のCPU等が、上述のシステムコントローラ20が実行する処理を行う。これによっても、本発明を好適に適用することができる。
【0070】
(変形例2)
図2等の説明では、部分一致検索部203は、自車エリアに基づき第2検索エリアを決定した。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。自車エリアに代えて、又はこれに加えて、部分一致検索部203は、経路案内中での走行予定経路の周辺、経路案内中での目的地等の周辺、若しくは地点登録がなされた場所(いわゆる、登録地)の周辺、又はこれらの組み合わせ(以後、「関連エリア」と呼ぶ。)に基づき第2検索エリアを決定してもよい。ここで、「走行予定経路の周辺」とは、例えば走行予定経路から所定距離以内のエリア、又は当該走行予定経路を含む都道府県その他行政区画に基づく所定のエリアなどを指す。「目的地等の周辺」及び「登録地の周辺」についても同様に定義される。また、自車エリアを、現在地が属する都道府県等の行政区画に基づく所定のエリアに代えて、現在地から所定距離以内のエリアである「自車位置の周辺」として設定してもよい。その他、システムコントローラ20は、地図表示を行い、タッチパネルにより使用者がなぞることで区分けされたエリアを関連エリアとして設定してもよい。
【0071】
そして、部分一致検索部203は、指定エリアがある場合、上述の関連エリアと指定エリアとの重複部分を第2検索エリアに設定する。一方、部分一致検索部203は、指定エリアがない場合、関連エリアを第2検索エリアに設定する。これによっても、ナビゲーション装置1は、不要な施設の提示を防ぎ、使用者の意図に適った検索結果を使用者に提示することができる。
【0072】
(変形例3)
図2の説明では、自車エリアは、現在地が属する都道府県等の行政区画に基づく所定のエリアに予め設定されていた。しかし、本発明が適用可能な自車エリアの設定方法は、これに限定されない。これに代えて、システムコントローラ20は、使用者からの入力に基づき自車エリアを設定してもよい。
【0073】
例えば、システムコントローラ20は、自車エリアが初期設定では都道府県単位で設定される場合、使用者からの入力に基づき、市町村単位で設定されるようにしてもよく、北海道、東北、関東等の地方単位で設定されるようにしてもよい。これによっても、好適に、本発明を適用することができる。
【0074】
(変形例4)
図2の説明では、完全一致検索部202は、第1検索エリアを全国エリアに基づき決定していた。しかし、本発明が適用可能な第1検索エリアの設定方法は、これに限定されない。これに代えて、完全一致検索部202は、北海道、本州、四国などの島ごと等全国エリアよりも狭いエリアに基づき第1検索エリアを決定してもよい。この場合であっても、完全一致検索部202は、上述のエリアを自車エリアよりも広域なエリアに設定する。これによっても、好適に、本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、その他PCなどの端末に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
12 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ
60 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部と、
外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、
前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、
を備え、
前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする地図情報検索装置。
【請求項2】
前記第1エリアは、前記候補が所在する全てのエリアに設定され、
前記第2エリアは、前記地図情報検索装置が位置する現在地を含むエリアであって、行政区画に基づく所定のエリアに設定されることを特徴とする請求項1に記載の地図情報検索装置。
【請求項3】
車両に搭載されると共に経路案内機能を備え、
前記第2エリアは、経路案内に基づく走行予定の経路の周辺、経路案内に基づく目標地の周辺、若しくは所定の登録地点の周辺、又はこれらの組み合わせのエリアを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の地図情報検索装置。
【請求項4】
前記検索結果出力手段は、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補を、前記地図情報検索装置が位置する現在地から近いほど優先的に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の地図情報検索装置。
【請求項5】
少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置により実行される制御方法であって、
外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定工程と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索工程と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索工程と、
前記完全一致検索工程で特定された候補を、前記部分一致検索工程でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、
を備え、
前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
少なくとも、検索の目的となる候補の名称を記憶する記憶部を備えた地図情報検索装置に搭載され実行されるプログラムであって、
外部入力に基づき、検索文字列及びその他の検索条件を特定する検索条件特定手段と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第1エリア内に属し、少なくとも前記名称が前記検索文字列と称呼において一致する前記候補を特定する完全一致検索手段と、
前記その他の検索条件を満たし、かつ、第2エリア内に属し、少なくとも前記名称の称呼が前記検索文字列の称呼を含む前記候補を特定する部分一致検索手段と、
前記完全一致検索手段で特定された候補を、前記部分一致検索手段でのみ特定された候補よりも、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、
として前記地図情報検索装置を機能させ、
前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広域に設定されることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−112496(P2011−112496A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268870(P2009−268870)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】