説明

地図情報表示装置、地図情報表示方法、及びプログラム

【課題】撮影情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置を提供すること。
【解決手段】複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影日時及び撮影場所の情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置が提供される。当該地図情報表示装置は、複数の撮影画像の中から、所定の撮影画像の撮影日時が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像を抽出する撮影画像抽出部と、所定の撮影画像の撮影場所を基準にして撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影場所が含まれる地図上の範囲を選択する地図範囲選択部と、地図範囲選択部により選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報を表示する地図情報表示部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報表示装置、地図情報表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術、及び情報処理技術の急速な発展に伴い、携帯端末や撮像装置等の小型機器にも様々な情報処理機能が搭載されるようになってきている。例えば、ある撮像装置には、GPS(Global Positioning System)等の位置情報取得機能が搭載されており、撮影画像に位置情報を付加して記録することが可能になっている。そのため、ユーザは、被写体を撮影した場所や日時の情報に基づいて撮影画像を整理することなどもできる。現状、撮影場所や撮影日時の情報が付加された撮影画像は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置で利用されることが多い。例えば、ユーザは、撮影場所や撮影日時等の付加情報に基づいて地図上に撮影場所を表示し、撮影画像を共に眺めながら旅行の思い出を振り返る等のために利用される。
【0003】
ところが、旅先で撮影場所を確認する際、ユーザは、PC等を所持していない場合が多いため、撮像装置自体が有する表示装置や他の小型機器が有する表示装置等を利用して地図を表示し、その上で撮影場所を表示したいと望むであろう。しかしながら、撮像装置等の表示装置を利用する場合、地図情報の表示範囲等が適切に表示されていないと、ユーザがスクロールや拡大/縮小等の操作を頻繁に行う必要が生じてしまう。
【0004】
こうした問題点に鑑み、例えば、下記の特許文献1には、映像データと位置時間データとが対応付けられた映像データベースが参照され、画面上の固定表示領域に表示された地図上に撮影位置が含まれる映像データが検索されて、その映像データの撮影位置が軌跡として表示される技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−290820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ある撮影画像の撮影地を中心にして地図情報を表示する際に、その表示範囲や地図の縮尺が固定されていると、ユーザが希望する精細度の情報を得ることができない場合がある。また、ユーザが希望する範囲の地図情報が得られない可能性もある。例えば、所定期間内に撮影された撮影画像の撮影地が含まれるように地図情報を表示しようとすると、ユーザは、表示範囲の拡大/縮小や画面のスクロール等の操作を繰り返し実行する必要があり、ユーザの利便性を大きく損ねる結果となっていた。そのため、撮影画像の撮影日時や撮影場所の情報に基づいて好適な範囲の地図情報を表示するための地図情報表示技術が求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、撮影画像の撮影日時や撮影場所の情報に基づいて所定期間内に撮影された撮影画像の撮影地点が含まれる地図情報を表示することが可能な、新規かつ改良された地図情報表示装置、地図情報表示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置が提供される。当該地図情報表示装置は、前記複数の撮影画像の中から、所定の前記撮影画像の撮影時点が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像を抽出する撮影画像抽出部と、前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択する地図範囲選択部と、前記地図範囲選択部により選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報を表示する地図情報表示部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記地図範囲選択部は、前記所定の撮影画像の撮影位置を中心にして前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択するものであってもよい。
【0010】
また、前記地図情報表示装置は、前記所定の撮影画像の撮影位置を示す第1の指標情報を前記地図情報の中に表示する指標情報表示部をさらに備えていてもよい。
【0011】
また、前記指標情報表示部は、前記第1の指標情報として、前記所定の撮影画像のサムネイル又は当該所定の撮影画像の撮影位置に対応するアイコンを表示してもよい。
【0012】
また、前記指標情報表示部は、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置を示す第2の指標情報を前記地図情報の中に表示してもよい。
【0013】
また、前記指標情報表示部は、前記第2の指標情報として、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像のサムネイル又は当該撮影画像の撮影位置に対応するアイコンを表示してもよい。
【0014】
また、前記地図情報表示装置は、前記地図情報表示部により地図情報が表示される表示領域とは異なる他の表示領域に、前記所定の撮影画像又は当該撮影画像のサムネイルを表示する画像情報表示部をさらに備えていてもよい。
【0015】
また、前記所定の撮影画像は、前記複数の撮影画像の中で最後に撮影された撮影画像であってもよい。
【0016】
また、前記地図情報表示装置は、前記複数の撮影画像が撮影される過程で移動した経路の情報を表す移動経路情報を取得する移動経路情報取得部と、前記所定期間内に取得された前記移動経路情報を抽出する移動経路情報抽出部と、をさらに備えていてもよい。そして、前記地図範囲選択部は、前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置と、前記移動経路情報抽出部により抽出された移動経路情報の取得位置と、が含まれる地図上の範囲を選択するものであってもよい。
【0017】
また、前記地図情報表示装置は、前記移動経路情報抽出部により抽出された移動経路情報の取得位置を示す第3の指標情報を前記地図情報の中に表示する指標情報表示部をさらに備えていてもよい。
【0018】
また、前記地図情報表示装置は、前記所定の撮影画像が他の前記撮影画像に変更された場合に、当該他の撮影画像の撮影位置が前記地図範囲選択部により選択された範囲内に位置するか否かを判断する変更画像位置判断部をさらに備えていてもよい。そして、前記地図範囲選択部は、前記変更画像位置判断部により前記他の撮影画像が前記選択された範囲内に位置すると判断された場合に前記地図上の範囲を変更せず、前記変更画像位置判断部により前記他の撮影画像が前記選択された範囲外に位置すると判断された場合に前記他の撮影画像が基準となるように地図上の範囲を変更するものであってもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置が提供される。当該地図情報表示装置は、前記複数の撮影画像の中から選択された所定数の撮影画像の撮影位置に関する重心位置を算出する重心位置算出部と、前記重心位置を基準にして前記所定数の撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択する地図範囲選択部と、前記地図範囲選択部により選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報を表示する地図情報表示部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示するための地図情報表示方法が提供される。当該地図情報表示方法は、前記複数の撮影画像の中から、所定の前記撮影画像の撮影時点が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像が抽出される撮影画像抽出ステップと、前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして前記撮影画像抽出ステップにおいて抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲が選択される地図範囲選択ステップと、前記地図範囲選択ステップにおいて選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報が表示される地図情報表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の地図情報表示装置が有する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。さらに、当該プログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、撮影画像の撮影日時や撮影場所の情報に基づいて所定期間内に撮影された撮影画像の撮影地点が含まれる地図情報を表示することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
[概要]
本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明するに先立ち、下記の説明に含まれる技術的思想の理解を深めるための一助とすべく、ここで、その概要について簡単に説明する。尚、後述する実施形態に係る技術は、地図情報の表示範囲を調整して表示する表示技術に関する。
【0025】
これまで、所定の撮影画像(例えば、最後に撮影された撮影画像等)の撮影位置を基準にして地図情報が表示される際に、その地図情報の表示範囲や縮尺が固定されていると、ユーザが希望する表示範囲とは異なるケースがあり、些か見難い表示になっていた。そこで、後述する実施形態に係る技術は、より見易い表示となるように地図情報の表示範囲を決定するための方法や装置を提供しようとするものである。
【0026】
こうした技術に関連し、例えば、あるプレイリストに含まれる映像コンテンツが撮影された撮影位置(緯度・経度等)や撮影範囲の情報、或いは、その撮影行程における移動の速度や映像コンテンツ自体の再生速度等の情報に基づき、それらの情報に含まれる位置を全て内容するような地図を表示する方法等が一例として考えられる。また、プレイリストに記載された日時や撮影場所の情報、或いは、撮影者等の情報に基づいてプレイリスト自体を自動的に分類した上で、プレイリスト内に記載された映像コンテンツの撮影位置を基準にしてプレイリスト毎の地図範囲を決定する方法等も一例として考えられる。他にも、複数の撮影画像について撮影位置間の距離を基準に撮影画像をグループ化し、そのグループ毎に地図の表示範囲を決定する方法等も一例として考えられる。
【0027】
これらの例示した方法等は、旅行から帰ってきたばかりのユーザが、旅先で撮影した撮影画像を分類したり、旅程を振り返って思い出に浸る際に地図を参照したいようなケースでは非常に有用であると考えられる。しかし、ある撮影画像に注目して、その撮影画像の撮影時点の前後に撮影を行った場所や状況等を回想したいような場合、ユーザによって重要なのは、注目する撮影画像の撮影地点に至る移動行程や、その近辺に位置する建造物や名所等の撮影画像等であることが容易に想像される。このような場合、撮影画像を分類したり、その分類毎に地図の表示範囲を調整しても、ユーザの利便性や見易さの向上にはあまり寄与しないと思われる。
【0028】
そこで、後述する実施形態に係る技術は、例えば、注目した撮影画像の撮影位置近辺にどのような建造物があったのか、或いは、どのような撮影を行ったのか、若しくは、どのような経路を経て移動してきたのか、といった情報をユーザが比較的容易に取得できるようにしようとするものである。
【0029】
また、移動経路や撮影行程を参照する際に、ユーザは、注目する撮影画像を変更して地図情報が表示された表示画面をスクロールさせることがある。しかし、地図情報の表示範囲が巧く決定されていないと、撮影画像を変更する際に、頻繁にスクロール処理が発生して表示が煩わしくなることがある。そこで、後述する実施形態に係る技術は、こうした煩わしさを軽減するためのスクロール処理に関する技術も提供する。
【0030】
後段において詳述するが、後述の実施形態に係る技術は、ユーザにより指定された撮影画像の撮影時点を基準にして前後に所定時間(例えば、10分等)を考慮した所定の時間範囲に撮影された撮影画像の撮影位置が地図上に表示されるようにするものである。また、当該技術は、例えば、ユーザが歩き回った移動経路を地図上に表示可能な地図情報の表示範囲を決定することもできる。そのため、上記のようなユーザの感覚に適合した表示を実現させることが可能になる。さらに、指定する撮影画像が変更された場合、変更後の撮影画像の撮影位置に基づき、地図上の表示位置に応じて表示画面をスクロールするか否かが判断されるため、不必要なスクロール処理がを抑制できる。
【0031】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点や撮影位置の情報を利用し、所定の撮影画像の撮影位置又は撮影時点を基準として決定された好適な表示範囲の地図情報を表示する技術に特徴がある。以下では、当該技術を実現するための地図情報表示装置100の機能構成について説明した上で、この地図情報表示装置100による地図情報表示方法について説明する。
【0032】
[地図情報表示装置100の機能構成]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る地図情報表示装置100の機能構成について説明する。図1は、本実施形態に係る地図情報表示装置100の機能構成を示す説明図である。
【0033】
図1に示すように、地図情報表示装置100は、主に、画像取得部102と、画像選択部104と、撮影情報取得部108と、時間範囲内画像検索部110と、地図表示範囲決定部112と、移動経路情報取得部114と、時間範囲内移動経路抽出部116と、地図情報取得部118と、表示制御部120とにより構成される。
【0034】
(画像取得部102)
画像取得部102は、光学系を介して被写体の像を取得し、その像を画像データ(以下、撮影画像)として記録する。このとき、画像取得部102は、撮影画像を取得したことを知らせる撮像通知を撮影情報取得部108に伝送する。また、画像取得部102は、取得した撮影画像、又は撮影画像から生成されたサムネイルを画像選択部104に伝送する。尚、画像取得部102は、撮影画像を記録するための記憶部(図示せず)を備えていてもよいし、撮影画像を記録可能なリムーバブル記憶媒体や外部の記憶装置に接続されていてもよい。その場合、画像取得部102は、記憶部等に蓄積された撮影画像又はサムネイルを纏めて画像選択部104に伝送してもよい。
【0035】
(画像選択部104)
画像選択部104は、画像取得部102により取得された撮影画像の中から一又は複数の撮影画像を選択するための選択手段である。画像選択部104は、例えば、画像取得部102から取得した撮影画像又はそのサムネイルをユーザに表示する表示手段(例えば、表示装置30を用いてもよい。)と、ユーザ入力を受け付ける入力手段とにより構成されていてもよい。その場合、画像選択部104により、ユーザ入力に応じた撮影画像が選択される。画像選択部104は、選択された撮影画像(以下、選択画像)の情報を時間範囲内画像検索部110、及び地図表示範囲決定部112に伝送する。
【0036】
(撮影情報取得部108(時間情報取得部122、位置情報取得部124))
撮影情報取得部108は、画像取得部102により取得された撮影画像の撮影時点、及び撮影位置に関する情報を取得する手段である。例えば、撮影情報取得部108は、時間情報取得部122と、位置情報取得部124とにより構成される。また、撮影情報取得部108は、各撮影画像の情報について、撮影時点の情報と撮影位置の情報とを対応付けて記録する記憶部(図示せず)を備えていてもよい。
【0037】
時間情報取得部122は、撮影時点の情報を取得する手段である。例えば、時間情報取得部122は、画像取得部102から受けた撮像通知に応じて、自身が有する計時部(図示せず)、或いは、他の計時装置から時間情報を取得して撮影画像毎に撮影時点を決定する。その後、時間情報取得部122は、取得した撮影時点の情報を時間範囲内画像検索部110に伝送する。
【0038】
位置情報取得部124は、撮影位置の情報を取得する手段である。例えば、位置情報取得部124は、画像取得部102から受けた撮像通知に応じて、その時点における地図情報表示装置100の位置情報を取得して撮影画像毎に撮影位置を決定する。位置情報としては、例えば、地図情報表示装置100が位置する緯度・経度を示す情報や近隣にある基地局10の位置を示す情報等であってもよい。また、位置情報取得部124は、所定の時間間隔で基地局10や測位用の衛星システム等から位置情報を取得しておき、画像取得部102から撮像通知を受けた時点の位置情報を撮影位置に決定してもよい。その後、位置情報取得部124は、地図表示範囲決定部112、及び移動経路情報取得部114に撮影位置の情報を伝送する。尚、位置情報取得部124は、位置情報を蓄積してもよく、その蓄積された位置情報を移動経路情報として移動経路情報取得部114に伝送してもよい。
【0039】
(時間範囲内画像検索部110)
時間範囲内画像検索部110は、画像選択部104により選択された撮影画像の撮影時点を基準にして所定期間内に撮影された撮影画像を抽出する手段である。まず、時間範囲内画像検索部110は、画像選択部104から選択画像の情報を取得し、その選択画像の撮影時点の情報を時間情報取得部122から取得する。次いで、時間範囲内画像検索部110は、時間情報取得部122から取得した他の撮影画像の撮影時点の情報を参照し、選択画像の撮影時点が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像を検索する。次いで、時間範囲内画像検索部110は、検索処理の結果として抽出された撮影画像の情報を地図表示範囲決定部112に伝送する。
【0040】
尚、所定期間としては、例えば、ユーザ入力により任意に設定された日時でもよいし、日単位や週単位、年単位等の任意の時間単位(但し、1時間/1分/1秒単位でもよい。)で設定された期間でもよい。また、時間範囲内画像検索部110は、選択画像の撮影時点を中心にして所定期間内に撮影された撮影画像を抽出してもよいし、或いは、ユーザ設定により所定期間の前半/後半に選択画像の撮影時点が位置するように撮影画像を抽出してもよい。また、時間範囲内画像検索部110は、抽出された撮影画像及び選択画像のサムネイルを生成して表示制御部120に伝送してもよい。尚、時間範囲内画像検索部110は、撮影画像抽出部の一例である。
【0041】
(地図表示範囲決定部112(移動経路を考慮しない場合))
地図表示範囲決定部112は、撮影画像の撮影位置の情報のみに基づいて地図情報の表示範囲を決定することもできるし、或いは、地図情報表示装置100の移動経路をも考慮して地図情報の表示範囲を決定することもできる。まず、移動経路を考慮しない場合における地図表示範囲決定部112の機能について説明する。
【0042】
地図表示範囲決定部112は、選択画像の撮影位置を基準にして、時間範囲内画像検索部110により抽出された撮影画像の撮影位置が含まれるように地図情報の表示範囲を決定する手段である。このとき、地図表示範囲決定部112は、選択画像の撮影位置が中心になり、時間範囲内画像検索部110によって抽出された撮影画像の撮影位置が全て含まれるように地図情報の表示範囲を決定してもよい。また、地図表示範囲決定部112は、所定のマージンを考慮して、撮影画像の撮影位置を基準に決定された地図情報の表示範囲を所定範囲だけ拡張して新たな地図情報の表示範囲を決定してもよい。
【0043】
上記の決定に際し、地図表示範囲決定部112は、まず、選択画像の撮影位置の情報を位置情報取得部124から取得する。次いで、地図表示範囲決定部112は、時間範囲内画像検索部110により抽出された撮影画像の撮影位置の情報を位置情報取得部124から取得する。その後、地図表示範囲決定部112は、取得した選択画像の撮影位置の情報、及び時間範囲内画像検索部110により抽出された撮影画像の撮影位置の情報に基づいて地図情報の表示範囲を決定する。その後、地図表示範囲決定部112は、地図情報の表示範囲に関する情報を地図情報取得部118に伝送する。
【0044】
尚、ユーザ操作に応じて画像選択部104により選択画像が変更された場合、地図表示範囲決定部112は、新たな選択画像の撮影位置が元の地図情報の表示範囲に含まれるか否かを判断する。含まれる場合、地図表示範囲決定部112は、地図情報の表示範囲を変更せずに維持する。一方、含まれない場合、地図表示範囲決定部112は、新たな選択画像を基準にして地図情報の表示範囲を決定する。この地図情報の表示範囲を変更する処理については後段において詳述する。尚、地図表示範囲決定部112は、地図範囲選択部、及び変更画像位置判断部の一例である。
【0045】
(移動経路情報取得部114)
移動経路情報取得部114は、地図情報表示装置100の移動経路情報を取得する手段である。上記の通り、位置情報取得部124は、地図情報表示装置100の位置情報を所定時間間隔、又は撮像通知に応じて取得することができる。そのため、移動経路情報取得部114は、時間情報に対応付けられた地図情報表示装置100の位置情報を撮影情報取得部108から取得することにより、地図情報表示装置100の移動経路を表す移動経路情報を取得することができる。また、移動経路情報取得部114は、取得した移動経路情報を時間範囲内移動経路抽出部116に伝送する。尚、移動経路情報には、例えば、地図情報表示装置100の移動地点に関する位置情報と、その位置情報が取得された時間情報とが含まれる。
【0046】
(時間範囲内移動経路抽出部116)
時間範囲内移動経路抽出部116は、所定期間内に取得された移動経路情報を抽出する。所定期間としては、例えば、ユーザにより任意に設定された期間でもよいし、或いは、時間範囲内画像検索部110が撮影画像を抽出する際に利用した所定期間でもよい。また、時間範囲内移動経路抽出部116は、抽出された移動経路情報を地図表示範囲決定部112に伝送する。尚、時間範囲内移動経路抽出部116は、移動経路情報抽出部の一例である。
【0047】
(地図表示範囲決定部112(移動経路を考慮する場合))
地図表示範囲決定部112は、時間範囲内移動経路抽出部116により抽出された移動経路情報の位置情報を参照し、その位置情報が含まれるように地図情報の表示範囲を決定する。例えば、地図表示範囲決定部112は、選択画像の撮影位置を基準にして、時間範囲内画像検索部110により抽出された撮影画像の撮影位置と、時間範囲内移動経路抽出部116により抽出された移動経路情報の位置情報とが含まれるように地図情報の表示範囲を決定してもよい。このとき、地図表示範囲決定部112は、選択画像の撮影位置を中心にして、撮影画像の撮影位置の全てが含まれ、かつ、移動経路情報の位置情報の全てが含まれるように地図情報の表示範囲を決定してもよい。もちろん、地図表示範囲決定部112は、所定のマージンを考慮して大きめに地図情報の表示範囲を決定してもよい。
【0048】
(地図情報取得部118)
地図情報取得部118は、地図表示範囲決定部112により決定された地図情報の表示範囲に基づいて地図情報を取得する手段である。例えば、地図情報取得部118は、広域又は局所のネットワーク20を介して地図情報を取得してもよいし、或いは、地図情報表示装置100の内外にある記憶装置(図示せず)に格納された地図情報を取得してもよい。このとき、地図情報取得部118は、少なくとも地図表示範囲決定部112により決定された表示範囲が含まれる地図情報を取得する。
【0049】
尚、地図情報には、所謂地図の画像データの他にも、その縮尺や方位、緯度・経度等の位置/方角情報が含まれていてもよい。また、地図情報には、地理的な情報や地形的な情報の他にも、各地点に存在する建造物や地名等の情報が含まれていてもよい。さらに、地図情報がメッシュ状の領域に分割されたものである場合、地図情報取得部118は、上記の表示範囲を含む地図情報の他に、その周辺領域の地図情報を予め先読みしておいてもよい。このとき、地図情報取得部118は、表示領域の境界情報に基づいて地図情報の先読み処理を実行する。この先読み処理によって、スクロール処理等をする際の処理速度を向上させることができる。地図情報取得部118は、取得した地図情報を表示制御部120に伝送する。
【0050】
(表示制御部120(地図情報表示部132、画像情報表示部134))
表示制御部120は、地図情報取得部118により取得された地図情報を地図表示範囲決定部112により決定された表示範囲に基づいて表示装置30に表示させる制御手段である。また、表示制御部120は、選択画像、及び時間範囲内画像検索部110により抽出された撮影画像の撮影位置を地図上に示すための指標を表示させる。さらに、表示制御部120は、表示装置30内の地図情報が表示される表示領域とは別の表示領域に、選択画像又はそのサムネイルを表示させる。そのため、表示制御部120は、例えば、地図情報表示部132と、画像情報表示部134とにより構成される。
【0051】
地図情報表示部132は、地図情報取得部118により取得された地図情報を表示装置30に表示させる制御手段である。また、地図情報表示部132は、撮影画像(選択画像を含む)の撮影位置を示す指標を地図上に表示する。このとき、地図情報表示部132は、選択画像の撮影位置を表示する第1の指標と、選択画像以外の撮影画像の撮影位置を表示する第2の指標とを区別して表示してもよい。その場合、第1及び第2の指標は、例えば、形状や色彩等を異にする区別可能な表現形式で表現されてもよいし、或いは、選択画像又は撮影画像のサムネイルにより表現されてもよい。さらに、第1及び第2の指標は、選択画像又は撮影画像に対応付けられたアイコン等により表現されてもよい。
【0052】
また、移動経路情報が取得された場合、地図情報表示部132は、移動経路情報の取得位置を地図上に表示してもよい。このとき、地図情報表示部132は、移動経路情報の取得位置を示す第3の指標を地図上に表示してもよい。第3の指標は、例えば、上記の第1又は第2の指標と区別可能な表現形式で表現されてもよいし、或いは、移動経路情報に対応付けられたアイコン等により表現されてもよい。
【0053】
また、地図情報表示部132は、地図表示範囲決定部112により決定された地図情報の表示範囲を示す表示範囲情報を表示装置30に表示する。そして、ユーザ操作に応じて表示範囲が更新されると、地図情報表示部132は、表示装置30上の表示範囲をスクロール又は拡大/縮小させて、新たな地図上の表示範囲に適合するように変更する。
【0054】
さらに、地図情報表示部132は、地図上に表示される撮影位置間、或いは、移動経路情報の取得位置間を時系列で連結するための連結情報を表示させる。例えば、地図情報表示部132は、撮影時点の情報に基づいて撮影位置の情報を時系列に整理して認識し、時間的に連続する撮影位置に対応する指標間を直線や曲線等で連結して表示する。連結情報には、この直線や曲線の他にも、指標間の連結関係が表現される形態であれば、どのような表現形式でもよい。尚、地図情報表示部132は、指標情報表示部の一例である。
【0055】
一方、画像情報表示部134は、地図情報表示部132により表示装置30上に表示される表示領域とは別の表示領域に選択画像又はそのサムネイルを表示させる制御手段である。また、画像情報表示部134は、ユーザ操作に応じて選択画像が変更された場合に、上記別の表示領域に表示される撮影画像を新たな選択画像に変更する。さらに、画像情報表示部134は、ユーザ操作により地図上に表示された任意の指標が選択された場合に、その指標に対応する撮影画像又はそのサムネイルを上記別の表示領域に表示させる。
【0056】
以上、本実施形態に係る地図情報表示装置100の機能構成について説明した。上記のように、本実施形態に係る地図情報表示装置100を用いると、地図上に撮影位置等の情報が表示される際に、撮影画像に対応する撮影情報に基づいて好適な表示範囲が選択されるため、ユーザの利便性を大きく向上させることが可能になる。特に、小型の表示装置30を用いる撮像装置等において、格別に見易い表示形態が実現される。以下では、上記の地図情報表示装置100により実現される地図情報表示方法について説明する。
【0057】
[地図情報表示方法]
ここで、図2を参照しながら、本実施形態に係る地図情報表示方法について説明する。図2は、本実施形態に係る地図情報表示方法の流れを示す説明図である。
【0058】
(処理の流れ)
図2に示すように、まず、画像選択部104により撮影画像が選択される(S102)。ステップS102において、撮影画像は、ユーザ入力により選択されてもよいし、或いは、画像取得部102により最後に撮影された撮影画像が選択されてもよい。例えば、地図表示モードに遷移した直後の場合に最後の撮影画像が選択され、その他の場合は、ユーザにより選択されるようにしてもよい。
【0059】
次いで、時間範囲内画像検索部110は、所定期間内に撮影された撮影画像を検索する(S104)。ステップS104において、時間範囲内画像検索部110は、撮影情報取得部108から選択画像の撮影時点の情報を取得すると共に、その撮影時点を基準にして所定期間内に撮影された撮影画像を検索する。例えば、時間範囲内画像検索部110は、ステップS104において、選択画像の撮影時点の前後10分以内に撮影された他の撮影画像を検索する。そして、時間範囲内画像検索部110は、その検索処理により抽出された撮影画像の撮影位置の情報(例えば、撮影位置リスト)を取得する。
【0060】
次いで、時間範囲内移動経路抽出部116は、取得時点が所定期間内に含まれる移動経路情報を抽出する(S106)。ステップS106において、例えば、時間範囲内移動経路抽出部116は、選択画像の撮影時点を取得し、その時点の前後10分以内に取得された移動経路情報を検索する。さらに、時間範囲内移動経路抽出部116は、その検索処理により抽出された移動経路情報の取得位置に関する情報(例えば、取得位置リスト)を抽出する。尚、移動経路情報は、例えば、「1秒毎」や「5秒毎」等の所定単位毎に取得された位置情報と時間情報とを含む集合データである。
【0061】
次いで、地図表示範囲決定部112は、撮影画像の撮影位置や移動経路情報の取得位置に基づいて地図情報の表示範囲を決定する(S108)。ステップS108において、地図表示範囲決定部112は、例えば、上記の撮影位置リスト、及び取得位置リストを取得し、選択画像の緯度・経度の情報と、撮影位置リスト及び取得位置リストに含まれる緯度・経度の情報とを比較する。そして、地図表示範囲決定部112は、緯度方向、及び経度方向の夫々について、選択画像の撮影位置から最も離れた撮影画像の撮影位置までの距離を算出する。
【0062】
さらに、地図表示範囲決定部112は、その距離に所定のマージン(例えば、20%)を加えた距離を選択画像の緯度、及び経度の夫々に加減算することで地図情報の表示範囲を決定する。但し、地図表示範囲決定部112は、上記位置間の実際距離をベースに表示範囲を決定してもよい。これは、地図の図法等に応じて緯度/経度が直交していない場合があることに対応するものである。このように、本実施形態は、地図の図法等に応じた好適な計算方法を用いて表示範囲を決定してもよい。
【0063】
次いで、地図情報表示部132は、地図表示範囲決定部112により決定された表示範囲が含まれるように地図情報を表示装置30に表示させる(S110)。ステップS110において、地図情報表示部132は、地図情報取得部118により取得された地図情報を表示装置30に適合する表示データに変換して表示装置30に表示させる。
【0064】
次いで、地図情報表示部132は、撮影画像(選択画像を含む)の撮影位置、及び移動経路情報の取得位置を表示するアイコン等の指標を表示装置30に表示する(S112)。ステップS112において、地図情報表示部132は、例えば、上記の撮影位置リスト、及び取得位置リストを参照し、撮影画像の撮影位置、及び移動経路情報の取得位置に対応付けられたアイコンを地図上に表示する。さらに、地図情報表示部132は、選択画像の撮影位置に対応付けられたアイコンを他のアイコンと区別可能な表示形式で表示する。例えば、地図情報表示部132は、選択画像の撮影位置に対応するアイコンをブリンクさせてもよい。
【0065】
次いで、画像情報表示部134は、地図情報表示部132により表示される表示領域とは別の表示領域に、選択画像又は選択画像のサムネイルを表示する(S114)。但し、別の表示領域は、地図情報表示部132により表示される表示領域と重積するように表示されてもよいし、完全に分離した表示領域として表示されてもよい。
【0066】
以上、本実施形態に係る地図情報表示方法の流れについて説明した。次に、上記の地図情報表示方法による地図情報の表示例について具体的に説明する。
【0067】
(表示例)
図3及び図4を参照しながら、本実施形態に係る地図情報の表示例について説明する。図3は、本実施形態に係る地図情報の表示例を示す説明図である。図4は、本実施形態に係る地図情報表示の遷移過程を示す説明図である。
【0068】
図3に示すように、表示装置30には、例えば、地図表示領域32と、画像表示領域34と、移動ボタン36とが表示される。
【0069】
地図表示領域32には、地図情報が表示され、その地図上に各指標(L、Ls)と連結情報(Mp)とが表示される。丸印の指標Lは、地点を表す指標であり、撮影画像の撮影位置に対応する。星印の指標Lsは、選択地点を示す指標であり、選択画像の撮影位置に対応する。鎖線Mpは、連結情報の一例である移動軌跡に対応する。尚、符号L102、L104、L106、L108、L110は、撮影地点を表しており、説明の便宜上、L102→L104→L106→L108→L110の順番で撮影されたものと仮定する。
【0070】
一方、画像表示領域34には、選択地点Lsに対応する選択画像又はそのサムネイルが表示される。また、移動ボタン36は、画像表示領域34に表示される選択画像又はそのサムネイルを切り替えるボタンである。移動ボタン36の操作方向に応じて、選択地点Lsが隣接する他の地点Lに移動する。
【0071】
地図表示領域32の表示は、地図情報表示部132が有する機能により実現される。一方、画像表示領域34の表示は、画像情報表示部134が有する機能により実現される。また、移動ボタン36の操作に応じた選択地点Lsの移動処理は、画像選択部104、及び表示制御部120が有する機能により協働して実現される。
【0072】
上記の画面構成を踏まえ、図4を参照する。図4(A)には、図3と実質的に同じ表示画面が示されている。但し、図4(A)には、図3に加えて、基準表示領域38が示されている。基準表示領域38は、撮影画像の撮影位置や移動軌跡情報の取得位置に基づいて地図表示範囲決定部112により決定された表示範囲である。
【0073】
図4(A)の例では、撮影地点L106が選択地点Lsとして選択されている。ここで、移動ボタン36が操作されて選択地点Lsが撮影地点L108に移動される場合を考える。例えば、ユーザは、選択地点Lsを時間的に前方の地点に移動させる右側の移動ボタン36を操作し、選択地点Lsを撮影地点L108に移動させる。
【0074】
すると、地図表示範囲決定部112は、新たな選択地点Ls(撮影地点L108)が元の基準表示領域38に含まれるか否かを判断する。図4(A)の場合、撮影地点L108は、基準表示領域38の内部に位置している。そのため、地図表示範囲決定部112は、地図情報の表示範囲を変更しない。そのため、表示制御部120は、基準表示領域38の位置を変更しないまま、選択地点Lsを撮影地点L108に移動させる。尚、選択地点Lsの移動とは、移動先の地点(撮影地点L108)の指標を選択地点を表す指標に変更し、移動元の地点(撮影地点L106)の指標を選択地点以外の地点を表す指標に変更する処理を意味する。
【0075】
上記の移動処理により、図4(B)に示す表示構成になる。図4(B)は、選択地点Lsが撮影地点L108に移動した後の表示構成を示している。このように、選択地点Lsが移動されると、画像情報表示部134により画像表示領域34の表示が変更される。このとき、画像表示領域34には、撮影地点L108で撮影された撮影画像又はそのサムネイルが表示される。
【0076】
このように、地図情報の表示範囲が適切に決定されていると、ユーザは、所定の撮影画像を基準にして表示された地図情報を拡大/縮小したり、スクロール処理をせずとも撮影画像を容易に切り替えて閲覧することが可能になる。また、移動軌跡に基づいて表示範囲を決定した場合には、その工程を思い出しながら、主要な移動経路を確認しつつ、撮影画像を閲覧することができる。以下では、上記の表示技術をさらに進め、基準表示領域38の外部に選択地点Lsが移動された場合のスクロール処理について説明する。
【0077】
[スクロール処理方法]
次に、図5、図6を参照しながら、本実施形態に係る地図情報のスクロール処理について説明する。図5は、本実施形態に係る地図情報のスクロール処理の流れを示す説明図である。図6は、本実施形態に係る地図情報表示の遷移過程を示す説明図である。
【0078】
(処理の流れ)
まず、図5を参照する。図5に示すように、ユーザにより選択地点Lsが移動されて選択画像が変更されると(S202)、地図表示範囲決定部112は、新たな選択画像の撮影位置(選択地点Ls)の情報を取得する(S204)。次いで、地図表示範囲決定部112は、新たな選択地点Lsが基準表示領域38の内部に位置するか否かを判断し、地図情報の表示範囲をスクロールする必要があるかを判断する(S206)。スクロールする必要がある場合、地図情報表示装置100は、ステップS208の処理に進行する。逆に、スクロールする必要がない場合、地図情報表示装置100は、ステップS216の処理に進行する。
【0079】
ステップS208において、時間範囲内画像検索部110は、新たな選択画像を基準にして所定期間範囲内に撮影された撮影画像を検索して抽出する(S208)。次いで、時間範囲内移動経路抽出部116は、移動経路情報の取得時点が所定範囲内に含まれる移動経路情報を検索して抽出する(S210)。次いで、地図表示範囲決定部112は、ステップS208において抽出された撮影画像の撮影位置、及びステップS210において抽出された移動経路情報の取得位置に基づいて、地図情報の表示範囲を再決定する(S212)。次いで、地図情報表示部132は、ステップS212において再決定された地図情報の表示範囲に基づいて地図情報を表示する(S214)。
【0080】
上記のステップS208〜S214の処理工程は、図2のステップS104〜S110の処理工程に対応する。但し、新たな選択画像を使用している点で相違し、表示範囲が変更されることで表示画面がスクロールされる。
【0081】
ステップS216において、地図情報表示部132は、撮影画像(選択画像を含む)の撮影位置、及び移動経路情報の取得位置を表示するアイコン等の指標を表示装置30に表示する(S216)。次いで、画像情報表示部134は、地図情報表示部132により表示される表示領域とは別の表示領域に、選択画像又は選択画像のサムネイルを表示する(S218)。
【0082】
上記の処理ステップを実行することにより、表示画面のスクロール処理が実現される。以下では、このスクロール処理についての具体的な表示例を示し、簡単な説明を加える。
【0083】
(表示例)
スクロールが必要ない場合の表示例については、図4を参照しながら既に説明した。ここでは、図6を参照しながら、スクロールが必要なケースについて考える。図6(A)は、図4(A)と同じ表示構成を示したものである。一方、図6(B)は、選択地点Lsを撮影地点L106から撮影地点L110に移動させた場合の表示構成を示している。この移動は、例えば、右側の移動ボタン36を2回押下することで実現される。
【0084】
図6(A)を参照すると、選択地点Lsの移動先である撮影地点L110は、基準表示領域38の外部に位置している。そのため、地図表示範囲決定部112は、地図情報の表示範囲をスクロールする必要があると判断する。
【0085】
そこで、地図表示範囲決定部112は、例えば、撮影地点L110が基準表示領域38の中心に位置するように地図情報を表示する表示範囲を決定する。すると、地図情報取得部118により、その表示範囲に適合する地図情報が取得される。次いで、地図情報表示部132により、図6(B)に示すような地図情報が表示される。さらに、地図情報表示部132により、撮影地点L110に表示される指標が選択地点Lsのものに変更され、かつ、撮影地点L106に表示される指標が地点Lのものに変更される。さらに、画像情報表示部134により、画像表示領域34の表示が、撮影地点L110で撮影された撮影画像又はそのサムネイルに更新される。
【0086】
以上、本実施形態に係る地図情報表示方法について説明した。所定の撮影画像(例えば、最後に撮影された撮影画像等)の撮影位置を基準にして地図情報が表示される際に、その地図情報の表示範囲や縮尺が固定されていると、ユーザが希望する表示範囲とは異なるケースがあり、些か見難い表示になっていた。しかし、上記の地図情報表示方法を適用すると、所定の撮影画像の撮影時点に応じて所定時間内に撮影された撮影画像、及び所定時間内に取得された移動経路情報の取得位置の一方又は両方を基準に地図情報の表示範囲が決定される。そのため、閲覧する撮影画像を変更した場合にも、不必要にスクロールせずとも、ユーザにとって見易い地図表示が実現される。
【0087】
[ハードウェア構成(撮像装置の例)]
上記装置が有する各構成要素の機能は、例えば、図7に示すハードウェア構成を有する撮像装置により実現することが可能である。図7は、上記装置の各構成要素が有する機能を実現することが可能な撮像装置のハードウェア構成を示す説明図である。
【0088】
図7に示すように、前記の撮像装置は、主に、制御部(例えば、CPU;Central Processing Unit)802と、位置取得部804と、RAM(Random Access Memory)806と、ROM(Read Only Memory)808と、バス810と、撮像部812と、画像処理部814と、表示部816と、記憶媒体(例えば、Flash Memory等)818とにより構成される。
【0089】
図中には明示しないが、ユーザによる操作を受け付ける入力部をさらに備えていてもよい。この入力部の機能は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等の操作手段により実現される。また、入力部は、赤外線やその他の電波、或いは、光波等を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントロール手段(所謂、リモコン)であってもよい。
【0090】
制御部802は、例えば、CPU等により実現され、RAM806、ROM808、又は記録媒体818等に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM808は、例えば、制御部802に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する。RAM806は、例えば、制御部802に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等を一時的又は永続的に格納する。これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なバス810によって相互に接続されている。
【0091】
位置取得部804は、撮像装置の位置情報を取得する手段である。位置情報取得部804は、例えば、通信可能な基地局にアクセスして当該基地局がカバーするエリアの情報を位置情報として取得してもよいし、或いは、測位用の衛星システム(GPS;Global Positioning System)等から位置情報を取得してもよい。位置情報としては、例えば、撮像装置が位置する緯度・経度、又はエリアを特定可能な情報である。
【0092】
撮像部812は、光学系を介して被写体の像を取得する手段である。撮像部812は、主に、レンズ822と、CCD(Charge Coupled Device)824と、AF制御部826と、AE制御部828とにより構成される。
【0093】
レンズ822は、光学系を構成し、被写体により反射された光をCCD824に集光する。CCD824は、半導体素子により構成され、レンズ822により集光された光を各素子で受光し、その受光した光を光電変換して出力する固体撮像素子である。CCD824は、各素子が受光した光の強度に応じて電気信号を出力するため、その電気信号に基づいて画像信号を形成することができる。尚、上記撮像装置は、CCD824に代えて、他の半導体素子により形成されたイメージセンサーを利用してもよい。AF制御部826は、ピントを自動的に調整するためのオートフォーカス機構である。また、AE制御部828は、シャッター速度や絞り値を自動的に調整するための自動露出(AE;Automatic Exposure)制御機構である。
【0094】
画像処理部814は、CCD824により出力された画像信号を表示部816で表示可能な画像データの形式に変換することができる。例えば、画像処理部814は、当該画像信号をBMP、GIF、JPEG、PICT、又はPING等の符号化形式を有するデータに変換することができる。また、画像処理部814は、画像データのサイズを変更したり、輝度や色調を調整したり、或いは、ガンマ補正やシャープネスの調整等をしてもよい。さらに、画像処理部814は、撮像部812により連続して撮影された複数の画像信号から動画像データを生成してもよい。
【0095】
表示部816は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma DisplayPanel)、又はELD(Electro−Luminescence Display)等のディスプレイ装置であり、取得した情報を利用者に対して視覚的に通知することが可能な装置である。尚、表示部816は、タッチパネル式のディスプレイ装置であってもよい。この場合、表示部816は、上記の入力部としての機能を兼ねることができる。
【0096】
記録媒体818は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等により構成される。例えば、記録媒体818は、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD−DVDメディア、コンパクトフラッシュ(CF;CompactFlash)(登録商標)、メモリースティック、SDメモリカード(Secure Digital memory card)、又はHDD(Hard Disk Drive)等である。また、撮像装置は、記録媒体818として、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit Card)や電子機器等を利用してもよい。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0098】
例えば、上記の実施形態において、矩形の基準表示領域38を例示したが、例えば、楕円形や多角形、或いは、地図上の所定領域(例えば、市区町村、都道府県等の範囲)等を基準表示領域38にしてもよい。また、選択画像の変更に伴う指標の変更処理は、地図情報の更新前に実行されてもよいし、或いは、更新後に実行されてもよい。
【0099】
ところで、DVD(Digital Versatile Disc)等に地図情報や撮影画像のサムネイル等を格納し、それらのメニューを作成して撮影画像等の情報を残す場合にも、地図情報の表示範囲を巧く決定する技術を応用することが可能である。DVD等の場合、メニューに表示可能なサムネイル数がある一定の数に制限されるため、撮影位置や撮影時点等の情報を参考に分類される撮影画像等の分類数が不定になるという事情に適合しないという問題があった。
【0100】
そこで、上記の実施形態に係る地図情報表示方法を変形し、選択画像の撮影位置に代えて、複数の選択画像の重心位置を基準に地図情報の表示範囲を決定する方法を提案する。この場合、画像選択部104は、ユーザ入力に応じて複数の撮影画像を選択する。そして、地図表示範囲決定部112は、画像選択部104により選択された複数の撮影画像の撮影位置について重心位置を算出し、その重心位置を基準として地図情報の表示範囲を決定する。例えば、地図表示範囲決定部112は、重心位置が中心に位置するように地図情報の表示範囲を決定する。この場合、地図情報表示装置100は、必要な機能を有する一部の構成要素により構成されていてもよい。尚、地図表示範囲決定部112は、重心位置算出部の一例である。
【0101】
例えば、DVD等に格納された地図情報と撮影画像のサムネイルとが含まれるメニューを作成する場合において、各メニューに3つの撮影画像のサムネイルと地図情報が表示されるようなケースを考える。このケースにおいて、上記の変形された方法を用いると、3つの撮影画像の撮影位置の重心位置が地図の表示中心位置に設定され、3つの撮影画像の撮影位置が全て含まれる地図情報の表示範囲が決定される。そのため、ユーザにとって見易いメニュー表示が実現されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図情報表示装置の構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る地図情報表示方法の流れを示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る地図情報表示画面の構成例を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る地図情報表示の変更方法を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係る地図情報表示方法の流れを示す説明図である。
【図6】同実施形態に係る地図情報表示の変更方法を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
10 基地局
20 ネットワーク
30 表示装置
32 地図表示領域
34 画像表示領域
36 移動ボタン
38 基準表示領域
100 地図情報表示装置
102 画像取得部
104 画像選択部
108 撮影情報取得部
110 時間範囲内画像検索部
112 地図表示範囲決定部
114 移動経路情報取得部
116 時間範囲内移動経路抽出部
118 地図情報取得部
120 表示制御部
122 時間情報取得部
124 位置情報取得部
132 地図情報表示部
134 画像情報表示部
L102、L104、L106、L108、L110 撮影地点
L 地点
Ls 選択地点
Mp 移動軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置であって、
前記複数の撮影画像の中から、所定の前記撮影画像の撮影時点が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像を抽出する撮影画像抽出部と、
前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択する地図範囲選択部と、
前記地図範囲選択部により選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報を表示する地図情報表示部と、
を備えることを特徴とする、地図情報表示装置。
【請求項2】
前記地図範囲選択部は、前記所定の撮影画像の撮影位置を中心にして前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択することを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項3】
前記所定の撮影画像の撮影位置を示す第1の指標情報を前記地図情報の中に表示する指標情報表示部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項4】
前記指標情報表示部は、前記第1の指標情報として、前記所定の撮影画像のサムネイル又は当該所定の撮影画像の撮影位置に対応するアイコンを表示することを特徴とする、請求項3に記載の地図情報表示装置。
【請求項5】
前記指標情報表示部は、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置を示す第2の指標情報を前記地図情報の中に表示することを特徴とする、請求項3に記載の地図情報表示装置。
【請求項6】
前記指標情報表示部は、前記第2の指標情報として、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像のサムネイル又は当該撮影画像の撮影位置に対応するアイコンを表示することを特徴とする、請求項5に記載の地図情報表示装置。
【請求項7】
前記地図情報表示部により地図情報が表示される表示領域とは異なる他の表示領域に、前記所定の撮影画像又は当該撮影画像のサムネイルを表示する画像情報表示部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項8】
前記所定の撮影画像は、前記複数の撮影画像の中で最後に撮影された撮影画像であることを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項9】
前記複数の撮影画像が撮影される過程で移動した経路の情報を表す移動経路情報を取得する移動経路情報取得部と、
前記所定期間内に取得された前記移動経路情報を抽出する移動経路情報抽出部と、
をさらに備え、
前記地図範囲選択部は、前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして、前記撮影画像抽出部により抽出された撮影画像の撮影位置と、前記移動経路情報抽出部により抽出された移動経路情報の取得位置と、が含まれる地図上の範囲を選択することを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項10】
前記移動経路情報抽出部により抽出された移動経路情報の取得位置を示す第3の指標情報を前記地図情報の中に表示する指標情報表示部をさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の地図情報表示装置。
【請求項11】
前記所定の撮影画像が他の前記撮影画像に変更された場合に、当該他の撮影画像の撮影位置が前記地図範囲選択部により選択された範囲内に位置するか否かを判断する変更画像位置判断部をさらに備え、
前記地図範囲選択部は、
前記変更画像位置判断部により前記他の撮影画像が前記選択された範囲内に位置すると判断された場合に前記地図上の範囲を変更せず、
前記変更画像位置判断部により前記他の撮影画像が前記選択された範囲外に位置すると判断された場合に前記他の撮影画像が基準となるように地図上の範囲を変更することを特徴とする、請求項1に記載の地図情報表示装置。
【請求項12】
複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示する地図情報表示装置であって、
前記複数の撮影画像の中から選択された所定数の撮影画像の撮影位置に関する重心位置を算出する重心位置算出部と、
前記重心位置を基準にして前記所定数の撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲を選択する地図範囲選択部と、
前記地図範囲選択部により選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報を表示する地図情報表示部と、
を備えることを特徴とする、地図情報表示装置。
【請求項13】
複数の撮影画像に各々対応付けられた撮影時点及び撮影位置の情報に基づいて地図情報を表示するための地図情報表示方法であって、
前記複数の撮影画像の中から、所定の前記撮影画像の撮影時点が含まれる所定期間内に撮影された撮影画像が抽出される撮影画像抽出ステップと、
前記所定の撮影画像の撮影位置を基準にして前記撮影画像抽出ステップにおいて抽出された撮影画像の撮影位置が含まれる地図上の範囲が選択される地図範囲選択ステップと、
前記地図範囲選択ステップにおいて選択された地図上の範囲が含まれるように地図情報が表示される地図情報表示ステップと、
を含むことを特徴とする、地図情報表示方法。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれかに記載の地図情報表示装置が有する機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−58922(P2009−58922A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228577(P2007−228577)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】