説明

地図表示制御装置、地図表示制御方法及び地図表示制御プログラム

【課題】デジタル地図を用いたサービスの利便性をより向上する。
【解決手段】2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶手段と、3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶手段と、現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を第1記憶手段から読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を第2記憶手段から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御手段と、第2記憶手段に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御手段と、前記2次元地図画像と前記3次元地図画像が切り換わって表示されるように制御する切換手段とを備える地図表示制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示を制御する技術に関し、特に、2次元地図と3次元地図の表示を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル地図を用いた様々なサービスが提供されている。特許文献1には、かかるサービスの一例として、車両に搭載されるナビゲーション装置が記載されている。このナビゲーション装置は、経路上の第1の交差点を曲がったとき、当該第1の交差点と第2の交差点が表示画面に収まる2次元地図を表示し、当該第2の交差点を曲がるとき、当該2次元地図より縮尺を上げた2次元地図を表示画面に表示してから、車両を基準にした3次元地図を表示画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4077304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末、インターネット、ナビゲーションシステム等の急激な普及に伴い、様々なシーンでデジタル地図の利用用途が拡大している。その結果、利用者間では、デジタル地図を用いたサービスの利便性向上に対するニーズが益々高まっている。例えば、携帯端末の利用者間では、2次元地図と比べて直感的でわかりやすい3次元地図を用いた新しいサービスが期待されている。
【0005】
しかし、携帯電話等の携帯端末においては、装置の物理的な大きさや処理能力並びにコスト面等の制約がある。そのため、特許文献1に記載のナビゲーション装置のように、装置内にCD−ROMから読み出した地図情報を格納したり、ナビゲーションコントローラを備えたりする構成を、携帯端末にそのまま適用することは困難である。3次元地図は2次元地図よりもデータ量が多く処理時間も長くなりやすいため、携帯端末で3次元地図を取り扱う場合には、携帯端末の処理能力やネットワーク通信負荷などの問題を考慮する必要がある。
【0006】
例えば、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、3次元地図の視線方向がユーザの視線方向と常に一致するように、経路に沿って3次元地図を連続的に表示している。しかし、処理能力等に制約のある携帯端末では、経路に沿ってリアルタイムで3次元地図を生成することは困難である。そこで、例えば、該当箇所については、所定の視線方向の3次元地図を予め用意しておくことで、処理の負担を軽減することが考えられる。しかし、かかる場合には、3次元地図の視線方向は特定されてしまうため、2次元地図からの切り換え時点において、3次元地図の視線方向とユーザの視線方向とが一致しない場合、ユーザは2次元地図から3次元地図へスムーズに移行することができない。
【0007】
さらに、2次元地図には、距離感や位置関係が容易に把握できるというメリットがある一方、3次元地図には、その場の状況が把握しやすいというメリットがある。このように、2次元地図と3次元地図には、表示形態に応じたメリットがそれぞれあるため、どちらの地図がより利便性が高いか否かは、利用者の読図力や趣向、また、地図を利用する際の状況などによって異なる。従って、特許文献1に記載のナビゲーション装置のように、2次元地図と3次元地図を常に自動的に切り換えてしまうと、利用者の利便性が却って低下する可能性もある。
【0008】
そこで、本発明は、2次元地図と3次元地図の両方を適切に用いることにより、デジタル地図を用いたサービスの利便性をより向上することができる地図表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る地図表示制御装置は、2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶手段と、3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶手段と、現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を前記第1記憶手段から読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を前記第2記憶手段から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御手段と、前記第2記憶手段に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御手段と、前記2次元地図画像と前記3次元地図画像が切り換わって表示されるように制御する切換手段と、備える。
【0010】
前記第1表示制御手段は、前記所定位置について、前記経路に沿った方向に対応する視線方向を有する3次元地図画像を前記第2記憶手段から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御してもよい。
【0011】
前記第2表示制御手段は、前記3次元地図画像上に、当該3次元地図画像の視線方向を表す視線方向情報が重畳表示された状態で表示されるように制御してもよい。
【0012】
前記第1表示制御手段は、前記2次元地図画像の地図領域内の座標情報を有する建物にビルタグを紐づけ、当該ビルタグが前記2次元地図画像上の該当する建物の位置に重畳表示され、前記ビルタグに紐づけられた建物の属性情報が当該ビルタグと同一画面上に表示されるように制御してもよい。
【0013】
前記第2表示制御手段は、前記2次元地図画像の表示領域内の座標情報を有する建物にビルタグを紐づけ、当該ビルタグが前記3次元地図画像上の該当する建物の位置に重畳表示され、前記ビルタグに紐づけられた建物の属性情報が当該ビルタグと同一画面上に表示されるように制御してもよい。
【0014】
前記第1表示制御手段により前記2次元地図画像が表示されている場合に、前記切換手段は、ユーザの移動に応じて更新される現在位置が前記経路上の所定位置と略一致することを条件に、前記2次元地図画像が前記3次元地図画像に切り換わって表示されるように制御してもよい。
【0015】
前記第1表示制御手段により前記2次元地図画像が表示されている場合に、前記切換手段は、前記3次元地図画像への切換指示が入力されたことを条件に、前記2次元地図画像が前記3次元地図画像に切り換わって表示されるように制御してもよい。
【0016】
ディスプレイに表示された撮像映像に、現在位置及び撮影時のカメラの視線方向に基づいて特定される付加情報が合成表示されている場合に、前記切換手段は、前記付加情報が合成表示された撮像映像に代えて、前記現在位置に基づいて特定される2次元地図画像が表示されるように前記第1表示制御手段を制御してもよい。
【0017】
ディスプレイに表示された撮像映像に、現在位置及び撮影時のカメラの視線方向に基づいて特定される付加情報が合成表示されている場合に、前記切換手段は、前記付加情報が合成表示された撮像映像に代えて、前記現在位置と前記視線方向とに基づいて特定される3次元地図画像が表示されるように前記第2表示制御手段を制御してもよい。
【0018】
また、本発明は、地図画像表示制御装置における地図画像制御方法であって、2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶装置から現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶装置から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御ステップと、前記2次元地図画像を含む画面を3次元地図画像を含む画面へ切り替えるステップと、前記第2記憶装置に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御ステップと、備える。
【0019】
また、本発明は、上記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとしても成立する。このプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0020】
また、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、2次元地図と3次元地図の両方を適切に用いることにより、デジタル地図を用いたサービスの利便性をより向上することができる地図表示制御装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】地図表示制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末に表示される2次元地図画面の一例を示す図である。
【図4】携帯端末に表示される3次元地図画面の一例を示す図である。
【図5】携帯端末に表示される画面遷移の一例を示す図である。
【図6】地図表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】携帯端末に表示される画面遷移の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態では、一例として、2次元地図(以下、「2D地図」「2次元地図画像」ともいう。)と3次元地図(以下、「3D地図」「3次元地図画像」ともいう。)を用いた地図表示サービスを携帯電話などの携帯端末に提供する場合に好適な地図表示制御装置について説明する。
【0024】
本実施形態では、携帯端末の処理能力やネットワーク通信負荷を考慮し、地図表示制御装置側で生成した2次元地図及び3次元地図を携帯端末へ送信するように構成している。
【0025】
また、本実施形態では、2次元地図上に、当該2次元地図の経路上で利用可能な3次元地図の位置及び視線方向を表す情報(以下、「3次元地図方向情報」という。)を重畳表示している。これによれば、ユーザは、切り換え時点における3次元地図の視線方向を事前に把握することができるので、例えば、ユーザが交差点に到着した時点の進行方向(北)と、交差点で表示される3次元地図の視線方向(東)とが一致しないような場合でも、戸惑うことなく3次元地図へスムーズに移行することができる。
【0026】
また、本実施形態では、ユーザの趣向や利用状況に応じて最適な地図を表示するために、2次元地図を表示する画面(以下、「2次元地図画面」という。)と3次元地図を表示する画面(以下、「3次元地図画面」という。)を、ユーザが任意に切り換え可能に構成している。
【0027】
その他、本実施形態における地図表示制御装置が有する特徴については、図面を参照しつつさらに詳細に説明する。各記載において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
[地図表示制御システムの構成]
図1は、本実施形態に係る地図表示制御装置が適用される地図表示制御システム100の概略構成を示すブロック図である。地図表示制御システム100は、地図表示制御装置10と携帯端末20とを備え、これらがネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される。
【0029】
地図表示制御装置10は、主制御手段101、記憶手段102、通信手段103、経路案内手段104、第1表示制御手段105、第2表示制御手段106、切換手段107、AR(Augmented Reality:拡張現実)処理手段108などの各種機能実現手段を主に備える。
【0030】
地図表示制御装置10には、図示してはいないが、CPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバスを備える専用又は汎用のサーバ・コンピュータを適用することができ、例えば、CPUがROM等に格納された所定のプログラムを実行することにより、上記各機能実現手段として機能する。なお、地図表示制御装置10は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。
【0031】
主制御手段101は、地図表示制御装置10の動作全体及び上述した各手段の動作を制御する。記憶手段102は、2次元地図を表示するための2次元地図データと、3次元地図を表示するための3次元地図データと、地図領域内の建物(ビル)に関する建物情報(ビル情報)と、を格納する記憶装置であり、データベースとしての機能を有する。記憶手段102は、2次元地図データ記憶手段、3次元地図データ記憶手段、建物情報記憶手段とも呼ばれる。
【0032】
記憶手段102の各データのデータ構造に特に限定はないが、2次元地図データは、例えば、地図の画像(2次元地図画像)と、当該地図の座標情報(緯度経度)と、が対応づけられている。2次元地図画像には、例えばメッシュ地図などが該当するが、これに限られない。3次元地図データは、例えば、カメラによって撮影された地図上の風景の撮影画像(静止画)や仮想カメラを用いて作成されるCG画像(3次元地図画像)と、当該地図の座標情報と、カメラの視線方向と、が対応付けられている。なお、本実施形態では、地図領域内の所定位置について所定方向の風景に対応する3次元地図画像が格納されている。所定位置及び視線方向については、特に限定はないが、例えば、目印となりやすい建物が存在する場所や交差点などが該当する。
【0033】
建物情報は、地図領域に含まれる所定の建物に関する情報であり、例えば、建物を一意的に識別するための識別情報(建物ID)と、建物の属性情報と、が対応づけられている。建物の属性情報は、例えば、建物の座標情報、高さ、建物に収容されている店舗に関する店舗情報等である。店舗情報には、店舗名やその他詳細情報(住所、電話番号など)が含まれる。
【0034】
ここで、建物情報は、2次元地図及び3次元地図にビルタグや店舗情報を重畳表示するために用いることができる。ビルタグは、地図領域内の所定の建物を当該地図領域内で一意的に特定するためのタグであり、店舗情報は、ビルタグに対応する建物に収容されている店舗の情報である。ビルタグや店舗情報を地図に重畳表示する方法に特に限定はないが、例えば、これらの情報を2次元/3次元地図画像と予め合成する方法や、端末装置20からの要求に応じてリアルタイムで合成する方法などがある。ビルタグについては、例えば、2次元地図(又は3次元地図)の地図領域内の座標を有する建物を建物情報から特定し、特定した建物にタグを紐づけ(例えば、建物に順番に番号を付与する)、紐づけたタグを地図上の建物の座標(及び高さ)に対応する位置に合成することができる。店舗情報については、例えば、タグが付与された建物の店舗情報を建物情報から特定し、特定した店舗情報を地図画像と合成する。同一地図領域を表示する2次元地図と3次元地図のビルタグ及び店舗情報は、同期がとられており、同じビルタグが表示されるように構成されている。以下、本実施形態では、ビルタグや店舗情報が、予め2次元/3次元地図画像データと合成され、記憶手段102に格納されている場合について説明する。
【0035】
通信手段103は、ネットワークNを介して携帯端末20と通信することにより各種情報を送受信するためのインタフェースである。通信手段103は、携帯端末20から送信される現在位置特定情報と目的地特定情報とを受け付ける受付手段としても機能する。
【0036】
経路案内手段104は、通信手段103により受け付けた現在位置特定情報に基づいて現在位置(座標)を特定し、目的地特定情報に基づいて目的地(座標)を特定する。そして、特定した現在位置から目的地までの経路(ルート)を決定し、経路案内情報を生成する。経路案内情報は、例えば、地図上に表示される各種情報(進行方向を示す矢印、経路全体を示す線、目的地までの距離)や、ユーザを誘導するための音声情報などが該当する。
【0037】
第1表示制御手段105は、現在位置に対応する2次元地図画像を記憶手段102から読み出して、これを携帯端末20に送信する。2次元地図画像に基づいて表示される2次元地図画面については、図3を用いて説明する。
【0038】
図3は、2次元地図画面402の一例である。同図に示すように、2次元地図画面402は、2次元地図画像402i、ビルタグ402a、店舗情報402b、店舗の詳細情報402c、案内標識402d、3次元地図方向情報402e、経路案内情報402f、写真ボタン402g、ユーザ位置402hを含んでいる。なお、2次元地図画面402に含まれる各種情報の表示態様は、同図に示すものに限られず、設計に応じて適宜これを変更することが可能である。
【0039】
具体的には、建物に紐づけられたビルタグ402aが2次元地図402画像iに重畳表示され、当該建物に収容されている店舗の店舗情報402bが2次元地図画像402iに隣接して表示されている。また、店舗情報402bからユーザが選択した店舗の詳細情報402cが、さらに重畳表示されている。ユーザは、2次元地図402画像i、ビルタグ402a、店舗情報402b、詳細情報402cによって、現在位置の周辺に存在する建物や、建物内にある店舗を容易に確認することができるとともに、興味ある店舗については、その詳細情報を取得することができる。
【0040】
また、2次元地図画面402には、ユーザが目的地を選択した場合に、現在位置から目的地までの経路を案内する経路案内情報を表示することができる。同図では、ユーザが店舗情報402bから所定の店舗を選択した結果、現在位置から当該店舗を収容している建物までの経路が検索され、検索された経路を示す経路案内情報402fと、ユーザの現在位置を示すユーザ位置402hが表示されている。目的地の建物に該当するビルタグ(3)は、他のビルタグと区別可能な表示態様で表示される。
【0041】
また、2次元地図画面402には、現在位置から目的地までの経路上で表示可能な3次元地図画像が記憶手段102に格納されている場合、当該3次元地図画像の位置と視線方向を表す情報(3次元地図方向情報)が2次元地図402iに重畳表示される。2次元地図画像の経路上で表示可能な3次元地図画像とは、例えば、2次元地図画像に表示された経路上の座標情報を有する3次元地図である。第1表示制御手段105は、記憶手段102に格納されている3次元地図データを参照することにより経路上で表示可能な3次元地図画像の有無を判断し、判断結果が是である場合は、当該3次元地図データに含まれる座標情報及び視線方向に基づいて3次元地図方向情報を生成し、生成した3次元地図方向情報を2次元地図画像に合成する。経路上で表示可能な3次元地図画像の有無は、例えば、3次元地図画像の座標情報が経路を構成する座標情報に含まれる場合、または、3次元地図画像の座標情報が経路上の所定位置の座標情報と一致する場合とすることができる。また、判断基準には、座標情報に加えて他の要件を追加することもでき、例えば、経路上の所定位置における進行方向と3次元地図のカメラの視線方向とが一致する場合を追加してもよい。位置と視線方向を判断基準とした場合、経路上でユーザが確認する3次元地図画像は、ユーザの進行方向に沿った風景となるため、ユーザが経路をより確認しやすくなる。
【0042】
3次元地図方向情報は、特にその表示態様に限定はないが、例えば、3次元地図画像の座標近辺から視線方向へ延出する矢印によって表示することができる。同図では、ユーザ位置402hから目的地(ビルタグ3)までの経路402f上に、3次元地図方向情報402eが表示されている。
【0043】
また、3次元地図方向情報402eによって示される視線方向の延長上には、当該方向を案内するための情報(以下、「標識情報」という。)の一例として、地名が記載された標識(図中の「至る本庄駅」)402dが、表示されている。第1表示制御手段105は、例えば、座標情報、視線方向及び地名を対応づけて格納したテーブル(図示せず)を参照することにより、3次元地図方向情報402eの座標情報及び視線方向に対応する地名を特定し、特定した地名に基づいて標識情報を生成し、生成した標識情報を3次元地図方向情報402eの視線方向延長位置で合成することができる。
【0044】
なお、経路上に利用可能な3次元地図画像が複数存在する場合は、所定条件に従って3次元地図画像を選択し、選択した3次元地図画像について3次元地図方向情報を重畳表示することができる。例えば、利用可能な全ての3次元地図画像を選択してもよいし、現在位置に最も近い1又は複数の3次元地図画像を選択してもよい。
【0045】
また、2次元地図画面402には、2次元地図画面から3次元地図画面への切り換え指示を入力するための切換指示入力手段が表示される。同図に示すように、2次元地図画面402には、切換指示入力手段の一例として写真ボタン402gが重畳表示されている。
【0046】
第2表示制御手段105は、現在位置及びカメラ方向、又は、3次元地図方向情報に対応する3次元地図画像を記憶手段102から読み出して、これを携帯端末20に送信する。なお、3次元地図方向情報に対応する3次元地図画像は、3次元地図画像の利用可能な地点(以下、「3次元地図利用可能地点」という。)が現在位置と離れている場合、すなわち、ユーザが3次元地図利用可能地点に到着していない場合でも、表示させることができる。3次元地図画像に基づいて表示される3次元地図画面については、図4を用いて説明する。なお、3次元地図画面403に含まれる各種情報の表示態様は、同図に示すものに限られず、設計に応じて適宜これを変更することが可能である。
【0047】
図4は、3次元地図画面403の一例である。同図に示すように、3次元地図画面403には、3次元地図画像403i、ビルタグ403a、店舗情報403b、店舗の詳細情報403c、標識情報403d、視線方向情報403e、地図ボタン403gを含んでいる。
【0048】
具体的には、各建物に対して設定されたビルタグ403aが3次元地図画像403iに重畳表示され、当該建物に収容されている店舗の店舗情報403bが3次元地図画像403iに隣接して表示されている。また、店舗情報403bから選択された店舗の詳細情報403cが、さらに重畳表示されている。これらの建物情報は、2次元地図画面402の建物情報と同じであるので説明を省略する。
【0049】
さらに、3次元地図403i上には、当該3次元地図画像の視線方向を表す情報(以下、「視線方向情報」という。)403eが重畳表示される。視線方向情報403eは、3次元地図画像の座標情報及びカメラ視線方向に基づいて生成することができ、特にその表示態様に限定はないが、例えば、視線方向へ延出する矢印によって表される。図6では、3次元地図画像403iの下端略中央部から目的地(ビルタグ3)方向に沿って視線方向情報403eが表示されている。
【0050】
また、視線方向情報403eによって示される方向の延長上には、標識情報403d(図中の「至る本庄駅」)が表示されている。なお、視線方向情報403e及び標識情報403dは、2次元地図画面上の3次元地図方向情報402e及び案内標識402dに、それぞれ対応している。
【0051】
また、3次元地図画面403には、3次元地図画面から2次元地図画面への切り換え指示を入力するための切換指示入力手段が重畳表示される。同図に示すように、3次元地図画面403には、切換指示入力手段の一例として地図ボタン403gが重畳表示されている。
【0052】
このような2次元地図画面402及び3次元地図画面403によれば、ユーザは、2次元地図画面を参照して現在位置から目的地までの距離感や位置関係を把握するとともに、3次元地図画面を参照して経路上の所定方向の風景を予め確認しておくことができる。よって、経路だけを確認した場合よりも、確実に目的地へたどり着くことができるようになる。また、事前に2次元地図及び3次元地図を確認して経路や風景を記憶しておけば、経路を歩きながら都度地図を見る作業を省略することができるので、より効率的に目的地に辿り着くことができるようになる。さらに、予め経路や風景を記憶することが困難な場合には、2次元地図を見ながら経路上を移動し、自分が必要と思ったタイミングで3次元地図を閲覧することができる。また、2次元地図と3次元地図には共通の情報が表示されるので、切り換え前の地図から切り換え後の地図へスムーズに移行することが可能になる。
【0053】
切換手段107は、2次元地図画面と3次元地図画面が携帯端末20上で切り換って表示されるように、第1表示制御手段105と第2表示制御手段106を制御する。切換手段107による切り換えは、例えば、携帯端末20から送信される切換要求(2次元地図から3次元地図への切換要求/3次元地図から2次元地図への切換要求)に基づいて行うことができる。また、切換手段107は、予め設定された所定の条件に従って自動的に切り換えてもよい。所定の条件には、例えば、2次元地図画像と3次元地図画像の両方が記憶手段102に格納されている場合は、3次元地図画面を優先表示するように設定してもよい。なお、切換手段107は、2次元地図画面及び3次元地図画面間の切り換えに限られず、後述するAR画面とこれら2次元地図及び3次元地図との切り換えを実行することもできる。
【0054】
AR処理手段108は、携帯端末20において、当該携帯端末20に付属の撮影手段(カメラ)206が撮影した被写体の映像をディスプレイに映した場合に、当該撮影時のカメラ方向に存在する建物等を表す付加情報が、ディスプレイに映し出された映像に合成表示されるように制御する。付加情報は、特に限定はないが、例えば、建物の建物情報である。AR画面については、図5を用いて説明する。
【0055】
図5は、AR画面401の一例である。同図に示すAR画面401は、ユーザによる周辺情報検索や経路検索などが行われた結果、映像401a、ビルタグ401b、店舗情報401c、経路案内情報401dを含んでいる。しかし、同図のAR画面401では、背景となっている映像401aそのものを認識することが困難なであることがわかる。これは、AR画面401にて用いられる映像は実際の風景であるため、例えば夜間や雨天に利用すると、映像が暗くなったり曇ったりするためである。また、晴天時の昼間に利用した場合でも、携帯端末20とユーザが意図する建物との間に、例えば大型自動車や通行人などの障害物が介在した場合には、建物に重畳表示されるべきビルタグが、障害物の上に重畳表示されてしまう。このような場合には、AR画面の映像によって周辺の状況を認識することは困難であるため、AR画面を他の画面に切り換えることが望ましい。そこで、本実施形態では、切換手段107によって、AR画面、2次元地図画面、3次元地図画面の各画面間で任意に画面を切り換え可能に構成されている。
【0056】
携帯端末20は、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータ、携帯型ナビゲーション装置、その他の地図データを表示可能な端末装置である。図2に示すように、携帯端末20は、主制御手段201、記憶手段202、入力手段203、表示手段204、通信手段205、撮影手段206、位置/方位測定手段207などの各種機能実現手段を備える。
【0057】
携帯端末20は、図示してはいないが、携帯端末の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース、カメラ、GPS受信機、電子コンパス及びこれらを結ぶバスを備える専用又は汎用のコンピュータを適用することができる。なお、図1では1つの携帯端末20を記載しているが、利用形態に応じて複数の携帯端末20を地図表示制御装置10と接続することもできる。携帯端末20は、CPUが、メモリまたは外部記憶装置などに記憶された所定のプログラムを実行することにより、ユーザから入力される情報を受け付けると、受けつけた情報に基づいて地図表示要求等を地図表示制御装置10に対して送信し、地図表示制御装置10から地図データ等を受信すると、これに基づいてディスプレイに地図画像を表示する機能が実現される。
【0058】
ネットワークNは、地図表示制御装置10と携帯端末20との間で情報を送受信するための通信回線である。例えば、インターネット、LAN、専用線、パケット通信網、電話回線、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0059】
[地図表示制御処理]
次に、上記のように構成される地図表示制御システム100の動作の概要について説明する。図6は、地図表示制御装置10による地図表示制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0060】
本実施形態では、地図表示制御処理の一例として、ユーザが周辺情報やルート検索を行い、その結果を表示する画面が、AR画面、2次元地図画面、3次元地図画面の順に遷移する場合について主に説明する。しかし、画面遷移はこれに限られず、例えば、2次元地図画面、3次元地図画面、AR画面の順に画面が遷移する場合など他の画面遷移の場合にも、地図表示制御処理を同様に適用することができる。
【0061】
前提として、携帯端末20は、ユーザの操作に従い、撮像映像をディスプレイに表示している(AR画面)。この状態で、携帯端末20は、ユーザの操作入力に基づいて、付加情報(建物情報)の検索要求を地図表示制御装置10へ送信する(S101)。建物情報の検索要求には、携帯端末20の現在位置を特定する現在位置特定情報と、撮影時のカメラ方向を特定する方向特定情報とが含まれている。なお、AR画面の映像に合成される付加情報は、その内容に限定はないが、ここでは、上述した建物情報とする。
【0062】
地図表示制御装置10は、携帯端末20から建物情報の検索要求を受け付けると、この検索要求に含まれる現在位置特定情報によって特定される現在位置と方向特定情報によって特定されるカメラ方向とに対応する建物情報を、記憶手段102の建物情報を参照することにより生成し、携帯端末20へ送信する(S102)。建物情報は、例えば、現在位置からカメラ方向に存在する建物のビルタグと、当該建物に収容されている店舗情報である。
【0063】
携帯端末20は、建物情報を受信し、ディスプレイに表示されている映像に重畳表示する(S103)。図5は、建物情報が映像に重畳表示されているAR画面の一例を表している。AR画面401では、カメラ方向の映像401aに、建物を表すビルタグ401bと建物内の店舗情報401cとが、それぞれ重畳表示されている。ユーザは、店舗情報401bの中から任意の店舗を目的地として選択することができる。
【0064】
次に、携帯端末20は、ユーザによって任意の店舗が選択されると、当該選択された店舗の情報を目的地特定情報として地図表示制御装置10へ送信する(S104)。
【0065】
地図表示制御装置10は、目的地特定情報を受信すると、この受信した目的地特定情報に基づいて目的地を特定し、現在位置から目的地までの経路を決定し、決定した経路を表す経路案内情報を携帯端末20へ送信する(S105)。
【0066】
携帯端末20は、経路案内情報を受信し、これをディスプレイに表示されている映像に重畳表示する(S106)。図3のAR画面401では、進行方向を示す経路案内情報401dが映像401aに重畳表示されている。なお、同図は、ユーザが雨天時にAR画面を利用した場合の一例であり、映像401aが暗く曇っているため認識しがたい。
【0067】
携帯端末20は、AR画面を表示すると、当該AR画面が認識困難であるか否かを判断し、認識困難であると判断した場合は、画面切換要求を地図表示制御装置10へ送信する(S107)。また、携帯端末20は、ユーザより画面切換指示が入力された場合、画面切換要求を地図表示制御装置10へ送信することもできる(S107)。
【0068】
地図表示制御装置10は、AR画面から2次元地図画面又は3次元地図画面への切換要求を受信すると、所定の切換条件に従って、2次元地図画面又は3次元地図画面のいずれに切り換えるかを判定する(S108)。切換条件は、その内容に特に限定はないが、例えば、現在位置及びカメラ方向に対応する3次元地図画像が記憶手段102に格納されている場合は、3次元地図画面を選択し、現在位置及びカメラ方向に対応する3次元地図画像が記憶手段102に格納されていない場合は、2次元地図画面を選択するように設定することができる。また、ユーザによって予め指定されている場合は、当該指定された地図画面を選択してもよい。
【0069】
地図表示制御装置10は、2次元地図画面が選択された場合は、現在位置に対応する2次元地図画像(ビルタグや店舗情報が合成されている)を記憶手段102から読み出し、経路上で利用可能な3次元地図画像が記憶手段102に格納されている場合は、当該3次元地図画像の3次元地図方向情報と標識情報を生成して2次元地図画像に合成し、合成後の2次元地図画像を携帯端末20へ送信する(S109)。携帯端末20は、2次元地図画像を受信し、これに基づいて2次元地図画面をディスプレイに表示する(S110)。図2は、携帯端末20に表示された2次元地図画面の一例を表している。
【0070】
また、地図表示制御装置10は、3次元地図画面が選択された場合は、現在位置及びカメラ方向に対応する3次元地図画像(ビルタグや店舗情報が合成されている)、又は、3次元画面方向情報に対応する3次元地図画像を記憶手段102から読み出し、視線方向情報と標識情報を生成して3次元地図画像データに合成し、合成後の3次元地図画像を携帯端末20へ送信する(S111)。携帯端末20は、3次元地図画像を受信し、これに基づいて3次元地図画面をディスプレイに表示する(S112)。図3は、携帯端末20に表示された3次元地図画面の一例を表している。
【0071】
ユーザは、携帯端末20に表示された2次元地図画面により、現在地位の周辺や目的地までの経路を確認することができる。また、3次元地図画面により、経路上の所定位置における風景を確認することができる。ユーザは、表示されている地図画面を他の地図画面へ切り換えたい場合は、2次元地図画面の写真ボタン又は3次元地図画面の地図ボタンを選択する。また、ユーザは、2次元地図画面を参照しながら、経路上を目的地へ向かって移動することができる。
【0072】
携帯端末20は、ユーザの操作入力に基づいて、画面切換要求を地図表示制御装置10へ送信する(S113)。また、携帯端末20は、その移動に伴って更新される現在位置特定情報を地図表示制御装置10へ送信する(S114)。
【0073】
地図表示制御装置10は、画面切換要求又は現在位置に基づいて、2次元地図画面と3次元地図画面を切り換える(S115)。例えば、地図表示制御装置10は、画面切換要求を受信した場合は、当該画面切換要求において指定されている地図画面を選択する。
【0074】
一方、地図表示制御装置10は、ユーザの移動に伴って更新される現在位置特定情報に基づいてユーザの現在位置を更新し、更新した現在位置が、3次元地図方向情報によって特定される座標情報と略一致する場合は、3次元地図画面を選択する。一方、更新した現在位置が、3次元地図方向情報によって特定される座標情報と略一致しない場合は、2次元地図画面を維持する。地図表示制御装置10は、2次元地図画面を選択した場合はS109に進み、3次元地図画面を選択した場合は、S111に進む。
【0075】
以上、本実施形態によれば、2次元地図と3次元地図の両方を適切に用いることができるようになるので、デジタル地図を用いたサービスの利便性をより向上することが可能になる。特に、2次元地図上に3次元地図方向情報を重畳表示しているので、ユーザは、切り換え時点における3次元地図の視線方向を事前に把握することができる。その結果、ユーザは、2次元地図からの切り換え時点において、3次元地図の視線方向とユーザの視線方向とが一致しない場合でも、戸惑うことなく3次元地図へスムーズに移行することができる。また、ユーザは、経路上で2次元地図と3次元地図を所望のタイミングで適宜切り換えることにより、効率的に目的地に到着することができる。また、2次元地図と3次元地図の双方を事前に確認しておけば、経路上でその都度地図を確認する作業を省略することができる。
【0076】
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0077】
上記実施形態では、AR画面、2次元地図画面、3次元地図画面の順に画面遷移する場合について説明したが、例えば、周辺情報検索画面などから2次元地図画面又は3次元地図画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、地図表示制御装置10は、図7に示すような周辺情報検索画面400を、携帯端末20へ送信する。携帯端末20は周辺情報検索画面400をディスプレイに表示する。ユーザは、グルメ情報「レストラン・カフェ・居酒屋」を検索キーとして選択するとともに、検索結果を案内する地図の形態(地図、写真)を選択することができる。ユーザが地図の形態を選択すると、携帯端末20は、現在位置、方向及び選択情報(検索キー及び選択された地図の形態)を含む検索要求を地図表示制御装置10へ送信する。地図表示制御装置10は、選択情報に基づいて地図の表示形態(2次元地図/3次元地図)を決定し、検索要求に含まれる現在位置に対応する当該決定された2次元地図又は3時次元地図の画像データを記憶手段102から読み出して、携帯端末20へ送信する。図7では、現在位置に対応する2次元地図を含む2次元地図画面402と、現在位置に近い3次元地図を含む3次元地図画面403が、それぞれ表示されている。
【符号の説明】
【0078】
10・・・地図表示制御装置、20・・・端末装置、100・・・地図表示制御システム、101・・・主制御手段、102・・・記憶手段、103・・・通信手段、104・・・経路案内手段、105・・・第1表示制御手段、106・・・第2表示制御手段、107・・・切換手段、108・・・AR処理手段、109・・・記憶手段、201・・・主制御手段、202・・・記憶手段、203・・・入力手段、204・・・表示手段、205・・・通信手段、206・・・撮影手段、207・・・位置/方位測定手段、N・・・ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶手段と、
3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶手段と、
現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を前記第1記憶手段から読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を前記第2記憶手段から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御手段と、
前記第2記憶手段に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御手段と、
前記2次元地図画像と前記3次元地図画像が切り換って表示されるように制御する切換手段と、
備えることを特徴とする地図表示制御装置。
【請求項2】
前記第1表示制御手段は、
前記所定位置について、前記経路に沿った方向に対応する視線方向を有する3次元地図画像を前記第2記憶手段から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の地図表示制御装置。
【請求項3】
前記第2表示制御手段は、
前記3次元地図画像上に、当該3次元地図画像の視線方向を表す視線方向情報が重畳表示された状態で表示されるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の地図表示制御装置。
【請求項4】
前記第1表示制御手段は、
前記2次元地図画像の地図領域内の座標情報を有する建物にビルタグを紐づけ、当該ビルタグが前記2次元地図画像上の該当する建物の位置に重畳表示され、前記ビルタグに紐づけられた建物の属性情報が当該ビルタグと同一画面上に表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項5】
前記第2表示制御手段は、
前記2次元地図画像の表示領域内の座標情報を有する建物にビルタグを紐づけ、当該ビルタグが前記3次元地図画像上の該当する建物の位置に重畳表示され、前記ビルタグに紐づけられた建物の属性情報が当該ビルタグと同一画面上に表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項6】
前記第1表示制御手段により前記2次元地図画像が表示されている場合に、
前記切換手段は、
ユーザの移動に応じて更新される現在位置が前記経路上の所定位置と略一致することを条件に、前記2次元地図画像が前記3次元地図画像に切り換って表示されるように制御することを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項7】
前記第1表示制御手段により前記2次元地図画像が表示されている場合に、
前記切換手段は、
前記3次元地図画像への切換指示が入力されたことを条件に、前記2次元地図画像が前記3次元地図画像に切り換わって表示されるように制御することを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項8】
ディスプレイに表示された撮像映像に、現在位置及び撮影時のカメラの視線方向に基づいて特定される付加情報が合成表示されている場合に、
前記切換手段は、
前記付加情報が合成表示された撮像映像に代えて、前記現在位置に基づいて特定される2次元地図画像が表示されるように前記第1表示制御手段を制御することを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項9】
ディスプレイに表示された撮像映像に、現在位置及び撮影時のカメラの視線方向に基づいて特定される付加情報が合成表示されている場合に、
前記切換手段は、
前記付加情報が合成表示された撮像映像に代えて、前記現在位置と前記視線方向とに基づいて特定される3次元地図画像が表示されるように前記第2表示制御手段を制御することを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の地図表示制御装置。
【請求項10】
地図画像表示制御装置における地図画像制御方法であって、
2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶装置から現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶装置から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御ステップと、
前記2次元地図画像を含む画面を3次元地図画像を含む画面へ切り替えるステップと、
前記第2記憶装置に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御ステップと、
備えることを特徴とする地図表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
2次元地図画像と座標情報を対応づけて格納する第1記憶装置から現在位置に対応する座標情報を有する2次元地図画像を読み出し、当該現在位置から目的地までの経路上に存在する所定位置について、当該所定位置に対応する座標情報を有する3次元地図画像を3次元地図画像と座標情報と視線方向とを対応づけて格納する第2記憶装置から特定し、当該特定した3次元地図画像の視線方向を表す3次元地図方向情報が、前記2次元地図画像に重畳表示されるように制御する第1表示制御ステップと、
前記2次元地図画像を含む画面を3次元地図画像を含む画面へ切り替えるステップと、
前記第2記憶装置に格納されている前記3次元地図画像が表示されるように制御する第2表示制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−179967(P2011−179967A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44451(P2010−44451)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】