説明

地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法

【課題】所望のタイミングで音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを表示するようにした地図表示システムを提供する。
【解決手段】地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおいて、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリ250と、テキストデータ表示リンク抽出手段243と、テキストデータ表示調整手段245と、を備え、テキストデータ表示リンク抽出手段243は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段245は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索システムなどにおいて地図を表示する地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法に関するものであり、特に、音声案内データを出力するとともに音声案内テキストデータを案内経路上に移動表示(アニメーション表示)するようにした地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。
このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置(以下、カーナビという)、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
上記カーナビは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。特に、現在は一部の携帯電話にしか搭載されていない測位ユニット、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位するGPS受信機などが、第三世代と称される携帯電話では全ての機種に搭載されるような趨勢にある。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を経路探索サーバに送り、経路探索サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
経路探索サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、経路探索サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
上記のような道路ネットワークのデータを用いて経路探索して得た出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。
【0007】
一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。ナビゲーションシステムが音声案内機能を有する場合には、ガイダンスデータは音声データであり、音声出力により利用者へのガイダンスが行われる。
【0008】
地図データは、所定の緯度範囲、経度範囲でメッシュ状に区切られ、メッシュ番号により特定のエリアの地図が特定される。通信型のナビゲーションシステムにおいては、端末装置の現在位置を含むメッシュの地図データを中心に上下、左右、斜めに隣接する9つのメッシュの地図データがサーバから端末装置に配信される。端末装置が移動し、地図データが不足すると端末装置からサーバに不足するメッシュの地図データの配信を要求する。車載型のナビゲーションシステムにおいては、一定の地域の地図データが予めハードディスク装置などに記憶されている。
【0009】
このようなナビゲーション装置において、音声によって種々の案内を行う際に、適切な音声案内を提供する技術が幾つか提案されている。例えば、下記の特許文献2(特開2002−236029号公報)には、音声案内を行うに際して、案内の重要度を考慮して音声案内を行うことができ、重要な音声案内があまり重要でない音声案内の出力終了迄待ってから出力することにより、音声案内が遅れる等によって不適切な音声案内が行われることがないようにした音声案内装置が開示されている。
【0010】
また、下記の特許文献3(特開2002−116045号公報)には、ナビゲーション装置から発生される案内音声の重要度に応じて音響装置の音量とナビゲーション装置の案内音声の音量との混合状態を調整することによりナビゲーション装置の重要な案内音声を聞き逃さないようにした音量制御装置が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2001−165681号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開2002−236029号公報(図1)
【特許文献3】特開2002−116045号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献2や特許文献3に開示された音声案内装置は、前述したように音声案内を行う場合、POI(Point Of Interest)の重要度の位置付けや音声の音量調整で音声案内を聞き逃さないようにしたものではある。しかしながら、このような音声案内装置において利用者が音声案内を聞き漏らしたり、案内の内容が明確に確認できない場合も多々生じる。特に、車載用ナビゲーション装置や携帯用ナビゲーション端末を用いて自動車で経路案内サービスを受けている場合には、移動速度が早く、また運転操作に注意が向いていることが多く、しばしばこのような状況に遭遇する。
【0013】
しかしながら、上記特許文献2や特許文献3に開示された音声案内装置においては、音声案内の音量調整を行うものではあるが、音声案内を聞き漏らした場合に再度音声案内を聞いたり、別の方法で案内を再確認したりする手段が提供されていないという問題点があった。
【0014】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、所望のタイミングで音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを案内経路上に移動表示(アニメーション表示)するようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0015】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、音声案内した際に、その内容を視認し易く表示することができる地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる地図表示システムの発明は、
地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおいて、
地図表示システムは、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、前記道路名称表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンク画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する際、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる地図表示システムにおいて、前記地図表示システムはさらに、さらに入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる地図表示システムにおいて、前記音声案内テキストデータは音声案内データをユーザの嗜好に適した表現で表記したテキストデータであることを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項5にかかる地図表示装置の発明は、
地図データと音声案内データを含む案内経路データを経路探索サーバから取得し、前記案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示装置において、
地図表示装置は、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする地図表示装置。
【0021】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる地図表示装置において、前記道路名称表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンク画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する際、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項5または請求項6にかかる地図表示装置において、前記地図表示システムはさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項5または請求項6にかかる地図表示装置において、前記音声案内テキストデータは音声案内データをユーザの嗜好に適した表現で表記したテキストデータであることを特徴とする。
【0024】
また、本願の請求項9にかかる地図表示方法の発明は、
地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおける地図表示方法において、
地図表示システムは、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段が、表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出するステップと、テキストデータ表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項9にかかる地図表示方法において、前記道路名称表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンク画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップは、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示する処理を含むこと特徴とする。
【0026】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項9または請求項10にかかる地図表示方法において、前記地図表示システムはさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから音声案内テキストデータを読み出すステップを有することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項12にかかる地図表示方法の発明は、
地図データと音声案内データを含む案内経路データを経路探索サーバから取得し、前記案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示装置における地図表示方法において、
地図表示装置は、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段が、表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出するステップと、テキストデータ表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる地図表示方法において、前記道路名称表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップは、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示する処理を含むこと特徴とする。
【0029】
本願の請求項14にかかる発明は、請求項12または請求項13にかかる地図表示方法において、前記地図表示装置はさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから音声案内テキストデータを読み出すステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1にかかる発明においては、地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおいて、地図表示システムは、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、前記テキストデータ表示リンク抽出手段は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するように構成した。
【0031】
このような構成によれば、地図表示システムは、経路案内を音声により出力するのみならず、経路案内に関連したテキストデータを案内経路の道路リンクに沿って表示するから、視覚的に経路案内を提供することができ、ユーザが音声案内を聞き逃しても、再度経路案内を容易に確認することができるようになる。
【0032】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、前記道路名称表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する際、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示するように構成した。
【0033】
このような構成によれば、地図表示システムは、経路案内を音声により出力するのみならず、経路案内に関連したテキストデータを案内経路の道路リンクに沿って表示するから、ユーザが音声案内を聞き逃しても、再度経路案内を容易に確認することができるようになる。また、前記テキストデータは案内経路の進行方向と同じ方向に移動させながら表示されるから、右折の場合にはテキストデータが案内経路に沿って右折して移動表示され、案内の内容を視覚的、直感的に判断できるようになる。
【0034】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる地図表示システムにおいて、前記地図表示システムはさらに、入力手段を備え、前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するように構成した。
【0035】
このような構成によれば、地図表示システムは、音声により出力される案内を聞き逃した場合に、所定の操作を行うことによって、経路案内に関連したテキストデータを案内経路の道路リンクに沿って表示させることができるから、再度経路案内を容易に確認することができるようになる。
【0036】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる地図表示システムにおいて、前記音声案内テキストデータは音声案内データをユーザの嗜好に適した表現で表記したテキストデータである。
【0037】
このような構成によれば、ユーザがその嗜好に従って任意の表現でテキストデータを登録することができ、ユーザの好みにあった表現のテキストデータを表示させることが可能になる。
【0038】
また、請求項5ないし請求項8のいずれかにかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項4にかかる発明の地図表示システムを構成する地図表示装置を提供することができるようになる。
また、請求項9ないし請求項11にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項3にかかる発明の地図表示システムにおける地図表示方法を提供することができるようになる。
さらに、請求項12ないし請求項14にかかる発明においては、それぞれ請求項5ないし請求項7にかかる発明の地図表示装置における地図表示方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための地図表示システムを例示するものであって、本発明をこの地図表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の地図表示システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0040】
図1は、本発明の実施例にかかる地図表示装置20を含む経路探索システム10の構成を示すシステム構成図である。本発明の実施例にかかる経路探索システム10は、地図表示装置20と、ナビゲーション機能を有し、各種情報を提供する経路探索サーバ30とがインターネットなどのネットワーク12を介して接続され、通信型の経路探索システムとして構成されている。
【0041】
地図表示装置20は車載型のナビゲーション端末やナビゲーションサービスを受けるナビゲーションアプリケーションを備えた携帯電話のような携帯端末であってもよく、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)20−1、ノートPC20−2、PDA(Personal Digital Assistant)端末20−3、携帯電話端末20−4のほかに、携帯ゲーム端末や携帯音楽端末などの移動端末を用いることができる。また、本発明は、通信型のナビゲーションシステムに限ることなく、スタンドアロンタイプのナビゲーション装置であってもよい。
【0042】
図2は、実施例における地図表示装置20および経路探索サーバ30の構成を示すブロック図である。
地図表示装置20は、制御手段210、位置取得手段220、通信手段230と、表示領域決定手段241、案内経路データ抽出手段242、テキストデータ表示リンク抽出手段243、テキストデータ抽出手段244、テキストデータ表示調整手段245などから構成されるテキストデータ表示制御手段240、および、データ保存メモリ250、配信要求手段260、VRAM270、表示手段280、入力手段290などを備えて構成されている。
【0043】
制御手段210は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段230はネットワーク12を介して経路探索サーバ30などの各種サーバと通信するためのものである。
【0044】
位置取得手段220はGPS衛星信号を受信して地図表示装置20の現在位置を緯度、経度で測位する衛星航法手段を含んで構成される。衛星航法手段で測位された地図表示装置の現在位置情報は通信手段230を介して経路探索サーバ30に送られる。衛星航法手段を構成するGPS受信機は、Autonomous(オートノーマス)、MS−Based、A−GPSいずれの方式でも良い。A−GPSの場合は、立ち止まると測位を停止することもできるので、経路探索サーバ30との間の通信のトラフィック軽減効果もある。地図表示装置20が車載型の装置の場合、加速度センサや舵角センサなどから構成される自律航法手段を備え、GPSによる測位が不能な場所では自律航法手段により現在位置を取得する。
【0045】
通信手段230は、ネットワーク12を介してインターネットに接続し、経路探索サーバ30と通信するためのインターフェースであり、無線通信ユニットを含み、インターネット網を介したパケット通信の他、携帯電話基地局との無線通信も行うように構成されている。
配信要求手段260は経路探索サーバ30に所要な経路探索を要求するためのものであり、入力手段290によって指定された経路探索の条件を経路探索サーバ30に送信し、経路探索サーバ30はその条件に従って経路を探索して地図表示装置に案内経路、地図データを配信する。
【0046】
データ保存メモリ250は、経路探索サーバ30から配信される音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを保存する記憶手段であり、経路探索サーバ30から配信される経路探索結果である案内経路データ、地図データ、地図上のランドマークなどのガイダンスデータも保存する。これらのデータは必要に応じてデータ保存メモリ250から読み出され、表示手段280に表示される。一般的には、位置取得手段220で測位した地図表示装置20の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、地図表示装置20の現在位置を示すマークを重ね合わせて該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0047】
測位した位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が案内経路からずれている場合には現在位置を案内経路上に補正するルートマッチング処理が行われる。また、経路探索サーバ30から配信される案内経路データに音声ガイドのデータが付加されている場合は、例えば、交差点や分岐点(案内ポイント)に地図表示装置20が近づいた際に、「この先、300m交差点です。左折して下さい」などの音声メッセージを、スピーカを介して再生出力してユーザをガイドする。
【0048】
入力手段290は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどからなり地図表示装置20を操作したり、所要の入力をしたりするためのものである。また、出力手段である表示手段280に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、キーを操作して種々の入力操作を行うものである。従って、表示手段280は入力手段290の一部としても機能する。
【0049】
ユーザは、地図表示装置20において経路探索サーバ30に経路探索を依頼しようとする場合、入力手段290を操作して、出発地や目的地、移動手段(徒歩や徒歩と交通機関併用、自動車など)、出発予定時刻や到着希望時刻などの経路探索条件の入力を行い、経路探索条件を経路探索サーバ30に送り、経路探索の要求を行う。
【0050】
出発地、目的地は緯度、経度によって指示するのが一般的であるが、住所や電話番号を入力し、経路探索サーバ30のデータベースで緯度、経度の情報に変換する方法や、地図表示装置20に表示されている地図上でポイントを指定し緯度、経度の情報に変換する方法を用いてもよい。出発地の情報としては、位置取得手段220で測位した地図表示装置20の現在位置を出発地として、測位地点の緯度、経度の情報を使用することもできる。移動手段は、例えば、徒歩、自動車、徒歩と交通機関の併用などである。
【0051】
表示手段280は、ディスプレイや液晶表示装置などからなり、経路探索サーバ30から配信を受けた案内経路データに従って、地図データや該案内経路データに設定された案内(ガイド)を表示したり、音声ガイドしたり、案内ポイントのノードにアイコンを表示するものである。
【0052】
VRAM270は表示手段280に表示される画像データを描画するためのメモリ部である。テキストデータ表示制御手段240は、本発明にかかる音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータ表示を行うための処理部である。地図データの主要な要素である道路データは、交差点、屈曲点などをノードとして、各ノードを結ぶリンクで構成される。
【0053】
図3は道路データの構成を示す図である。図3に示すように道路には道路IDが識別情報として与えられており、各道路は交差点や屈曲点などのノード1〜ノードNによって表される。それぞれのノードの位置は緯度、経度を用いてx座表、y座標で表現される。例えば、道路1はノード1(x11、y11)〜ノードN(x1n、y1n)で表される。
【0054】
各道路のノード間を結ぶリンクのデータは、図4に示すように一般的にはリンクの長さや所要時間を示すリンクコスト、リンクの向きと大きさを表すベクトルを各リンク毎に記憶して構成する。例えば、道路1のリンク1はノード1とノード2を結ぶリンクであり、このノード間の距離と、リンク1の向きと大きさを示すベクトルデータLV11が記憶される。他のリンク2〜リンクNも同様である。
【0055】
また、音声データと音声テキストは、図5に示すように、音声IDに対応してその音声データと音声テキストIDが対応付けられて記憶されている。そして音声テキストIDに対応付けて音声テキストと関連付けられた音声案内テキストデータが記憶されている。図3〜図5に示すデータが案内経路データとして経路探索サーバ30に蓄積されており、地図表示装置20からの配信要求に従って、所要範囲の案内経路データが経路探索サーバ30から配信される。配信された案内経路データはデータ保存メモリ250に保存される。
【0056】
一方、経路探索サーバ30は、図2に示すように、制御手段310、経路探索手段320、案内経路データ記憶手段330、通信手段340、データ配信手段350を備えて構成されている。
制御手段310は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にRAM、ROMを備えており、ROMに格納された制御プログラムによって各部の動作を制御する。
【0057】
経路探索手段320は、地図表示装置20から送信される出発地、目的地などの経路探索条件や現在位置の情報に基づいて、案内経路データ記憶手段330に蓄積された地図データを参照して、出発地から目的地までの経路探索を行う。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。このような構成は一般のナビゲーションシステムと同様のものである。
【0058】
案内経路データ記憶手段330は、図3〜図5に示すように、道路データを含む地図画像データ、音声案内データ、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを蓄積している。案内経路データ記憶手段330に記憶される地図画像データは、ベクター形式で作成されている。一般に地図データは、ビットマップ形式で作成される場合とベクター形式で作成される場合がある。
【0059】
地図データの内容が同一であり、単に当該地図を縮小、拡大する場合、ビットマップ形式で作成された地図データは、所望の縮小率、拡大率で縮小、拡大したビットマップデータを予め作成しておく必要がある。このため、各階層の地図データの他に、縮小、拡大した地図データを予め作成しておくことになる。これに対して、ベクター形式で作成された地図データは、地図を構成する各要素ベクターの大きさを所望の長さを縮小率、拡大率で演算することによって容易に拡縮処理することができ、ある階層の地図データに基づいて異なる縮小率、拡大率に拡縮した地図データを得ることができる。
【0060】
また、案内経路データ記憶手段330に記憶される音声案内データおよび音声案内テキストデータは、図5に示すように、音声IDに対応してその音声データと音声テキストとが関連付けられて記憶される。例えば、音声ID001に対応した音声データ『この先交差点右方向です』に関連付けられた音声テキストデータとして、音声テキストID001−1〜001−4の音声テキストが選択可能に記憶されている。
【0061】
これらの音声テキストID001−1〜001−4の音声テキストは、音声案内をそのままテキストデータとした標準的なテキストデータの他に、ユーザがその嗜好に従って任意の表現で登録することができ、ユーザの好みにあった表現のテキストデータを表示させることが可能である。また、音声案内の種別(直進、右折、左折)によって表示するテキストデータの内容に変化を持たせてもよい。
【0062】
通信手段340は、ネットワーク12を介して地図表示装置20と通信するためのインターフェースであり、地図表示装置20から経路探索条件を受信し、また、経路探索手段320で探索した最適な経路探索の結果である案内経路のデータ、地図データ、音声案内データ等の地図表示装置20に要求されたデータやサービスに必要な案内経路データを地図表示装置20に配信するためのものである。
【0063】
案内経路データは、ベクターデータとして作成された案内経路に地図データが付加されて配信され、経路探索手段320で探索された案内経路上の出発地、経路の屈曲点、交差点、目的地などのガイドポイントが設定され、それらのガイドポイントの位置座標(緯度・経度)、各ガイダンスポイントに関連する案内情報(直進や右左折などを指示する音声およびテキストからなるガイダンス情報)が含まれる。地図表示装置20は、配信された地図データと案内経路データを受信し、地図および案内経路を表示し、ガイダンスポイントに到着した時点で所定のガイドを表示または音声で出力する。
【0064】
データ配信手段350は、経路探索手段320により探索した案内経路データを案内経路データ記憶手段330から読み出された現在位置を含む地図データに埋め込み、通信手段340を介して地図表示装置20に配信する。
【0065】
地図表示装置20は、歩行者が携帯し、無線により基地局と通信し、基地局を介してインターネットなどのネットワーク12を経由して経路探索サーバ30と接続関係が確立され、移動手段(徒歩あるいは自動車など)や現在位置または所望の出発地と目的地を経路探索条件として設定して経路探索サーバ30に経路探索要求を送信し、また、経路探索サーバ30は、経路探索条件に従って、案内経路データ記憶手段330を参照し最適経路を探索し、その最適経路を案内経路データ(地図情報、経路探索の結果など)に編集して地図表示装置20に配信する。
【0066】
本発明においては、音声案内テキストデータを表示する場合、現在位置を中心にして表示手段280の表示画面上に表示する地図の表示領域を決定し、案内経路データから表示すべき地図データを抽出するとともに、表示すべき地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、この案内経路の道路リンクの近傍に、データ保存メモリ250から読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する。
【0067】
図6は、このようにして表示した音声案内テキストデータの表示例を示す図である。図6に示すように、表示される道路Rd1〜Rd4について、案内経路の道路リンクRdL1とRdL4に沿って、道路リンクRdL1とRdL4の近傍に、音声案内テキストデータ「この先交差点右方向です」がアニメーション表示される。
【0068】
音声案内テキストデータは、現在位置アイコン610の近傍のアニメーション開始時テキスト位置aから道路Rd1〜Rd4が交差する交差点の近傍のアニメーション方向転換時テキスト位置bまで直進し、交差点を右に曲がって進む経路案内に沿った進行方向にあるアニメーション終了時テキスト位置cまで同内容の複数のテキストデータが流れるように移動する態様のアニメーションで表示される。テキストデータの流れる速度は、地図表示装置20の移動速度や案内経路の形態に応じて制御するようにしてもよい。
【0069】
なお、アニメーション表示される音声案内テキストデータはモノクロ表示でもカラー表示でもよく、テキストデータを点滅させたり、アニメーション開始時にフェードインさせたり、終了時にフェードアウトさせるなどの視覚的効果を持たせてもよい。
【0070】
テキストデータ表示制御手段240は前述のような表示制御を行うため、先ず、表示領域決定手段241が、現在位置を中心にして表示手段280の表示画面上に表示する地図の表示領域を決定し、案内経路データ抽出手段242は表示領域決定手段241が決定した表示領域に基づいて、データ保存メモリ250から表示すべき地図データ、音声案内などの必要データを抽出する(読み出す)。
【0071】
案内経路データ抽出手段242が抽出した案内経路データを参照してテキストデータ表示リンク抽出手段243は、表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ抽出手段244はデータ保存メモリ250から対応する音声案内テキストデータを抽出する。テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの近傍に、データ保存メモリ250から読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って配置する。そして、地図データおよび音声案内テキストデータはVRAM270に描画され、表示手段280に表示される。
【0072】
次に、一般的なナビゲーションシステムにおける経路探索の方法について図7に示す経路探索用の道路ネットワークデータの模式図を参照して説明する。
【0073】
経路探索用の道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0074】
すなわち、図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0075】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0076】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0077】
次に、以上の動作手順についてフローチャートを参照して説明する。
図8は、本発明の実施例にかかる地図表示装置20において音声案内とともに音声案内テキストデータを表示する処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す動作手順は、地図表示装置20の制御手段210がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0078】
先ず、ステップS11の処理において、入力手段290からの操作により経路探索条件として、テキストデータの種類などを選択する。
次に、ステップS12の処理において、表示手段280に経路探索結果として地図が表示され、音声案内が開始される。例えば、地図画面上の交差点を右に曲がる前に、「この先交差点右方向です」という音声案内が行われる。
【0079】
そして、ステップS13の処理において、この音声案内を聞き逃してしまった場合や、聞き取り難かった場合に、音声案内のテキストデータを流すための所定の操作を入力手段290や表示手段280の表示画面上のUIボタンなどから行われたか否かを判定する。
ステップS13の判定処理において、所定の操作が検知されていなければステップ12の処理に戻り、一方、所定の操作が検知されると、ステップS14の処理において、データ保存メモリ250から読み出し、案内経路に沿って配置された音声案内テキストデータをVRAM270に描画することにより、表示手段280に音声案内テキストデータがアニメーション表示(移動表示)される。
【0080】
例えば、「この先交差点を右方向です」という音声案内に対して同じ内容の音声案内テキストデータが日本語等のステップS11の処理において選択されたテキストデータの種類に基づいてアニメーションで流される。
【0081】
なお、上記の実施例では、音声案内データ、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータは案内経路データ記憶手段330に蓄積され、経路案内に応じて必要なデータを地図表示装置20にダウンロードする構成としているが、案内経路データ記憶手段330には音声案内データのみを保存しておき、音声案内テキストデータは地図表示装置20で保持する構成にしてもよい。これによって、経路探索サーバ30と地図表示装置20との間のデータの通信負荷を軽減することができるようになる。
また、音声データの案内種別(右折、直進、左折など)によってセットする音声案内テキストデータを変えるような構成にしてもよい。
【0082】
以上、説明したように、本発明の地図表示システムによれば、経路案内を音声により出力するのみならず、経路案内に関連したテキストデータを案内経路の道路リンクに沿って表示するから、音声案内時に音声案内データを聞き逃した際にユーザの要求に応じて経路案内サービスを視覚的に提供することができるようになる。すなわち本発明の地図表示システムは経路案内を視覚的に提供することができるから、ユーザが音声案内を聞き逃しても、再度経路案内を容易に確認することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本実施例においては、地図表示装置と経路探索サーバとからなる通信型の経路探索システムとして説明したが、本発明は通信型の経路探索システムに限られることはなく、地図データの更新が管理可能であれば、地図表示装置と経路探索サーバが一体となったスタンドアロンで動作する携帯情報装置にデータをダウンロードして、携帯情報端末単独で経路案内を行う際に本発明を適用してもよい。
【0084】
また、本発明にかかる経路探索システムは上記の構成に限られるものではなく、地図表示装置として携帯電話やPDAなどの携帯電子装置であってもよく、また、経路探索サーバは、歩行者に対するナビゲーション機能の他に自動車用のナビゲーション機能をあわせ持つサーバであってもよい。さらに、GPS測位手段を持たない携帯電話であってもよい。GPS測位手段を持たない携帯電話の場合、基地局に対する位置登録により通信エリアの位置情報を取得し、経路探索サーバはこの位置情報を携帯電話から受信して位置を判別すればよい。
【0085】
また、視覚に障害があるユーザにも経路案内サービスを視覚的に提供することが可能と考えられる。
さらに、ビジネスモデルとして音声データに対応する音声テキストデータを携帯サイトから必要に応じてユーザが購入できるようにしておけば位置情報携帯サイトビジネスの可能性を拡充させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施例にかかる経路探索システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例における地図表示装置20および経路探索サーバ30の構成を示すブロック図である。
【図3】地図データの主要な要素である道路データの構成を示す図である。
【図4】道路データにおけるリンクのデータを示す図である。
【図5】音声案内データと音声案内テキストデータの関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例にかかる地図表示装置に表示される経路案内の表示例を示す図である。
【図7】経路探索のための道路ネットワークデータの概念を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例にかかる地図表示装置において経路案内を表示する動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
10・・・・・経路探索システム
12・・・・・ネットワーク
20・・・・・地図表示装置
210・・・・制御手段
220・・・・位置取得手段
230・・・・通信手段
240・・・・テキストデータ表示制御手段
241・・・・表示領域決定手段
242・・・・案内経路データ抽出手段
243・・・・テキストデータ表示リンク抽出手段
244・・・・テキストデータ抽出手段
245・・・・テキストデータ表示調整手段
250・・・・データ保存メモリ
260・・・・配信要求手段
280・・・・位置取得手段
270・・・・VRAM
280・・・・表示手段
290・・・・入力手段
30・・・・・経路探索サーバ
310・・・・制御地手段
320・・・・経路探索手段
330・・・・案内経路データ記憶手段
340・・・・通信手段
350・・・・データ配信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおいて、
地図表示システムは、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記道路名称表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンク画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する際、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記地図表示システムはさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする請求項1または2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記音声案内テキストデータは音声案内データをユーザの嗜好に適した表現で表記したテキストデータであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項5】
地図データと音声案内データを含む案内経路データを経路探索サーバから取得し、前記案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示装置において、
地図表示装置は、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段は表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出し、テキストデータ表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
前記道路名称表示調整手段は、抽出された案内経路の道路リンク画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示する際、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示することを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記地図表示システムはさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記音声案内テキストデータは音声案内データをユーザの嗜好に適した表現で表記したテキストデータであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の地図表示装置。
【請求項9】
地図データと音声案内データを含む案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示システムにおける地図表示方法において、
地図表示システムは、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段が、表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出するステップと、テキストデータ表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップと、を有することを特徴とする地図表示方法。
【請求項10】
前記道路名称表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップは、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示する処理を含むこと特徴とする請求項9に記載の地図表示方法。
【請求項11】
前記地図表示システムは、さらに入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから音声案内テキストデータを読み出すステップを有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の地図表示方法。
【請求項12】
地図データと音声案内データを含む案内経路データを経路探索サーバから取得し、前記案内経路データに基づいて地図を表示手段に表示するとともに所定のタイミングで音声案内データを出力する地図表示装置における地図表示方法において、
地図表示装置は、音声案内データに関連付けられた音声案内テキストデータを記憶するデータ保存メモリと、テキストデータ表示リンク抽出手段と、テキストデータ表示調整手段と、を備え、
前記テキストデータ表示リンク抽出手段が、表示する地図データについて、表示領域内に存在する案内経路の道路リンクを抽出するステップと、テキストデータ表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップと、を有することを特徴とする地図表示方法。
【請求項13】
前記道路名称表示調整手段が、抽出された案内経路の道路リンクの画像上またはその画像の近傍に、データ保存メモリから読み出された音声案内テキストデータを案内経路に沿って表示するステップは、案内経路の進行方向と同じ方向にテキストデータを移動させながら表示する処理を含むこと特徴とする請求項12に記載の地図表示方法。
【請求項14】
前記地図表示装置はさらに、入力手段を備え、
前記入力手段から特定の操作に応じてデータ保存メモリから音声案内テキストデータを読み出すステップを有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−249767(P2008−249767A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87316(P2007−87316)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】