地図画像表示システムおよび地図画像表示方法並びにプログラム

【課題】地図画像をズームインさせる際の処理負荷を低減する。
【解決手段】ズームイン指示がなされたときに、初期縮尺S0が閾値Sref以下で初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度である位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref以上のときには(S120,S150)、地図画像を初期縮尺S0から初期縮尺S0より大きな縮尺S1までズームインさせる第1ズームイン処理(S160),地図画像より簡易な簡易画像を割り込ませる割込処理(S170),地図画像を縮尺S1より大きく標準案内縮尺Ssetより小さな縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせる第2ズームイン処理(S180)を順に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図画像表示システムおよび地図画像表示方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の地図画像表示システムとしては、操作者によって入力された地点を含む地図データを読み出してズーム描画処理を行なって出力装置(ディスプレイ)に出力するものにおいて、ポリゴン地図データと道路地図データとを併用してズーム描画処理を実行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、こうした処理により、ズームによる地図表示を時間をかけずに円滑に行なえるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−242784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の地図画像表示システムでは、ズーム描画処理の開始時の縮尺から最終的に描画したい縮尺までズーム描画処理を行なうため、ズームの程度が大きいとき、例えば、地球全体〜半分程度などの広域図から通常の走行案内に用いる詳細図までズームするときなどには、ズーム描画処理に要する処理負荷が大きくなってしまう場合がある。
【0005】
本発明の地図画像表示システムおよび地図画像表示方法並びにプログラムは、地図画像をズームインさせる際の処理負荷を低減することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の地図画像表示システムおよび地図画像表示方法並びにプログラムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の地図画像表示システムは、
表示部に地図画像を表示する地図画像表示システムであって、
前記表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたとき、前記ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,前記第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段により処理された画像を前記表示部に表示する表示処理手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の地図画像表示システムでは、表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたときには、ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行すると共に、割込ズームイン処理による処理画像を表示部に表示する。これにより、地図画像の第1縮尺から第2縮尺までのズームインを実行しなくてよいから、処理負荷を低減することができる。ここで、「地図画像をズームインさせる」とは、地図画像を小縮尺側(広域側)から大縮尺側(詳細側)に変化させることを意味する。また、「第1縮尺」は、割込処理の開始直前の縮尺であり、初期縮尺より大きな縮尺が用いられる。さらに、「第2縮尺」は、割込処理の終了直後(第2ズームイン処理の開始時)の縮尺であり、第1縮尺より大きく且つ目標縮尺より小さな縮尺が用いられる。
【0009】
こうした本発明の地図画像表示システムにおいて、前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺が所定縮尺以下のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記初期縮尺が前記所定縮尺より大きいときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、ものとすることもできる。ここで、「所定縮尺」は、例えば、1つの国(例えば日本など)全体〜半分程度を表示部に表示可能な縮尺(例えば、5000万分の1や2000万分の1など)などを用いることができる。こうすれば、初期縮尺が所定縮尺以下のときに、処理負荷を低減することができる。一方、初期縮尺が所定縮尺より大きいときには、初期縮尺から目標縮尺までのズームインを表示部に表示(演出)することができる。
【0010】
このズームイン指示がなされたときに初期縮尺に応じて割込ズームイン処理または通しズームイン処理を実行する態様の本発明の地図画像表示システムにおいて、前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺が前記所定縮尺以下で且つ前記表示部に表示されている前記初期縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する初期対応位置と前記表示部に表示すべき前記目標縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する目標対応位置との位置ズレ程度が閾値以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記初期縮尺が前記所定縮尺より大きいときまたは前記位置ズレ程度が前記閾値未満のときには前記通しズームイン処理を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、初期縮尺が所定縮尺以下で位置ズレ程度が閾値以上のときに、地図座標における表示部の所定座標に対応する所定座標対応位置を初期対応位置から目標対応位置に比較的大きく移動させなければならないことによってユーザに違和感を与えてしまうのを抑制することができる。一方、初期縮尺が所定縮尺より大きいときや位置ズレ程度が閾値未満のときには、初期縮尺から目標縮尺までのズームインを表示部に表示(演出)することができる。
【0011】
また、本発明の地図画像表示システムにおいて、前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記表示部に表示されている前記初期縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する初期対応位置と前記表示部に表示すべき前記目標縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する目標対応位置との位置ズレ程度が閾値以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記位置ズレ程度が前記閾値未満のときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、位置ズレ程度が閾値以上のときに、地図座標における表示部の所定座標に対応する所定座標対応位置を初期対応位置から目標対応位置に比較的大きく移動させなければならないことによってユーザに違和感を与えてしまうのを抑制することができる。一方、位置ズレ程度が閾値未満のときには、初期縮尺から目標縮尺までのズームインを表示部に表示(演出)することができる。
【0012】
これらの初期対応位置と目標対応位置都のズレ程度を考慮して割込ズームイン処理または通しズームイン処理を実行する態様の本発明の地図画像表示システムにおいて、前記閾値は、前記初期縮尺の縮尺が小さいほど大きくなる傾向の値である、ものとすることもできる。また、前記目標対応位置は、地図画像における現在位置である、ものとすることもできる。さらに、前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期対応位置と前記目標対応位置とがズレているときには、地図画像における前記表示部の標準座標に対応する標準座標対応位置を前記初期対応位置から前記目標対応位置側に移動させながらズームインさせる手段である、ものとすることもできる。
【0013】
本発明の地図画像表示システムにおいて、前記簡易画像は、雲の画像,鳥の画像,白画像のいずれかである、ものとすることもできる。
【0014】
また、本発明の地図画像表示システムにおいて、前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺と前記目標縮尺との縮尺ズレ程度が所定ズレ程度以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記縮尺ズレ程度が前記所定ズレ程度未満のときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、ものとすることもできる。ここで、「所定ズレ程度」は、例えば、1つの国(例えば日本など)全体〜半分程度を表示部に表示可能な縮尺(例えば、5000万分の1や2000万分の1など)と通常の走行案内に用いられる縮尺(例えば、2万分の1や1万分の1など)との縮尺ズレ程度などを用いることができる。こうすれば、縮尺ズレ程度が所定ズレ程度以下のときに、処理負荷を低減することができる。一方、縮尺ズレ程度が所定ズレ程度より大きいときには、初期縮尺から目標縮尺までのズームインを表示部に表示(演出)することができる。
【0015】
本発明の地図画像表示方法は、
表示部に地図画像を表示する地図画像表示方法であって、
(a)前記表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたとき、前記ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,前記第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行するステップと、
(b)前記ステップ(a)により処理された画像を前記表示部に表示するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0016】
この本発明の地図画像表示方法では、表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたときには、ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行すると共に、割込ズームイン処理による処理画像を表示部に表示する。これにより、地図画像の第1縮尺から第2縮尺までのズームインを実行しなくてよいから、処理負荷を低減することができる。ここで、「地図画像をズームインさせる」とは、地図画像を小縮尺側(広域側)から大縮尺側(詳細側)に変化させることを意味する。また、「第1縮尺」は、割込処理の開始直前の縮尺であり、初期縮尺より大きな縮尺が用いられる。さらに、「第2縮尺」は、割込処理の終了直後(第2ズームイン処理の開始時)の縮尺であり、第1縮尺より大きく且つ目標縮尺より小さな縮尺が用いられる。
【0017】
本発明のプログラムは、上述の地図画像表示方法の各ステップを1以上のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータに配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに分担して実行させれば、上述の地図画像表示方法の各ステップが実現されるため、地図画像表示方法と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例である地図画像表示システムとしてのナビゲーション装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】ナビゲーション処理部64によるナビゲーション処理を実行するときに、地図画像表示処理部62による地図画像表示処理によりディスプレイ22に表示する標準案内用画面(画像)の一例を示す説明図である。
【図3】実施例の電子制御ユニット30の画像処理部66により実行されるズームイン指示時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】通しズームイン処理の実行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。
【図5】閾値設定用マップの一例を示す説明図である。
【図6】割込ズームイン処理の実行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。
【図7】第1ズームイン処理から割込処理への移行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の一実施例である地図画像表示システムとしてのナビゲーション装置20の構成の概略を示す構成図である。ナビゲーション装置20は、図示するように、文字や画像を表示する矩形状の画面を有する例えば液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどとして構成されたディスプレイ22と、ディスプレイ22の画面に取り付けられた例えば抵抗膜方式や静電容量方式などによるタッチパネル24と、ディスプレイ22の画面の下側に設けられてユーザが押下可能なボタン25と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット30と、各種アプリケーションソフトウェアや地図データなどを記憶する大容量メモリとしてのハードディスクドライブ(以下、HDDという)40とを備える。このナビゲーション装置20は、図示しない自動車に搭載されて車載バッテリからの電力供給を受けて作動する。
【0021】
電子制御ユニット30は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU32の他に各種処理プログラムを記憶するROM34と、データを一時的に記憶するRAM36と、記憶したデータを保持する不揮発性のフラッシュメモリ38と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。電子制御ユニット30には、操作者のタッチ位置を検出するタッチパネル24からの信号や、ボタン25からの信号,HDD40から読み出したデータ,GPS(Global Positioning System)衛星からの信号をGPSアンテナを介して受信するGPS受信機50からの信号,車両の進行方向やその変化を検出する例えばジャイロセンサによって構成された方位センサ52からの信号などが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット30からは、ディスプレイ22への表示信号やアンプを内蔵したスピーカ26への音声信号,HDD40に書き込むデータなどが出力ポートを介して出力されている。また、電子制御ユニット30は、車両全体をコントロールする図示しない車両用電子制御ユニットと通信ポートを介して接続されており、車両の状態に関するデータを通信により入力すると共に必要に応じてナビゲーション装置20の状態に関するデータを通信により出力している。
【0022】
HDD40には、地図データとして、複数の縮尺(例えば、2億分の1や1億分の1,8192万分の1,4096万分の1,2048万分の1,・・・,2万分の1,1万分の1,5000分の1,2500分の1など)の地図画像データなどが記憶されている。なお、ディスプレイ22のサイズなどに応じて若干異なるが、大体、2億分の1〜1億分の1程度が地球全体〜半分程度をディスプレイ22に表示可能な縮尺(以下、地球規模縮尺という)に相当し、5000万分の1〜2000万分の1程度が1つの国(例えば日本など)全体〜半分程度をディスプレイ22に表示可能な縮尺(以下、国規模縮尺という)に相当する。
【0023】
実施例のナビゲーション装置20では、電子制御ユニット30は、HDD40から必要なアプリケーションソフトウェアや地図データを読み出して各種処理を実行する。例えば、ハードウェア又はソフトウェア或いはその組み合わせによって実現される機能を表す図1の機能ブロックに示すように、電子制御ユニット30は、GPS受信機50からの信号や方位センサ56からの信号などに基づいて車両の現在位置である自車位置を判定するロケーション処理部60によるロケーション処理,地図データを用いてディスプレイ22に地図画像を表示する地図画像表示処理部62による地図画像表示処理,判定された自車位置から目的地への走行ルートを探索して地図画像表示処理部62による地図表示やスピーカ26からの音声出力によりルート案内を行なうナビゲーション処理部64によるナビゲーション処理,これらの処理に用いられる画像処理部66による各種画像処理などを実行する。
【0024】
図2は、ナビゲーション処理部64によるナビゲーション処理を実行するときに、地図画像表示処理部62による地図画像表示処理によりディスプレイ22に表示する標準案内用画面(画像)の一例を示す説明図である。ナビゲーション処理を実行するときには、基本的には、図示するように、ディスプレイ22の所定座標(図2の例ではディスプレイ22の画面の略中央より若干右下側の座標)に自車位置を示す記号(図2の例では矢印)を表示すると共に、ディスプレイ22の所定座標に地図画像における自車位置(例えば、A県B市・・・)が一致するよう標準案内縮尺Ssetの地図画像をディスプレイ22に表示する。ここで、標準案内縮尺Ssetは、予め定められた固定値(例えば、1万分の1や2万分の1など)を用いるものとしてもよいし、自車位置に対応する地域(市街地,郊外)や道路種別(一般道路,高速道路)などに応じて定められた縮尺を用いるものとしてもよい。なお、自車位置を示す記号は、実施例では、ディスプレイ22に表示する地図画像の縮尺Sが所定縮尺(例えば、国規模縮尺など)より大きいとき(詳細側のとき)にはディスプレイ22に表示し、縮尺Sが所定縮尺以下のとき(広域側のとき)にはディスプレイ22に表示しないものとした。
【0025】
次に、こうして構成された実施例のナビゲーション装置20の動作、特に、ディスプレイ22に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたときの動作について説明する。図3は、実施例の電子制御ユニット30の画像処理部66により実行されるズームイン指示時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、ユーザによってタッチパネル24やボタン25が操作されてズームイン指示がなされたときに実行される。なお、実施例では、「ズームイン指示がなされたとき」として、ディスプレイ22に表示している地図画像の縮尺Sが標準案内縮尺Sset未満(広域側)の状態で、ディスプレイ22に標準案内画面(図2参照)を表示するよう(標準案内画面に戻るよう)標準案内画面戻り指示がなされたときを考えるものとした。また、電子制御ユニット30は、このルーチンと並行して、画像処理部66による処理画像を地図画像表示処理部62によりディスプレイ22に表示する表示処理を実行する。
【0026】
ズームイン指示時処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット30は、まず、ディスプレイ22に表示している地図画像の縮尺Sや、ディスプレイ22の所定座標に対応する地図画像上の位置(例えば、A県B市・・・)である所定座標対応位置Pを入力し(ステップS100)、入力した縮尺Sを初期縮尺S0として設定すると共に入力した所定座標対応位置Pを初期対応位置P0として設定する(ステップS110)。
【0027】
続いて、初期縮尺S0を閾値Srefと比較する(ステップS120)。ここで、閾値Srefは、例えば、ズームインすべき程度が大きい(初期縮尺S0と標準案内縮尺Ssetとの乖離が大きい)か否かを判定するために用いられるものであり、例えば、国規模縮尺(例えば、5000万分の1や2000万分の1など)などの予め定められた所定縮尺を閾値Srefとして用いることができる。
【0028】
初期縮尺S0が閾値Srefより大きいとき(詳細側のとき)には、ズームインすべき程度は大きくないと判断し、HDD40に記憶されている地図データ(複数の縮尺の地図画像データ)を用いて、地図画像を初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせる通しズームイン処理を実行して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。電子制御ユニット30は、通しズームイン処理と並行して、通しズームイン処理による処理画像(ズームイン画像)をディスプレイ22に表示する表示処理を実行する。
【0029】
ここで、通しズームイン処理は、初期対応位置P0と地図画像における自車位置である目標対応位置Pset(標準案内画面においてディスプレイ22の所定座標に対応する地図画像上の位置)とがズレていないときには、所定座標対応位置Pを保持しながら初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせ、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとがズレているときには、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Psetに向けて徐々に(滑らかに)移動させながら初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせるものとした。なお、「初期対応位置P0と目標対応位置Psetとがズレている」とは、初期対応位置P0の座標と目標対応位置Psetの座標とが異なることや、初期対応位置P0が含まれる地図メッシュ(領域)と目標対応位置Psetが含まれる地図メッシュとが異なることをいう。
【0030】
また、開始時の縮尺から終了時の縮尺(通しズームイン処理ではそれぞれ初期縮尺S0,標準案内縮尺Sset)までの地図画像のズームインの方法としては、複数の縮尺のうち隣り合う縮尺間(例えば、4万分の1と2万分の1との間や2万分の1と1万分の1との間など)を所定回数(例えば、5回や10回,20回など)でズームインさせることによって行なうものとしたり、所定間隔(例えば、5%や10%,20%など)ずつズームインさせることによって行なうものとしたり、単位時間あたりのズームインの程度(縮尺の変化率)を開始時の縮尺から徐々に大きくしていくと共にその後に終了時の縮尺に向けて徐々に小さくしていくことによって行なうものとしたりするなど、如何なる方法としてもよい。例えば、これらの地図画像のズームインの方法のうち1つ目の方法を通しズームイン処理に適用して、初期縮尺S0,標準案内縮尺Ssetがそれぞれ8万分の1,1万分の1のときに8万分の1,4万分の1,2万分の1,1万分の1の地図画像データを用いて通しズームイン処理を実行する場合を考えると、8万分の1の地図画像データを用いて所定回数で4万分の1までズームインさせた後に4万分の1の地図画像データを用いて所定回数で2万分の1までズームインさせて、その後に、2万分の1の地図画像データを用いて所定回数で1万分の1までズームインさせて1万分の1の地図画像データに置き換えればよい。
【0031】
こうした通しズームイン処理およびそれに応じた表示処理の実行により、ディスプレイ22に表示する地図画像を、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとがズレているときには所定座標対応位置Pを目標対応位置Psetに向けて移動させながら、標準案内縮尺Ssetまでズームインさせることができる。図4は、通しズームイン処理の実行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。図4の例では、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとが略一致している状態で、ディスプレイ22に表示する地図画像を関東地方全体をディスプレイ22に表示可能な縮尺(例えば512万分の1など)から標準案内縮尺Ssetに変化させる場合を示した。図示するように、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0032】
ステップS120で初期縮尺S0が閾値Sref以下のときには、ズームインすべき程度が大きいと判断し、初期縮尺S0に基づいて、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度が大きいか否かを判定するための閾値ΔPrefを設定し(ステップS140)、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度である位置ズレ程度ΔPを閾値ΔPrefと比較する(ステップS150)。ここで、位置ズレ程度ΔPは、初期対応位置P0の座標と目標対応位置Psetの座標との座標間の距離や、初期対応位置P0が含まれる地図メッシュ(領域)の代表座標(例えば、メッシュの中央の座標など)と目標対応位置Psetが含まれる地図メッシュの代表座標との座標間の距離などを用いることができる。また、閾値ΔPrefは、実施例では、初期縮尺S0と閾値ΔPrefとの関係を予め定めて閾値設定用マップとして記憶しておき、初期縮尺S0が与えられると記憶したマップから対応する閾値ΔPrefを導出して設定するものとした。閾値設定用マップの一例を図5に示す。閾値ΔPrefは、図示するように、初期縮尺S0が小さいほど大きくなる傾向に設定するものとした。具体的には、初期縮尺S0が国規模縮尺(例えば、5000万分の1や2000万分の1など)のときには500kmなどを閾値ΔPrefに設定し、初期縮尺S0が地球規模縮尺(例えば、2億分の1や1億分の1など)のときには1000kmなどを閾値ΔPrefに設定するものとした。こうした傾向に閾値ΔPrefを設定する理由については後述する。
【0033】
位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref未満のときには、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度は大きくないと判断し、上述の通しズームイン処理を実行して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。この場合、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0034】
一方、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref以上のときには、初期対応位置P0と目標対応位置とのズレの程度が大きいと判断し、HDD40に記憶されている地図データ(複数の縮尺の地図画像データ)を用いて地図画像を初期縮尺S0から初期縮尺S0より大きな縮尺S1までズームインさせる第1ズームイン処理を実行し(ステップS160)、地図画像より簡易な簡易画像を割り込ませる割込処理を所定時間(例えば数百ミリ秒や1秒,2秒など)に亘って実行し(ステップS170)、HDD40に記憶されている地図データを用いて地図画像を縮尺S1より大きく標準案内縮尺Ssetより小さな縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせる第2ズームイン処理を実行して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。以下、この一連の処理を割込ズームイン処理という。また、電子制御ユニット30は、割込ズームイン処理と並行して、割込ズームイン処理による処理画像(ズームイン画像や簡易画像)をディスプレイ22に表示する表示処理を実行する。
【0035】
ここで、第1ズームイン処理は、いま初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度が大きいときを考えているから、実施例では、地図画像を、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Pset側に徐々に(滑らかに)移動させながら初期縮尺S0から縮尺S1までズームインさせるものとした。縮尺S1としては、HDD40に記憶されている複数の縮尺のうち初期縮尺S0より1個〜数個程度大きな縮尺(例えば、初期縮尺S0が2億分の1のときに8192万分の1など)とすることができる。また、割込処理は、実施例では、簡易画像として雲の画像を割り込ませるものとした。さらに、第2ズームイン処理は、実施例では、地図画像を、所定座標対応位置Pを目標対応位置Psetで保持しながら縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせるものとした。縮尺S2としては、HDD40に記憶されている複数の縮尺のうち縮尺S1より大きな範囲で、標準案内縮尺Ssetより1個〜数個程度小さな縮尺(例えば標準案内縮尺Ssetが1万分の1のときに4万分の1など)とすることができる。なお、開始時の縮尺から終了時の縮尺までの地図画像のズームインの方法については上述した。
【0036】
こうした割込ズームイン処理(第1ズームイン処理,割込処理,第2ズームイン処理)およびそれに応じた表示処理の実行により、地図画像の縮尺S1から縮尺S2までのズームインおよびそれに応じた表示処理を実行しなくてよいから、上述の通しズームイン処理およびそれに応じた表示処理を行なう場合に比して電子制御ユニット30などの処理負荷を低減することができる。
【0037】
しかも、いま初期対応位置P0と目標対応位置とのズレの程度が大きいときを考えているから、通しズームイン処理を実行しようとすると、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Pset側に比較的大きく移動させながら(場合によっては所定座標対応位置Pが離散的(飛び飛び)に移動しながら)初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせることになり、ユーザに違和感を与える(所定座標対応位置Pの移動が滑らかでないと感じさせる)可能性がある。これに対して、実施例では、第1ズームイン処理,割込処理,第2ズームイン処理の順に実行することにより、第1ズームイン処理の最中に所定座標対応位置Pを目標対応位置Pset側に大きく移動させる必要がない(目標対応位置Pset側に移動させているように演出するだけでよい)から、ユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。言い換えれば、実施例では、第1ズームイン処理後に割込処理を行なってから第2ズームイン処理を実行することにより、第1ズームインの終了時の所定座標対応位置Pと第2ズームイン処理の開始時の所定座標対応位置Pとが異なっていたとしても、ユーザにはそれほど違和感を与えないと考えられる。ここで、上述の閾値ΔPref(通しズームイン処理と割込ズームイン処理とのいずれを実行するかを決定するのに用いる閾値)を初期縮尺S0が小さいほど大きくなる傾向に設定する理由について説明する。初期縮尺S0が小さいほどズームインすべき程度が大きくなるから、所定座標対応位置Pが離散的に移動しにくくなり(滑らかに移動しやすくなり)、所定座標対応位置Pの移動による違和感をユーザに与えにくくなると考えられる。実施例では、このことを考慮して、ユーザに違和感を与えないのであれば、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)できるようにするために、初期縮尺S0が小さいほど大きくなる傾向に閾値ΔPrefを設定するものとした。
【0038】
さらに、いまズームインすべき程度が大きいとき、例えば、初期縮尺S0が地球規模縮尺(宇宙または大気圏の非常に高い高度から地球を見ているのに相当する縮尺)のときなどを考えているから、割込処理の簡易画像として雲の画像を用いることにより、非常に高い高度から高度が低下し始めた後に雲の画像が表示されてその後に更に高度が低下して標準案内画面に至るようにディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0039】
加えて、第1ズームイン処理では、地図画像を、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Pset側に徐々に(滑らかに)移動させながら初期縮尺S0から縮尺S1までズームインさせるから、所定座標対応位置Pが目標対応位置Pset側に移動しているようにディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0040】
図6は、割込ズームイン処理の実行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。図6の例では、ディスプレイ22に表示する地図画像を、縮尺Sが地球規模縮尺で所定座標対応位置Pが南アメリカ大陸の北部周辺の地図画像(図6(a)参照)から縮尺Sが標準案内縮尺Ssetで所定座標対応位置Pが日本の東京都A区・・・の地図画像(図6(f)参照)に変化させる場合を示した。地図画像の縮尺Sが地球規模縮尺で所定座標対応位置Pが南アメリカ大陸の北部周辺である状態(図6(a)参照)で標準案内画面戻り指示がなされると、地図画像を所定座標対応位置Pを日本側に徐々に移動させながらズームインさせると共にその処理画像をディスプレイ22に表示し(図6(b),(c)参照)、所定時間に亘って雲の画像を割り込ませると共にその処理画像をディスプレイ22に表示し(図6(d),(e)参照)、地図画像をある程度大きな縮尺から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせると共にその処理画像をディスプレイ22に表示する(図6(f)〜(h))。こうした一連の処理により、電子制御ユニット30などの処理負荷を低減することができると共にユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。
【0041】
以上説明した実施例のナビゲーション装置20によれば、ディスプレイ22に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたときに、初期縮尺S0が閾値Sref以下で初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレの程度である位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref以上のときには、地図画像を初期縮尺S0から初期縮尺S0より大きな縮尺S1までズームインさせる第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像を割り込ませる割込処理,地図画像を縮尺S1より大きく標準案内縮尺Ssetより小さな縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせる第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行するから、地図画像を初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせる(上述の通しズームイン処理を実行する)ものに比して電子制御ユニット30などの処理負荷を低減すると共にユーザに違和感を与えるのを抑制することができる。一方、ズームイン指示がなされたときに、初期縮尺S0が閾値Srefより大きいときや、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref未満のときには、通しズームイン処理を実行するから、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0042】
実施例のナビゲーション装置20では、ズームイン指示がなされたときに、初期縮尺S0が閾値Sref以下で位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref以上のときには第1ズームイン処理,割込処理,第2ズームイン処理を順に実行する割込ズームイン処理を実行し、初期縮尺S0が閾値Srefより大きいときや、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref未満のときには通しズームイン処理を実行するものとしたが、位置ズレ程度ΔPを考慮せずに、初期縮尺Sが閾値Sref以下のときには割込ズームイン処理を実行し、初期縮尺Sが閾値Srefより大きいときには通しズームイン処理を実行するものとしてもよい。こうすれば、初期縮尺S0が閾値Sref以下のとき、例えば、初期縮尺S0が地球規模縮尺(宇宙または大気圏の非常に高い高度から地球を見ているのに相当する縮尺)などのときには、位置ズレ程度ΔPに拘わらず、電子制御ユニット30などの処理負荷を低減することができる。一方、初期縮尺S0が閾値Srefより大きいときには、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0043】
また、初期縮尺S0を考慮せずに、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref以上のときには割込ズームイン処理を実行し、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref未満のときには通しズームイン処理を実行するものとしてもよい。こうすれば、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPrefが大きいとき、例えば、初期対応位置P0がA国(日本以外)のB市で目標対応位置Psetが日本のC市などのときには、初期縮尺S0に拘わらず、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Pset側に比較的大きく移動させなければならないことによってユーザに違和感を与えてしまうのを抑制することができる。一方、位置ズレ程度ΔPが閾値ΔPref未満のときには、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0044】
さらに、初期縮尺S0と標準案内縮尺Psetとの縮尺のズレの程度である縮尺ズレ程度(縮尺比)ΔSが閾値ΔSref以上のときには割込ズームイン処理を実行し、縮尺ズレ程度ΔSが閾値ΔSref未満のときには通しズームイン処理を実行するものとしてもよい。この場合、閾値ΔSrefとしては、上述の閾値Srefと標準案内縮尺Ssetとのズレの程度に対応する値などを用いることができる。こうすれば、縮尺ズレ程度ΔSが閾値ΔSref以上のとき、例えば、初期縮尺S0が地球規模縮尺などのときには電子制御ユニット30などの処理負荷を低減することができる。一方、縮尺ズレ程度ΔSが閾値ΔSref未満のとき(初期縮尺S0がある程度大きいときや標準案内縮尺Ssetがある程度小さいとき)には、地図画像の初期縮尺S0から標準案内縮尺Ssetまでのズームインをディスプレイ22に表示(演出)することができる。
【0045】
加えて、初期縮尺Sや位置ズレ程度ΔP,縮尺ズレ程度ΔSなどの条件に拘わらず、割込ズームイン処理を実行するものとしてもよい。こうすれば、初期縮尺Sや位置ズレ程度ΔP,縮尺ズレ程度ΔSなどに拘わらず、電子制御ユニット30などの処理負荷を低減することができる。
【0046】
なお、これらの場合において、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとが一致しているときには、第1ズームイン処理として、地図画像を、所定座標対応位置Pを目標対応位置Pset(初期対応位置P0)で保持しながら初期縮尺S0から縮尺S1までズームインさせればよいのは勿論である。
【0047】
実施例のナビゲーション装置20では、初期縮尺S0に基づいて、初期対応位置P0と目標対応位置Psetとのズレが大きいか否かを判定するための閾値ΔPrefを設定するものとしたが、固定値を閾値ΔPrefとして用いるものとしてもよい。
【0048】
実施例のナビゲーション装置20では、割込ズームイン処理の割込処理における簡易画像として雲の画像を用いるものとしたが、他の画像、例えば、白一色の画像や、鳥の画像などを用いるものとしてもよい。また、初期縮尺S0に応じた画像、例えば、初期縮尺S0が地球規模縮尺のときには雲の画像,初期縮尺S0が国規模縮尺のときには鳥の画像,・・・などを用いるものとしてもよい。
【0049】
実施例のナビゲーション装置20では、第1ズームイン処理は、地図画像を、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0から目標対応位置Pset側に徐々に(滑らかに)移動させながら初期縮尺S0から縮尺S1までズームインさせるものとしたが、地図画像を、所定座標対応位置Pを初期対応位置P0で保持しながら初期縮尺S0から縮尺S1までズームインさせるものとしてもよい。
【0050】
実施例のナビゲーション装置20では、第2ズームイン処理は、実施例では、地図画像を、所定座標対応位置Pを目標対応位置Psetで保持しながら縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせるものとしたが、地図画像を、所定座標対応位置Pを目標対応位置Psetより若干初期対応位置P0側の位置から目標対応位置Psetに徐々に(滑らかに)移動させながら縮尺S2から標準案内縮尺Ssetまでズームインさせるものとしてもよい。
【0051】
実施例のナビゲーション装置20では、割込ズームイン処理は、第1ズームイン処理,割込処理,第2ズームイン処理の順に行なうものとしたが、第1ズームイン処理から割込処理への移行,割込処理から第2ズームイン処理の移行をそれぞれ滑らかに行なうものとしてもよい。図7は、第1ズームイン処理から割込処理への移行に並行してディスプレイ22に表示する地図画像の一例を示す説明図である。図7の例では、地図画像を表示している状態(図7(a)参照)から徐々に地図画像の占有領域を小さくすると共に簡易画像(雲の画像)の占有領域を大きくしていき(図7(b),(c)参照)、雲の画像に完全に切り替える(図7(d)参照)。こうした処理により、地図画像から雲の画像(割込画像)への切替をより滑らかなものとしてディスプレイ22に表示(演出)することができる。なお、割込処理から第2ズームイン処理への移行についても同様に行なうことができる。
【0052】
実施例では、本発明をディスプレイ22や電子制御ユニット30,HDD40などを備えるナビゲーション装置20に適用して説明したが、ナビゲーション装置とそれと通信可能に接続されたサーバとに機能を分担させて、例えば、サーバに画像処理(ディスプレイに表示すべき地図画像をズームインさせる処理)を行なわせると共にナビゲーション装置に表示処理(ディスプレイに地図画像を表示させる処理)を行なわせて、全体としてナビゲーションシステムを構成するものとしてもよい。また、ナビゲーション装置20は、車載されたものに限られず、携帯端末などに搭載されたものとしてもよい。
【0053】
また、実施例では、本発明の地図画像表示システムをナビゲーション装置20に適用して説明したが、地図画像表示方法の形態としてもよいし、こうした地図画像表示方法の各ステップを1以上のコンピュータに実現させるためのプログラムの形態としてもよい。また、こうしたプログラムを記録媒体に記憶させた形態としても構わない。
【0054】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ディスプレイ22が「表示部」に相当し、図3のズームイン指示時処理ルーチンを実行する電子制御ユニット30の画像処理部66が「画像処理手段」に相当し、画像処理部66による処理画像をディスプレイ22に表示する電子制御ユニット30の地図画像表示処理部62が「表示処理手段」に相当する。
【0055】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0056】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、地図画像表示システムの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
20 ナビゲーション装置、22 ディスプレイ、24 タッチパネル、25 ボタン、26 スピーカ、30 電子制御ユニット、32 CPU、34 ROM、36 RAM、38 フラッシュメモリ、40 ハードディスクドライブ(HDD)、50 GPS受信機、52 方位センサ、56 方位センサ、60 ロケーション処理部、62 地図画像表示処理部、64 ナビゲーション処理部、66 画像処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に地図画像を表示する地図画像表示システムであって、
前記表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたとき、前記ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,前記第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段により処理された画像を前記表示部に表示する表示処理手段と、
を備える地図画像表示システム。
【請求項2】
請求項1記載の地図画像表示システムであって、
前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺が所定縮尺以下のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記初期縮尺が前記所定縮尺より大きいときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、
地図画像表示システム。
【請求項3】
請求項2記載の地図画像表示システムであって、
前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺が前記所定縮尺以下で且つ前記表示部に表示されている前記初期縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する初期対応位置と前記表示部に表示すべき前記目標縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する目標対応位置との位置ズレ程度が閾値以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記初期縮尺が前記所定縮尺より大きいときまたは前記位置ズレ程度が前記閾値未満のときには前記通しズームイン処理を実行する手段である、
地図画像表示システム。
【請求項4】
請求項1記載の地図画像表示システムであって、
前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記表示部に表示されている前記初期縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する初期対応位置と前記表示部に表示すべき前記目標縮尺の地図画像における前記表示部の所定座標に対応する目標対応位置との位置ズレ程度が閾値以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記位置ズレ程度が前記閾値未満のときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、
地図画像表示システム。
【請求項5】
請求項3または4記載の地図画像表示システムであって、
前記閾値は、前記初期縮尺の縮尺が小さいほど大きくなる傾向の値である、
地図画像表示システム。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれか1つの請求項に記載の地図画像表示システムであって、
前記目標対応位置は、地図画像における現在位置である、
地図画像表示システム。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれか1つの請求項に記載の地図画像表示システムであって、
前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期対応位置と前記目標対応位置とがズレているときには、地図画像における前記表示部の標準座標に対応する標準座標対応位置を前記初期対応位置から前記目標対応位置側に移動させながらズームインさせる手段である、
地図画像表示システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つの請求項に記載の地図画像表示システムであって、
前記簡易画像は、雲の画像,鳥の画像,白画像のいずれかである、
地図画像表示システム。
【請求項9】
請求項1記載の地図画像表示システムであって、
前記画像処理手段は、前記ズームイン指示がなされたとき、前記初期縮尺と前記目標縮尺との縮尺ズレ程度が所定ズレ程度以上のときには前記割込ズームイン処理を実行し、前記縮尺ズレ程度が前記所定ズレ程度未満のときには前記初期縮尺から前記目標縮尺までの通しズームイン処理を実行する手段である、
地図画像表示システム。
【請求項10】
表示部に地図画像を表示する地図画像表示方法であって、
(a)前記表示部に表示する地図画像をズームインさせるズームイン指示がなされたとき、前記ズームイン指示がなされたときの初期縮尺から第1縮尺までの第1ズームイン処理,地図画像より簡易な簡易画像の割込処理,前記第1縮尺より大きな第2縮尺から目標縮尺までの第2ズームイン処理の順で割込ズームイン処理を実行するステップと、
(b)前記ステップ(a)により処理された画像を前記表示部に表示するステップと、
を含む地図画像表示方法。
【請求項11】
請求項10記載の地図画像表示方法の各ステップを1以上のコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114352(P2013−114352A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258197(P2011−258197)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】