説明

地図画像表示装置、地図画像の表示方法及びコンピュータプログラム

【課題】ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することを可能とした地図画像表示装置、地図画像の表示方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】第1表示形態に基づく走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示した状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合には、第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72の地図データに基づいて表示対象とする地図データのエリアである第2対象エリアを設定し、交差点拡大図67の消去に応じて、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、第1表示態様から特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して、地図情報DB31より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定エリアの地図画像を表示装置に表示する地図画像表示装置、地図画像の表示方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータ等では、地図データとして一般道路及び高速道路等の道路や施設名称等を各種記憶デバイスに記憶するか、又はサーバ等からダウンロードすることにより、利用者に対して所望のエリアの地図画像を表示装置に対して表示することが可能となっている。
【0003】
また、地図画像が表示された表示装置に対して、所定のタイミングで地図画像と異なる新たな画像(以下、補助画像という)が表示され、地図画像の表示エリアが縮小される場合がある。例えば、メニュー画面の呼び出しボタンが押下された場合には、メニュー画面を補助画像として表示装置に表示することが行われている。また、特にナビゲーション装置では、案内経路に沿った走行案内が行われている場合に、右左折等の走行案内が行われる対象となる交差点(以下、案内交差点という)が車両から所定距離以内(例えば300m以内)に位置する状態で、案内交差点を拡大した図を補助画像として表示装置に表示することが行われている。
【0004】
そして、上記補助画像が表示されると、地図画像の表示エリアが補助画像を表示しない場合と比べて縮小されるので、当該地図画像の表示エリアでは施設情報や道路形状が把握し難くなる。従って、表示装置に表示された補助画像をユーザの意図で消去し、地図画像の表示エリアを元のサイズに拡大する技術が提案されている。例えば、特開2010−66227号公報には、AVに関する操作ボタンや情報が配置された“AV領域”が液晶ディスプレイの表示領域の一部に表示されている状態で、「ナビ」ボタンをユーザが押下すると、“AV領域”が消去されて液晶ディスプレイの全表示領域に対して“ナビ領域(自車位置周辺の地図画像)”を表示する技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−66227号公報(第12頁、第13頁、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に記載の技術では、「ナビ」ボタンをユーザが押下して補助画像である“AV領域”が消去された後には、表示対象となる地図データがどのようなデータ内容であるかに関わらず、液晶ディスプレイに対して表示される地図データのエリアは同じ範囲であった。具体的には、自車の現在位置と表示方式(ノーズアップ、ノースアップ、鳥瞰図、上面図等)と設定縮尺によって、表示対象となる地図データのエリアは一律に決定される。しかしながら、状況によってユーザが把握することを希望する地図データのエリアは異なる。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、補助画像を消去した後に、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となり、ユーザの利便性を向上させた地図画像表示装置、地図画像の表示方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る地図画像表示装置(1)は、地図データ(32)を記憶する地図データ記憶媒体(31)と、前記地図データ記憶媒体より前記地図データを読み出して地図画像(61)を表示装置(15)の地図表示エリア(65)に対して表示する地図画像表示手段(42)と、所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリア(66)に前記地図画像と異なる補助画像(67)を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリア(71)の地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更手段(43)と、ユーザの操作を受け付ける操作受付手段(44)と、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更手段(45)と、を有し、前記第2表示態様変更手段は、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリア(72)の地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とする。
尚、「補助画像」としては、例えば、メニュー画面、ヘルプ画面、交差点拡大図等を含む。
また、「消去に応じて」とは、補助画像の消去と同時に第1表示形態から第2表示形態へと変更することや、補助画像が消去されてから所定時間遅れて第1表示形態から第2表示形態へと変更することも含む。
【0009】
また、請求項2に係る地図画像表示装置(1)は、請求項1に記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記操作受付手段(44)により所定の操作を受け付けた時点の前記隣接エリア(72)内の、目的地までの案内経路(64)又は地点に関する情報に基づいて、前記第2対象エリアを設定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る地図画像表示装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記操作受付手段(44)により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置(15)に表示された前記補助画像(67)をスライド移動させることにより前記表示装置から消去するとともに、前記補助画像のスライド移動に応じて、前記地図画像(61)の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記第2表示態様へと段階的に変更することを特徴とする。
尚、「補助画像のスライド移動に応じて・・・段階的に変更する」とは、補助画像のスライド移動と同時に第1表示形態から第2表示形態への変更を開始することや、補助画像のスライドが開始されてから所定時間遅れて第1表示形態から第2表示形態への変更を開始することも含む。
【0011】
また、請求項4に係る地図画像表示装置(1)は、請求項3に記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記操作受付手段(44)により所定の操作を受け付けた時点の前記案内経路(64)が、前記第1対象エリア(71)と前記特定エリア(66)の位置に対応する被覆エリア(73)との境界を通過する場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア及び前記被覆エリアを前記第2対象エリアに設定し、前記補助画像のスライド移動に応じて、前記特定エリアに対して前記被覆エリアの地図データに基づく前記地図画像を段階的に表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る地図画像表示装置(1)は、請求項3に記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記操作受付手段(44)により所定の操作を受け付けた時点の前記案内経路(64)が、前記第1対象エリア(71)と前記被覆エリア(73)との境界を通過しない場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア及び、該第1対象エリアに対して前記被覆エリアの反対側の前記隣接エリア(72)を前記第2対象エリアに設定し、前記補助画像のスライド移動に応じて、前記地図画像を前記補助画像の方向へスライド移動させることにより前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して前記第2対象エリアに基づく地図画像を表示することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る地図画像表示装置(1)は、請求項5に記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記隣接エリア(72)における前記案内経路(64)が、所定の条件を満たすか否かに応じて、前記地図画像をスライド移動させる距離又は速度を可変とすることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る地図画像表示装置(1)は、請求項6に記載の地図画像表示装置であって、前記所定条件は、前記隣接エリア(72)における前記案内経路(64)上に案内地点があること、前記隣接エリアにおける前記案内経路上に案内地点が所定数以上あること、又は前記隣接エリアにおける前記案内経路上の前記第1対象エリア(71)の外縁から所定距離以内に案内地点があることのいずれかであることを特徴とする。
尚、「案内地点」とは、案内経路に対する走行案内の対象となる地点であり、例えば右左折の案内を行う案内交差点、車線変更の案内を行う地点等が該当する。
【0015】
また、請求項8に係る地図画像表示装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地図画像表示装置であって、前記第2表示態様変更手段(45)は、前記操作受付手段(44)により所定の操作を受け付けた時点において前記特定エリア(66)の位置に対応する被覆エリア(73)の地図データ(32)に所定条件を満たす地点が含まれている場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア(71)及び前記被覆エリアを前記第2対象エリアに設定し、前記補助画像の消去に応じて、前記特定エリアに対して前記被覆エリアに基づく地図データを読み出して前記地図画像を表示することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る地図画像表示装置(1)は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の地図画像表示装置であって、前記地図画像表示装置は車両に搭載され、前記補助画像は前記車両の進行方向前方に位置する交差点を拡大して表示した画像であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に係る地図画像の表示方法は、地図データ(32)を記憶する地図データ記憶媒体(31)より前記地図データを読み出して地図画像(61)を表示装置(15)の地図表示エリア(65)に対して表示する地図画像表示ステップと、所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリア(66)に前記地図画像と異なる補助画像(67)を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリア(71)の地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更ステップと、ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、前記操作受付ステップにより所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更ステップと、を有し、前記第2表示態様変更ステップは、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付ステップにより所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリア(72)の地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とする。
【0018】
更に、請求項11に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、地図データ(32)を記憶する地図データ記憶媒体(31)より前記地図データを読み出して地図画像(61)を表示装置(15)の地図表示エリア(65)に対して表示する地図画像表示機能と、所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリア(66)に前記地図画像と異なる補助画像を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリア(71)の地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更機能と、ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、前記操作受付機能により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、前記第2表示態様変更機能は、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付機能により所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリア(72)の地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
前記構成を有する請求項1に記載の地図画像表示装置によれば、補助画像を消去した後の新たな表示対象となる地図データのエリアを、現在表示対象となっている地図データのエリアに隣接する隣接エリアの地図データに基づいて設定するので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となる。その結果、例えば隣接エリアにユーザへの案内上の重要な地点や案内経路が含まれている場合には、ユーザは案内上の重要な地点の情報や案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
また、請求項2に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアに含まれる案内経路又は地点に関する情報に基づいて、補助画像を消去した後の新たな表示対象となる地図データのエリアを設定するので、第2表示態様では案内経路の形状や地点の配置状態に基づいて案内経路や地点を案内する為の効果的な地図画像の表示が可能となる。
【0021】
また、請求項3に記載の地図画像表示装置によれば、補助画像をスライド移動させることにより表示装置から消去するとともに、補助画像のスライド移動に応じて地図画像の表示装置に対する表示態様を第1表示態様から第2表示態様へと段階的に変更するので、ユーザに第1表示態様の地図画像と第2表示態様の地図画像との対応関係を容易に把握させることができる。また、第1表示態様から第2表示態様へと変更された場合であってもユーザが地図画像における現在位置を見失う虞もない。
【0022】
また、請求項4に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアの内、特に被覆エリアに案内経路が含まれている場合において、案内経路を含む隣接エリアの地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0023】
また、請求項5に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアの内、特に被覆エリア以外のエリアに案内経路が含まれている場合において、案内経路を含む可能性のある隣接エリアの地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
また、請求項6に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアに案内経路が含まれている場合において、隣接エリアに含まれる案内経路の形状等に基づいて地図画像のスライド態様が変化するので、案内経路の形状等に基づく適切な地図画像の表示が可能となる。その結果、案内経路の形状等をユーザに適切な態様で案内することも可能となる。
【0025】
また、請求項7に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアに案内経路が含まれている場合において、隣接エリアに含まれる案内経路の案内地点の配置に基づいて地図画像のスライド態様が変化するので、案内経路の案内地点の配置に基づく適切な地図画像の表示が可能となる。その結果、案内経路の案内地点をユーザに適切な態様で案内することも可能となる。
【0026】
また、請求項8に記載の地図画像表示装置によれば、隣接エリアに所定条件を満たす地点が含まれている場合において、所定条件を満たす地点を含む隣接エリアの地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは所定条件を満たす地点の情報をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0027】
また、請求項9に記載の地図画像表示装置によれば、車両に搭載されたナビゲーション装置が交差点拡大図を表示する際に適用することが可能となる。その結果、交差点拡大図を消去する操作を行った場合に、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に新たな表示対象とし、案内することが可能となる。
【0028】
また、請求項10に記載の地図画像の表示方法によれば、補助画像を消去した後の新たな表示対象となる地図データのエリアを、現在表示対象となっている地図データのエリアに隣接する隣接エリアの地図データに基づいて設定するので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となる。その結果、例えば隣接エリアにユーザへの案内上の重要な地点や案内経路が含まれている場合には、ユーザは案内上の重要な地点の情報や案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0029】
更に、請求項11に記載のコンピュータプログラムによれば、補助画像を消去した後の新たな表示対象となる地図データのエリアを、現在表示対象となっている地図データのエリアに隣接する隣接エリアの地図データに基づいて設定させるので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内させることが可能となる。その結果、例えば隣接エリアにユーザへの案内上の重要な地点や案内経路が含まれている場合には、ユーザは案内上の重要な地点の情報や案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションECUの構成を示した図である。
【図3】車両の走行中において液晶ディスプレイに表示される走行案内画面の一例を示した図である。
【図4】交差点拡大図を消去する操作を受け付けた場合の走行案内画面の表示態様の変更例を示した図である。
【図5】従来技術の課題を説明した図である。
【図6】第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。
【図7】走行案内画面において表示対象となる地図データの第1対象エリアと第1対象エリアに隣接する隣接エリアとを示した図である。
【図8】ステップ10における液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。
【図9】ステップ11における液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。
【図10】第2実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。
【図11】ステップ33における液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。
【図12】第3実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。
【図13】ステップ49における液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る地図画像表示装置をナビゲーション装置に具体化した第1乃至第3実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】
先ず、第1実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル14と、ユーザに対して車両周辺の地図や交差点拡大図等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0033】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0034】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0035】
ここで、地図情報DB31は、地図データ32が記憶される記憶手段である。また、地図データ32は、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等から構成される。
【0036】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の画像表示制御処理プログラム(図6参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、図3に示す処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段41は、出発地から目的地までの案内経路を設定する。地図画像表示手段42は、地図情報DB31から地図データ32を読み出して地図画像を液晶ディスプレイ15の地図表示エリアに対して表示し、第1表示態様変更手段43は、所定のタイミング(例えば、車両が案内交差点から所定距離以内に接近したタイミング)で、地図表示エリアの一部である特定エリアに地図画像と異なる補助画像(例えば、交差点拡大図)を表示するとともに、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、特定エリアを除く地図表示エリアに対して、地図情報DB31より第1対象エリアの地図データ32を読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する。操作受付手段44は、ユーザの操作を受け付け、第2表示態様変更手段45は、所定の操作(例えば、補助画像をフリックする操作)を受け付けた場合に、液晶ディスプレイ15に表示された補助画像を液晶ディスプレイ15から消去するとともに、該消去に応じて、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、第1表示態様から特定エリアを含む地図表示エリアに対して、地図情報DB31より第2対象エリアの地図データ32を読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する。
【0037】
タッチパネル14は、液晶ディスプレイ15の表示領域の前面に配置され、地図画像のスクロール表示を行う場合や表示領域に配置されたボタンを選択する場合等に操作される。また、特に第1実施形態に係るナビゲーション装置1では、液晶ディスプレイ15に表示された交差点拡大図等の補助画像を消去する場合にも操作される。そして、ナビゲーションECU13は、タッチパネル14の操作によりタッチパネル14から出力される検出信号に基づき、ユーザがタッチした地点の座標であるタッチ座標や、地図画像や交差点拡大図やボタン等の選択対象物の選択を行っている状態でタッチする位置を移動させる操作(即ちドラッグ操作やフリック操作)を受け付けたことについても検出する。そして、ナビゲーションECU13は、検出したタッチ操作やタッチ座標等に対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0038】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った走行案内に関する走行案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を表示する際にも用いられる。ここで、図3は車両の走行中において液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60の一例を示した図である。
【0039】
図3(A)に示すように液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60には、車両の現在位置周辺の地図画像61と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク62と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル63と、ナビゲーション装置1に設定されている案内経路64とが表示される。尚、走行案内画面60は、液晶ディスプレイ15の表示エリアの内、ボタンや縮尺等の配置された一部エリアを除いた全エリアを、地図画像61を表示するための地図表示エリア65とする。そして、地図情報DB31から地図表示エリア65に対応するエリアの地図データを読み出して、地図表示エリア65に対して表示する。尚、自車位置マーク62の位置は、地図表示エリア65の中央の下方寄りの位置に基本的に固定される。ユーザは走行案内画面60を参照することによって、現在の車両周辺の施設、道路形状、案内経路の形状等を把握することが可能となる。
【0040】
一方、車両が右左折などの案内対象となる交差点である案内交差点に所定距離以内(例えば300m以内)に接近すると、図3(B)に示すように走行案内画面60には、地図表示エリア65の内、略右側半分を占める特定エリア66に対して補助画像である交差点拡大図67を表示する。ここで、交差点拡大図67は、車両の進行方向前方にある案内交差点を拡大した図と、該案内交差点における車両の走行を案内する案内情報(例えば、車線案内や進行方向を示す矢印等)とから構成される。そして、地図情報DB31から特定エリア66を除く地図表示エリア65に対応するエリア(以下、第1対象エリアという)の地図データを読み出して、特定エリア66を除く地図表示エリア65に対して表示する。尚、自車位置マーク62の位置は、特定エリア66を除く地図表示エリア65の中央の下方寄りの位置に基本的に固定される。ユーザは走行案内画面60を参照することによって、現在の車両周辺の施設や道路形状や案内経路の形状を把握しつつ、進行方向前方にある案内交差点の走行方法についても把握することが可能となる。尚、図3(B)に示すように、交差点拡大図67が液晶ディスプレイ15の特定エリア66に対して表示されるとともに、地図画像61が特定エリア66を除く地図表示エリア65に対して表示された表示態様が、本発明の“第1表示態様”に相当する。
【0041】
また、交差点拡大図67が表示されると、地図画像61の表示エリアが交差点拡大図67を表示しない場合と比べて縮小されるので、走行案内画面60に交差点拡大図67が表示されている状態で、ユーザが特定エリア66を除く地図表示エリア65に表示されているエリア外の施設、道路形状、案内経路等を把握することを希望する場合がある。その場合には、交差点拡大図67を消去し、地図画像61の表示対象エリアを拡大することも可能である。交差点拡大図67を消去する場合には、図4(A)に示すようにユーザは交差点拡大図67上でタッチオンして交差点拡大図67を選択し、交差点拡大図67を選択した状態でフリックする。例えば、図4(A)に示すように地点Xでタッチオンし、地点Xから矢印方向にフリックした場合には、図4(B)に示すように交差点拡大図67を画面外へとスライドさせる為の方向(図4では地図の反対方向である右方向)へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。その結果、図4(C)に示すように地図画像61を表示する液晶ディスプレイ15の表示対象エリアが、特定エリア66を除く地図表示エリア65から特定エリア66を含む地図表示エリア65へと拡大される。そして、地図情報DB31より該当するエリア(以下、第2対象エリアという)の地図データを読み出して、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して表示する。ユーザは地図画像61の表示対象エリアが拡大された走行案内画面60を参照することによって、より広いエリアを対象として施設、道路形状、案内経路等を把握することが可能となる。尚、図4(C)に示すように、交差点拡大図67が消去され、液晶ディスプレイ15の特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して地図画像61が表示された表示態様が、本発明の“第2表示態様”に相当する。
また、車両が案内交差点を通過した後に所定距離(例えば50m)走行した場合には、図3(A)に示す通常の走行案内画面60へと戻る。
【0042】
ここで、第2表示態様において表示対象となる地図データのエリアである第2対象エリアは、第1対象エリアよりも左右方向に拡大されたエリアとなる。即ち、第2表示態様では、第1対象エリアに対して左右方向に隣接するエリアが新たに表示対象となる。そして、前述した従来技術(特開2010−66227号公報)では、第2対象エリアは、自車の現在位置と表示方式(ノーズアップ、ノースアップ、鳥瞰図、上面図等)と設定縮尺によって一律に決定されていた。その結果、第1対象エリアに、ユーザへの案内上の重要な地点や案内経路が含まれているエリアが隣接していた場合であっても、交差点拡大図67の消去後の表示対象に該隣接エリアが含まれない場合があった。しかし、例えば、図5に示すように第1対象エリアに対して左方向に隣接する左隣接エリア68にユーザへの案内上の重要な地点(例えば、目的地、経由地、登録地点)や案内経路が含まれている場合には、左隣接エリア68の地図データを優先的に表示対象とすることが望ましい。一方、第1対象エリアに対して右方向に隣接する右隣接エリア69にユーザへの案内上の重要な地点や案内経路が含まれている場合には、右隣接エリア69の地図データを優先的に表示対象とすることが望ましい。
【0043】
そこで、本実施形態では、上記第2表示態様で表示対象となる地図データのエリアである第2対象エリアを、ナビゲーションECU13によって後述のように設定する。より具体的には、ナビゲーションECU13は、フリック操作を受け付けた時点の第1対象エリアに隣接する隣接エリアの地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて第2対象エリアを設定する。第2対象エリアを設定する為に読み出される隣接エリアの地図データには、地点データやナビゲーション装置1で設定されている案内経路に関するデータが含まれる。尚、第2対象エリアの設定方法の詳細については後述する。
【0044】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を出力する際にも用いられる。
【0045】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0046】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0047】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行する画像表示制御処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。ここで、画像表示制御処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に実行され、地図画像を含む走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示するとともに、タッチパネル14の操作に基づいて走行案内画面の表示内容を制御するプログラムである。尚、以下の図6にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0048】
先ず、画像表示制御処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51はユーザの操作に基づいて目的地を設定し、出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索し、探索された推奨経路を案内経路に設定する。設定された案内経路に関する情報はRAM52に記憶される。尚、案内経路の探索については公知のダイクストラ法等が用いられる。
【0049】
次に、S2においてCPU51は、液晶ディスプレイ15に車両の走行を案内する為の走行案内画面60を表示する。尚、通常時において液晶ディスプレイ15に表示される走行案内画面60は、図3(A)に示したように車両の現在位置周辺の地図画像61に加えて、ナビゲーション装置1に設定されている案内経路64についても表示される。また、液晶ディスプレイ15の表示エリアの内、ボタンや縮尺等の配置された一部エリアを除いた全エリアが、地図画像61を表示するための地図表示エリア65となる。そして、前記S2においてCPU51は、地図情報DB31から地図表示エリア65に対応するエリアの地図データ32を読み出して、地図表示エリア65に対して表示する。尚、自車位置マーク62の位置は、地図表示エリア65の中央の下方寄りの位置に基本的に固定され、車両の移動に伴って地図表示エリア65に表示される地図データのエリアが変更される。
【0050】
続いて、S3においてCPU51は、車両の進行方向前方の所定距離以内(例えば300m以内)に右左折等の走行案内の対象となる案内交差点があるか否か判定する。尚、前記S3の判定処理は、現在位置検出部11により検出した車両の現在位置及び方位と、地図情報DB31に記憶された地図データ32に基づいて判定される。
【0051】
そして、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内交差点があると判定された場合(S3:YES)には、S4へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内交差点が無いと判定された場合(S3:NO)には、液晶ディスプレイ15に継続して通常の走行案内画面60を表示する。
【0052】
S4においてCPU51は、液晶ディスプレイ15の表示態様を通常の走行案内画面60から第1表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。ここで、第1表示態様は、図3(B)に示したように地図表示エリア65の内、右側半分を占める特定エリア66に対して補助画像である交差点拡大図67を表示する。そして、地図情報DB31から特定エリア66を除く地図表示エリア65に対応する第1対象エリアの地図データを読み出して、特定エリア66を除く地図表示エリア65に対して表示する。尚、自車位置マーク62の位置は、特定エリア66を除く地図表示エリア65の中央の下方寄りの位置に基本的に固定され、車両の移動に伴って特定エリア66を除く地図表示エリア65に表示される地図データのエリアが変更される。
【0053】
次に、S5においてCPU51は、タッチパネル14から送信される検出信号に基づいて、ユーザから交差点拡大図67を消去する操作を受け付けたか否かを判定する。具体的には、交差点拡大図67上でタッチオンして交差点拡大図67を選択し、交差点拡大図67を選択した状態で交差点拡大図67を画面外へとスライドさせる為の方向(図4では地図の反対方向である右方向)にフリックする操作を受け付けた場合に、ユーザから交差点拡大図67を消去する操作を受け付けたと判定する。尚、上記S5の判定処理は、タッチパネル14をタッチした地点の座標であるタッチ座標やタッチ座標の変位に基づいて判定される。
【0054】
そして、ユーザから交差点拡大図67を消去する操作を受け付けたと判定された場合(S5:YES)には、S7へと移行する。それに対して、ユーザから交差点拡大図67を消去する操作を受け付けていないと判定された場合(S5:NO)には、S6へと移行する。
【0055】
S6においてCPU51は、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離(例えば50m)以上走行したか否か判定する。
【0056】
そして、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離以上走行したと判定された場合(S6:YES)には、CPU51は液晶ディスプレイ15の表示内容を通常の走行案内画面60(図3(A))へと戻す(S13)。その後、当該画像表示制御処理プログラムを終了する。それに対して、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過していない、又は通過してから所定距離以上走行していないと判定された場合(S6:NO)にはS5へと戻り、継続して液晶ディスプレイ15に第1表示態様に基づく走行案内画面60を表示する。
【0057】
一方、S7でCPU51は、ナビゲーション装置1で設定されている案内経路の情報をRAM52から取得し、交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリアと被覆エリアとの境界を案内経路が通過するか否か判定する。尚、被覆エリアは、特定エリア66の位置に対応する地図データ32のエリアである。以下に、図7を用いて前記S7の判定処理についてより詳細に説明する。図7は、第1表示態様に基づく走行案内画面60において表示対象となる地図データ32の第1対象エリアと第1対象エリアに隣接する隣接エリアとを示した図である。
【0058】
第1表示態様において地図画像61の表示対象となるエリアは、図3(B)に示すように特定エリア66を除く地図表示エリア65である。従って、図7に示すように特定エリア66を除く地図表示エリア65の位置に対応する地図データ32のエリアが第1対象エリア71となる。そして、第1対象エリア71に隣接する地図データのエリア(例えば、第1対象エリアの外縁から特定エリア66の横幅分離れるまでのエリア)が隣接エリア72となり、隣接エリア72の内、特に特定エリア66に対応するエリアが被覆エリア73となり、隣接エリア72の内、特に第1対象エリア71に対して被覆エリア73の反対側に位置するエリアが対象隣接エリア74となる。そして、前記S7でCPU51は、交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を案内経路が通過するか否か判定する。尚、隣接エリア72の被覆エリア73と対象隣接エリア74は、同じ形状とする。また、第1対象エリア71の上縁から隣接エリア72の上縁までの距離と、第1対象エリア71の下縁から隣接エリア72の下縁までの距離とはそれぞれ同一距離であり、隣接エリア72や被覆エリア73の横幅と同一距離とする。
【0059】
そして、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を通過すると判定された場合(S7:YES)には、S8へと移行する。それに対して、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を通過しないと判定された場合(S7:NO)には、S9へと移行する。
【0060】
S8においてCPU51は、表示変更パターン1に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。ここで、第2表示態様は、図4(C)に示したように地図表示エリア65の内、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して地図画像61を表示する。そして、地図情報DB31から特定エリア66を含む地図表示エリア65に対応する第2対象エリアの地図データを読み出して、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して表示する。ここで、前記S8においてCPU51は、交差点拡大図67の消去操作を受け付けた時点における第1対象エリア71及び被覆エリア73(図7参照)を第2対象エリアに設定する。そして、CPU51は、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、特定エリア66に対して被覆エリア73の地図データを読み出して地図画像を段階的に表示することによって、第1表示態様から第2表示態様へと液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する。
【0061】
ここで、前記した図4(A)〜(C)は前記S8における表示変更パターン1に基づく液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。図4(A)〜(C)に示すように、前記S8においては、交差点拡大図67が右方向へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。そして、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、左の地図エリアの地図画像はスライドさせずに特定エリア66に対して被覆エリア73の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。その結果、案内経路64が位置する被覆エリア73(第1対象エリア71の右側のエリア)の地図データに基づく地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の案内経路の形状を把握することが可能となる。特に、図4(C)のように被覆エリア73に案内交差点77が含まれる場合には、ユーザは案内交差点77をより早いタイミングで把握できる効果がある。
【0062】
一方、S9でCPU51は、案内経路が、交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と対象隣接エリア74との境界76を通過するか否か判定する(図7参照)。尚、対象隣接エリア74は、前記したように隣接エリア72の内、特に第1対象エリア71に対して被覆エリア73の反対側に位置するエリアである。
【0063】
そして、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と対象隣接エリア74との境界76を通過すると判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。それに対して、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と対象隣接エリア74との境界76も通過しないと判定された場合(S9:NO)には、S11へと移行する。
【0064】
S10においてCPU51は、表示変更パターン2に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。ここで、前記S10においてCPU51は、交差点拡大図67の消去操作を受け付けた時点における第1対象エリア71及び対象隣接エリア74(図7参照)を第2対象エリアに設定する。そして、CPU51は、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61を交差点拡大図67の方向へとスライド移動させることによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71及び対象隣接エリア74の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。尚、地図画像61のスライド移動は、交差点拡大図67のスライド移動と連動させて同時に移動させても良いし、交差点拡大図67のスライド移動が開始されてから所定時間(例えば3秒)後に移動させても良い。尚、交差点拡大図67のスライド移動が開始されてから所定時間後に移動させる場合には、S8と同様の処理を開始してから所定時間後に地図画像61のスライド移動を開始する。即ち、特定エリア66には被覆エリア73の地図データに基づく地図画像が一旦表示され、その後に地図画像61がスライド移動される。その結果、被覆エリア73の地図データを確認した後に、対象隣接エリア74の地図データについても確認することが可能となる。また、地図画像61のスライド量は特定エリア66の左右方向の幅とする。以上より、表示変更パターン2において、第1表示態様から第2表示態様へと液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する。尚、地図画像のスライド量は、特定エリア66の左右方向の幅に限定されることなく、例えば幅の4/5や6/5でも良い。
【0065】
ここで、図8(A)〜(C)は前記S10における表示変更パターン2に基づく液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。図8(A)〜(C)に示すように、前記S10においては、交差点拡大図67が右方向へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。そして、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61が交差点拡大図67の方向へと第1対象エリア71の右端が特定エリア66の右端に位置するまでスライド移動されることによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71及び対象隣接エリア74の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。その結果、案内経路64が位置する対象隣接エリア74(第1対象エリア71の左側のエリア)の地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の案内経路の形状を把握することが可能となる。特に、図8(C)のように対象隣接エリア74に案内交差点78が含まれる場合には、ユーザは案内交差点78をより早いタイミングで把握できる効果がある。
【0066】
一方、S11においてCPU51は、表示変更パターン3に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。ここで、前記S11においてCPU51は、交差点拡大図67の消去操作を受け付けた時点における第1対象エリア71、被覆エリア73及び対象隣接エリア74の一部(図7参照)を第2対象エリアに設定する。そして、CPU51は、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61を交差点拡大図67の方向へと移動させることによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71及び対象隣接エリア74の一部の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。尚、地図画像のスライド移動は、交差点拡大図67のスライド移動と同時に移動させても良いし、S10と同様に交差点拡大図67のスライド移動が開始されてから所定時間(例えば3秒)後に移動させても良い。また、地図画像61のスライド量は車両の現在位置(即ち自車位置マーク62)が地図画像61にセンタリングされる量(例えば特定エリア66の幅の1/2)とする。以上より、表示変更パターン3において、第1表示態様から第2表示態様へと液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する。尚、地図画像のスライド量は、車両の現在位置が地図画像61にセンタリングされる量に限定されることなく、例えば車両の現在位置が地図画像61のセンタ付近に位置する量であれば良い。但し、前記S10における地図画像のスライド量よりも少なくすることが望ましい。
【0067】
ここで、図9(A)〜(C)は前記S11における表示変更パターン3に基づく液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。図9(A)〜(C)に示すように、前記S11においては、交差点拡大図67が右方向へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。そして、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61が交差点拡大図67の方向へと車両の現在位置が地図画像61にセンタリングされるまでスライド移動される。その後、車両の現在位置が地図画像61のセンタリング位置まで来たら、地図画像61を固定する一方、交差点拡大図67を継続して右方向へスライド移動させ、消去する。それによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71、被覆エリア73及び対象隣接エリア74の一部の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。その結果、車両の現在位置の周辺の地図画像が左右の偏りなく液晶ディスプレイ15に表示される。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の道路形状や施設を容易に把握することが可能となる。
【0068】
続いて、S12においてCPU51は、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離(例えば50m)以上走行したか否か判定する。
【0069】
そして、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離以上走行したと判定された場合(S12:YES)には、CPU51は液晶ディスプレイ15の表示内容を通常の走行案内画面60(図3(A))へと戻す(S13)。その後、当該画像表示制御処理プログラムを終了する。それに対して、車両が前記S3で判定対象となった案内交差点を通過していない、又は通過してから所定距離以上走行していないと判定された場合(S12:NO)には、継続して液晶ディスプレイ15に第2表示態様に基づく走行案内画面60を表示する。
【0070】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による地図画像の表示方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両の進行方向前方の所定距離内に案内交差点が位置する場合に、交差点拡大図67を地図表示エリア65の一部の特定エリア66に対して表示する第1表示形態に基づく走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示する(S4)。そして、第1表示形態に基づく走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示した状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合には、第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72の地図データに基づいて表示対象とする地図データのエリアである第2対象エリアを設定し、交差点拡大図67の消去に応じて、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、第1表示態様から特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して、地図情報DB31より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する(S8、S10、S11)ので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となる。
また、隣接エリア72に含まれる案内経路に基づいて、交差点拡大図67を消去した後の新たな表示対象となる地図データのエリアを設定するので、第2表示態様では案内経路の形状に基づいて案内経路を案内する為の効果的な地図画像の表示が可能となる。
また、交差点拡大図67をスライド移動させることにより表示装置から消去するとともに、交差点拡大図67のスライド移動に応じて地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を第1表示態様から第2表示態様へと段階的に変更するので、ユーザに第1表示態様の地図画像と第2表示態様の地図画像との対応関係を容易に把握させることができる。また、第1表示態様から第2表示態様へと変更された場合であってもユーザが地図画像における現在位置を見失う虞もない。
また、隣接エリア72の内、特に被覆エリア73や対象隣接エリア74に案内経路が含まれている場合において、案内経路を含む隣接エリア72の地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
また、本発明を車両に搭載されたナビゲーション装置1が交差点拡大図67を表示する場合に適用することによって、交差点拡大図を消去する操作を行った場合に、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に新たな表示対象とし、案内することが可能となる。
【0071】
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置について図10及び図11を用いて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図9の第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0072】
この第2実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係るナビゲーション装置は、第1表示態様に基づく走行案内画面60が表示された状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合に、第1対象エリア71に隣接する隣接エリアにおける案内経路の形状についても考慮して、液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する点で第1実施形態に係るナビゲーション装置1と異なっている。
【0073】
以下に、第2実施形態に係るナビゲーション装置においてナビゲーションECU13が実行する画像表示制御処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は第2実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。ここで、画像表示制御処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に実行され、地図画像を含む走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示するとともに、タッチパネル14の操作に基づいて走行案内画面の表示内容を制御するプログラムである。尚、以下の図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0074】
尚、S21〜S26の処理は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS1〜S6の処理と同様の処理であるので説明は省略する。
【0075】
S27においてCPU51は、ナビゲーション装置1で設定されている案内経路の情報をRAM52から取得し、交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を案内経路が通過するか否か判定する(図7参照)。
【0076】
そして、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を通過すると判定された場合(S27:YES)には、S28へと移行する。それに対して、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と被覆エリア73との境界75を通過しないと判定された場合(S27:NO)には、S29へと移行する。
【0077】
S28においてCPU51は、表示変更パターン1に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS8の処理と同様の処理であるので省略する。前記S30の処理を行った結果、案内経路64が位置する被覆エリア73(第1対象エリア71の右側のエリア)の地図データに基づく地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される(図4参照)。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の案内経路の形状を把握することが可能となる。
【0078】
一方、S29でCPU51は、案内経路が、交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリア71と対象隣接エリア74との境界76を通過するか否か判定する(図7参照)。尚、対象隣接エリア74は、前記したように隣接エリア72の内、特に第1対象エリア71に対して被覆エリア73の反対側に位置するエリアである。
【0079】
そして、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリアと対象隣接エリアとの境界を通過すると判定された場合(S29:YES)には、S31へと移行する。それに対して、案内経路が交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた時点における第1対象エリアと対象隣接エリアとの境界も通過しないと判定された場合(S29:NO)には、S30へと移行する。
【0080】
S30においてCPU51は、表示変更パターン3に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS11の処理と同様の処理であるので省略する。前記S30の処理を行った結果、車両の現在位置の周辺の地図画像が左右の偏りなく液晶ディスプレイ15に表示される(図9参照)。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の道路形状や施設を容易に把握することが可能となる。
【0081】
一方、S31においてCPU51は、第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72(図7参照)における案内経路の情報をRAM52から取得する。
【0082】
次に、S32においてCPU51は、前記S31で取得した隣接エリア72における案内経路の情報に基づいて、隣接エリア72における案内経路が所定の条件を満たすか否かを判定する。ここで、所定の条件とは、以下の(a)〜(c)のいずれかの条件とする。
(a)隣接エリアにおける案内経路上に案内地点がある。
(b)隣接エリアにおける案内経路上に案内地点が所定数以上(例えば、2個以上)ある。
(c)隣接エリアにおける案内経路上の第1対象エリアの外縁から所定距離以内(例えば、500m以内)に案内地点があること。
尚、「案内地点」とは、ナビゲーション装置において案内経路に対する走行案内の対象となる地点であり、例えば右左折の案内を行う案内交差点、車線変更の案内を行う地点等が該当する。
【0083】
そして、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれかの条件を満たすと判定された場合(S32:YES)には、S33へと移行する。それに対して、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれの条件も満たさないと判定された場合(S32:NO)には、S30へと移行する。
【0084】
S33においてCPU51は、表示変更パターン2に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS10の処理と同様の処理である。即ち、CPU51は、交差点拡大図67の消去操作を受け付けた時点における第1対象エリア71及び対象隣接エリア74(図7参照)を第2対象エリアに設定し、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61を交差点拡大図67の方向へとスライド移動させることによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71及び対象隣接エリア74の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。
【0085】
ここで、図11(A)〜(C)は前記S33における表示変更パターン2に基づく液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。尚、図11(A)〜(C)に示す例では、所定の条件として上記条件(b)を適用した場合であり、且つ図11(C)のように特に対象隣接エリア74に案内地点である案内交差点80、81が含まれる場合について示す。図11(A)〜(C)に示すように、前記S33においては、交差点拡大図67が右方向へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。そして、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、地図画像61が交差点拡大図67の方向へと第1対象エリア71の右端が特定エリア66の右端に位置するまでスライド移動されることによって、特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して第1対象エリア71及び対象隣接エリア74の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。その結果、案内経路64が位置する対象隣接エリア74(第1対象エリア71の左側のエリア)の地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲において案内経路が複雑な形状を有する場合又はユーザに有益な案内情報を含んでいる場合に、そのような情報を事前に把握することが可能となる。例えば、図11(C)のように対象隣接エリア74に案内交差点80、81が含まれる場合には、ユーザは案内交差点80、81をより早いタイミングで把握できる効果がある。
【0086】
即ち、第2実施形態に係るナビゲーション装置では、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれかの条件を満たすと判定された場合には、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれの条件も満たさないと判定された場合よりも対象隣接エリア74のより広い範囲が第2対象エリアに設定され、地図画像61のスライド量も大きくなる。それによって、第1表示態様では表示されなかった範囲において案内経路が複雑な形状を有する場合に、第1表示態様では表示されなかった範囲において案内経路が複雑な形状を有さない場合(例えば案内経路が道なりである場合)よりも、案内経路64を含む対象隣接エリア74(第1対象エリア71の左側のエリア)の地図データに基づく地図画像を優先的に液晶ディスプレイ15に表示させることができる。従って、ユーザは案内経路の複雑な形状を早いタイミングで把握することが可能となる。
【0087】
尚、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれかの条件を満たすと判定された場合に、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれの条件も満たさないと判定された場合よりも地図画像をスライドする速度を遅くするように構成しても良い。それによって、ユーザは複雑な形状を有する案内経路を、長い時間を使って詳細に把握することが可能となる。
また、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれかの条件を満たすと判定された場合に、隣接エリア72における案内経路が(a)〜(c)のいずれの条件も満たさないと判定された場合よりも地図画像をスライドする速度を早くするように構成しても良い。それによって、ユーザは複雑な形状を有する案内経路をより早いタイミングで把握することが可能となる。
【0088】
続いて、S34においてCPU51は、車両が前記S23で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離(例えば50m)以上走行したか否か判定する。
【0089】
そして、車両が前記S23で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離以上走行したと判定された場合(S34:YES)には、CPU51は液晶ディスプレイ15の表示内容を通常の走行案内画面60(図3(A))へと戻す(S35)。その後、当該画像表示制御処理プログラムを終了する。それに対して、車両が前記S23で判定対象となった案内交差点を通過していない、又は通過してから所定距離以上走行していないと判定された場合(S34:NO)には、継続して液晶ディスプレイ15に第2表示態様に基づく走行案内画面60を表示する。
【0090】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による地図画像の表示方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、第1表示形態に基づく走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示した状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合には、第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72に含まれる案内経路に基づいて表示対象とする地図データのエリアである第2対象エリアを設定し、交差点拡大図67の消去に応じて、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、第1表示態様から特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して、地図情報DB31より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する(S28、S30、S33)ので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となる。
また、隣接エリア72に所定条件を満たす案内経路が含まれている場合において、所定条件を満たす案内経路を含む隣接エリア72の地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは所定条件を満たす案内経路の形状をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
特に、隣接エリア72に含まれる案内経路が複雑な形状を有する案内経路である場合には、その効果が大きくなる。
また、隣接エリア72に案内経路が含まれている場合において、隣接エリア72に含まれる案内経路の案内地点の配置に基づいて地図画像のスライド態様が変化するので、案内経路の案内地点の配置に基づく適切な地図画像の表示が可能となる。その結果、案内経路の案内地点をユーザに適切な態様で案内することも可能となる。
【0091】
次に、第3実施形態に係るナビゲーション装置について図12及び図13を用いて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図9の第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0092】
この第2実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係るナビゲーション装置は、第1表示態様に基づく走行案内画面60が表示された状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合に、第1対象エリア71に隣接する隣接エリアに含まれる地点について考慮して、液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する点で第1実施形態に係るナビゲーション装置1と異なっている。
【0093】
以下に、第3実施形態に係るナビゲーション装置においてナビゲーションECU13が実行する画像表示制御処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は第3実施形態に係る画像表示制御処理プログラムのフローチャートである。ここで、画像表示制御処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に実行され、地図画像を含む走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示するとともに、タッチパネル14の操作に基づいて走行案内画面の表示内容を制御するプログラムである。尚、以下の図12にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0094】
尚、S41〜S46の処理は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS1〜S6の処理と同様の処理であるので説明は省略する。
【0095】
S47においてCPU51は、地図情報DB31から第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72(図7参照)に位置する施設等の地点に関する地点データを取得する。
【0096】
次に、S48においてCPU51は、前記S47で取得した地点データに基づいて、被覆エリア73に所定条件を満たす地点が含まれているか否か判定する。ここで、所定の条件を満たす地点とは、ユーザに有益な情報となる地点であり、前記S48では、例えば、以下の(A)〜(D)のいずれかの条件を満たすか否かが判定される。
(A)ナビゲーション装置に設定されている目的地又は経由地を含む。
(B)ナビゲーション装置に登録されている登録地点又は自宅を含む。
(C)所定数以上(例えば3個以上)の地点を含む。
(D)表示優先度の高い地点(例えば、ガソリンスタンド、駐車場、コンビニエンスストア、郵便局、銀行)を含む。尚、表示優先度が高いとは、ナビゲーション装置に表示された地図画像中に地点を示す名称やマークを表示する際の優先度が高い(例えば、マークや名称が同じ場所に重複した場合に優先して表示される)ことを示す。
【0097】
そして、被覆エリア73に(A)〜(D)のいずれかの条件を満たす地点が含まれていると判定された場合(S48:YES)には、S49へと移行する。それに対して、被覆エリア73に(A)〜(D)のいずれかの条件を満たす地点が含まれていないと判定された場合(S48:NO)には、S50へと移行する。
【0098】
S49においてCPU51は、表示変更パターン1に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS8の処理と同様の処理である。即ち、CPU51は、交差点拡大図67の消去操作を受け付けた時点における第1対象エリア71及び被覆エリア73(図7参照)を第2対象エリアに設定し、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、特定エリア66に対して被覆エリア73の地図データを読み出して地図画像を段階的に表示する。それによって、第1表示態様から第2表示態様へと液晶ディスプレイ15の表示態様を変更する。
【0099】
ここで、図13(A)〜(C)は前記S49における表示変更パターン1に基づく液晶ディスプレイ15の表示態様の変更例を示した図である。尚、図13(A)〜(C)に示す例では、所定条件として上記条件(C)を適用した場合であり、且つ図13(C)のように特に被覆エリア73に3個の地点(駐車場、レストラン、ガソリンスタンド)82〜84が含まれる場合について示す。図13(A)〜(C)に示すように、前記S49においては、交差点拡大図67が右方向へスライド移動して液晶ディスプレイ15の表示エリアから段階的に消去される。そして、交差点拡大図67のスライド移動に応じて、左の地図エリアを固定した状態で特定エリア66に対して被覆エリア73の地図データに基づく地図画像を段階的に表示する。その結果、案内経路64が位置する被覆エリア73(第1対象エリア71の右側のエリア)の地図データに基づく地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲に含まれる地点を把握することが可能となる。特に、その地点がユーザにとって案内上の重要な地点(目的地、経由地、登録地点、自宅等)である場合には、その効果は大きくなる。例えば、図13(C)のように被覆エリア73に複数の地点82〜84が含まれる場合には、ユーザは複数の地点82〜84をより早いタイミングで把握できる効果がある。
【0100】
一方、S50でCPU51は、前記S47で取得した地点データに基づいて、対象隣接エリア74(図7参照)に所定条件を満たす地点が含まれているか否か判定する。尚、所定の条件は前記S48と同様の条件とする。
【0101】
そして、対象隣接エリア74に(A)〜(D)のいずれかの条件を満たす地点が含まれていると判定された場合(S50:YES)には、S51へと移行する。それに対して、被覆エリア73に(A)〜(D)のいずれかの条件を満たす地点が含まれていないと判定された場合(S50:NO)には、S52へと移行する。
【0102】
S51においてCPU51は、表示変更パターン2に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS10の処理と同様の処理であるので省略する。前記S51の処理を行った結果、所定条件を満たす地点が位置する対象隣接エリア74(第1対象エリア71の左側のエリア)の地図データに基づく地図画像が優先的に液晶ディスプレイ15に表示される(図8参照)。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲に含まれる地点を把握することが可能となる。特に、その地点がユーザにとって案内上の重要な地点(目的地、経由地、登録地点、自宅等)である場合には、その効果は大きくなる。例えば、前記した図11のように対象隣接エリア74に目的地90が含まれる場合には、表示変更パターン2に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第2表示態様へと変更することにより、ユーザは目的地90をより早いタイミングで把握できる効果がある。
【0103】
一方、S52においてCPU51は、表示変更パターン3に基づいて、液晶ディスプレイ15の表示態様を第1表示態様に基づく走行案内画面60から第2表示態様に基づく走行案内画面60へと変更する。尚、具体的な処理内容は、第1実施形態に係る画像表示制御処理プログラム(図6)のS11の処理と同様の処理であるので省略する。前記S52の処理を行った結果、車両の現在位置の周辺の地図画像が左右の偏りなく液晶ディスプレイ15に表示される(図9参照)。それによって、ユーザは第1表示態様では表示されなかった範囲の道路形状や施設を容易に把握することが可能となる。
【0104】
続いて、S53においてCPU51は、車両が前記S43で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離(例えば50m)以上走行したか否か判定する。
【0105】
そして、車両が前記S43で判定対象となった案内交差点を通過し、且つ所定距離以上走行したと判定された場合(S53:YES)には、CPU51は液晶ディスプレイ15の表示内容を通常の走行案内画面60(図3(A))へと戻す(S54)。その後、当該画像表示制御処理プログラムを終了する。それに対して、車両が前記S43で判定対象となった案内交差点を通過していない、又は通過してから所定距離以上走行していないと判定された場合(S53:NO)には、継続して液晶ディスプレイ15に第2表示態様に基づく走行案内画面60を表示する。
【0106】
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による地図画像の表示方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、第1表示形態に基づく走行案内画面60を液晶ディスプレイ15に表示した状態で交差点拡大図67を消去する操作を受け付けた場合には、第1対象エリア71に隣接する隣接エリア72に含まれる地点に基づいて表示対象とする地図データのエリアである第2対象エリアを設定し、交差点拡大図67の消去に応じて、地図画像の液晶ディスプレイ15に対する表示態様を、第1表示態様から特定エリア66を含む地図表示エリア65に対して、地図情報DB31より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する(S49、S51、S52)ので、ユーザにとって有用なエリアの地図データを優先的に案内することが可能となる。
また、隣接エリア72に所定条件を満たす地点が含まれている場合において、所定条件を満たす地点を含む隣接エリア72の地図データを優先的に表示対象とすることが可能となるので、ユーザは所定条件を満たす地点の情報をより早いタイミングで容易に把握することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
特に、隣接エリア72に含まれる地点がユーザにとって案内上の重要な地点(目的地、経由地、登録地点、自宅等)である場合には、その効果が大きくなる。
【0107】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、補助画像として案内交差点接近時に液晶ディスプレイ15に表示される交差点拡大図67を例に挙げて説明したが、補助画像は他の条件に基づいて表示される画像であっても良い。例えば、メニューボタンを押した際に表示されるメニュー画面や、ヘルプボタンを押した際に表示されるヘルプ画面でも良い。
【0108】
また、上記実施形態では、第1実施形態と第2実施形態が地図データに含まれる案内経路に基づいて第2対象エリアを設定し、第3実施形態が地図データに含まれる地点に基づいて第2対象エリアを設定しているが、案内経路と地点の両方に基づいて第2対象エリアを設定するように構成しても良い。例えば、第1対象エリア71と被覆エリア73の境界を案内経路が通過し、且つ被覆エリア73に所定条件を満たす地点が含まれる場合に、S8に基づく第2表示態様への変更処理を行うように構成しても良い。
また、被覆エリア73と対象隣接エリア74に含まれる案内経路や地点を比較して第2対象エリアを決定するように構成しても良い。例えば、被覆エリア73に複数の地点を含み、対象隣接エリア74に案内経路を含むような場合には、地点の数や重要度、案内経路の形状等を考慮して決定することが望ましい。
【0109】
また、前記S32において案内経路が(a)〜(c)のいずれかの条件を満たしたか否かを判定しているが、(a)〜(c)以外の条件としても良い。例えば、隣接エリアに、通常よりも複雑な案内を必要とする案内交差点があることを条件としても良い。尚、複雑な案内を必要とする案内交差点とは、例えば五叉路の交差点等が該当する。
【0110】
また、上記実施形態では、交差点拡大図67を液晶ディスプレイ15から消去する場合に、交差点拡大図67を画面外へスライド移動させることにより消去しているが、スライド移動させずにフェードアウトさせて消去する構成としても良い。また、交差点拡大図67の消去はフリック操作でなくボタン操作に基づいて行うようにしても良い。
【0111】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、地図画像を表示する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
14 タッチパネル
15 液晶ディスプレイ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
60 走行案内画面
61 地図画像
64 案内経路
65 地図表示エリア
66 特定エリア
67 交差点拡大図
71 第1対象エリア
72 隣接エリア
73 被覆エリア
74 対象隣接エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する地図データ記憶媒体と、
前記地図データ記憶媒体より前記地図データを読み出して地図画像を表示装置の地図表示エリアに対して表示する地図画像表示手段と、
所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリアに前記地図画像と異なる補助画像を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更手段と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更手段と、を有し、
前記第2表示態様変更手段は、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリアの地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とする地図画像表示装置。
【請求項2】
前記第2表示態様変更手段は、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点の前記隣接エリア内の、目的地までの案内経路又は地点に関する情報に基づいて、前記第2対象エリアを設定することを特徴とする請求項1に記載の地図画像表示装置。
【請求項3】
前記第2表示態様変更手段は、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像をスライド移動させることにより前記表示装置から消去するとともに、前記補助画像のスライド移動に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記第2表示態様へと段階的に変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地図画像表示装置。
【請求項4】
前記第2表示態様変更手段は、
前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点の前記案内経路が、前記第1対象エリアと前記特定エリアの位置に対応する被覆エリアとの境界を通過する場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア及び前記被覆エリアを前記第2対象エリアに設定し、
前記補助画像のスライド移動に応じて、前記特定エリアに対して前記被覆エリアの地図データに基づく前記地図画像を段階的に表示することを特徴とする請求項3に記載の地図画像表示装置。
【請求項5】
前記第2表示態様変更手段は、
前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点の前記案内経路が、前記第1対象エリアと前記被覆エリアとの境界を通過しない場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア及び、該第1対象エリアに対して前記被覆エリアの反対側の前記隣接エリアを前記第2対象エリアに設定し、
前記補助画像のスライド移動に応じて、前記地図画像を前記補助画像の方向へスライド移動させることにより前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して前記第2対象エリアの地図データに基づく前記地図画像を表示することを特徴とする請求項3に記載の地図画像表示装置。
【請求項6】
前記第2表示態様変更手段は、前記隣接エリアにおける前記案内経路が、所定の条件を満たすか否かに応じて、前記地図画像をスライド移動させる距離又は速度を可変とすることを特徴とする請求項5に記載の地図画像表示装置。
【請求項7】
前記所定条件は、前記隣接エリアにおける前記案内経路上に案内地点があること、前記隣接エリアにおける前記案内経路上に案内地点が所定数以上あること、又は前記隣接エリアにおける前記案内経路上の前記第1対象エリアの外縁から所定距離以内に案内地点があることのいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の地図画像表示装置。
【請求項8】
前記第2表示態様変更手段は、
前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点において前記特定エリアの位置に対応する被覆エリアの地図データに所定条件を満たす地点が含まれている場合に、前記操作受付手段により所定の操作を受け付けた時点における前記第1対象エリア及び前記被覆エリアを前記第2対象エリアに設定し、
前記補助画像の消去に応じて、前記特定エリアに対して前記被覆エリアの地図データに基づく前記地図画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地図画像表示装置。
【請求項9】
前記地図画像表示装置は車両に搭載され、
前記補助画像は前記車両の進行方向前方に位置する交差点を拡大して表示した画像であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の地図画像表示装置。
【請求項10】
地図データを記憶する地図データ記憶媒体より前記地図データを読み出して地図画像を表示装置の地図表示エリアに対して表示する地図画像表示ステップと、
所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリアに前記地図画像と異なる補助画像を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更ステップと、
ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップにより所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更ステップと、を有し、
前記第2表示態様変更ステップは、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付ステップにより所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリアの地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とする地図画像の表示方法。
【請求項11】
コンピュータに搭載され、
地図データを記憶する地図データ記憶媒体より前記地図データを読み出して地図画像を表示装置の地図表示エリアに対して表示する地図画像表示機能と、
所定のタイミングで、前記地図表示エリアの一部である特定エリアに前記地図画像と異なる補助画像を表示するとともに、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記特定エリアを除く前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第1対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第1表示態様へと変更する第1表示態様変更機能と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、
前記操作受付機能により所定の操作を受け付けた場合に、前記表示装置に表示された前記補助画像を前記表示装置から消去するとともに、前記消去に応じて、前記地図画像の前記表示装置に対する表示態様を、前記第1表示態様から前記特定エリアを含む前記地図表示エリアに対して、前記地図データ記憶媒体より第2対象エリアの地図データを読み出して地図画像を表示する第2表示態様へと変更する第2表示態様変更機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記第2表示態様変更機能は、前記地図データ記憶媒体より前記操作受付機能により所定の操作を受け付けた時点の前記第1対象エリアに隣接する隣接エリアの地図データを読み出して、該隣接エリアの地図データに基づいて前記第2対象エリアを設定することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−68133(P2012−68133A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213381(P2010−213381)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】