地図画像生成装置
【課題】不要なレイヤ画像部分が保存されることを適切に省略することができる地図画像生成装置。
【解決手段】レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6を指示する生成要求対象のレイヤ画像に関し、地図DB9内の地図データD9に対して行う空間検索結果に基づき、生成不要な省略レイヤ画像部分の有無を判断するレイヤ画像生成判断処理を実行する。レイヤ画像生成手段402には、生成要求対象のレイヤ画像を生成するレイヤ画像生成処理を実行する。この際、上記省略レイヤ画像部分を除く部分をレイヤ画像DB10保存用の実レイヤ画像生成対象として、上記レイヤ画像生成処理を実行する。
【解決手段】レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6を指示する生成要求対象のレイヤ画像に関し、地図DB9内の地図データD9に対して行う空間検索結果に基づき、生成不要な省略レイヤ画像部分の有無を判断するレイヤ画像生成判断処理を実行する。レイヤ画像生成手段402には、生成要求対象のレイヤ画像を生成するレイヤ画像生成処理を実行する。この際、上記省略レイヤ画像部分を除く部分をレイヤ画像DB10保存用の実レイヤ画像生成対象として、上記レイヤ画像生成処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネットまたはイントラネット等のネットワークを通じてクライアントからの所望の表示設定での表示用の地図画像の送信要求を受け、その表示設定に応じた表示用地図画像を生成し管理する地図画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図画像を生成・管理する従来の地図画像生成装置として、例えば、特許文献1で開示された(大規模)地図画像生成装置がある。この地図画像生成装置は、画像データ地図転送方式を用いて地図画像をクライアントに送信している。すなわち、送信側のサーバにおいて、クライアントからの所望の表示設定を指示する地図画像の送信要求を受けると、地図情報システム(GIS(Geographic Information System))を用いて、その表示設定に応じた地図画像を生成してクライアントに送信し、クライアント側の表示システムにおいて、その生成した地図画像が表示される。
【0003】
特許文献1で開示された地図画像生成装置においては、予めサーバの記憶装置に保存された地図データを基に、レイヤごとにタイル状に分割された地図画像(レイヤ画像)を生成し、当該地図画像(レイヤ画像)を当該サーバの記憶装置に保存しておき、クライアントから要求があった場合には、当該サーバに保存された画像のうち、当該要求の表示範囲に含まれるレイヤ画像について、当該要求のレイヤ構成に含まれるレイヤの画像を必要に応じて合成することで、クライアントからの要求に応じた地図画像の生成を実現する。
【0004】
特許文献1に開示された地図画像生成装置においては、さらに、生成した地図画像を再利用する技術も知られている。すなわち、生成されたタイル状の地図画像のうち少なくとも2つのレイヤ画像からなる合成画像をサーバの記憶装置に保存しておき、クライアントからの所望の表示設定での地図画像の送信要求(表示用地図画像の表示要求)を受けると、当該表示設定により要求される表示用地図画像が、当該記憶装置内に保存されている地図画像(合成画像)に合致する場合は、当該記憶装置内の当該地図画像(合成画像)をそのまま再利用して表示用地図画像としてクライアントに送信する。
【0005】
他方、当該記憶装置内に保存されている合成画像が表示用地図画像に合致しない場合は、合成画像を再利用することなく、レイヤごとの地図画像(レイヤ画像)を合成して表示用地図画像として新たに生成し、新たに生成した表示用地図画像をクライアントに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−186530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1で開示された技術において、レイヤ画像を生成する際に、当該レイヤ画像の生成が必要であるかどうかを判断する手段を持たないため、地物を全く含んでいない「空の」画像部分やクライアントからの地図表示要求の対象となる可能性が著しく低い画像といった本来生成が不必要である画像部分にけるレイヤ画像の生成を省略することができず、余分なレイヤ画像の生成負荷が発生しているという問題点があった。
【0008】
また、上記の特許文献1で開示された技術では、記憶装置に保存された合成画像を再利用できるのは、クライアントからの所望の表示設定で指示される表示用地図画像のレイヤ構成と、記憶装置に保存された合成画像のレイヤ構成とが完全に一致した場合のみである。
【0009】
このように、従来の地図画像生成装置は、記憶装置に保存された合成画像にさらに新たにレイヤ画像を追加で合成しなければ表示用地図画像を得ることができない場合、合成画像を再利用した表示用地図画像を生成する機能を有さない。つまり、従来の地図画像生成装置は、記憶装置に保存された合成画像の再利用は一部の限られた場合にのみなされているにすぎないため、表示用地図画像を生成する際、余分な画像合成負荷の抑制が不十分であるという問題点があった。
【0010】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、不要なレイヤ画像部分が保存されることを適切に省略することができる地図画像生成装置を得ることを目的としている。
【0011】
さらに、過去に生成した地図画像(合成画像)の再利用率を向上させた地図画像生成装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る請求項1記載の地図画像生成装置は、地図データを格納する地図データベース及び前記地図データに対応した複数種のレイヤ画像を格納するレイヤ画像データベースとアクセス可能であり、クライアント側から送信された表示設定情報に従って、前記複数種のレイヤ画像内の少なくとも一種類のレイヤ画像を含んだ構成の地図画像を提供する地図画像生成装置であって、クライアント側から送信され、生成対象となるレイヤ画像の種別を示す生成対象レイヤ種別を少なくとも指示するレイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記レイヤ生成対象種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ種類毎に生成して前記レイヤ画像データベースに蓄積するレイヤ画像生成処理を実行するレイヤ画像生成手段と、前記レイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、その生成を省略可能な部分を省略レイヤ画像部分と判断するレイヤ画像生成判断処理を実行するレイヤ画像生成判断手段と、前記レイヤ画像生成手段は、前記省略レイヤ画像部分を除く部分を前記レイヤ画像データベース保存用の実レイヤ画像生成対象として、前記レイヤ画像生成処理を実行している。
【発明の効果】
【0013】
この発明における請求項1記載の本願発明の地図画像生成装置におけるレイヤ画像生成手段は、所定数の種類のレイヤ画像に対し、上記省略レイヤ画像部分を除く部分を上記実レイヤ画像生成対象としてレイヤ画像生成処理を実行するため、不要な部分のレイヤ画像のレイヤ画像データベースへの保存を適宜省略して、レイヤ画像生成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明における実施の形態1である地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの構成概略図である。
【図2】図1で示した地理情報システムサーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1で示したDBサーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図4】図1で示したレイヤ画像DB内に保存されるレイヤ画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【図5】図1で示した合成画像DB内に保存される合成画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【図6】図1で示した地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの動作の概要を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1である地図画像生成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図8】図7で示したレイヤ画像生成判断手段によるレイヤ画像の生成を省略できる部分の有無を判断する生成判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図7で示したレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図7で示したレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理内容を模式的に示す説明図である
【図11】図7で示した地図画像合成手段による地図画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図7で示した合成画像再利用判断手段による合成画像再利用判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図7で示した地図画像合成手段による地図画像合成処理内容を模式的に示す説明図である。
【図14】図7で示した地図画像生成装置による地図画像破棄処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2の地図画像生成装置のレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<全体構成>
図1は、この発明における実施の形態1である地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの構成概略図である。
【0016】
同図に示すように、実施の形態1の地図画像生成装置14を含む地図画像送信システムは、地図画像送信サーバ1と、地図画像送信サーバ1とネットワーク2を介して接続されたクライアント側のシステム15(以後、「クライアントシステム15」と呼ぶ)とから構成されている。なお、ネットワーク2として例えばインターネットまたはイントラネット等が挙げられる。
【0017】
地図画像送信サーバ1は、ネットワーク2を通じてクライアントシステム15からレイヤ画像の生成を指定するレイヤ画像生成情報D6を受信すると、そのレイヤ画像生成情報D6に従ったレイヤ画像を生成してレイヤ画像DB(データベース)10に保存しておく。また、地図画像送信サーバ1は、地図画像の表示設定を指定した表示設定情報D7を受信すると、その表示設定情報D7に従って地図画像I13を生成し、その地図画像I13をネットワーク2を通じてクライアントシステム15に送信する。
【0018】
クライアントシステム15は、利用者によるレイヤ画像生成情報D6の設定および表示設定情報D7の設定(クライアント側表示設定情報D15)や、地理情報システムサーバ(GISエンジン)4から送信された地図画像I13の表示等を行う。
【0019】
レイヤ画像生成情報D6には、例えば、生成対象レイヤ種別、生成対象レイヤ画像の生成範囲(レイヤ生成範囲)、縮尺などを指示する情報が含まれる。生成対象レイヤ種別は、クライアントの要求するレイヤ画像(以後、「生成要求対象のレイヤ画像」と呼ぶ)の種類を示す情報である。例えば、生成対象レイヤ種別として、「道路を規定したレイヤ画像」や、「建物を規定したレイヤ画像」などが挙げられる。
【0020】
地理情報システムサーバ4内の本実施の形態の地図画像生成装置14は、レイヤ画像生成情報D6に基づき、生成対象レイヤ種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像を生成し、生成した所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ画像DB10に予め保存しておくことにより、表示設定情報D7によって地図画像表示要求をした際の地図画像の生成に要する処理時間の短縮化を図っている。
【0021】
レイヤ画像生成情報D6によるレイヤ画像生成要求は、レイヤ画像を現在の地図DB9に格納される地図データD9の内容を的確に反映したものに更新するためになされるものである。すなわち、地図DB9内の地図データD9が更新される場合を想定している。なお、地図DB9の更新方法については本発明との関連性が希薄なため記述を省略する。
【0022】
表示設定情報D7には、例えば、表示対象レイヤ種別、地図表示範囲および表示縮尺などを指示する情報が含まれる。表示対象レイヤ種別は、クライアントが表示を要求する表示要求対象の地図画像(以後、「表示用地図画像」と呼ぶ)を構成するレイヤ画像の種別を具体的に示す情報である。表示設定情報D7による地図画像表示要求は、利用者の表示装置に所望の地図画像を表示するためになされるものである。
【0023】
地図画像送信サーバ1は、WEBサーバ3、地理情報システムサーバ4、及びDBサーバ5から構成される。
【0024】
WEBサーバ3は、ネットワーク2を通じてクライアントシステム15との通信を行う。地理情報システムサーバ4は、クライアントシステム15からのレイヤ画像生成情報D6に従って、生成要求対象のレイヤ画像を生成し、表示設定情報D7に従って表示要求対象の地図画像である表示用地図画像を生成する。
【0025】
DBサーバ5は、レイヤ画像生成用の基となる地図データD9が保存された地図DB9、生成されたレイヤ画像がレイヤ種別毎に保存されるレイヤ画像DB10、複数種のレイヤ画像を重畳合成して生成された地図画像である合成(地図)画像が保存される合成画像DB11、クライアントから受信した表示設定情報D7が蓄積保存される表示設定履歴DB12を有する。
【0026】
WEBサーバ3は、ネットワーク2との接続を管理すると共に、クライアントシステム15からのレイヤ画像生成情報D6及び表示設定情報D7を地理情報システムサーバ4に送信し、また地理情報システムサーバ4においてその表示設定情報D7に従って生成された地図画像I13をクライアントシステム15に送信する。WEBサーバ3は、大規模WEBサービスを行う場合、負荷分散を行うためのロードバランサを含む場合もある。
【0027】
なお、前述したように表示用地図画像として地図画像I13が出力される際、地図画像I13が複数種のレイヤ画像の合成で構成される場合、地図画像I13と同一の画像が合成(地図)画像I11として合成(地図)画像DB11に保存される。以降、本明細書において、クライアントシステム15に送信出力される地図画像I13との文言上の差異を明確にするために、合成画像DB11に保存される地図画像を適宜「合成画像(I11)」と呼ぶ。
【0028】
地理情報システムサーバ(GISエンジン)4は、地図画像の生成および生成した地図画像(合成画像)の管理(すなわち保存および破棄)を行う、実施の形態1である地図画像生成装置14を備え、地図画像(レイヤ画像,合成画像)の管理規則を定義した地図画像生成設定情報D8を内部に有する。地図画像生成設定情報D8は、所定の記憶装置(図示省略)に保存されており、後述する地図画像生成装置14内の各構成部からアクセス可能である。
【0029】
地図画像生成設定情報D8には、地図画像(レイヤ画像,合成画像)を管理する際の地図画像のサイズ(分割サイズ)、ファイル形式、保存規則、廃棄規則、レイヤの重畳順序定義、各レイヤの主従関係に関する情報および表示設定履歴DB利用定義が含まれる。
【0030】
レイヤの重畳順序定義とは、レイヤ画像を重畳合成する際の、各レイヤの順序を定義したものであり、重畳合成の際にはこの順序がより下位のレイヤはより上位のレイヤによって上書きされる。
【0031】
レイヤの主従関係とは、配電管理システムにおける電線・電柱など、ある地点に一方のレイヤ(主)の地物が存在しない場合、他方のレイヤ(従)の地物も必ず存在しないこと(電線のないところに電柱はない)が予想・確定できる関係を表す。上述した例では、「電線」が主レイヤ、「電柱」が従レイヤとなる主従関係を有する。
【0032】
各レイヤに関して、複数の主レイヤ、複数の従レイヤが設定されうる。ただし、例えば、レイヤAの従レイヤとしてレイヤBが設定された場合、レイヤBには必ず主レイヤとしてレイヤAが設定され、レイヤA,レイヤBにより主従レイヤ画像群を構成している。この主従レイヤ画像群の情報はレイヤ地図画像生成処理に要する時間の短縮のために利用される。
【0033】
表示設定履歴DB利用定義とは、表示設定履歴DB12に保存された情報を基に、レイヤ画像生成の際に各レイヤ画像を生成・保存するか否かを判断するために用いられる定義(所定の基準)であり、対象期間、使用回数閾値が設定される。例えば、表示設定履歴DB利用定義として対象期間1ヶ月、使用回数閾値3回と設定される。この場合、レイヤ画像生成情報D6を受信すると、当該情報に含まれる各レイヤ画像について、直近の1ヶ月間に3回以上使用された情報が表示設定履歴DB12の表示設定履歴情報D12として取得される場合は、当該レイヤ画像を生成・保存し、2回以下の場合は、当該レイヤ画像の生成・保存を省略し、後に詳述する省略レイヤ画像部分と判断する。すなわち、上記例では、直近1か月における使用回数“3”が所定の基準となる。
【0034】
実施の形態1である地図画像生成装置14は、クライアントシステム15からレイヤ画像生成情報D6を受信した際に、DBサーバ5の地図DB9に保存された地図データD9を用いて、当該生成要求対象のレイヤ画像のうち生成が必要と判断されるレイヤ画像を新規に生成すると共に、生成したレイヤ画像を地図画像生成設定情報D8の指示する保存規則に従ってレイヤ画像DB10に保存して管理する。
【0035】
また、地図画像生成装置14は、クライアントシステム15から表示設定情報D7を受信した際には、レイヤ画像DB10に保存されたレイヤ画像I10もしくは合成画像DB11に保存された合成画像I11を用いて、これらの画像を必要に応じて適宜重畳合成することにより、表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を地図画像I13として生成する。さらに、地図画像生成装置14は、生成した表示用地図画像が複数種のレイヤ画像が構成される場合、合成画像として合成画像DB11に保存して管理する。
【0036】
ただし、表示設定情報D7に従った表示用地図画像を生成するために必要な画像(レイヤ画像)が不足している場合、DBサーバ5の地図DB9に保存された地図データD9を用いて当該不足分のレイヤ画像を生成し、レイヤ画像DB10に新たに生成したレイヤ画像を保存した後、表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を生成する。すなわち、レイヤ画像DB10内のレイヤ画像I10及び合成画像DB11内の合成画像I11のみでは、表示用地図画像を生成することができない場合、不足分のレイヤ画像I10をレイヤ画像生成手段402よって新たに生成する処理が行われる。
【0037】
図2は地理情報システムサーバ4のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、地理情報システムサーバ4は、バス47によって相互接続されたCPU41、メモリ42、外部記憶装置43、入力装置44、表示装置45、及び通信装置46から構成される。
【0038】
メモリ42には、地図画像生成装置14における後述する各構成部の処理動作を定義したプログラム等が保存されており、外部記憶装置43は地図画像生成設定情報D8を保存している。通信装置46はWEBサーバ3及びDBサーバ5との通信を行う。
【0039】
CPU41は、メモリ42に格納された上記プログラムを実行することにより、実施の形態1の地図画像生成装置14における後述する各構成部の処理動作を実行する。外部記憶装置43は、例えば磁気ディスクを備えたハードディスクにより構成される。入力装置44は、キーボードやマウスなどからなり、データ入力などに使用される。表示装置45は、CPU41で処理されたデータを表示する。
【0040】
DBサーバ5の地図DB9には、ベクトル形式もしくはラスタ形式の地図データ、およびその地図データに関連する属性データが保存されている。なお、本明細書では説明の都合上、上述した地図データ及び属性データを含めて地図データD9と呼ぶ。
【0041】
レイヤ画像DB10には、レイヤ単位の地図画像であるレイヤ画像がレイヤ種別毎に、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズ、ファイル形式および保存規則に従ってタイル状に分割された状態(複数の分割レイヤ画像に分割された状態)で保存されている。
【0042】
合成画像DB11には、レイヤ画像を重畳合成することにより構成される地図画像である合成画像I11が、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズ、ファイル形式および保存規則に従ってタイル状に分割された状態で保存されている。
【0043】
表示設定履歴DB12には、クライアントから取得した表示設定情報D7に含まれる表示縮尺、表示範囲、表示レイヤの情報が、その表示設定情報D7の取得時刻とともに蓄積保存されている。
【0044】
図3はDBサーバ5のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、DBサーバ5はバス57によって相互接続されたCPU51、メモリ52、外部記憶装置53、入力装置54、表示装置55及び通信装置56から構成される。
【0045】
メモリ52は、CPU51の起動用プログラム等の各種プログラムを格納する。外部記憶装置53は、地図DB9、レイヤ画像DB10、合成画像DB11及び表示設定履歴DB12それぞれのデータベース機能を発揮するように構成される。通信装置56は、地理情報システムサーバ4との通信を行う。
【0046】
外部記憶装置53は、例えば磁気ディスクを備えたハードディスクにより構成される。外部記憶装置53は、各DB9〜12のデータ容量に応じて複数備えられる場合がある。入力装置54は、キーボードやマウスなどからなり、データ入力などに使用される。表示装置55は、CPU51で処理されたデータを表示するが、DBサーバ5がデータの保存のみに使用される場合は、表示装置55は無くても良い。
【0047】
図4はレイヤ画像DB10内に保存されるレイヤ画像の保存規則を模式的に示す説明図である。図5は合成画像DB11内に保存される合成画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【0048】
これらの図に示すように、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11では、図4(レイヤ画像DB10)及び図5(合成画像DB11)のディレクトリ構造に基づきファイルシステム上でレイヤ画像I10及び合成画像I11が管理される。
【0049】
すなわち、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11は、最上層のディレクトリとして、保存された各地図画像の保存場所へのルートを規定したルートディレクトリL100及びM100をそれぞれ備えている。
【0050】
ルートディレクトリL100及びM100は、表示縮尺に応じて分類された複数の縮尺ディレクトリL200(縮尺A),L201(縮尺B),…、及び縮尺ディレクトリM200(縮尺A),M201(縮尺B),…を備えている。例えば、縮尺ディレクトリL200(201)は、表示縮尺A(B)のレイヤ画像が保存されるディレクトリである。この階層の縮尺ディレクトリは任意数定義することができる。
【0051】
図4に示すように、レイヤ画像DB10において、縮尺ディレクトリL200は、レイヤ画像種別に応じて分類された複数種のレイヤディレクトリL300,L301,…を備えている。例えば、レイヤディレクトリL300は、表示縮尺Aの地図画像中の「道路」を規定したレイヤ画像(以下、「道路レイヤ画像」と呼ぶ)が保存されるディレクトリであり、レイヤディレクトリL301は、表示縮尺Aの地図画像中の「建物」を規定したレイヤ画像(以下、「建物レイヤ画像」と呼ぶ)が保存されるディレクトリである。他の縮尺ディレクトリL2001,…も同様である。この階層のレイヤディレクトリも任意数定義することができる。
【0052】
レイヤディレクトリL300(L301)には、例えば道路レイヤ画像(建物レイヤ画像)が、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された状態、すなわち、複数の分割レイヤ画像として、表示範囲を示すファイル名で保存される。すなわち、レイヤディレクトリL300下にはレイヤ画像種別が「道路」のタイル状に分割された複数の分割レイヤ画像からなる分割レイヤ画像群L400が保存される。
【0053】
このように、新規にタイル状に分割されて生成された複数の分割レイヤ画像は、そのレイヤ画像の表示縮尺、およびそのレイヤ画像種別が表示範囲等に応じて、図4のディレクトリ構造に従って、分割レイヤ画像群L400(,L401,…)としてレイヤ画像DB10に保存される。
【0054】
一方、図5に示すように、合成画像DB11において、縮尺ディレクトリM200は、地図画像の表示範囲に応じて分類された複数の表示範囲ディレクトリM300,M301,…を備えている。例えば、表示範囲ディレクトリM300(M301)はある規定の基準位置から東へ500mから1000m、北へ2000mから2500m(東へ1000mから1500m、北へ2000mから2500m)の矩形範囲を表示範囲とする地図画像が保存される。他のディレクトリM301,…も同様にそれぞれの表示範囲ごとに分類される。
【0055】
表示範囲ディレクトリM300(M301)には、複数のレイヤ画像を重畳合成し生成された合成画像が地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された複数の分割合成画像が、構成レイヤを示すファイル名で保存される。すなわち、表示範囲ディレクトリM300(M301)下には表示範囲a(表示範囲b)に対応した複数の分割合成画像からなる分割合成画像群M400(M401)が保存される。なお、分割合成画像群M400の各分割合成画像のファイル名を合成されたレイヤ種別を組合せた名称にする等により、分割合成画像を構成するレイヤ種別を認識可能にしている。
【0056】
このように、新規にレイヤ画像を重畳合成することで生成された合成画像は、その合成画像の表示縮尺、および表示範囲等に応じて、図5のディレクトリ構造に従って、分割合成画像群M400(,M401,…)として合成画像DB11に保存される。
【0057】
図6は、地図画像生成装置14を含む地図画像送信システムの動作の概要を示す説明図である。以下、同図を参照して地図画像送信システムの動作を説明する。
【0058】
ステップS1において、利用者によりクライアントシステム15の起動が実施されると、クライアントシステム15からWEBサーバ3にアクセスが行われ、ステップS2で、ステップS1のアクセスに応答して、WEBサーバ3からクライアントシステム15にクライアントシステムファイルが送信される。
【0059】
そして、ステップS3で、クライアントシステム15によりそのクライアントシステムファイルが受信されて読み込まれ、この読み込みにより、ステップS4で、クライアントシステム15が起動する。
【0060】
ステップS5において、利用者により、クライアントシステム15に対して初期表示指定としてクライアント側表示設定情報D15を付与することにより、利用者による、地図画像の初期表示を行うための表示位置、表示対象レイヤおよび表示縮尺等の指定が行われる。
【0061】
すると、ステップS6において、クライアント側表示設定情報D15による指示内容に基づき、クライアントシステム15により、表示設定情報D7が作成され、その表示設定情報D7がWEBサーバ4を介して地理情報システムサーバ4に送信される。
【0062】
そして、ステップS7及びステップS8において、地理情報システムサーバ4の地図画像生成装置14により、その表示設定情報D7に従った地図画像(表示用地図画像)を生成する表示対象の地図画像処理が実行される。
【0063】
まず、ステップS7において、表示要求対象の表示用地図画像の生成に必要な各レイヤ画像のうちレイヤ画像DB10に存在しない画像(不足レイヤ画像)がある場合は、レイヤ画像生成処理により当該不足レイヤ画像を生成してレイヤ画像DB10に保存する。なお、不足レイヤ画像が存在しない場合、ステップS7の実行は省略される。
【0064】
そして、ステップS8において、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11からレイヤ画像I10及び合成画像I11が適宜読み出され、それら各画像(レイヤ画像,合成画像)が、必要に応じて地図画像生成設定情報D8で定義されたレイヤ重畳順序に従って重畳合成する地図画像合成処理を実行することにより、タイル状に分割された状態(複数の分割地図画像からなる状態)で表示用地図画像として生成される。そして、タイル状に分割された状態の表示用地図画像が、合成画像I11として合成画像DB11に保存された後、地図画像I13としてWEBサーバ3を介してクライアントシステム15に送信される。なお、表示用地図画像が合成画像DB11に保存されるのは、表示用地図画像が複数のレイヤ画像から構成される場合に限られる。
【0065】
そしてステップS9で、クライアントシステム15において、そのタイル状に分割された地図画像I13が受信され、その後、ステップS10で、その受信された地図画像I13が、タイリング等の地図表示処理が施されて所定の表示装置に表示される。
【0066】
また、ステップS11において、地理情報システムサーバ4では、地図画像生成装置14により、合成画像DB11の記憶容量を有効利用するために、地図画像生成設定情報D8で定義された合成画像の破棄定義に基づき、合成画像DB11に保存されている合成画像が適宜破棄される。
【0067】
またクライアントシステム15から、地理情報システムサーバ4に送信される情報として、表示設定情報D7のほかにレイヤ画像生成情報D6があるが、この場合(ステップS6において表示設定情報D7に代えてレイヤ画像生成情報D6が送信される場合)、地図画像送信システムの動作の概要は、ステップS1〜S7までは表示設定情報D7が送信された場合と同様に行われ、ステップS8以降の処理が省かれる。
【0068】
<実施の形態1>
(地図画像生成装置14の機能構成)
図7は、この発明の実施の形態1である地図画像生成装置14の機能構成を示したブロック図である。
【0069】
同図に示すように、地図画像生成装置14は、レイヤ画像生成手段401、レイヤ画像生成判断手段402、地図画像合成手段403、合成画像再利用判断手段404、合成画像廃棄手段405、地図DB通信手段406、レイヤ画像DB通信手段407、合成画像DB通信手段408、表示設定履歴DB通信手段409、レイヤ画像生成情報通信手段410、表示設定情報通信手段411、及び地図画像送信手段412を備える。
【0070】
地図DB通信手段406は、DBサーバ5の地図DB9と通信を行い、地図DB9からの地図データD9を受信する。
【0071】
レイヤ画像DB通信手段407は、DBサーバ5のレイヤ画像DB10と通信を行い、レイヤ画像I10の送受信を行う。
【0072】
合成画像DB通信手段408は、DBサーバ5の合成画像DB11と通信を行い、合成画像I11の送受信を行う。
【0073】
表示設定履歴DB通信手段409は、DBサーバ5の表示設定履歴DB12と通信を行い、表示設定情報通信手段411を介して得られる表示設定情報D7の送信、表示設定履歴情報D12の受信を行う。
【0074】
レイヤ画像生成情報通信手段410は、WEBサーバ3と通信を行い、WEBサーバ3からのレイヤ画像生成情報D6を受信する。
【0075】
表示設定情報通信手段411は、WEBサーバ3と通信を行い、WEBサーバ3からの表示設定情報D7を受信する。
【0076】
地図画像送信手段412は、地図画像合成手段403から生成された表示用地図画像を取得し、地図画像I13としてWEBサーバ3を介してクライアントシステム15に送信する。
【0077】
なお、図7において、上述した通信手段406〜412のブロックが間に挟まれる矢印が、データ(情報,画像)の送受信状態を示している。
【0078】
レイヤ画像生成判断手段401は、地図DB通信手段409を介して得られる地図DB9内の地図データD9に対して行う空間検索の結果と、表示設定履歴DB通信手段409を介して表示設定履歴DB12から取得した表示設定履歴情報D12に基づき、レイヤ画像生成判断処理を実行する。
【0079】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報通信手段410を介して取得したレイヤ画像生成情報D6を指示する生成要求対象のレイヤ画像、もしくは地図画像合成手段403を介して取得した表示用地図画像の生成に必要なレイヤ画像に関し、上述した空間検索結果と表示設定履歴情報D12の指示内容に基づき、生成不要な省略レイヤ画像部分の有無を判断する上記レイヤ画像生成判断処理を実行する。
【0080】
レイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成情報D6で指示する生成要求対象のレイヤ画像のうち、地図DB9から取得した地図データD9を基にして、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された状態(複数の分割レイヤ画像にした状態)で生成する。そして、その生成したレイヤ画像I10のうち上記省略レイヤ画像部分を除くレイヤ画像を、レイヤ画像生成判断手段401によって生成すべきと判断されたレイヤ画像として、地図画像生成設定情報D8で定義された保存規則に従ってレイヤ画像DB通信手段407を介してレイヤ画像DB10に保存する。なお、レイヤ画像生成手段402はレイヤ画像生成判断手段401を介してレイヤ画像生成情報D6を得ることができる。また、レイヤ画像生成手段402がレイヤ画像生成情報通信手段410からレイヤ画像生成情報D6を直接得るようにしても良い。
【0081】
地図画像合成手段403は、表示情報通信手段411を介して取得した表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を、レイヤ画像DB10もしくは合成画像DB11から取得した画像を必要に応じて適宜重畳合成することで生成する。さらに、地図画像合成手段403は、その生成した表示用地図画像が複数種のレイヤ画像からなる合成画像である場合、地図画像生成設定情報D8で定義された保存規則に従って合成画像DB通信手段408を介して合成画像DB11として保存する。さらに、地図画像合成手段403は、生成した表示用地図画像を地図画像I13として、地図画像送信手段412を介してWEBサーバ3に送信する。
【0082】
上述した表示用地図画像の生成に必要な各レイヤ画像のうち、レイヤ画像DB10に存在しない画像(不足レイヤ画像)がある場合、レイヤ画像生成判断手段401に当該不足レイヤ画像の情報を送信して、不足レイヤ画像の生成を要求する。
【0083】
また、地図画像合成手段403は、当該表示用地図画像の生成に際して、合成画像再利用判断手段404から再利用できる地図画像(合成画像)を取得できる場合は、当該合成画像と、レイヤ画像DB通信手段45を介してレイヤ画像DB10から取得したレイヤ画像とを重畳合成して、タイル状に分割された状態で表示用地図画像を生成する。この際、合成画像をそのまま表示用地図画像とできる場合は合成画像DB11から取得した合成画像I11のみを再利用することができる。
【0084】
一方、地図画像合成手段403は、再利用できる合成画像が取得できない場合は、レイヤ画像DB10から取得したレイヤ画像I10のみを重畳合成して、表示用地図画像を生成する。
【0085】
合成画像再利用判断手段404は、合成画像DB通信手段408を介して取得した合成画像DB11に保存されている合成画像I11のなかから、地図画像合成手段403を介して取得した表示設定情報D7の指示する表示用地図画像の生成に再利用できる合成画像の有無を判断する。そして、合成画像再利用判断手段404は再利用可能と判断した場合は、再利用可能な合成画像を地図画像合成手段403に出力する。
【0086】
合成画像廃棄手段405は、地図画像生成設定情報D8で定義された廃棄定義に従って、合成画像DB通信手段408を介して合成画像DB11に保存された破棄対象の合成画像を適宜廃棄する。
【0087】
図8はレイヤ画像生成判断手段401により実行される、レイヤ画像の生成を省略できる部分(省略レイヤ画像部分)の有無を判断するレイヤ画像生成判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
図9はレイヤ画像生成手段402により実行されるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
図10はレイヤ画像生成手段402により実行されるレイヤ画像生成処理の処理内容を模式的に示す説明図である。
【0090】
以下、図7〜図10を参照して、地図画像生成装置14(におけるレイヤ画像生成判断手段401及びレイヤ画像生成手段402)によるレイヤ画像生成処理(図6のステップS7に相当)の詳細を説明する。
【0091】
まず、図8を参照して、レイヤ画像生成判断手段401によるレイヤ画像生成判断処理について説明する。
【0092】
同図を参照して、ステップS20において、WEBサーバからのレイヤ画像生成情報D6もしくは、後述する地図画像合成手段403からのレイヤ画像生成要求を取得する。
【0093】
そして、ステップS21において、最初に、当該生成要求範囲内のレイヤ画像省略部分の有無を判別する対象となるレイヤ画像(初期判別レイヤ)を、当該生成要求対象のレイヤ画像の中から決定する。例えば、地図画像生成設定情報D8に含まれる表示レイヤ順序の最も上位のものを初期判別レイヤとする決定が考えられる。
【0094】
そして、ステップS22において、ステップS21で決定した(初期)判別レイヤについて、当該判別レイヤの主レイヤが生成要求対象のレイヤの中に存在するか確認する。そして、ステップS22において、主レイヤが存在する場合(YES)、当該判別レイヤのレイヤ画像生成を省略しステップS25に進む。すなわち、互いに主従関係を有する主レイヤ(画像)及び従レイヤ(画像)の組合せからなる主従レイヤ画像群が存在する場合、ステップS23の空間検索を行うのは主レイヤ画像のみに絞り込んでいる。
【0095】
一方、ステップS22で主レイヤが存在しない場合(NO)、ステップS23に移行する。ステップS23において、地図DB9に格納された地図データD9に対して空間検索を行い、判別レイヤに関し生成範囲内のタイル状に分割された領域(分割レイヤ領域)それぞれにおける分割レイヤ画像について当該判別レイヤの種別に該当する地物が存在するか否かを調べる。そして、地物が存在しない分割レイヤ画像については画像生成を省略する省略レイヤ画像部分として指定する。
【0096】
次に、ステップS24で当該判別レイヤに従レイヤが存在するかを確認し、存在する場合、当該従レイヤに対しても同一範囲の分割レイヤ画像を省略レイヤ画像部分として併せて指定し、ステップS25に進む。
【0097】
ステップS25において、すべての生成対象のレイヤ(主レイヤを有するレイヤは除かれる)に対して判別を終えたか判定し、終えていない場合はステップS26で判別レイヤを更新し、ステップS22に戻る。
【0098】
終えている場合(ステップS25でYES)は、ステップS27で省略レイヤ画像部分の指定を受けていない各レイヤの各分割レイヤ画像について、表示履歴DB12から地図画像生成設定情報D8で定義された表示設定履歴DB利用定義に設定された対象期間における当該画像の使用回数(所定の基準)を取得する。この使用回数が表示設定履歴DB利用定義(所定の基準)に設定された使用回数閾値を超えていない場合、当該分割レイヤ画像の生成を省略するよう指定し、生成判断処理を終了する。
【0099】
以下、図10を用いて、図8で示した生成判断処理の具体例を説明する。図10に示すように、レイヤ画像生成情報D6によって、分割レイヤ画像群L400b及びL400c(Bレイヤ及びCレイヤ)が指定された場合を想定する。
【0100】
Bレイヤ(電線レイヤ)、Cレイヤ(電柱レイヤ)の所定の縮尺、範囲のタイルである分割レイヤ画像Lb1〜Lb4,分割レイヤ画像Lc1〜Lc4が与えられ、BレイヤがCレイヤの主レイヤとなっている主従関係を有する場合のレイヤ生成処理を示している。主レイヤであるBレイヤに対して空間検索を用いることで、分割レイヤ画像Lb3に地物がないことを認識し、分割レイヤ画像Lb3の生成を省略できると判断し、省略レイヤ画像部分と判断する(ステップS23の処理)。また、この結果を流用し、Bレイヤに対して従レイヤとなるCレイヤのレイヤ画像である分割レイヤ画像Lc3(分割レイヤ画像Lb3に合致する分割レイヤ領域)も併せて省略レイヤ画像部分と判断する(ステップS24の処理)。
【0101】
図7に示すように、レイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成判断手段401からレイヤ画像生成情報D6が指示する生成要求対象のレイヤ画像に加えて、レイヤ画像生成判断手段401が判断した省略レイヤ画像部分に関する情報を取得し、地図DB9内の情報を基にレイヤ画像を生成する。
【0102】
以下、図9を参照して、レイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理を説明する。
【0103】
まず、ステップS31で最初に生成するレイヤ(初期生成レイヤ)を決定する。例えば、地図画像生成設定情報D8に含まれる表示レイヤ順序の最も上位のものを最初の生成レイヤとする。
【0104】
次に、ステップS32で初期生成レイヤにおける生成対象となる画像群(生成対象画像群)を決定する。たとえば、当該生成要求範囲の東北端の4×4構成の生成対象画像群を決定する。この場合、生成対象画像群における複数の分割レイヤ画像として、4×4=16個の分割レイヤ画像が生成対象となる。
【0105】
そして、ステップS33において、当該レイヤの生成対象画像群に対応するレイヤ画像を、地図DB9に保存された地図データD9を基に一度に生成する。
【0106】
次に、ステップS34で生成したレイヤ画像をタイル状に分割して切り分けることにより複数の分割レイヤ画像を生成する。
【0107】
その後、ステップS35において、ステップS34で生成した複数の分割レイヤ画像のうち、レイヤ画像生成判断手段401で省略レイヤ画像部分として指定されていない分割レイヤ画像を選択的にレイヤ画像DB10に保存する。ただし、地物が存在しない分割レイヤ画像については、レイヤ画像データは保存されないが、当該レイヤ画像に地物が存在しないという地物不存在情報を、当該分割レイヤ画像が保存されるべきファイルに特定のファイル(画像でないファイル)形式で保存することにより、レイヤ画像DB10に保存する。このように、レイヤ画像生成判断手段401は、ステップS35で生成した複数の分割レイヤ画像のうち、レイヤ画像生成手段402の指示する省略レイヤ画像部分を除く分割レイヤ画像を実レイヤ画像生成対象としている。
【0108】
上述したように、地物不存在情報を保存するのは、表示用地図画像の生成に必要な(分割)レイヤ画像のうち、地物が存在しないためにレイヤ画像DB10に保存されていない分割レイヤ画像について、当該分割レイヤ画像を生成する必要がないことを明示するためである。
【0109】
次に、ステップS36において、生成対象レイヤに関し、生成済みのレイヤ画像と生成要求範囲を基に未生成のレイヤ画像が残っているかを確認することにより、レイヤ画像の生成の完了の有無をチェックする。
【0110】
ステップS36で生成すべきレイヤ画像が残っていると判定した場合(NO)は、ステップS37で生成対象画像群を更新してステップS33に戻る。
【0111】
一方、ステップS36で生成すべきレイヤ画像が残っていないと判定した場合(YES)は、ステップS38ですべての生成対象レイヤにおいてレイヤ画像の生成を終えたか否かを確認する。終えていない場合(ステップS38でNO)はステップS39で生成対象のレイヤを更新し、ステップS32に戻る。終えている場合(ステップS38でYES)は、レイヤ画像生成処理を終了する。
【0112】
図11は地図画像合成手段403による地図画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。図12は合成画像再利用判断手段404による合成画像再利用判断処理の処理手順を示すフローチャートである。図13は地図画像合成手段403による地図画像合成処理内容を模式的に示す説明図である。
【0113】
以下、図7、図11〜図13に基づき、地図画像生成装置14(におけるレイヤ画像生成手段402及び地図画像合成手段403)による地図画像合成処理(図6のステップS8)を詳細について説明する。
【0114】
図11を参照して、地図画像合成手段403は、ステップS301表示設定情報D7を取得すると、ステップS302において、表示用地図画像の生成に必要となるレイヤ画像がすべてレイヤ画像DB10に存在するかを調べる。この際、レイヤ画像DB10に存在しないレイヤ画像のうち、当該レイヤ画像が保存されるべきファイルに特定のファイル(当該レイヤ画像上に地物が存在しないことを表す等)が保存されている場合、当該レイヤ画像は存在すると判定する。
【0115】
必要なレイヤ画像がすべてある場合(ステップS301でYES)は、ステップS303に移行し、ない場合(ステップS301でNO)はステップS302に移行する。
【0116】
ステップS302において、当該不足分のレイヤ画像の生成処理を図8及び図9に示した生成判断処理、画像生成処理を通して行う。このステップS302における画像生成処理は、図8のステップS20で示した地図画像合成手段403からのレイヤ画像生成要求に応答することにより実行される。
【0117】
ただし、図8に示した生成判断処理において、ステップS27(表示設定履歴DB12を用いた画像生成省略指定)は省略する(当該レイヤ画像が表示要求対象の地図画像生成に必要なことが明白なため)。
【0118】
次に、ステップS303において、表示用地図画像を構成するレイヤ数である表示対象レベルが“2”以上あるかを確認する。表示対象レベルが“2”以上ない場合(ステップS303でNO)、ステップS304〜S311の処理を省略してステップS312に進む。なぜなら、表示対象レベル“1”の場合、重畳合成を行う必要がないからである。
【0119】
表示対象レベルが“2”以上ある場合(ステップS303でYES)、ステップS304において、合成画像DB11に保存されている合成画像I11に関する縮尺、範囲、構成レイヤの情報を取得する。
【0120】
次に、ステップS305において、合成画像再利用判断を行う前処理として、表示用地図画像を構成する一の表示対象画像部分を抽出する(例えば、表示用地図画像における東北端から所定の範囲の画像部分)。
【0121】
次に、ステップS306において、ステップS305で抽出した表示対象画像部分について、レイヤ構成が完全同一の合成画像I11が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在する場合(YES)は合成画像DB11内の合成画像I11を完全一致合成画像としてそのまま再利用可能と判断しステップS310に移行し、存在しない場合(NO)はステップS307以降の判断処理に進む。
【0122】
ステップS307において、合成画像再利用判断(後に詳述する)を行い、表示用地図画像の一部として再利用可能である部分一致合成画像が合成画像DB11内に存在すると判断した場合は、部分一致合成画像となる合成画像I11を合成画像DB11から取得する。
【0123】
次に、ステップS308で、ステップS307で再利用可能な合成画像I11(部分一致合成画像)を取得した場合は、取得した部分一致合成画像の上から、残りの構成レイヤ(表示用地図画像のうち、取得した合成画像に含まれないレイヤ画像)を重畳合成して画像合成を行う。
【0124】
一方、ステップS308において、再利用可能な合成画像がない場合(ステップS307で再利用可能な合成画像を取得できなかった場合)は、表示用地図画像を構成する各レイヤ画像をレイヤ画像DB10から取得して重畳合成して画像合成を行う。
【0125】
このように、ステップS308において、合成画像DB11に再利用可能な部分一致合成画像が存在する場合は当該部分一致合成画像を再利用した画像合成を行い、再利用可能な合成画像が存在しない場合はレイヤ画像DB10内のレイヤ画像I10のみを用いた画像合成を行う。
【0126】
次に、ステップS309において、ステップS308で画像合成して生成した表示用地図画像を新たな合成画像として合成画像DB11内に保存する。
【0127】
次に、ステップS310において、当該合成画像の生成で当該表示設定に必要なすべての画像を生成し終えたか確認する。終えていない場合(ステップS310でNO)、ステップS311で表示対象画像部分を更新した後、ステップS306に戻る。終えた場合(ステップS310でYES)、ステップS312ですべての表示対象画像部分を含む複数の分割合成画像(タイル合成画像)より構成される表示用地図画像を地図画像I13として送信処理し、地図画像合成処理を終了する。
【0128】
次に、地図画像合成処理中のステップS307の合成画像再利用判断手段404による合成画像再利用判断処理について図12を用いて説明する。
【0129】
図7に示すように、合成画像再利用判断手段404は、地図画像合成手段403から抽出された表示用地図画像に関する情報と合成画像DB11に保存されている各合成画像の縮尺、範囲、構成レイヤに関する情報を取得する。
【0130】
そして、ステップS41において、表示対象画像部分に関してまず同一の範囲を持つ合成画像が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在しない場合(NO)はステップS46に移行し、存在する場合(YES)はステップS42に進む。
【0131】
ステップS42において、当該表示対象画像部分の構成する複数のレイヤから最上位のレイヤを除いた画像部分を新たな探索対象画像部分として設定する。例えば、当該表示対象画像部分を構成するレイヤがA,B,C(Cが最上位レイヤ)の場合、最上位レイヤCを除いたレイヤA,Bからなる画像部分を探索対象画像部分とする。
【0132】
次に、ステップS43で探索対象画像部分と同一の範囲かつ同一レイヤ構成からなる合成画像が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在する場合(YES)はステップS44で当該合成画像を部分一致合成画像として再利用できると判断し、地図画像再利用判断を終了する。
【0133】
一方、存在しない場合(ステップS43でNO)、ステップS45で探索対象画像部分の構成レイヤが“2”以下であるか確認する。“2”以下でない場合、合成画像の再利用の可能性が残存しているためステップS42に戻る。“2”以下である場合、ステップS46で再利用できる合成画像がないと判断し、地図画像再利用判断処理を終了する。
【0134】
例えば、図13に示すように、表示設定情報D7が指示する表示用地図画像が、レイヤA,B,C(Cが最上位レイヤ)を構成レイヤとする所定の範囲、縮尺のタイルであるLabc1〜Labc4からなる分割地図画像群M400abcに該当し、Lab1〜Lab4(構成レイヤがA,B)からなる分割地図画像群M400abが合成画像DB11に保存されている場合を想定する。
【0135】
この場合、分割地図画像群M400abであるLab1〜Lab4に、分割レイヤ画像群L400CであるLc1〜Lc4のみを重畳合成することにより、表示用地図画像を生成することができる。すなわち、分割合成画像群M400abを部分一致合成画像として再利用して、表示用地図画像である分割合成画像群M400abcを生成することができる。そして、生成された表示用地図画像は合成画像として合成画像DB11に保存されるとともに、地図画像I13としてWEBサーバ3に送信処理される。
【0136】
図14は地図画像生成装置14(における合成画像廃棄手段405)による地図画像破棄処理(図6のステップS11)を示すフローチャートである。
【0137】
以下、図8および図14を参照して、画像破棄処理の詳細について説明する。
【0138】
まず、ステップS50において、合成画像廃棄手段405は、地図画像生成設定情報D8を取得する。
【0139】
そして、ステップS51で、地図画像破棄処理手段405は、地理情報システムサーバ4の地図画像生成情報8で定義された廃棄定義(所定の基準)に従って、合成画像DB通信手段45を介してDBサーバ5の合成画像DB11に保存された合成画像の廃棄を実施する。
【0140】
上記の廃棄定義には、例えば、レイヤ画像DB10に保存されたレイヤ画像がレイヤ画像生成処理によって更新された際に、更新前のレイヤ画像を用いて生成された合成画像を廃棄する手法が定義されている。これにより、レイヤ画像の更新を反映した合成画像を常時、管理することができる。
【0141】
さらに、上記の廃棄定義として、例えば、合成画像DB11に保存された各合成画像の構成レイヤ数、及び表示設定履歴DB12から得られる当該画像の利用頻度に応じて、各合成画像を廃棄する手法が定義されている。この場合、各合成画像について構成レイヤ数(構成レイヤ数が多いほど生成時の処理負荷が高いので、再利用した際の利点が大きい)と利用頻度を乗算した値を算出し、この値が最も低い合成画像から廃棄される。これにより、有効な合成画像を優先的に合成画像DB11内に保持することができる。
【0142】
合成画像廃棄手段405による合成画像の破棄は、例えば、レイヤ画像が生成されたとき、地図画像生成設定情報D8に設定された日時、1日間隔や1ヶ月間隔等の指定された間隔、合成画像DB11の使用記憶容量が閾値を超えたときなどに適宜実施される。
【0143】
このように、実施の形態1の地図画像生成装置14におけるレイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成情報D6による生成対象レイヤとなる所定数の種類のレイヤ画像に対し、レイヤ画像生成判断手段401で判断された省略レイヤ画像部分を除く部分を実レイヤ画像生成対象としてレイヤ画像生成処理を実行している。このため、不要な部分のレイヤ画像のレイヤ画像DB10への保存を適切に省略でき、レイヤ画像生成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【0144】
さらに、実施の形態1の地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成時にレイヤ画像生成判断手段401が空間検索を用いることで、地物の存在しないレイヤ画像部分を省略レイヤ画像部分として指定してその生成を省略することができるため、画像生成処理に要する時間を短縮することができる。
【0145】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6の指示するレイヤ生成範囲に対応する複数の分割レイヤ領域を判断対象とし、上記複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行い、地物が存在しない分割レイヤ領域に対応する分割レイヤ画像を上記省略レイヤ画像部分として判断している。
【0146】
このように、レイヤ画像生成判断手段401は、判断対象となる複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行うことにより、レイヤ生成範囲に地物が存在しない、地図画像として生成不要な空の領域を高速に認識することができる。
【0147】
さらに、本実施の形態の地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成判断手段401は地図画像生成設定情報D8に定義されたレイヤの主従関係を用いて、空間検索を実施するレイヤを削減することができるため、レイヤ画像生成判断処理の中核となる空間検索処理に要する時間を短縮することができる。
【0148】
この主従関係を設定できるレイヤの例としては、「電線(主)・電柱(従)」、「電柱(主)・変圧器(従)」、「道路(主)・信号機(従)」、「水道管(主)・マンホール(従)」などが挙げられる。主従関係が設定されたレイヤにおいては、主レイヤの地物がない位置には、従レイヤの地物がないと判断されるため、主レイヤに対する空間検索を用いて地物がないと判断された範囲に関して、従レイヤの地物がないと(従レイヤに対する空間検索なしに)判断できる。
【0149】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401、空間検索によって主レイヤ画像における少なくとも一つの分割レイヤ領域における分割レイヤ画像を上記省略レイヤ画像部分と判定した場合、主従関係のなる従レイヤ画像において上記少なくとも一つの分割レイヤ領域に合致する領域における分割レイヤ画像を併せて上記省略レイヤ画像部分と判断する。このため、従レイヤ画像に対する空間検索処理を省略できる分、レイヤ画像生成判断処理における空間検索に要する時間を短縮することができる効果を奏する。
【0150】
さらに、この地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成判断手段401は、表示設定履歴DB12内の表示設定履歴情報D12を基に、利用頻度が低い等、所定の基準を満足しないレイヤ画像の生成を省略する処理を併せて実行することにより、画像生成処理に要する時間を短縮することができる。
【0151】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成判断処理として、表示設定履歴情報D12に基づき、生成対象レイヤに対応する所定数の種類のレイヤ画像に関し、利用内容が所定の基準を満足しないレイヤ画像部分をさらに上記省略レイヤ画像部分として判断する処理を含んでいる。このため、実レイヤ画像生成対象をさらに絞り込むことができ、レイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理に要する時間のより一層の短縮化を図ることができる。
【0152】
さらに実施の形態1の地図画像生成装置14は、合成画像DB11に保存した合成画像I11の再利用可能性の有無を判断する合成画像再利用判断手段404を有するため、合成画像DB11の合成画像I11を適宜再利用して地図画像合成手段403により表示用地図画像を生成することにより、表示用地図画像の合成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【0153】
加えて、この地図画像生成装置14によれば、合成画像再利用判断手段404は、表示用地図画像の構成レイヤに関して、上位レイヤから1レイヤずつ取り除いた構成レイヤを持つ画像を探索対象画像部分とし、探索対象画像部分と同一の構成レイヤからなる画像が合成画像DB11に保存されている場合に当該合成画像を部分一致合成画像として再利用可能であると判断する。その結果、地図画像合成手段403は合成画像再利用判断手段404による上記判断結果に基づき、最も構成レイヤの多い合成画像を優先的に再利用することができる。
【0154】
このように、合成画像再利用判断手段404は、探索対象画像部分と一致する部分一致合成画像の有無を判断する合成画像再利用判断処理を実行するため、合成画像DB11に保存される合成画像の再利用率を高めることができる。
【0155】
<実施の形態2>
実施の形態1では、レイヤ画像生成処理おいて、一度に複数の分割レイヤ画像を含んだ画像を生成する処理を実行していた。すなわち、省略レイヤ画像部分となる分割レイヤ画像を含めて一旦は複数の分割レイヤ画像を生成していた。しかし、省略レイヤ画像部分に該当する分割レイヤ画像の生成を省略して、省略しない分割レイヤ画像のみを選択的に生成するようにしても良い。このようにすることで、保存されることのない分割レイヤ画像の生成を省略できる。
【0156】
図15は実施の形態2の地図画像生成装置14のレイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0157】
以下、実施の形態2の地図画像生成装置14によるレイヤ画像生成処理の詳細を図7、図15を参照して説明する。
【0158】
レイヤ画像生成手段402、レイヤ画像生成判断手段401から情報を取得し、レイヤ画像を生成する。
【0159】
まず、ステップS61で最初に生成するレイヤ(初期生成レイヤ)を決定し、ステップS62で初期生成レイヤにおける生成対象となる一の分割レイヤ画像(生成対象画像)を決定する。
【0160】
次に、ステップS63で当該生成対象画像に対応する分割レイヤ画像がレイヤ画像生成判断手段401により省略を指定されている省略レイヤ画像部分に該当するか否かを確認し、省略を指定されている場合(YES)は、ステップS64,S65の生成,保存処理を行うことなくステップS66に移行し、省略を指定されていない場合(NO)はステップS64に進む。
【0161】
ステップS64において、当該レイヤの生成対象画像に対応する分割レイヤ画像を、地図DB9に保存された地図データD9に基づき生成する。
【0162】
そして、ステップS65において、ステップS65で生成した分割レイヤ画像をレイヤ画像DB10に保存する。
【0163】
次に、ステップS66において、生成対象レイヤに関し、生成済みの分割レイヤ画像と生成要求範囲を基に未生成の分割レイヤ画像が残っているかを確認することにより、レイヤ画像の生成の完了の有無をチェックする。
【0164】
ステップS66で生成すべき分割レイヤ画像が残っていると判定した場合(NO)は、ステップS67で生成対象画像となる分割レイヤ画像を更新してステップS63に戻る。
【0165】
一方、ステップS66で生成すべき分割レイヤ画像が残っていないと判定した場合(YES)は、ステップS68ですべての生成対象レイヤにおいてレイヤ画像の生成を終えたか否かを確認する。終えていない場合(ステップS68でNO)はステップS69で生成対象のレイヤを更新し、ステップS62に戻る。終えている場合(ステップS68でYES)は、レイヤ画像生成処理を終了する。
【0166】
このように、実施の形態2の地図画像生成装置は、レイヤ画像生成判断手段401の判断結果に基づくレイヤ画像生成処理を分割レイヤ画像単位に行うことにより、保存不要な省略レイヤ画像部分となる分割レイヤ画像の生成処理をも省略することができる。その結果、実施の形態1以上に、効率良く上記レイヤ画像生成処理を実行することができる。
【0167】
<実施の形態3>
実施の形態3の地図画像生成装置は、地図画像生成設定情報D8で定義した生成規則として、各レイヤに対して空間検索を行わないレイヤ画像である空間検索不要レイヤ(判断処理不要レイヤ)を予め指定しておき、空間検索不要レイヤをレイヤ画像生成判断処理対象から除外し、空間検索を行わないように構成している。これにより、地物の密度が高く、空間検索を行っても地物の存在しないタイル(省略レイヤ画像部分)が存在しないことが予め予想できる範囲について、空間検索の処理負荷をなくすことができる。
【0168】
このように、実施の形態3の地図画像生成装置におけるレイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6が指示する所定数の種類のレイヤ画像のうち、地図画像生成設定情報D8が指示する上記空間検索不要レイヤ(判断処理不要レイヤ)を除き、上記レイヤ画像生成判断処理を実行している。
【0169】
したがって、レイヤ画像生成情報通信手段410による空間検索によるレイヤ画像生成判断処理をより効率的に行うことができる。
【0170】
(その他)
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 地図画像送信サーバ、2 ネットワーク、3 WEBサーバ、4 地理情報システムサーバ、5 DBサーバ、9 地図DB、10 レイヤ画像DB、11 合成画像DB、12 表示設定履歴DB、14 地図画像生成装置、15 クライアントシステム、401 レイヤ画像生成情報通信手段、402 レイヤ画像生成手段、403 地図画像合成手段、404 合成画像再利用判断手段、405 合成画像廃棄手段、406 地図DB通信手段、407 レイヤ画像DB通信手段、408 合成画像DB通信手段、409 表示設定履歴DB通信手段、410 レイヤ画像生成情報通信手段、411 表示設定情報通信手段、412 地図画像送信手段。
【技術分野】
【0001】
この発明は、インターネットまたはイントラネット等のネットワークを通じてクライアントからの所望の表示設定での表示用の地図画像の送信要求を受け、その表示設定に応じた表示用地図画像を生成し管理する地図画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図画像を生成・管理する従来の地図画像生成装置として、例えば、特許文献1で開示された(大規模)地図画像生成装置がある。この地図画像生成装置は、画像データ地図転送方式を用いて地図画像をクライアントに送信している。すなわち、送信側のサーバにおいて、クライアントからの所望の表示設定を指示する地図画像の送信要求を受けると、地図情報システム(GIS(Geographic Information System))を用いて、その表示設定に応じた地図画像を生成してクライアントに送信し、クライアント側の表示システムにおいて、その生成した地図画像が表示される。
【0003】
特許文献1で開示された地図画像生成装置においては、予めサーバの記憶装置に保存された地図データを基に、レイヤごとにタイル状に分割された地図画像(レイヤ画像)を生成し、当該地図画像(レイヤ画像)を当該サーバの記憶装置に保存しておき、クライアントから要求があった場合には、当該サーバに保存された画像のうち、当該要求の表示範囲に含まれるレイヤ画像について、当該要求のレイヤ構成に含まれるレイヤの画像を必要に応じて合成することで、クライアントからの要求に応じた地図画像の生成を実現する。
【0004】
特許文献1に開示された地図画像生成装置においては、さらに、生成した地図画像を再利用する技術も知られている。すなわち、生成されたタイル状の地図画像のうち少なくとも2つのレイヤ画像からなる合成画像をサーバの記憶装置に保存しておき、クライアントからの所望の表示設定での地図画像の送信要求(表示用地図画像の表示要求)を受けると、当該表示設定により要求される表示用地図画像が、当該記憶装置内に保存されている地図画像(合成画像)に合致する場合は、当該記憶装置内の当該地図画像(合成画像)をそのまま再利用して表示用地図画像としてクライアントに送信する。
【0005】
他方、当該記憶装置内に保存されている合成画像が表示用地図画像に合致しない場合は、合成画像を再利用することなく、レイヤごとの地図画像(レイヤ画像)を合成して表示用地図画像として新たに生成し、新たに生成した表示用地図画像をクライアントに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−186530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1で開示された技術において、レイヤ画像を生成する際に、当該レイヤ画像の生成が必要であるかどうかを判断する手段を持たないため、地物を全く含んでいない「空の」画像部分やクライアントからの地図表示要求の対象となる可能性が著しく低い画像といった本来生成が不必要である画像部分にけるレイヤ画像の生成を省略することができず、余分なレイヤ画像の生成負荷が発生しているという問題点があった。
【0008】
また、上記の特許文献1で開示された技術では、記憶装置に保存された合成画像を再利用できるのは、クライアントからの所望の表示設定で指示される表示用地図画像のレイヤ構成と、記憶装置に保存された合成画像のレイヤ構成とが完全に一致した場合のみである。
【0009】
このように、従来の地図画像生成装置は、記憶装置に保存された合成画像にさらに新たにレイヤ画像を追加で合成しなければ表示用地図画像を得ることができない場合、合成画像を再利用した表示用地図画像を生成する機能を有さない。つまり、従来の地図画像生成装置は、記憶装置に保存された合成画像の再利用は一部の限られた場合にのみなされているにすぎないため、表示用地図画像を生成する際、余分な画像合成負荷の抑制が不十分であるという問題点があった。
【0010】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、不要なレイヤ画像部分が保存されることを適切に省略することができる地図画像生成装置を得ることを目的としている。
【0011】
さらに、過去に生成した地図画像(合成画像)の再利用率を向上させた地図画像生成装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る請求項1記載の地図画像生成装置は、地図データを格納する地図データベース及び前記地図データに対応した複数種のレイヤ画像を格納するレイヤ画像データベースとアクセス可能であり、クライアント側から送信された表示設定情報に従って、前記複数種のレイヤ画像内の少なくとも一種類のレイヤ画像を含んだ構成の地図画像を提供する地図画像生成装置であって、クライアント側から送信され、生成対象となるレイヤ画像の種別を示す生成対象レイヤ種別を少なくとも指示するレイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記レイヤ生成対象種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ種類毎に生成して前記レイヤ画像データベースに蓄積するレイヤ画像生成処理を実行するレイヤ画像生成手段と、前記レイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、その生成を省略可能な部分を省略レイヤ画像部分と判断するレイヤ画像生成判断処理を実行するレイヤ画像生成判断手段と、前記レイヤ画像生成手段は、前記省略レイヤ画像部分を除く部分を前記レイヤ画像データベース保存用の実レイヤ画像生成対象として、前記レイヤ画像生成処理を実行している。
【発明の効果】
【0013】
この発明における請求項1記載の本願発明の地図画像生成装置におけるレイヤ画像生成手段は、所定数の種類のレイヤ画像に対し、上記省略レイヤ画像部分を除く部分を上記実レイヤ画像生成対象としてレイヤ画像生成処理を実行するため、不要な部分のレイヤ画像のレイヤ画像データベースへの保存を適宜省略して、レイヤ画像生成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明における実施の形態1である地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの構成概略図である。
【図2】図1で示した地理情報システムサーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1で示したDBサーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図4】図1で示したレイヤ画像DB内に保存されるレイヤ画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【図5】図1で示した合成画像DB内に保存される合成画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【図6】図1で示した地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの動作の概要を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1である地図画像生成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図8】図7で示したレイヤ画像生成判断手段によるレイヤ画像の生成を省略できる部分の有無を判断する生成判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図7で示したレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図7で示したレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理内容を模式的に示す説明図である
【図11】図7で示した地図画像合成手段による地図画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図7で示した合成画像再利用判断手段による合成画像再利用判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図7で示した地図画像合成手段による地図画像合成処理内容を模式的に示す説明図である。
【図14】図7で示した地図画像生成装置による地図画像破棄処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2の地図画像生成装置のレイヤ画像生成手段によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<全体構成>
図1は、この発明における実施の形態1である地図画像生成装置を含む地図画像送信システムの構成概略図である。
【0016】
同図に示すように、実施の形態1の地図画像生成装置14を含む地図画像送信システムは、地図画像送信サーバ1と、地図画像送信サーバ1とネットワーク2を介して接続されたクライアント側のシステム15(以後、「クライアントシステム15」と呼ぶ)とから構成されている。なお、ネットワーク2として例えばインターネットまたはイントラネット等が挙げられる。
【0017】
地図画像送信サーバ1は、ネットワーク2を通じてクライアントシステム15からレイヤ画像の生成を指定するレイヤ画像生成情報D6を受信すると、そのレイヤ画像生成情報D6に従ったレイヤ画像を生成してレイヤ画像DB(データベース)10に保存しておく。また、地図画像送信サーバ1は、地図画像の表示設定を指定した表示設定情報D7を受信すると、その表示設定情報D7に従って地図画像I13を生成し、その地図画像I13をネットワーク2を通じてクライアントシステム15に送信する。
【0018】
クライアントシステム15は、利用者によるレイヤ画像生成情報D6の設定および表示設定情報D7の設定(クライアント側表示設定情報D15)や、地理情報システムサーバ(GISエンジン)4から送信された地図画像I13の表示等を行う。
【0019】
レイヤ画像生成情報D6には、例えば、生成対象レイヤ種別、生成対象レイヤ画像の生成範囲(レイヤ生成範囲)、縮尺などを指示する情報が含まれる。生成対象レイヤ種別は、クライアントの要求するレイヤ画像(以後、「生成要求対象のレイヤ画像」と呼ぶ)の種類を示す情報である。例えば、生成対象レイヤ種別として、「道路を規定したレイヤ画像」や、「建物を規定したレイヤ画像」などが挙げられる。
【0020】
地理情報システムサーバ4内の本実施の形態の地図画像生成装置14は、レイヤ画像生成情報D6に基づき、生成対象レイヤ種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像を生成し、生成した所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ画像DB10に予め保存しておくことにより、表示設定情報D7によって地図画像表示要求をした際の地図画像の生成に要する処理時間の短縮化を図っている。
【0021】
レイヤ画像生成情報D6によるレイヤ画像生成要求は、レイヤ画像を現在の地図DB9に格納される地図データD9の内容を的確に反映したものに更新するためになされるものである。すなわち、地図DB9内の地図データD9が更新される場合を想定している。なお、地図DB9の更新方法については本発明との関連性が希薄なため記述を省略する。
【0022】
表示設定情報D7には、例えば、表示対象レイヤ種別、地図表示範囲および表示縮尺などを指示する情報が含まれる。表示対象レイヤ種別は、クライアントが表示を要求する表示要求対象の地図画像(以後、「表示用地図画像」と呼ぶ)を構成するレイヤ画像の種別を具体的に示す情報である。表示設定情報D7による地図画像表示要求は、利用者の表示装置に所望の地図画像を表示するためになされるものである。
【0023】
地図画像送信サーバ1は、WEBサーバ3、地理情報システムサーバ4、及びDBサーバ5から構成される。
【0024】
WEBサーバ3は、ネットワーク2を通じてクライアントシステム15との通信を行う。地理情報システムサーバ4は、クライアントシステム15からのレイヤ画像生成情報D6に従って、生成要求対象のレイヤ画像を生成し、表示設定情報D7に従って表示要求対象の地図画像である表示用地図画像を生成する。
【0025】
DBサーバ5は、レイヤ画像生成用の基となる地図データD9が保存された地図DB9、生成されたレイヤ画像がレイヤ種別毎に保存されるレイヤ画像DB10、複数種のレイヤ画像を重畳合成して生成された地図画像である合成(地図)画像が保存される合成画像DB11、クライアントから受信した表示設定情報D7が蓄積保存される表示設定履歴DB12を有する。
【0026】
WEBサーバ3は、ネットワーク2との接続を管理すると共に、クライアントシステム15からのレイヤ画像生成情報D6及び表示設定情報D7を地理情報システムサーバ4に送信し、また地理情報システムサーバ4においてその表示設定情報D7に従って生成された地図画像I13をクライアントシステム15に送信する。WEBサーバ3は、大規模WEBサービスを行う場合、負荷分散を行うためのロードバランサを含む場合もある。
【0027】
なお、前述したように表示用地図画像として地図画像I13が出力される際、地図画像I13が複数種のレイヤ画像の合成で構成される場合、地図画像I13と同一の画像が合成(地図)画像I11として合成(地図)画像DB11に保存される。以降、本明細書において、クライアントシステム15に送信出力される地図画像I13との文言上の差異を明確にするために、合成画像DB11に保存される地図画像を適宜「合成画像(I11)」と呼ぶ。
【0028】
地理情報システムサーバ(GISエンジン)4は、地図画像の生成および生成した地図画像(合成画像)の管理(すなわち保存および破棄)を行う、実施の形態1である地図画像生成装置14を備え、地図画像(レイヤ画像,合成画像)の管理規則を定義した地図画像生成設定情報D8を内部に有する。地図画像生成設定情報D8は、所定の記憶装置(図示省略)に保存されており、後述する地図画像生成装置14内の各構成部からアクセス可能である。
【0029】
地図画像生成設定情報D8には、地図画像(レイヤ画像,合成画像)を管理する際の地図画像のサイズ(分割サイズ)、ファイル形式、保存規則、廃棄規則、レイヤの重畳順序定義、各レイヤの主従関係に関する情報および表示設定履歴DB利用定義が含まれる。
【0030】
レイヤの重畳順序定義とは、レイヤ画像を重畳合成する際の、各レイヤの順序を定義したものであり、重畳合成の際にはこの順序がより下位のレイヤはより上位のレイヤによって上書きされる。
【0031】
レイヤの主従関係とは、配電管理システムにおける電線・電柱など、ある地点に一方のレイヤ(主)の地物が存在しない場合、他方のレイヤ(従)の地物も必ず存在しないこと(電線のないところに電柱はない)が予想・確定できる関係を表す。上述した例では、「電線」が主レイヤ、「電柱」が従レイヤとなる主従関係を有する。
【0032】
各レイヤに関して、複数の主レイヤ、複数の従レイヤが設定されうる。ただし、例えば、レイヤAの従レイヤとしてレイヤBが設定された場合、レイヤBには必ず主レイヤとしてレイヤAが設定され、レイヤA,レイヤBにより主従レイヤ画像群を構成している。この主従レイヤ画像群の情報はレイヤ地図画像生成処理に要する時間の短縮のために利用される。
【0033】
表示設定履歴DB利用定義とは、表示設定履歴DB12に保存された情報を基に、レイヤ画像生成の際に各レイヤ画像を生成・保存するか否かを判断するために用いられる定義(所定の基準)であり、対象期間、使用回数閾値が設定される。例えば、表示設定履歴DB利用定義として対象期間1ヶ月、使用回数閾値3回と設定される。この場合、レイヤ画像生成情報D6を受信すると、当該情報に含まれる各レイヤ画像について、直近の1ヶ月間に3回以上使用された情報が表示設定履歴DB12の表示設定履歴情報D12として取得される場合は、当該レイヤ画像を生成・保存し、2回以下の場合は、当該レイヤ画像の生成・保存を省略し、後に詳述する省略レイヤ画像部分と判断する。すなわち、上記例では、直近1か月における使用回数“3”が所定の基準となる。
【0034】
実施の形態1である地図画像生成装置14は、クライアントシステム15からレイヤ画像生成情報D6を受信した際に、DBサーバ5の地図DB9に保存された地図データD9を用いて、当該生成要求対象のレイヤ画像のうち生成が必要と判断されるレイヤ画像を新規に生成すると共に、生成したレイヤ画像を地図画像生成設定情報D8の指示する保存規則に従ってレイヤ画像DB10に保存して管理する。
【0035】
また、地図画像生成装置14は、クライアントシステム15から表示設定情報D7を受信した際には、レイヤ画像DB10に保存されたレイヤ画像I10もしくは合成画像DB11に保存された合成画像I11を用いて、これらの画像を必要に応じて適宜重畳合成することにより、表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を地図画像I13として生成する。さらに、地図画像生成装置14は、生成した表示用地図画像が複数種のレイヤ画像が構成される場合、合成画像として合成画像DB11に保存して管理する。
【0036】
ただし、表示設定情報D7に従った表示用地図画像を生成するために必要な画像(レイヤ画像)が不足している場合、DBサーバ5の地図DB9に保存された地図データD9を用いて当該不足分のレイヤ画像を生成し、レイヤ画像DB10に新たに生成したレイヤ画像を保存した後、表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を生成する。すなわち、レイヤ画像DB10内のレイヤ画像I10及び合成画像DB11内の合成画像I11のみでは、表示用地図画像を生成することができない場合、不足分のレイヤ画像I10をレイヤ画像生成手段402よって新たに生成する処理が行われる。
【0037】
図2は地理情報システムサーバ4のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、地理情報システムサーバ4は、バス47によって相互接続されたCPU41、メモリ42、外部記憶装置43、入力装置44、表示装置45、及び通信装置46から構成される。
【0038】
メモリ42には、地図画像生成装置14における後述する各構成部の処理動作を定義したプログラム等が保存されており、外部記憶装置43は地図画像生成設定情報D8を保存している。通信装置46はWEBサーバ3及びDBサーバ5との通信を行う。
【0039】
CPU41は、メモリ42に格納された上記プログラムを実行することにより、実施の形態1の地図画像生成装置14における後述する各構成部の処理動作を実行する。外部記憶装置43は、例えば磁気ディスクを備えたハードディスクにより構成される。入力装置44は、キーボードやマウスなどからなり、データ入力などに使用される。表示装置45は、CPU41で処理されたデータを表示する。
【0040】
DBサーバ5の地図DB9には、ベクトル形式もしくはラスタ形式の地図データ、およびその地図データに関連する属性データが保存されている。なお、本明細書では説明の都合上、上述した地図データ及び属性データを含めて地図データD9と呼ぶ。
【0041】
レイヤ画像DB10には、レイヤ単位の地図画像であるレイヤ画像がレイヤ種別毎に、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズ、ファイル形式および保存規則に従ってタイル状に分割された状態(複数の分割レイヤ画像に分割された状態)で保存されている。
【0042】
合成画像DB11には、レイヤ画像を重畳合成することにより構成される地図画像である合成画像I11が、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズ、ファイル形式および保存規則に従ってタイル状に分割された状態で保存されている。
【0043】
表示設定履歴DB12には、クライアントから取得した表示設定情報D7に含まれる表示縮尺、表示範囲、表示レイヤの情報が、その表示設定情報D7の取得時刻とともに蓄積保存されている。
【0044】
図3はDBサーバ5のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、DBサーバ5はバス57によって相互接続されたCPU51、メモリ52、外部記憶装置53、入力装置54、表示装置55及び通信装置56から構成される。
【0045】
メモリ52は、CPU51の起動用プログラム等の各種プログラムを格納する。外部記憶装置53は、地図DB9、レイヤ画像DB10、合成画像DB11及び表示設定履歴DB12それぞれのデータベース機能を発揮するように構成される。通信装置56は、地理情報システムサーバ4との通信を行う。
【0046】
外部記憶装置53は、例えば磁気ディスクを備えたハードディスクにより構成される。外部記憶装置53は、各DB9〜12のデータ容量に応じて複数備えられる場合がある。入力装置54は、キーボードやマウスなどからなり、データ入力などに使用される。表示装置55は、CPU51で処理されたデータを表示するが、DBサーバ5がデータの保存のみに使用される場合は、表示装置55は無くても良い。
【0047】
図4はレイヤ画像DB10内に保存されるレイヤ画像の保存規則を模式的に示す説明図である。図5は合成画像DB11内に保存される合成画像の保存規則を模式的に示す説明図である。
【0048】
これらの図に示すように、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11では、図4(レイヤ画像DB10)及び図5(合成画像DB11)のディレクトリ構造に基づきファイルシステム上でレイヤ画像I10及び合成画像I11が管理される。
【0049】
すなわち、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11は、最上層のディレクトリとして、保存された各地図画像の保存場所へのルートを規定したルートディレクトリL100及びM100をそれぞれ備えている。
【0050】
ルートディレクトリL100及びM100は、表示縮尺に応じて分類された複数の縮尺ディレクトリL200(縮尺A),L201(縮尺B),…、及び縮尺ディレクトリM200(縮尺A),M201(縮尺B),…を備えている。例えば、縮尺ディレクトリL200(201)は、表示縮尺A(B)のレイヤ画像が保存されるディレクトリである。この階層の縮尺ディレクトリは任意数定義することができる。
【0051】
図4に示すように、レイヤ画像DB10において、縮尺ディレクトリL200は、レイヤ画像種別に応じて分類された複数種のレイヤディレクトリL300,L301,…を備えている。例えば、レイヤディレクトリL300は、表示縮尺Aの地図画像中の「道路」を規定したレイヤ画像(以下、「道路レイヤ画像」と呼ぶ)が保存されるディレクトリであり、レイヤディレクトリL301は、表示縮尺Aの地図画像中の「建物」を規定したレイヤ画像(以下、「建物レイヤ画像」と呼ぶ)が保存されるディレクトリである。他の縮尺ディレクトリL2001,…も同様である。この階層のレイヤディレクトリも任意数定義することができる。
【0052】
レイヤディレクトリL300(L301)には、例えば道路レイヤ画像(建物レイヤ画像)が、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された状態、すなわち、複数の分割レイヤ画像として、表示範囲を示すファイル名で保存される。すなわち、レイヤディレクトリL300下にはレイヤ画像種別が「道路」のタイル状に分割された複数の分割レイヤ画像からなる分割レイヤ画像群L400が保存される。
【0053】
このように、新規にタイル状に分割されて生成された複数の分割レイヤ画像は、そのレイヤ画像の表示縮尺、およびそのレイヤ画像種別が表示範囲等に応じて、図4のディレクトリ構造に従って、分割レイヤ画像群L400(,L401,…)としてレイヤ画像DB10に保存される。
【0054】
一方、図5に示すように、合成画像DB11において、縮尺ディレクトリM200は、地図画像の表示範囲に応じて分類された複数の表示範囲ディレクトリM300,M301,…を備えている。例えば、表示範囲ディレクトリM300(M301)はある規定の基準位置から東へ500mから1000m、北へ2000mから2500m(東へ1000mから1500m、北へ2000mから2500m)の矩形範囲を表示範囲とする地図画像が保存される。他のディレクトリM301,…も同様にそれぞれの表示範囲ごとに分類される。
【0055】
表示範囲ディレクトリM300(M301)には、複数のレイヤ画像を重畳合成し生成された合成画像が地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された複数の分割合成画像が、構成レイヤを示すファイル名で保存される。すなわち、表示範囲ディレクトリM300(M301)下には表示範囲a(表示範囲b)に対応した複数の分割合成画像からなる分割合成画像群M400(M401)が保存される。なお、分割合成画像群M400の各分割合成画像のファイル名を合成されたレイヤ種別を組合せた名称にする等により、分割合成画像を構成するレイヤ種別を認識可能にしている。
【0056】
このように、新規にレイヤ画像を重畳合成することで生成された合成画像は、その合成画像の表示縮尺、および表示範囲等に応じて、図5のディレクトリ構造に従って、分割合成画像群M400(,M401,…)として合成画像DB11に保存される。
【0057】
図6は、地図画像生成装置14を含む地図画像送信システムの動作の概要を示す説明図である。以下、同図を参照して地図画像送信システムの動作を説明する。
【0058】
ステップS1において、利用者によりクライアントシステム15の起動が実施されると、クライアントシステム15からWEBサーバ3にアクセスが行われ、ステップS2で、ステップS1のアクセスに応答して、WEBサーバ3からクライアントシステム15にクライアントシステムファイルが送信される。
【0059】
そして、ステップS3で、クライアントシステム15によりそのクライアントシステムファイルが受信されて読み込まれ、この読み込みにより、ステップS4で、クライアントシステム15が起動する。
【0060】
ステップS5において、利用者により、クライアントシステム15に対して初期表示指定としてクライアント側表示設定情報D15を付与することにより、利用者による、地図画像の初期表示を行うための表示位置、表示対象レイヤおよび表示縮尺等の指定が行われる。
【0061】
すると、ステップS6において、クライアント側表示設定情報D15による指示内容に基づき、クライアントシステム15により、表示設定情報D7が作成され、その表示設定情報D7がWEBサーバ4を介して地理情報システムサーバ4に送信される。
【0062】
そして、ステップS7及びステップS8において、地理情報システムサーバ4の地図画像生成装置14により、その表示設定情報D7に従った地図画像(表示用地図画像)を生成する表示対象の地図画像処理が実行される。
【0063】
まず、ステップS7において、表示要求対象の表示用地図画像の生成に必要な各レイヤ画像のうちレイヤ画像DB10に存在しない画像(不足レイヤ画像)がある場合は、レイヤ画像生成処理により当該不足レイヤ画像を生成してレイヤ画像DB10に保存する。なお、不足レイヤ画像が存在しない場合、ステップS7の実行は省略される。
【0064】
そして、ステップS8において、レイヤ画像DB10及び合成画像DB11からレイヤ画像I10及び合成画像I11が適宜読み出され、それら各画像(レイヤ画像,合成画像)が、必要に応じて地図画像生成設定情報D8で定義されたレイヤ重畳順序に従って重畳合成する地図画像合成処理を実行することにより、タイル状に分割された状態(複数の分割地図画像からなる状態)で表示用地図画像として生成される。そして、タイル状に分割された状態の表示用地図画像が、合成画像I11として合成画像DB11に保存された後、地図画像I13としてWEBサーバ3を介してクライアントシステム15に送信される。なお、表示用地図画像が合成画像DB11に保存されるのは、表示用地図画像が複数のレイヤ画像から構成される場合に限られる。
【0065】
そしてステップS9で、クライアントシステム15において、そのタイル状に分割された地図画像I13が受信され、その後、ステップS10で、その受信された地図画像I13が、タイリング等の地図表示処理が施されて所定の表示装置に表示される。
【0066】
また、ステップS11において、地理情報システムサーバ4では、地図画像生成装置14により、合成画像DB11の記憶容量を有効利用するために、地図画像生成設定情報D8で定義された合成画像の破棄定義に基づき、合成画像DB11に保存されている合成画像が適宜破棄される。
【0067】
またクライアントシステム15から、地理情報システムサーバ4に送信される情報として、表示設定情報D7のほかにレイヤ画像生成情報D6があるが、この場合(ステップS6において表示設定情報D7に代えてレイヤ画像生成情報D6が送信される場合)、地図画像送信システムの動作の概要は、ステップS1〜S7までは表示設定情報D7が送信された場合と同様に行われ、ステップS8以降の処理が省かれる。
【0068】
<実施の形態1>
(地図画像生成装置14の機能構成)
図7は、この発明の実施の形態1である地図画像生成装置14の機能構成を示したブロック図である。
【0069】
同図に示すように、地図画像生成装置14は、レイヤ画像生成手段401、レイヤ画像生成判断手段402、地図画像合成手段403、合成画像再利用判断手段404、合成画像廃棄手段405、地図DB通信手段406、レイヤ画像DB通信手段407、合成画像DB通信手段408、表示設定履歴DB通信手段409、レイヤ画像生成情報通信手段410、表示設定情報通信手段411、及び地図画像送信手段412を備える。
【0070】
地図DB通信手段406は、DBサーバ5の地図DB9と通信を行い、地図DB9からの地図データD9を受信する。
【0071】
レイヤ画像DB通信手段407は、DBサーバ5のレイヤ画像DB10と通信を行い、レイヤ画像I10の送受信を行う。
【0072】
合成画像DB通信手段408は、DBサーバ5の合成画像DB11と通信を行い、合成画像I11の送受信を行う。
【0073】
表示設定履歴DB通信手段409は、DBサーバ5の表示設定履歴DB12と通信を行い、表示設定情報通信手段411を介して得られる表示設定情報D7の送信、表示設定履歴情報D12の受信を行う。
【0074】
レイヤ画像生成情報通信手段410は、WEBサーバ3と通信を行い、WEBサーバ3からのレイヤ画像生成情報D6を受信する。
【0075】
表示設定情報通信手段411は、WEBサーバ3と通信を行い、WEBサーバ3からの表示設定情報D7を受信する。
【0076】
地図画像送信手段412は、地図画像合成手段403から生成された表示用地図画像を取得し、地図画像I13としてWEBサーバ3を介してクライアントシステム15に送信する。
【0077】
なお、図7において、上述した通信手段406〜412のブロックが間に挟まれる矢印が、データ(情報,画像)の送受信状態を示している。
【0078】
レイヤ画像生成判断手段401は、地図DB通信手段409を介して得られる地図DB9内の地図データD9に対して行う空間検索の結果と、表示設定履歴DB通信手段409を介して表示設定履歴DB12から取得した表示設定履歴情報D12に基づき、レイヤ画像生成判断処理を実行する。
【0079】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報通信手段410を介して取得したレイヤ画像生成情報D6を指示する生成要求対象のレイヤ画像、もしくは地図画像合成手段403を介して取得した表示用地図画像の生成に必要なレイヤ画像に関し、上述した空間検索結果と表示設定履歴情報D12の指示内容に基づき、生成不要な省略レイヤ画像部分の有無を判断する上記レイヤ画像生成判断処理を実行する。
【0080】
レイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成情報D6で指示する生成要求対象のレイヤ画像のうち、地図DB9から取得した地図データD9を基にして、地図画像生成設定情報D8で定義されたサイズおよびファイル形式に従ってタイル状に分割された状態(複数の分割レイヤ画像にした状態)で生成する。そして、その生成したレイヤ画像I10のうち上記省略レイヤ画像部分を除くレイヤ画像を、レイヤ画像生成判断手段401によって生成すべきと判断されたレイヤ画像として、地図画像生成設定情報D8で定義された保存規則に従ってレイヤ画像DB通信手段407を介してレイヤ画像DB10に保存する。なお、レイヤ画像生成手段402はレイヤ画像生成判断手段401を介してレイヤ画像生成情報D6を得ることができる。また、レイヤ画像生成手段402がレイヤ画像生成情報通信手段410からレイヤ画像生成情報D6を直接得るようにしても良い。
【0081】
地図画像合成手段403は、表示情報通信手段411を介して取得した表示設定情報D7の指示する表示用地図画像を、レイヤ画像DB10もしくは合成画像DB11から取得した画像を必要に応じて適宜重畳合成することで生成する。さらに、地図画像合成手段403は、その生成した表示用地図画像が複数種のレイヤ画像からなる合成画像である場合、地図画像生成設定情報D8で定義された保存規則に従って合成画像DB通信手段408を介して合成画像DB11として保存する。さらに、地図画像合成手段403は、生成した表示用地図画像を地図画像I13として、地図画像送信手段412を介してWEBサーバ3に送信する。
【0082】
上述した表示用地図画像の生成に必要な各レイヤ画像のうち、レイヤ画像DB10に存在しない画像(不足レイヤ画像)がある場合、レイヤ画像生成判断手段401に当該不足レイヤ画像の情報を送信して、不足レイヤ画像の生成を要求する。
【0083】
また、地図画像合成手段403は、当該表示用地図画像の生成に際して、合成画像再利用判断手段404から再利用できる地図画像(合成画像)を取得できる場合は、当該合成画像と、レイヤ画像DB通信手段45を介してレイヤ画像DB10から取得したレイヤ画像とを重畳合成して、タイル状に分割された状態で表示用地図画像を生成する。この際、合成画像をそのまま表示用地図画像とできる場合は合成画像DB11から取得した合成画像I11のみを再利用することができる。
【0084】
一方、地図画像合成手段403は、再利用できる合成画像が取得できない場合は、レイヤ画像DB10から取得したレイヤ画像I10のみを重畳合成して、表示用地図画像を生成する。
【0085】
合成画像再利用判断手段404は、合成画像DB通信手段408を介して取得した合成画像DB11に保存されている合成画像I11のなかから、地図画像合成手段403を介して取得した表示設定情報D7の指示する表示用地図画像の生成に再利用できる合成画像の有無を判断する。そして、合成画像再利用判断手段404は再利用可能と判断した場合は、再利用可能な合成画像を地図画像合成手段403に出力する。
【0086】
合成画像廃棄手段405は、地図画像生成設定情報D8で定義された廃棄定義に従って、合成画像DB通信手段408を介して合成画像DB11に保存された破棄対象の合成画像を適宜廃棄する。
【0087】
図8はレイヤ画像生成判断手段401により実行される、レイヤ画像の生成を省略できる部分(省略レイヤ画像部分)の有無を判断するレイヤ画像生成判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
図9はレイヤ画像生成手段402により実行されるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
図10はレイヤ画像生成手段402により実行されるレイヤ画像生成処理の処理内容を模式的に示す説明図である。
【0090】
以下、図7〜図10を参照して、地図画像生成装置14(におけるレイヤ画像生成判断手段401及びレイヤ画像生成手段402)によるレイヤ画像生成処理(図6のステップS7に相当)の詳細を説明する。
【0091】
まず、図8を参照して、レイヤ画像生成判断手段401によるレイヤ画像生成判断処理について説明する。
【0092】
同図を参照して、ステップS20において、WEBサーバからのレイヤ画像生成情報D6もしくは、後述する地図画像合成手段403からのレイヤ画像生成要求を取得する。
【0093】
そして、ステップS21において、最初に、当該生成要求範囲内のレイヤ画像省略部分の有無を判別する対象となるレイヤ画像(初期判別レイヤ)を、当該生成要求対象のレイヤ画像の中から決定する。例えば、地図画像生成設定情報D8に含まれる表示レイヤ順序の最も上位のものを初期判別レイヤとする決定が考えられる。
【0094】
そして、ステップS22において、ステップS21で決定した(初期)判別レイヤについて、当該判別レイヤの主レイヤが生成要求対象のレイヤの中に存在するか確認する。そして、ステップS22において、主レイヤが存在する場合(YES)、当該判別レイヤのレイヤ画像生成を省略しステップS25に進む。すなわち、互いに主従関係を有する主レイヤ(画像)及び従レイヤ(画像)の組合せからなる主従レイヤ画像群が存在する場合、ステップS23の空間検索を行うのは主レイヤ画像のみに絞り込んでいる。
【0095】
一方、ステップS22で主レイヤが存在しない場合(NO)、ステップS23に移行する。ステップS23において、地図DB9に格納された地図データD9に対して空間検索を行い、判別レイヤに関し生成範囲内のタイル状に分割された領域(分割レイヤ領域)それぞれにおける分割レイヤ画像について当該判別レイヤの種別に該当する地物が存在するか否かを調べる。そして、地物が存在しない分割レイヤ画像については画像生成を省略する省略レイヤ画像部分として指定する。
【0096】
次に、ステップS24で当該判別レイヤに従レイヤが存在するかを確認し、存在する場合、当該従レイヤに対しても同一範囲の分割レイヤ画像を省略レイヤ画像部分として併せて指定し、ステップS25に進む。
【0097】
ステップS25において、すべての生成対象のレイヤ(主レイヤを有するレイヤは除かれる)に対して判別を終えたか判定し、終えていない場合はステップS26で判別レイヤを更新し、ステップS22に戻る。
【0098】
終えている場合(ステップS25でYES)は、ステップS27で省略レイヤ画像部分の指定を受けていない各レイヤの各分割レイヤ画像について、表示履歴DB12から地図画像生成設定情報D8で定義された表示設定履歴DB利用定義に設定された対象期間における当該画像の使用回数(所定の基準)を取得する。この使用回数が表示設定履歴DB利用定義(所定の基準)に設定された使用回数閾値を超えていない場合、当該分割レイヤ画像の生成を省略するよう指定し、生成判断処理を終了する。
【0099】
以下、図10を用いて、図8で示した生成判断処理の具体例を説明する。図10に示すように、レイヤ画像生成情報D6によって、分割レイヤ画像群L400b及びL400c(Bレイヤ及びCレイヤ)が指定された場合を想定する。
【0100】
Bレイヤ(電線レイヤ)、Cレイヤ(電柱レイヤ)の所定の縮尺、範囲のタイルである分割レイヤ画像Lb1〜Lb4,分割レイヤ画像Lc1〜Lc4が与えられ、BレイヤがCレイヤの主レイヤとなっている主従関係を有する場合のレイヤ生成処理を示している。主レイヤであるBレイヤに対して空間検索を用いることで、分割レイヤ画像Lb3に地物がないことを認識し、分割レイヤ画像Lb3の生成を省略できると判断し、省略レイヤ画像部分と判断する(ステップS23の処理)。また、この結果を流用し、Bレイヤに対して従レイヤとなるCレイヤのレイヤ画像である分割レイヤ画像Lc3(分割レイヤ画像Lb3に合致する分割レイヤ領域)も併せて省略レイヤ画像部分と判断する(ステップS24の処理)。
【0101】
図7に示すように、レイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成判断手段401からレイヤ画像生成情報D6が指示する生成要求対象のレイヤ画像に加えて、レイヤ画像生成判断手段401が判断した省略レイヤ画像部分に関する情報を取得し、地図DB9内の情報を基にレイヤ画像を生成する。
【0102】
以下、図9を参照して、レイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理を説明する。
【0103】
まず、ステップS31で最初に生成するレイヤ(初期生成レイヤ)を決定する。例えば、地図画像生成設定情報D8に含まれる表示レイヤ順序の最も上位のものを最初の生成レイヤとする。
【0104】
次に、ステップS32で初期生成レイヤにおける生成対象となる画像群(生成対象画像群)を決定する。たとえば、当該生成要求範囲の東北端の4×4構成の生成対象画像群を決定する。この場合、生成対象画像群における複数の分割レイヤ画像として、4×4=16個の分割レイヤ画像が生成対象となる。
【0105】
そして、ステップS33において、当該レイヤの生成対象画像群に対応するレイヤ画像を、地図DB9に保存された地図データD9を基に一度に生成する。
【0106】
次に、ステップS34で生成したレイヤ画像をタイル状に分割して切り分けることにより複数の分割レイヤ画像を生成する。
【0107】
その後、ステップS35において、ステップS34で生成した複数の分割レイヤ画像のうち、レイヤ画像生成判断手段401で省略レイヤ画像部分として指定されていない分割レイヤ画像を選択的にレイヤ画像DB10に保存する。ただし、地物が存在しない分割レイヤ画像については、レイヤ画像データは保存されないが、当該レイヤ画像に地物が存在しないという地物不存在情報を、当該分割レイヤ画像が保存されるべきファイルに特定のファイル(画像でないファイル)形式で保存することにより、レイヤ画像DB10に保存する。このように、レイヤ画像生成判断手段401は、ステップS35で生成した複数の分割レイヤ画像のうち、レイヤ画像生成手段402の指示する省略レイヤ画像部分を除く分割レイヤ画像を実レイヤ画像生成対象としている。
【0108】
上述したように、地物不存在情報を保存するのは、表示用地図画像の生成に必要な(分割)レイヤ画像のうち、地物が存在しないためにレイヤ画像DB10に保存されていない分割レイヤ画像について、当該分割レイヤ画像を生成する必要がないことを明示するためである。
【0109】
次に、ステップS36において、生成対象レイヤに関し、生成済みのレイヤ画像と生成要求範囲を基に未生成のレイヤ画像が残っているかを確認することにより、レイヤ画像の生成の完了の有無をチェックする。
【0110】
ステップS36で生成すべきレイヤ画像が残っていると判定した場合(NO)は、ステップS37で生成対象画像群を更新してステップS33に戻る。
【0111】
一方、ステップS36で生成すべきレイヤ画像が残っていないと判定した場合(YES)は、ステップS38ですべての生成対象レイヤにおいてレイヤ画像の生成を終えたか否かを確認する。終えていない場合(ステップS38でNO)はステップS39で生成対象のレイヤを更新し、ステップS32に戻る。終えている場合(ステップS38でYES)は、レイヤ画像生成処理を終了する。
【0112】
図11は地図画像合成手段403による地図画像合成処理の処理手順を示すフローチャートである。図12は合成画像再利用判断手段404による合成画像再利用判断処理の処理手順を示すフローチャートである。図13は地図画像合成手段403による地図画像合成処理内容を模式的に示す説明図である。
【0113】
以下、図7、図11〜図13に基づき、地図画像生成装置14(におけるレイヤ画像生成手段402及び地図画像合成手段403)による地図画像合成処理(図6のステップS8)を詳細について説明する。
【0114】
図11を参照して、地図画像合成手段403は、ステップS301表示設定情報D7を取得すると、ステップS302において、表示用地図画像の生成に必要となるレイヤ画像がすべてレイヤ画像DB10に存在するかを調べる。この際、レイヤ画像DB10に存在しないレイヤ画像のうち、当該レイヤ画像が保存されるべきファイルに特定のファイル(当該レイヤ画像上に地物が存在しないことを表す等)が保存されている場合、当該レイヤ画像は存在すると判定する。
【0115】
必要なレイヤ画像がすべてある場合(ステップS301でYES)は、ステップS303に移行し、ない場合(ステップS301でNO)はステップS302に移行する。
【0116】
ステップS302において、当該不足分のレイヤ画像の生成処理を図8及び図9に示した生成判断処理、画像生成処理を通して行う。このステップS302における画像生成処理は、図8のステップS20で示した地図画像合成手段403からのレイヤ画像生成要求に応答することにより実行される。
【0117】
ただし、図8に示した生成判断処理において、ステップS27(表示設定履歴DB12を用いた画像生成省略指定)は省略する(当該レイヤ画像が表示要求対象の地図画像生成に必要なことが明白なため)。
【0118】
次に、ステップS303において、表示用地図画像を構成するレイヤ数である表示対象レベルが“2”以上あるかを確認する。表示対象レベルが“2”以上ない場合(ステップS303でNO)、ステップS304〜S311の処理を省略してステップS312に進む。なぜなら、表示対象レベル“1”の場合、重畳合成を行う必要がないからである。
【0119】
表示対象レベルが“2”以上ある場合(ステップS303でYES)、ステップS304において、合成画像DB11に保存されている合成画像I11に関する縮尺、範囲、構成レイヤの情報を取得する。
【0120】
次に、ステップS305において、合成画像再利用判断を行う前処理として、表示用地図画像を構成する一の表示対象画像部分を抽出する(例えば、表示用地図画像における東北端から所定の範囲の画像部分)。
【0121】
次に、ステップS306において、ステップS305で抽出した表示対象画像部分について、レイヤ構成が完全同一の合成画像I11が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在する場合(YES)は合成画像DB11内の合成画像I11を完全一致合成画像としてそのまま再利用可能と判断しステップS310に移行し、存在しない場合(NO)はステップS307以降の判断処理に進む。
【0122】
ステップS307において、合成画像再利用判断(後に詳述する)を行い、表示用地図画像の一部として再利用可能である部分一致合成画像が合成画像DB11内に存在すると判断した場合は、部分一致合成画像となる合成画像I11を合成画像DB11から取得する。
【0123】
次に、ステップS308で、ステップS307で再利用可能な合成画像I11(部分一致合成画像)を取得した場合は、取得した部分一致合成画像の上から、残りの構成レイヤ(表示用地図画像のうち、取得した合成画像に含まれないレイヤ画像)を重畳合成して画像合成を行う。
【0124】
一方、ステップS308において、再利用可能な合成画像がない場合(ステップS307で再利用可能な合成画像を取得できなかった場合)は、表示用地図画像を構成する各レイヤ画像をレイヤ画像DB10から取得して重畳合成して画像合成を行う。
【0125】
このように、ステップS308において、合成画像DB11に再利用可能な部分一致合成画像が存在する場合は当該部分一致合成画像を再利用した画像合成を行い、再利用可能な合成画像が存在しない場合はレイヤ画像DB10内のレイヤ画像I10のみを用いた画像合成を行う。
【0126】
次に、ステップS309において、ステップS308で画像合成して生成した表示用地図画像を新たな合成画像として合成画像DB11内に保存する。
【0127】
次に、ステップS310において、当該合成画像の生成で当該表示設定に必要なすべての画像を生成し終えたか確認する。終えていない場合(ステップS310でNO)、ステップS311で表示対象画像部分を更新した後、ステップS306に戻る。終えた場合(ステップS310でYES)、ステップS312ですべての表示対象画像部分を含む複数の分割合成画像(タイル合成画像)より構成される表示用地図画像を地図画像I13として送信処理し、地図画像合成処理を終了する。
【0128】
次に、地図画像合成処理中のステップS307の合成画像再利用判断手段404による合成画像再利用判断処理について図12を用いて説明する。
【0129】
図7に示すように、合成画像再利用判断手段404は、地図画像合成手段403から抽出された表示用地図画像に関する情報と合成画像DB11に保存されている各合成画像の縮尺、範囲、構成レイヤに関する情報を取得する。
【0130】
そして、ステップS41において、表示対象画像部分に関してまず同一の範囲を持つ合成画像が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在しない場合(NO)はステップS46に移行し、存在する場合(YES)はステップS42に進む。
【0131】
ステップS42において、当該表示対象画像部分の構成する複数のレイヤから最上位のレイヤを除いた画像部分を新たな探索対象画像部分として設定する。例えば、当該表示対象画像部分を構成するレイヤがA,B,C(Cが最上位レイヤ)の場合、最上位レイヤCを除いたレイヤA,Bからなる画像部分を探索対象画像部分とする。
【0132】
次に、ステップS43で探索対象画像部分と同一の範囲かつ同一レイヤ構成からなる合成画像が合成画像DB11に存在するかを確認し、存在する場合(YES)はステップS44で当該合成画像を部分一致合成画像として再利用できると判断し、地図画像再利用判断を終了する。
【0133】
一方、存在しない場合(ステップS43でNO)、ステップS45で探索対象画像部分の構成レイヤが“2”以下であるか確認する。“2”以下でない場合、合成画像の再利用の可能性が残存しているためステップS42に戻る。“2”以下である場合、ステップS46で再利用できる合成画像がないと判断し、地図画像再利用判断処理を終了する。
【0134】
例えば、図13に示すように、表示設定情報D7が指示する表示用地図画像が、レイヤA,B,C(Cが最上位レイヤ)を構成レイヤとする所定の範囲、縮尺のタイルであるLabc1〜Labc4からなる分割地図画像群M400abcに該当し、Lab1〜Lab4(構成レイヤがA,B)からなる分割地図画像群M400abが合成画像DB11に保存されている場合を想定する。
【0135】
この場合、分割地図画像群M400abであるLab1〜Lab4に、分割レイヤ画像群L400CであるLc1〜Lc4のみを重畳合成することにより、表示用地図画像を生成することができる。すなわち、分割合成画像群M400abを部分一致合成画像として再利用して、表示用地図画像である分割合成画像群M400abcを生成することができる。そして、生成された表示用地図画像は合成画像として合成画像DB11に保存されるとともに、地図画像I13としてWEBサーバ3に送信処理される。
【0136】
図14は地図画像生成装置14(における合成画像廃棄手段405)による地図画像破棄処理(図6のステップS11)を示すフローチャートである。
【0137】
以下、図8および図14を参照して、画像破棄処理の詳細について説明する。
【0138】
まず、ステップS50において、合成画像廃棄手段405は、地図画像生成設定情報D8を取得する。
【0139】
そして、ステップS51で、地図画像破棄処理手段405は、地理情報システムサーバ4の地図画像生成情報8で定義された廃棄定義(所定の基準)に従って、合成画像DB通信手段45を介してDBサーバ5の合成画像DB11に保存された合成画像の廃棄を実施する。
【0140】
上記の廃棄定義には、例えば、レイヤ画像DB10に保存されたレイヤ画像がレイヤ画像生成処理によって更新された際に、更新前のレイヤ画像を用いて生成された合成画像を廃棄する手法が定義されている。これにより、レイヤ画像の更新を反映した合成画像を常時、管理することができる。
【0141】
さらに、上記の廃棄定義として、例えば、合成画像DB11に保存された各合成画像の構成レイヤ数、及び表示設定履歴DB12から得られる当該画像の利用頻度に応じて、各合成画像を廃棄する手法が定義されている。この場合、各合成画像について構成レイヤ数(構成レイヤ数が多いほど生成時の処理負荷が高いので、再利用した際の利点が大きい)と利用頻度を乗算した値を算出し、この値が最も低い合成画像から廃棄される。これにより、有効な合成画像を優先的に合成画像DB11内に保持することができる。
【0142】
合成画像廃棄手段405による合成画像の破棄は、例えば、レイヤ画像が生成されたとき、地図画像生成設定情報D8に設定された日時、1日間隔や1ヶ月間隔等の指定された間隔、合成画像DB11の使用記憶容量が閾値を超えたときなどに適宜実施される。
【0143】
このように、実施の形態1の地図画像生成装置14におけるレイヤ画像生成手段402は、レイヤ画像生成情報D6による生成対象レイヤとなる所定数の種類のレイヤ画像に対し、レイヤ画像生成判断手段401で判断された省略レイヤ画像部分を除く部分を実レイヤ画像生成対象としてレイヤ画像生成処理を実行している。このため、不要な部分のレイヤ画像のレイヤ画像DB10への保存を適切に省略でき、レイヤ画像生成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【0144】
さらに、実施の形態1の地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成時にレイヤ画像生成判断手段401が空間検索を用いることで、地物の存在しないレイヤ画像部分を省略レイヤ画像部分として指定してその生成を省略することができるため、画像生成処理に要する時間を短縮することができる。
【0145】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6の指示するレイヤ生成範囲に対応する複数の分割レイヤ領域を判断対象とし、上記複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行い、地物が存在しない分割レイヤ領域に対応する分割レイヤ画像を上記省略レイヤ画像部分として判断している。
【0146】
このように、レイヤ画像生成判断手段401は、判断対象となる複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行うことにより、レイヤ生成範囲に地物が存在しない、地図画像として生成不要な空の領域を高速に認識することができる。
【0147】
さらに、本実施の形態の地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成判断手段401は地図画像生成設定情報D8に定義されたレイヤの主従関係を用いて、空間検索を実施するレイヤを削減することができるため、レイヤ画像生成判断処理の中核となる空間検索処理に要する時間を短縮することができる。
【0148】
この主従関係を設定できるレイヤの例としては、「電線(主)・電柱(従)」、「電柱(主)・変圧器(従)」、「道路(主)・信号機(従)」、「水道管(主)・マンホール(従)」などが挙げられる。主従関係が設定されたレイヤにおいては、主レイヤの地物がない位置には、従レイヤの地物がないと判断されるため、主レイヤに対する空間検索を用いて地物がないと判断された範囲に関して、従レイヤの地物がないと(従レイヤに対する空間検索なしに)判断できる。
【0149】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401、空間検索によって主レイヤ画像における少なくとも一つの分割レイヤ領域における分割レイヤ画像を上記省略レイヤ画像部分と判定した場合、主従関係のなる従レイヤ画像において上記少なくとも一つの分割レイヤ領域に合致する領域における分割レイヤ画像を併せて上記省略レイヤ画像部分と判断する。このため、従レイヤ画像に対する空間検索処理を省略できる分、レイヤ画像生成判断処理における空間検索に要する時間を短縮することができる効果を奏する。
【0150】
さらに、この地図画像生成装置14によれば、レイヤ画像生成判断手段401は、表示設定履歴DB12内の表示設定履歴情報D12を基に、利用頻度が低い等、所定の基準を満足しないレイヤ画像の生成を省略する処理を併せて実行することにより、画像生成処理に要する時間を短縮することができる。
【0151】
すなわち、レイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成判断処理として、表示設定履歴情報D12に基づき、生成対象レイヤに対応する所定数の種類のレイヤ画像に関し、利用内容が所定の基準を満足しないレイヤ画像部分をさらに上記省略レイヤ画像部分として判断する処理を含んでいる。このため、実レイヤ画像生成対象をさらに絞り込むことができ、レイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理に要する時間のより一層の短縮化を図ることができる。
【0152】
さらに実施の形態1の地図画像生成装置14は、合成画像DB11に保存した合成画像I11の再利用可能性の有無を判断する合成画像再利用判断手段404を有するため、合成画像DB11の合成画像I11を適宜再利用して地図画像合成手段403により表示用地図画像を生成することにより、表示用地図画像の合成処理に要する時間短縮を図ることができる。
【0153】
加えて、この地図画像生成装置14によれば、合成画像再利用判断手段404は、表示用地図画像の構成レイヤに関して、上位レイヤから1レイヤずつ取り除いた構成レイヤを持つ画像を探索対象画像部分とし、探索対象画像部分と同一の構成レイヤからなる画像が合成画像DB11に保存されている場合に当該合成画像を部分一致合成画像として再利用可能であると判断する。その結果、地図画像合成手段403は合成画像再利用判断手段404による上記判断結果に基づき、最も構成レイヤの多い合成画像を優先的に再利用することができる。
【0154】
このように、合成画像再利用判断手段404は、探索対象画像部分と一致する部分一致合成画像の有無を判断する合成画像再利用判断処理を実行するため、合成画像DB11に保存される合成画像の再利用率を高めることができる。
【0155】
<実施の形態2>
実施の形態1では、レイヤ画像生成処理おいて、一度に複数の分割レイヤ画像を含んだ画像を生成する処理を実行していた。すなわち、省略レイヤ画像部分となる分割レイヤ画像を含めて一旦は複数の分割レイヤ画像を生成していた。しかし、省略レイヤ画像部分に該当する分割レイヤ画像の生成を省略して、省略しない分割レイヤ画像のみを選択的に生成するようにしても良い。このようにすることで、保存されることのない分割レイヤ画像の生成を省略できる。
【0156】
図15は実施の形態2の地図画像生成装置14のレイヤ画像生成手段402によるレイヤ画像生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0157】
以下、実施の形態2の地図画像生成装置14によるレイヤ画像生成処理の詳細を図7、図15を参照して説明する。
【0158】
レイヤ画像生成手段402、レイヤ画像生成判断手段401から情報を取得し、レイヤ画像を生成する。
【0159】
まず、ステップS61で最初に生成するレイヤ(初期生成レイヤ)を決定し、ステップS62で初期生成レイヤにおける生成対象となる一の分割レイヤ画像(生成対象画像)を決定する。
【0160】
次に、ステップS63で当該生成対象画像に対応する分割レイヤ画像がレイヤ画像生成判断手段401により省略を指定されている省略レイヤ画像部分に該当するか否かを確認し、省略を指定されている場合(YES)は、ステップS64,S65の生成,保存処理を行うことなくステップS66に移行し、省略を指定されていない場合(NO)はステップS64に進む。
【0161】
ステップS64において、当該レイヤの生成対象画像に対応する分割レイヤ画像を、地図DB9に保存された地図データD9に基づき生成する。
【0162】
そして、ステップS65において、ステップS65で生成した分割レイヤ画像をレイヤ画像DB10に保存する。
【0163】
次に、ステップS66において、生成対象レイヤに関し、生成済みの分割レイヤ画像と生成要求範囲を基に未生成の分割レイヤ画像が残っているかを確認することにより、レイヤ画像の生成の完了の有無をチェックする。
【0164】
ステップS66で生成すべき分割レイヤ画像が残っていると判定した場合(NO)は、ステップS67で生成対象画像となる分割レイヤ画像を更新してステップS63に戻る。
【0165】
一方、ステップS66で生成すべき分割レイヤ画像が残っていないと判定した場合(YES)は、ステップS68ですべての生成対象レイヤにおいてレイヤ画像の生成を終えたか否かを確認する。終えていない場合(ステップS68でNO)はステップS69で生成対象のレイヤを更新し、ステップS62に戻る。終えている場合(ステップS68でYES)は、レイヤ画像生成処理を終了する。
【0166】
このように、実施の形態2の地図画像生成装置は、レイヤ画像生成判断手段401の判断結果に基づくレイヤ画像生成処理を分割レイヤ画像単位に行うことにより、保存不要な省略レイヤ画像部分となる分割レイヤ画像の生成処理をも省略することができる。その結果、実施の形態1以上に、効率良く上記レイヤ画像生成処理を実行することができる。
【0167】
<実施の形態3>
実施の形態3の地図画像生成装置は、地図画像生成設定情報D8で定義した生成規則として、各レイヤに対して空間検索を行わないレイヤ画像である空間検索不要レイヤ(判断処理不要レイヤ)を予め指定しておき、空間検索不要レイヤをレイヤ画像生成判断処理対象から除外し、空間検索を行わないように構成している。これにより、地物の密度が高く、空間検索を行っても地物の存在しないタイル(省略レイヤ画像部分)が存在しないことが予め予想できる範囲について、空間検索の処理負荷をなくすことができる。
【0168】
このように、実施の形態3の地図画像生成装置におけるレイヤ画像生成判断手段401は、レイヤ画像生成情報D6が指示する所定数の種類のレイヤ画像のうち、地図画像生成設定情報D8が指示する上記空間検索不要レイヤ(判断処理不要レイヤ)を除き、上記レイヤ画像生成判断処理を実行している。
【0169】
したがって、レイヤ画像生成情報通信手段410による空間検索によるレイヤ画像生成判断処理をより効率的に行うことができる。
【0170】
(その他)
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 地図画像送信サーバ、2 ネットワーク、3 WEBサーバ、4 地理情報システムサーバ、5 DBサーバ、9 地図DB、10 レイヤ画像DB、11 合成画像DB、12 表示設定履歴DB、14 地図画像生成装置、15 クライアントシステム、401 レイヤ画像生成情報通信手段、402 レイヤ画像生成手段、403 地図画像合成手段、404 合成画像再利用判断手段、405 合成画像廃棄手段、406 地図DB通信手段、407 レイヤ画像DB通信手段、408 合成画像DB通信手段、409 表示設定履歴DB通信手段、410 レイヤ画像生成情報通信手段、411 表示設定情報通信手段、412 地図画像送信手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを格納する地図データベース及び前記地図データに対応した複数種のレイヤ画像を格納するレイヤ画像データベースとアクセス可能であり、クライアント側から送信された表示設定情報に従って、前記複数種のレイヤ画像内の少なくとも一種類のレイヤ画像を含んだ構成の地図画像を提供する地図画像生成装置であって、
クライアント側から送信され、生成対象となるレイヤ画像の種別を示す生成対象レイヤ種別を少なくとも指示するレイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記レイヤ生成対象種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ種類毎に生成して前記レイヤ画像データベースに蓄積するレイヤ画像生成処理を実行するレイヤ画像生成手段と、
前記レイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、その生成を省略可能な部分を省略レイヤ画像部分と判断するレイヤ画像生成判断処理を実行するレイヤ画像生成判断手段と、
前記レイヤ画像生成手段は、前記省略レイヤ画像部分を除く部分を前記レイヤ画像データベース保存用の実レイヤ画像生成対象として、前記レイヤ画像生成処理を実行することを特徴する、
地図画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成情報はレイヤ生成範囲をさらに指示し、
前記レイヤ画像生成判断手段は、前記所定数の種類のレイヤ画像のうち少なくとも一部の種類のレイヤ画像に関し、前記レイヤ生成範囲に対応する複数の分割レイヤ領域を判断対象とし、前記複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行い、地物が存在しない分割レイヤ領域を前記省略レイヤ画像部分として判断することを特徴とする、
地図画像生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の地図画像生成装置であって、
前記所定数の種類のレイヤ画像は、互いに主従関係を有する主レイヤ画像及び従レイヤ画像の組合せからなる、少なくとも一組の主従レイヤ画像群を含み、前記主従レイヤ画像群は同一範囲において前記主レイヤ画像が空であれば、前記従レイヤ画像も必ず空となる前記主従関係を有し、
前記レイヤ画像生成判断手段は、
前記主従レイヤ画像群に対する空間検索を行う際、前記主レイヤ画像に対してのみ行い、
空間検索によって前記主レイヤ画像における少なくとも一つの前記分割レイヤ領域を前記省略レイヤ画像部分と判定した場合、前記従レイヤ画像において前記少なくとも一つの分割レイヤ領域に合致する分割レイヤ画像を併せて前記省略レイヤ画像部分と判断することを特徴とする、
地図画像生成装置。
【請求項4】
請求項2あるいは請求項3記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成手段は、前記レイヤ画像生成処理を前記分割レイヤ画像単位に行うことを特徴する、
地図画像生成装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成判断手段は、過去の所定期間における地図画像の利用内容を指示する地図画像利用情報を受け、
前記レイヤ画像生成判断処理は、前記地図画像利用情報に基づき、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、利用内容が所定の基準を満足しないレイヤ画像部分をさらに前記省略レイヤ画像部分とする処理を含む、
地図画像生成装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像データベースにアクセス可能であり、表示すべき地図画像である表示用地図画像を指示する前記表示設定情報に基づき、必要に応じて前記レイヤ画像データベースに保存されたレイヤ画像を合成して前記表示用地図画像を生成する地図画像合成手段をさらに備え、前記地図画像合成手段は、生成した前記表示用地図画像が少なくとも2種類のレイヤ画像を合成して構成される合成画像である場合に当該地図画像を合成画像として合成画像データベースに保存し、
前記合成画像データベースに保存された前記合成画像を再利用して、前記表示用地図画像を生成できるかを判断する合成画像再利用判断処理を実行する合成画像再利用判断手段をさらに備え、
前記地図画像合成手段は、前記合成画像データベースにさらにアクセス可能であり、前記合成画像再利用判断手段が合理画像の再利用が可能と判断した場合、前記合成画像データベースに保存された合成画像を再利用して前記表示用地図情報を生成する、
地図画像生成装置。
【請求項7】
請求項6項に記載の地図画像生成装置であって、
前記合成画像再利用判断手段よる前記合成画像再利用判断処理は、前記合成画像データベースに保存された合成画像のうち、前記レイヤ画像データベースに保存された所定のレイヤ画像との合成により前記表示用地図画像に合致する部分一致合成画像の有無を判断する処理を含み、
前記地図画像合成手段は、
前記合成画像データベースに保存された合成画像のうち、前記表示用地図画像に合致する完全一致合成画像が存在する場合、該完全一致合成画像をそのまま再利用して前記表示用地図情報を生成し、前記完全一致合成画像が存在せず前記合成画像再利用判断手段により判断された前記部分一致合成画像が存在する場合、前記部分一致合成画像に前記所定のレイヤ画像を合成して前記表示用地図情報を生成し、前記部分一致合成画像及び前記部分一致合成画像が共に存在しない場合、前記レイヤ画像データベースに保存されたレイヤ画像を合成して前記表示用地図情報を得る、
地図画像生成装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成判断手段は、前記レイヤ画像生成判断処理が不要な判断処理不要レイヤを指示する地図画像生成設定情報をさらに受け、前記所定数の所定数の種類のレイヤ画像のうち、前記地図画像設定情報が指示する前記判断処理不要レイヤを除き、前記レイヤ画像生成判断処理を実行する、
地図画像生成装置。
【請求項1】
地図データを格納する地図データベース及び前記地図データに対応した複数種のレイヤ画像を格納するレイヤ画像データベースとアクセス可能であり、クライアント側から送信された表示設定情報に従って、前記複数種のレイヤ画像内の少なくとも一種類のレイヤ画像を含んだ構成の地図画像を提供する地図画像生成装置であって、
クライアント側から送信され、生成対象となるレイヤ画像の種別を示す生成対象レイヤ種別を少なくとも指示するレイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記レイヤ生成対象種別に対応する所定数の種類のレイヤ画像をレイヤ種類毎に生成して前記レイヤ画像データベースに蓄積するレイヤ画像生成処理を実行するレイヤ画像生成手段と、
前記レイヤ画像生成情報に基づき、前記地図データベースにアクセスして、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、その生成を省略可能な部分を省略レイヤ画像部分と判断するレイヤ画像生成判断処理を実行するレイヤ画像生成判断手段と、
前記レイヤ画像生成手段は、前記省略レイヤ画像部分を除く部分を前記レイヤ画像データベース保存用の実レイヤ画像生成対象として、前記レイヤ画像生成処理を実行することを特徴する、
地図画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成情報はレイヤ生成範囲をさらに指示し、
前記レイヤ画像生成判断手段は、前記所定数の種類のレイヤ画像のうち少なくとも一部の種類のレイヤ画像に関し、前記レイヤ生成範囲に対応する複数の分割レイヤ領域を判断対象とし、前記複数の分割レイヤ領域それぞれに対して空間検索を行い、地物が存在しない分割レイヤ領域を前記省略レイヤ画像部分として判断することを特徴とする、
地図画像生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の地図画像生成装置であって、
前記所定数の種類のレイヤ画像は、互いに主従関係を有する主レイヤ画像及び従レイヤ画像の組合せからなる、少なくとも一組の主従レイヤ画像群を含み、前記主従レイヤ画像群は同一範囲において前記主レイヤ画像が空であれば、前記従レイヤ画像も必ず空となる前記主従関係を有し、
前記レイヤ画像生成判断手段は、
前記主従レイヤ画像群に対する空間検索を行う際、前記主レイヤ画像に対してのみ行い、
空間検索によって前記主レイヤ画像における少なくとも一つの前記分割レイヤ領域を前記省略レイヤ画像部分と判定した場合、前記従レイヤ画像において前記少なくとも一つの分割レイヤ領域に合致する分割レイヤ画像を併せて前記省略レイヤ画像部分と判断することを特徴とする、
地図画像生成装置。
【請求項4】
請求項2あるいは請求項3記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成手段は、前記レイヤ画像生成処理を前記分割レイヤ画像単位に行うことを特徴する、
地図画像生成装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成判断手段は、過去の所定期間における地図画像の利用内容を指示する地図画像利用情報を受け、
前記レイヤ画像生成判断処理は、前記地図画像利用情報に基づき、前記所定数の種類のレイヤ画像に関し、利用内容が所定の基準を満足しないレイヤ画像部分をさらに前記省略レイヤ画像部分とする処理を含む、
地図画像生成装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像データベースにアクセス可能であり、表示すべき地図画像である表示用地図画像を指示する前記表示設定情報に基づき、必要に応じて前記レイヤ画像データベースに保存されたレイヤ画像を合成して前記表示用地図画像を生成する地図画像合成手段をさらに備え、前記地図画像合成手段は、生成した前記表示用地図画像が少なくとも2種類のレイヤ画像を合成して構成される合成画像である場合に当該地図画像を合成画像として合成画像データベースに保存し、
前記合成画像データベースに保存された前記合成画像を再利用して、前記表示用地図画像を生成できるかを判断する合成画像再利用判断処理を実行する合成画像再利用判断手段をさらに備え、
前記地図画像合成手段は、前記合成画像データベースにさらにアクセス可能であり、前記合成画像再利用判断手段が合理画像の再利用が可能と判断した場合、前記合成画像データベースに保存された合成画像を再利用して前記表示用地図情報を生成する、
地図画像生成装置。
【請求項7】
請求項6項に記載の地図画像生成装置であって、
前記合成画像再利用判断手段よる前記合成画像再利用判断処理は、前記合成画像データベースに保存された合成画像のうち、前記レイヤ画像データベースに保存された所定のレイヤ画像との合成により前記表示用地図画像に合致する部分一致合成画像の有無を判断する処理を含み、
前記地図画像合成手段は、
前記合成画像データベースに保存された合成画像のうち、前記表示用地図画像に合致する完全一致合成画像が存在する場合、該完全一致合成画像をそのまま再利用して前記表示用地図情報を生成し、前記完全一致合成画像が存在せず前記合成画像再利用判断手段により判断された前記部分一致合成画像が存在する場合、前記部分一致合成画像に前記所定のレイヤ画像を合成して前記表示用地図情報を生成し、前記部分一致合成画像及び前記部分一致合成画像が共に存在しない場合、前記レイヤ画像データベースに保存されたレイヤ画像を合成して前記表示用地図情報を得る、
地図画像生成装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうち、いずれか1項に記載の地図画像生成装置であって、
前記レイヤ画像生成判断手段は、前記レイヤ画像生成判断処理が不要な判断処理不要レイヤを指示する地図画像生成設定情報をさらに受け、前記所定数の所定数の種類のレイヤ画像のうち、前記地図画像設定情報が指示する前記判断処理不要レイヤを除き、前記レイヤ画像生成判断処理を実行する、
地図画像生成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−97084(P2013−97084A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238204(P2011−238204)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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