説明

地図表示方法およびコンピュータシステム、ならびに、地図サーバ、拠点情報提供サーバおよびこれらのプログラム

【課題】拠点について広告などの拠点情報と地図とを提供するシステムにおける維持管理の負担を軽減する。
【解決手段】地図システム100、拠点情報提供システム20をネットワークで接続する。地図システム100は、要求された地点近傍の地図を提供する汎用的な地図提供サーバである。拠点情報提供システム20は、店舗などの拠点について広告その他の拠点情報を提供するサーバである。拠点情報提供システム20には、拠点情報と関連付けられた状態で、表示制御情報、即ち地図システム100に地図を表示させるために要求される情報が記憶される。拠点情報提供システム20は、地図システム100の管理下にあるか否かに関わらず、表示制御情報を用いて地図表示を行うことができる。こうすることにより、2つのサーバを独立して運用することが可能となり、維持管理の負担を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子地図を用いた拠点案内に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータによって表示可能な電子地図の普及に伴い、拠点情報と地図との関連付けが行われるようになってきた。拠点とは、種々の店舗、施設、名勝などを意味し、拠点情報とは、これらの拠点に関する広告その他の案内情報を意味する。両者の関連づけは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)のリンクを用いて実現される。拠点情報の提供をHTMLファイルで行い、その中に電子地図へのリンクを設けることにより、閲覧者の要求に応じて地図を表示させることができる。地図は、拠点に関与しない汎用の地図データベースから、拠点の位置などに基づいて生成されるのが通常である。かかる態様での関連付けは、特にインターネットを介した拠点案内に有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、位置情報の受け渡しを円滑に行うため、拠点情報と地図データベースは統合的に管理されるのが通常であった。広告その他の拠点情報は、比較的頻繁に変更が行われるため、その度に地図データベースも含めた全体の更新、動作確認等が必要であった。地図データベースは、非常に膨大なデータ量であり、その更新等にかかる負担は非常に大きかった。かかる負担は、拠点情報の提供者が増えるにつれ、看過しえないほど大きくなっていた。また、拠点情報の更新が電子地図の提供者に委ねられるため、拠点情報の提供者にとっては、タイムリーかつ柔軟な情報更新を行うことができないという課題があった。更に、拠点情報の提供者にとっては、地図データベースの管理者に対して、拠点情報の開示が必要であるという課題があった。このため、パスワード等でアクセス者が制限されたWebページにおいて、ノウハウその他の秘匿化を望む情報を地図とともに開示することが困難であった。
【0004】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、地図を含む拠点情報の案内において、拠点情報の柔軟な更新を可能にするとともに、データベースの管理負荷を軽減する拠点案内システムを提供することを目的とする。また、拠点情報を外部に開示することなく拠点案内を行うことが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、拠点情報を提供する拠点情報提供サーバと、地図を提供する地図サーバとを別体とし、両者をネットワークで接続することによって拠点案内システムを構築した。拠点情報とは、拠点に関連する種々の関連情報から地図サーバによって提供される情報を除くものを意味し、少なくとも地図サーバによって提供される地図情報を除いたものを意味する。関連情報には、例えば、拠点の広告、ガイド情報などが含まれ、更に、地図サーバに依らない略地図等を含めても良い。
【0006】
本発明において、地図サーバと拠点情報提供サーバとは、単にネットワークで接続された分散システムとして稼働するのではなく、それぞれ独立したシステムとして稼働し、地図の表示が要求された場合などの適切なタイミングで連携を採りながら拠点案内を行う。かかる連携を実現するための手段を、拠点情報等の登録時、拠点案内の実行時に分けて、順次説明する。
【0007】
本発明において、拠点情報等を登録するためのデータ登録システムは、地図サーバに表示制御情報送信部を備えることによって構成される。表示制御情報送信部は、汎用的な地図データを用いて拠点に関する地図を表示するために要求される表示制御情報を生成し、拠点情報提供サーバに送信する機能を奏する。拠点情報提供サーバは、この表示制御情報を保持しておき、地図の表示要求に応じて地図サーバに出力することにより、拠点に応じた地図表示を実現することができる。つまり、地図サーバから拠点情報提供サーバへの表示制御情報の受け渡しにより、両者の独立性を保ちつつ、拠点に応じた地図の表示を実現することができる。かかるシステムによれば、拠点情報を地図サーバ側に受け渡す必要がないため、拠点情報を地図サーバに開示することなく、拠点案内を実現することができる利点もある。
【0008】
この表示制御情報の生成は、例えば、地図サーバにおいて、地図データ保持部、入力部、表示制御情報生成部を備えることにより、実現することができる。地図データ保持部は、拠点に関与しない汎用的な地図データを保持する。即ち、拠点に固有の地図データを保持するのではなく、指定に応じて種々の地図を出力可能な地図データを保持する。入力部は、拠点に関する地図の表示に関する指定を入力する。入力方法は、地図サーバ自体に設けられた操作部を用いるものとしてもよいし、ネットワークを介して入力するものとしてもよい。地図サーバに接続されたクライアントに対して、表示に関する指定を入力するためのインタフェースを表示し、このインタフェースを利用して上記指定を入力するものとしてもよい。表示制御情報生成部は、こうして入力された情報に基づいて表示制御情報を生成する。
【0009】
表示制御情報には、地図サーバによる地図表示を制御するための種々の情報を含め得る。例えば、表示制御情報には、拠点の位置を特定する座標を含めることが望ましい。こうすることにより、拠点周辺の地図を適切に表示することができる。また、地図の表示態様を特定する情報を含めることも望ましい。表示態様を特定する情報としては、例えば、地図の表示スケール、地図のサイズ、拠点を示すシンボルに関する情報などを含めることができる。地図サーバがいわゆる3次元的な地図を表示可能な場合、表示制御情報には、2次元表示および3次元表示の指定を含めても良い。
【0010】
表示制御情報の形式は任意に設定可能である。例えば、表示制御情報は、拠点に関する地図の表示を要求する際に、地図サーバに直接伝達可能な形式で生成することができる。かかる形式としては、例えば、表示制御情報をパラメータに含んだURL(Uniform Resource Locator)の形式を用いることができる。こうすれば、地図表示時に速やかに表示制御情報を地図サーバに伝達することができる。また、この場合には、表示制御情報を暗号化することも好ましい。表示制御情報は、地図サーバが生成するものであり、地図表示時には地図サーバ自身が利用するものであるから、暗号化および復号化を容易に行うことができる。表示制御情報を暗号化することにより、地図サーバによって地図を表示させるためのフォーマット等を秘匿することができるため、地図サーバへの不正なアクセスを回避することができる。
【0011】
表示に関する指定の入力は、先に説明した通り、地図サーバにネットワークで接続された顧客システムから行うものとすることができる。
【0012】
かかる構成を適用する場合、地図サーバへの不正なアクセスを回避するため、地図サーバには、ネットワーク上で顧客システムを特定するための情報に基づいて、アクセスを制限する認証部を備えることが望ましい。認証に用いる情報としては、顧客システムのIPアドレスなどのアドレス情報やURLを用いることができる。
【0013】
本発明において、拠点情報提供サーバは、例えば、拠点情報データ保持部、入力部、および表示制御情報保持部を備える構成とすることができる。拠点情報データ保持部は、拠点について拠点情報を保持する。入力部は、地図サーバにおいて生成された表示制御情報を入力する。表示制御情報保持部は、入力された表示制御情報を、拠点情報に関連づけて保持する。関連付けは、種々の方法で行うことができ、例えば、拠点情報と表示制御情報に共通の識別情報を付与する方法を採ることができる。かかる関連付けを行うことにより、拠点情報に対応した地図表示を実現することができる。
【0014】
本発明において拠点の案内を行う拠点案内システムは、拠点情報提供サーバおよび地図サーバにそれぞれ次の構成を備えることにより、構築することができる。即ち、拠点情報提供サーバには、表示制御情報保持部と、表示制御情報送信部とを備える。表示制御情報保持部は、先に説明した表示制御情報を、拠点と関連づけて予め保持する。表示制御情報送信部は、拠点に関する地図の表示要求がなされた場合に、この表示制御情報を、地図サーバに対して直接的または間接的に伝達する。直接的な伝達とは、拠点情報提供サーバと地図サーバとの直接的な通信による伝達を意味し、間接的な伝達とは、両者間の情報を仲介するクライアント等を介した伝達を意味する。かかる構成により、拠点の地図の表示を行うために必要な情報が地図サーバに受け渡される。
【0015】
一方の地図サーバには、拠点に関与しない汎用的な地図データを用い、拠点情報提供サーバから受け渡された表示制御情報に基づいて、拠点に関する地図を提示する。
【0016】
本発明において、関連情報を表示させるための表示装置が、拠点情報提供サーバおよび地図サーバと、ネットワークを介して接続されている場合には、この表示装置を介して間接的に表示制御情報の伝達を行うことができる。
【0017】
このように間接的に表示制御情報の伝達を行う場合、表示制御情報を一旦地図サーバに送信し、地図サーバで表示制御情報を含む所定のフォーマットで表示要求情報を生成し、この表示要求情報を地図サーバから受け取った後、表示装置を介して間接的に地図サーバに送信するものとしてもよい。地図サーバが直接利用することができない態様で表示制御情報が保持されている場合、一旦地図サーバで適切な形式への変換を行わせる態様に相当する。こうすることにより、地図サーバのうち、地図を表示する機能は変更することなく、拠点情報提供サーバに保持される表示制御情報の形式を柔軟に設定することが可能となる。
【0018】
間接的に表示制御情報を送信する際には、少なくとも表示制御情報が暗号化された状態で情報の伝達を行うことが望ましい。こうすることにより、地図サーバへの不正なアクセスを回避することができる。かかる目的による暗号化は、地図サーバに受け渡される情報全体に施される必要はなく、少なくとも表示制御情報についてのみ行われれば足りる。例えば、表示制御情報がURLのパラメータに含まれた状態で伝達される場合には、パラメータの部分のみを暗号化すればよい。
【0019】
本発明において、地図の表示は、地図サーバから表示装置に直接行うものとしてもよいし、間接的に行うものとしてもよい。後者の態様としては、例えば、地図サーバで生成された地図データを、拠点情報提供サーバが地図サーバから受信し、表示装置など外部に提示する構成を採ることができる。この際、拠点情報提供サーバは、地図データに拠点情報の追加等の加工を施した上で、提示するものとしてもよい。
【0020】
表示制御情報の少なくとも一部が暗号化されている場合には、地図サーバは、表示制御情報の復号化を行って地図の提示を行う。本発明では、先に説明した通り、かかる暗号化は、地図サーバが予め施しておくことができる。このような構成を採ることにより、復号化も非常に容易に行うことができる。また、暗号化の方法を外部から秘匿することができる。もちろん、暗号化は、拠点情報提供サーバが施すものとしても構わない。
【0021】
本発明においては、拠点情報提供サーバから地図サーバに提供される情報には、地図の影響可否に関与する時間情報を含めることもできる。この場合、地図サーバは、地図の提示が可能となるための予め設定された条件を、時間情報が満足している場合に地図の提示を行う。
【0022】
こうすれば、地図を提供可能な時間を制限することができ、その態様に応じて種々の利点がある。第1の態様として、ある時刻以降は地図の表示を不能とすることができる。こうすれば、同一の表示制御情報で長期間に亘って地図サーバにアクセスすることを回避でき、地図サーバの不正な利用を制限することができる。かかる制御は、特に、地図サーバが地図の提供を有料で行っている場合に、有効である。第1の態様には、例えば、時間情報として表示制御情報の生成時刻を含み、地図表示をその生成時刻から一定の期間内に制限する方法が相当する。この一定期間は、拠点情報提供サーバから提示するものとしてもよいし、地図サーバに予め登録しておくものとしてもよい。別の方法として、表示を許可する制限時刻を時間情報として含むものとしてもよい。
【0023】
また、第2の態様として、地図表示をある時刻以降に限定してもよい。こうすれば、拠点情報は開示しつつもその場所の開示を、一定期間控えることができる。例えば、新規店舗の開店情報などの提供時に活用することができる。第2の態様においても、時間情報として表示制御情報の生成時刻を含み、地図の提示をその時刻から一定期間経過後に許可する方法、および時間情報として地図の提示を許可する時刻を含める方法などを採ることができる。以上で説明した時間情報は、拠点情報提供サーバで生成するものとしてもよいし、地図サーバが表示要求情報の生成時に併せて生成するものとしてもよい。
【0024】
本発明は、上述した拠点案内システム全体としての構成の他、このシステムのサブコンビネーションである地図サーバ、拠点情報提供サーバとして構成してもよい。また、これらのシステムにおいて、拠点案内に必要なデータを予め登録しておくためのデータ登録方法、拠点案内を行う拠点案内方法などの態様で構成してもよい。
更に、本発明は、これらのデータ登録、拠点案内の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成してもよい。また、これらのプログラムおよび電子地図データを記録した記録媒体として構成してもよい。なお、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】データの登録に関与する機能ブロックを示す説明図である。
【図3】データ登録時の処理手順を示す説明図である。
【図4】データ登録時の画面例を示す説明図である。
【図5】拠点案内に関与する機能ブロックを示す説明図である。
【図6】拠点案内の処理手順を示す説明図である。
【図7】拠点案内時の画面例を示す説明図である。
【図8】地図データ生成処理のフローチャートである。
【図9】第2実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。
【図10】第3実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。
【図11】第4実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.第1実施例:
A1.システム構成:
A2.データの登録:
A3.拠点案内:
A4.効果:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
【0027】
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は第1実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。拠点案内システムは、顧客システム10、地図システム100、閲覧用コンピュータ14から構成される。顧客システム10は、拠点情報提供システム20と登録用コンピュータ12から構成される。これらの各システムは、インターネットINTを介して接続されている。各システムの接続には、必ずしもインターネットを用いる必要はなく、LAN(Local Area Network)や専用線によるネットワークなど限定的なネットワークを用いても良い。
【0028】
本実施例において、地図システム100はインターネットを介して地図を提供するサーバである。地図システム100の内部には、汎用の電子地図を保持する地図データベース120が備えられている。地図表示部140は、ソフトウェア的に構築された機能ブロックであり、外部からの要求に応じて、地図データベース120を参照して、要求された地点近傍の地図を提供する。本実施例では、地図システム100は、このように地図を提供する機能の他、拠点情報提供システム20と連携して、所定の拠点に関連した地図を提供する機能も奏する。かかる連携を実現するための機能ブロックとして、地図システム100は、登録情報提供部110を備える。登録情報提供部110は、連携を実現するために必要な情報を、地図システム100から拠点情報提供システム20に送信する機能を奏する。本実施例では、かかる連携は所定の顧客を対象として行うものとした。顧客データベース130は、対象となる顧客に関する情報を保持する。この情報には、地図システム100との連携の可否に関する情報のみならず、かかる連携について顧客に応じたカスタマイズ情報を含めることもできる。
【0029】
顧客システム10は、先に説明した通り、拠点情報提供システム20と登録用コンピュータ12から構成される。本実施例では、両者はインターネットINTを介して接続するものとしたが、ローカルに接続しても構わない。但し、インターネットINTを介して接続するものとすれば、登録用コンピュータ12は、インターネットに接続されてさえいれば、不特定のコンピュータを利用することができる利点がある。
【0030】
拠点情報提供システム20は、顧客に関連した所定の拠点について、種々の拠点情報を提供する機能を奏する。拠点とは、種々の店舗、施設、名勝などを意味し、拠点情報とは、これらの拠点に関する広告その他の案内情報を意味する。かかる機能を実現するため、拠点情報提供システム20は、ソフトウェア的に構築された次の機能ブロックを備える。
【0031】
登録部30は、登録用コンピュータ12からの指示によって、拠点情報を登録する機能を奏する。拠点情報は、拠点情報データベース40に登録される。登録された拠点情報は、情報表示部60が参照し、閲覧用コンピュータ14に表示される。
【0032】
本実施例では、拠点情報データベース40に登録された情報のみならず、閲覧用コンピュータ14からの要求によって、その拠点近傍の地図も提供する。この地図の提供は、先に説明した地図システム100によって行われる。地図システム100に備えられているのは、汎用の地図データベース120であるから、拠点近傍の地図を表示させるためには、拠点の位置など地図表示に要求される情報(以下、表示制御情報と呼ぶ)を地図システム100に伝達する必要がある。拠点情報提供システム20は、拠点に関連した表示制御情報を、表示制御情報データベース50に予め保持している。後述する通り、この表示制御情報は、拠点情報の登録と併せて地図システム100によって予め生成された情報である。
【0033】
閲覧用コンピュータ14および登録用コンピュータ12は、汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。また、パーソナルコンピュータ以外にも、携帯電話、PDAなどの各種端末を用いることも可能である。本実施例では、それぞれ、地図システム100および拠点情報提供システム20からWebページの形で提供される情報をブラウザによって表示可能とした。提供される情報の表示は、ブラウザに限らず、種々のアプリケーションソフトウェアを用いることができる。
【0034】
図1では、図示の都合上、顧客システムおよび閲覧用コンピュータ14をそれぞれ一つずつ示したが、周知の通り、インターネット上には、これらを多数設けることが可能である。
【0035】
A2.データの登録:
図2はデータの登録に関与する機能ブロックを示す説明図である。図1に示した各システムのうち、データの登録に関連する部分のみ詳細に示した。先に説明した通り、各システムは、インターネットINTで接続されている。
【0036】
顧客システムにおいては、拠点情報提供システム20における拠点情報データベース40、表示制御情報データベース50、登録部30、および登録用コンピュータ12が関与する。地図システム100においては、登録情報提供部110、地図データベース120および顧客データベース130が関与する。拠点情報データベース40および表示制御情報データベース50は、一つの統合化されたデータベースとして構築することも可能である。
【0037】
登録部30には、図示する通り、更に詳細な機能ブロックが用意されている。登録画面提供部31は、登録用コンピュータ12に拠点情報等の登録時に利用されるインタフェース画面を表示させる機能を奏する。より具体的には、HTML(Hyper Text Markup Language)などによってWebページの形式でインタフェース画面を生成し、登録用コンピュータ12に出力する機能等を奏する。
【0038】
拠点情報入力部32は、登録用コンピュータ12から、拠点情報を入力する機能を奏する。入力された拠点情報は、拠点情報データベース40に登録される。本実施例では、拠点情報は、「拠点名称、拠点住所…」などのようにテキストデータで拠点情報データベース40に登録される。図中には、整理番号「aaa」で特定される拠点に、「拠点名称、拠点住所…」という拠点情報が登録されている場合を模式的に例示した。拠点情報データベース40は、拠点情報自体を保持するものとしてもよいし、その所在、即ち拠点情報提供システム20におけるパスのみを管理するものとしてもよい。拠点情報は、HTMLにより、後で閲覧用コンピュータ14に提供されるWebページの形式で生成してもよい。かかる場合には、整理番号「aaa」で特定される拠点に、「bbb.htm」などHTMLファイル名を拠点情報データベース40に登録することができる。
【0039】
表示制御情報入力部33は、地図システム100を利用した地図表示に要求される表示制御情報を地図システム100から入力する機能を奏する。入力された表示制御情報は、表示制御情報データベース50に保持される。図中では、整理番号「aaa」で特定される拠点に対して、「LAT(緯度),LON(経度)…」という表示制御情報が保持されている状態を模式的に示した。表示制御情報の内容は、種々の設定が可能であり、後に詳述する。表示制御情報は、整理番号によって、拠点情報と関連付けられている。拠点ごとに固有の整理番号を用いることにより、顧客システムは、複数の拠点について、拠点情報および表示制御情報を保持することができる。
【0040】
一方、地図システム100の登録情報提供部110にも、図示する詳細な機能ブロックが用意されている。認証部111は、地図システム100へのアクセスを制限する認証機能を奏する。認証は、顧客データベース130の登録内容に基づいて行われる。
【0041】
登録用インタフェース表示部112は、登録用コンピュータ12に対し、地図表示制御情報の登録に関するインタフェースを提供する機能を奏する。拠点情報提供システム20の登録画面提供部31と類似の機能である。登録内容には、拠点の位置情報などが含まれる。位置情報を容易に指定可能とするため、登録用インタフェース表示部112は、地図データベース120を用いて位置情報登録用の地図表示も行う。かかるインタフェースを介して登録された内容は、表示制御情報送信部113に受け渡される。表示制御情報送信部113は、登録内容を所定の形式で拠点情報提供システム20の表示制御情報入力部33に送信する。
【0042】
図3はデータ登録時の処理手順を示す説明図である。登録者PC、即ち登録用コンピュータ12、拠点情報提供システム20および地図システム100間の情報伝達を時系列的に示した。図4はデータ登録時の画面例を示す説明図である。左側に、拠点情報提供システム20による表示画面、右側に、地図システムによる表示画面を例示した。これらの図を参照して、データ登録の処理内容について説明する。
【0043】
データ登録は、登録用コンピュータ12から拠点情報提供システム20への「初期画面のリクエスト」によって開始される(ステップSt10)。このリクエストは、登録用コンピュータ12で起動するブラウザにおいて、拠点情報提供システム20のURLを入力することによって行われる。拠点情報提供システム20は、このリクエストに呼応して、初期画面の表示を行う(ステップSt11)。
【0044】
図4の左上に初期画面V1を例示した。本実施例では、初期画面において、拠点情報登録および表示制御情報登録の2種類を含むメニューが選択可能である。拠点情報登録と表示制御情報登録とは、必ずしも2つのメニューとする必要はない。例えば、拠点情報登録の画面内に表示制御情報登録の画面へのリンクを設け、両者を一連の作業として行い得るようにしてもよい。
【0045】
登録者が拠点情報登録のメニューを選択すると、拠点情報提供システム20に対して、拠点情報登録画面のリクエストが送信される(ステップSt12)。拠点情報提供システム20は、このリクエストに呼応した画面表示を行う(ステップSt13)。
【0046】
図4の左下に拠点情報の登録画面V2を例示した。ここでは、拠点について、整理番号および名称、区分、広告などの項目を入力可能とした。更に多くの情報を含めても良い。情報は、文書であってもよいし、画像を含んでも良い。地図システム100によって提供される詳細な地図とは別に、拠点近傍の概略地図を含んでも良い。地図システム100の整理番号は、先に説明した通り、拠点情報と表示制御情報との関連付けに利用される情報であり、拠点に固有の情報である。整理番号は、拠点情報提供システム20内でのみ利用される情報であるため、地図システム100との関係を考慮することなく、独自に設定可能である。ここでは、整理番号としたが、拠点情報と表示制御情報との関連付けが可能な種々の情報を用いることができる。
【0047】
登録者は、この画面を利用して、拠点情報の設定を行う(ステップSt14)。拠点情報提供システム20は、設定された拠点情報を拠点情報データベース40内に登録する(ステップSt15)。本実施例では、拠点情報は、拠点情報提供システム20でのみ管理されるため、地図システム100への提示は不要である。従って、顧客は、外部に秘匿したい情報を拠点情報に含めることも可能である。
【0048】
拠点情報の登録の後、登録者が初期画面V1において表示制御情報登録のメニューを選択すると、その登録用画面のリクエストが拠点情報提供システム20に送信される(ステップSt16)。本実施例では、表示制御情報の登録は、地図システム100との間で行う。従って、拠点情報提供システム20は、表示制御情報登録画面のリクエストに呼応して、拠点情報提供システム20から、登録用コンピュータ12に、地図システム100へのリンク情報を含んだHTMLを送信することにより、アクセス先を地図システム100に切り換えさせる(ステップSt17)。つまり、登録用コンピュータ12のアクセス先を地図システム100に切り換えさせる。拠点情報提供システム20から地図システム100へのアクセス先の切り換えは、いわゆるリダイレクト機能によって行ってもよい。
【0049】
リダイレクトにより、登録用コンピュータ12は、地図システム100にアクセスする。この際、リダイレクト元、即ち、拠点情報提供システム20のURLが地図システム100に受け渡される(ステップSt18)。地図システム100は、このURLに基づいて認証を行う(ステップSt19)。受け取ったURLが、顧客データベース130に登録されている場合に限り地図システム100へのアクセスを許容する。つまり、顧客データベース130に登録されている特定のサーバから遷移した場合にのみアクセスを許容する。認証には、URLの他、拠点情報提供システム20を特定可能な種々の情報、例えば、IPアドレス、サーバ名などを用いることが可能である。
【0050】
アクセスを許可すると、地図システム100は、登録用コンピュータ12に対して、アイコン等の設定画面を表示する(ステップSt20)。登録者は、この設定画面を利用してアイコン等の設定を行う(ステップSt21)。
【0051】
図4の右上にアイコン等の設定画面V3を例示した。アイコンとは、ここでは、地図上に拠点の位置を表示するために用いられるシンボルを意味する。図示する通り、この設定画面では、地図システム100が用意した種々のアイコンが表示される。登録者は、マウスでクリック等することによって使用するアイコンを指定することができる。
【0052】
この設定画面V3では、併せて地図の検索方法を指定するものとした。図示する通り、郵便番号から検索を行う場合、住所から検索を行う場合などのメニューが選択される。登録者は、任意の方法を選択することができる。この選択は、拠点位置の登録用の地図表示において使用されるだけであり、実際の拠点案内時には使用されない。
【0053】
アイコン等の設定が完了すると、地図システム100は、拠点の位置を登録するための地図表示を行う(ステップSt22)。この地図は、先に指定した検索条件に基づいて表示される。登録者は、この地図を利用して拠点の位置の設定を行う(ステップSt23)。
【0054】
図4中の右下に登録用の地図表示V4を例示した。このように拠点近傍の地図および表示スケールが表示される。地図の位置を移動させるためのボタン等を併せて設けるものとしてもよい。登録者は、この地図中の部位をマウス等でクリックすることで、拠点の位置を登録することができる。また、表示スケールをクリックすることで、拠点案内時に最初に表示される地図のスケールを設定することができる。クリックされた位置の画面上での座標は、地図システム100によって、拠点の緯度、経度に換算される。
【0055】
こうして地図の表示に関連する種々の設定が完了すると、地図システム100は、設定された一連の情報を表示制御情報として拠点情報提供システム20に送信する(ステップSt24)。拠点情報提供システム20は、受け取った表示制御情報に整理番号を付与して、表示制御情報データベース50に登録する(ステップSt25)。
【0056】
本実施例では、地図システム100と拠点情報提供システム20とが登録用コンピュータ12を介さずに直接通信することによって、表示制御情報の伝達を行うものとした。かかる伝達は、例えば、HTTP(HyperText Transport Protocol)やFTP(File Transport Protocol)などを用いて実現することができる。登録用コンピュータ12を介して間接的に拠点情報提供システム20に伝達するものとしてもよい。かかる伝達は、例えば、地図システム100から拠点情報提供システム20へのリダイレクト時に、URL中に表示制御情報をパラメータとして含めることにより実現することができる。
【0057】
表示制御情報の送信と併せて、地図システム100は、地図システム100から、登録用コンピュータ12に、拠点情報提供システム20に戻るリンクを含んだHTMLを送信することにより、アクセス先を拠点情報提供システム20に切り換えさせる(ステップSt26、St27)。拠点情報提供システム20が、これに呼応して初期画面または完了画面などを表示する(ステップSt28)ことにより、一連のデータ登録処理が完了する。地図システム100から拠点情報提供システム20への切り換えは、いわゆるリダイレクトによって行ってもよい。
【0058】
表示制御情報は、以上で例示した以外に、地図の表示に関する種々の情報を含めることが可能である。例えば、拠点の位置情報は緯度、経度で表すものとしたが、地図システム100の構成に応じて種々の座標を用いることができる。比較的狭い領域の地図を提供する地図システムを用いる場合には、直交座標を用いるものとしてもよい。また、緯度、経度は、度分秒の形式、ミリ秒の形式、小数点付き度の形式など種々の表示形式を利用可能であることは言うまでもない。
【0059】
表示制御情報には、この他、地図のサイズを含めても良い。サイズは、例えば、地図の縦横の画素数で指定することができる。これらの表示制御情報は、暗号化して受け渡すものとしてもよい。後述する通り、表示制御情報は、地図システム100によって利用されるものであるため、表示制御情報の内容が拠点情報提供システム20が解読不能に暗号化されていても構わない。このような暗号化を行うことにより、地図システム100は、表示制御情報の内容を拠点情報提供システム20も含む第三者から秘匿することができ、地図システム100の不正利用を回避することができる。
【0060】
上述の説明では、拠点情報の登録を先に行う場合を例示したが、表示制御情報の登録を先に行うものとしてもよい。
【0061】
A3.拠点案内:
図5は拠点案内に関与する機能ブロックを示す説明図である。図1に示した各システムのうち、拠点案内に関連する部分のみ詳細に示した。先に説明した通り、各システムは、インターネットINTで接続されている。
【0062】
顧客システムにおいては、拠点情報提供システム20における拠点情報データベース40、表示制御情報データベース50および情報表示部60が関与する。地図システム100においては、地図表示部140、地図データベース120および顧客データベース130が関与する。また、これらの情報を閲覧する装置として閲覧用コンピュータ14が関与する。拠点情報データベース40および表示制御情報データベース50は、一つの統合化されたデータベースとして構築することも可能である。
【0063】
情報表示部20には、図示する通り、詳細な機能ブロックが用意されている。拠点情報提供部61は、閲覧用コンピュータ14からのリクエストに応じて、Webページの形で拠点情報を表示する。この表示は、拠点情報データベース40に登録されたデータに基づいて行われる。
【0064】
閲覧者が、拠点に関する地図の表示を要求すると、この要求は、表示制御情報送信部62に受け渡される。表示制御情報送信部62は、表示制御情報データベース50に保持されている表示制御情報を、地図システム100に送信する。後述する通り、地図システム100は、この表示制御情報に基づいて地図を提供するためのURLを返信する。URL受信部63は、地図システム100から、このURLを、拠点情報提供部61に受け渡す。拠点情報提供部61が、このURLに基づいて閲覧用コンピュータ14のアクセス先をリダイレクトすると、拠点に対応した地図が地図システム100によって提供される。
【0065】
一方の地図システム100にも、図示する詳細な機能ブロックが用意されている。認証部142は、表示制御情報送信部62から表示制御情報の受信可否を判断する機能を奏する。かかる認証は、例えば顧客データベース130の内容に基づき、拠点情報提供システム20のIPアドレスによるアクセス制限によって行われる。受信が許可された場合には、表示制御情報が、拠点情報提供システム20からURL生成部143に受け渡される。URL生成部143は、表示制御情報に基づき、地図表示用のURLを生成する。このURLのパラメータには、表示制御情報が含まれる。
【0066】
地図表示部141は、閲覧用コンピュータ14から送信された地図表示用のURLに呼応して、地図データベース120を用いた地図の表示を行う。
【0067】
図6は拠点案内の処理手順を示す説明図である。閲覧者PC,即ち閲覧用コンピュータ14、拠点情報提供システム20、および地図システム100の間での情報の授受について示した。図7は拠点案内時の画面例を示す説明図である。左側に拠点情報提供システム20による表示画面、右側に地図システム100による表示画面を例示した。
【0068】
拠点案内は、閲覧用コンピュータ14から拠点情報提供システム20に対して、拠点情報をリクエストすることにより開始される(ステップSt50)。拠点情報提供システム20は、これに呼応して拠点情報を表示する(ステップSt51)。
【0069】
図7の左側に拠点情報の表示例V11を示した。先に図4で示した拠点情報がWebページとして閲覧用コンピュータ14のブラウザに表示される。拠点情報には併せて、地図の表示を要求するボタン「MAP」も表示される。
【0070】
閲覧者がこの「MAP」ボタンを押すと、地図表示のリクエストが拠点情報提供システム20に送信される(ステップSt52)。拠点情報提供システム20は、これに応じて表示制御情報データベース50に保持されている表示制御情報を地図システム100に送信する(ステップS53)。
【0071】
表示制御情報の送信は、閲覧用コンピュータ14を介さずに、拠点情報提供システム20と地図システム100との間で直接行うものとした。通信方法は、データ登録時の表示制御情報の伝達と同様である。表示制御情報は、閲覧用コンピュータ14を介して間接的に送信するものとしてもよい。地図システム100は、この通信時に拠点情報提供システム20のアクセス権限について認証を行う。本実施例では、拠点情報提供システム20のIPアドレスに基づく認証を行うものとした。つまり、地図システム100は、顧客データベース130に登録された特定のIPアドレスを有するサーバについてのみアクセスを許可する。認証は、IPアドレスの他、拠点情報提供システム20のURL、サーバ名などの情報を用いて行うことが可能である。
【0072】
地図システム100は、こうして受信した表示制御情報に基づいて地図表示用のURLを生成し(ステップSt54)、拠点情報提供システム20に返信する(ステップSt55)。本実施例では、パラメータ中に表示制御情報を含むURLを生成するものとした。また、表示制御情報は暗号化して含めるものとした。この暗号化は、URL中のパラメータのフォーマットを外部から秘匿するためのものである。地図システム100は、URL中に含まれる表示制御情報に基づいて地図を提供する機能を奏するから、表示制御情報のフォーマットを第三者に知られた場合には、地図システム100の不正利用が行われる可能性がある。かかる不正利用を回避する観点から、本実施例では、表示制御情報の暗号化を行うものとした。生成されたURLは、地図システム100自身が利用するものであるから、秘密鍵を用いた方法など、周知の種々の手法を容易に適用可能である。
【0073】
なお、本実施例では、URLの生成時に暗号化を行うものとしたが、表示制御情報の生成時に暗号化を予め行っておくものとしてもよい。また、暗号化を行うか否かを顧客ごとに指定可能としてもよい。
【0074】
同じく、地図システム100の不正利用を制限する観点から、地図表示用のURL内に、地図システム100がそのURLを生成した時刻に関する情報を含めるものとしてもよい。URLの有効期限を制限することにより、一旦生成されたURLを繰り返し利用した長期間に亘る地図表示を行うことを回避できる。
【0075】
拠点情報提供システム20は、受信したURLに基づいて閲覧用コンピュータ14のアクセス先を地図システム100にリダイレクトする(ステップSt56)。これにより、閲覧用コンピュータ14から地図システム100に対して、表示制御情報がパラメータとして受け渡される(ステップSt57)。地図システム100は、この情報に基づいて地図データを生成し(ステップSt58)、閲覧用コンピュータ14に地図を表示する(ステップSt59)。
【0076】
図7の右側に地図の表示例V12を示した。予め登録された表示スケールに従って、拠点近傍の地図が表示される。拠点には、設定されたアイコンが表示される。地図を移動させるための地図移動ボタンおよび表示スケールを併せて表示するものとしてもよい。なお、アイコンをクリックすることにより、拠点情報の表示V11に戻ることができるよう、アイコンにリンクを設けるものとしてもよい。
【0077】
図8は地図データ生成処理のフローチャートである。地図システム100が表示制御情報に基づいて地図データを生成する際の処理に相当する。ここでは、表示制御情報が暗号化されており、表示制御情報には、URLの生成時刻に関する情報が含まれているものとして説明する。
【0078】
この処理は、地図の表示が要求されることにより開始される。処理が開始されると、地図システム100はURLのパラメータを取得する(ステップS100)。先に説明した通り、このパラメータは暗号化されているため、地図システム100は、これを復号化して表示制御情報を取得する(ステップS102)。
【0079】
次に、URLが生成された後の経過時間が所定の閾値Tlimを超えているか否かを判断する(ステップS104)。所定の閾値Tlimは、生成されたURLの有効期限に相当する値であり、任意に設定可能である。例えば、この値を顧客ごとに個別に設定するものとしてもよい。この場合には、閾値Tlimを顧客データベース130に保持しておくことになる。
【0080】
経過時間がTlimを超えている場合には、地図システム100は、URLの有効期限を過ぎていると判断し、不正な利用を回避するため、エラーメッセージを閲覧用コンピュータ14に表示する(ステップS106)。
【0081】
経過時間がTlim以内である場合には、表示制御情報に基づいて地図の描画を行う(ステップS108)。ここでは、表示制御情報のうち、拠点の座標、表示スケールなどの情報が利用される。地図のサイズ等の情報を利用するものとしてもよい。
【0082】
次に、描画された地図に対して、指定されたアイコンを設置する(ステップS110)。アイコンの設置とともに、拠点情報提供システム20へのリンクを設ける処理も行うものとしてもよい。こうして生成された地図データを閲覧用コンピュータ14に送信することにより(ステップS112)、地図の表示を行うことができる。
【0083】
A4.効果:
以上で説明した本実施例としての拠点案内システムによれば、次に挙げる種々の利点がある。
【0084】
第1に、地図システム100と拠点情報提供システム20とを独立したシステムとして運用できる利点がある。本実施例のシステムでは、拠点の地図は、地図システム100に対し、表示制御情報を送信することにより実現される。表示制御情報は、拠点情報の登録時に生成される情報であり、表示制御情報が生成された後は、地図システム100が拠点情報提供システム20を管理し続ける必要がない。このように両者が独立したシステムとして運用されることにより、地図システム100にとっては、多数の顧客に関する拠点情報を管理する負担が解消する。顧客、即ち拠点情報提供システム20にとっては、地図システム100に依らず、柔軟かつ迅速に拠点情報の更新その他の維持管理を行うことができる。双方にとって、膨大なデータベースを扱うことに伴う不利益が軽減されることになる。
【0085】
第2に、地図システム100が生成する表示要求用URLを用いて地図表示を行うことにより、地図システム100の柔軟性を維持することができる利点がある。地図システム100には、拠点案内システムに固有のシステムではなく、要求に応じた地図を出力する汎用的なシステムを利用することができる。表示要求用URLを生成する機能ブロックが一種のAPI(Application Program Interface)として機能することにより、このように柔軟なシステム構築を実現することができる。
【0086】
第3に、授受される情報を暗号化することにより、地図システム100の不正利用を回避することができる。しかも、この暗号化は地図システム100が自ら行うため、非常に高い秘匿性を確保することができる。
【0087】
第4に、拠点情報を地図システム100から秘匿することができる利点がある。本実施例では、表示に必要な情報および拠点情報の管理は、地図システム100とは独立して拠点情報提供システム20が行うことができるからである。顧客としては、パスワードなどを設定して、拠点情報を提示するWebページへのアクセスを制限することも可能となる。
【0088】
第5に、URLが生成された後の経過時間に基づいて、地図システム100の不正利用を回避することができる。なお、地図提示の制限は、その他、種々の方法で行うことができる。生成された後の経過時間に代えて、地図の提示を許可する制限時刻を伝達するものとしてもよい。地図システム100は、この時刻以降は、地図の提示を行わないことになる。逆に、地図の提示を所定の時刻以降に限るものとしてもよい。例えば、URLの生成から一定期間経過した後にのみ地図を提供するものとしたり、URLと共に伝達された所定の時刻を超えた後にのみ地図を提供するものとしてもよい。こうすることで、地図の提示タイミングを調整することができる。
【0089】
B.第2実施例:
図9は第2実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。第1実施例では、地図の表示時に、表示制御情報から地図表示用のURLを生成する場合を例示した。第2実施例では、予め地図表示用のURLを生成しておく場合を例示する。
【0090】
第2実施例における拠点案内システムのハードウェア構成および主な機能ブロックは、第1実施例と同様(図1参照)である。第2実施例の地図システム100Aは、第1実施例における表示制御情報送信部113(図2参照)に代えて、URL生成部117Aを備える点で相違する。
【0091】
図中には、データの登録時および拠点案内時における情報の授受についても併せて示した。図の煩雑化を回避するため、第1実施例と共通する手順は省略した。
【0092】
第2実施例では、登録者は、第1実施例と同様、登録用コンピュータ12から地図システム100Aにアクセスして、拠点の位置情報等を登録する(ステップSt100)。地図システム100Aでは、この登録内容を受けて、URL生成部117Aが表示要求用のURLを生成する。URLの形式は、第1実施例において地図表示時に生成されるURLと同様である。パラメータの部分は、暗号化することが望ましい。
【0093】
こうして生成されたURLは、拠点情報提供システム20Aに送信され(ステップSt101)、表示制御情報データベースに保存される(ステップSt102)。
【0094】
拠点案内時には、閲覧用コンピュータ14が拠点情報提供システム20Aに対して地図表示要求を行う(ステップSt103)。拠点情報提供システム20Aは、これに応じて表示要求用URLに基づくリダイレクトを行う(ステップSt104,St105)。地図システム100Aは、このURLに基づいて地図を表示する(ステップSt106)。第2実施例では、表示要求用のURLが予め保持されているため、このURLを生成するステップを省略することができる。
【0095】
C.第3実施例:
第1実施例および第2実施例では、地図システムから閲覧用コンピュータ14に対して地図を提供する場合を例示した。第3実施例では、地図システムから拠点情報提供システムを介して閲覧用コンピュータ14に地図を提供する場合を例示する。
【0096】
図10は第3実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。第3実施例のハードウェア構成は、第1実施例と同様であるが、地図の表示に関連する機能ブロックが第1実施例と相違する。第3実施例では、地図システム100Bから拠点情報提供システム20Bに情報を送信するための機能ブロックとして、第1実施例におけるURL生成部143に代えて地図表示部141Bを備える。また、拠点情報提供システム20Bには、閲覧用コンピュータ14に対して地図を提示するための機能ブロックとしてHTML生成部64Bを備える。
【0097】
第3実施例におけるデータの登録は、第1実施例と同様である。即ち、登録者が、拠点の位置等を登録すると(ステップSt110)、地図システム100Bは表示制御情報を生成し、これを拠点情報提供システム20Bに登録する(ステップSt111、St112)。
【0098】
拠点案内時には、閲覧用コンピュータ14が拠点情報提供システム20Bに対して地図表示要求を行う(ステップSt113)。拠点情報提供システム20Bは、これに応じて表示制御情報を地図システム100Bに送信する(ステップSt114)。地図システム100Bでは、地図表示部141Bが、表示制御情報に基づいて地図の描画を行い、生成された地図データを拠点情報提供システム20Bに送信する(ステップSt115)。
【0099】
拠点情報提供システム20Bでは、HTML生成部64Bが、この地図データに基づいて地図表示用のWebページをHTMLによって生成し、閲覧用コンピュータ14に送信する(ステップSt116)。地図表示用のWebページには、地図の他、拠点情報を併せて含めてもよい。
【0100】
D.第4実施例:
第1実施例では、表示制御情報に基づき地図表示用のURLを生成する場合を例示した。これに対し、地図表示時に、表示制御情報を、そのまま地図システムに受け渡すものとしてもよい。
【0101】
図11は第4実施例としての拠点案内システムの概略構成を示す説明図である。第4実施例のハードウェア構成は、第1実施例と同様であるが、地図の表示に関連する機能ブロックが第1実施例と相違する。第4実施例では、第1実施例におけるURL生成部143、URL受信部63などが不要である。
【0102】
第4実施例におけるデータの登録は、第1実施例と同様である。即ち、登録者が、拠点の位置等を登録すると(ステップSt120)、地図システム100Cは表示制御情報を生成し、これを拠点情報提供システム20Cに登録する(ステップSt121、St122)。
【0103】
拠点案内時には、閲覧用コンピュータ14が拠点情報提供システム20Cに対して地図表示要求を行う(ステップSt123)。拠点情報提供システム20Cは、これに応じて表示制御情報を地図システム100Cに送信する(ステップSt124、St125)。この送信は、地図システム100Cへのリダイレクトを行うとともに、そのパラメータとして表示制御情報を受け渡すことにより実現される。地図システム100Cは、この表示制御情報に基づいて、閲覧用コンピュータ14に地図表示を行う(ステップSt126)。
【0104】
第2〜4実施例によっても、地図システム100A〜100Cと拠点情報提供システム20A〜20Cとを独立して運用することが可能である。これらの実施例において、やりとりされる情報は、第1実施例と同様、暗号化することが望ましい。また、データを登録するためのシステムと、地図を表示するシステムとを独立して運用するものとしてもよい。
【0105】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以上の各処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0106】
10…顧客システム
12…登録用コンピュータ
14…閲覧用コンピュータ
20、20A、20B、20C…拠点情報提供システム
30…登録部
31…登録画面提供部
32…拠点情報入力部
33…表示制御情報入力部
40…拠点情報データベース
50…表示制御情報データベース
60…情報表示部
61…拠点情報提供部
62…表示制御情報送信部
100、100A、100B、100C…地図システム
110…登録情報提供部
111…認証部
112…登録用インタフェース表示部
113…表示制御情報送信部
120…地図データベース
130…顧客データベース
140…地図表示部
141、141B…地図表示部
142…認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の拠点について地図を含む関連情報を提供可能に、データを予め登録しておくためのデータ登録システムであって、
前記拠点に関与しない汎用的な地図データを保持しておく地図サーバと、
前記拠点について、前記関連情報のうち少なくとも地図を除く案内である拠点情報を保持する拠点情報提供サーバとを備え、
前記地図サーバと前記拠点情報提供サーバとは、ネットワークで接続されており、
前記地図サーバは、前記汎用的な地図データを用いて前記拠点に関する地図を表示するために要求される表示制御情報を生成し、前記拠点情報提供サーバに送信する表示制御情報送信部を備えるデータ登録システム。
【請求項2】
所定の拠点についての地図を提供する地図サーバであって、
前記拠点に関与しない汎用的な地図データを保持する地図データ保持部と、
前記拠点に関する地図の表示に関する指定を入力する入力部と、
前記汎用的な地図データを用いて前記拠点に関する地図を表示するために要求される表示制御情報を、前記入力された情報に基づいて生成し、出力する表示制御情報生成部とを備える地図サーバ。
【請求項3】
請求項2記載の地図サーバであって、
前記表示制御情報には、前記拠点の位置を特定する座標が含まれる地図サーバ。
【請求項4】
請求項2記載の地図サーバであって、
前記表示制御情報には、前記地図の表示態様を特定する情報が含まれる地図サーバ。
【請求項5】
請求項2記載の地図サーバであって、
前記表示制御情報は、前記拠点に関する地図の表示を要求する際に、前記地図サーバに直接伝達可能な形式で生成される地図サーバ。
【請求項6】
請求項2記載の地図サーバであって、
該地図サーバには、所定の顧客システムがネットワークを介して接続されており、
前記入力部は、該ネットワークを介して前記顧客システムから前記指定の入力を行う地図サーバ。
【請求項7】
請求項6記載の地図サーバであって、
ネットワーク上で前記顧客システムを特定する情報に基づいて、該地図サーバへのアクセスを制限する認証部を備える地図サーバ。
【請求項8】
所定の拠点について地図を含む関連情報を提供する拠点情報提供サーバであって、
該拠点情報提供サーバは、所定の表示制御情報に基づいて地図を提供可能な地図サーバとネットワークで接続されており、
前記拠点について、前記関連情報のうち少なくとも地図を除く案内である拠点情報を保持する拠点情報データ保持部と、
前記地図サーバにおいて生成された前記拠点に関する前記表示制御情報を入力する入力部と、
該表示制御情報を、前記拠点情報に関連づけて保持する表示制御情報保持部とを備える拠点情報提供サーバ。
【請求項9】
ネットワークで接続された地図サーバと拠点情報提供サーバとを備え、所定の拠点について地図を含む関連情報を提供する拠点案内システムであって、
前記拠点情報提供サーバは、
前記地図サーバに前記拠点に関連した地図を表示させるために必要となる表示制御情報を、該拠点と関連づけて予め保持しておく表示制御情報保持部と、
該拠点に関する地図の表示要求がなされた場合に、前記表示制御情報を、前記地図サーバに対して直接的または間接的に伝達する表示制御情報送信部とを備え、
前記地図サーバは、
前記拠点に関与しない汎用的な地図データを保持しておく地図データ保持部と、
前記地図サーバは、前記表示制御情報に基づいて前記拠点に関する地図を提示する地図提示部とを備える
拠点案内システム。
【請求項10】
所定の拠点について地図を含む関連情報を提供する拠点情報提供サーバであって、
該拠点情報提供サーバは、所定の表示制御情報に応じて地図を提示する地図サーバとネットワークを介して接続されており、
前記拠点に関し、地図以外の拠点情報を提示する拠点情報提示部と、
前記表示制御情報を、該拠点と関連づけて予め保持しておく表示制御情報保持部と、
前記拠点に関する地図の表示要求がなされた場合に、前記表示制御情報を、前記地図サーバに対して直接的または間接的に伝達する表示制御情報送信部とを備える拠点情報提供サーバ。
【請求項11】
請求項10記載の拠点情報提供サーバであって、
該拠点情報提供サーバは、前記関連情報を表示させるための表示装置とも、前記ネットワークを介して接続されており、
前記表示制御情報送信部は、前記表示装置を介して間接的に前記表示制御情報の伝達を行う拠点情報提供サーバ。
【請求項12】
請求項11記載の拠点情報提供サーバであって、
前記表示制御情報送信部の動作に先立って、前記表示制御情報を一旦前記地図サーバに送信し、該地図サーバで該表示制御情報を含む所定のフォーマットに加工された表示要求情報を受信する表示要求情報取得手段を備え、
前記表示制御情報送信部は、該表示要求情報の伝達を行う拠点情報提供サーバ。
【請求項13】
請求項11記載の拠点情報提供サーバであって、
前記表示制御情報送信部は、少なくとも前記表示制御情報が暗号化された状態で前記伝達を行う拠点情報提供サーバ。
【請求項14】
請求項10記載の拠点情報提供サーバであって、
前記表示制御情報に基づいて前記地図サーバで生成された地図データを、該地図サーバから受信し、外部に提示する地図案内部を備える拠点情報提供サーバ。
【請求項15】
請求項10記載の拠点情報提供サーバであって、
前記表示制御情報送信部は、前記地図サーバにおける地図の提供可否に関与する時間情報の伝達も行う拠点情報提供サーバ。
【請求項16】
所定の拠点についての地図を提供する地図サーバであって、
該地図サーバは、前記拠点に関連した地図の表示に必要となる表示制御情報を、該拠点と関連づけて予め保持する拠点情報提供サーバとネットワークで接続され、
前記拠点に関わらず汎用的な地図データを保持しておく地図データ保持部と、
前記拠点情報提供サーバから直接的または間接的に前記表示制御情報を受信し、該表示制御情報に基づいて前記拠点に関する地図を提示する地図提示部とを備える
地図サーバ。
【請求項17】
請求項16記載の地図サーバであって、
前記表示制御情報は、少なくとも一部が暗号化された情報であり、
前記地図提示部は、該表示制御情報の復号化を行って前記地図の提示を行う地図サーバ。
【請求項18】
請求項17記載の地図サーバであって、
前記地図提供部の動作に先立って、前記拠点情報提供サーバから前記表示制御情報を受信し、所定のフォーマットで該表示制御情報を含む表示要求情報を生成して、該拠点情報提供サーバに返信する表示要求情報生成部を備え、
前記地図提供部は、該表示要求情報に基づいて地図を提示する地図サーバ。
【請求項19】
請求項16記載の地図サーバであって、
前記拠点情報提供サーバから受信する情報には、地図の提供可否に関与する時間情報が含まれており、
前記地図提示部は、地図の提示が可能となるための予め設定された条件を、前記時間情報が満足している場合に前記地図の提示を行う地図サーバ。
【請求項20】
拠点情報提供サーバ、地図サーバ、及びデータ登録クライアントがネットワークで接続された環境において、該登録クライアントを用いて、所定の拠点について地図を含む関連情報を提供可能なデータを、前記拠点情報提供サーバに予め登録しておくためのデータ登録方法であって、
前記拠点情報提供サーバに、前記関連情報のうち少なくとも地図を除く案内である拠点情報を登録する工程と、
前記地図サーバによって表示された地図を用いて、該地図サーバに対し、前記拠点の位置を指定する工程と、
前記地図サーバに、前記汎用的な地図データを用いて前記拠点に関する地図を表示するために要求される表示制御情報を生成させ、前記拠点情報提供サーバに送信させる工程とを備えるデータ登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−198557(P2012−198557A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120705(P2012−120705)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2001−141335(P2001−141335)の分割
【原出願日】平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】