説明

地図表示装置、地図表示方法、およびコンピュータプログラム

【課題】地図を表示する際に、基準位置から遠い位置にある対象物を、基準位置との位置関係を喪失することなく、容易に知ることができるようにする。
【解決手段】地図を表示する装置であって、ユーザから距離の指定を受け取ることができる入力部と、基準位置に対して互いの相対角度が固定された4方向D1〜D4に位置し、基準位置PPから指定された距離にある4個の範囲の地図Da11,Da21,Da31,Da41を、4方向D1〜D4と対応する位置関係に配して表示することができる表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの操作に応じて表示画像を拡大または縮小する技術が存在する(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−127853号公報
【0004】
上記の技術を地図の表示に適用すると、大縮尺の表示を行うことにより、広い範囲の地図を表示して、基準位置(たとえば現在位置)から遠い位置にある土地や施設を表示することができる。
【0005】
しかし、地図の画像をそのまま縮小して広い範囲の地図を表示すると、地図上において駅や市役所などの対象物を示す記号や図形がそのまま縮小されてしまい、判別が困難となる。また、それらの記号や図形の大きさを維持したまま広い範囲の地図を表示すると、多数の対象物の記号や図形が画面上に表示される。その結果、それらの記号や図形に隠されて、市町村の境界や川などの地形を表す図が見えなくなりやすい。さらに、一部の対象物の記号や図形を表示しないことにより、市町村の境界や川などの地形が表示されるようにすると、ユーザが見つけたい対象物の記号や図形が画面上に表示されなくなる場合がある。
【0006】
一方で、地図の表示範囲を移動させることで、ユーザが見つけたい対象物を画面に表示させることもできる。しかし、そのような態様においては、もともと表示していた範囲または地点との位置関係が分からなくなるという問題がある。
【0007】
このような問題は、地図を表示することにより、基準位置から遠い位置にある対象物を知ろうとする際に、広く生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願に係る発明は、上記の課題の少なくとも一部を取り扱うことを目的とし、地図を表示する際に、基準位置から遠い位置にある対象物を、基準位置との位置関係を喪失することなく、容易に知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、地図表示装置おいて以下のような構成を採用する。その装置は、地図を表示する装置であって、
ユーザから距離の指定を受け取ることができる入力部と、
基準位置に対して互いの相対角度が固定された4方向に位置し、前記基準位置から前記指定された距離にある4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係に配して表示することができる表示部と、を備える。
【0010】
このような態様とすれば、地図を表示する際に、基準位置から指定した距離の位置の近傍にある対象物を、基準位置との位置関係を喪失することなく、容易に知ることができる。
【0011】
なお、前記表示部は、前記4個の範囲を含む一つの範囲を連続した一つの地図として表示することができる縮尺よりも小さい縮尺で、前記4個の範囲の地図を表示することが好ましい。
【0012】
このような態様とすれば、4個の範囲を含む一つの範囲を連続した一つの地図として表示する態様に比べて、4個の範囲において対象物が表示される可能性が高い。このため、ユーザは、基準位置から指定した距離の位置の近傍にある対象物を、発見できる可能性が高い。
【0013】
また、前記表示部は、
前記基準位置を含む範囲を連続した一つの地図として表示する第1のモードと、
前記4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係に配して表示する第2のモードと、を備え、
前記第1のモードから前記第2のモードに移行することができ、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行することができることが好ましい。
【0014】
このような態様とすれば、ユーザは、対象物を探すのに便利な第2のモードと、基準位置の周辺の地図を表示するための第1のモードとを自由に行き来することができる。このため、基準位置との位置関係を喪失することなく、対象物を容易に見つけることができる。
【0015】
なお、前記表示部は、
前記第1のモードで前記基準位置を含む範囲の地図を表示した後に前記第2のモードで地図を表示する際には、前記第2のモードに移行する直前に前記第1のモードで前記地図を表示した縮尺で、前記4個の範囲の地図を表示することが好ましい。
【0016】
このような態様とすれば、第1のモードで地図を表示した状態から、そのままの縮尺で、4方向について表示範囲を移動させて、対象物を探すことができる。このため、ユーザは、縮尺ごとの地図上の表示の違いを意識することなく対象物を探すことができる。
【0017】
また、前記4個の範囲は、それぞれ前記基準位置に最も近い地点を一つの頂点とする四角形の範囲であり、
前記表示部は、
四角形の表示範囲を有し、
前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記四角形の表示範囲内の左上、右上、右下、および左下の位置に、前記4個の範囲の前記一つの頂点が向かい合うように、前記4個の範囲を配して表示することが好ましい。
【0018】
このような態様とすれば、四角形の表示範囲を有効に活用して、4個の範囲の地図を表示することができる。上記の表示範囲および4個の範囲は、たとえば、長方形とすることができる。なお、本明細書において「長方形」には、正方形を含むものとする。
【0019】
また、上記の表示範囲および4個の範囲は、菱形でもよい。そのような態様においては、表示範囲内の上、右、下、および左の位置に、前記4個の範囲の前記一つの頂点が向かい合うように、前記4個の範囲を配して表示することが好ましい。なお、なお、本明細書において「菱形」には、正方形を含むものとする。
【0020】
なお、前記4個の範囲は、それぞれ前記基準位置に最も近い地点を一つの頂点とする三角形の範囲であり、
前記表示部は、
長方形の表示範囲を有し、
前記4個の範囲の地図を表示する際には、長方形の表示範囲内の上、右、下、および左の位置に、前記4個の範囲の前記一つの頂点が向かい合うように、前記4個の範囲をそれぞれ配して表示することが好ましい。
【0021】
このような態様としても、長方形の表示範囲を有効に活用して、4個の範囲の地図を表示することができる。また、指定する距離を少しづつ大きくしていく際には、表示範囲の外縁近傍に新たな範囲の地図が表示され、表示範囲の中央にはすでに見た範囲の地図が表示される。このため、4個の各範囲が三角形であり、各範囲内において、基準位置からより遠い部分について、より広い範囲の地図を表示することができる上記態様によれば、ユーザは容易に対象物を探すことができる。
【0022】
また、前記表示部は、前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記表示範囲の一部の範囲であって、前記表示範囲の中央を含む範囲に前記指定された距離に関する表示を行うことが好ましい。
【0023】
このような態様とすれば、ユーザは、基準位置から、4個の範囲の地図に表示された対象物までのおよその距離を知ることができる。また、距離の指定を少しづつ大きくしていく際には、表示範囲の外縁近傍に新たな範囲の地図が表示され、表示範囲の中央にはすでに見た範囲の地図が表示される。このため、表示範囲の中央に距離に関する表示を行うこととすれば、ユーザが見たいと考えられる新たな部分の地図の表示を妨げることなく、距離の情報をユーザに提供することができる。
【0024】
なお、前記入力部は、前記距離の指定の少なくとも一部として、前記指定された距離を増大または減少させる指示をユーザから受け取ることができることが好ましい。
【0025】
このような態様とすれば、ユーザは、基準位置に近い範囲から遠い範囲について順に、対象物を探すことができる。また、ユーザは、基準位置に遠い範囲から近い範囲について順に、対象物を探すことができる。
【0026】
また、前記入力部は、前記4方向の向きに関する指定を受け取ることができ、
前記表示部は、前記向きに関する指定に応じて、地図の方位に対する前記4方向の向きを決定して、4個の範囲の地図を表示することができることが好ましい。
【0027】
このような態様とすれば、ユーザは、任意の向きについて基準位置からの距離を変化させて対象物を探すことができる。
【0028】
なお、前記表示部は、前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記表示範囲の一部の範囲であって、前記表示範囲の中央を含む範囲に前記指定された向きに関する表示を行うことが好ましい。
【0029】
このような態様とすれば、ユーザは、基準位置から、4個の範囲の地図に表示された対象物のおよその方角を知ることができる。また、表示範囲の中央に向きに関する表示を行うため、ユーザが見たいと思われるより遠い部分の地図の表示を妨げることなく、向きの情報をユーザに提供することができる。
【0030】
また、前記入力部は、前記向きに関する指定の少なくとも一部として、前記指定された向きを時計回りまたは反時計回りに変化させる指示をユーザから受け取ることができることが好ましい。
【0031】
このような態様とすれば、ユーザは、基準位置から等距離にある範囲について、順に、向きを変えて対象物を探すことができる。
【0032】
なお、前記入力部は、
前記指定された距離を増大させる指示を受け取るための第1の操作部と、
前記指定された距離を減少させる指示を受け取るための第2の操作部と、
前記4方向の向きを時計回りに変化させる指示を受け取るための第3の操作部と、
前記4方向の向きを反時計回りに変化させる指示を受け取るための第4の操作部と、を備え、
前記入力部における前記第1の操作部の位置を12時の方向としたとき、
前記第2の操作部は、6時の方向に配され、
前記第3の操作部は、3時の方向に配され、
前記第4の操作部は、9時の方向に配されていることが好ましい。
【0033】
このような態様とすれば、ユーザは、地図を表示する4個の範囲の距離および方向を直感的に変化さえて、地図を表示させることができる。
【0034】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、地図表示装置および地図表示方法、地図データ生成装置および地図データ生成方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の地図表示システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。
【0036】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0037】
GPSユニット201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0038】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0039】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0040】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置を含む所定の範囲の地図を表示パネル202に表示することができる。また、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、地図データや、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、それら地図や経路を表示パネル202に表示することができる。
【0041】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150および携帯電話200と通信を行うことができる。
【0042】
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータを格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
【0043】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
【0044】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
【0045】
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0046】
A2.地図の表示:
図2は、地図データに基づいて、携帯電話200の表示パネル202に現在位置を含む範囲Da0の地図を表示した状態を示す図である。地図上には現在位置PPと道路R01が表示されている。現在位置PPの情報は、GPSユニット201により取得される。地図データは、通信部205を介して地図サーバ150から取得される。なお、図1において、地図データに基づいて表示パネル202に所定の地図を表示する主制御部210の機能部を、地図表示部232として示す。以下では、主としてこの地図表示部232が奏する機能を説明する。
【0047】
携帯電話200の表示パネル202において、現在位置PPは、表示パネル202の中央を含む所定の領域に表示される。なお、表示パネル202の「中央」は、表示パネル202の長方形の表示領域の対角線の交点である。
【0048】
なお、図2の状態においては、北が真上となるように地図が表示されている。しかし、地図の上を北にするのか、ユーザの移動方向とするのかは、コマンド入力部206を操作して、適宜、ユーザが選択することができる。
【0049】
表示パネル202に現在位置PPを含む範囲Da0の地図が表示された状態から、コマンド入力部206を使用して所定の操作をすると、表示パネル202の左上部分に操作メニューM1が表示される。操作メニューM1は、地図の表示範囲を移動させるための選択肢M11と、地図の縮尺を変更するための選択肢M12と、現在位置PPを中心とする4カ所の範囲の地図を表示するための選択肢M13とを含む。
【0050】
選択肢M11〜M13は、カーソルキー206bの第1の部分P1と、第2の部分P2とを操作することで選択できる。カーソルキー206bの第1の部分P1を12時の位置としたとき、第2の部分P2は6時の位置にある。同様に、カーソルキー206bの3時の位置にある部分を第3の部分と呼び、9時の位置にある部分を第4の部分と呼ぶ。
【0051】
図2においては、選択肢M13が四角で囲われている。この状態は、選択肢M13が選択された状態である。選択を確定する操作は、カーソルキー206bの中央部分Pcを押すことで実行できる。図1において、テンキー206aおよびカーソルキー206bを介してユーザの指示を受け取る機能を奏する主制御部210の機能部を、入力部231として示す。
【0052】
なお、図2、ならびに後に説明する図3、図6、図7、図9〜11において、矢印Uは、鉛直上方を表す。ただし、紙面は2次元であるため、紙面内の矢印Uが表す実際の鉛直上方の向きは、矢印Uを含み紙面に垂直な面内において0より大きく90度より小さい範囲をとりうる。カーソルキー206bの第1の部分P1は、携帯電話200の姿勢によらず、カーソルキー206bの中央部分Pcに対して、長方形の表示パネル202の長辺または短辺の向きであって、鉛直上方に最も近い向きに位置する。
【0053】
図3は、図2の状態から選択肢M13の選択が確定された場合の表示パネル202の表示を示す図である。なお、図2のように、現在位置PPを含む範囲Da0の地図を連続した一つの地図として表示パネル202に表示するモードを「第1のモード」と呼ぶ。これに対して、図3のように、現在位置PPを中心とする地図上の4カ所の範囲の地図を表示するモードを「第2のモード」と呼ぶ。以下で「第2のモード」におけるシステムの動作について説明する。
【0054】
第2のモードにおいては、表示パネル202の表示領域は、左上、右上、右下、左下の4つの領域2021〜2024に分割される。各領域2021〜2024には、それぞれ異なる範囲の地図が表示される。なお、領域2021〜2024の互いの境界は、黒い線で示される。
【0055】
領域2021〜2024は、中央のアイコンCIと重複する部分を除き、表示パネル202の表示領域を4等分して構成される長方形の領域と同じである。本明細書においては、アイコンCIなどの地図以外の表示が地図に重ねて表示される場合は、「地図以外の表示が行われる部分にも地図が表示されているものと仮定したときの地図全体の外形」が長方形である場合には、その地図の範囲は「長方形」であるものとして説明する。
【0056】
表示パネル202の中央を含む所定の領域には、アイコンCIが表示される。アイコンCIは、領域2021〜2024に表示している各地図の北の向きを示す矢印Anと、領域2021〜2024に表示している地図の南の向きを示す矢印Asと、現在位置PPから領域2021〜2024に表示される各範囲内の最も近い地点までの距離rを示す表示Drとを有する。なお、地図の方位を示す矢印An,Asのうち、矢印Anは赤色で表示される。矢印Asは白色で表示される。さらに、アイコンCIは、現在位置から領域2021〜2024に表示された地図の場所にそれぞれ向かう向きを表す表示としての線分A1〜A4を含む。
【0057】
図3の例においては、北が図の真上となるように地図が表示されている(図3の矢印An,As参照)。また、第1のモードから第2のモードに移行した直後は、表示Drに示される距離rは「0」である(図3の表示Dr参照)。すなわち、図3の状態において、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図は、現在位置PPにおいて互いに接している。その結果、第2のモードに移行した直後の図3の状態において、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される地図の範囲および向きは、第1のモードの図2の状態において、表示パネル202に表示される地図の範囲および向きと同じである。
【0058】
図4は、第1および第2のモードにおいて表示パネル202に表示される地図の相対位置を示す概念図である。中央に示す4個の長方形からなる範囲Da0は、第1のモードにおいて表示パネル202に示される地図の範囲である(図2参照)。第1のモードから第2のモードに移行した直後に示される範囲も範囲Da0である(図3参照)。第2のモードにおいて、表示パネル202の領域2021〜2024には、それぞれ範囲Da0のうちの範囲Da10〜Da40の地図が表示される。
【0059】
図5は、現在位置の周辺の範囲Da0を含むより広い範囲の地図MI01上において、第2のモードで表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲を示す図である。図5の地図上には、道路R01,R02,R03、鉄道の線路RR01、鉄道の駅St01,St02,St03、公園P01、池W01などが含まれている。なお、図5の下段の地図における方位を、図5の上段の表示C1で示す。表示C1において「N」が表示される向きが図5の下段の地図における北の向きである。
【0060】
図5において、範囲Da0を、中央に破線で示す。範囲Da0は、第1のモードにおいて表示パネル202に示される地図の範囲であり、第1のモードから第2のモードに移行した直後において、表示パネル202に示される地図の範囲である。範囲Da0内を道路R01が通っている(図2および図3参照)。
【0061】
図6は、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして300mが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図である。図3の状態からカーソルキー206bの第1の部分P1が押されると、領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲の現在位置からの距離rが増大される。なお、領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲と、現在位置との距離rは、4個の地図の範囲のうちそれぞれ最も現在位置に近い地点と、現在位置と、の距離である(図4のr1およびr2参照)。
【0062】
第1の部分P1が押されると、主制御部210の地図表示部232は、第1の部分P1の操作量(押圧時間)に応じて距離rを増大させる量を計算する。そして、地図表示部232は、その距離だけ、表示範囲Da1〜Da4を現在位置PPから遠くに移動させる(図4および図5の矢印AD参照)。すると、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が現在位置PPから遠ざかる。このとき領域2021〜2024に表示される地図の範囲を、図4においてそれぞれDa11,Da21,Da31,Da41で示す。
【0063】
範囲Da11,Da21,Da31,Da41は、現在位置PPを中心として互いがなす角度の大きさを90度に固定された4方向D1〜D4にそれぞれ位置する。図4において、各範囲Da11,Da21,Da31,Da41の現在位置PPに最も近い一つの頂点を通る円S1の半径r1は、ユーザによってカーソルキー206bを介して指定された距離rである(図6のDr参照)。図6の例では、半径r1は300mである(図6のDr参照)。
【0064】
図5において、範囲Da11,Da21,Da31,Da41を破線で示す。範囲Da31には、線路RR01の一部および駅St02の一部が含まれる。また、範囲Da41には、公園P01の一部が含まれる。その結果、図6に示すように、表示パネル202の領域2023には、線路RR01の一部および駅St02の一部が表示される。そして、領域2024には、公園P01の一部が表示される。
【0065】
このような態様とすることで、ユーザは、現在位置から4方向のうちどちらの方向にどのくらい行けば鉄道や駅や公園などの対象物があるか、といった情報を容易に入手することができる。すなわち、第1のモードで地図を表示した縮尺では表示パネル202に表示されないような、現在位置から遠い位置にある対象物を、基準位置(現在位置)との関係を喪失することなく、容易に知ることができる(図2および図6参照)。
【0066】
図7は、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして1.0kmが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図である。図6の状態からさらにカーソルキー206bの第1の部分P1が押されると、領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲の現在位置からの距離rがさらに増大される。すると、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が現在位置からさらに遠ざかる。このとき領域2021〜2024に表示される地図の範囲を、図4においてそれぞれDa12,Da22,Da32,Da42で示す。
【0067】
各範囲Da12,Da22,Da32,Da42の現在位置に最も近い一つの頂点を通る円S2の半径r2は、ユーザによってカーソルキー206bを介して指定された距離rである。図7の例では、半径r2は1.0kmである。
【0068】
第1のモードにおいて第2のモードに移行する直前に地図が表示されていた範囲Da0の上方(ここでは「北」)に対して水平面上で左に45度の方向に位置する範囲(図4の範囲Da10,Da11,Da12)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da1と呼ぶ。なお、第1のモードにおいて第2のモードに移行する直前に地図が表示されていた範囲Da0の上方の向きを「基準方向」と呼ぶ。
【0069】
基準方向に対して水平面上で右に45度の方向に位置する範囲(図4の範囲Da20,Da21,Da22)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da2と呼ぶ。基準方向に対して水平面上で右に135度の方向に位置する範囲(図4の範囲Da30,Da31,Da32)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da3と呼ぶ。基準方向に対して水平面上で左に135度の方向に位置する範囲(図4の範囲Da40,Da41,Da42)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da4と呼ぶ。
【0070】
範囲Da1〜Da4は、現在位置を中心として90度づつの角度範囲を開けて配される方向D1〜D4に位置する。すなわち、範囲Da1〜Da4は、現在位置を中心として互いの相対角度を固定された範囲である。
【0071】
基準方向に対して左に45度の方向に位置する範囲Da1(図4参照)の地図は、表示パネル202の中心から上方に向かう向きに対して左に45度の場所に位置する領域2021に表示される(図3、図6および図7参照)。同様に、基準方向に対して右に45度の方向に位置する範囲Da2の地図は、表示パネル202の中心から上方に向かう向きに対して右に45度の場所に位置する領域2022に表示される。
【0072】
基準方向に対して右に135度の方向に位置する範囲Da3(図4参照)の地図は、表示パネル202の中心から上方に向かう向きに対して右に135度の場所に位置する領域2023に表示される(図3、図6および図7参照)。同様に、基準方向に対して左に135度の方向に位置する範囲Da4の地図は、表示パネル202の中心から上方に向かう向きに対して左に135度の場所に位置する領域2024に表示される。
【0073】
すなわち、範囲Da1〜Da4の地図は、現在位置から範囲Da1〜Da4に向かう方向と対応する位置関係で表示される(図3〜図7参照)。
【0074】
図5において、範囲Da12,Da22,Da32,Da42を破線で示す。範囲Da22には、道路R03の一部が含まれる。また、範囲Da42には、公園P01の一部は含まれなくなっている。その結果、図7に示すように、表示パネル202の領域2022には、道路R03の一部が表示される。そして、領域2024には、公園P01の一部が表示されなくなっている。
【0075】
たとえば、ユーザが、現在位置PPからほぼ北の方角に、バス路線がある道路R02,R03があることをあらかじめ知っているときに、ユーザは、以下のように地図表示システムを使用することができる。すなわち、表示すべき範囲の現在位置からの距離rを少しづつ増大させて表示範囲を変えてゆく。その結果、先に表示された道路R03の方が、まだ表示されない道路R02よりも現在位置から近いことが分かる。その結果、ユーザはより近い道路R03を目指して歩き出すことができる。
【0076】
図7の状態からカーソルキー206bの第2の部分P2が押されると、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲の現在位置からの距離rが減少される。その際の主制御部210の機能部としての地図表示部232の処理は、現在位置から範囲Da1〜Da4までの距離を減少させる点を除いて、第1の部分P1が押された場合と同じである。すなわち、第2の部分P2が押されると、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が現在位置に近づく(図4および図5の矢印AD参照)。
【0077】
その結果、ユーザは、たとえば、表示パネル202の表示内容を図7の状態から図6や図3の状態に戻すことができる。このように、カーソルキー206bの第1の部分P1と第2の部分P2とを操作することで、ユーザは、表示パネル202の領域2021〜2024に表示する範囲の現在位置PPからの距離rを任意に変化させることができる。その結果、ユーザは、地図を表示すべき範囲の距離を様々に変えて、各方向に存在する施設などを探すことができる。
【0078】
また、第1のモードから第2のモードに移行した直後は、現在位置から表示範囲までの距離rは「0」である(図3参照)。そして、第2のモードにおいては、第1のモードにおいて第2のモードに移行する直前に表示されていた地図と同じ縮尺で地図が表示される。このため、第1のモードから第2のモードに移行した直後には、第1のモードにおいて表示されていた範囲と同じ範囲の地図が表示される(図2および図3参照)。よって、ユーザは、現在位置の近くから順に、表示範囲までの距離rを増大させて、地図上における目的物を探すことができる。
【0079】
そして、本実施例の地図表示システムにおいては、ユーザは、カーソルキー206bの12時の方向(上方)に配される第1の部分P1を操作することで、距離rを増大させるとことができる。そして、カーソルキー206bの6時の方向(下方)に配される第2の部分P2を操作することで、距離rを減少させるとことができる。このため、ユーザは、直感的に表示範囲を変えて目的物を探すことができる。
【0080】
また、小さな縮尺の地図上には表示される対象物が大きな縮尺の地図では省略されることがある。しかし、本実施においては第2のモードにおける縮尺は第1のモードにおける縮尺と等しい。このため、ユーザは、第1のモードにおいて地図上で見ていた表示と同程度の表示を想定して、第2のモードで対象物を探すことができる。
【0081】
さらに、現在位置から領域2021〜2024の表示範囲Da1〜Da4までの距離rや、地図の方位を示すアイコンCIは、表示パネル202の中央に表示される(図3、図6および図7参照)。ユーザが現在位置の周辺について目的物を探す際には、現在位置からの距離r=0の範囲Da0から順に遠くの範囲を探すことが多い。そして、その際には、新たな範囲の地図は表示パネル202の外周近傍に表示される。これに対して、表示パネル202の中央にはすでに表示された範囲の地図が表示される。このため、アイコンCIを表示パネル202の中央に表示することにより、ユーザが見たい部分の地図を隠すことなく、表示範囲までの距離や地図の方位を示すことができる。
【0082】
図8は、現在位置周辺の範囲Da0を含むより広い範囲の地図MI02上において、第2のモードにおいて表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲Da11,Da21,Da31,Da41や範囲Da12,Da22,Da32,Da42を示す図である。図8に示す地図MI02は、図5の地図MI01を時計回りに45度回転させた地図である。図8の下段の地図における北の向きを、図8の上段の表示C2で示す。表示C2において「N」が表示される向きが図8の下段の地図における北の向きである。
【0083】
図6の状態からカーソルキー206bの第4の部分P4が押されると、表示パネル202の領域2021〜2024に地図が表示される4個の地理上の範囲(図4参照)と、地図(図5および図8参照)の方位との相対角度が変化する。
【0084】
より具体的には、第4の部分P4が押されると、主制御部210機能部としての地図表示部232は、第4の部分P4の押圧時間に応じて変化させる角度の量を計算する。そして、地図表示部232は、その角度の量だけ、地図を、表示範囲Da1〜Da4に対して相対的に時計回りに回転させる(図5および図8の矢印AR参照)。言い換えれば、表示範囲Da1〜Da4の向きが、地図に対して反時計回りに回転する。すると、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が、それぞれ現在位置PPからそれぞれの地図の場所の方角を見たときに、左の方に移動する。
【0085】
なお、カーソルキー206bの第4の部分P4や第3の部分P3が操作される前の基準状態においては、地図は、第1のモードにおいて表示されていた地図と同じ向きで表示されている(図2、図3、図6および図7参照)。
【0086】
図9は、図6の状態からカーソルキー206bの第4の部分P4が押され、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が、現在位置PPを中心として左の方にずらされた状態を示す図である。表示パネル202の領域2021〜2024には、それぞれ範囲Da11,Da21,Da31,Da41の地図が表示されている。図8において、範囲Da11,Da21,Da31,Da41を破線で示す。
【0087】
範囲Da31には、線路RR01の一部および駅St02の一部は含まれなくなり、代わりに、道路R01の一部が含まれる。また、範囲Da41には、公園P01の一部であって、図6で表示されている部分とは異なる部分が含まれる。
【0088】
このような態様とすることで、ユーザは、現在位置から所定の距離にある範囲において、どの方向に何があるか、という情報を容易に入手することができる。すなわち、第1のモードで地図を表示した縮尺では表示パネル202に表示されないような、現在位置から遠い位置にある対象物を、基準位置(現在位置)との位置関係を喪失することなく、容易に知ることができる(図6および図9参照)。
【0089】
図10は、表示パネル202の領域2021〜2024に表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして1.0kmが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図である。図9の状態からさらにカーソルキー206bの第1の部分P1が押されると、領域2021〜2024に表示される地図の範囲は、たとえば、図8においてそれぞれ破線で示す範囲Da12,Da22,Da32,Da42となる。このとき、各範囲Da12,Da22,Da32,Da42の現在位置に最も近い一つの頂点を通る円S2の半径r2は、ユーザによってカーソルキー206bを介して指定された距離rである。図10の例では、半径r2は1.0kmである。
【0090】
このとき、図10に示すように、表示パネル202の領域2022には、池W01の一部が表示される。そして、領域2023には、道路R01の一部が表示されている。
【0091】
なお、図10の状態は、たとえば、図7の状態からカーソルキー206bの第4の部分P4が押されることによって、地図が時計回りに45度回転されることによっても、実現される。
【0092】
一方、ユーザは、カーソルキー206bの第3の部分P3を押すことによっても、表示パネル202の領域2021〜2024に地図が表示される4個の地理上の範囲(図4参照)と、地図(図5および図8参照)の方位との相対角度を変化させることができる。その際の主制御部210の機能部としての地図表示部232の処理は、表示範囲Da1〜Da4に対する地図の相対角度の回転の方向が反時計回りである点を除いて、第4の部分P4が押された場合と同じである。
【0093】
すなわち、第3の部分P3が押されると、地図が、表示範囲Da1〜Da4に対して反時計回りに回転する。言い換えれば、表示範囲Da1〜Da4の向きが、地図に対して時計回りに回転する。その結果、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が、現在位置から各領域を見たときに、右の方向に移動する。
【0094】
このため、ユーザは、たとえば、図10の状態からカーソルキー206bの第3の部分P3を操作することで、領域2021〜2024の表示を図7の状態とすることができる。また、ユーザは、たとえば、図9の状態からカーソルキー206bの第3の部分P3を操作することで、領域2021〜2024の表示を図6の状態とすることができる。
【0095】
このように、ユーザは、カーソルキー206bの第1の部分P1〜第4の部分P4を操作することにより、現在位置からどちらの方向にどのくらい行けばどのような施設があるのか、に関する情報を容易に入手することができる。すなわち、第1のモードで地図を表示した縮尺では表示パネル202に表示されないような、現在位置から遠い位置にある対象物を、基準位置(現在位置)との位置関係を喪失することなく、容易に知ることができる(図2、図6、図9および図10参照)。
【0096】
また、本実施例の地図表示システムにおいては、ユーザは、9時の方向(左方)に配される第4の部分P4を操作することで、地図の表示範囲を反時計回りに移動させることができる。そして、ユーザは、3時の方向(右方)に配される第3の部分P3を操作することで、地図の表示範囲を時計回りにずらすことができる。このため、ユーザは、直感的に表示範囲を変えて目的物を探すことができる。
【0097】
そして、本実施例においては、カーソルキー206bの上下左右に位置する第1の部分P1〜第4の部分P4が、それぞれ距離の増大および減少、時計回りの回転および反時計回りの回転の操作を指示する為の手段となっている。このため、地図上で目的物を探す際の主要な操作を一つの入力部で行うことができる。よって、装置の構成を小さくすることができる。
【0098】
また、第1のモードから第2のモードに移行した直後は、第1のモードにおいて表示されていた範囲と同じ範囲の地図が同じ向きで表示される(図2および図3参照)。よって、ユーザは、現在位置および自分が認識している方向を失うことなく地図上における目的物を探すことができる。
【0099】
表示パネル202に現在位置PPを含む範囲Da1〜Da4の地図が表示された状態から、コマンド入力部206を使用して所定の操作をすると、表示パネル202の左上部分に操作メニューM2が表示される。操作メニューM2は、第1のモードに戻るための選択肢M21と、第2のモードを維持するための選択肢M22とを含む。
【0100】
選択肢M21,M22は、カーソルキー206bの第1の部分P1と、第2の部分P2とを操作することで選択できる。図10においては、選択肢M21が四角で囲われている。この状態は、選択肢M21が選択された状態である。選択を確定する操作は、カーソルキー206bの中央部分Pcを押すことで実行できる。選択肢M21の選択が確定されると、動作は第1のモードに戻る(図2参照)。
【0101】
このように、ユーザは、第1のモードと第2のモードとを自由に行き来できる。このため、現在位置から遠くにあり図2の状態では表示されないような対象物を探した後、現在位置周辺の地図を表示する第1のモードに戻ることができる。よって、現在位置と対象物との位置関係を把握した状態で、対象物を探すことができる。
【0102】
B.第2実施例:
第1実施例では、第2のモードにおいて、表示パネル202の領域は、左上、右上、右下、左下の4つの領域2021〜2024に分割される。第2実施例においては、第2のモードにおける表示パネル202の分割のし方が第1実施例とは異なる。また、表示パネル202の中央に表示されるアイコンCIbも第1実施例とは異なる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0103】
図11は、第2実施例において、第1のモードから第2のモードに移行した直後の表示パネル202の表示を示す図である。第2実施例の第2のモードにおいては、表示パネル202の領域は、上、右、下、左の4つの領域2025〜2028に分割される。各領域2025〜2028には、それぞれ異なる範囲の地図が表示される。なお、領域2025〜2028の互いの境界は、黒い線で示される。
【0104】
各領域2025〜2028は、中央のアイコンCIbと重複する部分を除き、表示パネル202の領域を対角線で4等分して構成される二等辺三角形の領域と同じである。各二等辺三角形は、底辺を、表示パネル202の長方形の表示領域の辺と共有する。なお、本明細書においては、地図以外の表示が地図に重ねて表示される場合は、「地図以外の表示が行われる部分にも地図が表示されているものと仮定したときの地図全体の外形」が、たとえば三角形である場合には、その地図の範囲は「三角形」であるものとして説明する。
【0105】
表示パネル202の中央に表示されるアイコンCIbは、現在位置から領域2025〜2028に表示された地図の場所にそれぞれ向かう向きを表す表示としての線分A5〜A8を含む。アイコンCIbの他の点は、第1実施例のアイコンCIと同じである。
【0106】
図12は、第2実施例の第1および第2のモードにおいて表示パネル202の領域2025〜2028に表示される地図の相対位置を示す概念図である。中央に示す範囲Da0は、第1のモードにおいて表示パネル202に示される地図の範囲である(図2参照)。第1のモードから第2のモードに移行した直後に示される範囲も範囲Da0である(図11参照)。第2のモードにおいて、表示パネル202の領域2025〜2028には、それぞれ範囲Da0のうちの範囲Da50〜Da80の地図が表示される。
【0107】
カーソルキー206bの第1の部分P1または第2の部分P2が操作され、領域2025〜2028に表示される地図の範囲Da50〜Da80の最も近い点までの現在位置からの距離rが指定されると、矢印ADで示すように、範囲Da50〜Da80の現在位置PPに対する相対的な位置が変化する。そして、表示パネル202の領域2025〜2028には、それぞれの範囲に対応する地図が表示される。なお、カーソルキー206bの第3の部分P3または第4の部分P4が操作された場合の地図表示システムの処理は、第1実施例と同じである。すなわち、地図の表示範囲と地図の方位との相対角度が変化する。
【0108】
第2実施例においては、第2のモードに移行する直前に第1のモードにおいて地図が表示されていた範囲Da0の上の方向(基準方向。ここでは「北」)に位置する範囲(図12の範囲Da50,Da51,Da52)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da5と呼ぶ。基準方向に対して水平面上で右に90度の方向に位置する範囲(図12の範囲Da60,Da61,Da62)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da6と呼ぶ。
【0109】
基準方向に対して水平面上で180度の方向に位置する範囲(図12の範囲Da70,Da71,Da72)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da7と呼ぶ。基準方向に対して水平面上で左に90度の方向に位置する範囲(図4の範囲Da80,Da81,Da82)を、現在位置PPからの距離rによらず総称するときには、範囲Da8と呼ぶ。
【0110】
範囲Da5〜Da8は、現在位置を中心として90度づつの角度範囲を開けて配される方向D5〜D8に位置する。すなわち、範囲Da5〜Da8は、現在位置を中心として互いの相対角度を固定された範囲である。
【0111】
表示パネル202に表示された範囲Da0の上の方向(基準方向)に位置する範囲Da5の地図は、表示パネル202において上の場所に位置する領域2025に表示される。基準方向に対して右に90度の方向に位置する範囲Da6の地図は、表示パネル202において右の場所に位置する領域2026に表示される。
【0112】
基準方向に対して180度の方向に位置する範囲Da7の地図は、表示パネル202において下の場所に位置する領域2027に表示される。基準方向に対して左に90度の方向に位置する範囲Da8の地図は、表示パネル202において左の場所に位置する領域2028に表示される。
【0113】
すなわち、範囲Da5〜Da8の地図は、範囲Da1〜Da4のそれぞれの方向と対応する位置関係で表示される(図11および図12参照)。
【0114】
このような態様としても、ユーザは、第1のモードで地図を表示した縮尺では表示パネル202に表示されないような、現在位置から遠い位置にある対象物を、基準位置(現在位置)との関係を喪失することなく、容易に知ることができる。
【0115】
また、現在位置PP周辺から順に遠い範囲について対象物を探す場合、新たな範囲の地図は表示パネル202の外周近傍に表示される。そして、表示パネル202の中央近傍には、すでに表示パネル202上に表示された地図上の対象物が表示される。本実施例においては、領域2025〜2028は、表示パネル202の外周近傍において幅が広く、表示パネル202の中央近傍において幅が狭い二等辺三角形で行使される(図11および図12参照)。このため、本実施例においては、新たに表示される部分の地図が、すでに表示された部分の地図よりも広く表示される。このため、ユーザは、目的物を探しやすい。
【0116】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0117】
C1.変形例1:
上記実施例では詳細な説明はしていないが、携帯電話200は、現在位置からの距離rの変更、および表示すべき地図の範囲Da1〜Da4,Da5〜Da8の向きの変更に応じて、地図データを地図サーバ150に要求する。地図サーバ150は、携帯電話200からの要求に応じて必要な地図データを携帯電話に送る。
【0118】
なお、地図サーバ150から携帯電話200に送られる地図データの範囲は、様々な範囲とすることができる。たとえば、携帯電話200に送られる地図データの範囲は、表示すべき地図の範囲とすることができる。また、表示すべき地図と同じ方向にある範囲の少なくとも一部の地図(図5および図8の矢印AD参照)や、表示すべき地図と同じ距離rにある範囲の少なくとも一部の地図(図5および図8の矢印AR参照)をあらかじめ携帯電話に送る態様としてもよい。
【0119】
C2.変形例2:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0120】
C3.変形例3:
上記実施例においては、地図上の文字の表示については説明を省略したが、地図上の地名や施設を表示するための文字は、地図上の図形とは別に一定の大きさで、または縮尺に応じた大きさで、地図上に表示することができる。
【0121】
C4.変形例4:
上記実施例では、GPSユニット201から得られる現在位置情報に基づいて、現在位置を中心とした地図表示が行われる。しかし、地図表示の第2のモードは、実際の現在位置とは無関係に、ユーザが指定した位置を基準位置として、そこから所定の方向および距離にある範囲の地図を表示する態様とすることもできる。また、地図表示の第1のモードは、ユーザが指定した位置を含む所定範囲の地図を表示する態様とすることもできる。
【0122】
C5.変形例5:
上記実施例では、第2のモードにおいて表示される地図の範囲は、直前に第1のモードで表示されていた地図の範囲と同じである。そして、ユーザは、カーソルキー206bの第1の部分P1と、第2の部分P2とを操作することによって、4個の範囲の位置を連続的に変化させる指示を携帯電話200に与える(図4、図5、図8および図12の矢印AD参照)。しかし、第2のモードにおいて地図を表示させる範囲の位置は、他の態様で指定することもできる。
【0123】
たとえば、ユーザが、テンキー206aを操作して、基準位置からの距離を指定する態様とすることもできる。また、基準位置は、直前に第1のモードで表示されていた現在位置とすることもでき、ユーザがテンキー206aやカーソルキー206b等の入力手段で指定した位置とすることもできる。
【0124】
さらに、ソフトウェア的なボタンであるとハードウェア的なボタンであるとを問わず、所定のボタンを押すことによる距離rの増大または減少の指示があった場合に実行される処理は、表示パネル202上で画面の変化が連続的に見える程度の距離rの段階的改変であってもよく、表示パネル202上で画面の変化が断続的に見える程度の距離rの段階的改変であってもよい。
【0125】
C6.変形例6:
上記実施例では、第2のモードにおいて最初に表示される地図の向きは、直前に第1のモードで表示されていた地図の向きと同じである。そして、ユーザは、カーソルキー206bの第3の部分P3と、第4の部分P4とを操作することによって、その地図の向きを連続的に変化させる指示を携帯電話200に与える(図5および図8の矢印AR参照)。しかし、第2のモードにおいて表示させる地図の向きは、他の態様で指定することもできる。
【0126】
たとえば、入力部としてのカーソルキー206において12時〜3時の向きに位置する所定の部分を操作することで、表示範囲の位置を地図の方位に対して時計回りに変化させる態様とすることができる。そして、入力部において9時〜12時の向きに位置する所定の部分を操作することで、表示範囲の位置を地図の方位に対して反時計回りに変化させる態様とすることができる。
【0127】
また、たとえば、ユーザが、テンキー206aを操作して、基準となる所定の方向からの角度を指定する態様とすることもできる。そして、基準となる所定の方向は、直前に第1のモードで表示されていた地図の上の向きとすることもでき、常に北とすることもできる。
【0128】
また、ソフトウェア的なボタンであるとハードウェア的なボタンであるとを問わず、所定のボタンを押すことによる地図と表示範囲の相対角度の変化の指示があった場合の処理は、表示パネル202上で画面の変化が連続的に見える程度の相対角度の変化であってもよく、断続的に見える程度の相対角度の変化であってもよい。
【0129】
さらに、入力部としてのカーソルキー206を時計回りになぞる表示範囲の位置を地図の方位に対して時計回りに変化させる態様とすることができる。そして、入力部を反時計回りになぞることで、表示範囲の位置を地図の方位に対して反時計回りに変化させる態様とすることができる。
【0130】
また、上記各態様において、入力操作と回転の向きとの関係を逆にすることもできる。すなわち、入力部は、なんらかの方法で地図の方位に対する表示範囲の向きを指定することができるものであればよい。
【0131】
C7.変形例7:
上記実施例では、第2のモードにおいては、第2のモードに移行する直前に第1のモードにおいて地図が表示されていた縮尺と同じ縮尺で、地図が表示される(図2、図3、図6、図7、図9〜図11参照)。しかし、第2のモードにおいて地図を表示する縮尺は他の縮尺とすることもできる。ただし、第2のモードにおいては、表示パネル202に表示される4個の範囲(範囲Da1〜Da4や範囲Da5〜Da8)を含む一つの範囲を連続した一つの地図(図5および図8参照)として表示することができる縮尺よりも小さい縮尺で、地図を表示することが好ましい。
【0132】
そのような態様とすれば、4個の範囲(上記実施例において、範囲Da1〜Da4や範囲Da5〜Da8)を含む一つの範囲を連続した一つの地図として表示できる縮尺で地図が表示される場合に比べて、容易に対象物を探すことができる。なお、このような態様においては、表示部に表示される4個の範囲(範囲Da1〜Da4や範囲Da5〜Da8)は、互いに重複しない部分を含む範囲となる。
【0133】
なお、本明細書において、「〜より縮尺が小さい」(〜より小縮尺である)とは、同じ大きさの表示範囲内に連続した一つの地図を表示する際に、比較対象よりも狭い範囲の地図が表示される態様を意味する。そして、「〜より縮尺が大きい」(〜より大縮尺である)とは、同じ大きさの表示範囲内に連続した一つの地図を表示する際に、比較対象よりも広い範囲の地図が表示される態様を意味する。
【0134】
C8.変形例8:
上記実施例においては、第1のモードと第2のモードの表示とは、切換によって実現されている(図2および図10参照)。しかし、第1のモードのための第1の表示と第2のモードのための第2の表示とを同時に表示部としての表示パネル202に表示する態様とすることもできる。
【0135】
そのような態様においては、たとえば、ユーザが入力部を介して第1の表示を操作でき、第2の表示を操作できない状態が、第1のモードである。そして、ユーザが入力部を介して第2の表示を操作でき、第1の表示を操作できない状態が、第2のモードである。ある表示は、ユーザが操作できない間は、同じ内容に保たれる。ユーザが第1のモードにおいて第1の表示を操作した後、第1のモードから第2のモードに移行する際には、第2の表示における地図の縮尺は、モードの移行直前の第1の表示における地図の縮尺と同じであることが好ましい。
【0136】
C9.変形例9:
上記実施例の第2のモードにおいて目的とする対象物を見つけた場合に、カーソルキー206bを操作して、現在位置からその目的物までの経路を探索させることもできる。たとえば、図6の状態において、カーソルキー206bの中央部分Pcを押すと、表示パネル202には、「○○駅(駅St02)までの経路を探索しますか?」、「××公園(公園P01)までの経路を探索しますか?」という、目的地設定を促す表示がなされる。これらの表示は、表示パネル202の領域2021〜2024に表示されている対象物を目的地に設定するか否かの決定を促す表示である。
【0137】
ユーザは、カーソルキー206bを操作して、それらのうちの一つを選択する。すると、現在位置および目的地の情報が携帯電話200から経路探索サーバ100に送信される。経路探索サーバ100は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照して、現在位置から目的地に至る経路を探索する。そして、その経路のデータを携帯電話200に送信する。携帯電話200は、その経路のデータを使用して、表示パネル202に経路を表示する。また、GPSユニット201を使用して、経路案内を行うこともできる。このような態様とすれば、外出先でユーザが移動する際のユーザの利便性をより高めることができる。
【0138】
C10.変形例10:
上記実施例においては、操作メニューM1,M2は、地図画像に重ねて表示される(図2および図10参照)。しかし、操作メニューなどの、ユーザが地図表示システムに情報を入力するための表示は、表示パネル202において地図画像を表示する領域とは別の領域に示される態様とすることができる。ユーザが地図表示システムに情報を入力するための表示は、たとえば、地図を表示するための領域の右側や左側、上側または下側に設けることができる。
【0139】
C11.変形例11:
上記実施例では、地図を表示する領域2021〜2024、2025〜2028同士の境界は、黒い線で表示される(図3および図11参照)。しかし、地図を表示する領域同士の境界は、たとえば白色や赤色などの他の色の線で表示するなど、他の態様で示されることとしてもよい。
【0140】
C12.変形例12:
上記実施例では、表示される地図の向きや表示範囲までの距離を示すアイコンCIは、表示パネル202の中央に表示される(図2および図10参照)。しかし、地図の向きや表示範囲までの距離を示す領域(実施例においてアイコンCI)は、表示領域のうちの他の位置とすることもできる。地図の向きや表示範囲までの距離を示す領域は、たとえば、表示領域の中心点よりも表示領域の端に近い位置に配することもできる。なお、地図の向きなどを示す領域と、表示領域の中心点や表示領域の端までとの距離は、地図の向きなどを示す領域と、表示領域の中心点や表示領域の端までの最短距離で評価するものとする。
【0141】
なお、地図の向きや表示範囲までの距離を示す領域を、表示領域の中心点を含まない範囲に表示する態様においては、所定の表示で表示領域の中心点を表すことが好ましい。すなわち、地図を表示する領域2021〜2024や2025〜2028の4個の頂点が重なる点が、表示領域の中心点に配され、中心点として所定の表示で示されることが好ましい。
【0142】
C13.変形例13:
上記実施例においては、地図表示システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、領域情報サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットおよびディスプレイを備える携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。さらに、携帯端末に、領域情報サーバ180の機能を備えることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、領域情報サーバ180が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。なお、携帯端末は、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、データに基づいてユーザに対して所定の出力を行うことができる装置であればよい。
【0143】
すなわち、案内装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0144】
なお、上記の様々な態様において、地図表示システムは、マウスを介して操作される態様とすることができる。マウスは、たとえば、左右に並んで配される左側ボタンおよび右側ボタンと、一部がマウスの表面に露出したホイールと、を有する態様とすることができる。
【0145】
そのような態様においては、ホイール表面を、ユーザに近い方から遠い方に押して回転させる操作により、領域2021〜2024,2025〜2028に表示される4個の地図の範囲の現在位置からの距離rが増大される。そして、ホイール表面を、ユーザから遠い方から近い方に引いて回転させる操作により、領域2021〜2024,2025〜2028に表示される4個の地図の範囲の現在位置からの距離rが減少される。すなわち、ホイール表面をユーザに近い方から遠い方に押して回転させる操作が、第1実施例における第1の部分P1の操作に相当する。そして、ホイール表面をユーザから遠い方から近い方に引いて回転させる操作が、第1実施例における第2の部分P2の操作に相当する。
【0146】
また、左側ボタンが押されると、表示範囲Da1〜Da4の向きが、地図に対して反時計回りに回転する。そして、右側ボタンが押されると、表示範囲Da1〜Da4の向きが、地図に対して時計回りに回転する。すなわち、左側ボタンの操作が、第1実施例における第4の部分P4の操作に相当する。そして、右側ボタンの操作が、第1実施例における第3の部分P3の操作に相当する。このような態様とすれば、ユーザは、マウスを介して直感的に表示する地図の範囲を変えることができる。
【0147】
C14.変形例14:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0148】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0149】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0150】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】携帯電話200の表示パネル202に現在位置を含む範囲Da0の地図を表示した状態を示す図。
【図3】図2の状態から選択肢M13が選択された場合の表示パネル202の表示を示す図。
【図4】第1および第2のモードにおいて表示パネル202に表示される地図の相対位置を示す概念図。
【図5】広い範囲の地図上において、第2のモードで表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲を示す図。
【図6】表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして300mが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図。
【図7】表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして1.0kmが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図。
【図8】広い範囲の地図上において、第2のモードにおいて表示パネル202の領域2021〜2024に表示される4個の地図の範囲を示す図。
【図9】図6の状態からカーソルキー206bの第4の部分P4が押され、領域2021〜2024に表示される地図の範囲が、左の方にずらされた状態を示す図である。
【図10】領域2021〜2024に表示される地図の範囲までの現在位置からの距離rとして1.0kmが指定された場合の表示パネル202の表示を示す図。
【図11】第2実施例において、第1のモードから第2のモードに移行した直後の表示パネル202の表示を示す図。
【図12】第2実施例の第1および第2のモードにおいて表示パネル202の領域2025〜2028に表示される地図の相対位置を示す概念図。
【符号の説明】
【0152】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
180…領域情報サーバ
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
2021…表示パネル202の左上の領域
2022…表示パネル202の右上の領域
2023…表示パネル202の右下の領域
2024…表示パネル202の左下の領域
2025…表示パネル202の上の領域
2026…表示パネル202の右の領域
2027…表示パネル202の下の領域
2028…表示パネル202の左の領域
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
210…主制御部
212…アプリケーションソフトウェア
220…通話制御部
231…入力部
232…地図表示部
A1…線分
AD…現在位置から地図が表示される範囲までの距離rの変化を示す矢印
AR…地図が表示される範囲と地図との相対角度の変化を示す矢印
An…北を示す矢印
As…南を示す矢印
C1,C2…地図の方位を示す表示
CI,CIb…現在位置から地図が表示される範囲までの距離rと地図の方位を示すアイコン
Da0…第1のモードにおいて第2のモードに移行する直前に表示パネル202に地図が表示された範囲
Da10…基準方向に対して左45度の方向で距離r=0mの範囲
Da11…基準方向に対して左45度の方向で距離r=300mの範囲
Da12…基準方向に対して左45度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da20…基準方向に対して右45度の方向で距離r=0mの範囲
Da21…基準方向に対して右45度の方向で距離r=300mの範囲
Da22…基準方向に対して右45度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da30…基準方向に対して右135度の方向で距離r=0mの範囲
Da31…基準方向に対して右135度の方向で距離r=300mの範囲
Da32…基準方向に対して右135度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da40…基準方向に対して左135度の方向で距離r=0mの範囲
Da41…基準方向に対して左135度の方向で距離r=300mの範囲
Da42…基準方向に対して左135度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da50…基準方向で距離r=0mの範囲
Da51…基準方向で距離r=300mの範囲
Da52…基準方向で距離r=1.0kmの範囲
Da60…基準方向に対して右90度の方向で距離r=0mの範囲
Da61…基準方向に対して右90度の方向で距離r=300mの範囲
Da62…基準方向に対して右90度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da70…基準方向に対して180度の方向で距離r=0mの範囲
Da71…基準方向に対して180度の方向で距離r=300mの範囲
Da72…基準方向に対して180度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Da80…基準方向に対して左90度の方向で距離r=0mの範囲
Da81…基準方向に対して左90度の方向で距離r=300mの範囲
Da82…基準方向に対して左90度の方向で距離r=1.0kmの範囲
Dr…現在位置から地図が表示される範囲までの距離rを示す表示
INT…インターネット
M1…操作メニュー
M11…地図の表示範囲を移動させるための選択肢
M12…地図の縮尺を変更するための選択肢
M13…現在位置PPを中心とする4カ所の範囲の地図を表示するための選択肢
P01…公園
P1…カーソルキー206bの第1の部分
P2…カーソルキー206bの第2の部分
P3…カーソルキー206bの第3の部分
P4…カーソルキー206bの第4の部分
PP…現在位置
Pc…カーソルキー206bの中央部分
R01〜R03…道路
RR01…線路
St01〜St03…駅
W01…池
r1…範囲Da11,Da21,Da31,Da41の現在位置PPに最も近い一つの頂点を通る円S1の半径
r2…範囲Da12,Da22,Da32,Da42の現在位置PPに最も近い一つの頂点を通る円S2の半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示する装置であって、
ユーザから距離の指定を受け取ることができる入力部と、
基準位置に対して互いの相対角度が固定された4方向に位置し、前記基準位置から前記指定された距離にある4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係に配して表示することができる表示部と、を備える地図表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図表示装置であって、
前記表示部は、前記4個の範囲を含む一つの範囲を連続した一つの地図として表示することができる縮尺よりも小さい縮尺で、前記4個の範囲の地図を表示する、地図表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の地図表示装置であって、
前記表示部は、
前記基準位置を含む範囲を連続した一つの地図として表示する第1のモードと、
前記4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係に配して表示する第2のモードと、を備え、
前記第1のモードから前記第2のモードに移行することができ、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行することができる、地図表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の地図表示装置であって、
前記表示部は、
前記第1のモードで前記基準位置を含む範囲の地図を表示した後に前記第2のモードで地図を表示する際には、前記第2のモードに移行する直前に前記第1のモードで前記地図を表示した縮尺で、前記4個の範囲の地図を表示する、地図表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の地図表示装置であって、
前記4個の範囲は、それぞれ前記基準位置に最も近い地点を一つの頂点とする四角形の範囲であり、
前記表示部は、
四角形の表示範囲を有し、
前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記四角形の表示範囲内の左上、右上、右下、および左下の位置に、前記4個の範囲の前記一つの頂点が向かい合うように、前記4個の範囲を配して表示する、地図表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の地図表示装置であって、
前記4個の範囲は、それぞれ前記基準位置に最も近い地点を一つの頂点とする三角形の範囲であり、
前記表示部は、
長方形の表示範囲を有し、
前記4個の範囲の地図を表示する際には、長方形の表示範囲内の上、右、下、および左の位置に、前記4個の範囲の前記一つの頂点が向かい合うように、前記4個の範囲をそれぞれ配して表示する、地図表示装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の地図表示装置であって、
前記表示部は、前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記表示範囲の一部の範囲であって、前記表示範囲の中央を含む範囲に前記指定された距離に関する表示を行う、地図表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の地図表示装置であって、
前記入力部は、前記距離の指定の少なくとも一部として、前記指定された距離を増大または減少させる指示をユーザから受け取ることができる、地図表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の地図表示装置であって、
前記入力部は、前記4方向の向きに関する指定を受け取ることができ、
前記表示部は、前記向きに関する指定に応じて、地図の方位に対する前記4方向の向きを決定して、4個の範囲の地図を表示することができる、地図表示装置。
【請求項10】
請求項9記載の地図表示装置であって、
前記表示部は、前記4個の範囲の地図を表示する際には、前記表示範囲の一部の範囲であって、前記表示範囲の中央を含む範囲に前記指定された向きに関する表示を行う、地図表示装置。
【請求項11】
請求項9記載の地図表示装置であって、
前記入力部は、前記向きに関する指定の少なくとも一部として、前記指定された向きを時計回りまたは反時計回りに変化させる指示をユーザから受け取ることができる、地図表示装置。
【請求項12】
請求項1ないし7のいずれかに記載の地図表示装置であって、
前記入力部は、
前記指定された距離を増大させる指示を受け取るための第1の操作部と、
前記指定された距離を減少させる指示を受け取るための第2の操作部と、
前記4方向の向きを時計回りに変化させる指示を受け取るための第3の操作部と、
前記4方向の向きを反時計回りに変化させる指示を受け取るための第4の操作部と、を備え、
前記入力部における前記第1の操作部の位置を12時の方向としたとき、
前記第2の操作部は、6時の方向に配され、
前記第3の操作部は、3時の方向に配され、
前記第4の操作部は、9時の方向に配されている、地図表示装置。
【請求項13】
地図を表示する方法であって、
(a)ユーザから距離の指定を受け取る工程と、
(b)基準位置に対して互いの相対角度が固定された4方向に位置し、前記基準位置から前記指定された距離にある4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係に配して表示する工程と、を備える方法。
【請求項14】
コンピュータにおいて実行され、表示部に地図を表示させるためのコンピュータプログラムであって、
ユーザから距離の指定を受け取る機能と、
基準位置に対して互いの相対角度が固定された4方向に位置し、前記基準位置から前記指定された距離にある4個の範囲の地図を、前記4方向と対応する位置関係で前記表示部に表示する機能と、を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−244674(P2009−244674A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92321(P2008−92321)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】