説明

地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 ユーザの所望する任意な時間又は時刻に対応した内容の地図情報を表示するとともに、地図情報の時間的な変化を把握し易くすること。
【解決手段】 時間コントロールバーCBによってユーザの所望する時刻が指定された場合、道路地図上に表示される地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、ユーザの指定した時刻に対応した内容の地図情報に変更して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載の技術によれば、現在位置データを検出する位置検出手段と、地図情報が格納されている記憶媒体と、現在位置と地図情報を表示装置に表示するナビゲーション装置において、現在位置データを基準に、予め設定された距離位置または予め設定された時間経過後(何分か後)の予測位置を求め、その予測位置における地図情報を上記記憶媒体から読み出してスクロール表示する。
【特許文献1】特開平7−260505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、渋滞の発生が予測される渋滞予測区間を表示する渋滞予測情報等の地図情報は、時間経過に伴ってその内容が変化する情報であるため、このような地図情報については、予め設定された時間経過後の時間(又は時刻)に対応した内容に変更したうえで表示することが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、予測位置における地図情報を記憶媒体から読み出してスクロール表示するものであるため、そのスクロール表示される地図情報自体は、予め設定された時間経過後の時間(又は時刻)に対応した内容とはならない。
【0005】
また、上記従来技術は、予め設定された時間経過毎の地図情報をスクロール表示するものであるため、ユーザが任意な経過時間(又は任意な時刻)を指定して、その指定した時間経過後の時間(又は時刻)の地図情報を表示することができない。
【0006】
さらに、上記従来技術は、予め設定された時間経過毎の地図情報をスクロール表示するものであるため、その地図情報は、時間的に間隔のあいた情報となる。従って、地図情報が連続的に変化して表示されず、地図情報の時間的な変化が分かりにくくなる。
【0007】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、ユーザの所望する任意な時間又は時刻に対応した内容の地図情報を表示するとともに、地図情報の時間的な変化を把握し易くすることができる地図表示装置、地図表示方法、地図表示プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の地図表示装置は、
所望の時間又は時刻を指定する時間・時刻指定手段と、
道路地図を表示するディスプレイと、
道路地図上に表示する地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、時間・時刻指定手段の指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更する地図情報変更手段と、
時間・時刻指定手段によって時間又は時刻が指定された場合、道路地図上に地図情報変更手段の変更した地図情報を表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明の地図表示装置は、所望する時間又は時刻が指定された場合、道路地図上に表示される地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報については、時間指定手段の指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更したうえで表示する。
【0010】
これにより、ユーザの所望する任意な時間又は時刻に対応した内容の地図情報が道路地図上に表示されるようになるため、ユーザは、その指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報を把握することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の地図表示装置によれば、時間・時刻指定手段は、所望の時間又は時刻の指定を連続的に行うことができるものであり、
地図情報変更手段は、所望の時間又は時刻の指定が連続的に行われた場合、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報をその連続的な時間又は時刻の指定に連動して変更することを特徴とする。
【0012】
このように、所望の時間又は時刻の指定を連続的に行うことで、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報は、その連続的な時間又は時刻の指定に連動して変更される。その結果、道路地図上の地図情報が連続的に変化して表示されるようになるため、ユーザは、地図情報の時間的な変化を把握し易くすることができる。
【0013】
請求項3に記載の地図表示装置によれば、時間・時刻指定手段は、基準時刻より前又は/及び後の所望の時間又は時刻を指定することを特徴とする。これにより、例えば、現在の時刻を基準時刻として、現在の時刻より前や後の時間又は時刻を指定することができる。
【0014】
請求項4記載の地図表示装置によれば、表示制御手段は、道路地図とともに、現在の時刻を基準時刻とする時間軸を示す図形、及び時間軸上を移動するポインタを示す図形を表示し、
ポインタを示す図形の位置を時間軸に沿って移動させるポインタ位置変更手段を備え、
時間・時刻指定手段は、ポインタ位置変更手段によって移動したポインタを示す図形の位置する時間軸上の時間又は時刻を指定することを特徴とする。
【0015】
これにより、ユーザは、時間軸上に表示されるポインタの図形を移動させることができるようになり、そのポインタの位置する時間軸上の任意な時間又は時刻を指定することができる。
【0016】
請求項5に記載の地図表示装置によれば、
ディスプレイに対向して配置され、他方の面からディスプレイの表示内容の読み取りができるものであって、時間軸を示す図形上へのタッチ操作を検出するタッチパネルを備え、
ポインタ位置変更手段は、タッチパネルの検出したタッチ操作の位置にポインタを示す図形の位置を移動することを特徴とする。
【0017】
これにより、ユーザは、時間軸を示す図形上を直接タッチ操作することで、タッチ操作した位置にポインタの位置を移動することができる。また、時間軸に沿ってなぞるようにタッチ操作することで、ポインタの位置を連続的に移動させることも可能となる。
【0018】
請求項6記載の地図表示装置によれば、
表示制御手段は、ポインタの位置を時間軸に沿って移動させるためのポインタ操作用の図形をさらに表示し、
ディスプレイに対向して配置され、他方の面からディスプレイの表示内容の読み取りができるものであって、ポインタ操作用の図形上へのタッチ操作を検出するタッチパネルを備え、
ポインタ位置変更手段は、タッチパネルの検出したタッチ操作に応じてポインタを示す図形の位置を移動することを特徴とする。
【0019】
これにより、ユーザは、ポインタ操作用の図形上をタッチ操作することで、その操作に応じてポインタの位置を移動することができる。
【0020】
請求項7に記載の地図表示装置によれば、ポインタ位置変更手段は、タッチ操作が継続して行われている間、ポインタを示す図形の位置を連続して移動することを特徴とする。これにより、指定する時間又は時刻を連続的に変更することが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の地図表示装置によれば、地図情報変更手段は、風景、渋滞、通行規制、店舗を含む施設、イベント情報、目的地へ向かう経路上の自車位置の少なくとも1つの時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について変更することを特徴とする。
【0022】
これにより、渋滞だけでなく、空の色彩や天候、通行規制、店舗が開店/閉店中であるかどうか、イベントが開催中であるかどうか、目的地へ向かう経路における自車の到達予想位置等の時間経過に伴って状況(状態)が変化する地図情報について変更することができる。
【0023】
請求項9に記載の地図表示方法、請求項10に記載の地図表示プログラム、及び請求項11に記載の地図表示方法のプログラムを記録した記録媒体は、請求項1に記載の地図表示装置の作用効果と同様であるので、その説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、本発明の地図表示装置を車載用カーナビゲーション装置の一機能として実現した場合の例について説明するものであるが、例えば、その他の車載端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等に本発明の機能のプログラムをインストールして実行することによっても実現できるものである。
【0025】
図1は、車載用カーナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示す位置検出器1は、例えばGPS(Global Positioning System )受信機、ジャイロスコープ、G(加速度)センサから構成され、自動車の現在位置と進行方向を検出してナビゲーション用ECU(以下、ECU)6へ出力する。位置検出手段としては、本実施形態の位置検出器1の例に限らず、ステアリングセンサ、速度センサ等、他のセンサによる検出信号に基づいて位置検出を行ってもよい。
【0026】
通信回路2は、例えば無線によって外部とデータ通信を行う無線通信回路であり、VICS(Vehicle Information and Communication System)等の交通情報システムから提供される渋滞情報、通行規制情報等を含む道路交通情報、情報提供会社等から提供される店舗情報、天候情報、イベント情報等の各種情報を受信する。通信回路2の受信した各種情報は、ECU6を介してメモリ3に記憶される。なお、各種情報を取得するものとしては、本実施形態の通信回路2の例に限らず、光ファイバー等の有線通信によって外部とデータ通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0027】
メモリ3は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子からなり、車両の現在位置周辺を地図表示するための地図データと、通信回路2からECU6を介して入力した道路交通情報等の各種情報を時刻情報を付して記憶する。記憶したこれらのデータは、ECU6の指示に従って読み出しや更新が行われる。地図データに関しては、CD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体に記憶して、ここから読み出しを行ってもよい。道路交通情報に関しては、ハードディスクやメモリカード等に記憶して読み出しや更新を行ってもよい。
【0028】
ディスプレイ4は、例えば液晶ディスプレイによって構成され、ディスプレイ4の画面には位置検出器1から入力された車両の現在位置に対応する自車位置マークと地図データによって生成される自車両周辺の道路地図等を表示することができる。
【0029】
タッチパネル4aは、一方の面がディスプレイ4の画面に対向して配置され、他方の面から画面の表示内容の読み取りができるものである。このタッチパネル4aは、例えば、特開2002−323957号公報に記載されたタッチパネルのように、上層抵抗膜と下層抵抗膜とが積層された構成となっており、図示しない電圧印加装置によって、上層抵抗膜にはX方向(横方向)、下層抵抗膜にはY方向(縦方向)に電圧を、それぞれ交互に印加される。
【0030】
そして、このタッチパネル4aの任意の箇所を押下すると、まず上層抵抗膜に電圧が印加されるタイミングでこの上層抵抗膜のX方向で抵抗分割された電圧信号Vxoutが下層抵抗膜から導出される。続いて、下層抵抗膜に電圧が印加されるタイミングでこの下層抵抗膜のY方向で抵抗分割された電圧信号Vyoutが上層抵抗膜から導出される。
【0031】
このように、各抵抗膜から導出される電圧信号Vxout、Vyoutがそれぞれタッチパネル4aに対するX方向、Y方向の押下位置と対応し、これら各電圧値をA/D変換してXY座標に換算することでタッチパネル4a上における押下位置を示す座標が検出される。
【0032】
リモコン5は、例えばテンキーと各種機能キーを備えた多機能リモコンである。ユーザは、リモコン5を操作することによって、ディスプレイ4に表示された地図から自車両の目的地を設定したりすることができる。なお、各種の項目の入力や指定を行う手段としては、本実施形態のリモコン5の例に限らず、メカニカルなスイッチ等を用いてもよい。
【0033】
タイマ7は、例えば時刻を出力する時計であり、ECU6の指示に従って年月日を含めた現在の時刻(例えば、20○○年○月○日○時○分○秒等)を示す時刻情報をECU6へ出力する。この時刻の取得に関しては、ECU6の内部タイマ等を用いてもよい。スピーカ8は、例えば車載用カーステレオのスピーカであり、音声による経路案内等に用いられる。
【0034】
ECU6は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周辺のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示せず)が備えられている。ナビECU3は、リモコン5の操作に応じた各種機能の実行を制御する。
【0035】
このECU6の実行する機能としては、例えば、道路地図縮尺変更機能、メニュー表示選択機能、目的地設定機能、経路探索実行機能、経路案内機能、現在位置修正機能、表示画面変更機能、音量調整機能のほか、現在の時刻以降の所望の時刻(言い換えれば、現在の時刻からの所望の経過時間)に対応した地図情報を道路地図上に表示する予測地図表示機能等がある。
【0036】
この予測地図表示機能が実行されると、ディスプレイ4の画面には、図2(a)に示すように、例えば、自車両周辺の道路地図やユーザの指定した任意の地点周辺の道路地図とともに、時間コントロールバーCBが表示される。
【0037】
図2(b)に示すように、時間コントロールバーCBは、現在の時刻(例えば、9時00分)を基準時刻とする時間軸bar、時間軸bar上の任意な時刻に移動するポインタpnt、このポインタpntの位置を時間軸barに沿って連続的に移動させるためのポインタ操作キーtf、tbから構成される。
【0038】
ユーザは、先ず、所望の任意な時刻(基準時刻からの所望の経過時間)を指定する。この任意な時刻を指定する第1の方法としては、時間軸bar上の所望の時刻に相当する位置をタッチ操作する。このタッチ操作した位置は、タッチパネル4aによって検出され、その検出した位置にポインタpntが移動する。
【0039】
これにより、ユーザは、時間軸bar上を直接タッチ操作することで、タッチ操作した位置にポインタpntの位置を移動することができる。また、時間軸barに沿ってなぞるようにタッチ操作することで、ポインタpntの位置を連続的に移動させることも可能である。
【0040】
所望の任意な時刻を指定する第2の方法としては、ポインタ操作キーtf、tbをタッチ操作する。このポインタ操作キーtf、tbへのタッチ操作は、タッチパネル4aによって検出され、そのタッチ操作の回数や継続してタッチ操作したときの継続時間に応じてポインタpntが移動する。例えば、ポインタ操作キーtfをタッチ操作すると、ポインタpntの位置が右側(すなわち、未来の時刻)に移動する。一方、ポインタ操作キーtbをタッチ操作すると、ポインタpntの位置が左側(すなわち、過去の時刻)に移動する。
【0041】
これにより、ユーザは、ポインタ操作キーtf、tbをタッチ操作することで、その操作回数に応じてポインタpntの位置を移動することができる。また、ポインタ操作キーtf、tbを継続してタッチ操作することで、ポインタpntの位置を連続的に移動させることができる。
【0042】
所望の任意な時刻を指定する第3の方法としては、リモコン5の操作キーをポインタ操作キーtf、tbに割り当て、その割り当てた操作キーを操作する。この操作キーへのキー操作は、リモコン5によって検出され、そのキー操作の回数や継続してキー操作したときの継続時間に応じてポインタpntが移動する。これにより、ユーザは、リモコン5を操作することで、ポインタpntの位置を移動することができるようになる。
【0043】
このように第1〜第3の何れかの方法によって、ユーザは、ポインタpntの位置を移動することができるようになり、現在の時刻を基準時刻とした、そのポインタpntの位置する時間軸bar上の任意な時刻(現在の時刻より後の所望の時刻)を指定する。
【0044】
予測地図表示機能では、ユーザによって所望の時刻が指定されると、ディスプレイ4に表示される道路地図の風景(空の色彩や天候等)、渋滞情報、通行規制情報、店舗を含む施設の開店/閉店情報、イベント情報、目的地へ向かう経路上の自車位置等、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、指定された時刻に対応した内容の地図情報に変更する。
【0045】
すなわち、ECU6では、メモリ3に記憶された渋滞情報、通行規制情報等を含む道路交通情報、店舗情報、天候情報、イベント情報等の各種情報を用いて、指定された時刻における状況(状態)に対応した内容を示す地図情報に変更する。
【0046】
これにより、道路地図の空や天候、ビル等の施設、道路等を指定された時刻に応じた表示態様(例えば、色彩や明るさ(昼間の場合は明るく、夜間の場合は暗く))に変更することができる。また、指定された時刻において渋滞が予測される道路や通行規制となる道路の表示態様を変更することができる。さらに、店舗が開店/閉店中であるかどうか、イベントが開催中であるかどうかについても、指定された時刻に応じて表示態様を変更することができる。
【0047】
また、ECU6では、ポインタpntの位置が連続的に移動する場合、すなわち、所望の時刻の指定が連続的に行われた場合、上記時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報をその連続的な時刻の指定に連動して変更し、その変更に伴って、道路地図上の地図情報を連続的に変更して表示する。これにより、道路地図上の地図情報が連続的に変化して表示されるようになるため、ユーザは、地図情報の時間的な変化を把握し易くすることができる。
【0048】
また、目的地へ向かう経路における自車位置を予測して表示する場合には、図3に示すように、先ず、現在地から目的地への到達予想時刻までの間の時刻を指定する時間軸barを表示し、ポインタpntの位置する時刻における自車予測位置を求め、その自車予測位置周辺の道路地図を自車予測位置を示す自車位置マークとともに表示する。この自車予測位置は、例えば、経路を構成する道路の制限速度等に基づいて算出される。
【0049】
そして、ポインタpntの位置が連続的する場合には、自車予測位置を示す自車位置マークがその連続的な時刻の指定に連動して経路に沿って移動するように表示する。なお、自車位置マークの移動に伴って、その自車位置マークが画面上の道路地図から逸脱しないよう、自車位置マークの移動方向に道路地図をスクロール表示する。
【0050】
図4は、本実施形態の車載用カーナビゲーション装置が実行する予測地図表示機能の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS10において、予測地図表示機能をユーザが選択すると、ステップS20では、図2(a)に示した時間コントロールバーCBを道路地図とともにディスプレイ4の画面に表示する。
【0051】
ステップS30において、ユーザの所望する任意の時刻が指定されると、ステップS40では、ディスプレイ4に表示される道路地図上の地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、指定された時刻に対応した内容の地図情報に変更する。ステップS50では、ステップS40において変更した地図情報を道路地図上に表示した後、ステップS30へ処理を移行し、上述した処理を繰り返し行う。
【0052】
このように、本実施形態の車載用カーナビゲーション装置は、ユーザの所望する時刻が指定された場合、道路地図上に表示される地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報については、ユーザの指定した時刻に対応した内容の地図情報に変更したうえで表示する。
【0053】
これにより、ユーザの所望する任意な時刻に対応した内容の地図情報が道路地図上に表示されるようになるため、ユーザは、その指定した時刻に対応した内容の地図情報を把握することが可能となる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0055】
例えば、本実施形態の予測地図表示機能では、図2に示したように、基準時刻(現在の時刻)からの所望の経過時間を”時刻”で指定するものであるが、経過時間そのものを指定するようにしてもよい。すなわち、図2(b)に示したように、時間コントロールバーCBを構成する時間軸barは”時刻”を時間軸とするものであるが、基準時刻からの相対的な時間(すなわち、経過時間)を時間軸とする。これにより、基準時刻からの所望の時間を指定することができるようになる。
【0056】
また、本実施形態の予測地図表示機能は、現在の時刻より後の所望の時刻に対応した地図情報を道路地図上に表示するものであるが、時間コントロールバーCBを現在の時刻より後の所望の時刻とともに、現在の時刻より前(過去)の所望の時刻を指定可能とし、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、過去の時刻に対応した内容の地図情報に変更して道路地図上に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、過去の地図情報を把握することが可能となる。
【0057】
また、時間コントロールバーCBは、時・分を単位とする任意な時刻を指定することができるものであるが、時・分の単位に限らず、秒、日、週、月、季節、年単位で指定できるものであってもよい。
【0058】
また、時間コントロールバーCBを操作して時刻を指定するものに限らず、例えば、ユーザの所望する時刻をキー入力できるようにしたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態における全体構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、道路地図と時間コントロールバーCBの表示例を示す図であり、(b)は、時間コントロールバーCBの構成を説明するための図である。
【図3】目的地へ向かう経路における自車位置の予測地図表示を説明するための図である。
【図4】予測地図表示機能の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 位置検出器
2 通信回路
3 メモリ
4 ディスプレイ
4a タッチパネル
5 リモコン
6 ナビゲーション用ECU
7 タイマ
8 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の時間又は時刻を指定する時間・時刻指定手段と、
道路地図を表示するディスプレイと、
前記道路地図上に表示する地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、前記時間・時刻指定手段の指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更する地図情報変更手段と、
前記時間・時刻指定手段によって時間又は時刻が指定された場合、前記道路地図上に前記地図情報変更手段の変更した地図情報を表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記時間・時刻指定手段は、前記所望の時間又は時刻の指定を連続的に行うことができるものであり、
前記地図情報変更手段は、前記所望の時間又は時刻の指定が連続的に行われた場合、前記時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報をその連続的な時間又は時刻の指定に連動して変更することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記時間・時刻指定手段は、基準時刻より前又は/及び後の所望の時間又は時刻を指定することを特徴とする請求項1又は2記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記道路地図とともに、現在の時刻を前記基準時刻とする時間軸を示す図形、及び前記時間軸上を移動するポインタを示す図形を表示し、
前記ポインタを示す図形の位置を前記時間軸に沿って移動させるポインタ位置変更手段を備え、
前記時間・時刻指定手段は、前記ポインタ位置変更手段によって移動した前記ポインタを示す図形の位置する前記時間軸上の時間又は時刻を指定することを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記ディスプレイに対向して配置され、他方の面から前記ディスプレイの表示内容の読み取りができるものであって、前記時間軸を示す図形上へのタッチ操作を検出するタッチパネルを備え、
前記ポインタ位置変更手段は、前記タッチパネルの検出したタッチ操作の位置に前記ポインタを示す図形の位置を移動することを特徴とする請求項4記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記ポインタの位置を前記時間軸に沿って移動させるためのポインタ操作用の図形をさらに表示し、
前記ディスプレイに対向して配置され、他方の面から前記ディスプレイの表示内容の読み取りができるものであって、前記ポインタ操作用の図形上へのタッチ操作を検出するタッチパネルを備え、
前記ポインタ位置変更手段は、前記タッチパネルの検出したタッチ操作に応じて前記ポインタを示す図形の位置を移動することを特徴とする請求項4記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記ポインタ位置変更手段は、前記タッチ操作が継続して行われている間、前記ポインタを示す図形の位置を連続して移動することを特徴とする請求項6記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記地図情報変更手段は、風景、渋滞、通行規制、店舗を含む施設、イベント情報、目的地へ向かう経路上の自車位置の少なくとも1つの前記時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について変更することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の地図表示装置。
【請求項9】
所望の時間又は時刻を指定し、
道路地図上に表示する地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、前記指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更し、
前記所望の時間又は時刻が指定された場合、前記道路地図上に前記変更した地図情報を表示することを特徴とする地図表示方法。
【請求項10】
所望の時間又は時刻を指定させる手順と、
道路地図上に表示する地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、前記指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更する手順と、
前記所望の時間又は時刻が指定された場合、前記道路地図上に前記変更した地図情報を表示する手順と、をコンピュータに実行させるための地図表示プログラム。
【請求項11】
所望の時間又は時刻を指定し、
道路地図上に表示する地図情報のうち、時間経過に伴ってその内容が変化する地図情報について、前記指定した時間又は時刻に対応した内容の地図情報に変更し、
前記所望の時間又は時刻が指定された場合、前記道路地図上に前記変更した地図情報を表示することを特徴とする地図表示方法のプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−58092(P2007−58092A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246245(P2005−246245)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】