説明

地図表示装置および表示処理方法並びにプログラム

【課題】より適正に色変化する地図画像を表示する。
【解決手段】日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節とその季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定し(S160,S170)、表示すべき地図上の位置を示す位置情報および日付情報とに対応する各種時間帯と時刻を示す時刻情報とに基づいて色属性の少なくとも一部をその時間帯とその時間帯の時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定し(S190〜S220)、表示すべき地図画像に第1パラメータの変化量と第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像をディスプレイに表示させる(S180,S190〜S250)。これにより、季節が深まる色変化や太陽光による色変化などをより適正に表現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置および表示処理方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の地図表示装置としては、朝昼夕夜の時間帯に応じた色合いや春夏秋冬の季節に応じた色合いとなるように地図画像の色情報を操作し、操作により得られた色情報に基づいて地図画像を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、道路地図の鳥瞰図を表示する際に、表示画面の上辺に近接する所定領域に昼と夜とで色を変えて空を示す画像を表示させるものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−311623号公報
【特許文献2】特開2003−185447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
地図表示装置では、1日における時間感覚や1年における季節感を適正に色表現した地図画像を表示することが望まれているが、上述した前者の装置では、ある程度は季節感を伴った地図表示が可能であるものの、例えば季節が冬の場合には一定の青の色味をした地図が数ヶ月間に亘って継続して表示されるなど、地図が単調に表示される場合があった。また、上述した後者の装置でも、空を示す画像が単調に表示される場合があった。
【0005】
本発明の地図表示装置および表示処理方法並びにプログラムは、より適正に色変化する地図画像を表示することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の地図表示装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の地図表示装置は、
画像を表示する表示手段に地図画像を表示する地図表示装置であって、
日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定する第1パラメータ設定手段と、
前記表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と前記日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定する第2パラメータ設定手段と、
前記表示手段に表示すべき地図画像に前記設定された第1パラメータの変化量と前記設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の地図表示装置では、日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定し、表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定し、表示手段に表示すべき地図画像に設定された第1パラメータの変化量と設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を表示手段に表示させる。したがって、季節に応じて色変化させるだけでなく季節とその季節に属する月日に応じて表示用画像を色変化させ、さらに、時刻に応じて色変化させるだけでなく地図上の位置と日付と時刻とに応じて表示用画像を色変化させるから、より適正に色変化する地図画像を表示することができる。
【0009】
こうした本発明の地図表示装置において、前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく日の出時刻から所定時間が経過するまでの時間を含む日の出時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該日の出時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、地図上の位置および日付により異なる日の出時間帯において時刻に応じて表示用画像を色変化させることができる。ここで、所定時間は、日の出による色変化を表現する時間として予め定めたものなどを用いることができる。
【0010】
また、本発明の地図表示装置において、前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく日の入り時刻から第2の所定時間前までの時間を含む日の入り時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該日の入り時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、地図上の位置および日付により異なる日の入り時間帯において時刻に応じて表示用画像を色変化させることができる。ここで、第2の所定時間は、日の入りによる色変化を表現する時間として予め定めたものなどを用いることができる。
【0011】
さらに、本発明の地図表示装置において、前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく南中時刻を含む昼間時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該昼間時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、地図上の位置により異なる昼間時間帯において時刻に応じて表示用画像を色変化させることができる。ここで、中間時間帯は、日の出時間帯後かつ日の入り時間帯前の時間帯とすることもできる。
【0012】
あるいは、本発明の地図表示装置において、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示すべき地図画像における複数の構成要素の配色を予め定めた配色テーブルに前記設定された第1パラメータと前記設定された第2パラメータとを反映して実行用配色テーブルを作成し、該作成した実行用配色テーブルを前記表示手段に表示すべき地図画像に適用して得られる前記表示用画像を前記表示手段に表示させる手段である、ものとすることもできる。こうすれば、画像を色変化させるために多数の配色テーブルを予め用意する必要がないから、配色テーブルの記憶容量を増加させることがない。
【0013】
また、本発明の地図表示装置において、前記第1パラメータ設定手段は、季節と該季節に属する月日と前記第1パラメータの変化量の基本値との予め定められた第1関係に前記日付情報が示す月日を適用して得られる該第1パラメータの変化量の基本値を該日付情報が示す月日に応じて補正することにより該第1パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第1パラメータの変化量をより確実に設定することができる。
【0014】
さらに、本発明の地図表示装置において、前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく太陽光による色変化を表現するための所定の時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、前記所定の時間帯と前記第2パラメータの変化量を演算する関数との予め定められた第2関係を用いて得られる該第2パラメータの変化量を演算する関数に該時刻情報が示す時刻を適用することにより該第2パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、第2パラメータの変化量をより確実に設定することができる。
【0015】
さらに、本発明の地図表示装置において、前記第1パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる前記第1パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることができる。こうすれば、季節とその季節に属する月日に応じて色変化させるだけでなく、地図上の位置にも応じて表示用画像を色変化させるから、より適正に色変化する地図画像を表示することができる。
【0016】
あるいは、本発明の地図表示装置において、前記第1パラメータ設定手段は、白と黒とを含む所定色に対して色変化が生じないように前記第1パラメータの変化量を設定する手段であり、前記第2パラメータ設定手段は、前記所定色に対して色変化が生じないように前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、ものとすることができる。こうすれば、所定色の視認性を確保することができる。ここで、所定色は、文字表示用の色などとすることができる。
【0017】
本発明の表示処理方法は、
画像を表示する表示手段に地図画像を表示するための表示処理方法であって、
(a)日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定するステップと、
(b)前記表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と前記日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定するステップと、
(c)前記表示手段に表示すべき地図画像に前記設定された第1パラメータの変化量と前記設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を前記表示手段に表示させるステップと、
を含むことを要旨とする。
【0018】
この本発明の表示処理方法では、日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定し、表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定し、表示手段に表示すべき地図画像に設定された第1パラメータの変化量と設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を表示手段に表示させる。したがって、季節に応じて色変化させるだけでなく季節とその季節に属する月日に応じて表示用画像を色変化させ、さらに、時刻に応じて色変化させるだけでなく地図上の位置と日付と時刻とに応じて表示用画像を色変化させるから、より適正に色変化する地図画像を表示することができる。
【0019】
本発明のプログラムは、上述した表示処理方法の各ステップを1以上のコンピューターに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピューターに実行させるか又は複数のコンピューターに各ステップを分担して実行させれば、上述した表示処理方法の各ステップが実行されるため、その表示処理方法と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例である地図表示装置を含むナビゲーション装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】地図画像データに昼用のパレットテーブルを適用して生成される地図画像を表示する様子の一例を示す説明図である。
【図3】電子制御ユニット30により実行される地図画像表示処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】季節色変化用テーブルの一例と補正係数設定用マップの一例とを示す説明図である。
【図5】日の出時間帯と日の入り時間帯とに用いられる第2パラメータ変化量の演算する変換関数の一例と反映率設定用マップの一例とを示す説明図である。
【図6】昼間時間帯に用いられる第2パラメータ変化量の演算する変換関数の一例とパラメータ値設定用マップの一例とを示す説明図である。
【図7】パレットテーブルに規定されたRGB値が変化する様子の一例を示す説明図である。
【図8】変形例の季節色変化用テーブルの一例と補正係数設定用マップの一例とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の一実施例である地図表示装置を含むナビゲーション装置20の構成の概略を示す構成図である。ナビゲーション装置20は、図示するように、文字や画像を表示する画面を有する例えば液晶ディスプレイとして構成されたディスプレイ22と、ディスプレイ22の画面に取り付けられた抵抗膜方式や静電容量方式などによるタッチパネル24と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット30と、各種アプリケーションソフトウェアや地図データなどを記憶する大容量メモリとしてのハードディスクドライブ(以下、HDDという)40とを備え、図示しない自動車に搭載されて車載バッテリからの電力供給を受けて作動する。実施例の地図表示装置は、主としてディスプレイ22と電子制御ユニット30とが該当する。
【0023】
電子制御ユニット30は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU32の他に各種処理プログラムを記憶するROM34と、データを一時的に記憶するRAM36と、記憶したデータを保持する不揮発性のフラッシュメモリ38と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。電子制御ユニット30には、操作者のタッチ位置を検出するタッチパネル24からの信号やHDD40から読み出したデータ,GPS(Global Positioning System)衛星からの信号をGPSアンテナを介して受信するGPS受信機50からの信号,車両の進行方向やその変化を検出する例えばジャイロセンサにより構成された方位センサ52からの信号などが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット30からは、ディスプレイ22への表示信号やアンプを内蔵したスピーカ26への音声信号,HDD40に書き込むデータなどが出力ポートを介して出力されている。また、電子制御ユニット30は、車両全体をコントロールする図示しない車両用電子制御ユニットと通信ポートを介して接続されており、例えば車速パルス信号などの車両の状態に関するデータを通信により入力すると共に必要に応じてナビゲーション装置20の状態に関するデータを通信により出力する。
【0024】
実施例のナビゲーション装置20では、電子制御ユニット30は、HDD40から必要なアプリケーションソフトウェアや地図データを読み出して各種処理を実行する。例えば、図1の機能ブロックに示すように、GPS受信機50からの信号や方位センサ52からの信号に基づいて車両の現在位置を特定するロケーション処理部60によるロケーション処理、ディスプレイ22に地図画像を表示する地図表示処理部62による地図表示処理、目的地への走行ルートを探索して地図表示処理部62による地図表示やスピーカ26からの音声出力によりルート案内を行なうナビゲーション処理部64によるナビゲーション処理などを実行する。ここで、実施例のHDD40に記憶された地図データには、地図表示処理用の地図データとして、予め定めた複数の縮尺で地図画像を表示可能とする地図画像データや、地図画像における複数の構成要素の配色を予め定めた夜用と昼用との2つのパレットテーブルなどがある。図2に地図画像データに昼用のパレットテーブルを適用して生成される地図画像を表示する様子の一例を示す。図中右側に示すように、パレットテーブルは、構成要素毎に、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)各色が値0〜値255の範囲のうちいずれかの値をもつRGB値を規定している。
【0025】
次に、こうして構成された実施例のナビゲーション装置20の動作、特に季節や時刻に応じた色変化を伴ってディスプレイ22に地図画像を表示する際の動作について説明する。図3は、電子制御ユニット30の地図表示処理部62により実行される地図画像表示処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、装置が起動されたときやルート案内を行なうときなどに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
【0026】
図3の地図画像表示処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット30のCPU32は、まず、ディスプレイ22に表示すべき現在位置を示す位置情報や、年月日時分秒により表される現在時刻のうち日付(年月日)を示す日付情報,時刻(時分)を示す時刻情報など、処理に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。位置情報は、GPS受信機50からの信号や方位センサ52からの信号に基づいてロケーション処理により特定された現在位置を示す緯度、経度などを入力することができる。日付情報や時刻情報は、図示しないタイマにより計時された現在時刻やGPS受信機50からの信号により得られた現在時刻から入力することができる。
【0027】
続いて、入力した位置情報および日付情報に対応する日の出時刻と日の入り時刻とを取得し(ステップS110)、入力した時刻情報が示す時刻が取得した日の出時刻以降で日の入り時刻以前の昼時間であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、日の出時刻および日の入り時刻は、実施例では、地図上の位置(緯度,経度)と日付と日の出時刻および日の入り時刻との関係を実際の太陽の位置に基づいて予め求めてROM34に記憶したテーブルに、位置情報が示す位置と日付情報が示す日付とを適用することにより取得するものとした。なお、日の出時刻と日の入り時刻は、位置情報と日付情報とに基づいて毎回演算することにより取得するものとしてもよい。
【0028】
時刻情報が示す時刻が昼時間でないときには、位置情報が示す位置とその周辺とを所定の縮尺で表示するのに必要な地図画像データと夜用のパレットテーブルとをHDD40から入力し(ステップS130)、入力した地図画像データに夜用のパレットテーブルを適用して表示用画像を生成し(ステップS140)、生成した表示用画像をディスプレイ22に表示して(ステップS250)、地図画像表示処理ルーチンを終了する。所定の縮尺は、前回このルーチンで地図表示するのに用いた縮尺や予め定められた初期値などを用いることができる。こうした処理により、日の出時刻以降かつ日の入り時刻以前の昼時間でない夜時間には、夜用に予め定められた配色の地図画像を表示することができる。
【0029】
時刻情報が示す時刻が昼時間のときには、位置情報が示す位置とその周辺とを所定の縮尺で表示するのに必要な地図画像データと昼用のパレットテーブルとをHDD40から入力し(ステップS150)、1年のうちの季節による色変化を表現するために地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を変化させることができるパラメータの変化量として第1パラメータ変化量を設定する(図3中、点線内の処理)。パラメータとしては、色相,彩度,明度を直接用いたり、色属性を間接的に変化させるコントラストやRGB値を用いたりすることができる。実施例の第1パラメータ変化量は、次に説明するように、色相,彩度,明度の変化量とした。
【0030】
第1パラメータ変化量の設定は、実施例では、日付情報に基づいて第1パラメータ変化量の基本値を設定すると共に(ステップS160)、設定した第1パラメータ変化量の基本値を日付情報が示す月日(年月日から年を除いた月日)に応じて補正する(ステップS170)ことにより行なう。ここで、第1パラメータ変化量の基本値は、季節とその季節に属する月日と第1パラメータ変化量の基本値との関係をシミュレーションなどにより予め定めて季節色変化用テーブルとしてROM34に記憶しておき、日付情報が示す月日が与えられると記憶したテーブルからその月日が属する季節に対応する基本値を導出して設定するものとした。また、第1パラメータ変化量の基本値の補正は、日付情報が示す月日からその月日が属する季節の初日を減じて得られる日数と補正係数との関係を予め定めた関数やマップを用いて補正係数を導出し、導出した補正係数を基本値に乗ずることにより行なうものとした。
【0031】
図4に季節色変化用テーブルの一例と補正係数設定用マップの一例とを示す。図4上側に示す季節色変化用テーブルの例では、例えば日付情報が示す月日が「4月1日」の場合には、その月日が属する季節は「春」であり、この「春」に対応する第1パラメータ変化量の基本値として「色相+15(度)」,「彩度+38(%)」,「明度+30(%)」が設定される。このとき、実施例では、文字表示色である白色および黒色と背景色と道路表示色とについては色変換しないようにした。具体的には、文字表示色である白色および黒色と背景色と道路表示色とについては、第1パラメータ変化量の基本値として「色相+0(度)」,「彩度+0(%)」,「明度+0(%)」を設定するものとした。また、図4下側に示す補正係数設定用マップの例では、日数が大きくなると値1未満の正の所定値から季節の中央日に相当する日数で値1となるまで大きくなりその後に所定値まで小さくなる値が補正係数として定められている。このマップは、全ての季節に対して適用することができる。このマップでは、例えば日付情報が示す月日が「4月1日」の場合には、その月日から季節初日である「3月1日」を減じて得られる「31(日)」に対応する値1以下の補正係数が導出される。なお、補正係数は、1日単位で比例傾向に変化するものとしてもよいし、3日単位や5日単位で段階的に(階段状に)変化するものとしてもよいし、季節の中央日より前後に相当する日数で値1となるものとしてもよい。このように第1パラメータ変化量を設定することにより、季節毎に異なる色合いを表現するだけでなく、一季節の間の経過日数に応じて季節の色合いを反映する程度を変えて季節が深まる様子などを表現することができる。
【0032】
こうして第1パラメータ変化量を設定すると、昼用のパレットテーブルに第1パラメータ変化量を適用して仮パレットテーブルを作成する(ステップS180)。仮パレットテーブルの作成は、昼用のパレットテーブルに規定された地図画像の各構成要素のRGB値を色相,彩度,明度を示すHSV値に変換し、変換したHSV値に第1パラメータ変化量を適用して得られるHSV値を再びRGB値に逆変換することにより行なうことができる。ここで、「仮」パレットテーブルとするのは、第1パラメータ変化量とは別に、1日のうちの太陽光による色変化を表現するための所定の時間帯を複数定めて時間帯毎に地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を変化させることができるパラメータの変化量として第2パラメータ変化量を更に設定して適用するためである(図3中、一転鎖線内の処理)。実施例の第2パラメータ変化量は、次に説明するように、RGB値の変化量や、明るさ変化量,コントラスト変化量とした。
【0033】
第2パラメータ変化量の設定は、実施例では、まず、取得した日の出時刻から日の出による色変化を表現する時間として予め定めた所定時間(例えば、15分や30分,45分など)が経過するまでの(日の出時刻を含む)日の出時間帯と、取得した日の入り時刻から日の入りによる色変化を表現する時間として予め定めた第2の所定時間(例えば、15分や30分,45分など)前までの(日の入り時刻を含む)日の入り時間帯と、日の出時間帯後かつ日の入り時間帯前の昼間時間帯とを設定する(ステップS190)。即ち、日の出時刻以降かつ日の入り時刻以前の昼時間を3つの時間帯に分割する。したがって、昼間時間帯は、位置情報および日付情報に対応する太陽の南中時刻を含む時間帯となる。続いて、時刻情報が示す時刻が属する時間帯を日の出時間帯,昼間時間帯,日の入り時間帯から1つ選択し(ステップS200)、日の出時間帯,昼間時間帯,日の入り時間帯の時間帯毎に第2パラメータ変化量を演算する関数としてシミュレーションなどにより予め定めた変換関数から選択した時間帯に対応する変換関数を1つ選択し(ステップS210)、選択した変換関数の一変数に時刻情報が示す時刻に相当する値を当てはめたものを第2パラメータ変化量として設定する(ステップS220)。ここで、第2パラメータ変化量を演算するための次に詳細に説明する変換関数や各種マップは、各時間帯の太陽光による色変化を表現できるように予め定められてROM34に記憶されているものとした。また、各時間帯と各時間帯で選択すべき変換関数との関係を予め定めたテーブルがROM34に記憶されており、このテーブルに選択した時間帯を適用することにより選択すべき変換関数が導出されるものとした。
【0034】
図5に日の出時間帯と日の入り時間帯とに用いられる第2パラメータ変化量を演算する変換関数の一例と反映率設定用マップの一例とを示す。図5上側に示す変換関数の例では、日の出時間帯に、文字表示色である白色および黒色については色変換せずにベース色としての青色の色合いが強調される関数f1を用いている。関数f1は、実施例では、ベース色のRGB値を(Rref, Gref, Bref)とし、ベース色を強調する程度である反映率Pを値0より大きく且つ値1より小さい範囲で定め、変換前のRGB値を(Rin, Gin, Bin),変換後のRGB値を(Rout, Gout, Bout)としたときに、次式(1)〜(3)により表されるものとした。式(1)〜(3)はRGB値のR値についての変換式であるが、G値とB値とについても同様の変換式が定められている。なお、式(1)〜(3)により表される関数f1における変換前のRGB値(Rin, Gin, Bin)に、文字表示色である白色のRGB値(255, 255, 255)や黒色のRGB値(0, 0, 0)を適用しても、変換後のRGB値(Rout, Gout, Bout)としては変換前のRGB値(Rin, Gin, Bin)と同じ値が得られる。また、図5下側に示す反映率設定用マップの例では、日の出時間帯の反映率Pは、時刻情報が示す時刻から日の出時刻を減じて得られる分単位の時間が大きいほど(即ち日の出時刻からの経過時間が所定時間に近づくほど)最大値Pmaxa(25%や30%など)から値0まで小さくなっている。さらに、日の入り時間帯にも、文字表示色である白色および黒色については色変換せずにベース色としての橙色の色合いが強調される関数f1を用いている。日の入り時間帯の反映率Pは、日の入り時刻から時刻情報が示す時刻を減じて得られる分単位の時間が大きいほど(即ち日の入り時刻より第2の所定時間前から日の入り時刻に近づくほど)値0から最大値Pmaxb(25%や30%など)まで大きくなっている。なお、反映率Pは、1分単位で比例傾向に変化するものとしてもよいし、3分単位や5分単位で段階的に(階段状に)変化するものとしてもよいし、値0より大きい例えば値0.1以上かつ最大値Pmaxa,Pmaxb以下の範囲で設定されているものとしてもよい。第2パラメータ変化量の設定について説明を続ける。
【0035】
Rout=Rin (Rin=255の場合) (1)
Rout=Rin・(1-P/100) ((255-Rref)>Rinの場合) (2)
Rout=(255-(255-Rref))・(1-P/100)・(Rin-(255-Rref))/Rref+(255-Rref)・(1-P/100) (上記以外の場合) (3)
【0036】
図6に昼間時間帯に用いられる第2パラメータ変化量を演算する変換関数の一例と明るさ変化用のパラメータ値設定用マップおよびコントラスト変化用のパラメータ値設定用マップの一例とを示す。図6上側に示す変換関数の例では、昼間時間帯に、文字表示色である白色および黒色については色変換せずに明るさとコントラストとが変化するように関数f2を用いている。関数f2は、実施例では、変換前のRGB値を(Rin, Gin, Bin),変換後のRGB値を(Rout, Gout, Bout)としたときに、明るさ変化用のパラメータとして値0より大きく且つ値1以下のガンマ補正パラーメータ値Gを用いる次式(4)により明るさを変更する変換式と、コントラスト変化用のパラメータとして値0より大きく且つ値1より小さいトーンカーブパラメータ値Tを用いる式(5)によりコントラストを変更する変換式との組み合わせであるものとした。式(4)と式(5)とはRGB値のR値についての変換式であるが、G値とB値とについても同様の変換式が定められている。なお、関数f2を構成する式(4)における変換前のRGB値(Rin, Gin, Bin)に、文字表示色である白色のRGB値(255, 255, 255)や黒色のRGB値(0, 0, 0)を適用しても、変換後のRGB値(Rout, Gout, Bout)としては変換前のRGB値(Rin, Gin, Bin)と同じ値が得られる。実施例では、文字表示色である白色および黒色については、式(4)のみを適用して式(5)を適用しないものとした。また、図6下側の上段に示す明るさ変化用のパラメータ値設定用マップの例では、ガンマ補正パラメータ値Gは、昼間時間帯の時刻情報が示す時刻が日の出時刻から南中時刻に近づくほど値1から値Gmin(例えば値0.7や値0.8など)まで小さくなり、昼間時間帯の時刻情報が示す時刻が南中時刻から日の入り時刻に近づくほど値Gminから値1まで大きくなっている。日の出時刻や日の入り時刻,南中時刻は、位置情報と日付情報とに基づいて定めたものを用いることができる。図6下側の下段に示すコントラスト変化用のパラメータ値設定用マップの例では、トーンカーブパラメータ値Tは、昼間時間帯の時刻情報が示す時刻が日の出時刻から南中時刻に近づくほど値Tmin(例えば、値0.001程度)から値Tmax(例えば、値0.015程度)まで大きくなり、昼間時間帯の時刻情報が示す時刻が南中時刻から日の入り時刻に近づくほど値Tmaxから値Tminまで小さくなっている。なお、ガンマ補正パラメータ値Gおよびトーンカーブパラメータ値Tは、1分単位で比例傾向に変化するものとしてもよいし、15分単位や30分単位で段階的に(階段状に)変化するものとしてもよい。
【0037】
Rout=255-255・(1-Rin/255)(1/G) (4)
Rout=255/(1+exp(T・(-Rout+127))) (5)
【0038】
このように第2パラメータ変化量を設定することにより、時間帯毎に異なる色合いを表現するだけでなく、一時間帯の間の経過時間に応じてその時間帯の特徴的な色合いを反映する程度を変えて日の出の色合いが薄まる様子や南中時刻に向かって明るさやコントラストが強くなる様子,日の入りの色合いが深まる様子などを表現することができ、太陽光による色変化をより適正に表現することができる。
【0039】
こうして第2パラメータ変化量を設定すると、仮パレットテーブルに第2パラメータ変化量を適用して実行用パレットテーブルを作成する(ステップS230)。実行用パレットテーブルの作成は、仮パレットテーブルが規定するRGB値に対して各種関数により表現された第2パラメータ変化量を適用してRGB値を直接変換することにより行なうことができる。そして、入力した地図画像データに実行用パレットテーブルを適用して表示用画像を生成し(ステップS240)、生成した表示用画像をディスプレイ22に表示して(ステップS250)、地図画像表示処理ルーチンを終了する。図7にパレットテーブルに規定されたRGB値が変化する様子の一例を示す。このように、地図画像を色変化させるために昼用に複数のパレットテーブルを予め記憶しておくのではなく、1つのパレットテーブルを変換するだけで地図画像を色変化させるから、パレットテーブルを記憶するのに必要なHDD40の記憶容量を抑えることができる。しかも、文字表示色である白色および黒色については色変換しないようにしたから、文字の視認性を確保することができる。こうした処理により、日付情報に基づいて設定され季節とその季節に属する日付とに応じて色変化させる第1パラメータ変化量と、位置情報および日付情報に対応する各種時間帯に時刻情報に基づいて設定され各種時間帯とその時間帯の時刻とに応じて色変化させる第2パラメータ変化量とを反映した表示用画像を表示することができ、季節が深まる色変化や太陽光による色変化をより適正に表現することができる。
【0040】
以上説明した実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20によれば、日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節とその季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定し、ディスプレイ22に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と日付情報とに対応する各種時間帯と時刻を示す時刻情報とに基づいて色属性の少なくとも一部をその時間帯とその時間帯の時刻に応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定し、表示すべき地図画像に第1パラメータの変化量と第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像をディスプレイ22に表示させるから、季節が深まる色変化や太陽光による色変化などをより適正に表現することができる。
【0041】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、日の出時刻以降かつ日の入り時刻以前の昼時間における各種時間帯毎に時刻に応じた色変化を表現する第2パラメータ変化量を設定して地図表示し、夜時間については色変化を表現するパラメータ変化量を設定せずに地図表示するものとしたが、夜時間を1つの時間帯としてこの夜の時間帯に時刻に応じた色変化を表現する第2パラメータ変化量を設定して地図表示を行なうものとしてもよい。
【0042】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、日の出時刻以降かつ日の入り時刻以前の昼時間を日の出時間帯と昼間時間帯と日の入り時間帯とに分割してこれらの時間帯毎に時刻に応じた色変化を表現する第2パラメータ変化量を設定するものとしたが、これらの時間帯の一部については一定の第2パラメータ変化量を設定すると共にこれらの時間帯の残りについてのみ時刻に応じた色変化を表現する第2パラメータ変化量を設定するものとしてもよい。
【0043】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、日の出時間帯は日の出時刻以降所定時間が経過するとき以前の時間帯とし、日の入り時間帯は日の入り時刻より第2の所定時間前以降日の入り時刻以前の時間帯とし、昼間時間帯は日の出時間帯後かつ日の入り時間帯前の時間帯としたが、日の出時間帯は日の出時刻より若干(例えば数分や十数分など)前から開始する時間帯としてもよいし、日の入り時間帯は日の入り時刻より若干(例えば数分や十数分など)後に終了する時間帯としてもよいし、昼間時間帯は南中時刻を含み且つ日の出時間帯や日の入り時間帯と重複しないものであれば例えば南中時刻前後に数時間の時間帯などとしてもよい。
【0044】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、昼用のパレットテーブルに第1パラメータ変化量と第2パラメータ変化量とを適用して実行用パレットテーブルを作成し、作成した実行用パレットテーブルを地図画像データに適用して得られる表示用画像を表示するものとしたが、昼用のパレットテーブルを地図画像データに適用して得られる元の地図画像に対して第1パラメータ変化量と第2パラメータ変化量との適用に相当する画像処理を施して得られる表示用画像を表示するものとしてもよい。
【0045】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、日付情報が示す月日が属する季節に対して第1パラメータ変化量の基本値を設定すると共にこの基本値を日付情報が示す月日に応じて補正することにより第1パラメータ変化量を設定するものとしたが、季節とその季節に属する月日と第1パラメータ変化量(基本値でなく補正後に相当する値)との関係を予め定めたマップを用いるなどして、日付情報に基づいて第1パラメータ変化量を直接設定するものとしてもよい。
【0046】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、位置情報および日付情報に対応する各種時間帯に時刻情報が示す時刻が属するときに、その時間帯と第2パラメータ変化量を演算する変換関数との関係を予め定めたテーブルを用いて得られる変換関数の一変数に時刻情報が示す時刻に相当する値を適用することにより第2パラメータ変化量を設定するものとしたが、こうしたテーブルを用いて得られる変換関数と時刻と第2パラメータ変化量との関係を予め定めたマップを用いるなどして、時刻情報に基づいて第2パラメータ変化量を直接設定するものとしてもよい。
【0047】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、日付情報に基づいて第1パラメータ変化量を設定するものとしたが、位置情報と日付情報とに基づいて第1パラメータ変化量を設定するものとしてもよい。この場合、図8の変形例の季節色変化用テーブルの一例と補正係数設定用マップの一例とに示すように、例えば日本国を地図上の位置毎に北海道,本州,四国,九州,沖縄に分け、本州と四国と九州とについては実施例と同様の色変化が得られるようにテーブルやマップを用意し、北海道については本州等より冬の期間を長くし、沖縄については本州等より夏の期間を長くして、第1パラメータ変化量を設定するなどとしてもよい。
【0048】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、第1パラメータ変化量と第2パラメータ変化量とに共通する設定として、文字表示色である白色および黒色については色変換しないように第1パラメータ変化量と第2パラメータ変化量とを設定するものとしたが、文字表示色以外の色(例えば道路表示色など)についても色変換しないように設定してもよいし、全ての色について色変換するように設定するものとしてもよい。
【0049】
実施例の地図表示装置を含むナビゲーション装置20では、位置情報などに基づいて地図画像データとパレットテーブルとをHDD40から入力するものとしたが、例えばディスプレイと電子制御ユニットとを備える地図表示装置にサーバが通信可能に接続された構成の場合、ディスプレイへの表示に必要な地図画像データやパレットテーブルをサーバから通信により取得するものとしてもよい。また、サーバで昼用パレットテーブルを実行用パレットテーブルに変換したものをサーバから別の地図表示可能な装置に送信し、実行用パレットテーブルを受信した装置において地図画像データと実行用パレットテーブルとを用いて地図画像を表示するものとしてもよい。
【0050】
実施例では、本発明をナビゲーション装置20に適用して説明したが、地図画像を表示可能な表示装置を有する携帯端末やデジタルカメラ,汎用のコンピュータなどに適用するものとしてもよいし、表示装置に地図画像を表示するための表示処理方法の形態としてもよいし、こうした表示処理方向の各ステップを1または複数のコンピュータに実現させるためのプログラムの形態としてもよい。
【0051】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ディスプレイ22が「表示手段」に相当し、日付情報に基づいて季節色変化用の第1パラメータ変化量を設定する図3の地図画像表示処理ルーチンのステップS160,S170の処理を実行する電子制御ユニット30が「第1パラメータ設定手段」に相当し、位置情報と日付情報と時刻情報とに基づいて太陽光色変化用の第2パラメータ変化量を設定するための図3の地図画像表示処理ルーチンのステップS110,S190〜S220の処理を実行する電子制御ユニット30が「第2パラメータ設定手段」に相当し、第1パラメータ変化量と第2パラメータ変化量とを反映した実行用パレットテーブルを作成して生成した表示用画像を表示させる図3の地図画像表示処理ルーチンのステップS180,S230〜S250の処理を実行する電子制御ユニット30が「表示制御手段」に相当する。
【0052】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0053】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、地図表示装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
20 ナビゲーション装置、22 ディスプレイ、24 タッチパネル、26 スピーカ、30 電子制御ユニット、32 CPU、34 ROM、36 RAM、38 フラッシュメモリ、40 ハードディスクドライブ(HDD)、50 GPS受信機、52 方位センサ、60 ロケーション処理部、62 地図表示処理部、64 ナビゲーション処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段に地図画像を表示する地図表示装置であって、
日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定する第1パラメータ設定手段と、
前記表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と前記日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定する第2パラメータ設定手段と、
前記表示手段に表示すべき地図画像に前記設定された第1パラメータの変化量と前記設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える地図表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図表示装置であって、
前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく日の出時刻から所定時間が経過するまでの時間を含む日の出時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該日の出時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の地図表示装置であって、
前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく日の入り時刻から第2の所定時間前までの時間を含む日の入り時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該日の入り時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく南中時刻を含む昼間時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、該時刻情報に基づいて該昼間時間帯に対応する前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示すべき地図画像における複数の構成要素の配色を予め定めた配色テーブルに前記設定された第1パラメータと前記設定された第2パラメータとを反映して実行用配色テーブルを作成し、該作成した実行用配色テーブルを前記表示手段に表示すべき地図画像に適用して得られる前記表示用画像を前記表示手段に表示させる手段である、
地図表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記第1パラメータ設定手段は、季節と該季節に属する月日と前記第1パラメータの変化量の基本値との予め定められた第1関係に前記日付情報が示す月日を適用して得られる該第1パラメータの変化量の基本値を該日付情報が示す月日に応じて補正することにより該第1パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記第2パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づく太陽光による色変化を表現するための所定の時間帯に前記時刻情報が示す時刻が属するときには、前記所定の時間帯と前記第2パラメータの変化量を演算する関数との予め定められた第2関係を用いて得られる該第2パラメータの変化量を演算する関数に該時刻情報が示す時刻を適用することにより該第2パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記第1パラメータ設定手段は、前記位置情報と前記日付情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる前記第1パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つの請求項に記載の地図表示装置であって、
前記第1パラメータ設定手段は、白と黒とを含む所定色に対して色変化が生じないように前記第1パラメータの変化量を設定する手段であり、
前記第2パラメータ設定手段は、前記所定色に対して色変化が生じないように前記第2パラメータの変化量を設定する手段である、
地図表示装置。
【請求項10】
画像を表示する表示手段に地図画像を表示するための表示処理方法であって、
(a)日付を示す日付情報に基づいて地図画像の色相,彩度,明度の色属性の少なくとも一部を季節と該季節に属する月日とに応じて変化させる第1パラメータの変化量を設定するステップと、
(b)前記表示手段に表示すべき地図上の位置を示す位置情報と前記日付情報と時刻を示す時刻情報とに基づいて前記色属性の少なくとも一部を地図上の位置と日付と時刻とに応じて変化させる第2パラメータの変化量を設定するステップと、
(c)前記表示手段に表示すべき地図画像に前記設定された第1パラメータの変化量と前記設定された第2パラメータの変化量とを反映した表示用画像を前記表示手段に表示させるステップと、
を含む表示処理方法。
【請求項11】
請求項10記載の表示処理方法の各ステップを1以上のコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−234018(P2012−234018A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101849(P2011−101849)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】