説明

地図表示装置

【課題】 地図データを構成する各オブジェクトの描画順序や、地図の区画の描画順序に関わらず、所望の状態の地図を表示することが可能な地図表示装置を提供する。
【解決手段】 地図データ記憶媒体51から地図データを取り出してデータ格納バッファ53に格納し、データ格納バッファ53に格納された背景データや道路データ等を構成するオブジェクトを1つずつ取りだして、画像形成領域55に書き込むことによって画像を形成する。なお、画像形成領域55の各画素は、表示色情報と描画優先度とから構成されており、オブジェクトの描画優先度の方が画像形成領域55の該当画素の描画優先度よりも高い場合のみ、画像形成領域55の画素は更新される。すべてのオブジェクトが処理されて画像形成が完了すると、画像形成領域55の表示色情報をVRAM57に転送し、表示部に地図を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置等に適用可能な地図表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置等における地図表示方法としては、地図ディスクなどの地図データ記憶媒体から地図データ(背景データ、道路データ、名称データ等)を読み込み、予め定められた描画順序に基づいて、例えば、まず背景データを用いて背景オブジェクトを描画し、続いて道路データを用いて道路オブジェクトを描画し、最後に名称データを用いて名称オブジェクトを描画して地図画像を形成する。そして、その形成した地図画像を表示装置に表示させていた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−331371号公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような従来の地図表示方法を用いるナビゲーション装置では、例えば、地下トンネルへの入り口の存在を地図閲覧者に意識させるため、ある特定の道路オブジェクトだけ建物オブジェクト(背景オブジェクト)の背後に表示させるというようなことができなかった。なぜなら、上述したように、予め決められた順序で重ね合わせるようにして形成された地図画像は色情報のみで構成されているため、後からオブジェクトを追加すると、そのオブジェクトは必然的に最前面に描画されることになるからである。もちろん、その道路オブジェクトの描画タイミングを適切に変更して描画する方法も考えられるが、しかしながら、近接する他のオブジェクトとの関係を全て意識し、適切な描画タイミングを導き出すことは容易ではなかった。
【0004】
また、一般的に地図データは区画に分けられて管理されているため、例えば、一の区画を描画し終えた後に、次の区画を描画するような方法の場合、隣接する区画にまたがるオブジェクトの一部が上書きされてしまう問題があった。具体的には、図6(a)に示す地図画像のように、道路オブジェクト81を含む地図区画85を先に描画した後、道路オブジェクト81は含まないが建物オブジェクト83は含む地図区画87を後から描画すると、建物オブジェクト83が道路オブジェクト81の上に重なるように描画されてしまうおそれがあった(望ましくは図6(b))。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、地図データを構成する各オブジェクトの描画順序や、地図の区画の描画順序に関わらず、所望の状態の地図を表示することが可能な地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の地図表示装置は各地図オブジェクトに対応するデータが記憶されている地図データ記憶媒体から、その記憶されているデータを取得する地図データ取得手段と、地図オブジェクトの種別毎に定められた描画優先度を保持する描画優先度保持手段と、地図データ取得手段が取得したデータを用いて各地図オブジェクトを順に描画して地図画像を形成する地図画像形成手段と、地図画像形成手段が形成した地図画像を表示する表示手段と、を備える。
【0007】
そして、地図画像形成手段は、形成途中の地図画像の画素毎に描画優先度を保持しておき、地図オブジェクトを描画する際、その地図オブジェクトに対応する描画優先度を描画優先度保持手段から取得し、その地図オブジェクトの描画先の画素の描画優先度と描画優先度保持手段から取得した描画優先度とを比較し、描画優先度保持手段から取得した描画優先度の方が高い場合のみ、地図画像の当該画素を地図オブジェクトのデータによって更新すると共に、画素毎に保持している描画優先度を描画優先度保持手段から取得した描画優先度によって更新し、特定の地図オブジェクトについてだけは、描画優先度変更手段が保持している描画優先度の代わりに、指定された描画優先度を用いる。
【0008】
なお、地図画像形成手段が行う描画というのは、実際に利用者の目に見える形で描画(つまり表示手段に表示させる描画)という意味ではなく、内部(具体的には例えばメモリ上)に地図画像を形成することを意味する。
【0009】
このような地図表示装置によれば、形成途中の地図画像の画素毎に描画優先度を保持しているため、地図オブジェクトをどのような順序で描画しても所望の地図画像を形成することができる。したがって、例えば、ある特定の道路オブジェクトだけ建物オブジェクトの背後に表示させるというようなことも、その道路オブジェクトの描画優先度を特別に建物オブジェクトの描画優先度よりも下げれば、描画順序を意識することなく容易に可能となる。また、上述した、隣接する区画にまたがるオブジェクトの一部が上書きされてしまう問題も、画素毎に設定された描画優先度によって上書き有無が制御されるため、回避することができる。
【0010】
ところで、描画優先度保持手段が保持する描画優先度は固定的なものであってもよいが、利用者の操作や、交通状況、時間帯、地図縮尺等によって変更されるようになっていてもよい。つまり、請求項2に記載の地図表示装置のように、さらに、描画優先度保持手段が保持する描画優先度を変更することができる描画優先度変更手段を備えるようになっているとよい。
【0011】
このようになっていれば、例えば、渋滞時や夜間には道路オブジェクトの優先度を相対的に上げて地図画像を形成したり(請求項3,請求項4の一例)、地図縮尺が大きい場合に建物オブジェクトの描画優先度を相対的に下げたり(請求項5の一例)、利用者の好みによって描画優先度を調整すること等が可能になる。なお、描画優先度保持手段は、描画優先度をテーブル形式で複数保持しておき、描画優先度変更手段によって、そのテーブルが切り替わるようになっていてもよい。
【0012】
また、請求項6に記載のような、請求項1〜請求項5の何れかに記載の地図表示装置における地図画像形成手段及として機能させるプログラムを、地図表示装置が内蔵するコンピュータに実行させるようになっていてもよい。このようになっていれば、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することによりコンピュータを地図表示装置の地図画像形成手段として機能させることができる。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能であるため、地図表示装置の機能向上も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0014】
図1は、本発明の地図表示装置が有する機能が組み込まれたナビゲーション装置20の概略構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置20は車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、操作スイッチ群22と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置20とは別体となったリモートコントロール端末(以下、リモコンと称す)23aと、リモコン23aからの信号を入力するリモコンセンサ23bと、パケット通信網等に接続して外部と通信を行う外部通信機24と、地図データや各種の情報を記録した地図記憶媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部27と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン28と、車内LANを介して他の装置と様々な情報をやりとりする車内LAN通信部30と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,リモコンセンサ23b,地図データ入力器25,マイクロフォン28,車内LAN通信部30からの入力に応じて各種処理を実行し、表示部26,音声出力部27,車内LAN通信部30を制御する制御部29とを備えている。
【0015】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ21dとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21dからの出力信号に基づいて制御部29が、車両の位置,方位,速度等を算出する。なお、GPS受信機21aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式の何れであってもよい。
【0016】
操作スイッチ群22は、表示部26の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。尚、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0017】
外部通信機24は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから事故情報や渋滞情報等を取得する。
地図データ入力器25は、図示しない地図データ記憶媒体に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。
【0018】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0019】
音声出力部27は、地図データ入力器25より入力した施設のガイドや各種案内の音声を出力することができる。
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部29に出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、ナビゲーション装置20を操作することができる。
【0020】
車内LAN通信部30は、車内LANを介して車内LANに接続された様々な機器(例えば、図示しないエンジンECU等)と通信を行う。
制御部29は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器25を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する処理や、地図データ入力器25に格納された地図データと、操作スイッチ群22やリモコン23a等の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する処理や、その算出した経路を表示部26に表示させたり音声出力部27に音声として出力させることにより経路を案内する処理等を実行する。
【0021】
ここで、ナビゲーション装置20の各部と、特許請求の範囲に記載の用語との対応を示す。制御部29が描画優先度保持手段、地図画像形成手段及び案内経路算出手段に相当し、地図データ入力器25が地図データ取得手段に相当し、表示部26が表示手段に相当し、操作スイッチ群23及びリモコン23aが描画優先度変更手段に相当する。
【0022】
次に、制御部29が記憶するオブジェクトテーブル41について、図2に記載のテーブルを用いて説明する。オブジェクトテーブル41は、オブジェクト種別43(例えば、国道マーク、県道マーク、施設名称等)、オブジェクト分類45(例えば、名称データ、道路データ、背景データ等)、描画優先度47(例えば、1、2、3等)、及び色情報49(例えば、青、緑、黒等)から構成される。これらの情報は、利用者が操作スイッチ群22やリモコン23aを操作することにより変更することが可能となっている。
【0023】
次に、制御部29が実行する処理のうち、本実施例のナビゲーション装置20に特徴的な処理である地図画像形成処理について図3及び図4を用いて説明する。まず図3の概略説明図を用いて地図画像形成処理の概要を説明し、続いて図4のフローチャートを用いて地図画像形成処理の詳細を説明する。なお、一般的なナビゲーション装置が実行する、運転者によって入力された情報に基づいて目的地を設定する目的地設定処理や、算出された経路に基づいて案内を行う経路案内処理等については説明を省略する。
【0024】
図3の概略説明図に示すように、まず地図データ記憶媒体51から地図データを取り出してデータ格納バッファ53に格納する。この際に、地図データ記憶媒体51からは地図区画単位で取得して格納する。また、格納される各地図区画は、背景データ、道路データ、名称データに分けられている。
【0025】
次に、データ格納バッファ53に格納された、背景データや道路データ等を構成するオブジェクトを1つずつ取りだして、画像形成領域55に書き込むことによって地図画像を形成する。なお、画像形成領域55の各画素は、表示色情報と描画優先度とから構成されており、オブジェクトの描画優先度の方が画像形成領域55の該当画素の描画優先度よりも高い場合のみ、画像形成領域55の画素はオブジェクトの表示色情報及び描画優先度によって更新される。
【0026】
すべてのオブジェクトが処理されて地図画像の形成が完了すると、画像形成領域55の表示色情報をVRAM57に転送し、表示部26に地図を表示させる。
次に、地図画像形成処理を図4のフローチャートを持ちいて詳細に説明する。制御部29は、地図を表示部26に表示させる要求がなされた際に地図画像形成処理を実行する。制御部29が地図画像形成処理の実行を開始すると、まず地図データ入力器25を介して地図データ記憶媒体51から地図データを取り出し、データ格納バッファ53に格納する(S210)。この際、地図データは、地図区画毎に分けられ、それらはさらにオブジェクトの分類(具体的には、背景データ,道路データ,名称データ)毎に分けられて格納される。
【0027】
次に、データ格納バッファ53の特定地図区画から1オブジェクト分のデータを読み出す(S215)。
次に、S215で読み出したオブジェクトのオブジェクト種別43に対応した描画優先度47をオブジェクトテーブル41から取得する(S220)。
【0028】
次に、S215で読み出したオブジェクトのオブジェクト種別43に対応した色情報49をオブジェクトテーブル41から取得する(S225)。
次に、S225で取得した色情報49にS220で取得した描画優先度47を付加したオブジェクトデータ(画素集合)を生成する(S230)。
【0029】
次に、特定のオブジェクトだけ描画優先度を変更する(S235)。これは、オブジェクトテーブル41の描画優先度47とは異なる描画優先度を設定したいオブジェクトについて、S230で生成したオブジェクトデータ内の描画優先度を変更することである。
【0030】
次に、当該オブジェクトデータの描画優先度47と、画像形成領域の書き込み予定画素の各描画優先度とを比較し、当該オブジェクトデータの描画優先度47の方が高い描画予定画素のみ当該オブジェクトデータで更新する(S240)。この更新においては、表示色情報と描画優先度の両方を更新する。
【0031】
次に、データ格納バッファ53の特定地図区画の全てのオブジェクトを処理(特許請求の範囲に記載の用語で言うところの描画)したか否かによって処理を分岐する(S245)。全てのオブジェクトを処理した場合にはS250に進み、全てのオブジェクトを処理していない場合にはS215に処理を戻す。

S250では、データ格納バッファ53に格納されている全ての区画について処理したか否かによって処理を分岐する。全ての地図区画について処理した場合には本処理(地図画像形成処理)を終了し、全ての地図区画について処理していない場合にはS215に処理を戻す。
【0032】
これまで説明したようにナビゲーション装置20は構成されて動作するため、従来は図5(a)の地図画像のように、すべての名称オブジェクトを建物オブジェクトの前面に表示させることしかできなかっものが、図5(b)に示す地図画像のように、ある特定のオブジェクト(名称オブジェクト73)だけを特定のオブジェクト(建物オブジェクト71)の背後に表示させるようなことが容易に実現できる。また、上述した、隣接する区画にまたがるオブジェクトの一部が上書きされてしまう問題(図6(a)参照)も、画素毎に設定された描画優先度によって上書き有無が制御されるため、回避することができる。すなわち、実施例のナビゲーション装置20によれば、地図データを構成する各オブジェクトの描画順序や、地図の区画の描画順序に関わらず、所望の状態の地図を表示することが可能である。
【0033】
以下、他の実施例について説明する。
上記実施例では、利用者が操作スイッチ群22やリモコン23aを操作することにより描画優先度47を変更することが可能となっていたが、制御部29が、案内経路上の渋滞具合に応じて描画優先度47を変更するようになっていてもよい。具体的には例えば、渋滞時には案内経路や渋滞道路のオブジェクトの描画優先度47を相対的に上げるようにしてもよい。
【0034】
また、制御部29は、現在時刻に応じて描画優先度47を変更するようになっていてもよい。具体的には例えば、夕方や夜間には案内経路が最も認識しやすいように案内経路や渋滞道路のオブジェクトの描画優先度47を相対的に上げるようにしてもよい。
【0035】
また、制御部29は、地図縮尺に応じて描画優先度47を変更するようになっていてもよい。具体的には例えば、地図縮尺が大きい場合には建物オブジェクトや名称オブジェクトの描画優先度47を相対的に下げるようにしてもよい。
【0036】
これらのようになっていると表示部26に表示される地図の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図2】オブジェクトテーブルを説明するための表である。
【図3】地図画像形成処理を説明するための概略説明図である。
【図4】地図画像形成処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施例のナビゲーション装置の効果を説明するための地図画像である。
【図6】従来のナビゲーション装置の問題点を説明するための地図画像である。
【符号の説明】
【0038】
20…ナビゲーション装置、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、21d…地磁気センサ、22…操作スイッチ群、23a…リモコン、23b…リモコンセンサ、24…外部通信機、25…地図データ入力器、26…表示部、27…音声出力部、28…マイクロフォン、29…制御部、30…車内LAN通信部、41…オブジェクトテーブル、43…オブジェクト種別、45…オブジェクト分類、47…描画優先度、49…色情報、51…地図データ記憶媒体、53…データ格納バッファ、55…画像形成領域、57…VRAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各地図オブジェクトに対応するデータが記憶されている地図データ記憶媒体から、その記憶されているデータを取得する地図データ取得手段と、
前記地図オブジェクトの種別毎に定められた描画優先度を保持する描画優先度保持手段と、
前記地図データ取得手段が取得した前記データを用いて前記各地図オブジェクトを順に描画して地図画像を形成する地図画像形成手段と、
前記地図画像形成手段が形成した前記地図画像を表示する表示手段と、
を備え、
前記地図画像形成手段は、
形成途中の前記地図画像の画素毎に描画優先度を保持しておき、前記地図オブジェクトを描画する際、その地図オブジェクトに対応する描画優先度を前記描画優先度保持手段から取得し、その地図オブジェクトの描画先の画素の前記描画優先度と前記描画優先度保持手段から取得した前記描画優先度とを比較し、前記描画優先度保持手段から取得した描画優先度の方が高い場合のみ、前記地図画像の当該画素を前記地図オブジェクトの前記データによって更新すると共に、画素毎に保持している前記描画優先度を前記描画優先度保持手段から取得した描画優先度によって更新し、
特定の地図オブジェクトについてだけは、前記描画優先度変更手段が保持している前記描画優先度の代わりに、指定された描画優先度を用いること、
を特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
さらに、前記描画優先度保持手段が保持する前記描画優先度を変更することができる描画優先度変更手段を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の地図表示装置において、
前記描画優先度変更手段は、前記地図画像形成手段が形成する前記地図画像上の道路の渋滞具合に応じて前記描画優先度保持手段が保持する前記描画優先度を変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の地図表示装置において、
前記描画優先度変更手段は、現在時刻に応じて前記描画優先度保持手段が保持する前記描画優先度を変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項2に記載の地図表示装置において、
前記描画優先度変更手段は、前記地図画像形成手段が形成しようとする前記地図画像の縮尺に応じて前記描画優先度保持手段が保持する前記描画優先度を変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1〜請求項5の何れかに記載の地図表示装置の前記地図画像形成手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−23495(P2006−23495A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200910(P2004−200910)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】