地図拡大表示装置
【課題】拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが容易に把握しうる地図拡大表示装置を得る。
【解決手段】ユーザがマウスを用いて広域地図上の特定地点112をクリックすると、クライアント制御部は特定地点112の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部に送信する。サーバ制御部は、サーバ記録部から受信した座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得し、クライアント制御部に送信する。クライアント制御部は受信した地図データを用いて拡大表示領域113に拡大地図を表示する。拡大表示領域113の大きさは予め定められ、広域表示領域101に表示された特定地点112を覆わない位置に円形の拡大表示領域113が描画される。広域表示領域101には、拡大表示領域113に示された拡大地図の広域表示領域101における範囲を示す、円形の指示標識111が設けられる。
【解決手段】ユーザがマウスを用いて広域地図上の特定地点112をクリックすると、クライアント制御部は特定地点112の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部に送信する。サーバ制御部は、サーバ記録部から受信した座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得し、クライアント制御部に送信する。クライアント制御部は受信した地図データを用いて拡大表示領域113に拡大地図を表示する。拡大表示領域113の大きさは予め定められ、広域表示領域101に表示された特定地点112を覆わない位置に円形の拡大表示領域113が描画される。広域表示領域101には、拡大表示領域113に示された拡大地図の広域表示領域101における範囲を示す、円形の指示標識111が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の領域を拡大して表示する地図拡大表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の表示装置に地図を表示して、ユーザに地理情報を提供する技術が知られている。この技術は、表示装置に広域地図を表示し、広域地図上でユーザが特定点を指定する。そして、拡大地図における特定点の位置と広域地図上における特定点の位置とが表示装置上において同じ位置となるように、広域地図上に拡大地図を表示する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−336940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、拡大地図における特定点の位置と広域地図上における特定点の位置とが同じ位置となるよう広域地図上に拡大地図を表示すると、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが把握しにくくなる。そのため、ユーザは広域地図及び拡大地図が表示する空間を正確に認識出来なくなるおそれがある。
【0004】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが容易に把握しうる地図拡大表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による地図拡大表示装置は、第1の縮尺で地図を表示する広域表示領域と、広域表示領域に表示された特定地点を選択するための地点選択手段と、地点選択手段が特定地点を選択したとき、広域表示領域に表示された特定地点を覆わないように表示され、特定地点を含む地図を第2の縮尺で表示する拡大表示領域とを備え、第2の縮尺は第1の縮尺よりも大縮尺であることを特徴とする。
【0006】
拡大表示領域に表示される地図の範囲を広域表示領域において示す指示標識を備えることが好ましい。これにより、ユーザは広域地図におけるどの領域を拡大して表示しているかを容易に把握できる。
【0007】
広域表示領域における指示標識の位置を変更する指示標識操作手段をさらに備え、広域表示領域における指示標識の位置を指示標識操作手段が変更したとき、指示標識が示す範囲に応じて拡大表示領域に表示される地図が変更されることが好ましい。
【0008】
広域表示領域に対して拡大表示領域の位置を変更する領域操作手段をさらに備えるものであればなおよい。
【0009】
拡大表示領域の大きさを変更する領域操作手段をさらに備えるものであればなおよい。
【0010】
領域操作手段が拡大表示領域の大きさを変更するとき、拡大表示領域は第2の縮尺を変化せずに、表示する地図の範囲を変更することが望ましい。
【0011】
領域操作手段が拡大表示領域の大きさを変更するとき、指示標識が広域表示領域において示す範囲を変更することが好ましい。
【0012】
第2の縮尺を変更する縮尺変更手段をさらに備えればなおよい。
【0013】
縮尺変更手段は、拡大表示領域の中に表示される拡大ボタン及び縮小ボタンであってもよい。
【0014】
縮尺変更手段が第2の縮尺を変更すると、指示標識が広域表示領域において示す範囲を変更することが望ましい。
【0015】
広域表示領域内に拡大表示領域が設けられることが好ましい。
【0016】
拡大表示領域が複数設けられればなおよい。
【0017】
広域表示領域は地図を表示し、拡大表示領域は航空写真を表示してもよい。
【0018】
広域表示領域は航空写真を表示し、拡大表示領域は地図を表示してもよい。
【0019】
広域表示領域は地図を表示し、拡大表示領域は地下街地図を表示してもよい。
【0020】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、拡大表示領域はそれぞれ異なる領域を表示する第1及び第2の拡大表示領域を有し、第1の拡大表示領域は出発地を中心として表示し、第2の拡大表示領域は目的地を中心として表示することが好ましい。これにより、ユーザは出発地から目的地までの経路を容易に把握することができる。
【0021】
広域表示領域並びに第1及び第2の拡大表示領域は、経路決定手段が決定した出発地から目的地までの経路を表示することが好ましい。
【0022】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、拡大表示領域は、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な複数の通行路が存在する領域を表示してもよい。
【0023】
前記地図拡大装置と地図を記録する地図記録手段とを備え、広域表示領域、地点選択手段、及び拡大表示領域は端末装置に設けられ、地図記録手段と端末装置とは通信手段を介して接続され、拡大表示領域は、地点選択手段が特定地点を選択したとき、特定地点を含む地図を地図記録手段から読み出して第2の縮尺で表示することが好ましい。
【0024】
通信手段はインターネットが好適である。
【0025】
本願第2の発明による地図拡大表示プログラムは、広域表示領域に第1の縮尺で地図を表示するステップと、広域表示領域に表示された特定地点を選択するステップと、広域表示領域に表示された特定地点を覆わないように拡大表示領域を表示するステップと、特定地点を含む地図を第1の縮尺よりも大縮尺である第2の縮尺で拡大表示領域に表示するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが容易に把握しうる地図拡大表示装置を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明による地図拡大表示装置の第1の実施形態について図1及び2を用いて説明する。図1はネットワークを介して接続された情報記録手段すなわちサーバBと、複数の端末装置すなわち第1〜第nクライアントA1からAnとを概念的に示した図である。ここで、nは1以上の整数である。第1〜第nクライアントA1〜Anは、ネットワーク、例えばインターネットを介してサーバBと通信可能である。
【0028】
第1〜第nクライアントA1〜Anは、クライアント制御部30A1〜30An、入力部40A1〜40An、及び表示部50A1〜50Anを各々有する。クライアント制御部30A1〜30Anは、第1〜第nクライアントA1〜Anの各部の制御、及びサーバBとのデータの送受信を行う。入力部40A1〜40Anは、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置であり、ユーザはこれらを用いて第1〜第nクライアントA1〜Anにデータを入力する。入力されたデータはクライアント制御部30A1〜30Anにより処理され、例えばサーバBに送信される。表示部50A1〜50Anは、サーバBから受信したデータの表示、及び入力部40A1〜40Anを用いて入力されたデータ等を表示する。
【0029】
サーバBはサーバ制御部30B及びサーバ記録部60Bを備える。サーバ制御部30Bはネットワークを介してクライアント制御部30A1〜30Anとデータを送受信する。サーバ制御部30Bはサーバ記録部60Bからデータを読み出して送信、あるいは受信したデータをサーバ記録部60Bに記録する。
【0030】
サーバ記録部60Bには地図データ及び地物情報が記録される。地図データは、地図を構成する画像を画像電子データに変換して得られたものであり、地図の縮尺毎に地図データが作成される。地図データのフォーマットはラスタデータ、例えばビットマップフォーマット又はPNGフォーマットである。地図データが表示する地図の範囲を示す座標である範囲座標と関連付けられてサーバ記録部60Bに記録される。地図の縮尺として、例えば、1/1500、1/3000、1/8000、1/21000、1/75000、1/15万、1/30万、1/90万、1/150万及び1/780万が予め設定される。
【0031】
地物情報は地物のID、名称及び座標から成り、互いに関連付けて記録される。地物座標は、地物を上空から見た形状に応じて定められる。地図データによる地図は例えばUTM図法によって描画され、地図上の座標はUTM座標系により定義される。
【0032】
ユーザは、ステップS21において、地図を表示したい地物の名称、例えば「名古屋大学」と所望の縮尺とを第nクライアントAnに入力部40Anを用いて入力する。入力された地物名称及び所望の縮尺はクライアント制御部30Anにより処理され、サーバBに送信される。サーバBに設けられるサーバ制御部30Bは、地物名称及び所望の縮尺を受信し、サーバ記録部60Bに記録された地物情報から「名古屋大学」を検索する。そして、「名古屋大学」の地物座標を取得して、その地物座標を中心とする所望の縮尺を有する地図データを検索し取得する。その後、地図データは、サーバ制御部30Bからクライアント制御部30Anに送信される。
【0033】
ステップS22において、クライアント制御部30Anは、受信した地図データを用いて表示部50Anに「名古屋大学」を中心とする広域地図を表示する。広域地図の縮尺は広域地図上に表示される縮尺変更スライダ131(図3参照)をマウスで操作することにより変更可能である。
【0034】
次に、図2及び3を用いて広域地図上に拡大地図を表示する地図拡大処理について説明する。
【0035】
ステップS22において表示部50Anに広域地図が表示された状態で地図拡大処理が実行される。ステップS23においてユーザがマウスを用いて広域地図上のある点(以下、特定地点という)112をクリックされたか否かが判断される。クリックされたとき、クライアント制御部30Anは特定地点112の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部30Bに送信する。
【0036】
座標を受信したサーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。
【0037】
ステップS24において、クライアント制御部30Anは地図データを受信する。そして、ステップS25において、受信した地図データを用いて表示部50Anに拡大地図を表示する。このとき、地図は拡大表示領域113に表示される。広域表示領域101における拡大表示領域113の大きさは予め定められ、広域表示領域101に表示された特定地点112を覆わない位置に円形の拡大表示領域113が描画される。
【0038】
広域表示領域101には、拡大表示領域113に示された拡大地図の広域表示領域101における範囲を示す、円形の指示標識111が設けられる。指示標識111の形状は拡大表示領域101の形状と相似形である。拡大表示領域113が囲う領域の面積は、指示標識111が囲う領域の面積以上の大きさである。拡大表示領域113と指示標識111は、各々の外縁の接線をなす線分で接続される。
【0039】
ユーザが他の特定地点122を更にクリックすると、同様にして拡大表示領域123及び指示標識121が広域表示領域101上に形成される。このようにして、地図拡大装置は、複数の拡大表示領域及び指示標識を広域表示領域101上に形成することが可能である。
【0040】
拡大表示領域113、123の内側には拡大ボタン115、125及び縮小ボタン116、126が表示される。ユーザがマウスを用いて拡大ボタン115、125をクリックすると、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺が大きくなり、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲は狭くなる。ユーザがマウスを用いて縮小ボタン116、126をクリックすると、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺が小さくなり、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲が広くなる。拡大地図の縮尺は広域地図の縮尺と同じ縮尺まで変えることが可能である。
【0041】
次に指示標識111、121を広域表示領域101上において移動させる指示標識移動処理について説明する。
【0042】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを指示標識111、121上に移動させる。そして、マウスポインタMPを指示標識111、121上に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して指示標識111、121が移動する。指示標識111、121の移動に従って、指示標識111、121内に表示される広域地図も移動する。
【0043】
一方、拡大表示領域113、123は指示標識111、121との相対位置を保持しながら、広域表示領域101に対して移動する。すなわち、拡大表示領域113、123に表示される拡大地図は広域表示領域101内に表示された広域地図の範囲に応じて変化する。以下、指示標識移動処理を詳細に説明する。
【0044】
指示標識111、121が移動すると、クライアント制御部30Anは指示標識111、121の現在の座標をサーバ制御部30Bに送信する。座標を受信したサーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0045】
次に、拡大表示領域113、123を広域表示領域101および指示標識111、121に対して移動する拡大表示領域移動処理について説明する。
【0046】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを拡大表示領域113、123の境界線117、127内側に移動させる。そして、マウスポインタMPを拡大表示領域113、123の内部に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して拡大表示領域113、123が広域表示領域101および指示標識111、121に対して移動する。このとき、拡大表示領域113、123に表示される地図は変化しない。また、指示標識111、121は広域表示領域101に対して同じ位置を保持し変化しない。
【0047】
拡大表示領域113、123の移動に伴い、拡大表示領域113、123と指示標識111、121とを結んだ線分も各々の外縁の接線をなす線分で再度接続される。
【0048】
この操作により、指示標識111、121と拡大表示領域113、123との相対位置を変えると共に、広域表示領域101の任意の場所に拡大表示領域113、123を配置することができる。
【0049】
次に、拡大表示領域113、123の大きさを変更する表示範囲変更処理について説明する。
【0050】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを拡大表示領域113、123の境界線117、127上に移動させる。そして、マウスポインタMPを境界線117、127上に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して拡大表示領域113、123の大きさが変化する。このとき、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺は変化しない。
【0051】
拡大表示領域113、123の大きさの変化に従って、拡大表示領域113、123内に表示される拡大地図の範囲も広がり、あるいは縮小する。
【0052】
一方、指示標識111、121は拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を広げ、あるいは縮小する。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の範囲に応じて変化する。以下、表示範囲変更処理を詳細に説明する。
【0053】
拡大表示領域113、123の大きさが変えられると、大きさの変化に伴って拡大表示領域113、123に新たに表示する地図データを既に受信しているか否かをクライアント制御部30Anが判断する。
【0054】
そして、新たに表示する地図データを既に受信している場合、クライアント制御部30Anは、受信済みの地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0055】
受信していない場合、クライアント制御部30Anは、受信していない地図データの情報と拡大表示領域113、123に表示された地図の縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。この情報を受信したサーバ制御部30Bは、該当する地図データのうち、拡大表示領域113、123に表示された地図の縮尺と同縮尺の地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0056】
次に、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺を変更する拡大地図縮尺変更処理について説明する。
【0057】
ユーザがマウスを用いて縮小ボタン116、126をクリックすると、クライアント制御部30Anは、現在表示している拡大地図の中心となる地点114、124のUTM座標系による座標と、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階小さい縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。本実施形態においては、現在表示している拡大地図の縮尺は1/1500であるから、一段階小さい縮尺は1/3000である。サーバ制御部30Bは、受信した座標を含む地図データのうち、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階小さい縮尺で作図された地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/3000の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。一方、指示標識111、121は、拡大表示領域101に表示される地図の縮尺が小さくなると、拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を広げる。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の縮尺、つまり範囲に応じて変化する。これにより、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺を小さくして、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲を広げることが可能になる。
【0058】
次に、ユーザがマウスを用いて拡大ボタン115、125をクリックすると、クライアント制御部30Anは、現在表示している拡大地図の中心となる地点114、124のUTM座標系による座標と、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階大きい縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。本実施形態においては、現在表示している拡大地図の縮尺は1/3000であるから、一段階大きい縮尺は1/1500である。サーバ制御部30Bは、受信した座標を含む地図データのうち、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階大きい縮尺で作図された地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。これにより、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺を大きくして、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図をより詳細に参照することが可能になる。
【0059】
一方、指示標識111、121は、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺が大きくなると、拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を縮小する。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の縮尺、つまり範囲に応じて変化する。
【0060】
なお、拡大表示領域113、123及び指示標識111、121は円形でなくてもよく、例えば楕円形、長方形等の閉じられた領域であればよい。
【0061】
また、広域表示領域101に対して指示標識111、121が移動したとき、広域表示領域101に対して拡大表示領域113、123が移動しなくてもよい。
【0062】
次に第2の実施形態について図4を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、広域表示領域201に広域地図を表示し、拡大表示領域213に航空写真を表示する。そこで、サーバ記録部60Bには地図データ及び地物情報に加えて航空写真データが記録される。航空写真データは、実際に上空から地上を撮影し写真を地図データの縮尺と同じ縮尺に加工して得られたものであり、地図の縮尺毎に航空写真データが作成される。航空写真データのフォーマットはラスタデータ、例えばJPGフォーマットである。航空写真データは、航空写真が表示する範囲を示す座標である範囲座標と関連付けられてサーバ記録部60Bに記録される。
【0064】
ユーザがマウスによりチェックボックス241をクリックして航空写真を拡大表示領域213に表示することを選択した後に、広域表示領域201上で特定地点212をクリックすると、クライアント制御部30Anは特定地点212の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部30Bに送信する。そして第1の実施形態と同様の処理により、サーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする航空写真データのうち最も大縮尺である航空写真データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された航空写真データを取得する。その後航空写真データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した航空写真データを用いて拡大表示領域213に航空写真を表示する。このとき、拡大表示領域213の中心214には、特定地点212を拡大した地点が表示される。そして、拡大表示領域213の表示範囲に応じて、広域表示領域201に指示標識211が表示される。
【0065】
なお、広域表示領域201に航空写真、拡大表示領域213に地図を表示してもよい。
【0066】
また、広域表示領域201に地図、拡大表示領域213に地下街図を表示してもよい。このとき、サーバ記録部60Bは、地下街図が表示する範囲を示す座標である範囲座標と関連付けて地下街図データを記録する。
【0067】
次に第3の実施形態について図5及び6を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0068】
本実施形態による地図拡大表示装置は出発地から目的地までの経路を探索することが可能である。そこで、サーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bに記録された地物情報を用いて出発地から目的地までの経路を算出するための経路決定手段70Bを備える。
【0069】
使用者が入力部40Anを介して、出発地の名称、例えば「東山公園駅」及び目的地の名称、例えば「星ヶ丘」をテキストボックス532及び533に入力する。そして、検索ボタン534をマウスを用いてクリックすると、クライアント制御部30Anは出発地「東山公園駅」を示すテキストデータである出発地データと、目的地「星ヶ丘」を示すテキストデータである目的地データとをサーバ制御部30Bに送信する。テキストボックス532及び533に入力された出発地及び目的地の名称はクリアボタン535をクリックすることにより一度で消去することが可能である。出発地データ及び目的地データを受信したサーバ制御部30Bは、経路決定手段70Bを用いて出発地「東山公園駅」から目的地「星ヶ丘」までの経路を算出する。そして、出発地、目的地が存在する地図データのうち最も大縮尺である地図データと、算出された経路が全て含まれるような1又は2以上の地図データとをサーバ記録部60Bに要求する。
【0070】
要求を受信したサーバ記録部60Bは、広域表示領域501に出発地から目的地までの全経路が表示されるような縮尺を算出する。そして、算出された縮尺に応じて広域地図の地図データと出発地及び目的地の地図データとを検索し、サーバ制御部30Bに返す。サーバ制御部30Bはこれらの地図データと経路データとをクライアント制御部30Anに送信する。
【0071】
クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて、広域表示領域501に広域地図を表示し、2つの拡大表示領域513、523に出発地及び目的地をそれぞれ表示する。出発地及び目的地は、拡大表示領域513、523の中心514、524と、指示標識511、521の中心512、522とにそれぞれ置かれる。また、拡大表示領域513、523の表示範囲に応じて、指示標識512、522が広域表示領域501に表示される。そして、経路データから経路を構成し、広域表示領域501及び拡大表示領域513、523に地図を描画するために用いられていない色、例えば薄紫色の経路指示線550を用いて経路を表示する。
【0072】
さらに、ユーザがマウスを用いて任意の地点542をクリックすると、地図拡大処理により、地点542を中心とする一定範囲が拡大されて拡大表示領域543に表示される。このとき、拡大表示領域543内において地点542に対応する点は、拡大表示領域543の中心点544である。これにより、ユーザは、出発地から目的地までの経路における任意の地点での詳細な情報を容易に入手することができる。
【0073】
なお、出発地及び目的地に加えて、交通手段の切替地点、すなわち乗換駅や道路のインターチェンジ等を含む地図を拡大して拡大表示領域に表示してもよい。ユーザは通行路が多数存在する領域においても容易に出発地から目的地までの経路を容易に把握できる。
【0074】
また、経路決定手段は、ユーザがマウス等の入力部を用いて広域表示領域501上で特定点を指定することにより経路を決定するものであってもよい。
【0075】
本実施形態によれば、出発地及び目的地が拡大して表示されると同時に出発地から目的地までの経路も同じ画面上に表示されるため、使用者は出発地から目的地までの経路を容易に把握することが可能になる。
【0076】
なお、地図はネットワークを介して入手されなくてもよく、第nクライアントAn、つまりナビゲーション装置に記録されてもよい。このとき、第nクライアントAnはクライアント記録部を備え、クライアント制御部30Anはクライアント記録部から地図データを読み出す。
【0077】
なお、ユーザが広域地図における特定地点をクリックしたとき、又は経路決定手段が探索結果を表示するとき、拡大表示領域に表示する拡大地図は最も大縮尺の地図でなくてもよく、ユーザが選択した縮尺の地図であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による地図拡大表示装置を概念的に示した図である。
【図2】地図拡大表示を示したフローチャートである。
【図3】表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域を示した図である。
【図4】第2の実施形態による表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域を示した図である。
【図5】第3の実施形態による地図拡大表示装置を概念的に示した図である。
【図6】出発地及び目的地入力テキストボックスと表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域とを示した図である。
【符号の説明】
【0079】
A1 第1クライアント
30A1 クライアント制御部
40A1 入力部
50A1 表示部
B サーバ
30B サーバ制御部
60B サーバ記録部
MP マウスポインタ
101 広域表示領域
111 指示標識
113 拡大表示領域
115 拡大ボタン
116 縮小ボタン
532 出発地入力テキストボックス
533 目的地入力テキストボックス
534 検索ボタン
535 クリアボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の領域を拡大して表示する地図拡大表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の表示装置に地図を表示して、ユーザに地理情報を提供する技術が知られている。この技術は、表示装置に広域地図を表示し、広域地図上でユーザが特定点を指定する。そして、拡大地図における特定点の位置と広域地図上における特定点の位置とが表示装置上において同じ位置となるように、広域地図上に拡大地図を表示する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−336940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、拡大地図における特定点の位置と広域地図上における特定点の位置とが同じ位置となるよう広域地図上に拡大地図を表示すると、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが把握しにくくなる。そのため、ユーザは広域地図及び拡大地図が表示する空間を正確に認識出来なくなるおそれがある。
【0004】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであり、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが容易に把握しうる地図拡大表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による地図拡大表示装置は、第1の縮尺で地図を表示する広域表示領域と、広域表示領域に表示された特定地点を選択するための地点選択手段と、地点選択手段が特定地点を選択したとき、広域表示領域に表示された特定地点を覆わないように表示され、特定地点を含む地図を第2の縮尺で表示する拡大表示領域とを備え、第2の縮尺は第1の縮尺よりも大縮尺であることを特徴とする。
【0006】
拡大表示領域に表示される地図の範囲を広域表示領域において示す指示標識を備えることが好ましい。これにより、ユーザは広域地図におけるどの領域を拡大して表示しているかを容易に把握できる。
【0007】
広域表示領域における指示標識の位置を変更する指示標識操作手段をさらに備え、広域表示領域における指示標識の位置を指示標識操作手段が変更したとき、指示標識が示す範囲に応じて拡大表示領域に表示される地図が変更されることが好ましい。
【0008】
広域表示領域に対して拡大表示領域の位置を変更する領域操作手段をさらに備えるものであればなおよい。
【0009】
拡大表示領域の大きさを変更する領域操作手段をさらに備えるものであればなおよい。
【0010】
領域操作手段が拡大表示領域の大きさを変更するとき、拡大表示領域は第2の縮尺を変化せずに、表示する地図の範囲を変更することが望ましい。
【0011】
領域操作手段が拡大表示領域の大きさを変更するとき、指示標識が広域表示領域において示す範囲を変更することが好ましい。
【0012】
第2の縮尺を変更する縮尺変更手段をさらに備えればなおよい。
【0013】
縮尺変更手段は、拡大表示領域の中に表示される拡大ボタン及び縮小ボタンであってもよい。
【0014】
縮尺変更手段が第2の縮尺を変更すると、指示標識が広域表示領域において示す範囲を変更することが望ましい。
【0015】
広域表示領域内に拡大表示領域が設けられることが好ましい。
【0016】
拡大表示領域が複数設けられればなおよい。
【0017】
広域表示領域は地図を表示し、拡大表示領域は航空写真を表示してもよい。
【0018】
広域表示領域は航空写真を表示し、拡大表示領域は地図を表示してもよい。
【0019】
広域表示領域は地図を表示し、拡大表示領域は地下街地図を表示してもよい。
【0020】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、拡大表示領域はそれぞれ異なる領域を表示する第1及び第2の拡大表示領域を有し、第1の拡大表示領域は出発地を中心として表示し、第2の拡大表示領域は目的地を中心として表示することが好ましい。これにより、ユーザは出発地から目的地までの経路を容易に把握することができる。
【0021】
広域表示領域並びに第1及び第2の拡大表示領域は、経路決定手段が決定した出発地から目的地までの経路を表示することが好ましい。
【0022】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、拡大表示領域は、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な複数の通行路が存在する領域を表示してもよい。
【0023】
前記地図拡大装置と地図を記録する地図記録手段とを備え、広域表示領域、地点選択手段、及び拡大表示領域は端末装置に設けられ、地図記録手段と端末装置とは通信手段を介して接続され、拡大表示領域は、地点選択手段が特定地点を選択したとき、特定地点を含む地図を地図記録手段から読み出して第2の縮尺で表示することが好ましい。
【0024】
通信手段はインターネットが好適である。
【0025】
本願第2の発明による地図拡大表示プログラムは、広域表示領域に第1の縮尺で地図を表示するステップと、広域表示領域に表示された特定地点を選択するステップと、広域表示領域に表示された特定地点を覆わないように拡大表示領域を表示するステップと、特定地点を含む地図を第1の縮尺よりも大縮尺である第2の縮尺で拡大表示領域に表示するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、拡大地図で表示する領域が広域地図においてどの位置及び範囲を示しているのかユーザが容易に把握しうる地図拡大表示装置を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明による地図拡大表示装置の第1の実施形態について図1及び2を用いて説明する。図1はネットワークを介して接続された情報記録手段すなわちサーバBと、複数の端末装置すなわち第1〜第nクライアントA1からAnとを概念的に示した図である。ここで、nは1以上の整数である。第1〜第nクライアントA1〜Anは、ネットワーク、例えばインターネットを介してサーバBと通信可能である。
【0028】
第1〜第nクライアントA1〜Anは、クライアント制御部30A1〜30An、入力部40A1〜40An、及び表示部50A1〜50Anを各々有する。クライアント制御部30A1〜30Anは、第1〜第nクライアントA1〜Anの各部の制御、及びサーバBとのデータの送受信を行う。入力部40A1〜40Anは、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置であり、ユーザはこれらを用いて第1〜第nクライアントA1〜Anにデータを入力する。入力されたデータはクライアント制御部30A1〜30Anにより処理され、例えばサーバBに送信される。表示部50A1〜50Anは、サーバBから受信したデータの表示、及び入力部40A1〜40Anを用いて入力されたデータ等を表示する。
【0029】
サーバBはサーバ制御部30B及びサーバ記録部60Bを備える。サーバ制御部30Bはネットワークを介してクライアント制御部30A1〜30Anとデータを送受信する。サーバ制御部30Bはサーバ記録部60Bからデータを読み出して送信、あるいは受信したデータをサーバ記録部60Bに記録する。
【0030】
サーバ記録部60Bには地図データ及び地物情報が記録される。地図データは、地図を構成する画像を画像電子データに変換して得られたものであり、地図の縮尺毎に地図データが作成される。地図データのフォーマットはラスタデータ、例えばビットマップフォーマット又はPNGフォーマットである。地図データが表示する地図の範囲を示す座標である範囲座標と関連付けられてサーバ記録部60Bに記録される。地図の縮尺として、例えば、1/1500、1/3000、1/8000、1/21000、1/75000、1/15万、1/30万、1/90万、1/150万及び1/780万が予め設定される。
【0031】
地物情報は地物のID、名称及び座標から成り、互いに関連付けて記録される。地物座標は、地物を上空から見た形状に応じて定められる。地図データによる地図は例えばUTM図法によって描画され、地図上の座標はUTM座標系により定義される。
【0032】
ユーザは、ステップS21において、地図を表示したい地物の名称、例えば「名古屋大学」と所望の縮尺とを第nクライアントAnに入力部40Anを用いて入力する。入力された地物名称及び所望の縮尺はクライアント制御部30Anにより処理され、サーバBに送信される。サーバBに設けられるサーバ制御部30Bは、地物名称及び所望の縮尺を受信し、サーバ記録部60Bに記録された地物情報から「名古屋大学」を検索する。そして、「名古屋大学」の地物座標を取得して、その地物座標を中心とする所望の縮尺を有する地図データを検索し取得する。その後、地図データは、サーバ制御部30Bからクライアント制御部30Anに送信される。
【0033】
ステップS22において、クライアント制御部30Anは、受信した地図データを用いて表示部50Anに「名古屋大学」を中心とする広域地図を表示する。広域地図の縮尺は広域地図上に表示される縮尺変更スライダ131(図3参照)をマウスで操作することにより変更可能である。
【0034】
次に、図2及び3を用いて広域地図上に拡大地図を表示する地図拡大処理について説明する。
【0035】
ステップS22において表示部50Anに広域地図が表示された状態で地図拡大処理が実行される。ステップS23においてユーザがマウスを用いて広域地図上のある点(以下、特定地点という)112をクリックされたか否かが判断される。クリックされたとき、クライアント制御部30Anは特定地点112の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部30Bに送信する。
【0036】
座標を受信したサーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。
【0037】
ステップS24において、クライアント制御部30Anは地図データを受信する。そして、ステップS25において、受信した地図データを用いて表示部50Anに拡大地図を表示する。このとき、地図は拡大表示領域113に表示される。広域表示領域101における拡大表示領域113の大きさは予め定められ、広域表示領域101に表示された特定地点112を覆わない位置に円形の拡大表示領域113が描画される。
【0038】
広域表示領域101には、拡大表示領域113に示された拡大地図の広域表示領域101における範囲を示す、円形の指示標識111が設けられる。指示標識111の形状は拡大表示領域101の形状と相似形である。拡大表示領域113が囲う領域の面積は、指示標識111が囲う領域の面積以上の大きさである。拡大表示領域113と指示標識111は、各々の外縁の接線をなす線分で接続される。
【0039】
ユーザが他の特定地点122を更にクリックすると、同様にして拡大表示領域123及び指示標識121が広域表示領域101上に形成される。このようにして、地図拡大装置は、複数の拡大表示領域及び指示標識を広域表示領域101上に形成することが可能である。
【0040】
拡大表示領域113、123の内側には拡大ボタン115、125及び縮小ボタン116、126が表示される。ユーザがマウスを用いて拡大ボタン115、125をクリックすると、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺が大きくなり、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲は狭くなる。ユーザがマウスを用いて縮小ボタン116、126をクリックすると、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺が小さくなり、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲が広くなる。拡大地図の縮尺は広域地図の縮尺と同じ縮尺まで変えることが可能である。
【0041】
次に指示標識111、121を広域表示領域101上において移動させる指示標識移動処理について説明する。
【0042】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを指示標識111、121上に移動させる。そして、マウスポインタMPを指示標識111、121上に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して指示標識111、121が移動する。指示標識111、121の移動に従って、指示標識111、121内に表示される広域地図も移動する。
【0043】
一方、拡大表示領域113、123は指示標識111、121との相対位置を保持しながら、広域表示領域101に対して移動する。すなわち、拡大表示領域113、123に表示される拡大地図は広域表示領域101内に表示された広域地図の範囲に応じて変化する。以下、指示標識移動処理を詳細に説明する。
【0044】
指示標識111、121が移動すると、クライアント制御部30Anは指示標識111、121の現在の座標をサーバ制御部30Bに送信する。座標を受信したサーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする地図のうち最も大縮尺である地図の地図データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0045】
次に、拡大表示領域113、123を広域表示領域101および指示標識111、121に対して移動する拡大表示領域移動処理について説明する。
【0046】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを拡大表示領域113、123の境界線117、127内側に移動させる。そして、マウスポインタMPを拡大表示領域113、123の内部に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して拡大表示領域113、123が広域表示領域101および指示標識111、121に対して移動する。このとき、拡大表示領域113、123に表示される地図は変化しない。また、指示標識111、121は広域表示領域101に対して同じ位置を保持し変化しない。
【0047】
拡大表示領域113、123の移動に伴い、拡大表示領域113、123と指示標識111、121とを結んだ線分も各々の外縁の接線をなす線分で再度接続される。
【0048】
この操作により、指示標識111、121と拡大表示領域113、123との相対位置を変えると共に、広域表示領域101の任意の場所に拡大表示領域113、123を配置することができる。
【0049】
次に、拡大表示領域113、123の大きさを変更する表示範囲変更処理について説明する。
【0050】
ユーザがマウスを用いてマウスポインタMPを拡大表示領域113、123の境界線117、127上に移動させる。そして、マウスポインタMPを境界線117、127上に保持したままドラッグしてマウスポインタMPを移動させると、マウスポインタMPの移動に追従して拡大表示領域113、123の大きさが変化する。このとき、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺は変化しない。
【0051】
拡大表示領域113、123の大きさの変化に従って、拡大表示領域113、123内に表示される拡大地図の範囲も広がり、あるいは縮小する。
【0052】
一方、指示標識111、121は拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を広げ、あるいは縮小する。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の範囲に応じて変化する。以下、表示範囲変更処理を詳細に説明する。
【0053】
拡大表示領域113、123の大きさが変えられると、大きさの変化に伴って拡大表示領域113、123に新たに表示する地図データを既に受信しているか否かをクライアント制御部30Anが判断する。
【0054】
そして、新たに表示する地図データを既に受信している場合、クライアント制御部30Anは、受信済みの地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0055】
受信していない場合、クライアント制御部30Anは、受信していない地図データの情報と拡大表示領域113、123に表示された地図の縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。この情報を受信したサーバ制御部30Bは、該当する地図データのうち、拡大表示領域113、123に表示された地図の縮尺と同縮尺の地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。
【0056】
次に、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺を変更する拡大地図縮尺変更処理について説明する。
【0057】
ユーザがマウスを用いて縮小ボタン116、126をクリックすると、クライアント制御部30Anは、現在表示している拡大地図の中心となる地点114、124のUTM座標系による座標と、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階小さい縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。本実施形態においては、現在表示している拡大地図の縮尺は1/1500であるから、一段階小さい縮尺は1/3000である。サーバ制御部30Bは、受信した座標を含む地図データのうち、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階小さい縮尺で作図された地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/3000の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。一方、指示標識111、121は、拡大表示領域101に表示される地図の縮尺が小さくなると、拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を広げる。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の縮尺、つまり範囲に応じて変化する。これにより、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺を小さくして、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の範囲を広げることが可能になる。
【0058】
次に、ユーザがマウスを用いて拡大ボタン115、125をクリックすると、クライアント制御部30Anは、現在表示している拡大地図の中心となる地点114、124のUTM座標系による座標と、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階大きい縮尺とをサーバ制御部30Bに送信する。本実施形態においては、現在表示している拡大地図の縮尺は1/3000であるから、一段階大きい縮尺は1/1500である。サーバ制御部30Bは、受信した座標を含む地図データのうち、現在表示している拡大地図の縮尺よりも一段階大きい縮尺で作図された地図データをサーバ記録部60Bから取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された地図の地図データを取得する。その後地図データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて拡大表示領域113、123に拡大地図を表示する。これにより、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図の縮尺を大きくして、拡大表示領域113、123に表示されている拡大地図をより詳細に参照することが可能になる。
【0059】
一方、指示標識111、121は、拡大表示領域113、123に表示される地図の縮尺が大きくなると、拡大表示領域113、123との相対位置を保持しながら、その囲う範囲を縮小する。すなわち、指示標識111、121内に表示される広域地図は拡大表示領域113、123内に表示された拡大地図の縮尺、つまり範囲に応じて変化する。
【0060】
なお、拡大表示領域113、123及び指示標識111、121は円形でなくてもよく、例えば楕円形、長方形等の閉じられた領域であればよい。
【0061】
また、広域表示領域101に対して指示標識111、121が移動したとき、広域表示領域101に対して拡大表示領域113、123が移動しなくてもよい。
【0062】
次に第2の実施形態について図4を用いて説明する。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、広域表示領域201に広域地図を表示し、拡大表示領域213に航空写真を表示する。そこで、サーバ記録部60Bには地図データ及び地物情報に加えて航空写真データが記録される。航空写真データは、実際に上空から地上を撮影し写真を地図データの縮尺と同じ縮尺に加工して得られたものであり、地図の縮尺毎に航空写真データが作成される。航空写真データのフォーマットはラスタデータ、例えばJPGフォーマットである。航空写真データは、航空写真が表示する範囲を示す座標である範囲座標と関連付けられてサーバ記録部60Bに記録される。
【0064】
ユーザがマウスによりチェックボックス241をクリックして航空写真を拡大表示領域213に表示することを選択した後に、広域表示領域201上で特定地点212をクリックすると、クライアント制御部30Anは特定地点212の座標を算出し、ネットワークを介してサーバ制御部30Bに送信する。そして第1の実施形態と同様の処理により、サーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bからその座標を中心とする航空写真データのうち最も大縮尺である航空写真データを取得する。例えば本実施形態においては1/1500の縮尺率で作図された航空写真データを取得する。その後航空写真データはネットワークを介してクライアント制御部30Anに送信される。クライアント制御部30Anは受信した航空写真データを用いて拡大表示領域213に航空写真を表示する。このとき、拡大表示領域213の中心214には、特定地点212を拡大した地点が表示される。そして、拡大表示領域213の表示範囲に応じて、広域表示領域201に指示標識211が表示される。
【0065】
なお、広域表示領域201に航空写真、拡大表示領域213に地図を表示してもよい。
【0066】
また、広域表示領域201に地図、拡大表示領域213に地下街図を表示してもよい。このとき、サーバ記録部60Bは、地下街図が表示する範囲を示す座標である範囲座標と関連付けて地下街図データを記録する。
【0067】
次に第3の実施形態について図5及び6を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0068】
本実施形態による地図拡大表示装置は出発地から目的地までの経路を探索することが可能である。そこで、サーバ制御部30Bは、サーバ記録部60Bに記録された地物情報を用いて出発地から目的地までの経路を算出するための経路決定手段70Bを備える。
【0069】
使用者が入力部40Anを介して、出発地の名称、例えば「東山公園駅」及び目的地の名称、例えば「星ヶ丘」をテキストボックス532及び533に入力する。そして、検索ボタン534をマウスを用いてクリックすると、クライアント制御部30Anは出発地「東山公園駅」を示すテキストデータである出発地データと、目的地「星ヶ丘」を示すテキストデータである目的地データとをサーバ制御部30Bに送信する。テキストボックス532及び533に入力された出発地及び目的地の名称はクリアボタン535をクリックすることにより一度で消去することが可能である。出発地データ及び目的地データを受信したサーバ制御部30Bは、経路決定手段70Bを用いて出発地「東山公園駅」から目的地「星ヶ丘」までの経路を算出する。そして、出発地、目的地が存在する地図データのうち最も大縮尺である地図データと、算出された経路が全て含まれるような1又は2以上の地図データとをサーバ記録部60Bに要求する。
【0070】
要求を受信したサーバ記録部60Bは、広域表示領域501に出発地から目的地までの全経路が表示されるような縮尺を算出する。そして、算出された縮尺に応じて広域地図の地図データと出発地及び目的地の地図データとを検索し、サーバ制御部30Bに返す。サーバ制御部30Bはこれらの地図データと経路データとをクライアント制御部30Anに送信する。
【0071】
クライアント制御部30Anは受信した地図データを用いて、広域表示領域501に広域地図を表示し、2つの拡大表示領域513、523に出発地及び目的地をそれぞれ表示する。出発地及び目的地は、拡大表示領域513、523の中心514、524と、指示標識511、521の中心512、522とにそれぞれ置かれる。また、拡大表示領域513、523の表示範囲に応じて、指示標識512、522が広域表示領域501に表示される。そして、経路データから経路を構成し、広域表示領域501及び拡大表示領域513、523に地図を描画するために用いられていない色、例えば薄紫色の経路指示線550を用いて経路を表示する。
【0072】
さらに、ユーザがマウスを用いて任意の地点542をクリックすると、地図拡大処理により、地点542を中心とする一定範囲が拡大されて拡大表示領域543に表示される。このとき、拡大表示領域543内において地点542に対応する点は、拡大表示領域543の中心点544である。これにより、ユーザは、出発地から目的地までの経路における任意の地点での詳細な情報を容易に入手することができる。
【0073】
なお、出発地及び目的地に加えて、交通手段の切替地点、すなわち乗換駅や道路のインターチェンジ等を含む地図を拡大して拡大表示領域に表示してもよい。ユーザは通行路が多数存在する領域においても容易に出発地から目的地までの経路を容易に把握できる。
【0074】
また、経路決定手段は、ユーザがマウス等の入力部を用いて広域表示領域501上で特定点を指定することにより経路を決定するものであってもよい。
【0075】
本実施形態によれば、出発地及び目的地が拡大して表示されると同時に出発地から目的地までの経路も同じ画面上に表示されるため、使用者は出発地から目的地までの経路を容易に把握することが可能になる。
【0076】
なお、地図はネットワークを介して入手されなくてもよく、第nクライアントAn、つまりナビゲーション装置に記録されてもよい。このとき、第nクライアントAnはクライアント記録部を備え、クライアント制御部30Anはクライアント記録部から地図データを読み出す。
【0077】
なお、ユーザが広域地図における特定地点をクリックしたとき、又は経路決定手段が探索結果を表示するとき、拡大表示領域に表示する拡大地図は最も大縮尺の地図でなくてもよく、ユーザが選択した縮尺の地図であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による地図拡大表示装置を概念的に示した図である。
【図2】地図拡大表示を示したフローチャートである。
【図3】表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域を示した図である。
【図4】第2の実施形態による表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域を示した図である。
【図5】第3の実施形態による地図拡大表示装置を概念的に示した図である。
【図6】出発地及び目的地入力テキストボックスと表示部に表示された広域表示領域及び拡大表示領域とを示した図である。
【符号の説明】
【0079】
A1 第1クライアント
30A1 クライアント制御部
40A1 入力部
50A1 表示部
B サーバ
30B サーバ制御部
60B サーバ記録部
MP マウスポインタ
101 広域表示領域
111 指示標識
113 拡大表示領域
115 拡大ボタン
116 縮小ボタン
532 出発地入力テキストボックス
533 目的地入力テキストボックス
534 検索ボタン
535 クリアボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の縮尺で地図を表示する広域表示領域と、
前記広域表示領域に表示された特定地点を選択するための地点選択手段と、
前記地点選択手段が前記特定地点を選択したとき、前記広域表示領域に表示された前記特定地点を覆わないように表示され、前記特定地点を含む地図を第2の縮尺で表示する拡大表示領域とを備え、
前記第2の縮尺は前記第1の縮尺よりも大縮尺である地図拡大表示装置。
【請求項2】
前記拡大表示領域に表示される地図の範囲を前記広域表示領域において示す指示標識を備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項3】
前記広域表示領域における指示標識の位置を変更する指示標識操作手段をさらに備え、
前記広域表示領域における前記指示標識の位置を前記指示標識操作手段が変更したとき、前記指示標識が示す範囲に応じて前記拡大表示領域に表示される地図が変更される請求項2に記載の地図拡大表示装置。
【請求項4】
前記広域表示領域に対して前記拡大表示領域の位置を変更する領域操作手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項5】
前記拡大表示領域の大きさを変更する領域操作手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項6】
前記領域操作手段が前記拡大表示領域の大きさを変更するとき、前記拡大表示領域は、前記第2の縮尺を変化せずに、表示する地図の範囲を変更する請求項5に記載の地図拡大表示装置。
【請求項7】
前記領域操作手段が前記拡大表示領域の大きさを変更するとき、前記指示標識が前記広域表示領域において示す範囲を変更する請求項5に記載の地図拡大表示装置。
【請求項8】
前記第2の縮尺を変更する縮尺変更手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項9】
前記縮尺変更手段は、前記拡大表示領域の中に表示される拡大ボタン及び縮小ボタンを備える請求項8に記載の地図拡大表示装置。
【請求項10】
前記縮尺変更手段が前記第2の縮尺を変更すると、前記指示標識が前記広域表示領域において示す範囲を変更する請求項9に記載の地図拡大表示装置。
【請求項11】
前記広域表示領域内に前記拡大表示領域が設けられる請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項12】
前記拡大表示領域が複数設けられる請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項13】
前記広域表示領域は地図を表示し、前記拡大表示領域は航空写真を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項14】
前記広域表示領域は航空写真を表示し、前記拡大表示領域は地図を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項15】
前記広域表示領域は地図を表示し、前記拡大表示領域は地下街地図を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項16】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、
前記地点選択手段は、前記出発地及び前記目的地を選択し、
前記拡大表示領域はそれぞれ異なる領域を表示する第1及び第2の拡大表示領域を有し、
前記第1の拡大表示領域は前記出発地を中心として表示し、前記第2の拡大表示領域は前記目的地を中心として表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項17】
前記広域表示領域並びに前記第1及び第2の拡大表示領域は、前記経路決定手段が決定した前記出発地から前記目的地までの経路を表示する請求項16に記載の地図拡大表示装置。
【請求項18】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、
前記拡大表示領域は、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な複数の通行路が存在する領域を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項19】
請求項1に記載の地図拡大装置と前記地図を記録する地図記録手段とを備える地図拡大表示システムであって、
前記広域表示領域、前記地点選択手段、及び前記拡大表示領域は端末装置に設けられ、
前記地図記録手段と前記端末装置とは通信手段を介して接続され、
前記拡大表示領域は、前記地点選択手段が前記特定地点を選択したとき、前記特定地点を含む地図を前記地図記録手段から読み出して前記第2の縮尺で表示する地図拡大表示システム。
【請求項20】
前記通信手段はインターネットである請求項19に記載の地図拡大表示システム。
【請求項21】
広域表示領域に第1の縮尺で地図を表示するステップと、
前記広域表示領域に表示された特定地点を選択するステップと、
前記広域表示領域に表示された前記特定地点を覆わないように拡大表示領域を表示するステップと、
前記特定地点を含む地図を前記第1の縮尺よりも大縮尺である第2の縮尺で前記拡大表示領域に表示するステップとをコンピュータに実行させるための地図拡大表示プログラム。
【請求項1】
第1の縮尺で地図を表示する広域表示領域と、
前記広域表示領域に表示された特定地点を選択するための地点選択手段と、
前記地点選択手段が前記特定地点を選択したとき、前記広域表示領域に表示された前記特定地点を覆わないように表示され、前記特定地点を含む地図を第2の縮尺で表示する拡大表示領域とを備え、
前記第2の縮尺は前記第1の縮尺よりも大縮尺である地図拡大表示装置。
【請求項2】
前記拡大表示領域に表示される地図の範囲を前記広域表示領域において示す指示標識を備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項3】
前記広域表示領域における指示標識の位置を変更する指示標識操作手段をさらに備え、
前記広域表示領域における前記指示標識の位置を前記指示標識操作手段が変更したとき、前記指示標識が示す範囲に応じて前記拡大表示領域に表示される地図が変更される請求項2に記載の地図拡大表示装置。
【請求項4】
前記広域表示領域に対して前記拡大表示領域の位置を変更する領域操作手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項5】
前記拡大表示領域の大きさを変更する領域操作手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項6】
前記領域操作手段が前記拡大表示領域の大きさを変更するとき、前記拡大表示領域は、前記第2の縮尺を変化せずに、表示する地図の範囲を変更する請求項5に記載の地図拡大表示装置。
【請求項7】
前記領域操作手段が前記拡大表示領域の大きさを変更するとき、前記指示標識が前記広域表示領域において示す範囲を変更する請求項5に記載の地図拡大表示装置。
【請求項8】
前記第2の縮尺を変更する縮尺変更手段をさらに備える請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項9】
前記縮尺変更手段は、前記拡大表示領域の中に表示される拡大ボタン及び縮小ボタンを備える請求項8に記載の地図拡大表示装置。
【請求項10】
前記縮尺変更手段が前記第2の縮尺を変更すると、前記指示標識が前記広域表示領域において示す範囲を変更する請求項9に記載の地図拡大表示装置。
【請求項11】
前記広域表示領域内に前記拡大表示領域が設けられる請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項12】
前記拡大表示領域が複数設けられる請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項13】
前記広域表示領域は地図を表示し、前記拡大表示領域は航空写真を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項14】
前記広域表示領域は航空写真を表示し、前記拡大表示領域は地図を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項15】
前記広域表示領域は地図を表示し、前記拡大表示領域は地下街地図を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項16】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、
前記地点選択手段は、前記出発地及び前記目的地を選択し、
前記拡大表示領域はそれぞれ異なる領域を表示する第1及び第2の拡大表示領域を有し、
前記第1の拡大表示領域は前記出発地を中心として表示し、前記第2の拡大表示領域は前記目的地を中心として表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項17】
前記広域表示領域並びに前記第1及び第2の拡大表示領域は、前記経路決定手段が決定した前記出発地から前記目的地までの経路を表示する請求項16に記載の地図拡大表示装置。
【請求項18】
出発地から目的地までの経路を決定する経路決定手段をさらに備え、
前記拡大表示領域は、人間が通行可能、又は交通手段を介して通行可能な複数の通行路が存在する領域を表示する請求項1に記載の地図拡大表示装置。
【請求項19】
請求項1に記載の地図拡大装置と前記地図を記録する地図記録手段とを備える地図拡大表示システムであって、
前記広域表示領域、前記地点選択手段、及び前記拡大表示領域は端末装置に設けられ、
前記地図記録手段と前記端末装置とは通信手段を介して接続され、
前記拡大表示領域は、前記地点選択手段が前記特定地点を選択したとき、前記特定地点を含む地図を前記地図記録手段から読み出して前記第2の縮尺で表示する地図拡大表示システム。
【請求項20】
前記通信手段はインターネットである請求項19に記載の地図拡大表示システム。
【請求項21】
広域表示領域に第1の縮尺で地図を表示するステップと、
前記広域表示領域に表示された特定地点を選択するステップと、
前記広域表示領域に表示された前記特定地点を覆わないように拡大表示領域を表示するステップと、
前記特定地点を含む地図を前記第1の縮尺よりも大縮尺である第2の縮尺で前記拡大表示領域に表示するステップとをコンピュータに実行させるための地図拡大表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【公開番号】特開2009−186899(P2009−186899A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28932(P2008−28932)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
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