説明

地図表示装置及びナビゲーション装置

【課題】
ユーザが指定した地点を含む地図を使いやすい形に編集して携帯電話に転送することがができるようにする。
【解決手段】
ユーザにより指定された地点を含む地図データを検索する手段と、検索された地図データ上でのアイコンや名称などを消去したり、指定した交差点やアイコン間などの距離を算出・表示したりする地図データ編集手段と、前記接続部を介して前記地図編集手段にて編集された地図データを携帯電話へ転送する手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記憶手段に記憶された複数の地図データの中から指定された地点を含む地域の地図データを検索して他の外部機器、好ましくは携帯外部機器に転送して表示することができる地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地図表示装置、例えば車載用ナビゲーション装置では全国の地図データをDVD(Digital Versatile Disk)やハードディスク装置に保有しており、電話番号や住所を入力すると入力された電話番号で指定される目的物や住所に該当する地点、及びこの地点を含む地図データを検索して表示することができるようになっている。
また、目的地として或る地点を指定すると現在地を含む地図を車両の移動にあわせてスクロールしながら表示すると共に、目的地までの経路を案内する機能を持っている。
【0003】
ところが、百貨店の駐車場とかのように目的地が駐車場所から離れているといった関係で目的地まで車両で行くことができない場合には、画面上に表示された地図を見て降車位置から眺めた目的地の方向や道順等を覚えて歩いていかなければならなかった。
【0004】
したがって、道順を覚えるのに多くの時間を費やしたり、場合によっては紙に地図を書き写したりするといった煩雑な作業を行わねばならなかった。
【0005】
こうした問題を解決するために特開2003−214869号公報(特許文献1)では、降車した場所と目的地の位置情報、及びインターネットアクセスが可能な携帯電話のメールアドレスを携帯電話からメールサーバに送り、このサーバから降車位置及び目的地を含む地図データが参照できるサイトのURL(Uniform Resource Locator)情報をユーザの携帯電話にメールとして送信するシステムが提案されている。
【0006】
ところが、このシステムの場合では地図データを取得する為にはインターネットにアクセスしてURLを開く作業を行なわねばならず、その際には通信料や、場合によっては地図データの使用料等のいわゆる情報料がかかってしまうことがある。
【0007】
また、この他インターネット上のサイトからダウンロードする地図やナビゲーション装置で使用されている地図では一般に縮尺率に応じた距離スケールが地図と共に表示されているだけで、目的地に向かう途中に目標としたい店舗やランドマークがあってもそこまでの距離については距離スケールから目測で読み取らなければならないという付随する課題もあった。
【特許文献1】特開2003−214869号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、こうした問題点を鑑み、携帯電話等の通信機器によるサーバからの地図やその他の情報等のダウンロードが不要であり、尚且つ任意の領域の地図データをユーザが使いやすい形に編集して携帯電話等の情報機器へ転送することができる地図表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴は、ユーザにより指定された地点を含む地図データを検索する手段と、検索された地図データ上でのアイコンや名称などを消去したり、指定した交差点やアイコンなどの2地点間の距離を算出・表示したりする地図データ編集手段と、前記接続部を介して前記地図編集手段にて編集された地図データを携帯電話へ転送する手段を設けた地図表示装置にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信料等をかけることなく所望の地図データを携帯電話に送信することができる。
また、地図表示装置上で地図データを編集して利用しやすい形に簡略化できるので、転送された地図を携帯電話等の外部機器の画面上で表示しても見易くなり、目的地の場所へ確実に移動することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の最良の実施形態を図面にしたがい詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1に本発明の地図表示装置の1つであるナビゲーション装置1と携帯電話2との接続例を示している。
図にある通り、携帯電話2は本体にUSB(Universal Serial Bus)端子4aを持っており、同様にナビゲーション装置1にもUSB端子4bを備えており、両者はUSBケーブル3にて接続される。
【0013】
尚、USBケーブル3を使用しなくてもナビゲーション装置1に設けた携帯電話挿入用のスロットに携帯電話を挿入してUSBケーブル3と同等の働きをさせても良いし、更にブルートウース(Blue−Tooth)や赤外線等を使った無線方式で接続するようにしても良い。
【0014】
図2に本発明の地図表示装置の1つであるナビゲーション装置1の内部構成例を示している。
ナビゲーション装置1は、演算処理部10、外部記憶装置20、センサ部30、表示部40、GPS受信部50、入出力部60等から構成されている。
演算処理部10は、CPU(Central Processing Unit)11、Flash ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13から構成されている。
もちろん演算処理部10を構成する要素はこれら以外にもあるが、本発明の説明に関連のない構成要素の図示は省略してある。
【0015】
CPU11は後述するアプリケーションプログラムを実行するほか、種々の演算をするために用いられる。
例えばセンサ部30やGPS(Global Positioning System)信号受信部50からの情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した現在位置情報から表示に必要な地図情報を外部記憶装置20から読み出して現在位置とともに表示部40に表示する。
【0016】
また、CPU11はユーザにより任意に指定された2地点間の距離を後述のデータベースに格納された指定地点の座標値データから算出する処理も行なうことができる。
記憶装置12はナビゲーション装置1の各種機能のアプリケーションプログラムやその演算に必要なデータ或いは接続された携帯電話2の固有情報などを記憶しておくもので、ここではFlash ROM12を用いているがこれと同等の機能を有するEPROM等であってもよい。
【0017】
RAM13は処理中の作業エリアとして使用したり、地図データなどを一時記憶したりするために用いられる。
【0018】
外部記憶装置20は地図データ、道路種別、道路データを構成するノードやリンク構成情報等の経路計算用道路データ、座標値、電話番号、住所等の施設情報などのナビゲーション処理に必要な情報をデータベースとして記憶している。
そして、外部記憶装置20は前述した情報を記憶しているDVD(Digital Versatile Disk)23が挿入されるDVDドライブ21及びHDD(Hard Disk Drive)22の一方或いは両方の組み合わせで構成されている。
【0019】
センサ部30は方位センサ31、ジャイロ32、車輪速センサ33を備え、車輪速センサ33は車輪の回転に伴って出力されるパルス信号をカウンタ35により計数することにより移動体の走行距離を検出する。この走行距離信号は内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0020】
方位センサ31は地球が有している磁場を検出して移動体の向きを検出し、また、ジャイロ32は光ファイバジャイロや振動ジャイロ等が用いられ、移動体が回転した角度を検出する。
これらの方位センサ31及びジャイロ32の検出信号はアナログーディジタル変換器(A/D)34によりディジタル信号に変換されて内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0021】
GPS信号受信部50はGPSアンテナ54を介してGPS衛星からの信号を受信し、移動体と衛星との間の距離および距離の変化率を測定することにより、移動体の現在位置、進行方向および進行方位を測定するもので、これらの測定データはSCI52から内部バス70を介して演算部10に送られる。
【0022】
表示部40は表示ドライバ41、コントローラ43、バッファ44等よりなる表示制御手段及び液晶パネルやCRT等の表示装置42から構成され、内部バス70を介して演算処理部10から送られてくるデータをバッファ44に格納し、これに基づいて表示装置42に地図、誘導ルート、自車位置などを表示させるものである。
【0023】
入出力部60はユーザによる指示を受け付けるハードスイッチやジョグスイッチなどで構成されるKey PAD62、ユーザの操作するリモコン65からの光信号を受信するリモコン受光部61、演算処理部10が生成したユーザへのメッセージをスピーカ(SP)66で音声信号に変換すると共にマイク68を介して入力される音声信号を取り込んで信号変換するCODEC63等により構成されている。
これらはPIO64及び内部バス70を介して演算処理部10とデータのやり取りを実行する。
【0024】
USBコントローラ80は本実施例の携帯電話2のようなUSB端子4aを持つ外部機器へ送信するデータを通信に適した信号に変換したり、受信した信号を内部で処理するのに適した信号に変換したりするものである。
更に地図表示装置の端子4bの端子電圧の変化をUSBコントローラで監視することにより外部機器の接続有無の検出を行なっており、外部機器が接続された場合には割込み信号としてCPU11に通知するようになっている。
尚、携帯電話以外の外部機器としては手のひらサイズの例えばパームコンピュータ等の情報機器が考えられる。この場合も前述した携帯電話2と同様の接続手段を備えている。
【0025】
次に本実施例の動作について説明するが、携帯電話2を接続された際の処理について図3を用いて説明する。
ユーザにより地図表示装置1にUSBケーブル3を使って携帯電話2が接続されると、USBコントローラ80がこの接続状態を検出してCPU11に割込み信号として通知する。この割り込み信号が入力されるとCPU11はステップ100でUSB割込み処理を開始し、ステップ102で接続された外部機器の種類を特定する。
これは接続された機器に予め割り与えられている識別コードを要求し、そのコードにより種別を判定するものである。
【0026】
そして、ステップ104でこの識別コードが携帯電話のものでなかった場合(S104で“N”の場合)には本処理を抜けて識別コードに応じた別の処理へ移行する。
一方、ステップ104で取得した識別コードが携帯電話2であった場合(S104で“Y”の場合)には、接続された携帯電話2に対して接続要求を出し、ステップ106で接続された携帯電話2の電話番号等の固有情報を取得する為の初期接続処理を行ない、所望の情報が取得できたら通常の処理に戻るようなる。
【0027】
次に、携帯電話2に転送する地図の範囲を設定する地図設定処理について図4のフローチャート及び図6の表示画面を用いて説明する。
ステップ200において地図設定処理は予めメインメニューに登録されている所定のメニュー(図示せず)をリモコン等の操作により選択することで行なわれる。
地図設定処理S200に入るとステップ202で地図を特定する為の地点指定メニューが表示される。本実施例では地点指定メニューとして(1)地図上での地点指定と(2)ジャンル検索による地点選択の2つが用意されている。
尚、(2)ジャンル検索による地点選択とは、駅や映画館等のジャンルについて表示される複数の候補から所望のものを選択することで地点を指定するものである。
【0028】
そして、ステップ204において地点指定メニュー項目の1つが選択されると(S204で“Y”の場合)、ステップ206でこの選択が直接的に地図上で地点を指定する“直接地点指定“のボタンが選択されたかどうか判断し、この“直接地点指定“のボタンが選択された場合(S206で“Y”の場合)にはステップ208の地図上での直接地点指定処理に移行する。
ステップ206で“直接地点指定“のボタンが選択されていない場合(S206で“N”の場合)にはジャンル検索による地点検索が選択されたと判断し、ステップ210のジャンル検索による地点検索処理へ移行する。
【0029】
ここで図5(a)〜(c)を用いて、ステップ208の地点指定処理について説明する。
まず、図5(a)に示されるように画面上の横方向と縦方向の破線の交差する点で決まるカーソル100を所望の地点に移動させて画面右下の“始点”ボタン120を選択することで地図範囲を決める一方の地点が設定される。
【0030】
また、画面上には始点として現在地を指定する“現在地”ボタン120も用意されており、その“現在地”ボタンが選択された場合には自動的に現在地が始点として指定される。
尚、参照番号102、104、106は道路脇に存在する店舗やビル等のランドマークを表すアイコン等の画像構成要素である。
【0031】
始点が設定されると、設定された地点には三角形状の地点指定のアイコン200が表示され、もう一方の地点である目的地或いは終点を設定する指定画面に移る。
図5(b)はこの目的地或いは終点を設定する画面を示しており、ここで始点と同様にカーソル100を移動させて終点を指定するものである。
尚、図5(b)の例では終点として目的地を指定した例で目的地ボタン124を選択することで自動的に目的地210にカーソルが移動して終点として設定される。
【0032】
これにより2地点が設定され、例えば、図5(c)に示す枠線108で示される地図範囲を決めることになる。
つまり、始点200及び終点210をそれぞれ含む矩形領域が地図範囲となる。尚、この矩形領域の設定の仕方は任意である。
【0033】
また、本実施例では転送する地図の範囲を2つの地点を指定することにより設定する例を示したが、接続される携帯電話2の画面の画素数を考慮して、例えば、地図表示装置の画面上に接続される携帯電話2の画面の画素数に応じた表示範囲を示す枠線を表示させ、転送したい地図の範囲がその枠に入るように地図をスクロールできるようにしても良いものである。更にこれに換えて縮尺率も変えても良いものである。
【0034】
尚、携帯電話画面の画素数情報については予め携帯電話の機種と画素数情報の対応表を用意しておき、初期接続処理において取得した携帯電話2の固有情報の中から機種を判定してこの対応表を参照して枠線の大きさを設定するようにしても良いものである。
また、設定した範囲に現在地点が含まれるような場合にはそこにアイコンを表示させるようにしても良いものである。
【0035】
以上の説明はステップ206で行なわれる地点指定処理であったが、ステップ210のジャンル検索による地点検索処理についても同様の処理が実行可能である。
例えば、ジャンル検索によって駅や映画館等のジャンルについて表示される複数の候補から所望の候補地が選択されると、地点検索処理と同様に始点が設定された後に選択された候補地を指定して終点として登録することで図5(c)に示す枠線108のような表示を行うことができる。
【0036】
以上の処理がそれぞれ終了すると、ステップ212で図6(a)の枠線108にあるような指定された地点を含む地図範囲が設定され、その地図範囲を含む最小の縮尺率の地図データが外部記憶装置20の中から検索されて画面上に表示される。
ここで、図6(b)は縮尺率の変更なしの場合で、図6(c)は地点指定した地図より縮尺率の小さな地図に変更された場合の例を示している。
【0037】
また、図6(b)或いは図6(c)にあるように、表示画面には地図をそのまま転送する“転送”ボタン222や、編集してから転送する“編集”ボタン224が表示されている。
そして、“転送”ボタン222が選択された場合(S214で“N”の場合)には後述の図11及び図12に示すデータ転送処理に移行し、一方、“編集”ボタン224が選択された場合(S214で“Y”の場合)には図7に示すステップ216の地図編集処理へ移行する。
【0038】
次に地図編集処理について図7に示すフローチャート及び図8に示す表示画面を用いて説明する。
ステップ300で実行される地図編集処理は前述の通り、地図範囲が設定された際に表示される“編集”ボタン224を選択することで行なわれる。
地図編集処理が開始されると、ステップ302で図8(a)に示すように画面上に編集内容を示すボタンアイコンを選択する“アイコン”ボタン226、目的地までの距離を計算させる“距離”ボタン228及び終了を指示する“終了”ボタンが表示される。
【0039】
図8(b)は地点指定で始点として現在地が指定され、終点として目的地が指定された場合の編集メニューボタン表示画面を示したもので、現在地から目的地までの経路220が表示されており、これ以外は図6(a)と同じ画面である。
そして、ステップ304に示すように画面上のボタンのいずれかが押されると(S304で“Y”の場合)、ステップ306でこれが“終了”ボタン230かどうかまず判定し、選択されたボタンが“終了”ボタン230であった場合にはそこで地図編集処理を終了させ地図転送処理に移行する。
【0040】
次に、“終了”ボタン230が選択されていなかった場合には、ステップ308でそれが“アイコン”ボタン226かどうか判定し、“アイコン”ボタン226であった場合にはステップ310に示すアイコンや地点名称などの文字列を選択、編集するアイコン編集処理へ移行する。
一方、選択されたのが“アイコン”ボタン226ではなかった場合には“距離”ボタン228が選択されたと判断し、ステップ312の示す距離計算・表示処理に移行する。
【0041】
図9はステップ312で示す距離計算・表示処理における画面遷移を示したものであり、まず、図9(a)は交差点300にカーソル100を移動させた場合の画面で、ここで“始点”ボタン304を選択して距離計算の始点を設定すると、図9(b)に示すように今まで表示されていた“始点”ボタン304の代わりに“終点”ボタン308が表示される。
【0042】
ここで、もう一方の地点として経路上の目標となる施設のアイコン302にカーソル100を移動させて“終点”ボタン306を選択すると交差点300と施設302間の距離を計算し、図9(c)に示すように距離310を表示する。
この後“終了”ボタン306を押せば、距離計算・表示処理を抜けて、図6(b)あるいは図6(c)に示す表示画面に戻るものである。
【0043】
図10はステップ310で実行されるアイコン編集処理における画面遷移を示したものであり、図10(a)の状態から図10(b)に示すようにカーソル100を抹消したいアイコンに移動させて“消去”ボタン240を選択する。
次に、図10(c)に示されるように消去するべく選択されたアイコンは消去され、更に不要なアイコン等がすべて消去されるまでこの処理を行なった最後に“終了”ボタン242を選択する。
この後、アイコン編集処理を抜けて、図6(b)あるいは(c)に示す表示画面に戻る。ここで、アイコンを編集対象にしているが、名称などの文字列を編集対象にしても良いものである。
【0044】
以上説明した実施例では画面上に重なったアイコンや文字を消すことにより携帯電話画面上での視認性を確保する為に編集機能として “消去”だけにして1つずつ抹消するようにしている。
しかしながら、これに限らず例えば、アイコンの種別を指定して一括して抹消するようにしたり、予め携帯電話画面用にいくつかの小さいアイコンを用意しておき、それらの中からユーザがアイコンを選んで適当な位置に追加表示できるようにしたりしても良いものである。
【0045】
次に、前述のステップ300で示す地図編集処理を抜けて、図6(b)あるいは(c)の示す画面が表示された上で、“転送”ボタン222を押すことで図11にあるステップ400で示す地図転送処理に移行する。
まず、ステップ402で地図データの圧縮処理を行なうが、ここではJPEGフォーマットを使って圧縮している。
【0046】
次にステップ404で圧縮した地図データをさらにBASE64形式でエンコードし、ステップ406でエンコードされたデータをvNOTEフォーマットにおけるBODY部(データ本体)、ファイル名、ファイルタイプ等の情報をヘッダ情報として携帯電話に送信するデータを作成する。
次に、作成されたデータをステップ408で図12に示す通信フロー(OBEX(OBject EXchange)転送仕様に準拠)に従って携帯電話2へ転送するものである。
【0047】
最後に図12に本発明の地図表示装置と携帯電話との通信フローを示しており、これの説明を以下行う。
まず、ステップ410で地図表示装置1は携帯電話2にデータ交換モードの設定要求を送る。
これに対して、ステップ412で携帯電話2から地図表示装置1にモード設定OKの応答が返ってきたら、ステップ414で地図表示装置1は携帯電話2に接続・認証要求を送出するが、場合によっては認証要求の為、接続された携帯電話に認証用のパスワードも送出する。その場合にはパスワードは予め地図表示装置に登録しておくと良い。
【0048】
次に、これに対してステップ416で携帯電話2から地図表示装置1に接続OKの応答が返ってきたら、ステップ418で地図表示装置1から携帯電話2に前述の処理で作成されたデータの転送を開始する。この処理はデータ送出要求を送った後、最初のデータ1を送り、受領の応答が返ってきたら次のデータを送るといった処理をデータNまで繰り返し行なって選択された地図データを携帯電話2に転送する。
【0049】
次に、地図表示装置1から携帯電話2にすべてのデータを送出した後、ステップ420で地図表示装置1から携帯電話2に切り離し要求を送出する。
この後、ステップ422で携帯電話2から地図表示装置1に切り離しOKの応答が返ってきたら、ステップ424で地図表示装置1から携帯電話2にデータ交換モード解除要求を出力する。
最後に、ステップ426で携帯電話2から地図表示装置1に解除OKの応答が返ってきたらデータ転送処理を抜けて通常処理へ戻るものである。
【0050】
ところで、本実施例では地図データの範囲を決めるためにユーザが直接的に地点を指定する場合の実施例を示したが、地図表示装置に地点検索データベースを設けて携帯電話の電話帳データに登録されている電話番号や住所から該当する地点を検索し、検索された地点を基に決定した領域の地図データを前述の処理を施した後、携帯電話に転送することも可能である。
このような処理を行なうことにより地図データを電話帳データ等に登録して利用することができるようになる。
【0051】
また、本実施例の地図表示装置は接続された携帯電話の固有情報として電話番号を読み出すので、予めユーザが地図表示装置に自分の携帯電話番号等を登録しておき、未登録の電話番号の携帯電話が接続されても地図データが転送されないようにして地図データ等の情報保護を図ることもできる。
【0052】
更に、本実施例では携帯電話とのインタフェースがUSBだったが、前述したように携帯電話の接続が検出できる構造を持ったインタフェースであれば、その他いかなるインタフェースを用いた場合でも本発明が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の地図表示装置の一実施例における携帯電話の接続例を示す図である。
【図2】本発明の地図表示装置の一実施例であるナビゲーション装置の内部構成を示す図である。
【図3】本発明の地図表示装置の一実施例における携帯電話接続時の処理を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の地図表示装置の一実施例において携帯電話へ転送する地図データを検索する処理を示すフローチャート図である。
【図5】(a)〜(c)本発明の地図表示装置の一実施例における地図データ検索の為の地図上での地点指定処理の画面を示した図である。
【図6】(a)〜(c)本発明の地図表示装置の一実施例における検索された地図表示画面例である。
【図7】本発明の地図表示装置の一実施例における地図データ編集処理を示すフローチャート図である。
【図8】(a)(b)本発明の地図表示装置の一実施例における地図データ編集処理の編集メニュー表示画面である。
【図9】(a)〜(c)本発明の地図表示装置の一実施例における地図データ編集処理(距離計算・表示処理)時の画面遷移例である。
【図10】(a)〜(c)本発明の地図表示装置の一実施例における地図データ編集処理(アイコン編集処理)時の画面遷移例である。
【図11】本発明の地図表示装置の一実施例における携帯電話へのデータ転送処理を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の地図表示装置の一実施例における携帯電話間の通信フローを示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1‥ナビゲーション装置、2‥携帯電話、3‥USBケーブル、4a、4b‥USB端子、10‥演算処理部、11‥CPU、12‥Flash ROM、13‥RAM、20‥外部記憶装置、30‥センサ部、31‥方位センサ、32‥ジャイロ、33‥車輪速センサ、34‥A−D変換器、35‥カウンタ、40‥表示部、50‥GPS信号受信部、60‥入出力部、70‥バス、80‥USBコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データが格納された記憶装置と、
スクロールや地点指定などユーザによる指示を受け付ける入力部と、
前記入力部にて指定された指示にしたがって所望の地図データを検索する地図データ検索手段と、
前記地図データ検索手段にて検索された地図データを表示画面上に表示する表示制御手段と、
携帯可能な外部機器と接続される接続部と、
前記接続部に前記外部機器が接続されたことを検出する接続検出手段と、
前記外部機器との間でデータ通信を行なう通信制御手段と、
前記画面上に表示された地図上でアイコンを指定して編集する地図データ編集手段とを備え、
前記接続部に前記外部機器が接続されたことを前記接続検出部が検出すると前記通信制御手段は前記外部機器の固有情報を取得すると共に前記地図データ編集手段にて編集された地図データを前記外部機器へ転送することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図表示装置において、前記地図データ編集手段は前記入力部から入力されたユーザによって指定された始点及び終点の間の距離を計算して前記画面に表示された地図上に表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
複数の縮尺率の地図データが格納された記憶装置と、
自車位置から目的地までの誘導ルートを前記地図データを用いて演算する誘導ルート演算手段と、
スクロールや地点指定などユーザによる指示を受け付ける入力部と、
前記入力部にて指定された指示にしたがって所望の地図データを検索する地図データ検索手段と、
前記検索手段にて検索された地図データ、誘導ルート演算手段によって演算された誘導ルート及び自車位置検出手段で検出した自車位置を表示画面上に表示する表示制御手段と、
携帯電話との接続部と、
前記接続部に携帯電話が接続されたことを検出する接続検出手段と、
携帯電話との間でデータ通信を行なう通信制御手段と、
前記表示制御手段にて画面上に表示された地図上でアイコンを指定して編集する地図データ編集手段とを備え、
前記接続部に前記携帯電話が接続されたことを前記接続検出部が検出すると前記通信制御手段は前記携帯電話の固有情報を取得すると共に、前記地図データ編集手段にて編集された地図データと現在の自車位置と目的地までの誘導ルートを前記携帯電話へ転送することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−3664(P2006−3664A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180251(P2004−180251)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【Fターム(参考)】