説明

地図表示装置、楽曲再生方法及びコンピュータプログラム

【課題】地図表示装置が地図を表示すると同時に、走行状態に応じた楽曲を再生する。
【解決手段】現在位置を検出するGPS処理部11と、移動体の走行速度算出部19と、地図データ記憶部15と、現在位置を含む地図画像をディスプレイ3に表示させる表示処理部17と、一以上の楽曲を含むプレイリストを記憶するプレイリスト記憶部21と、走行速度に応じてプレイリスト選択する楽曲選択部25と、選択されたプレイリストに含まれている複数の楽曲を、所定の順序で順次再生する楽曲再生部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図画像を表示する地図表示装置において楽曲を再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用的な可搬型の情報処理装置において地図画像を表示させて、ナビゲーション等を行う装置がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−101838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のナビゲーション装置は音声によるガイダンスを行うものがある。しかしながら、特にガイダンスが必要なとき以外は音声出力はされない。また、汎用的な可搬型の情報処理装置は、たくさんの楽曲の楽曲データを保存できるものがある。この楽曲データを再生することにより、このような情報処理装置のユーザは、いつでもどこでもお気に入りの音楽を楽しむことができる。
【0005】
このような情報処理装置でナビゲーションなどのように地図表示を行っているときであっても、音楽を楽しみたいユーザは多い。特に車両で走行中は、そのときの走行状態に応じてユーザの気分も変わる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、地図表示装置が地図を表示すると同時に、走行状態に応じた楽曲を再生するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施態様に従う地図画像の表示装置は、移動体に搭載可能な地図画像の表示装置であって、前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記移動体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、地図画像を表示するための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、前記地図データ記憶手段から地図データを取得して、前記現在位置検出手段によって検出された現在位置を含む地図画像をディスプレイに表示させる地図表示手段と、一以上の楽曲を含む複数の楽曲グループを記憶する楽曲記憶手段と、前記走行状態検出手段によって検出された走行状態に応じて、前記楽曲記憶手段に記憶されている複数の楽曲グループの中からいずれか一つの楽曲グループを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された楽曲グループに含まれている複数の楽曲を、所定の順序で順次再生する再生手段と、を備える。
【0008】
好適な実施形態では、前記走行状態検出手段は、前記移動体の走行速度を検出し、前記楽曲記憶手段の複数の楽曲グループには、それぞれ互いに異なる走行速度の範囲が予め対応付けられていて、前記選択手段は、走行状態検出手段によって検出された走行速度に対応するプレイリストを選択するようにしてもよい。
【0009】
好適な実施形態では、前記選択手段は、前記再生手段が第1の楽曲グループに含まれている第1の楽曲の再生を終了する際に前記走行状態検出手段が検出した走行状態に対応する第2の楽曲グループを選択し、前記第1の楽曲グループと前記第2の楽曲グループとが異なる場合、前記再生手段は前記第1の楽曲の再生が終了した後に、前記第2の楽曲グループに含まれている楽曲の再生を開始するようにしてもよい。
【0010】
好適な実施形態では、前記第1の楽曲グループと前記第2の楽曲グループとが同一である場合、前記再生手段は、前記第1の楽曲の再生が終了した後に、前記所定の順序において前記第1の楽曲の次の順序と定められている第2の楽曲の再生を開始するようにしてもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記選択手段は、前記再生手段が前記第2の楽曲グループに含まれているいずれか一つの楽曲の再生を終了する際に前記走行状態検出手段が検出した走行状態に対応する第3の楽曲グループを選択し、前記第3の楽曲グループと前記第1の楽曲グループと同一である場合、前記再生手段は前記所定の順序において前記第1の楽曲の次の順番と定められている第2の楽曲の再生を開始するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図表示装置1の機能構成図である。
【図2】プレイリスト記憶部21の記憶内容の一例を示す。
【図3】プレイリストの切り替えタイミングの説明図である。
【図4】地図表示装置1における楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る地図表示装置1について、図面を参照して説明する。
【0014】
地図表示装置1は、例えば、コンピュータを搭載した可搬型の装置、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などで構成され、以下に説明する地図表示装置1内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。地図表示装置1は、例えば、車両などの移動体に搭載して使用することができる。以下の実施形態では、地図表示装置1を自家用車、タクシーなどの車両に搭載して使用する場合を例にとって説明する。
【0015】
図1は、地図表示装置1の機能構成図である。本実施形態に係る地図表示装置1は、ディスプレイ3及びスピーカー5を有し、地図表示装置1が車両に搭載されているときに、そのときの車両位置を含む地図画像をディスプレイ3に表示するとともに、楽曲を再生してスピーカー5から出力する。
【0016】
同図に示すように、地図表示装置1は、GPS(Global Positioning System)処理部11と、位置履歴データ記憶部13と、地図データ記憶部15と、表示処理部17と、走行速度算出部19と、プレイリスト記憶部21と、楽曲データ記憶部23と、楽曲選択部25と、楽曲再生部27と、天気データ取得部29と、運転手監視部31とを備える。
【0017】
天気データ取得部29は、天気データを提供するサーバから天気データを取得する。天気データには、天気の他、気温、湿度、降水確率などを含んでいてもよい。
【0018】
運転手監視部31は、運転を行っている最中の運転手の状態を監視する。例えば、カメラで運転手の顔を撮影し、画像解析によって瞼、眼球の動きなどから運転手の居眠りの兆候を検出する。
【0019】
GPS処理部11は、図示しないGPS衛星からのGPS信号を受信して、地図表示装置1が搭載されている車両の現在位置(車両位置)を検出する。現在位置は、例えば緯度及び経度で示される。GPS処理部11は、所定の時間間隔で現在位置を取得する。GPS処理部11が取得した現在位置は、その時の時刻と対応付けて車両位置として位置履歴データ記憶部13に記憶される。なお、現在位置はGPS以外の方法で取得してもよい。例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)の電波、あるいは携帯電話機の電波を利用して現在位置を検出してもよい。
【0020】
位置履歴データ記憶部13は、時々刻々変化する車両位置をそれぞれの時刻と対応付けて記憶する。
【0021】
地図データ記憶部15は、地図画像を表示するための地図データを記憶する。地図データには、道路の特徴、地域の特徴または地形の特徴などのデータを含んでもよい。道路の特徴とは、例えば、制限速度、事故多発路線、オービス設置点などであってもよい。地域の特徴は、例えば、都市部、郊外、農村などであってもよい。地形の特徴は、例えば、海岸地帯、山岳地域などでもよい。
【0022】
表示処理部17は、所定の情報をディスプレイ3に表示させる。例えば、地図データ記憶部15から地図データを取得して、GPS処理部11によって検出された現在位置を含む地図画像をディスプレイ3に表示させる。例えば、地図データ記憶部15は、現在位置の緯度経度を含むエリアの地図データを地図データ記憶部15から取得し、取得した地図データに基づく地図画像をディスプレイ3に表示させる。このとき、車両位置を示すマークを地図画像上に表示してもよい。
【0023】
走行速度算出部19は、位置履歴データ記憶部13から複数の車両位置を示すデータを取得し、車両の走行速度を算出する。走行速度算出部19は走行状態検出手段の一つである。
【0024】
プレイリスト記憶部21は、一以上の楽曲を含む複数のプレイリスト(楽曲グループ)を記憶する。プレイリスト記憶部21に記憶されているプレイリストは、互いに異なる走行状態と対応付けられている。あるいは、プレイリスト記憶部21に記憶されているプレイリストは、運転手の運転状態と対応付けられている。
【0025】
例えば、本実施形態では、車両の走行速度を低速域(例えば、時速30km未満)、中速域(例えば、時速30km以上70km未満)、高速域(例えば、時速70km以上)に分け、各走行速度の範囲(速度域)に対して一つのプレイリストを対応付けてプレイリスト記憶部21に記憶している。
【0026】
図2は、プレイリスト記憶部21の記憶内容の一例を示す。例えば、同図の例では、速度域211と、プレイリスト名213と、楽曲名215と、再生順序216と、最終再生フラグ217とが互いに対応付けて記憶されている。速度域211は、車両の走行状態の一態様であって、低速域、中速域及び高速域に分かれている。楽曲名215には、各プレイリストを構成する複数の楽曲の名称が含まれる。再生順序216は、同一プレイリスト内での楽曲の再生順序を示す。最終再生フラグ217は、各プレイリスト内で最後に再生した楽曲を示すフラグである。
【0027】
他の走行状態としては、例えば、走行している道路の特徴、地域の特徴、地形の特徴、天気、気温、曜日、時間帯などを用いてもよい。つまり、走行している道路の特徴、地域の特徴、地形の特徴、天気、気温、曜日、時間帯とそれぞれ対応付けてプレイリストをプレイリスト記憶部21に記憶しておいてもよい。
【0028】
プレイリスト記憶部21に記憶されているプレイリストは、複数種類の走行状態の組み合わせに対して一つ対応付けてもよい。例えば、地形の特徴が「海岸付近」、かつ天気が「晴れ」に対して一つのプレイリストを対応付けてもよい。
【0029】
再び図1を参照すると、楽曲データ記憶部23は、プレイリスト記憶部21に記憶されているプレイリストに含まれる楽曲の楽曲データを記憶する。
【0030】
楽曲選択部25は、検出された走行状態に応じて、プレイリスト記憶部21に記憶されている複数のプレイリスト(楽曲グループ)の中からいずれか一つのプレイリストを選択する。例えば、楽曲選択部25は、検出された走行状態と対応するプレイリストを選択する。例えば、楽曲選択部25は、走行速度算出部19が検出した走行速度を取得すると、その速度が属する速度域を決定し、その決定された速度域に対応付けられているプレイリストをプレイリスト記憶部21から選択する。
【0031】
楽曲選択部25が複数種類の走行状態が検出したときは、予め定められた優先順位が上位の走行状態を優先してプレイリストを選択してもよい。例えば、走行速度と地形の特徴が検出されたとき、地形の特徴の優先順位が走行速度より上位であれば、地形の特徴を優先して、検出された地形の特徴と対応付けられているプレイリストを選択してもよい。
【0032】
また、楽曲選択部25が複数種類の走行状態を検出したとき、その複数種類の走行状態の組み合わせに対応付けられているプレイリストがあれば、それを選択してもよい。例えば、走行している地域の地形の特徴が「海岸付近」であり、天気が「晴れ」と検出されたとき、地域の地形の特徴が「海岸付近」、かつ天気が「晴れ」と対応付けられているプレイリストがプレイリスト記憶部21に記憶されていれば、楽曲選択部25はそのプレイリストを選択するようにしてもよい。
【0033】
楽曲選択部25は、運転手の運転状態に応じて、プレイリスト記憶部21に記憶されている複数のプレイリスト(楽曲グループ)の中からいずれか一つのプレイリストを選択してもよい。例えば、居眠りの兆候が現れたときは、それに対応するプレイリストを選択してもよい。居眠りに対応するプレイリストには、例えば、目が覚めるような楽曲が含まれていてもよい。
【0034】
楽曲選択部25は、さらに、選択されたプレイリストの中からさらに一つの楽曲を選択する。例えば、楽曲選択部25は、上記のようにして選択された楽曲グループに含まれている複数の楽曲を、所定の順序で順次選択する。所定の順序は、例えば、プレイリストの登録時の順序(固定)であってもよいし、地図表示装置1が起動されるたびに異なってもよい(可変、シャッフル機能)。つまり、同じプレイリストが選択されている間は、楽曲再生部27は、楽曲選択部25によって選択された楽曲グループに含まれている複数の楽曲を、所定の順序で順次再生する。プレイリスト内のすべての楽曲が再生されたときは、最初の楽曲に戻って繰り返し再生を行ってもよい(リピート機能)。
【0035】
プレイリスト記憶部21の再生順序216には、初期値としてプレイリスト登録時の順序が設定されている。ユーザがシャッフルを指定したときには、ランダムに設定された再生順序が再生順序216に登録される。
【0036】
楽曲選択部25は、再生順序216に従って楽曲を順次選択し、選択した楽曲を再生するよう楽曲再生部27へ指示をする。このとき、楽曲選択部25は、再生するよう指示をした楽曲について、最終再生フラグ217をセットする。同一プレイリスト内の他の楽曲に最終再生フラグ217がセットされていれば、それを解除する。
【0037】
楽曲再生部27は、楽曲選択部25によって選択された楽曲の楽曲データを楽曲データ記憶部23から取得し、再生する。これにより、再生された楽曲がスピーカー5から出力される。
【0038】
楽曲選択部25は、例えば、次のようなタイミングでプレイリストを切り替えてもよい。すなわち、楽曲選択部25は、あるプレイリスト(第1の楽曲グループ)に含まれている一つの楽曲(第1の楽曲)の再生が終了する際に走行速度算出部19が算出した走行速度に対応するプレイリスト(第2の楽曲グループ)を選択する。ここで、楽曲の再生が終了する際とは、例えば、楽曲の終了時であってもよいし、楽曲が終了する所定時間(例えば、5秒、3秒、1秒)前などでよい。以下、この切り替えタイミングについて詳細に説明する。
【0039】
図3は、プレイリストの切り替えタイミングの説明図である。同図は、横軸を時間として、走行中の車両の速度域、及び再生中の楽曲を示す。ここでは、同一プレイリスト内の再生順序は登録順(初期値)とする。
【0040】
(A)で楽曲の再生を開始する。このときに、楽曲選択部25がそのときの走行速度を取得して速度域を決定し、対応するプレイリストを選択する。同図の例では(A)のときは低速域であるから、楽曲選択部25は低速域のプレイリストを選択する。さらに楽曲選択部25は、低速域のプレイリストの中から、登録時の順序に従って楽曲を選択し、楽曲再生部27が再生する(ここでは1番目の楽曲AAA)。楽曲選択部25は、選択した楽曲に最終再生フラグ217をセットする。
【0041】
(B)において、楽曲AAAの再生中に走行速度が上昇して中速域へ移行している。しかしながら、楽曲の再生中に中断して切り替えることはしない。
【0042】
(C)において、再生中の楽曲AAAが終了する。このときに、楽曲終了時の走行速度に基づいて次に選択するプレイリストを決定する。(C)では中速域であるから楽曲選択部25は中速域のプレイリストを選択する。この場合のように、直前に選択されていたプレイリスト(第1の楽曲グループ)と新たに選択されたプレイリスト(第2の楽曲グループ)とが異なる場合、楽曲選択部25は、新たに選択されたプレイリストに含まれているいずれか一つの楽曲を選択する。つまり、楽曲選択部25は、中速域のプレイリストの中から最初の楽曲DDDを選択する。楽曲再生部27は、選択された楽曲の先頭から再生を開始する。なお、予め定めた曲間のインターバル時間を過ぎても次のプレイリストの選択が完了しないときは、次の曲を再生せずに、次のプレイリストの選択が完了し、次の楽曲が決定するまで待つようにしてもよい。
【0043】
(D)において、再生中の楽曲DDDが終了する。このときに、楽曲選択部25は、楽曲終了時の走行速度に基づいて次に選択するプレイリストを決定する。(D)では中速域であるから、楽曲選択部25は引き続き中速域のプレイリストを選択する。この場合のように、直前に選択されていたプレイリスト(第1の楽曲グループ)と新たに選択されたプレイリスト(第2の楽曲グループ)とが同一である場合、楽曲選択部25は、所定の順序において直前に終了した楽曲(第1の楽曲)の次と定められている楽曲(第2の楽曲)を選択する。つまり、楽曲選択部25は、再生順序216が、直前に終了した楽曲(ここでは楽曲DDD)の次の楽曲(ここでは楽曲EEE)を選択する。楽曲再生部27は、選択された楽曲の先頭から再生を開始する。
【0044】
(E)において、再生中の楽曲EEEが終了する。このときに、楽曲選択部25は、楽曲終了時の走行速度に基づいて次に選択するプレイリストを決定する。(D)では走行速度が低速域であるから、再び低速域のプレイリストが選択される。この場合のように、新たに選択されたプレイリスト(第2の楽曲グループ)と以前に選択されていたプレイリスト(第1の楽曲グループ)とが同一である場合、楽曲選択部25は、所定の順序において最後に再生した楽曲(第1の楽曲)の次と定められている楽曲(第2の楽曲)を選択する。つまり、楽曲選択部25は、再生順序216が、最終再生フラグ217がセットされている楽曲(楽曲AAA)の次の楽曲(楽曲BBB)を選択する。これにより、速度変化に応じて選択されるプレイリストが次々に切り替わったときでも、一つのプレイリストについてみると再生順序216に従って楽曲が順次選択され、再生される。
【0045】
図4は、上記の構成を備える地図表示装置1における楽曲再生処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに係る処理は、地図画像表示のための処理と並行して行われる。例えば、地図画像表示処理が開始されたとき、または、楽曲再生の開始が指示されると、図4の処理が開始される。
【0046】
まず、楽曲選択部25が、走行速度算出部19が算出した車両の走行速度を取得する(S10)。楽曲選択部25は、このときの車両の走行速度が低速域、中速域及び高速域のいずれであるかを判定する(S12)。楽曲選択部25は、このときの走行速度が低速域であればプレイリスト記憶部21の低速域プレイリストを選択し(S14)、中速域であればプレイリスト記憶部21の中速域プレイリストを選択し(S16)、高速域であればプレイリスト記憶部21の高速域プレイリストを選択する(S18)。
【0047】
楽曲選択部25は、上記の処理で選択されたプレイリストの最終再生フラグ217が設定されている楽曲を検出し(S20)、再生順序216が、最終再生フラグ217が設定されている楽曲の次の楽曲を再生対象の楽曲として選択する(S22)。
【0048】
次に、楽曲選択部25は、最終再生フラグ217をステップS20で検出された楽曲からステップS22で選択された楽曲へ更新する(S24)。そして、楽曲選択部25は、ステップS22で選択された楽曲の再生開始を楽曲再生部27へ指示をする(S26)。これにより、速度に応じたプレイリスト内の楽曲が生成される。
【0049】
楽曲選択部25は、再生されている楽曲が終了したか否かを監視し(S28)、再生が終了するとステップS10から改めて処理を行う。
【0050】
これにより、地図表示装置1が地図表示を行っているときに、BGMとして走行状態に応じた楽曲を提供することができる。さらに、楽曲が終了したタイミングでプレイリストを切り替えることができる。同一プレイリスト内では、所定の順序で順次楽曲が再生される。
【0051】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0052】
例えば、地図表示装置1はナビゲーション機能を備えていて、ナビゲーションを行いながら楽曲の生成出力を行うようにしてもよい。
【0053】
また、制限速度超過時のプレイリストを21に保存しておき、制限速度超過が検出されたときにそのプレイリストへ切り替わるようにしてもよい。この制限速度超過時のプレイリストには、例えば、気持ちを静める効果が見込める楽曲を含むようにして、自然と速度を低下させる効果を狙ってもよいし、運転者に不快に感じさせる楽曲(効果音)を含むようにして、スピードを出すことがイヤになるような効果を狙ってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 地図表示装置
3 ディスプレイ
5 スピーカー
11 GPS処理部
13 位置履歴データ記憶部
15 地図データ記憶部
17 表示処理部
19 走行速度算出部
21 プレイリスト記憶部
23 楽曲データ記憶部
25 楽曲選択部
27 楽曲再生部
29 天気データ取得部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載可能な地図画像の表示装置であって、
前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記移動体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
地図画像を表示するための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記地図データ記憶手段から地図データを取得して、前記現在位置検出手段によって検出された現在位置を含む地図画像をディスプレイに表示させる地図表示手段と、
一以上の楽曲を含む複数の楽曲グループを記憶する楽曲記憶手段と、
前記走行状態検出手段によって検出された走行状態に応じて、前記楽曲記憶手段に記憶されている複数の楽曲グループの中からいずれか一つの楽曲グループを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された楽曲グループに含まれている複数の楽曲を、所定の順序で順次再生する再生手段と、を備える地図表示装置。
【請求項2】
前記走行状態検出手段は、前記移動体の走行速度を検出し、
前記楽曲記憶手段の複数の楽曲グループには、それぞれ互いに異なる走行速度の範囲が予め対応付けられていて、
前記選択手段は、走行状態検出手段によって検出された走行速度に対応するプレイリストを選択する、請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記再生手段が第1の楽曲グループに含まれている第1の楽曲の再生を終了する際に前記走行状態検出手段が検出した走行状態に対応する第2の楽曲グループを選択し、
前記第1の楽曲グループと前記第2の楽曲グループとが異なる場合、前記再生手段は前記第1の楽曲の再生が終了した後に、前記第2の楽曲グループに含まれている楽曲の再生を開始する、請求項1または2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記第1の楽曲グループと前記第2の楽曲グループとが同一である場合、前記再生手段は、前記第1の楽曲の再生が終了した後に、前記所定の順序において前記第1の楽曲の次の順序と定められている第2の楽曲の再生を開始する、請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記再生手段が前記第2の楽曲グループに含まれているいずれか一つの楽曲の再生を終了する際に前記走行状態検出手段が検出した走行状態に対応する第3の楽曲グループを選択し、
前記第3の楽曲グループと前記第1の楽曲グループと同一である場合、前記再生手段は前記所定の順序において前記第1の楽曲の次の順番と定められている第2の楽曲の再生を開始する、請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項6】
移動体に搭載可能であって、地図画像を表示するための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、一以上の楽曲を含む複数の楽曲グループを記憶する楽曲記憶手段と、を備えた地図表示装置が行う楽曲の再生方法であって、
前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
前記移動体の走行状態を検出する走行状態検出ステップと、
前記地図データ記憶手段から地図データを取得して、前記検出された現在位置を含む地図画像をディスプレイに表示させる地図表示ステップと、
前記検出された走行状態に応じて、前記楽曲記憶手段に記憶されている複数の楽曲グループの中からいずれか一つの楽曲グループを選択する選択ステップと、
前記選択された楽曲グループに含まれている楽曲を順次再生する再生ステップと、を行う方法。
【請求項7】
移動体に搭載可能であって、地図画像を表示するための地図データを記憶する地図データ記憶手段と、一以上の楽曲を含む複数の楽曲グループを記憶する楽曲記憶手段と、を備えた地図表示装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記地図画像表示装置に、
前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出ステップと、
前記移動体の走行状態を検出する走行状態検出ステップと、
前記地図データ記憶手段から地図データを取得して、前記検出された現在位置を含む地図画像をディスプレイに表示させる地図表示ステップと、
前記検出された走行状態に応じて、前記楽曲記憶手段に記憶されている複数の楽曲グループの中からいずれか一つの楽曲グループを選択する選択ステップと、
前記選択された楽曲グループに含まれている楽曲を順次再生する再生ステップと、を実行させる地図表示装置のためのコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−103046(P2012−103046A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249858(P2010−249858)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】